JP4869297B2 - 電気式脱イオン水製造装置 - Google Patents

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本発明は電気式脱イオン水製造装置に関する。
脱イオン水を製造する方法として、従来からイオン交換樹脂に被処理水を通水して脱イオンを行う方法が知られている。しかし、この方法ではイオン交換樹脂がイオン成分で飽和されたときに、薬剤によって再生を行う必要がある。近年、このような処理操作上の不利な点を解消するため、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン水製造装置(以下、EDIという)が実用化されている。
EDIは、電気泳動と電気透析とを組み合わせた脱イオン水製造装置である。EDIは、カチオン交換膜とアニオン交換膜との間にイオン交換体が充填された脱塩室と、アニオン交換膜またはカチオン交換膜を介して脱塩室の両側に設けられた濃縮室とが、陽極と陰極との間に配置されたものである。通常、EDIには、複数組の脱塩室と濃縮室とが配置される。EDIによる脱イオン水の製造方法は、陽極と陰極との間に直流電圧を印加した状態で、脱塩室に被処理水を流通させ、濃縮室には濃縮水を流通させることにより、被処理水中のイオン成分をイオン交換体で吸着し、電気泳動にてイオン交換膜の膜面までイオンを泳動させ、イオン交換膜にて電気透析して濃縮水中に移動させ、脱イオン水を得るものである。
脱塩室に流入させる被処理水中の硬度が高い場合、例えば、水道水を被処理水として用いると、濃縮室のアニオン交換膜面に硬度スケール(以下、単にスケールということがある)が発生しやすい。即ち、被処理水中に含まれている炭酸(遊離炭酸、重炭酸イオン、炭酸イオンの総称)と硬度成分(Ca、Mg等)とが、CaCOが生成されるpH11を超えるアルカリ条件下にあるアニオン交換膜表面で出会うと、EDIのアニオン交換膜面で結合し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のスケールを生じることとなる。スケールの生成は、濃縮室における濃縮水の円滑な流通を妨げ、通水差圧の上昇を招く原因となる。さらに成長したスケールは、イオン交換膜内にまで浸食し、最終的にはイオン交換膜の破損に至ることもある。また、スケールは電流抵抗が高いため、スケールが生成されていない場合と同等の電流を流すには、電圧を上昇させて運転する必要がある。加えて、スケールの生成箇所如何では、濃縮室内での電流密度分布が生じ、ひいては脱塩室での電流密度が不均一となり、被処理水中のイオン成分への電流効率を低下させ、脱イオン水の水質低下(イオン成分濃度の上昇)の原因となる。このようなスケールの問題は、水道水をRO膜(逆浸透膜)処理した被処理水においても発生することがある。
RO膜処理では、被処理水中のイオン成分濃度の低減を行えるものの、ガス成分は殆ど除去できず、RO膜処理した水にはRO膜を透過した炭酸が残存することとなる。このような被処理水中の炭酸を高度に除去することが、スケール発生の防止や、イオン成分が高度に除去された高い水質の脱イオン水を得るための課題となる。例えば、RO膜処理をした被処理水は、被処理水中に含まれるイオン成分の多くが炭酸であることが多い。被処理水中の炭酸が脱塩室からアニオン交換膜を透過して濃縮室へ移動すると、濃縮室内のアニオン交換体はHCO形となる。そして、HCO形のアニオン交換体に電流が流れると、イオン交換体に吸着していたHCO 又はCO 2−が、電場によってカチオン交換膜の近傍まで引き寄せられる。しかし、HCO 又はCO 2−は、カチオン交換膜を透過することは出来ず、カチオン交換膜付近で濃縮される。一方で、Hが脱塩室からカチオン交換膜を透過してくるため、カチオン交換膜付近のpHは低くなる。このため、濃縮室のカチオン交換膜面で、水と炭酸ガス(CO)が発生し、カチオン交換膜近傍では炭酸ガスが高濃度に溶解した水層(以下、高濃度炭酸ガス含有液層ということがある)が形成される。そして、炭酸ガスは、拡散によってカチオン交換膜を透過し、脱塩室へ移動(逆拡散)してしまう。即ち、一旦、被処理水から除去された炭酸が、炭酸ガスとして被処理水に再度溶解される、いわゆる炭酸の逆拡散が発生する。この結果、脱塩室から排出される脱イオン水が炭酸で汚染される。
このような問題に対し、濃縮室に充填されたアニオン交換樹脂とカチオン交換膜との間に、強塩基性アニオン基を有しない水透過性体を設けることにより、炭酸の逆拡散の発生を抑制するEDIが提案されている(例えば、特許文献1)。該EDIでは、HCO 等が水透過性体でブロックされ、カチオン交換膜の近傍にまで移動することを防止して、炭酸の逆拡散防止とスケール生成の抑制を図っている。
また、濃縮室にアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂を充填することにより、炭酸の逆拡散を抑制するEDIが提案されている(例えば、特許文献2)。該EDIによれば、カチオン成分とアニオン成分の両成分の濃縮室内での移動を円滑にすることで、炭酸の逆拡散を比較的小さくし、かつ、スケール生成の抑制を図っている。
特開2004−358440号公報 特開2004−34004号公報
しかしながら、従来の技術では、濃縮室でのスケール生成を有効に抑制できるものの、炭酸の逆拡散や、異種のイオン交換膜からのイオン成分の漏洩に関する問題を解消できていない。EDIには、さらなる水質の向上が要求されており、このような要求を達成するためには、濃縮室から脱塩室への炭酸の逆拡散防止、及び、イオン成分の漏洩防止の精度向上が必要である。
そこで本発明は、濃縮室でのスケール生成を防止し、かつ、イオン成分が高度に除去された脱イオン水が得られるEDIを目的とする。
