JP2009220060A - 電気式脱イオン水製造装置およびその脱イオンユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】省スペース化が図れる脱塩室複数セル型のEDI、およびEDIの省スペース化が図れる脱イオンユニットを目的とする。
【解決手段】本発明のEDIは、脱塩室複数セル型のEDIであって、枠体30、50と、枠体30、50の一側に配置されたカチオン交換膜20と、枠体30、50の他側に配置されたアニオン交換膜60とを備えた脱イオンユニット10を有し、前記脱イオンユニット10には、小脱塩室32と、中間イオン交換膜40を介して隣接する小脱塩室52とを連通する被処理水流路が設けられ、小脱塩室間の被処理水の流通が、前記脱イオンユニット10内で行われることよりなる。
【選択図】図1

Description

本発明は電気式脱イオン水製造装置およびその脱イオンユニットに関する。
脱イオン水を製造する方法として、従来からイオン交換樹脂に被処理水を通水して脱イオンを行う方法が知られている。しかし、この方法ではイオン交換樹脂が飽和したときに、薬剤によって再生を行う必要がある。近年、このような処理操作上の不利な点を解消するため、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン装置(以下、EDIという)が実用化されている。
EDIは、電気泳動と電気透析とを組み合わせた純水製造装置である。EDIは、アニオン交換膜とカチオン交換膜との間にイオン交換体を充填し、イオン交換膜の外側に陽極と陰極の電極を配置した装置である。EDIによる脱イオン水の製造方法は、前記電極に直流電圧を印加した状態でイオン交換体層に被処理水を通水することにより、被処理水中のイオン成分をイオン交換体で吸着し、電気泳動にて膜面までイオンを泳動させ、イオン交換膜にて電気透析して濃縮水中へと除去するものである。
従来、脱イオン水の水質向上や、運転電圧の低位安定化を目的とした改良が報告されている。例えば、EDIに複数の脱塩室を設け、被処理水を複数の脱塩室に直列的に通水することで、脱イオン水の水質の向上を図ったEDIが開示されている(例えば、特許文献1、2)。
また、脱塩室を厚さ方向に二分して小脱塩室を形成し、多段処理を可能とすると共に、脱塩室当たりの濃縮室の数を減らし、水質向上と電圧の安定化を図った、脱塩室が複数の小脱塩室によって構成された、脱塩室複数セル型のEDIが開示されている(例えば、特許文献3)。
前記脱塩室複数セル型のEDIについて、図7を用いて説明する。図7は従来型の脱塩室複数セル型のEDIに用いられる脱イオンユニット900の斜視図である。説明の便宜上、各構成部材を離間して図示しているが、実際の脱イオンユニット900では、各構成部材は密着している。脱イオンユニット900は、カチオン交換膜920、枠体930、中間イオン交換膜940、枠体950、アニオン交換膜960が順に配置されている。
枠体930の開口部にはイオン交換体が充填されて小脱塩室932が形成され、枠体950の開口部にはイオン交換体が充填されて小脱塩室952が形成され、小脱塩室932、952とで、脱塩室が構成されている。カチオン交換膜920には、被処理水を流通させる孔922と、脱イオン水を流通させる孔924とが設けられている。枠体930には、被処理水の入水口934、入水口934と小脱塩室932とを連通する流水路935、小脱塩室932を流通した被処理水を送水する送水口936、小脱塩室932と送水口936とを連通する流水路937、脱イオン水を流通させる孔938が設けられている。中間イオン交換膜940には、被処理水を流通させる孔942と、脱イオン水を流通させる孔944が設けられている。枠体950には、被処理水の入水口954、入水口954と小脱塩室952とを連通する流水路955、小脱塩室952を流通した脱イオン水を送水する送水口956、小脱塩室952と送水口956とを連通する流水路957、被処理水を流通させる孔958が設けられている。アニオン交換膜960には、被処理水を流通させる孔962、964が設けられている。そして、孔962と孔964とは、EDIの外に設けられた配管970を介して接続されている。
EDI900による脱イオン水の製造に当たっては、被処理水を流れ方向aで孔922から入水口934へ流入させる。流入した被処理水は、流水路935を流通して小脱塩室932を流通する。次いで、流水路937、送水口936、孔942、958、962、配管970、孔964の順で流通し、入水口954に至る。そして、被処理水は、流水路955を流通し、小脱塩室952を流通して脱イオン水となる。脱イオン水は、流水路957、送水口956、孔944、938を経由して、孔924から、流れ方向cで流出する。このような脱イオンユニット900を用いた脱塩室複数セル型のEDIは、脱塩室1セル型のEDIに比べて、低電圧運転、および、脱イオン水の水質向上が図れるという利点がある。
特開2004−314070号公報 特公平6−20513号公報 特許第3385553号明細書
しかしながら、上述のように、従来型の脱塩室複数セル型のEDIは、脱塩室における水の流れ方向が、各小脱塩室とも同じ方向であった。このため、任意の小脱塩室で処理した水を他の小脱塩室に流すためには、前記任意の小脱塩室で処理した水をEDIの外に排出した後、他の小脱塩室へと流入させる、いわゆる「渡しの配管」(図7中の配管970)をEDIの外側に設置する必要があった。この渡しの配管の存在は、EDIのコンパクト化に際し、非常に大きな問題となっていた。さらに、1つの小脱塩室につき、水の流入ラインと流出ラインとが設けられるため、各小脱塩室に直列で被処理水を通水するためには、小脱塩室の数に応じて水の流入ライン・流出ラインが増設される。このことは、装置外に設ける渡しの配管が増えることとなり、装置の大型化、装置製造上のコストが高くなるという問題があった。
そこで本発明は、省スペース化が図れる、脱塩室複数セル型のEDIを目的とする。さらに、渡しの配管を装置外に設置せずに、EDI内の配管により、複数の脱イオンユニットに対し、直列に通水できるEDIを目的とする。本発明は、EDIの省スペース化が図れる、脱イオンユニットを目的とする。
本発明のEDIは、枠体と、枠体の一側に配置されたカチオン交換膜と、前記枠体の他側に配置されたアニオン交換膜とを備えた脱イオンユニットを有し、前記脱イオンユニットには、前記枠体の開口部と前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜とで脱塩室が形成され、前記脱塩室には、前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に配置された中間イオン交換膜によって、脱塩室の厚さ方向に多段に区画され、区画された室内にイオン交換体が充填されて小脱塩室が形成され、前記カチオン交換膜、または、前記アニオン交換膜を介して、前記脱塩室の両側に濃縮室が設けられ、前記脱塩室と前記濃縮室とが、陽極を備えた陽極室と、陰極を備えた陰極室との間に配置され、前記脱イオンユニットには、任意の小脱塩室と中間イオン交換膜を介して隣接する他の小脱塩室とを連通する被処理水流路が設けられ、小脱塩室間の被処理水の流通が、前記脱イオンユニット内で行われることを特徴とする。
本発明のEDIは、前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記脱イオンユニットが前記濃縮室を介して配置され、任意の脱塩室を流通させた被処理水を他の脱塩室に流通させることが好ましく、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画されて形成されている小脱塩室に充填されている前記イオン交換体は、アニオン交換体の体積比率が50〜100%であっても良く、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画されて形成されている小脱塩室に充填されている前記イオン交換体は、カチオン交換体の体積比率が50〜100%であっても良く、前記小脱塩室の厚さは、4〜100mmであることが好ましい。
本発明の脱イオンユニットは、枠体と、枠体の一側に配置されたカチオン交換膜と、枠体の他側に配置されたアニオン交換膜とを備えた脱イオンユニットであって、前記枠体の開口部と前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜とで脱塩室が形成され、前記脱塩室は、前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に配置された中間イオン交換膜によって、脱塩室の厚さ方向に多段に区画され、区画された室内にイオン交換体が充填されて小脱塩室が形成され、任意の小脱塩室と中間イオン交換膜を介して隣接する他の小脱塩室とを連通する被処理水流路が設けられていることを特徴とする。
