JPH09122958A - アルミニウム合金のパルスレーザ溶接方法 - Google Patents

アルミニウム合金のパルスレーザ溶接方法

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JPH09122958A
JPH09122958A JP7306792A JP30679295A JPH09122958A JP H09122958 A JPH09122958 A JP H09122958A JP 7306792 A JP7306792 A JP 7306792A JP 30679295 A JP30679295 A JP 30679295A JP H09122958 A JPH09122958 A JP H09122958A
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JP
Japan
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pulse
welding
laser
lap
laser beam
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Pending
Application number
JP7306792A
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English (en)
Inventor
Koichi Haruta
浩一 春田
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金を溶接する場合、溶接速度
および溶接強度の低下を招くことなく、溶接割れの発生
が無いパルスレーザ溶接方法を提供する。 【構成】 パルスレーザの照射条件として、パルス繰返
し周波数fが20(Hz)≦fを満たし、パルスラップ
率Rlap が75%≦Rlap <100%を満たし、パルス
デューティDが20%≦D≦30%を満たすことによっ
て、凝固速度を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスレーザを用いて
アルミニウム合金の溶接、たとえば突合せ溶接や重ね連
続溶接などを行うレーザ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金は、鉄鋼材に比べて、
1)比重が軽い、2)耐食性が高い、3)外観が美麗、
4)深絞りが可能、等の優れた性質を有し、JIS規格
によるとH4000〜H4180に規定されている。こ
うしたアルミニウム合金は、自動車、家電製品等の分野
で広範に使用されている。
【0003】アルミニウム合金の溶接方法として、たと
えばMIGやTIG等のアーク溶接やCW型CO2 レー
ザを用いたレーザ溶接が一般に使用されており、最近で
はパルスYAGレーザを用いたパルスレーザ溶接が検討
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のMI
GやTIG等のアーク溶接やスポット溶接、あるいはC
W型CO2 レーザやパルスYAGレーザを用いたレーザ
溶接において、被溶接材としてアルミニウム合金を使用
する場合、溶接施工時に溶接割れが発生し易いことが知
られている。そのため、アーク溶接の場合には、溶接中
心部をアーク放電によって溶融しながら、割れの発生し
易い周辺部分を別途バーナ等で加熱することによって、
凝固速度を低下させるという工夫がなされる。しかし、
この溶接方法では2つ以上の熱源を操作する必要があ
り、しかも作業員の熟練も要求されるため、作業効率が
極めて悪い。
【0005】特に、パルスYAGレーザでは、アルミニ
ウム合金の溶融と凝固が繰り返すことになるため、溶接
割れ、特に凝固割れの発生が避けられず、このことが産
業界への普及を妨げている。
【0006】本発明の目的は、アルミニウム合金を溶接
する場合、溶接速度および溶接強度の低下を招くことな
く、溶接割れの発生が無いパルスレーザ溶接方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
合金をパルスレーザを用いて溶接を行う方法であってパ
ルスレーザの照射条件として、パルス繰返し周波数f
が、20(Hz)≦fを満たし、パルスラップ率Rlap
が、75%≦Rlap <100%を満たし、パルスデュー
ティDが、20%≦D≦30%を満たすことを特徴とす
るアルミニウム合金のパルスレーザ溶接方法である。
【0008】なお、本発明の溶接方法において、パルス
繰返し周波数fの上限はある程度高くても構わないが、
レーザ装置の発振可能な周波数の上限で決まる。たとえ
ば希工類をドープしたYAGをフラッシュランプで励起
してレーザビームを発振させるレーザ装置の場合は、1
0k(PPS)程度までが実用的な範囲である。
【0009】また、パルスラップ率Rlap は次のように
定義される。図1の断面図に示すように、アルミニウム
合金から成る被溶接材2a、2bをパルスレーザ光によ
って重ね溶接する場合、レーザビームを一定の速度で相
対的に移動させる。このとき、レーザビームの照射領域
は溶融と凝固を繰り返すことになるが、凝固領域3の平
面形状はビーム移動方向に沿って長円状になる。この長
円の長手方向の長さ、すなわち長径を凝固時のナゲット
径といい、Rn(単位はmm)で定義する。また、レー
ザビームの1パルス分の送り量をS(単位はmm)、溶
接速度をV(単位はmm/秒)、パルス繰返し周波数を
f(単位はHz)でそれぞれ定義する。すると、パルス
ラップ率Rlap は下記の式(1)で定義される。
【0010】
【数1】 また、パルスデューティDは、パルス繰返し周期T(=
1/f)の期間中に、レーザパルスの発生期間の割合を
示すものである。
【0011】
【作用】アルミニウム合金のような熱伝導の高い金属を
割れのない良好な溶接を行うためには、凝固速度を低減
することが効果的である。本発明者はそのためのパルス
レーザの条件としてパルス繰返し周波数、パルスラップ
率、パルスデューティの3つのパラメータが重要である
ことを見い出した。
【0012】本発明に従えば、アルミニウム合金をパル
スレーザで溶接する場合、凝固速度を低減するように所