本発明のEDIは、陽極と陰極との間に、一側のカチオン交換膜と他側のアニオン交換膜とで区画され、イオン交換体が充填された2以上の脱塩室と、前記カチオン交換膜又は前記アニオン交換膜を介して、前記脱塩室の両側に設けられた濃縮室とを有し、2つの脱塩室に挟持されている濃縮室には、その厚さ方向に区画して、陽極側の陽極側小濃縮室と陰極側の陰極側小濃縮室とを形成する中間膜であるカチオン交換膜が配置され、前記陽極側小濃縮室には、カチオン交換体を含むイオン交換体が充填され、前記陰極側小濃縮室には、アニオン交換体を含むイオン交換体が充填され、前記陽極側小濃縮室を流通した濃縮水を前記陰極側小濃縮室に流通させる手段が設けられていることを特徴とする。
前記陽極室側小濃縮室には、イオン交換体がカチオン交換体の単床形態で充填され、前記陰極側小濃縮室には、イオン交換体がアニオン交換体の単床形態で充填されていることが好ましい。前記脱塩室は、前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜の間に配置されたアニオン交換膜もしくはカチオン交換膜の単一膜か、またはアニオン交換膜とカチオン交換膜の両方を配置した複合膜で、前記脱塩室の厚さ方向に多段に区画された小脱塩室が形成されていてもよい。
本発明のEDIによれば、濃縮室でのスケール生成を防止し、かつ、イオン成分が高度に除去された脱イオン水を得ることができる。
本発明のEDIにおける、スケール生成防止の機構、イオン成分の中でも特に炭酸の除去の機構について、図1を用いて説明する。図1は、濃縮室におけるイオン成分の挙動を説明する模式図である。図1に示すように、陰極側の脱塩室10を形成しているアニオン交換膜12と、陽極側の脱塩室20を形成しているカチオン交換膜22とで仕切られた空間に濃縮室30が形成されている。濃縮室30は、アニオン交換膜12とカチオン交換膜22との間に中間膜36としてカチオン交換膜が配置され、濃縮室30の厚さ方向に略二分されている。そして、アニオン交換膜12側(陰極側)に形成された空間にイオン交換樹脂が充填され、陰極側小濃縮室32が形成されている。同様に、カチオン交換膜22側(陽極側)に形成された空間にイオン交換樹脂が充填され、陽極側小濃縮室34が形成されている。
以下、被処理水をRO膜処理水とし、陰極側小濃縮室32には濃縮水を矢印A方向で流通させ、陽極側小濃縮室34には濃縮水を矢印B方向で流通させた場合を例にして、説明を行う。
陽極と陰極とに直流電圧を印加させた状態で被処理水を脱塩室20に流通させると、被処理水中の主にカチオン成分(Ca2+、Mg2+、Na等)、および、異種イオン界面での水の電解により生成したHが、陰極に引き寄せられ、カチオン交換膜22を透過して陽極側小濃縮室34に移動する。そして、カチオン成分やHは、陽極側小濃縮室34のカチオン交換樹脂への吸着と脱着とを繰り返しながら、さらに陰極に引き寄せられ、中間膜36を透過し陰極側小濃縮室32に移動する。陰極側小濃縮室32に移動したカチオン成分は、濃縮水に取り込まれ、陰極に引き寄せられながら矢印aの様に移動する。
他方、脱塩室10では、被処理水を流通させると、被処理水中の主にアニオン成分(HCO 、CO 2−、Cl、SiO(シリカは、特別な形態をとることが多いため、一般のイオンとは異なった表示とする)等)、および、異種イオン界面での水の電解により生成したOHが、対極である陽極に引き寄せられ、アニオン交換膜12を透過して陰極側小濃縮室32へ移動する。陰極側小濃縮室32へ移動してきたアニオン成分の大部分は、矢印cのように、カチオン交換膜である中間膜36に反発されて、濃縮水に取り込まれて排出される。ここで、RO膜処理水に含まれるアニオン成分の大部分が炭酸であるため、アニオン交換樹脂はHCO形になる。そして、アニオン交換樹脂に吸着しているHCO は、アニオン交換樹脂への吸着と脱着とを繰り返しながら陽極に引き寄せられて、中間膜36表面まで移動する。この際、陽極側小濃縮室34から陰極側小濃縮室32に移動してきたHと、HCO とが中間膜36の膜面で接触し、HOと炭酸ガスを生成し、高濃度炭酸ガス含有液層を形成する。形成された高濃度炭酸ガス含有液層から、ガス化したCO(炭酸ガス)が、中間膜36を透過して陽極側小濃縮室34へ逆拡散する。また、中間膜36に至ったCl等のアニオン成分は、その一部が中間膜36を透過する。
陽極側小濃縮室34に移動してきた炭酸ガス、ならびに、Cl等のアニオン成分は、濃縮水に取り込まれて排出される。このため、炭酸ガスやアニオン成分が、カチオン交換膜22を透過し脱塩室20に逆拡散して、脱イオン水に混入することを防ぐことができる。
このように、濃縮室30をその厚さ方向に仕切る中間膜を設けることで、アニオン成分、特に炭酸が脱塩室に逆拡散することを防止し、脱イオン水の水質向上を図ることができる。
本発明の実施形態の一例について、図2を用いて説明するが、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。図2は、本発明の実施形態にかかるEDI100の模式図である。図2に示すとおり、EDI100は、陰極112と陽極162との間に、脱塩室120、150と、濃縮室130とが配置されている。脱塩室120は、濃縮室を兼ねる陰極室110と濃縮室130とに挟持され配置され、脱塩室150は、濃縮室を兼ねる陽極室160と濃縮室130とに挟持され配置されている。
陰極112側の脱塩室120は、陰極112側から順に、カチオン交換膜122、枠体121、アニオン交換膜124とが順に配置され、枠体121の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。陽極162側の脱塩室150は、陰極112側から順に、カチオン交換膜122、枠体121、アニオン交換膜124とが順に配置され、枠体121の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。脱塩室120には、被処理水流入ライン126と、被処理水流出ライン128とが接続されている。被処理水流出ライン128は、図示されない配管により被処理水流入ライン156と接続されている。脱塩室150には、被処理水流入ライン156と、脱イオン水流出ライン158とが接続されている。