本発明のEDIによれば、省スペース化を図ることができる。さらに、EDI内の配管により、複数の脱イオンユニットに対し、直列に通水できる。本発明の脱イオンユニットによれば、EDIの省スペース化を図ることができる。
本発明のEDIは、脱塩室複数セル型のEDIであって、任意の小脱塩室と中間イオン交換膜を介して隣接する他の小脱塩室とを連通する被処理水流路が設けられた脱イオンユニットを備えたものである。
本発明のEDIに備えられる脱イオンユニットの構造と、被処理水の流通経路について、図1、2を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる脱イオンユニット10の斜視図である。図2は、脱イオンユニット10の断面図である。なお、図1は、説明の便宜上、各構成部材を離間して図示しているが、実際の脱イオンユニット10では、各構成部材は密着している。
図1に示すように、脱イオンユニット10は、カチオン交換膜20、枠体30、中間イオン交換膜40、枠体50、アニオン交換膜60とが順に配置されている。カチオン交換膜20、中間イオン交換膜40、アニオン交換膜60は、それぞれ、枠体30、50と略同等の面積である。
枠体30の開口部にはイオン交換体が充填されて小脱塩室32が形成され、枠体50の開口部にはイオン交換体が充填されて小脱塩室52が形成され、小脱塩室32、52とで、脱塩室が構成されている。カチオン交換膜20には、被処理水を流通させる孔22が設けられている。枠体30には、被処理水の入水口34、入水口34と小脱塩室32とを連通する流水路35、小脱塩室32を流通した被処理水を送水する送水口36、小脱塩室32と送水口36とを連通する流水路37が設けられている。中間イオン交換膜40には、被処理水を流通させる孔42が設けられている。枠体50には、被処理水の入水口54、入水口54と小脱塩室52とを連通する流水路55、小脱塩室52を流通した被処理水を送水する送水口56、小脱塩室52と送水口56とを連通する流水路57が設けられている。アニオン交換膜60には、被処理水を流通させる孔62が設けられている。
図2に示すように、カチオン交換膜20、枠体30、中間イオン交換膜40、枠体50、アニオン交換膜60が密着した状態において、流水路37と、送水口36と、孔42と、入水口54と、流水路55とで、「被処理水流路」が構成されている。
続いて、脱イオンユニット10における水の流通経路について説明する。被処理水を流れ方向Aで孔22から流入させる。流入した被処理水は、入水口34から流水路35を経由して、小脱塩室32を流通する。そして、被処理水は、流水路37、送水口36、孔42、入水口54、流水路55を経由して、小脱塩室52を流通する。そして、被処理水は、イオン成分が除去されて、脱イオン水となる。脱イオン水は、流水路57、送水口56を経由して、孔62から、流れ方向Cで流出する。
脱イオンユニット10によれば、流水路37、送水口36、孔42、入水口54、流水路55で構成された被処理水流路が設けられていることにより、前述した配管970(図7)のような「渡しの配管」を脱イオンユニットの外、即ち、EDIの外に設けることなく、小脱塩室32から小脱塩室52へ、被処理水を流通させることができる。このため、脱イオンユニット10を備えたEDIの省スペース化を図ることができる。また、渡しの配管を設置しないため、製造コストの削減を図ることができる。加えて、被処理水は、渡しの配管を通らず移動距離が短くなるため、脱イオンユニット内での圧力損失を大幅に低減することができる。このため、EDIへ被処理水を供給するポンプの出力を小さくし、製造コスト、運転コストの低減を図ることができる。
本発明のEDIについて、以下に例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施形態に限られるものではない。
<第1の実施形態>
本発明のEDIの第1の実施形態について図3、4を用いて説明する。図3は、本実施形態のEDI100の斜視図である。図4は、EDI100における流水経路を説明する模式図である。なお、図3は、説明の便宜上、各構成部材を離間して図示しているが、実際のEDI100では、各構成部材は密着している。
図3に示すとおり、EDI100は陰極102を備えた陰極室104と、陽極290を備えた陽極室292との間に、脱イオンユニット110と、脱イオンユニット210とが、濃縮室に挟持されて配置されたものである。
脱イオンユニット110は、カチオン交換膜140と、枠体150と、中間イオン交換膜160と、枠体170と、アニオン交換膜180とが、陰極102側から順に配置され、構成されている。枠体150の開口部には、イオン交換体が充填されて、小脱塩室152が形成され、枠体170の開口部には、イオン交換体が充填されて小脱塩室172が形成されている。そして、小脱塩室152と小脱塩室172とで、脱塩室を構成している。
脱イオンユニット210は、カチオン交換膜220と、枠体230と、中間イオン交換膜240と、枠体250と、アニオン交換膜260とが、陰極102側から順に配置されている。枠体230の開口部には、イオン交換体が充填されて、小脱塩室232が形成され、枠体250の開口部には、イオン交換体が充填されて小脱塩室252が形成されている。そして、小脱塩室232と小脱塩室252とで、脱塩室を構成している。
陰極102と仕切り膜120との間には、枠体101が配置されている。枠体101の開口部にメッシュが設置されて、陰極室104が形成されている。
陽極290と仕切り膜280との間には、枠体291が設置されている。枠体291の開口部にメッシュが設置されて、陽極室292が形成されている。陰極102と陽極290とは、図示されない電源と接続されている。
陰極102側の仕切り膜120とカチオン交換膜140との間には、枠体130が配置されている。枠体130の開口部には、イオン交換体が充填されて、濃縮室132が形成されている。
陽極290側の仕切り膜280とアニオン交換膜260との間には、枠体270が配置されている。枠体270の開口部には、イオン交換体が充填されて、濃縮室272が形成されている。
さらに、脱イオンユニット110のアニオン交換膜180と、脱イオンユニット210のカチオン交換膜220との間には、枠体190が配置されている。枠体190の開口部には、イオン交換体が充填されて、濃縮室192が形成されている。
枠体150には、孔156、159が設けられている。また、入水口154と送水口157が設けられ、入水口154と小脱塩室152とを連通する流水路155と、送水口157と小脱塩室152とを連通する流水路158とが設けられている。
枠体170には、孔173、175、179が設けられている。また、入水口177と送水口176とが設けられ、入水口177と小脱塩室172とを連通する流水路178と、送水口176と小脱塩室172とを連通する流水路174とが設けられている。
枠体230には、孔235、236、239が設けられている。また、入水口233と送水口237とが設けられ、入水口233と小脱塩室232とを連通する流水路234と、送水口237と小脱塩室232とを連通する流水路238とが設けられている。
枠体250には、孔253、258が設けられている。また、入水口256と送水口255とが設けられ、入水口256と小脱塩室252とを連通する流水路257と、送水口255と小脱塩室252とを連通する流水路254とが設けられている。
枠体101には、孔105、106が設けられている。また、入水口107、送水口108が設けられ、入水口107と陰極室104とを連通する流水路103と、送水口108と陰極室104とを連通する流水路109とが設けられている。
枠体291には、孔295、296が設けられている。また、入水口293、送水口297が設けられ、入水口293と陽極室292とを連通する流水路294と、送水口297と陽極室292とを連通する流水路298とが設けられている。
枠体130には、孔134、136、138が設けられている。また、孔136と濃縮室132とを連通する流水路137、孔138と濃縮室132とを連通する流水路139が設けられている。
枠体190には、孔193、195、196、198が設けられている。また、孔195と濃縮室192とを連通する流水路194と、孔198と濃縮室192とを連通する流水路199とが設けられている。
