JP4856617B2 - 電気式脱イオン水製造装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリカを比較的高濃度に含む被処理水中のシリカの除去に好適な電気式脱イオン水製造装置及びその運転方法に関する。
脱イオン水を製造する方法として、従来からイオン交換樹脂に被処理水を通して脱イオンを行う方法が知られているが、この方法ではイオン交換樹脂がイオンで飽和されたときに薬剤によって再生を行う必要がある。このような処理操作上の不利な点を解消するため、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン法による脱イオン水製造方法が確立され、実用化に至っている。
近年、カチオン交換膜及びアニオン交換膜を離間して交互に配置し、カチオン交換膜とアニオン交換膜で形成される空間内に一つおきにイオン交換体を充填して脱塩室とする従前型の電気式脱イオン水製造装置(EDI)に代えて、その脱塩室の構造を抜本的に改造した省電力型のEDIが開発されている。
この省電力型のEDIの一例の概略構成を図9に示す。電気式脱イオン水製造装置3は、一側のカチオン交換膜60、他側のアニオン交換膜64及び当該カチオン交換膜60と当該アニオン交換膜64との間に位置する中間イオン交換膜62で区画される2つの小脱塩室d2及びd1,d4及びd3,d6及びd5,d8及びd7にイオン交換体66を充填して脱塩室D1,D2,D3,D4を構成し、カチオン交換膜60、アニオン交換膜64を介して脱塩室D1,D2,D3,D4の両側に濃縮室68a,68b,68cを設け、これらの脱塩室D1,D2,D3,D4及び濃縮室68a,68b,68cを陰極72と陽極74との間に配置してなるものである。そして、電圧を印加しながら一方の小脱塩室d1,d3,d5,d7に被処理水を流入し、次いで、当該小脱塩室d1,d3,d5,d7の流出水を他方の小脱塩室d2,d4,d6,d8に流入すると共に、濃縮室68a,68b,68cに濃縮水を、電極室70に電極水を流入して被処理水中のイオンを除去し、脱イオン水を得るものである。このような構造のEDIにおいて、2つの小脱塩室のうち、小脱塩室d1,d3,d5,d7に充填されるイオン交換体66を「アニオン交換体の単床」、小脱塩室d2,d4,d6,d8に充填されるイオン交換体66を「アニオン交換体とカチオン交換体の混合体(混床)」とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2では、図9のEDIにおいて、小脱塩室d1,d3,d5,d7に充填されるイオン交換体66を「カチオン交換体の単床」、小脱塩室d2,d4,d6,d8に充填されるイオン交換体66を「アニオン交換体の単床」、あるいは「アニオン交換体とカチオン交換体の混合体(混床)」とすることが記載されている。
しかし、特許文献1,2のようなEDIでは、EDIに流入する被処理水中の硬度が高い場合、例えば被処理水が水道水または水道水をRO膜処理した水の場合、被処理水中に硬度と炭酸が含まれ、EDIの濃縮室68a,68b,68cに移動したカルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)が濃縮室68a,68b,68cのアニオン交換膜64面がアルカリ性のため、炭酸イオン(CO 2−)等と結合して炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の硬度スケールを生じる場合がある。このため、特に被処理水が水道水または水道水をRO膜処理した水の場合、特許文献1,2のようなEDIを純水装置として適用するのは困難である。
そこで、特許文献3では、図10に示すように小脱塩室d1,d3,d5,d7に充填されるイオン交換体66を「アニオン交換体の単床」、小脱塩室d2,d4,d6,d8に充填されるイオン交換体66を「アニオン交換体とカチオン交換体の混合体(混床)」とし、濃縮室68a,68b,68cにアニオン交換体76等を充填することで、濃縮室68a,68b,68c内のアニオン交換膜64面に発生する硬度スケールの発生防止と低電圧化を達成することが提案されている。
近年の純水市場において、EDI技術の汎用化が進むにつれて開発の方向性は供給水制限の緩和とコストダウンへとシフトしている。処理水水質としては、超純水グレードの高純度処理水の他に、1次純水グレードの処理水も求められている。これまでの純水製造分野では逆浸透(RO)装置の後段にイオン交換樹脂カートリッジを設置するシステムが主流であったが、近年ではイオン交換樹脂カートリッジの交換コストの低減や処理水水質の安定化のために、イオン交換樹脂カートリッジに替えてEDIを搭載し、RO装置とEDIとを組み合わせたシステムが普及し始めている。
例えば純水製造システムの小型・ラボ用途では、水道水が主要な原水となる。水道水はシリカを高濃度に含むものも各地に見られ、水温にも大きな差が見られる。そのため、純水製造システムにおいてEDIの前段に高脱塩仕様の逆浸透膜(RO膜)を用いても、EDIの被処理水となるRO透過水に1ppm以上のシリカを含むことは十分に想定される。また、ROで除去できない遊離炭酸についても同様に高濃度で存在する地域が多く点在する。特に小型・ラボ用途のEDIシステムにはメンテナンスフリーの要求が高く、供給水条件の制限緩和とEDIの耐久性向上が求められている。
このように供給水条件に拠らず処理水比抵抗(1MΩ・cm程度)を保証でき、硬度スケールの発生や電気抵抗の上昇等を起こさずに安定した運転状態を維持できることが、EDIに求められている。
特開2001−239270号公報 特開2001−79358号公報 特開2004−358440号公報
しかし、特許文献3のようなEDIでは、EDI供給水(被処理水)がシリカを含む場合、特に高濃度(例えば約1ppm以上)のシリカを含む場合、標準電流条件でのシリカ除去が難しくなり処理水のシリカ濃度が高くなる場合があるため、EDI供給水のシリカ含有量等の条件を厳しくする必要が生じる。また、EDI供給水が低水温時には全てのイオンのイオン伝導性が低下するため、同様に標準電流条件でのイオンの除去が難しくなりやすい傾向にある。こういった場合、EDI装置の電気抵抗上昇等に繋がることもある。
すなわち、特許文献3のようなEDIにおいて、シリカ等の難除去成分がその電流条件で処理しきれなくなった場合、EDI装置の電気抵抗が上昇して直流電源の最大電圧を超えてしまい、定電流運転において必要な通電量を確保できなくなることがある。
主な被処理水となるRO処理水を特許文献3の装置のように「アニオン交換体の単床」、「アニオン交換体とカチオン交換体の混合体」の順で処理する場合、まず始めに流入するアニオン交換体でアニオンが除去される。しかし、除去されやすい強酸性アニオンが速やかに除去されると被処理水にはカチオンが残り、除去されたアニオンの代わりに、カチオンの対イオンとして水解離により生じる水酸化物イオンが増える。このため、EDIで除去の難しいシリカや炭酸等の弱酸成分の除去が、水酸化物イオンが増えた溶液中において行われることになる。この除去ではシリカや炭酸と水酸化物イオンとが競合し、結果としてシリカや炭酸等の難除去成分の除去に関わる電流効率が悪くなってしまう。
本発明は、以上の問題に鑑み、シリカや炭酸等の難除去成分の濃度が高く、処理負荷が高くなっても高い処理能力を維持することができる電気式脱イオン水製造装置及びその運転方法を提案するものである。