濃縮室130は、陰極側小濃縮室132と陽極側小濃縮室134(総じて小濃縮室ということがある)とで構成されている。陰極側小濃縮室132は、脱塩室120を形成するアニオン交換膜124と、枠体131と、中間膜136とが、陰極112側から順に配置され、枠体131の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。陽極側小濃縮室134は、中間膜136と、枠体135と、脱塩室150を形成するカチオン交換膜122とが、陰極112側から順に配置され、枠体135の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。こうして、濃縮室130は、中間膜136により、その厚さ方向に区画され、中間膜136を介して隣接する陰極側小濃縮室132と陽極側小濃縮室134とが形成されている。
陽極側小濃縮室134には、濃縮水流入ライン142と濃縮水流出ライン144が接続されている。濃縮水流出ライン144は、図示されない配管により濃縮水流入ライン146と接続されている。陰極側小濃縮室132には、濃縮水流入ライン146と濃縮水流出ライン148とが接続されている。「陽極側小濃縮室を流通した濃縮水を陰極側小濃縮室に流通させる手段」は、濃縮水流出ライン144と、前記図示されない配管と、濃縮水流入ライン146とで構成されている。
陰極室110は、陰極112と、枠体111と、カチオン交換膜122とが、陰極112側から順に配置され、枠体111の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。こうして、陰極室110は、カチオン交換膜122を介して、脱塩室120と隣接している。陽極室160は、陽極162と、枠体161と、アニオン交換膜124とが、陽極162側から順に配置され、枠体161の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。こうして、陽極室160は、アニオン交換膜124を介して、脱塩室150と隣接している。
陰極室110には、電極水流入ライン116と電極水流出ライン118とが接続されている。陽極室160には、電極水流入ライン166と電極水流出ライン168とが接続されている。陰極112と、陽極162とは、図示されない電源と接続されている。
イオン交換膜としては大別すると、原料モノマー液を補強体に含浸させた後に重合させ、全体を均質に形成した均質膜と、イオン交換樹脂を溶解成型可能なポリオレフィン系樹脂と共に粉砕成型した不均質膜の2種類がある。本実施形態におけるカチオン交換膜122、アニオン交換膜124はいずれも特に限定されず、EDIの製造の適性や、被処理水の水質、脱イオン水に求める水質、処理量等に応じて選択することができる。
主にHCO 、Cl等のアニオン成分の除去を目的とする場合には、中間膜136としてカチオン交換膜を選択する。中間膜136にカチオン交換膜を選択することで、脱塩室120から陰極側小濃縮室132に移動してきたアニオン成分は、中間膜136で反発され陽極側小濃縮室134に移動するアニオン成分は低濃度となる。中間膜136を透過したアニオン成分は、再度、脱塩室150のカチオン交換膜122で反発される。このため、カチオン交換膜122を透過して脱塩室150に移動するアニオン成分を極めて低濃度とすることができる。
また、主にNa等のカチオン成分の除去を目的とする場合には、中間膜136としてアニオン交換膜を選択する。中間膜136にアニオン交換膜を選択することで、脱塩室150から陽極側小濃縮室134に移動してきたカチオン成分は、中間膜136で反発され陰極側小濃縮室132に移動するカチオン成分は低濃度となる。中間膜136を透過したカチオン成分は、再度、脱塩室120のアニオン交換膜で反発される。このため、アニオン交換膜124を透過して脱塩室120に移動するカチオン成分を極めて低濃度とすることができる。
なお、一般的に、EDIの被処理水としてはRO膜処理水が用いられることが多いが、RO膜処理水であっても炭酸が溶解していることが多い。そこで、被処理水中の炭酸を高度に除去するため、中間膜136はカチオン交換膜とすることが好ましい。なお、中間膜136は、均質膜または不均質膜のいずれを用いてもよい。
陰極側小濃縮室132に充填するイオン交換体は、アニオン交換体を含むものである。陰極側小濃縮室132に充填するイオン交換体の種類は、例えば、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、モノリス状多孔質イオン交換体等を挙げることができる。この内、最も汎用的である、イオン交換樹脂が好ましく、中でも、アニオン交換樹脂が好ましい。前記アニオン交換樹脂としては強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂が挙げられ、例えば、市販品としてローム・アンド・ハース社製のアンバーライトIRA402BL(商品名)等を挙げることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
陰極側小濃縮室132におけるイオン交換体の充填形態は、被処理水の水質や、脱イオン水に求める水質を考慮して選択することができる。陰極側小濃縮室132のイオン交換体の充填形態は、アニオン交換体の単床形態とすることが特に好ましい。脱塩室120から陰極側小濃縮室132へのアニオン成分の移動を円滑にするためである。