枠体270には、孔273、275、276が設けられている。また、孔273と濃縮室272とを連通する流水路274と、孔276と濃縮室272とを連通する流水路277とが設けられている。
仕切り膜120には孔122、124が設けられ、仕切り膜280には、孔282、284が設けられている。
カチオン交換膜140には、孔142、144、146が設けられ、カチオン交換膜220には、孔222、224、226、228が設けられている。
中間イオン交換膜160には、孔162、164、166、168が設けられ、中間イオン交換膜240には、孔242、244、246、248が設けられている。
アニオン交換膜180には、孔182、184、186、188が設けられ、アニオン交換膜260には、孔262、264、266が設けられている。
本実施形態における「被処理水流路」は、脱イオンユニット110では、流水路158と、送水口157と、孔166と、入水口177と、流水路178とで構成されている。また、脱イオンユニット210では、流水路238と、送水口237と、孔246と、入水口256と、流水路257とで「被処理水流路」が構成されている。
イオン交換膜としては大別すると、原料モノマー液を補強体に含浸させた後に重合させ、全体を均質に形成した均質膜と、イオン交換樹脂を溶解成型可能なポリオレフィン系樹脂と共に粉砕成型した不均質膜の2種類がある。本実施形態におけるカチオン交換膜140、220、アニオン交換膜180、260はいずれも特に限定されず、EDIの製造の適性や、被処理水の水質、脱イオン水に求める水質、処理量等に応じて選択することができる。
中間イオン交換膜160、240は特に限定されず、被処理水の水質や、脱イオン水に求める水質に応じて選択することが好ましい。中間イオン交換膜160、240としては、アニオン交換膜、もしくはカチオン交換膜の単一膜、または、アニオン交換膜とカチオン交換膜との両方を配置した複合膜のいずれであっても良い。
複合膜とは、イオン交換膜が極性の異なる領域を有するものをいう。例えば、モザイク膜やハイポーラ膜等が挙げられる。複合膜における、アニオン交換膜とカチオン交換膜との比率は、被処理水の水質や処理目的等によって、適宜決定することができる。
小脱塩室152、232に充填するイオン交換体は特に限定されず、イオン交換機能を有するものであれば良い。例えば、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、モノリス状多孔質イオン交換体等を挙げることができる。この内、最も汎用的である、イオン交換樹脂が好ましい。イオン交換樹脂としては、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂が挙げられる。
前記アニオン交換樹脂としては強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂が挙げられ、例えば、市販品としてローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(商品名)を挙げることができる。前記カチオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂が挙げられ、例えば、市販品としてローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(商品名)を挙げることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、イオン交換体の充填形態は、特に限定されず、被処理水の水質や、脱イオン水に求める水質を考慮して選択することが好ましい。従って、イオン交換体の充填形態は、アニオン交換体単床形態、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態等のいずれも用いることができる。このうち、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、充填するイオン交換体に対して、カチオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。カチオン交換膜側の小脱塩室では、主にカチオン成分を除去するためである。
小脱塩室172、252に充填するイオン交換体は特に限定されず、上述した小脱塩室152に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
また、小脱塩室172、252のイオン交換体の充填形態は、上述した小脱塩室152の充填形態と同様に特に限定されず、被処理水の水質や、脱イオン水に求める水質を考慮して選択することが好ましい。中でも、アニオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、充填するイオン交換体に対して、アニオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。アニオン交換膜側の小脱塩室では、主にアニオン成分を除去するためである。
濃縮室132、192、272に充填されるイオン交換体は特に限定されることはなく、小脱塩室152に充填されるイオン交換体と同様のものを用いることができる。
また、濃縮室132、192、272のイオン交換体の充填形態は特に限定されず、被処理水の水質等を勘案して決定することができ、アニオン交換体単床形態、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態等のいずれも用いることができる。例えば、濃縮室192のアニオン交換膜180面でのスケール生成防止の観点から、アニオン交換体が単床形態で充填されていても良い。アニオン交換膜180に接するアニオン交換体層を有することにより、小脱塩室172から濃縮室192へのアニオン成分の移動が促進され、濃縮室192側のアニオン交換膜180面にアニオン成分が高濃度にて存在して、濃度分極が生じるのを抑制できるためである。
枠体150、170、230、250は、絶縁性を有し、被処理水が漏洩しない素材であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、ノリル等の樹脂製の枠体を挙げることができる。
枠体150、170、230、250の厚さは特に限定されることなく、所望する小脱塩室152、172、232、252の厚さに応じて設定することができる。
また、枠体150、170、230、250の開口部の面積が大きい場合には、枠体150、170、230、250のくりぬかれた空間に支持体を設けても良い。支持体を設けることで、カチオン交換膜、中間イオン交換膜、アニオン交換膜が湾曲して、各小脱塩室内のイオン交換体の充填量が不均一になることを防止できるためである。前記支持体は、絶縁性を有し、被処理水の流通を妨げない素材であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、ノリル等、樹脂製の格子状の支持体を挙げることができる。
小脱塩室152、172、232、252の厚さは、被処理水や脱イオン水の水質等を勘案して決定することができ、各小脱塩室は同一の厚さでも良く、異なっていても良い。
小脱塩室152、172、232、252の厚さは特に限定されないが、例えば、4〜100mmの範囲で決定することができ、8〜50mmが好ましく、10〜20mmがより好ましい。4mm未満であると、被処理水量に応じて脱イオンユニットを増やす必要がある。また、小脱塩室が薄いために差圧が高くなり、被処理水の流量を増やすと脱イオンユニットに損傷を与えるおそれがある。一方、100mmを超えると、小脱塩室における被処理水の流れが不均一(偏流れ)となり、電流効率が悪くなるおそれがあるためである。
枠体130、190、270は、絶縁性を有し、濃縮水が漏洩しない素材であれば特に限定されず、枠体150と同様のものを用いることができる。
枠体130、190、270の厚さは特に限定されることなく、所望する濃縮室132、192、272の厚さに応じて設定することができ、例えば、3〜10mmの範囲で決定することができる。
陰極102は、陰極として機能を発揮するものであれば特に限定されず、例えば、板状のステンレスや網状のステンレスを挙げることができる。
陽極290は、陽極として機能を発揮するものであれば特に限定されないが、被処理水中にClが存在する場合には、陽極には塩素発生が起きるため、耐塩素性能を有するものが好ましい。例えば、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属、あるいは前記貴金属をチタン等に被覆した網状あるいは板状の電極を挙げることができる。