本発明は、陽極と陰極との間に、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜とを備え、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、カチオン交換体が充填された第一小脱塩室と、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、アニオン交換体またはアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填された第二小脱塩室と、を有する脱塩室と、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に設けられ、アニオン交換体が充填された濃縮室と、を有し、前記一側に前記陰極、前記他端側に前記陽極が配設され、前記中間イオン交換膜は、前記第二小脱塩室にアニオン交換体が充填される場合にはカチオン交換膜またはアニオン交換膜であり、前記第二小脱塩室にアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填される場合にはカチオン交換膜とアニオン交換膜との複式膜であり、前記複式膜は、前記第二小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側にアニオン交換膜、下流側にカチオン交換膜が配置され、前記第二小脱塩室の上流側のアニオン交換膜に対応する部分に前記複層体のアニオン交換体が、前記第二小脱塩室の下流側のカチオン交換膜に対応する部分の少なくとも一部に前記複層体のカチオン交換体が配置されており、被処理水が前記第一小脱塩室に通水された後、前記第二小脱塩室に通水される電気式脱イオン水製造装置である。
また、本発明は、陽極と陰極との間に、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜を備え、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、カチオン交換体が充填された第一小脱塩室と、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、アニオン交換体またはアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填された第二小脱塩室と、を有する脱塩室と、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に設けられ、アニオン交換体が充填された濃縮室と、を有し、前記一側に前記陰極、前記他端側に前記陽極が配設され、前記中間イオン交換膜は、前記第二小脱塩室にアニオン交換体が充填される場合にはカチオン交換膜またはアニオン交換膜であり、前記第二小脱塩室にアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填される場合にはカチオン交換膜とアニオン交換膜との複式膜であり、前記複式膜は、前記第二小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側にアニオン交換膜、下流側にカチオン交換膜が配置され、前記第二小脱塩室の上流側のアニオン交換膜に対応する部分に前記複層体のアニオン交換体が、前記第二小脱塩室の下流側のカチオン交換膜に対応する部分の少なくとも一部に前記複層体のカチオン交換体が配置されている電気式脱イオン水製造装置において、被処理水を前記第一小脱塩室に通水した後、前記第二小脱塩室に通水する電気式脱イオン水製造装置の運転方法である。
また、前記電気式脱イオン水製造装置及び前記電気式脱イオン水製造装置の運転方法において、前記被処理水がシリカを含有するときに本発明がより好適に適用でき効果が高い。
また、前記電気式脱イオン水製造装置及び前記電気式脱イオン水製造装置の運転方法において、前記被処理水が硬度及び炭酸のうち少なくとも1つをさらに含むときに本発明がより好適に適用でき効果が高い。
本発明では、電気式脱イオン水製造装置が、陽極と陰極との間に、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜とを備え、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、カチオン交換体、アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体とカチオン交換体との複層体、アニオン交換体とカチオン交換体との複層体のうちの1つが充填された第一小脱塩室と、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、アニオン交換体またはアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填された第二小脱塩室と、を有する脱塩室と、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に設けられ、アニオン交換体が充填された濃縮室と、を有する。この装置構成において、通水順序を「カチオン交換体」から「アニオン交換体」の順序として、先にカチオンを除去することで、アニオン交換体が被処理水と接触するときのpHを酸性とし、アニオン除去性能の向上を図ることができる。このため、シリカや炭酸等の難除去成分の濃度が高く、処理負荷が高くなっても高い処理能力を維持することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明者らは、電気式脱イオン製造装置において、シリカ、炭酸(ここで、本明細書において「炭酸」とは遊離炭酸、炭酸水素イオン、炭酸イオンを総称したものをいう)等の難除去成分の処理能力を向上させることを検討した。そして、次のような構成とすることにより、シリカ、炭酸等の難除去成分の濃度が高く、処理負荷が高くなった場合や低水温で除去効率が低下した場合でも、高い処理能力を維持できることを見出した。本構成により、さらには、硬度スケールが発生することも防止することができる。
(1)カチオン交換膜と中間イオン交換膜とで区画された第一小脱塩室と、アニオン交換膜と中間イオン交換膜とで区画された第二小脱塩室とを設け、第一小脱塩室に「カチオン交換体」、第二小脱塩室に「アニオン交換体」を充填し、中間イオン交換膜を介してそれらの小脱塩室を隣接させ、第一小脱塩室と第二小脱塩室との間に濃縮室を挟まない。
(2)通水順序を、「カチオン交換体」から「アニオン交換体」の順序とする。
(3)第一小脱塩室と第二小脱塩室の間に配置する中間イオン交換膜は、「カチオン交換膜」、「アニオン交換膜」、「カチオン交換膜とアニオン交換膜とを組み合わせた複式膜」の3種類から選択される少なくとも1つとする。
(4)第一小脱塩室と第二小脱塩室との脱塩室ペアと濃縮室を交互に配置し、陰極と陽極で挟む。
(5)スケール発生防止及び電気抵抗低減等のため、濃縮室には「アニオン交換体」を充填する。
(6)中間イオン交換膜として「カチオン交換膜とアニオン交換膜とを組み合わせた複式膜」を用いた場合には、第二小脱塩室に「アニオン交換体とカチオン交換体をそれぞれ単床で充填した複層体」を充填してもよい。