陽極側小濃縮室134に充填するイオン交換体は、カチオン交換体を含むものである。陽極側小濃縮室134に充填するイオン交換体の種類は、例えば、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、モノリス状多孔質イオン交換体等を挙げることができる。この内、最も汎用的である、イオン交換樹脂が好ましく、中でも、カチオン交換樹脂が好ましい。前記カチオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂が挙げられ、例えば、市販品としてローム・アンド・ハース社製のアンバーライトIR120B(商品名)等を挙げることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
陽極側小濃縮室134におけるイオン交換体の充填形態は、被処理水の水質や、脱イオン水に求める水質を考慮して選択することができる。陽極側小濃縮室134のイオン交換体の充填形態は、カチオン交換体の単床形態とすることが特に好ましい。脱塩室150から陽極側小濃縮室134へのカチオン成分の移動を円滑にするためである。
陰極側小濃縮室132の厚さは、濃縮水の通水量や、電極間に印加する電圧等を考慮して決定することができ、例えば、1.5〜10mmの範囲で選択することが好ましい。陽極側小濃縮室134の厚さも同様である。
陰極側小濃縮室132の厚さと、陽極側小濃縮室134の厚さとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
枠体131は、絶縁性を有し、濃縮水が漏洩しない素材であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、ノリル等の樹脂製の枠体を挙げることができる。
枠体131の厚さは特に限定されることなく、所望する陰極側小濃縮室132の厚さに応じて設定することができる。
枠体131の開口部の面積が大きい場合には、枠体131のくりぬかれた空間(開口部)に支持体を設けても良い。支持体を設けることで、アニオン交換膜124、カチオン交換膜122が湾曲して、イオン交換体の充填量が不均一になることを防止できるためである。前記支持体は、絶縁性を有し、被処理水の流通を妨げない素材であれば特に限定されず、例えば、スリットが設けられた、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、ノリル等の樹脂製の支持体を挙げることができる。
枠体135は、枠体131と同様である。
脱塩室120に充填するイオン交換体の種類は、陰極側小濃縮室132に充填するイオン交換体の種類と同様である。脱塩室120に充填するイオン交換体の充填形態は、被処理水の水質、目的とする脱イオン水の水質等を勘案して決定することができ、アニオン交換体もしくはカチオン交換体の単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態もしくは複床形態が挙げられる。脱塩室120の厚さは、被処理水の水質、目的とする脱イオン水の水質、処理量等を勘案して決定することができ、例えば、4〜100mmの間で決定することが好ましい。
脱塩室150におけるイオン交換体の種類、イオン交換体の充填形態、脱塩室150の厚さは、いずれも脱塩室120と同様である。
枠体121は、枠体131と同様のものを用いることができる。
陰極112は、陰極として機能を発揮するものであれば特に限定されず、例えば、板状のステンレスや網状のステンレスを挙げることができる。
陽極162は、陽極として機能を発揮するものであれば特に限定されないが、被処理水中にClが存在する場合には、陽極には塩素発生が起きるため、耐塩素性能を有するものが好ましい。例えば、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属、あるいは前記貴金属をチタン等に被覆した網状あるいは板状の電極を挙げることができる。
陰極室110に充填されるイオン交換体の種類は、脱塩室120と同様である。陰極室110におけるイオン交換体の充填形態は特に限定されず、例えば、アニオン交換体の単床形態とすることができる。
陽極室160に充填されるイオン交換体の種類は、脱塩室120と同様である。陽極室160におけるイオン交換体の充填形態は特に限定されず、例えば、カチオン換体の単床形態とすることができる。
陰極室110の厚さは、電極間に印加する電圧等を考慮して決定することができ、例えば、0.3〜10mmの範囲で選択することが好ましい。陽極室160の厚さは、陰極室110の厚さと同様である。
枠体111は、枠体131と同様のものを用いることができる。枠体161は、枠体131と同様のものを用いることができる。
EDI100を用いた脱イオン水の製造方法について、脱塩室120、陰極側小濃縮室132には、アニオン交換体を単床形態で充填し、脱塩室150、陽極側小濃縮室134には、カチオン交換体を単床形態で充填した場合を例にして説明する。
まず、電極水流入ライン116から陰極室110に電極水を流入させ、電極水流入ライン166から陽極室120に電極水を流入させる。濃縮水流入ライン142から陽極側小濃縮室134に濃縮水を流入させる。そして、陰極112と陽極162との間に、直流電圧を印加する。
次いで、被処理水流入ライン126から、被処理水を脱塩室120に流入させる。流入した被処理水は脱塩室120のアニオン交換体内を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン128から流出する。この間、被処理水中の主にCl、HCO 等のアニオン成分が、アニオン交換体に吸着され、被処理水から除去される。アニオン交換体に吸着されたアニオン成分は、対極である陽極162に引き寄せられ、アニオン交換膜124を透過して、陰極側小濃縮室132に移動する。また、Ca2+、Mg2+等のカチオン成分の一部が、陰極112に引き寄せられ、カチオン交換膜122を透過し、陰極室110に移動する。