陰極室104の形成に用いられるメッシュは、電極水を流通させ、かつ所望する幅の陰極室104を形成することができれば特に限定されることはなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、ノリル等の樹脂製のメッシュや、通水性を有する格子状の枠材等が挙げられる。陽極室292の形成に用いられるメッシュは、陰極室104に用いられるメッシュと同様である。
枠体101、291は、絶縁性を有し、電極水が漏洩しない素材であれば特に限定されず、枠体150と同様のものを用いることができる。
枠体101の厚さは特に限定されることはなく、所望する陰極室104のスペースに合わせて選択することができる。例えば、0.3〜4mmの範囲で選択することが好ましい。枠体291は枠体101と同様に、陽極室292のスペースに合わせて選択することができる。
仕切り膜120、280は特に限定されず、被処理水の水質や、EDI100の運転条件等を考慮して、選択することができる。例えば、カチオン交換膜、または、アニオン交換膜を選択することができる。
本実施形態における、脱イオン水の製造方法について説明する。まず、図4を用いて、被処理水の流通経路の概要を説明する。
流れ方向A1でEDI100に流入した被処理水の一部は、脱イオンユニット110内を流れ方向B1のように、小脱塩室152を下降流で流通した後、折り返すようにして小脱塩室172を上昇流で流通する。また、被処理水の一部は、脱イオンユニット210内を流れ方向B2のように、小脱塩室232を下降流で流通した後、折り返すようにして小脱塩室252を上昇流で流通する。そして、脱イオンユニット110内を流通した被処理水と、脱イオンユニット210内を流通した被処理水とが合流し、流れ方向C1で、脱イオン水がEDI100から流出する。このように、脱イオンユニット内の2つの小脱塩室へ、直列に被処理水を通水する場合であっても、EDI100には、被処理水の流入口と脱塩室の流出口は、見かけ上それぞれ1つずつ、設置されることとなる。
さらに詳細には、図3を用いて説明する。説明は、中間イオン交換膜160、240をカチオン交換膜とし、小脱塩室152、232にはカチオン交換体を単床形態で充填し、小脱塩室172、252にはアニオン交換体を単床形態で充填し、濃縮室132、192、272にはアニオン交換体を単床形態で充填した場合を例にして行う。
まず、陰極室104に、電極水を入水口107から流れ方向P1で流入させ、陽極室292に電極水を入水口293から流れ方向Q1で流入させる。そして、陰極102と陽極290との間に、直流電圧を印加する。濃縮水を流れ方向N1で、孔106からEDI100に流入させる。次いで、被処理水を流れ方向A1で、孔105からEDI100に流入させる。孔105から流入した被処理水は、孔122、134、142を流通し、入水口154に至る。入水口154に至った被処理水の一部は、流水路155を経由し、小脱塩室152に流入する。流入した被処理水は、小脱塩室152内のカチオン交換樹脂内を拡散しながら流通する。この間、主にカチオン成分(Na、Ca2+、Mg2+等)が、カチオン交換体に吸着される。吸着されたカチオン成分は、陰極102側に引き寄せられ、カチオン交換膜140を透過して、濃縮室132に移動する。小脱塩室152を流通した被処理水は、流水路158、送水口157、孔166、入水口177、流水路178を流通し、小脱塩室172に流入する。流入した被処理水は、小脱塩室172内のアニオン交換樹脂内を拡散しながら流通する。この間、主にアニオン成分(Cl、HCO 、CO 2−、SiO(シリカは、特別な形態をとることが多いため、一般のイオンとは異なった表示とする)等)が、アニオン交換体に吸着される。吸着されたアニオン成分は、陽極290側に引き寄せられ、アニオン交換膜180を透過して、濃縮室192へ移動する。また、小脱塩室152で除去し切れなかったカチオン成分は、中間イオン交換膜160を透過して、小脱塩室152に移動する。被処理水は、小脱塩室172を流通した後、流水路174を経由し、送水口176に至り、送水口176から孔186、196、226、236、244、送水口255、孔264、275、282の順に流通し、孔295から、流れ方向C1で脱イオン水となって流出する。
入水口154に至った被処理水の一部は、入水口154から、孔162、173、182、193、222を流通して、入水口233に至る。次いで、入水口233から流水路234を経由して、小脱塩室232を流通する。この間、主にカチオン成分が除去される。小脱塩室232を流通した被処理水は、流水路238、送水口237、孔246、入水口256、流水路257を経由して、小脱塩室252を流通する。この間、主にアニオン成分が除去される。被処理水は、小脱塩室252を流通して脱イオン水となり、流水路254を経由して送水口255に至り、脱イオンユニット110を流通した脱イオン水と合流する。そして、脱イオン水は、孔264、275、282の順に流通し、孔295から、流れ方向C1で流出する。
濃縮水は流れ方向N1で孔106から流入し、孔124を流通して孔136に至る。孔136に至った濃縮水の一部は、流水路137を経由して、濃縮室132内を流通し、流水路139を経由して孔138に至る。この間、濃縮水は、小脱塩室152から濃縮室132に移動してきたイオン成分を取り込む。その後、孔146、159、168、179、188、198、228、239、248、258、266、276、284の順に流通し、孔296から、流れ方向M1で流出する。
また、孔136に至った濃縮水の一部は、さらに、孔144、156、164、175、184の順に流通し、孔195に至る。孔195に至った濃縮水の一部は、流水路194を経由して、濃縮室192内を流通する。この間、濃縮水は、小脱塩室172、232から濃縮室192に移動してきたイオン成分を取り込む。濃縮室192を流通した濃縮水は、流水路199を経由して孔198に至り、濃縮室132を流通した濃縮水と合流し、孔296から、流れ方向M1で流出する。
孔195に至った濃縮水の一部は、さらに、孔224、235、242、253、262を流通して、孔273に至る。孔273に至った濃縮水は、流水路274を経由して、濃縮室272内を流通する。この間、濃縮水は、小脱塩室252から濃縮室272に移動してきたイオン成分を取り込む。濃縮室272を流通した濃縮水は、流水路277を経由して、孔276に至り、濃縮室132、192を流通した濃縮水と合流し、孔296から、流れ方向M1で流出する。
入水口107から流れ方向P1で流入した電極水は、流水路103、陰極室104、流水路109を流通して送水口108から、流れ方向P2で流出する。この間、電極水は、陰極102から発生したH等を取り込む。
入水口293から流れ方向Q1で流入した電極水は、流水路294、陽極室292、流水路298を流通して送水口297から、流れ方向Q2で流出する。この間、電極水は、陽極290から発生するCl、O等を取り込む。
被処理水は特に限定されることはないが、工業用水や井水の濁質成分を除濁膜にて除去した水を、逆浸透(RO)膜にて処理した水等が挙げられる。
脱塩室に供給される被処理水の通水量は特に限定されることはなく、EDI100の能力や被処理水の水質を勘案して決定することができる。通水量は空間速度(SV)で表され、SVの単位は、イオン交換樹脂の単位体積(L−R)に対して1時間に流通させる流量(L)であるL/L−R・h−1で表される(以降において同じ)。本実施形態ではSV=30〜300L/L−R・h−1が好ましい。SVが高すぎると、イオン除去性能が低下したり、SVの増加と共に発生する通水速度(LV)の増加によって差圧が高くなり、脱イオンユニット110、210の破損を招いたり、運転上の困難を起こしたりするので好ましくない。ここで、LVとは、単位面積当たりの流量で、m/hで表される線速度である。
一方、SVが低すぎると、各脱イオンユニットへの流量分配が適切に行われず、脱塩処理が充分な脱イオンユニットと、脱塩処理が不充分な脱イオンユニットとが生じると共に、各脱塩室間における流れが不均一となり、EDI100全体としての性能に悪影響を与える場合がある。