(7)第一小脱塩室には「カチオン交換体」の代わりに、「アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体とカチオン交換体との複層体」、「アニオン交換体とカチオン交換体との複層体」のうちの1つを充填してもよい。
(8)この場合、第一小脱塩室に充填される、「アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体とカチオン交換体との複層体」における上流側の混合体、または「アニオン交換体とカチオン交換体との複層体」における上流側のアニオン交換体が、第一小脱塩室の被処理水の流入口から流出口までの全流路長のうち少なくとも10%以上の距離の間に充填されていることが好ましい。
本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置を図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置1の概略構成図であり、図2は脱塩室を構成するための脱イオンモジュールを示す分解斜視図である。
電気式脱イオン水製造装置1において、カチオン交換膜10と、中間イオン交換膜12と、アニオン交換膜14とが互いに離間して交互に配置されている。カチオン交換膜10と中間イオン交換膜12とで区画されて形成される空間内には、カチオン交換体16が充填されて第一小脱塩室d1,d3,d5,d7が形成され、中間イオン交換膜12とアニオン交換膜14とで区画されて形成される空間内には、アニオン交換体18が充填されて第二小脱塩室d2,d4,d6,d8が形成されている。第一小脱塩室d1と第二小脱塩室d2とで脱塩室D1、第一小脱塩室d3と第二小脱塩室d4とで脱塩室D2、第一小脱塩室d5と第二小脱塩室d6とで脱塩室D3、第一小脱塩室d7と第二小脱塩室d8とで脱塩室D4とする。また、脱塩室D1とD2、D2とD3、D3とD4のそれぞれの間に位置するアニオン交換膜14とカチオン交換膜10とで形成される空間は、濃縮水を流すための濃縮室20(20a,20b,20c)とし、濃縮室20a,20b,20cにはアニオン交換体21が充填されている。これを順次に併設して図1中、左より脱塩室D1、濃縮室20a、脱塩室D2、濃縮室20b、脱塩室D3、濃縮室20c、脱塩室D4が形成されている。なお、図1の脱塩室の数は一例であって、これに限定されない。
このような脱塩室は、例えば、内部がくり抜かれた2つの枠体と3つのイオン交換膜によって形成される脱イオンモジュールから構成される。すなわち、図2に示すように、第一枠体22の一側の面にカチオン交換膜10が封着され、第一枠体22のくり抜かれた部分にカチオン交換体が充填され、次いで、第一枠体22の他方の面に中間イオン交換膜12が封着されて第一小脱塩室が形成される。次に中間イオン交換膜12を挟み込むように第二枠体24が封着され、第二枠体24のくり抜かれた部分にアニオン交換体が充填され、次いで、第二枠体24の他方の面にアニオン交換膜14が封着されて第二小脱塩室が第一小脱塩室に隣接して形成される。なお、イオン交換膜は通常比較的柔らかいものであり、第一枠体22、第二枠体24内部にイオン交換体が充填されてその両面がイオン交換膜で封着された時に、イオン交換膜が湾曲してイオン交換体の充填層が不均一となりやすい。これを防止するため、第一枠体22、第二枠体24の空間部に複数のリブ26が縦設されてもよい。また、図では省略するが、第一枠体22、第二枠体24の一側に被処理水の流入口が、またそれら枠体の他側に被処理水の流出口または処理水の流出口が付設されている。前記内部がくり抜かれた枠体は、枠体とイオン交換膜を積層した場合に、枠体とイオン交換膜との間にイオン交換体が充填される空間部を形成するような構造のものであれば、特に制限されず、例えば、四角柱状の棒状部材を組み付けて構成された枠体であってもよい。
このような脱イオンモジュール28を複数用意し、各モジュールの間にスペーサ(不図示)を挟装して、並設した状態が図1に示される。並設した脱イオンモジュールの一端側に陰極30を配設すると共に、他端側に陽極32を配設する。なお、前述したスペーサを挟んで形成した空間が濃縮室20(20a,20b,20c)である。また、両端の脱塩室の両外側と両電極(陰極30,陽極32)との間の空間をそれぞれ電極室34,36として、ここに必要に応じてカチオン交換体、アニオン交換体等を充填してもよい。図1の例では、電極室34にアニオン交換体37が、電極室36にカチオン交換体35が配設されているが、これに限らない。
図1の電気式脱イオン水製造装置1において、被処理水が流入するための第一流入ライン38が、第一小脱塩室d1,d3,d5,d7の入口にそれぞれ接続されている。第一小脱塩室d1,d3,d5,d7の出口からの被処理水が流出するための第一流出ライン40が、第二脱塩室d2,d4,d6,d8の入口へ被処理水が流入するための第二流入ライン42に接続されている。処理水が流出するための第二流出ライン44が、第二脱塩室d2,d4,d6,d8の出口にそれぞれ接続されている。また、濃縮・電極水流入ライン46及び濃縮・電極水流出ライン48が、濃縮室20a,20b,20cの入口及び出口、電極室34,36の入口及び出口にそれぞれ接続されている。濃縮水と電極水は、図では1つのラインで通水しているが、これに限らず、濃縮水と電極水を別のラインとして通水しても良い。また、濃縮水及び電極水として流入する水は同じものであっても異なるものであってもよい。濃縮水及び電極水として、通常は被処理水と同じ水、または処理水の一部を使う。
本実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置1によって脱イオン水を製造する場合、通水順序をカチオン交換体16からアニオン交換体18への順序とし、以下のように運転される。すなわち、陰極30と陽極32との間に直流電流を定電流で流し、第一流入ライン38から被処理水を流入させると共に、濃縮・電極水流入ライン46から濃縮・電極水を流入させる。第一流入ライン38から流入した被処理水は第一小脱塩室d1,d3,d5,d7を流れ、カチオン交換体16の充填層を通過する際に被処理水中のカチオンが除去される。更に、第一小脱塩室の第一流出ライン40を通った被処理水は、第二小脱塩室の第二流入ライン42を通って第二小脱塩室d2,d4,d6,d8を流れ、アニオン交換体18の充填層を通過する際にシリカ等のアニオンが除去され、処理水(脱イオン水)が第二流出ライン44から得られる。また、濃縮・電極水流入ライン46から流入した濃縮水は、各濃縮室20a,20b,20cを流れ、カチオン交換膜10及びアニオン交換膜14を介して移動してくるイオンを受取り、不純物イオンを濃縮した濃縮水として濃縮・電極水流出ライン48から流出される。濃縮・電極水流入ライン46から流入した電極水は、濃縮・電極水流出ライン48から流出される。上述の運転によって、被処理水中のイオンが除去された処理水が得られる。
ここで、本実施形態では、シリカを含む被処理水をカチオン交換体16が充填された第一小脱塩室d1,d3,d5,d7にまず通水し、カチオン交換体16により被処理水中のカチオンを除去する。これにより、被処理水にはアニオンが残り、これらの対イオンとして水解離により生じた水素イオンが増え、カチオン除去後の被処理水のpHが酸性寄り(例えばpH5〜6)になる。従って、アニオン交換体18を充填した第二小脱塩室d2,d4,d6,d8に流入する被処理水が酸性寄りとなり、被処理水中において移動しやすいアニオンである水酸化物イオンが少なくなり、結果としてシリカがアニオンとして除去されやすくなって、シリカの除去効率が向上する。したがって、シリカ等の濃度が高く、処理負荷が高くなった場合でも、高い処理能力を維持することができる。