脱塩室120を流通した被処理水は、被処理水流出ライン128から、図示されない配管を経由し、被処理水流入ライン156を流通し、脱塩室150に流入する。流入した被処理水は、脱塩室150のカチオン交換体内を拡散しながら流通する。この間、被処理水中の主にCa2+、Mg2+等のカチオン成分が、カチオン交換体に吸着され、被処理水から除去される。カチオン交換体に吸着されたカチオン成分は、対極である陰極112に引き寄せられ、カチオン交換膜122を透過して、陽極側小濃縮室134に移動する。また、Cl、HCO 等のアニオン成分の一部が、陽極162に引き寄せられ、アニオン交換膜124を透過し、陽極室160に移動する。こうして、被処理水は、アニオン成分とカチオン成分とが除去され、脱イオン水となって脱イオン水流出ライン158から流出する。
濃縮水流入ライン142から陽極側小濃縮室134に流入した濃縮水は、陽極側小濃縮室134を流通し、濃縮水流出ライン144から流出する。陽極側小濃縮室134を流通した濃縮水は、濃縮水流出ライン144から図示されない配管を経由し、濃縮水流入ライン146を流通し、陰極側小濃縮室132に流入する。流入した濃縮水は、陰極側小濃縮室132を流通し、濃縮水流出ライン148から流出する。この間、濃縮水は主に、脱塩室120から移動してきたアニオン成分と中間膜136を透過してきたカチオン成分とを取り込んで、陰極側小濃縮室132からアニオン成分及びカチオン成分を排出する。
ここで、陰極側小濃縮室132に移動したアニオン成分は、陰極側小濃縮室132のアニオン交換体内を陽極162に向かって移動し、中間膜136に至る。中間膜136に至ったアニオン成分の内、Clやシリカ等の大部分は、カチオン交換膜である中間膜136に反発され透過できず、濃縮水に取り込まれて、濃縮水流出ライン148から流出される。中間膜136に至ったアニオン成分の内、HCO 等の炭酸の一部は、中間膜136面で濃縮され、炭酸ガスとなって中間膜136を透過する。中間膜136を透過した炭酸ガスは、陽極側小濃縮室134のカチオン交換体内を流通できずに濃縮水に取り込まれ、濃縮水流出ライン144、濃縮水流入ライン146を流通し、陰極側小濃縮室132に流入する。そして、陰極側小濃縮室132を流通して、濃縮水流出ライン148から流出する。
電極水流入ライン116から陰極室110に流入した電極水は、陰極112から発生したH等、及び、脱塩室120から移動してきたカチオン成分を取り込み、電極水流出ライン118から流出する。電極水流入ライン166から陽極室160に流入した電極水は、陽極162から発生したCl、O等、及び、脱塩室150から移動してきたアニオン成分を取り込み、電極水流出ライン168から流出する。
被処理水は特に限定されることはないが、工業用水や井水の濁質成分を除濁膜にて除去した水を、逆浸透(RO)膜にて処理した水等が挙げられる。
脱塩室に供給される被処理水の通水量は特に限定されることはなく、EDI100の能力や被処理水の水質を勘案して決定することができる。通水量は空間速度(SV)で表され、SVの単位は、イオン交換体の単位体積(L)に対して1時間に流通させる流量(L)であるL/L・h−1で表される(以降において同じ)。本実施形態ではSV=30〜1200L/L・h−1が好ましい。SVが高すぎると、イオン除去性能が低下したり、SVの増加と共に発生する通水速度(LV)の増加によって差圧が高くなり、脱塩室120、150の破損を招いたり、運転上の困難を起こしたりするので好ましくない。ここで、LVとは、単位面積当たりの流量で、m/hで表される線速度である。一方、SVが低すぎると、脱イオン水の生産量が少なくなり過ぎ、好ましくない。
濃縮水は清浄な水であれば特に限定されず、被処理水と同じ水源の水を濃縮水として使用しても良いし、脱イオン水や純水等を使用しても良い。
濃縮水の流量は特に限定されることはなく、EDI100の能力や、被処理水の水質や処理量を勘案して決定することができる。濃縮水は、濃縮室130に移動してきたイオン成分を濃縮水内に拡散して、EDI100外へ流出させるという目的を有する。このことから、濃縮水の流量は、被処理水の通水量や、被処理水のイオン成分濃度、脱イオン水の回収率との関係で決定することが好ましく、例えば、ASTM(American Society for Testing and Materials)D6529に規定される下記(1)式により、濃縮倍率が3〜20となるように、濃縮水の流量を決定することが好ましい。なお、下記(1)式による濃縮倍率は、被処理水と濃縮水に同一の原水を用いて、かつ脱塩室中のイオンが全て濃縮室に移動すると仮定し定義付けられる。
Figure 0004869297
濃縮水の流量が少なすぎると、濃縮室130に移動したイオンの濃度拡散にむらが生じ、イオン交換膜面の濃度分極層が厚くなり、スケール生成のおそれがある。一方、濃縮水の流量が多すぎると、脱イオン水の回収率が低下するため好ましくないためである。
印加する電流は、被処理水の水質、得られる脱イオン水の水質、EDI100の規模等を勘案して決定することが好ましい。被処理水の水質等に応じて、最適な電流値を選択することで、水質の向上が図れるためである。
電極水は清浄な水であれば特に限定されず、被処理水と同じ水源の水を濃縮水として使用しても良いし、脱イオン水や純水等を使用しても良い。EDI100のように、陰極室110が濃縮室を兼ね、陰極室110にカチオン成分が移動する場合には、スケール発生を防ぐために、陰極室110に流通させる電極水は、アニオン成分を含む溶液を用いることが好ましい。
電極水の流量は特に限定されず、印加電圧等に応じて決定することが好ましい。電極水の流量が少なすぎると、発生したH、O、Clガスを充分に排出することが困難となり、電極水の流量が多すぎると、回収率が低下するため、好ましくない。
本発明によれば、濃縮室130を中間膜136でその厚さ方向に区画し、小濃縮室を設けることで、被処理水から取り除いたイオン成分が、対極に引き寄せられて、濃縮室130から脱塩室120または150に移動することを防止することができる。特に、被処理水中の炭酸に関しては、中間膜136をカチオン交換膜とすることで、濃縮室130のカチオン交換膜122の近傍に、高濃度炭酸ガス含有液層が形成することを防止できる。これにより、濃縮室130から脱塩室150への炭酸の逆拡散を防止でき、イオン成分濃度の低い、高い水質の脱イオン水を得ることができる。