濃縮水の流量は特に限定されることはなく、EDI100の能力や、被処理水の水質や処理量を勘案して決定することができる。濃縮水は、濃縮室132、192、272に移動してきたイオン成分を濃縮水内に拡散して、EDI100外へ流出させるという目的を有する。このことから、濃縮水の流量は、被処理水の通水量や、被処理水のイオン濃度、脱イオン水の回収率との関係で決定することが好ましく、例えば、下記(1)式で表される濃縮倍率が3〜20となるように、濃縮水の流量を決定することが好ましい。なお、下記(1)式による濃縮倍率は、被処理水と濃縮水に同一の原水を用いて、かつ脱塩室中のイオンが全て濃縮室に移行すると仮定し定義付けられる。
Figure 2009220060
濃縮水の流量が少なすぎると、濃縮室132、192、272に移行したイオンの濃度拡散にむらが生じ、イオン交換膜面の濃度分極層が厚くなり、スケール生成のおそれがある。一方、濃縮水の流量が多すぎると、脱イオン水の回収率が低下するため好ましくないためである。
濃縮水は、特に限定されることはなく、被処理水と同じ水源の水を濃縮水として使用しても良いし、脱イオン水や純水等を使用しても良い。
印加する電流は特に限定されることはなく、被処理水の水質や、EDI100の規模等を勘案して決定することが好ましい。加えて、陰極102と、陽極290とが、2以上に分割されている場合には、分割された電極対毎に、異なる電流値で印加しても良い。被処理水の水質等に応じて、最適な電流値を選択することで、水質の向上が図れるためである。電極水の流量は特に限定されず、印加電圧等に応じて決定することが好ましい。電極水の流量が少なすぎると、発生したH、O、Clガスを充分に排出することが困難となり、電極水の流量が多すぎると、回収率が低下するため、好ましくない。
本実施形態のEDI100によれば、渡しの配管を設ける必要がないため、大幅なコンパクト化を図ることができる。特に小型のEDIにおいては、渡しの配管の占める体積割合は大きいため、その効果はより大きなものとなる。
さらに、小脱塩室間の水の受け渡しが、各脱イオンユニット内で独立してできることで、任意の小脱塩室を流通させた後に、異なる機能を持たせた他の小脱塩室を流通させることが容易となる。このため、特段の配管等を要することなく、1つの脱イオンユニット内で多段処理を行うことができる。この結果、EDI運転時に、電圧上昇の原因となる混床形態の小脱塩室を設けずに、単床形態の小脱塩室を設けて多段処理を行うことで、より低い運転電圧で、高い水質の脱イオン水を得ることができる。
加えて、単床形態の小脱塩室は、厚さを厚くしても、電圧増加が極めて少ない。このため、脱塩室を厚くして印加電流を上げることで、脱塩室の数を減らしても、処理水量を維持したまま、得られる脱イオン水の水質低下を抑えることができる。そして、脱塩室の数を減らせることで、EDIに用いるイオン交換膜の面積を大幅に削減でき、経済的にEDIを製造することができる。
<第2の実施形態>
本発明のEDIの第2の実施形態について図5、6を用いて説明する。図5は、本実施形態のEDI400の斜視図である。図6は、EDI400における流水経路を説明する模式図である。なお、図5は、説明の便宜上、各構成部材を離間して図示しているが、実際のEDI400では、各構成部材は密着している。
図5に示すとおり、EDI400は陰極402を備えた陰極室404と、陽極590を備えた陽極室592との間に、脱イオンユニット410と、脱イオンユニット510とが、濃縮室に挟持されて配置されたものである。
脱イオンユニット410は、カチオン交換膜440と、枠体450と、中間イオン交換膜460と、枠体470と、アニオン交換膜480とが、陰極402側から順に配置され、構成されている。枠体450の開口部には、イオン交換体が充填されて、小脱塩室452が形成され、枠体470の開口部には、イオン交換体が充填されて小脱塩室472が形成されている。そして、小脱塩室452と小脱塩室472とで、脱塩室を構成している。
脱イオンユニット510は、カチオン交換膜520と、枠体530と、中間イオン交換膜540と、枠体550と、アニオン交換膜560とが、陰極402側から順に配置されている。枠体530の開口部には、イオン交換体が充填されて、小脱塩室532が形成され、枠体550の開口部には、イオン交換体が充填されて小脱塩室552が形成されている。そして、小脱塩室532と小脱塩室552とで、脱塩室を構成している。
陰極402と仕切り膜420との間には、枠体401が配置されている。枠体401の開口部にメッシュが設置されて、陰極室404が形成されている。陽極590と仕切り膜580との間には、枠体591が設置されている。枠体591の開口部にメッシュが設置されて、陽極室592が形成されている。陰極402と陽極590とは、図示されない電源と接続されている。
陰極402側の仕切り膜420とカチオン交換膜440との間には、枠体430が配置されている。枠体430の開口部には、イオン交換体が充填されて、濃縮室432が形成されている。
陽極590側の仕切り膜580とアニオン交換膜560との間には、枠体570が配置されている。枠体570の開口部には、イオン交換体が充填されて、濃縮室572が形成されている。
さらに、脱イオンユニット410のアニオン交換膜480と、脱イオンユニット510のカチオン交換膜520との間には、枠体490が配置されている。枠体490の開口部には、イオン交換体が充填されて、濃縮室492が形成されている。
枠体450には、孔456、459が設けられている。また、入水口454と送水口457が設けられ、入水口454と小脱塩室452とを連通する流水路455と、送水口457と小脱塩室452とを連通する流水路458とが設けられている。
枠体470には、孔475、479が設けられている。また、入水口477と送水口476とが設けられ、入水口477と小脱塩室472とを連通する流水路478と、送水口476と小脱塩室472とを連通する流水路474とが設けられている。
枠体530には、孔535、539が設けられている。また、入水口536と送水口537とが設けられ、入水口536と小脱塩室532とを連通する流水路534と、送水口537と小脱塩室532とを連通する流水路538とが設けられている。
枠体550には、孔553、558が設けられている。また、入水口556と送水口555とが設けられ、入水口556と小脱塩室552とを連通する流水路557と、送水口555と小脱塩室552とを連通する流水路554とが設けられている。
枠体430には、孔434、436、438が設けられている。また、孔436と濃縮室432とを連通する流水路437、孔438と濃縮室432とを連通する流水路439が設けられている。
枠体490には、孔495、496、498が設けられている。また、孔495と濃縮室492とを連通する流水路494と、孔498と濃縮室492とを連通する流水路499とが設けられている。
枠体570には、孔573、575、576が設けられている。また、孔573と濃縮室572とを連通する流水路574と、孔576と濃縮室572とを連通する流水路577とが設けられている。
枠体401には、孔405、406が設けられている。また、入水口407、送水口408が設けられ、入水口407と陰極室404とを連通する流水路403と、送水口408と陰極室404とを連通する流水路409とが設けられている。
枠体591には、孔595、596が設けられている。また、入水口593、送水口597が設けられ、入水口593と陽極室592とを連通する流水路594と、送水口597と陽極室592とを連通する流水路598とが設けられている。
仕切り膜420には、孔422、424が設けられ、仕切り膜580には、孔582、584が設けられている。
カチオン交換膜440には、孔442、444、446が設けられ、カチオン交換膜520には、孔524、526、528が設けられている。
中間イオン交換膜460には、孔464、466、468が設けられ、中間イオン交換膜540には孔542、546、548が設けられている。
アニオン交換膜480には、孔484、486、488が設けられ、アニオン交換膜560には、孔562、564、566が設けられている。
本実施形態における「被処理水流路」は、脱イオンユニット410では、流水路458と、送水口457と、孔466と、入水口477と、流水路478とで構成されている。また、脱イオンユニット510では、流水路538と、送水口537と、孔546と、入水口556、流水路557とで、「被処理水流路」が構成されている。加えて、本実施形態では、脱イオンユニット410の小脱塩室472と、脱イオンユニット510の小脱塩室532とを連通する被処理水の流路が、流水路474、送水口476、孔486、496、526、入水口536、流水路534で構成されている。
カチオン交換膜440、520は、カチオン交換膜140、220と同様である。アニオン交換膜480、560は、アニオン交換膜180、260と同様である。中間イオン交換膜460、540は、中間イオン交換膜160、240と同様である。