EDI装置の脱塩室で除去できるイオンの濃度は、主に陰極30と陽極32との間に流す電流で決まっており、その電流を増やせば除去可能なイオン濃度の上限を高くできる。しかし、一般に定電流で運転するEDI装置においては、使用する直流電源の最大電圧に至る電流に応じた除去可能なイオン濃度が、事実上除去可能なイオン濃度の上限となる。直流電源の電圧は、オームの法則により、EDI装置の電極間の電気抵抗と流している電流との積で表される。したがって、定電流運転しているEDI装置の電気抵抗が高くなると、直流電源の電圧も高くなる。定電流運転において直流電源の電圧が最大に達した場合は、最大電圧を保持したまま電流が減少し、定電圧運転へと制御が切り替わるのが一般的である。このような状態に至ると、EDI装置におけるイオンの除去性能も電流の低下と共に低下する。つまり、より電気抵抗が低いEDI装置では、直流電源の最大電圧に至るまで一定電流を保持することができ、かつ、電流を増やすこともできるため、より多くのイオンを安定して除去できる。
本実施形態のように通水順序をカチオン交換体16からアニオン交換体18への順序とした構成では、仮に被処理水の変化等によって被処理水中のイオン濃度が過剰に上昇した場合、第二小脱塩室d2,d4,d6,d8に流入したシリカ等のアニオンのうち、その時設定した電流で除去しきれない余剰のシリカ等のアニオンは、第二小脱塩室d2,d4,d6,d8から流出する処理水に含まれて排出される。つまり、シリカ等のアニオンが過剰に流入しても一定濃度以上は第二小脱塩室d2,d4,d6,d8内に留まらないため、電気抵抗も一定となり、電気抵抗の過度な上昇はほとんど起こらない。
一方で、第二小脱塩室d2,d4,d6,d8から流出する処理水中へ余剰のシリカ等のアニオンが排出されることは、処理水の品質を低下させることになるので、電流を増やしてシリカ等のアニオンの除去性能の向上を図ることが望ましい。
本実施形態の構成によると、上記の通りEDI装置の電気抵抗はほとんど上昇しないため、直流電源が最大電圧に達するまで十分に余裕があり、余剰なシリカ等のアニオンも除去できるように電流を増やすことができる。電流の調整幅が広いことで、被処理水の性状等に応じてイオンの除去性能を向上することができ、仮に低水温(例えば5℃程度)によってシリカ除去に関わる電流効率が低下した場合でも、電流を増やしてシリカ等の除去性能を維持または向上できる。
また、従来のEDI装置のように脱塩室において「アニオン交換体」→「アニオン交換体とカチオン交換体との混合交換体」、または「アニオン交換体」→「カチオン交換体」として配置して通水すると、特に被処理水として水道水または水道水をRO膜で処理したRO膜処理水を用いた場合に、カチオン交換膜を介して炭酸の逆拡散現象が起こる。
例えば、上述した図9に示す従来例においては、被処理水を小脱塩室d1,d3,d5,d7→小脱塩室d2,d4,d6,d8の順で通水すると、被処理水は、「アニオン交換体」→「アニオン交換体とカチオン交換体との混合体」の順にイオン交換体と接触することになる。そして、被処理水中に含まれる炭酸は、先に流入する第一小脱塩室d1,d3,d5,d7においてアニオン交換体にて炭酸として捕捉される。捕捉された炭酸は、水酸化物イオンやアニオン交換体に捕捉された他のアニオンと共に陽極側のアニオン交換膜64を通過し、濃縮室68a,68b,68cへと移動する。ここで、第一小脱塩室d1,d3,d5から濃縮室68a,68b,68cに移動した炭酸は、電場によってカチオン交換膜60近傍まで引き寄せられ濃縮される。これによって、カチオン交換膜60を隔てて濃縮室68a,68b,68c(濃厚側)と第二小脱塩室d4,d6,d8(希薄側)との間に炭酸の急な濃度勾配が生じ、本来透過しない炭酸がカチオン交換膜60を透過して微量だけ第二小脱塩室d4,d6,d8へ濃度拡散(逆拡散)してしまうことがあり、これにより第二小脱塩室d4,d6,d8から排出される最終処理水が炭酸で汚染されることになる。
これに対し、本実施形態では、脱塩室D1,D2,D3,D4において「カチオン交換体」→「アニオン交換体」として配置することで、脱塩室の下流側をアニオン交換体とし、通水の順序をカチオン交換体16からアニオン交換体18とするため、最終処理水の炭酸による汚染を防止することができる。
さらに、本実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置1のように濃縮室20にアニオン交換体21を充填すると、シリカの除去効率を向上させた上で、濃縮室20内のカチオン交換膜10面に発生する硬度スケールの発生防止と低電圧化を達成することができる。この場合、後述する構造IVのようにカチオン交換体16、アニオン交換体18の後にカチオン交換体54を配置して通水しても問題ない。
本実施形態において、中間イオン交換膜12としては、「カチオン交換膜またはアニオン交換膜の単一膜」、あるいは「アニオン交換膜及びカチオン交換膜の両方を配置した複式膜」のいずれであってもよい。中間イオン交換膜12として、「アニオン交換膜及びカチオン交換膜の両方を配置した複式膜」を用いる場合、後述するように、アニオン交換膜及びカチオン交換膜のそれぞれの高さ、被処理水の流れ方向に対する配置位置等は、被処理水の性状または処理目的等によって適宜決定することができる。このとき、第二小脱塩室d2のカチオン交換膜に対応する部分の少なくとも一部にカチオン交換体を配置することが好ましい。以下にそれぞれの場合の中間イオン交換膜12の作用を説明する。
<構造I:中間イオン交換膜に「カチオン交換膜」を使用>
図3に中間イオン交換膜12として、カチオン交換膜50を用いた場合の断面模式図を示す。図3及び後述する図4〜6中、第一小脱塩室d1に流入する被処理水の流れ方向及び第二小脱塩室d2に流入する第一小脱塩室d1の流出水の流れ方向は共に下降方向であり、濃縮水の流れ方向はその逆の上昇方向であるが、これに制限されない。被処理水が第一小脱塩室d1に流入すると、第一小脱塩室d1で被処理水中のカチオンがカチオン交換膜10を介して陰極(−)側の濃縮室20aに移動する。この場合、被処理水中のシリカ等のアニオンは被処理水中に含まれたままである。上記の通り、第一小脱塩室d1においてカチオン除去後の被処理水のpHは、酸性寄り(例えばpH5〜6)になる。次に、被処理水が第二小脱塩室d2に流入すると、第二小脱塩室d2で被処理水中のシリカ等のアニオンが、アニオン交換膜14を介して陽極(+)側の濃縮室20bに移動する。このとき、第二小脱塩室d2入口におけるpHが低いので、上記の通りシリカ等のアニオンの除去効率が向上する。一方、第一小脱塩室d1から濃縮室20aに移動したカチオンは、電場によってアニオン交換膜14近傍まで引き寄せられ濃縮される。このことによってアニオン交換膜14を隔てて隣り合う第二小脱塩室(希薄側)と濃縮室20a(濃厚側)との間にカチオンの急な濃度勾配が生じ、本来透過しないカチオンがアニオン交換膜14を透過して隣接する第二小脱塩室へ微量だけ濃度拡散(逆拡散)してしまうことがある。この点、本構造Iにおいては、中間イオン交換膜12をカチオン交換膜としたことで、陽極(+)側の濃縮室20bから第二小脱塩室d2へ逆拡散したカチオン(ナトリウムイオン(Na)等)を、更に第一小脱塩室d1、陰極(−)側の濃縮室20aへ除去することが可能となる。