本発明によれば、濃縮水を陽極側小濃縮室134から陰極側小濃縮室132へ流通させることで、陰極側小濃縮室132に移動したカチオン成分が、陽極側小濃縮室134に戻されることなく、濃縮室130から効率的に除去することができる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。
上述の実施形態では、濃縮水は陽極側小濃縮室を流通させた後に、陰極側小濃縮室に流通させているが、陰極側小濃縮室を流通させた後に、陰極側小濃縮室に流通させてもよいし、各小濃縮室の濃縮水の流通を独立して制御してもよい。中でも、中間膜としてカチオン交換膜を設置した場合には、陽極側小濃縮室を流通させた後に陰極側小濃縮室に流通させるか、各小濃縮室の濃縮水の流通を独立して制御することが好ましい。このような、濃縮水の流通形式とすることで、濃縮室でのカチオン成分の滞留を防ぐことができるためである。
また、中間膜としてアニオン交換膜を設置した場合には、陰極側小濃縮室を流通させた後に陽極側小濃縮室に流通させるか、各小濃縮室の濃縮水の流通を独立して制御することが好ましい。このような濃縮水の流通形式とすることで、濃縮室でのアニオン成分の滞留を防ぐことができるためである。
「独立して制御」とは、陽極側小濃縮室に濃縮水を流通させ、流通した濃縮水を排出し、陰極側小濃縮室に濃縮水を流通させ、流通した濃縮水を排出することで、任意の小濃縮室を流通した濃縮水が、他の小濃縮室を流通しないようにすることを意味する。
上述の実施形態では、全ての小濃縮室に濃縮水を下降流で流通させているが、濃縮水の流通方向は、全ての小濃縮室で上昇流としてもよいし、小濃縮室毎に異なっていてもよい。各小濃縮室での濃縮水の流通方向が独立して制御されている場合も同様に、全ての小濃縮室で上昇流としてもよいし、小濃縮室毎に異なっていてもよい。
上述の実施形態では、脱塩室に下降流で被処理水を流通させているが、被処理水の流通は上昇流であってもよいし、脱塩室毎に異なっていてもよい。また、被処理水の脱塩室への流通の形式は、上述の実施形態に限られず、陽極側の脱塩室に流通させた被処理水を陰極側の脱塩室に流通させてもよいし、各脱塩室に独立して流通させてもよい。被処理水の流通の形式は、被処理水の水質や、脱イオン水の水質を勘案して決定することができる。
上述の実施形態では、陰極室と陽極室とが濃縮室を兼ねているが、陰極室と隣接する濃縮室、陽極室と隣接する濃縮室を別途設けてもよい。
上述の実施形態では、陰極室及び陽極室にイオン交換体を充填しているが、本発明はこれに限られず、イオン交換体を充填せずに、電極水の流路を確保するためのメッシュや格子等を配置しても良い。
上述の実施形態では、脱塩室はカチオン交換膜とアニオン交換膜とで区画された空間にイオン交換が充填されて形成された、いわゆる一室型の脱塩室であるが、本発明はこれに限られない。脱塩室は、カチオン交換膜とアニオン交換膜の間に中間イオン交換膜を配置し、脱塩室をその厚さ方向に多段に区画して小脱塩室が形成されたものであってもよい。例えば、カチオン交換膜とアニオン交換膜との間に、1枚の中間イオン交換膜を配置し、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで仕切られた空間に、イオン交換体が充填された第一小脱塩室と、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜とで仕切られた空間に、イオン交換体が充填された第二小脱塩室が形成された、いわゆる二室型の脱塩室構造が挙げられる。
中間イオン交換膜は限定されず、被処理水の水質や、脱イオン水に求める水質に応じて選択することが好ましい。中間イオン交換膜としては、アニオン交換膜もしくはカチオン交換膜の単一膜、または、アニオン交換膜とカチオン交換膜との両方を配置した複合膜のいずれであっても良い。複合膜とは、例えば、モザイク膜やバイポーラ膜等が挙げられる。
小脱塩室へのイオン交換体の充填形態は、被処理水の水質や処理量、脱イオン水に求める水質等を勘案して決定することができる。例えば二室型の脱塩室構造の場合、第一小脱塩室は、カチオン交換体もしくはアニオン交換の単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることができる。第二小脱塩室へのイオン交換体の充填形態は、カチオン交換体もしくはアニオン交換の単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることができる。そして、イオン交換体の充填形態は、第一小脱塩室と第二小脱塩室とで同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第一小脱塩室をカチオン交換体の単床形態とし、第二小脱塩室をアニオン交換体の単床形態とする組み合わせとしてもよいし、第一小脱塩室をアニオン交換体の単床形態とし、第二小脱塩室をアニオン交換体とカチオン交換体との混床形態とする組み合わせとしてもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すEDI100と同様のEDIを下記仕様にて作製して、EDI−Aを得た。得られたEDI−Aを用い、下記運転条件にて連続運転を行った。ただし、被処理水は、陰極側の脱塩室と、陽極側の脱塩室とに、それぞれ独立して下降流で流通させた。濃縮水は陽極側小濃縮室を下降流で流通させた後、陰極側小濃縮室を下降流で流通させた。電極水は、陰極室と陽極室とに、それぞれ独立して下降流で流通させ、排出した。