小脱塩室452、532に充填されるイオン交換体は、小脱塩室152、232に充填されるイオン交換体と同様である。小脱塩室472、552に充填されるイオン交換体は、小脱塩室172、252に充填されるイオン交換体と同様である。濃縮室432、492、572に充填されるイオン交換体は、濃縮室132、192、272に充填されるイオン交換体と同様である。
枠体450、470、530、550は、枠体150、170、230、250と同様である。小脱塩室452、532の厚さは、小脱塩室152、232と同様であり、小脱塩室472、552の厚さは、小脱塩室172、252と同様である。
枠体430、490、570は、枠体130、190、270と同様である。濃縮室432、492、572の厚さは、濃縮室132、192、272と同様である。
陰極402は、陰極102と同様であり、陽極590は、陽極290と同様である。枠体401は枠体101と同様であり、枠体591は枠体291と同様である。陰極室404ならびに陽極室592の形成に用いられるメッシュは、陰極室104、陽極室292の形成に用いられるメッシュと同様である。陰極室404の厚さは陰極室104の厚さと同様であり、陽極室592の厚さは陽極室292の厚さと同様である。
仕切り膜420、580は、仕切り膜120、280と同様である。
本実施形態における、脱イオン水の製造方法について説明する。まず、図6を用いて、被処理水の流通経路の概要を説明する。
流れ方向A2でEDI400に流入した被処理水は、脱イオンユニット410内を流れ方向B5のように、小脱塩室452を下降流で流通した後、折り返すようにして小脱塩室472を上昇流で流通する。そして、流れ方向B6で、脱イオンユニット510へ流れる。次いで、脱イオンユニット510内を流れ方向B7のように、小脱塩室532を下降流で流通した後、折り返すようにして小脱塩室552を上昇流で流通する。そして、被処理水はイオン成分が除去されて脱イオン水となり、脱イオン水は、流れ方向C2でEDI400から流出する。
さらに詳細には、図5を用いて説明する。説明は、中間イオン交換膜460、540をカチオン交換膜とし、小脱塩室452、532にカチオン交換体を単床形態として充填し、小脱塩室472、552にアニオン交換体と単床形態として充填した場合を例にして行う。まず、陰極室404に、電極水を入水口407から流れ方向P3で流入させ、陽極室592に、電極水を入水口593から流れ方向Q3で流入させる。そして、陰極402と陽極590との間に、直流電圧を印加する。濃縮水を流れ方向N2で、孔406からEDI400に流入させる。次いで、被処理水を孔405からEDI400に流入させる。孔405から流入した被処理水は、孔422、434、442を流通し、入水口454に至る。次いで、入水口454に至った被処理水は、流水路455を経由し、小脱塩室452に流入する。流入した被処理水は、小脱塩室452内のカチオン交換樹脂内を拡散しながら流通する。この間、主にカチオン成分が、カチオン交換体に吸着される。吸着されたカチオン成分は、陰極402側に引き寄せられ、カチオン交換膜440を透過して、濃縮室432に移動する。一般的に、被処理水に使用する原水には炭酸ガスが溶解しており、弱酸(pH5.5〜6.0程度)なので、被処理水中のカチオン成分の除去が進むと、被処理水のpHが酸性側に移行して、カチオン成分の競合イオンであるH濃度が高くなる。この結果、カチオン成分に対する電流効率が低下し、カチオン成分は一定濃度以下に到達し難くなる。そして、被処理水はある程度のカチオン成分が残存した状態となる。小脱塩室452を流通した被処理水は、流水路458、送水口457、孔466、入水口477、流水路478を流通して、小脱塩室472に流入する。流入した被処理水は、小脱塩室472内のアニオン交換樹脂内を拡散しながら流通する。この間、主にアニオン成分が、アニオン交換体に吸着される。吸着されたアニオン成分は、陽極590側に引き寄せられ、アニオン交換膜480を透過して、濃縮室492へ移動する。ここで、被処理水は、pHが酸性側に移行した状態で、小脱塩室472に流入するため、アニオン成分の競合イオンであるOH濃度が低い。このため、アニオン成分に対する電流効率が高く、アニオン成分の除去が良好に行われる。小脱塩室472を流通した被処理水は、流水路474、送水口476、孔486、496、526を順に流通し、入水口536に至る。この際、被処理水のpHは中性領域となっている。
入水口536に至った被処理水は、流水路534を経由して小脱塩室532を流通する。この間、主にカチオン成分が除去される。ここで、被処理水中のカチオン成分の除去が進んでも、H濃度は、小脱塩室452よりも低くなる。このため、電流効率が高くなり、被処理水中のカチオン成分の除去が良好に行われる。この段階で、被処理水中に含まれていたイオン成分は、概ね除去される。しかし、小脱塩室472で除去されたアニオン成分の中でも、炭酸イオンは、濃縮室492内でガス化して、カチオン交換膜520を透過して小脱塩室532に逆移動してくることがある。このため、再度のアニオン成分除去を小脱塩室552にて行う。小脱塩室532を流通した被処理水は、流水路538、送水口537、孔546、入水口556、流水路557を順に流通し、小脱塩室552へ流入する。そして、小脱塩室552を流通した被処理水は、カチオン成分とアニオン成分との両イオン成分が高度に除去された脱イオン水となって、流水路554、送水口555、孔564、575、582を流通し、孔595から、流れ方向C2で流出する。
濃縮水は流れ方向N2で、孔406から流入し、孔424を流通して孔436に至り、孔436に至った濃縮水の一部は、流水路437を経由して、濃縮室432内を流通し、流水路439を経由して孔438に至る。この間、濃縮水は、小脱塩室452から濃縮室432に移動してきたイオン成分を取り込む。その後、孔446、459、468、479、488、498、528、539、548、558、566、576、584の順に流通して、孔596から、流れ方向M2で流出する。
また、孔436に至った濃縮水の一部は、さらに、孔444、456、464、475、484の順に流通し、孔495に至る。孔495に至った濃縮水の一部は、流水路494を経由して、濃縮室492内を流通する。この間、濃縮水は、小脱塩室472、532から濃縮室492に移動してきたイオン成分を取り込む。濃縮室492を流通した濃縮水は、流水路499を経由して孔498に至り、濃縮室432を流通した濃縮水と合流し、孔596から、流れ方向M2で流出する。
孔495に至った濃縮水の一部は、さらに、孔524、535、542、553、562を流通して、孔573に至る。孔573に至った濃縮水は、流水路574を経由して、濃縮室572内を流通する。この間、濃縮水は、小脱塩室552から濃縮室572に移動してきたイオン成分を取り込む。濃縮室572を流通した濃縮水は、流水路577を経由して、孔576に至り、濃縮室432、492を流通した濃縮水と合流し、孔596から、流れ方向M2で流出する。
入水口407から流れ方向P3で流入した電極水は、流水路403、陰極室404、流水路409を流通して、送水口408から流れ方向P4で流出する。この間、電極水は、陰極402から発生したH等を取り込む。
入水口593から流れ方向Q3で流入した電極水は、流水路594、陽極室592、流水路598を流通して、送水口597から流れ方向Q4で流出する。この間、電極水は、陽極590から発生するCl、O等を取り込む。
本実施形態における脱塩室に供給される被処理水の水質、通水量、濃縮水の流量、電極水の流量、印加する電流は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、上述のように、脱イオンユニット410で処理した処理水を、再度、脱イオンユニット510にて処理するため、より水質の高い脱イオン水を得ることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
被処理水流路は、第1、2の実施形態に示した形態に限られることはない。例えば、スリットやメッシュ、多孔質体等(以下、総じてスリット等という)、通水性のある部材を用いて、脱イオンユニットの被処理水流路を形成させても良い。
第1、2の実施形態では、枠体450、470、530、550の開口部にイオン交換体を充填しているが、開口部に加え、入水口、送水口、流水路にイオン交換体を密に充填し、小脱塩室を形成させても良い。