このように脱塩室の中間イオン交換膜12としてカチオン交換膜50を配設した場合(構造I)、シリカの除去効率を高めた上で、第一小脱塩室d1で除去することができなかったカチオン(Na等)、あるいは濃縮室20bから第二小脱塩室d2へ逆拡散したカチオンも再除去することができ、シリカ除去性能だけでなく、カチオン除去性能も向上できる。
<構造II:中間イオン交換膜に「アニオン交換膜」を使用>
図4に中間イオン交換膜12として、アニオン交換膜52を用いた場合の断面模式図を示す。被処理水が第一小脱塩室d1に流入すると、第一小脱塩室d1で被処理水中のカチオンが、カチオン交換膜10を介して陰極(−)側の濃縮室20aに移動する。これによって、上記の通りカチオン除去後の被処理水のpHは酸性寄りとなる。しかし、一方で被処理水中のアニオンのうちで中間のアニオン交換膜52に接触したものだけが、第一小脱塩室d1のアニオン交換膜52面で第二小脱塩室d2に移動する。これにより、本来酸性寄りとなる第一小脱塩室d1の出口付近の被処理水のpHが中性寄りとなり、移動しやすい成分である水素イオンが少なくなり、他のカチオン(Na等)が除去されやすくなる。従って、この構造IIでは、カチオンの除去率が構造Iより良い傾向となる。次に、被処理水が第二小脱塩室d2に流入すると、被処理水中のシリカ等のアニオンが、アニオン交換膜14を通過して陽極(+)側の濃縮室20bに移動する。このとき、第二小脱塩室d2入口のpHはやや中性寄りとなっているため、シリカの除去率は構造Iより劣ることになる。また、第一小脱塩室d1で除去することができなかったカチオンや隣接する濃縮室20bから逆拡散してくるカチオンがあった場合には、このカチオンを除去できず、処理水にリークする傾向にある。
このように、第一小脱塩室d1でカチオンを除去した後、第二小脱塩室d2でアニオンを除去することで、シリカの除去効率を高めることができる。さらに、第一小脱塩室d1でアニオンも一部減少するため、第一小脱塩室d1の処理水のpHが酸性からやや中性寄りとなり、第一小脱塩室d1の末端付近におけるカチオンの除去効率を構造Iよりも高めることができる。
<構造III:中間イオン交換膜に「アニオン交換膜及びカチオン交換膜の複式膜」を使用>
図5に中間イオン交換膜12として、「アニオン交換膜52及びカチオン交換膜50の複式膜」を用いた場合の断面模式図を示す。この複式膜は、第二小脱塩室d2における被処理水の通水方向の上流側にアニオン交換膜52、下流側にカチオン交換膜50が配置されたものである。被処理水が第一小脱塩室d1に流入すると、被処理水中のカチオンが、カチオン交換膜10を介して陰極(−)側の濃縮室20aに移動する。一方で、第一小脱塩室d1のアニオン交換膜52部分においては、アニオンの一部が第二小脱塩室d2に移動するため、第一小脱塩室d1の出口付近の被処理水のpHが中性寄りとなる。次に、被処理水が第二小脱塩室d2に流入すると、被処理水中のシリカ等のアニオンが、アニオン交換膜14を介して陽極(+)側の濃縮室20bに移動する。このとき、第一小脱塩室d1の出口付近の被処理水のpHが中性寄りとなっているため、構造IIと同様にカチオン(Na等)の除去率が構造Iより良い傾向となる。なお、第一小脱塩室d1で除去することができなかったカチオンや隣接する濃縮室20bから逆拡散してきたカチオンの一部は、カチオン交換膜50を介して第一小脱塩室d1または濃縮室20aまで移動して排除される。
このように、脱塩室の中間イオン交換膜12として「アニオン交換膜52及びカチオン交換膜50の複式膜」を配する構造の場合(構造III)、第一小脱塩室d1で除去することができなかったカチオンや隣接する濃縮室20bから逆拡散してきたカチオンの一部は、カチオン交換膜50を介して第一小脱塩室d1または濃縮室20aまで移動して排除されるため、シリカの除去効率を高めた上で、処理水へのカチオンのリークを減らすことができる。
<構造IV:構造IIIの「第二小脱塩室d2の下流部のカチオン交換膜の部分にカチオン交換体を配置」>
図6に中間イオン交換膜12として、「アニオン交換膜52及びカチオン交換膜50の複式膜」を用い、第二小脱塩室d2に「アニオン交換体18とカチオン交換体54をそれぞれ単床で充填した複層体」を用いた場合の断面模式図を示す。この複式膜は、第二小脱塩室d2における被処理水の通水方向の上流側にアニオン交換膜52、下流側にカチオン交換膜50が配置されたものである。また、第二小脱塩室d2の上流側のアニオン交換膜52に対応する部分に前記アニオン交換体18が、第二小脱塩室d2の下流側のカチオン交換膜50に対応する部分の少なくとも一部に前記カチオン交換体54が配置されている。ここで、「複層体」は、「アニオン交換体とカチオン交換体の混合交換体(いわゆる「混床」)」とは異なるものであり、各交換体の単独の層を積層した構造のものをいう。以上の構成において、被処理水が第一小脱塩室d1に流入すると、被処理水中のカチオンが、カチオン交換膜10を介して陰極(−)側の濃縮室20aに移動する。また、第一小脱塩室d1のアニオン交換膜52面でアニオンの一部が第二小脱塩室d2に移動するため、第一小脱塩室d1の出口付近の被処理水のpHが中性寄りとなる。次に被処理水が第二小脱塩室d2に流入すると、被処理水中のシリカ等のアニオンがアニオン交換膜14を介して陽極(+)側の濃縮室20bに移動する。このとき、第一小脱塩室d1の出口付近の被処理水のpHが中性寄りとなっているため、構造IIと同様にカチオン(Na等)の除去率が構造Iより良い傾向となる。一方、第一小脱塩室d1で除去することができなかったカチオンや隣接する濃縮室20bから逆拡散してきたカチオンは、第二小脱塩室d2の下流部のカチオン交換体54及びカチオン交換膜50を介して第一小脱塩室d1または濃縮室20aまで移動して排除される。このとき、第二小脱塩室d2の末端がカチオン交換体54なので、末端がアニオン交換体である構造IIIよりも、カチオンは濃縮室20aまで移動しやすく、構造IIIよりもさらに処理水へのカチオンのリークが少なくなる傾向となる。
このように脱塩室の中間イオン交換膜12として「アニオン交換膜52及びカチオン交換膜50の複式膜」を配する構造で、第二小脱塩室d2の下流部においてカチオン交換膜50と接する部分の少なくとも一部にカチオン交換体54の層を設けたものの場合(構造IV)では、第二小脱塩室d2に混入したカチオン(Na等)が下流部のカチオン交換体54の層で捕捉され、カチオン交換膜50を通過して第一小脱塩室d1もしくはさらに陰極側の濃縮室20aまで移動するため、シリカの除去効率を高めた上で、処理水へのカチオンのリークを最小限に減らすことができる。
ここで、構造I〜IVのように、第一小脱塩室において充填するイオン交換体が「カチオン交換体単層」であるときには、第一小脱塩室の出口付近の被処理水のpHが酸性寄りになるため、第二小脱塩室でのシリカ除去性能は高くなる。この反面、Na等のカチオンの除去性能が低くなりやすい。また、上記構造IIのように中間イオン交換膜12がアニオン交換膜52であれば、アニオン交換膜52に接触できたアニオンは、第二小脱塩室d2へ移動するため除去できるが、pHの変化は少なく、カチオンの除去率向上効果は少なくなる。