運転開始10日後に、陰極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、カチオン成分濃度としてNa濃度を測定した。また、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、アニオン成分濃度として炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量(被処理水流量:1L当たりに含まれる各イオン成分量)として表1に示す。なお、本実施例は、濃縮室から脱塩室に逆拡散するイオン成分量を測定するため、実際のEDIの運転条件における被処理水流量、濃縮水流量とは異なる(実施例2〜4、比較例1〜4において同じ)。
<EDI−A仕様>
(1)アニオン交換膜:AHA(株式会社アストム製)
(2)カチオン交換膜:C66−10F(株式会社アストム製)
(3)中間膜:C66−10F(カチオン交換膜、株式会社アストム製)
(4)陰極側の脱塩室:膜面積;10cm×10cm=1dm、厚さ;8mm
(5)陽極側の脱塩室:膜面積;10cm×10cm=1dm、厚さ;8mm
(6)陰極側の脱塩室のイオン交換体:アンバーライトIRA402BL(商品名、アニオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(7)陽極側の脱塩室のイオン交換体:アンバーライトIR120B(商品名、カチオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(8)陰極側小濃縮室:厚さ;4mm
(9)陽極側小濃縮室:厚さ;4mm
(10)陰極側小濃縮室のイオン交換体:アンバーライトIRA402BLの単床形態
(11)陽極側小濃縮室のイオン交換体:アンバーライトIR120Bの単床形態
(12)陰極室:厚さ;8mm
(13)陽極室:厚さ;8mm
(14)陰極室のイオン交換体:アンバーライトIRA402BLの単床形態
(15)陽極室のイオン交換体:アンバーライトIR120Bの単床形態
<運転条件>
(1) 被処理水:超純水(比抵抗:18MΩ・cm)
(2) 被処理水流量:1L/hr
(3) 濃縮水:30mg−CaCO/LのNaHCO水溶液
(4) 濃縮水流量:8L/hr
(5) 電極水:超純水(比抵抗:18MΩ・cm)
(6) 陰極室流量:8L/hr
(7) 陽極室流量:8L/hr
(8) 通電条件:1.0A/dm
(実施例2)
濃縮水を30mg−CaCO/LのCO水溶液とした以外は、実施例1と同様にしてEDI−Aを運転した。運転開始10日後に、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量として表1に示す。
(実施例3)
濃縮水を1mg−CaCO/LのNaHCO水溶液とした以外は、実施例1と同様にしてEDI−Aを運転した。運転開始10日後に、陰極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、Na濃度を測定した。また、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量として表1に示す。
(実施例4)
濃縮水を1mg−CaCO/LのCO水溶液とした以外は、実施例1と同様にしてEDI−Aを運転した。運転開始10日後に、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量として表1に示す。
(比較例1)
比較例1に用いた従来型のEDIについて、図3を用いて説明する。EDI900は、陰極912と陽極962との間に、陰極室910と、陰極912側の脱塩室920と、濃縮室930と、陽極962側の脱塩室950と、陽極室960が、陰極912側から順に配置されている。脱塩室920は、カチオン交換膜922と枠体921とアニオン交換膜924とが、陰極912側から順に配置され、枠体921の開口部にイオン交換樹脂が充填され形成されている。脱塩室950は、カチオン交換膜922と枠体921とアニオン交換膜924とが、陰極912側から順に配置され、枠体921の開口部にイオン交換樹脂が充填され形成されている。脱塩室920、950には、被処理水流入ライン926と、脱イオン水流出ライン928とが接続されている。
濃縮室930は、脱塩室920を形成するアニオン交換膜924と、脱塩室950を形成するカチオン交換膜922との間に枠体931が配置され、枠体931の開口部にイオン交換体が充填され形成されている。濃縮室930には、濃縮水流入ライン936と、濃縮水流出ライン938とが接続されている。
陰極室910は、脱塩室920を形成するカチオン交換膜922と、陰極912との間に枠体911が配置され、枠体911の開口部にイオン交換体が充填され形成されている。陰極室910には電極水流入ライン916と、電極水流出ライン918とが接続されている。陽極室960は、陽極962と、脱塩室950を形成するアニオン交換膜924との間に枠体961が配置され、枠体961の開口部にイオン交換体が充填され形成されている。陽極室960には、電極水流入ライン966と、電極水流出ライン968とが接続されている。陰極912、陽極962は、図示されない電源と接続されている。
EDI900と同様のEDIを下記仕様にて作製し、EDI−Bを得た。得られたEDI−Bを用い、下記運転条件にて連続運転を行った。被処理水は、陰極側の脱塩室と、陽極側の脱塩室とに、それぞれ独立して下降流で流通させた。濃縮水は濃縮室を下降流で流通させた。電極水は、陰極室と陽極室とに、それぞれ独立して下降流で流通させ、排出した。
運転開始10日後に、陰極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、Na濃度を測定した。また、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量として表1に示す。
<EDI−B仕様>
(1)アニオン交換膜:AHA(株式会社アストム製)
(2)カチオン交換膜:C66−10F(株式会社アストム製)