枠体の開口部のみにイオン交換体を充填する場合、特にイオン交換樹脂を充填する場合には、小脱塩室からの前記イオン交換樹脂の流出を防止するため、樹脂が流出しない幅のスリット等を設置したりする。スリット等が設置された場合には、少なからず被処理水の流通において抵抗となる。上記のようにイオン交換体を各小脱塩室、ならびに、被処理水流路に密に充填することで、イオン交換体の流出防止を目的としたスリット等を省略し、被処理水の流通の抵抗を低減することができる。
第1、2の実施形態では、カチオン交換膜側の小脱塩室では、被処理水を下降流で流通させ、アニオン交換膜側の小脱塩室では、被処理水を上昇流で通水させている。しかし、本発明はこれに限られることなく、カチオン交換膜側の小脱塩室を上昇流、アニオン交換膜側の小脱塩室を下降流としても良い。また、脱イオンユニット毎に異なっていても良い。
第1の実施形態では、被処理水をカチオン交換膜側の小脱塩室に流通させた後、アニオン交換膜側の小脱塩室に流通させているが、アニオン交換膜側の小脱塩室に流通させた後に、カチオン交換膜側の小脱塩室を流通させても良い。また、脱イオンユニット毎に、流通順序が異なるものであっても良い。
第2の実施形態では、被処理水をカチオン交換膜側の小脱塩室に流通させた後、アニオン交換膜側の小脱塩室に流通させているが、アニオン交換膜側の小脱塩室に流通させた後に、カチオン交換膜側の小脱塩室を流通させても良い。
第2の実施形態では、被処理水を陰極側の脱イオンユニットに流通させた後、陽極側の脱イオンユニットに流通させているが、陽極側の脱イオンユニットに流通させた後に、陰極側の脱イオンユニットに流通させても良い。
第1の実施形態では、EDIに備えられた脱イオンユニットは2枚であるが、1枚のみであっても良いし、3枚以上であっても良い。目的とする脱イオン水の水質や、処理量に応じて決定することが好ましい。
第2の実施形態では、2枚の脱イオンユニットに直列通水を行っているが、直列通水させる脱イオンユニットの数はこれに限られず、3枚以上であっても良い。
第1、2の実施形態では、脱塩室は二分されて小脱塩室が形成されているが、脱塩室に形成される小脱塩室は、3以上であっても良い。
第1、2の実施形態では、濃縮室における濃縮水の流通方向がいずれも下降流であるが、濃縮水の流通方向はこれに限定されず、上昇流であっても良いし、濃縮室毎に異なる流通方向であっても良い。
第1、2の実施形態では、濃縮室にイオン交換体を充填しているが、イオン交換体を充填せずに、メッシュ等を配置しても良い。ただし、EDI全体の電気抵抗を低減するために、濃縮室にはイオン交換体を充填することが好ましい。
第1、2の実施形態では、カチオン交換膜、アニオン交換膜、中間イオン交換膜は、脱イオンユニットを構成する枠体と略同等の面積であるが、枠体の開口部を覆うことができる大きさであれば、これに限定されることはなく、小面積のイオン交換膜であっても良い。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(水質評価)
<導電率・比抵抗>
水質評価には導電率ならびに比抵抗を用いた。不純物を全く含んでいない水の場合、25℃の水における導電率の理論値は0.055μS/cm、比抵抗の理論値は18.2MΩ・cmとなる。脱イオン水の水質は、比抵抗が18.2MΩ・cmに近づき、かつ高ければ高いほど水質としては清浄であると評価できる。脱イオン水の水質評価は、比抵抗をもって行った。
導電率は、導電率計(873CC、FOXBORO社製)を用いて測定した。また、比抵抗は、比抵抗計(873RS、FOXBORO社製)を用いて測定した。
(実施例1)
第1の実施形態のEDI100と同様の、4枚の脱イオンユニットを配置し、各脱イオンユニットの両側に濃縮室を配置したEDI−Aを下記仕様にて製造した。得られたEDI−Aを用い、下記条件にて連続運転を行った。被処理水の通水は、アニオン交換膜側の小脱塩室に下降流で通水した後、続けてカチオン交換膜側の小脱塩室に上昇流で通水した。各脱イオンユニットから得られた脱イオン水を合わせて採取した(単独処理)。また、濃縮水は、各濃縮室に下降流で通水し、排水した。
運転開始1000時間後における、運転電圧と、脱イオン水の比抵抗を測定し、その結果を表1に示す。なお、被処理水の硬度成分濃度は原子吸光分光光度計(SpectrAA、VARIAN社製)での測定値であり、全炭酸濃度は湿式紫外線酸化TOC分析計(900型、SIEVERS社製)での測定値である。また、SiO濃度は、分光光度計(U−3010、株式会社日立ハイテクノロジー製)を用い、モリブデン青吸光光度法により測定した値である。
<EDI仕様>
(1)カチオン交換膜:株式会社アストム製
(2)中間イオン交換膜:株式会社アストム製アニオン交換膜
(3)アニオン交換膜:株式会社アストム製
(4)アニオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ6mm
(5)カチオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ6mm
(6)アニオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(7)カチオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:カチオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(8)濃縮室:幅100mm、高さ300mm、厚さ3mm
(9)濃縮室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
(10)陰極室および陽極室:幅100mm、高さ300mm、厚さ2mm、メッシュ設置
<運転条件>
(1)被処理水の導電率:5〜8μS/cm
(2)被処理水の比抵抗:0.125〜0.2MΩ・cm
(3)被処理水中の硬度成分濃度:0.2〜0.5mgCaCO/L
(4)被処理水中の全炭酸濃度:4〜5mgCO/L
(5)被処理水のSiO濃度:500〜600ppb
(6)被処理水流量:150L/h
(7)濃縮水流量:10L/h
(8)電極水流量:30L/h
(9)運転電流値:1.0A
(実施例2)
各小脱塩室の厚さを12mm(実施例1の2倍)とし、脱イオンユニットを2枚、濃縮室を3枚とした他は、実施例1と同様にしてEDI−Bを得た。得られたEDI−Bを用いて、運転電流値を2.0A(実施例1の2倍)とした以外は、実施例1と同様にして連続運転を行った。運転開始1000時間後における、運転電圧と、脱イオン水の比抵抗を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例3)
各小脱塩室の厚さを24mm(実施例1の4倍)とし、脱イオンユニットを1枚、濃縮室を2枚とした他は、実施例1と同様にしてEDI−Cを得た。得られたEDI−Cを用いて、運転電流値を4.0A(実施例1の4倍)とした以外は、実施例1と同様にして連続運転を行った。運転開始1000時間後における、運転電圧と、脱イオン水の比抵抗を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例4)
第2の実施形態のEDI400と同様の2枚の脱イオンユニットを配置したEDI−Dを下記仕様にて製造した。得られたEDI−Dを用い、被処理水を下記条件にて通水(直列処理)した。運転電流値を2.0Aとした他は、実施例1と同じ運転条件にて連続運転を行った。
運転開始1000時間後における、運転電圧と、脱イオン水の比抵抗を測定し、その結果を表1に示す。
<EDI仕様>
(1)カチオン交換膜:株式会社アストム製
(2)中間イオン交換膜:株式会社アストム製アニオン交換膜
(3)アニオン交換膜:株式会社アストム製
(4)アニオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ12mm
(5)カチオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ12mm
(6)アニオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(7)カチオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:カチオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(8)濃縮室:幅100mm、高さ300mm、厚さ3mm
(9)濃縮室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