そこで、次に示す構造V〜VIのように、第一小脱塩室に「カチオン交換体単層」の代わりに、「アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体とカチオン交換体との複層体」、「アニオン交換体とカチオン交換体との複層体」のうちの1つを充填する構造としてもよい。これによって、第一小脱塩室のカチオン除去性能を向上することができるようになる。以下、構造V〜VIについて説明する。
<構造V:第一小脱塩室のイオン交換体として「アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体とカチオン交換体との複層体」を使用>
図7に第一小脱塩室d1のイオン交換体として「アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体55とカチオン交換体56との複層体」を用い、中間イオン交換膜12としてアニオン交換膜52を用いた場合の断面模式図を示す。第一小脱塩室d1の被処理水の通水方向の上流側に前記混合体55を、第一小脱塩室d1の下流側に前記カチオン交換体56を配置している。第一小脱塩室d1の入口付近の一部に混合体55の層を設けることで、被処理水中のアニオン(主に炭酸)の一部を取り除くことができ、第一小脱塩室d1の出口末端の被処理水のpHが過度に酸性に偏ることを抑えることができる。
<構造VI:第一小脱塩室のイオン交換体として「アニオン交換体とカチオン交換体との複層体」を使用>
図8に第一小脱塩室d1のイオン交換体として「アニオン交換体57とカチオン交換体56との複層体」を用い、中間イオン交換膜12としてアニオン交換膜52を用いた場合の断面模式図を示す。第一小脱塩室d1の被処理水の通水方向の上流側に前記アニオン交換体57を、第一小脱塩室d1の下流側に前記カチオン交換体56を配置している。第一小脱塩室d1に「入口側のアニオン交換体57と出口側のカチオン交換体56との複層体」を充填することで、被処理水中のアニオン(主に炭酸)の一部を効率よく除き、第一小脱塩室d1の出口末端の被処理水のpHが過度に酸性に偏ることを抑えることができる。また、構造VIでは、第一小脱塩室d1が「アニオン交換体57の単層とカチオン交換体56の単層とからなる複層体」で構成されており、混合体の層を含む構造Vよりも、電気抵抗を低減することができる。
ここで、上記構造Vの第一小脱塩室d1に充填される「アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体とカチオン交換体との複層体」における上流側層と下流側層の境界位置、または上記構造VIの第一小脱塩室d1に充填される「アニオン交換体とカチオン交換体との複層体」における上流側層と下流側層の境界位置は、被処理水の性状、処理目的等に応じて設定すれば良く、特に制限はない。少なくとも第一小脱塩室d1における被処理水の流入口付近にアニオン交換体が存在していることが好ましく、流入口側の部分であって流入口から流出口までの全流路長のうち少なくとも10%以上の距離の区間にアニオン交換体を含む層が配置されていることがより好ましい。10%未満では、被処理水中のアニオン(主に炭酸)の一部を取り除くことができず、第一小脱塩室d1の出口末端の被処理水のpHが過度に酸性に偏ることを抑えられない場合がある。
第一小脱塩室d1に充填される「アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体(混床)」におけるアニオン交換体の混合比率は、被処理水の性状、処理目的等に応じて変えれば良く特に制限はないが、アニオンの混合比が少なくなるほど、上記構造Iに近づく。一実施形態としては、アニオン交換体:カチオン交換体=50:50(体積比)とすることができ、アニオン交換体の割合が、10体積%〜90体積%の範囲であることが好ましく、50体積%〜80体積%の範囲であることがより好ましい。
本実施形態において、第一小脱塩室d1,d3,d5,d7または第二小脱塩室d2,d4,d6,d8の厚さは特に制限されないが、カチオン交換体等を充填した第一小脱塩室の厚さを0.8〜15mm、好ましくは2〜5mm、アニオン交換体を充填した第二小脱塩室の厚さを0.8〜15mm、好ましくは6〜10mmとすれば、低い電気抵抗及び高い電流効率が得られる等の点で好適である。例えば、第一小脱塩室の厚さが0.8mm未満では、滞留時間を充分に確保できず、水質が悪化しやすい。また、例えば、第一小脱塩室の厚さが15mmを越えると電気抵抗が高すぎて、装置の安定運転に支障を来しやすくなる。同様に第二小脱塩室の厚さが0.8mm未満では滞留時間を充分に確保できず、水質が悪化しやすい。また、例えば、第二小脱塩室の厚さが15mmを越えると電流効率の上昇に比べて電気抵抗の上昇が顕著となりやすい。
カチオン交換体16,35,54、アニオン交換体18,21,37として用いられるイオン交換体としては、イオン交換樹脂、イオン交換繊維等イオン交換機能を有する物質であればいずれでもよく、また、それらを組み合わせたものであってもよい。
濃縮室20に充填されるアニオン交換体21としては、例えば強塩基性アニオン交換体が挙げられる。また、アニオン交換体の形態としては、アニオン交換樹脂、アニオン交換繊維及び特開2002−306976号公報記載の有機多孔質アニオン交換体等が挙げられる。強塩基性アニオン交換体は、一部に弱塩基性アニオン交換基が含まれていてもよい。アニオン交換樹脂は、充填体積当たりの交換容量が大きいため、炭酸イオンの滞留時間が長く、且つ濃縮水中の遊離炭酸と反応する時間が長くなる。このため、遊離炭酸濃度が低くても反応が十分におき、スケール発生を抑制できるという利点を有する。また、アニオン交換樹脂の粒径が均一であると、濃縮室の差圧が低くなる点で好ましい。
アニオン交換体21のアニオン中性塩分解容量としては、湿潤状態において0.75〜75gCaCO/Lが好ましい。0.75gCaCO/L未満であると、炭酸イオンの滞留時間が短くなり、濃縮水の遊離炭酸と反応する時間が短くなるため好ましくない。また、75gCaCO/Lを超えるとアニオン交換体の製造コストを上昇させる点で好ましくない。また、アニオン交換体21がアニオン交換樹脂である場合、ゲル型及びMR型のいずれであってもよいが、ゲル型は水酸化物イオンに対する他のイオン選択性がMR型ほど強くなく、塩形での電気抵抗が小さいためアニオン交換膜14から移動してくる炭酸イオンや水酸化物イオンを確実に受け取り陽極32側へ移動させることができる点で好ましい。
濃縮室20の厚さとしては、0.5mm〜6mmが好ましく、特に1mm〜3mmが好ましい。0.5mm未満であると、たとえアニオン交換体を充填してもスケール発生抑制効果が得られにくくなり、通水差圧も上昇しやすい。一方、6mmを越えると、電気抵抗が高くなり、消費電力が増大しやすくなる。
また、被処理水の第一小脱塩室及び第二小脱塩室での流れ方向は、特に制限されず、上記実施形態の例の他、第一小脱塩室と第二小脱塩室での流れ方向が異なっていてもよい。また、濃縮水の流れ方向も適宜決定される。
なお、電気式脱イオン水製造装置1において、処理量(SV,LV)、通電量、その他運転条件は、被処理水の性状等に応じて適宜設定することができる。