定のパルス繰返し周波数f、所定のパルスラップ率Rla
p および所定のパルスデューティDにそれぞれ設定する
ことによって、溶接施工時の溶接割れの発生を防止する
ことができる。
【0013】また、こうしたパルスレーザ照射条件の下
では、溶接金属のスパッタ飛散が抑制され、レーザ光学
系の汚染も解消されるため、光学系メンテナンスの負担
を大幅に軽減できる。
【0014】
【実施例】本実施例で使用したパルスレーザの溶接条件
を以下に示す。
【0015】レーザの種類はNd:YAGレーザであ
り、フラッシュランプによりNd:YAGロッドを側面
から照射し発振波長は1.06μm、溶接平均出力は7
00W、発振モードはマルチモード、レーザパルス波形
は矩形波のレーザパルスを得た。光学系として、レーザ
装置から溶接ヘッドへ導光する光ファイバは、直径0.
6mmのSI(ステップインデックス)型で、光ファイ
バの長さは20mであった。また、溶接ヘッドに格納さ
れた集光レンズの開口数(NA)は0.2で、その焦点
距離は120mm、集光スポット径は約1.1mmで、
焦点位置は被溶接材表面に一致させるジャストフォーカ
スとした。
【0016】その他に、溶接長は100mmとして、シ
ールドガスとしてArガスを使用し、シールドガスの流
量は20リットル/分とした。
【0017】被溶接材料として、Al−Mg合金(JI
S H4000 A5052P−H34)、Al−Mg
合金(JIS H4000 A2024P−T3)、A
l−Mg合金(JIS H4000 A1050P−H
24)の3種類を用いた。なお、被溶接材料の寸法は、
長さ100mm、幅30mmの平板である。
【0018】次に実施例(表1)および比較例(表2)
の結果を示す。なお、各表において、「B.O.P.」はビー
ドオンプレート(重ね溶接に相当)、「Butt」は突合せ
溶接を意味し、合否の「○」は溶接割れ無し、「×」は
溶接割れ有りを示す。
【0019】
【表1】 図2は、実施例5の溶接断面を示す顕微鏡写真である。
写真中央部において若干湾曲して、溶融および凝固によ
って結晶構造が変化しているが、溶接割れの発生は皆無
であることが判る。
【0020】図3は、実施例10の溶接断面を示す顕微
鏡写真である。写真中央部において上面が若干湾曲し
て、溶融および凝固によって結晶構造が変化している
が、溶接割れの発生は皆無であることが判る。なお、断
面中央のピンホールは極めて小さく、溶接強度に影響を
与えないものである。
【0021】
【表2】 図4は、比較例2の溶接断面を示す顕微鏡写真である。
写真中央部において上面が厚みの1割程度窪んでおり、
しかも断面内部には細かいひび割れが多数散在している
ことが判る。こうしたひび割れは、溶融金属が急速に凝
固することによって発生するものであり、溶接強度の低
下をもたらす主な原因となる。
【0022】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、ア
ルミニウム合金をパルスレーザで溶接する場合、所定の
パルス繰返し周波数f、所定のパルスラップ率Rlap お
よび所定のパルスデューティDにそれぞれ設定すること
によって、溶接施工時の溶接割れの発生を防止すること
ができる。したがって、品質の優れた溶接を容易に実現
することができる。
【0023】また、こうしたパルスレーザ照射条件の下
では、溶接金属のスパッタ飛散が抑制され、レーザ光学
系の汚染も解消されるため、光学系メンテナンスの負担
を大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルスラップ率Rlap の定義を示す断面図であ
る。
【図2】実施例5の溶接断面を示す顕微鏡写真である。
【図3】実施例10の溶接断面を示す顕微鏡写真であ
る。
【図4】比較例2の溶接断面を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
2a、2b 被溶接材 3 凝固領域 Rn 凝固時のナゲット径 S 1パルス分の送り量

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金をパルスレーザを用い
    て溶接を行う方法であってパルスレーザの照射条件とし
    て、 パルス繰返し周波数fが、20(Hz)≦fを満たし、 パルスラップ率Rlap が、75%≦Rlap <100%を
    満たし、 パルスデューティDが、20%≦D≦30%を満たすこ
    とを特徴とするアルミニウム合金のパルスレーザ溶接方
    法。
JP7306792A 1995-10-30 1995-10-30 アルミニウム合金のパルスレーザ溶接方法 Pending JPH09122958A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300322A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Minebea Co Ltd 流体動圧軸受装置及びその製造方法
JP2009195948A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Aisin Seiki Co Ltd レーザー溶接方法
US7591057B2 (en) 2005-04-12 2009-09-22 General Electric Company Method of repairing spline and seal teeth of a mated component
US7687151B2 (en) 2005-04-12 2010-03-30 General Electric Company Overlay for repairing spline and seal teeth of a mated component
CN109759699A (zh) * 2019-01-13 2019-05-17 大连理工大学 一种5083铝合金激光焊接工艺方法
CN115008000A (zh) * 2022-06-12 2022-09-06 吉林大学 基于脉冲重叠率与预热联合调控的镁合金薄板Nd:YAG激光焊接方法

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