(10)陰極室および陽極室:幅100mm、高さ300mm、厚さ2mm、メッシュ設置
<通水条件>
被処理水:陽極室側の脱イオンユニットの、アニオン交換膜側の小脱塩室に下降流で通水した後、陽極室側の脱イオンユニットのカチオン交換膜側の小脱塩室に上昇流で通水した。続いて、陰極室側の脱イオンユニットのアニオン交換膜側の小脱塩室に下降流で通水した後、陰極室側の脱イオンユニットのカチオン交換膜側の小脱塩室に上昇流で通水し、脱イオン水を得た。
(比較例1)
中間イオン交換膜が設けられていない脱イオンユニットを4枚配置した、脱塩室1セル型のEDI−Eを下記仕様にて製造した。得られたEDI−Eを用い、運転電流値を1.0Aとして、連続運転を行った。被処理水の通水は下降流とし、各脱塩室に行い、各脱塩室から得られた脱イオン水を合わせて採取した(単独処理)。濃縮室における濃縮水の流通方向は、下降流とし、各濃縮室に通水した後、排水した。その他の運転条件は、実施例1と同様とした。
<EDI仕様>
(1)カチオン交換膜:株式会社アストム製
(2)アニオン交換膜:株式会社アストム製
(3)脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ12mm
(4)脱塩室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂/カチオン交換樹脂=1/1の混床形態
(5)濃縮室:幅100mm、高さ300mm、厚さ3mm
(6)濃縮室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
(7)陰極室および陽極室:幅100mm、高さ300mm、厚さ2mm、メッシュ設置
Figure 2009220060
表1に示すとおり、小脱塩室を単床形態とした実施例1〜4は、いずれも、脱塩室を混床形態の1セル型とした比較例1に比べて、著しく低い電圧となっていた。一般に、混床形態の充填層は異種イオン界面が多数存在するために、電流を流した際の電気抵抗が高くなるという傾向がある。EDI−A、B、C、Dは、いずれも脱塩室を2つの小脱塩室に区画し、それぞれをアニオン交換体単床形態、カチオン交換体単床形態として、1つの脱塩室内で多段処理が行える。このため、運転電圧が上昇し易い混床形態の脱塩室を設けることなく、被処理水中のアニオン成分とカチオン成分を処理できる。
また、実施例1の脱塩室の厚さと、比較例1の脱塩室の厚さは同等(12mm)であり、これに応じた運転電流値は1.0Aで同等である。表1の結果が示すとおり、運転電流値が同じであっても、実施例1は、比較例1に比べて運転電圧が著しく低い値で安定し、かつ、高い水質の脱イオン水が得られることが判った。
実施例2では、脱塩室の枚数を1/2としているので、枠体の数やイオン交換膜の面積も1/2となり、製造コストは圧倒的に低くなる。そして、得られる脱イオン水の水質は、比較例1よりも高いものであった。
実施例3では、脱塩室の枚数を1/4としているので、枠体の数やイオン交換膜の面積も1/4となり、実施例2に比べても製造コストはさらに低くなる。このようなEDI−Cであっても、実施例1、2に比べて若干低い値ではあるが、11MΩ・cmという水質を得られた。ここで、用途別使用水の比抵抗を例示すると、小型ボイラーで約4MΩ・cm、大型発電所で約10MΩ・cm、原子力発電所で約15MΩ・cmである。従って、実施例3においては、小型ボイラーや大型発電所での使用水を満足する、脱イオン水が得られることが判った。
また、実施例4では、2枚の脱塩室に対して、被処理水を連続して通水する直列処理を行ったが、同じ厚さの小脱塩室を用い、単独処理を行った実施例2よりも高い水質が得られることが判った。
本発明の実施形態にかかる脱イオンユニットの斜視図である。 本発明の実施形態にかかる脱イオンユニットの断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるEDIの斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるEDIにおける被処理水の流通経路を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態にかかるEDIの斜視図である。 本発明の第2の実施形態にかかるEDIにおける被処理水の流通経路を説明する模式図である。 従来型のEDIに備えられる脱イオンユニットの斜視図である。
符号の説明
10、110、210、410、510、900 脱イオンユニット
20、140、220、440、520、920 カチオン交換膜
30、50、150、170、230、250、450、470、530、550、930、950 枠体
32、52、152、172、232、252、452、472、532、552、932、952 小脱塩室
40、160、240、460、540、940 中間イオン交換膜
60、180、260、480、560、960 アニオン交換膜
100、400 EDI
102、402 陰極
104、404 陰極室
132、192、272、432、492、572 濃縮室
290、590 陽極
292、592 陽極室

Claims (6)

  1. 枠体と、枠体の一側に配置されたカチオン交換膜と、枠体の他側に配置されたアニオン交換膜とを備えた脱イオンユニットを有し、
    前記脱イオンユニットには、前記枠体の開口部と前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜とで脱塩室が形成され、
    前記脱塩室には、前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に配置された中間イオン交換膜によって、脱塩室の厚さ方向に多段に区画され、区画された室内にイオン交換体が充填されて小脱塩室が形成され、
    前記カチオン交換膜、または、前記アニオン交換膜を介して、前記脱塩室の両側に濃縮室が設けられ、
    前記脱塩室と前記濃縮室とが、陽極を備えた陽極室と、陰極を備えた陰極室との間に配置され、
    前記脱イオンユニットには、任意の小脱塩室と中間イオン交換膜を介して隣接する他の小脱塩室とを連通する被処理水流路が設けられ、
    小脱塩室間の被処理水の流通が、前記脱イオンユニット内で行われることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  2. 前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記脱イオンユニットが前記濃縮室を介して配置され、任意の脱塩室を流通させた被処理水を他の脱塩室に流通させることを特徴とする、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  3. 前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画されて形成されている小脱塩室に充填されている前記イオン交換体は、アニオン交換体の体積比率が50〜100%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  4. 前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画されて形成されている小脱塩室に充填されている前記イオン交換体は、カチオン交換体の体積比率が50〜100%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  5. 前記小脱塩室の厚さは、4〜100mmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  6. 枠体と、枠体の一側に配置されたカチオン交換膜と、枠体の他側に配置されたアニオン交換膜とを備えた脱イオンユニットであって、
    前記枠体の開口部と前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜とで脱塩室が形成され、
    前記脱塩室は、前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に配置された中間イオン交換膜によって、脱塩室の厚さ方向に多段に区画され、区画された室内にイオン交換体が充填されて小脱塩室が形成され、
    任意の小脱塩室と中間イオン交換膜を介して隣接する他の小脱塩室とを連通する被処理水流路が設けられた脱イオンユニット。
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