本実施形態において、処理対象となる被処理水としては特に制限はないが、被処理水がシリカを含有する場合に、より好適に適用でき効果が高い。また、被処理水がシリカに加えて硬度及び炭酸のうち少なくとも1つをさらに含む場合に、特に好適に適用でき効果が高い。このような被処理水としては、例えば水道水または水道水をRO膜等で処理した水等が挙げられる。炭酸濃度や水温等にもよるが、特に被処理水のシリカ含有量が1ppm以上の高濃度である場合に好適に適用でき効果が高い。国内の水道水では通常硬度と炭酸が含まれ、シリカを40〜60ppm程度含む場合も各地に見られるが、水温変動や前段のRO装置の性能により被処理水に1ppm以上のシリカを含む場合でも適用可能である。本実施形態によれば、上述のような被処理水を処理対象としても、濃縮室20へアニオン交換体21が充填されているため、濃縮室20に移動したCa2+イオンやMg2+イオンが濃縮室20のアニオン交換膜14面で炭酸イオン(CO 2−)と結合して硬度スケールを生じることはほとんどなく、濃縮室において流路閉塞等が起こることもほとんどない。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
中間イオン交換膜として「カチオン交換膜」を用いた上記構造Iの電気式脱イオン水製造装置により、以下の条件で被処理水の処理を行った。被処理水の通水は「第一小脱塩室(カチオン交換樹脂)」→「第二小脱塩室(アニオン交換樹脂)」の順序で行った。結果を表1に示す。
<使用したイオン交換体>
第一小脱塩室カチオン交換樹脂:ロームアンドハース社製、アンバーライト
第二小脱塩室アニオン交換樹脂:ロームアンドハース社製、アンバーライト
濃縮室アニオン交換樹脂:ロームアンドハース社製、アンバーライト
カチオン交換膜、中間イオン交換膜(カチオン交換膜):株式会社アストム製
アニオン交換膜:株式会社アストム製
<EDIサイズ>
第一小脱塩室、濃縮室、電極室:縦330mm×幅75mm×厚さ4mm
第二小脱塩室:縦330mm×幅75mm×厚さ8mm
<流量条件>
被処理水:80L/hr
濃縮水、電極水:25L/hr
第一小脱塩室:SV200
第二小脱塩室:SV100
濃縮室、電極室:LV17
<電流条件>
定電流:0.84A
<給水条件>
RO処理水2〜5μS/cm、全炭酸濃度約10〜20mgCO/L、シリカ濃度0.3〜1.0mgSiO/L、Na濃度0.5〜0.8mg/L、水温10〜15℃
(実施例2)
中間イオン交換膜として「アニオン交換膜」(株式会社アストム製)を用いた上記構造IIの電気式脱イオン水製造装置により、実施例1と同様の条件で被処理水の処理を行った。結果を表1に示す。
参考
中間イオン交換膜として「カチオン交換膜(株式会社アストム製)とアニオン交換膜(株式会社アストム製)との複式膜」を用いて、第二小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側約4/5に「アニオン交換膜」、下流側約1/5に「カチオン交換膜」を配置した上記構造IIIの電気式脱イオン水製造装置により、実施例1と同様の条件で被処理水の処理を行った。結果を表1に示す。
(実施例
中間イオン交換膜として「カチオン交換膜(株式会社アストム製)とアニオン交換膜(株式会社アストム製)との複式膜」を用いて、第二小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側約4/5に「アニオン交換膜」、下流側約1/5に「カチオン交換膜」を配置し、上流側のアニオン交換膜に対応する部分にアニオン交換樹脂を充填し、下流側のカチオン交換膜に対応する部分にカチオン交換樹脂を充填した上記構造IVの電気式脱イオン水製造装置により、実施例1と同様の条件で被処理水の処理を行った。結果を表1に示す。
参考
第一小脱塩室のイオン交換体として「アニオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト)及びカチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト)の混合体(体積比1:1)と、カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト)との複層体」を用いて、第一小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側約1/5に「アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の混合体」、下流側約4/5に「カチオン交換樹脂」を充填し、中間イオン交換膜として、「アニオン交換膜」(株式会社アストム製)を用いた上記構造Vの電気式脱イオン水製造装置により、実施例1と同様の条件で被処理水の処理を行った。結果を表1に示す。
参考
第一小脱塩室のイオン交換体として「アニオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト)とカチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト)との複層体」を用いて、第一小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側約1/5に「アニオン交換樹脂」、下流側約4/5に「カチオン交換樹脂」を充填し、中間イオン交換膜として、「アニオン交換膜」(株式会社アストム製)を用いた上記構造VIの電気式脱イオン水製造装置により、実施例1と同様の条件で被処理水の処理を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
図10に示すEDI装置を用いて、第一小脱塩室に充填するイオン交換体として、「アニオン交換樹脂」(ロームアンドハース社製、アンバーライト)、第二小脱塩室に充填するイオン交換体として、「アニオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト)と、カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト)の混合体(体積比1:1)」、中間イオン交換膜として、「アニオン交換膜」(株式会社アストム製)、濃縮室に充填するイオン交換体として、「アニオン交換樹脂」(ロームアンドハース社製、アンバーライト)を用い、「第一小脱塩室」から「第二小脱塩室」の順序で通水した以外は、実施例1と同様の条件で被処理水の処理を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004856617
表1において、最終処理水中の各成分濃度が少ない順に、優:◎、良:○、可:△、不可:×に分類して示した。
表1に示すように、実施例1〜3、参考例1〜3の装置を用いて第一小脱塩室でカチオンを除去してからアニオンを除去するという基本構成をとることで、シリカの除去性能を向上した上でEDIの電気抵抗を低く抑える効果があることを確認した。また、硬度スケールが発生することも防止できた。特に、水温10〜15℃の低水温条件でも過度な電気抵抗上昇を起こすことを抑制できた。特に混床樹脂を用いずに単一樹脂層を組み合わせた参考(構造VI)で最も良好な結果が得られた。