(3)陰極側の脱塩室:膜面積;10cm×10cm=1dm、厚さ;8mm
(4)陽極側の脱塩室:膜面積;10cm×10cm=1dm、厚さ;8mm
(5)陰極側の脱塩室のイオン交換体:アンバーライトIRA402BL(商品名、アニオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(6)陽極側の脱塩室のイオン交換体:アンバーライトIR120B(商品名、カチオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(7)濃縮室:厚さ;8mm
(8)濃縮室のイオン交換体:アンバーライトIRA402BLの単床形態
(9)陰極室:厚さ;8mm
(10)陽極室:厚さ;8mm
(11)陰極室のイオン交換体:アンバーライトIRA402BLの単床形態
(12)陽極室のイオン交換体:アンバーライトIR120Bの単床形態
<運転条件>
(1) 被処理水:超純水(比抵抗:18MΩ・cm)
(2) 被処理水流量:1L/hr
(3) 濃縮水:30mg−CaCO/LのNaHCO水溶液
(4) 濃縮水流量:8L/hr
(5) 電極水:超純水(比抵抗:18MΩ・cm)
(6) 陰極室の電極水流量:8L/hr
(7) 陽極室の電極水流量:8L/hr
(8) 通電条件:1.0A/dm
(比較例2)
濃縮水を30mg−CaCO/LのCO水溶液とした以外は、比較例1と同様にしてEDI−Bを運転した。運転開始10日後に、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量として表1に示す。
(比較例3)
濃縮水を1mg−CaCO/LのNaHCO水溶液とした以外は、比較例1と同様にしてEDI−Bを運転した。運転開始10日後に、陰極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、Na濃度を測定した。また、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量として表1に示す。
(比較例4)
濃縮水を1mg−CaCO/LのCO水溶液とした以外は、比較例1と同様にしてEDI−Bを運転した。運転開始10日後に、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水を採取し、炭酸濃度を測定した。これらの測定結果は、濃縮水から脱イオン水への1時間当たりの各イオン成分の移動量として表1に示す。
(測定方法)
<炭酸濃度の測定方法>
脱イオン水中の炭酸濃度は、TOC計(A−1000、アナテル社製)を用いて脱イオン水中の無機炭素(IC)を測定した。測定したIC量の全量を炭酸由来として、炭酸量を1L当たりのCaCO相当量として表した。
<Na濃度の測定>
脱イオン水中のNa濃度は、原子吸光光度計により測定した。
Figure 0004869297
表1に示すとおり、濃縮室を中間膜で区画したEDI−Aを用いた実施例1〜4では、陽極側の脱塩室を流通した脱イオン水中の炭酸濃度が、いずれも230μg−CaCO/hr以下であった。一方、脱塩室が区画されていないEDI−Bを用いた比較例1〜4では、いずれも14000μg−CaCO/hrを超えていた。なお、陰極側の脱塩室を流通した脱イオン水中のNa濃度は、実施例1,3、比較例1,3のいずれにおいても50μg/hr以下であった。
以上の結果より、濃縮室を中間膜で区画したEDI−Aは、濃縮室から脱塩室への炭酸の移動を抑制でき、かつ、濃縮室から脱塩室へのNaの移動を抑制できることが判った。
本発明のEDIの濃縮室におけるイオン成分の挙動を説明する模式図である。 本発明の実施形態にかかるEDIの模式図である。 比較例に用いたEDIの模式図である。
符号の説明
10、20、120、150、920、950 脱塩室
22、122、922 カチオン交換膜
12、124、924 アニオン交換膜
30、130、930 濃縮室
32、132 陰極側小濃縮室
34、134 陽極側小濃縮室
36、136 中間膜
100、900 電気式脱イオン水製造装置
112、912 陰極
144 濃縮水流出ライン
146 濃縮水流入ライン
162、962 陽極

Claims (3)

  1. 陽極と陰極との間に、一側のカチオン交換膜と他側のアニオン交換膜とで区画され、イオン交換体が充填された2以上の脱塩室と、前記カチオン交換膜又は前記アニオン交換膜を介して、前記脱塩室の両側に設けられた濃縮室とを有し、
    2つの脱塩室に挟持されている濃縮室には、その厚さ方向に区画して、陽極側の陽極側小濃縮室と陰極側の陰極側小濃縮室とを形成する中間膜であるカチオン交換膜が配置され、
    前記陽極側小濃縮室には、カチオン交換体を含むイオン交換体が充填され、
    前記陰極側小濃縮室には、アニオン交換体を含むイオン交換体が充填され
    前記陽極側小濃縮室を流通した濃縮水を前記陰極側小濃縮室に流通させる手段が設けられている、電気式脱イオン水製造装置。
  2. 前記陽極室側小濃縮室には、イオン交換体がカチオン交換体の単床形態で充填され、前記陰極側小濃縮室には、イオン交換体がアニオン交換体の単床形態で充填されている、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  3. 前記脱塩室は、前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜の間に配置されたアニオン交換膜もしくはカチオン交換膜の単一膜か、またはアニオン交換膜とカチオン交換膜の両方を配置した複合膜で、前記脱塩室の厚さ方向に多段に区画された小脱塩室が形成されている、請求項1または2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
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