本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置における脱イオンモジュールの一例を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置において、構造Iの装置の一例を示す概略模式図である。 本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置において、構造IIの装置の一例を示す概略模式図である。 本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置において、構造IIIの装置の一例を示す概略模式図である。 本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置において、構造IVの装置の一例を示す概略模式図である。 本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置において、構造Vの装置の一例を示す概略模式図である。 本発明の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置において、構造VIの装置の一例を示す概略模式図である。 従来の電気式脱イオン水製造装置の例を示す概略構成図である。 従来の電気式脱イオン水製造装置の他の例を示す概略構成図である。
符号の説明
1,3,5 電気式脱イオン水製造装置、10,50,60 カチオン交換膜、12,62 中間イオン交換膜、14,52,64 アニオン交換膜、16,35,54,56 カチオン交換体、18,21,37,57,76 アニオン交換体、20,20a,20b,20c,68a,68b,68c 濃縮室、22 第一枠体、24 第二枠体、26 リブ、28 脱イオンモジュール、30,72 陰極、32,74 陽極、34,36,70 電極室、38 第一流入ライン、40 第一流出ライン、42 第二流入ライン、44 第二流出ライン、46 濃縮・電極水流入ライン、48 濃縮・電極水流出ライン、55 アニオン交換体及びカチオン交換体の混合体(混床)、66 イオン交換体、d1,d3,d5,d7 第一小脱塩室、d2,d4,d6,d8 第二小脱塩室、D1,D2,D3,D4 脱塩室。

Claims (6)

  1. 陽極と陰極との間に、
    一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜とを備え、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、カチオン交換体が充填された第一小脱塩室と、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、アニオン交換体またはアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填された第二小脱塩室と、を有する脱塩室と、
    前記カチオン交換膜、前記アニオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に設けられ、アニオン交換体が充填された濃縮室と、
    を有し、
    前記一側に前記陰極、前記他端側に前記陽極が配設され、
    前記中間イオン交換膜は、前記第二小脱塩室にアニオン交換体が充填される場合にはカチオン交換膜またはアニオン交換膜であり、前記第二小脱塩室にアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填される場合にはカチオン交換膜とアニオン交換膜との複式膜であり、前記複式膜は、前記第二小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側にアニオン交換膜、下流側にカチオン交換膜が配置され、前記第二小脱塩室の上流側のアニオン交換膜に対応する部分に前記複層体のアニオン交換体が、前記第二小脱塩室の下流側のカチオン交換膜に対応する部分の少なくとも一部に前記複層体のカチオン交換体が配置されており、
    被処理水が前記第一小脱塩室に通水された後、前記第二小脱塩室に通水されることを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  2. 請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置であって、
    前記被処理水がシリカを含有することを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  3. 請求項2に記載の電気式脱イオン水製造装置であって、
    前記被処理水が硬度及び炭酸のうち少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  4. 陽極と陰極との間に、
    一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜を備え、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、カチオン交換体が充填された第一小脱塩室と、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで区画され、アニオン交換体またはアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填された第二小脱塩室と、を有する脱塩室と、
    前記カチオン交換膜、前記アニオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に設けられ、アニオン交換体が充填された濃縮室と、
    を有し、
    前記一側に前記陰極、前記他端側に前記陽極が配設され、
    前記中間イオン交換膜は、前記第二小脱塩室にアニオン交換体が充填される場合にはカチオン交換膜またはアニオン交換膜であり、前記第二小脱塩室にアニオン交換体とカチオン交換体との複層体が充填される場合にはカチオン交換膜とアニオン交換膜との複式膜であり、前記複式膜は、前記第二小脱塩室における被処理水の通水方向の上流側にアニオン交換膜、下流側にカチオン交換膜が配置され、前記第二小脱塩室の上流側のアニオン交換膜に対応する部分に前記複層体のアニオン交換体が、前記第二小脱塩室の下流側のカチオン交換膜に対応する部分の少なくとも一部に前記複層体のカチオン交換体が配置されている電気式脱イオン水製造装置において、
    被処理水を前記第一小脱塩室に通水した後、前記第二小脱塩室に通水することを特徴とする電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  5. 請求項4に記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法であって、
    前記被処理水がシリカを含有することを特徴とする電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  6. 請求項5に記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法であって、
    前記被処理水が硬度及び炭酸のうち少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
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