JP5492612B2 - 電気式脱イオン水製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気式脱イオン水製造装置に関し、特にイオン交換膜の構造に関する。
脱イオン水の製造装置として、イオン交換体に被処理水を通水して脱イオン(脱塩)を行う製造装置が知られている。この装置ではイオン交換体のイオン交換基が飽和して脱塩性能が劣化したときに、酸やアルカリといった薬剤によってイオン交換体の再生を行う必要がある。すなわち、イオン交換基に吸着した陰イオンや陽イオンを、酸あるいはアルカリ由来のH+、OH-と置き換える処理が必要となる。近年、このような運転上の不利な点を解消するため、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン水製造装置(以下、脱イオン水製造装置という場合がある。)が実用化されている。
脱イオン水製造装置は、電気泳動と電気透析とを組み合わせた装置である。脱イオン水製造装置は、陽極室及び陰極室と、陽極室と陰極室との間に位置しイオン交換体の充填された脱塩室と、同じく陽極室と陰極室との間に位置し濃縮水の流通する濃縮室と、を有しており、これらの部屋はイオン交換膜を介して互いに隣接している。
脱イオン水製造装置により脱イオン水を製造するには、陽極、陰極間に直流電圧を印加した状態で脱塩室に被処理水を通水する。被処理水中のイオン成分は脱塩室内のイオン交換体で吸着され、脱イオン化処理が行われる。脱塩室ではまた、印加電圧によって脱塩室のアニオン交換体とカチオン交換体の界面で水分解が起こり、水素イオンと水酸化物イオンが発生する(2H2O→H++OH-)。イオン交換体に吸着されたイオン成分はこの水素イオン及び水酸化物イオンと交換されて、イオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分はイオン交換膜まで電気泳動し、イオン交換膜で電気透析されて、濃縮室を流れる濃縮水に排出される。イオン交換膜は、脱塩室の陽極側がアニオン交換膜、脱塩室の陰極側がカチオン交換膜となっている。このように、脱イオン水製造装置では、水素イオン及び水酸化物イオンが、イオン交換体を再生する酸、アルカリの再生剤として連続的に作用する。このため、薬剤による再生は基本的に不要であり、薬剤によるイオン交換体の再生を行わずに連続運転ができる。
脱塩室と濃縮室とを仕切るイオン交換膜は、例えば、原料モノマー液をメッシュ状の補強体に含浸させてあらかじめ膜状のポリマーを作り、これにイオン交換基を導入することにより作製することができる。このようなイオン交換膜は均質イオン交換膜と呼ばれる(特許文献1)。
特許文献1には、イオン交換膜の脱塩室に面する表面に凹凸構造を設ける技術も開示されている。このような凹凸構造を設けることによって、脱塩室に充填されたイオン交換体とイオン交換膜との接触面積が増加するとともに、脱塩室におけるイオン交換樹脂の充填効率を上げることができる。
これに対し、イオン交換膜の濃縮室に面する表面は、脱塩室内における脱イオン化処理と直接の関係がないため、特許文献1に記載されたような特段の改良は行われてこなかった。イオン交換膜の表面粗さを示す指標として、JIS B0601:2001またはISO4287:1997に規定される輪郭曲線の最大高さRz(以下、単にRzと表記する場合がある。)が用いられる。従来技術では、イオン交換膜の濃縮室に面する表面のRzは10〜100μmの範囲にある。
特開平8−197060号公報
脱イオン水製造装置の運転中に、イオン交換膜の濃縮室に面する表面に固体状の析出物(スケール)が発生することがある。このスケールは硬度成分やシリカ等を主成分として発生し、徐々に成長しながらイオン交換膜に付着する。硬度成分やシリカ等は、濃縮室に供給される原水に含まれている他、被処理水にも含まれている。被処理水に含まれている硬度成分やシリカ等は、イオン交換膜を通って濃縮室に流入する。
イオン交換膜に付着したスケールは脱塩室からのイオンの移動経路を塞ぐため、脱イオン性能を低下させることがある。脱イオン性能が低下すると、陽極と陰極間の印加電位を高めるために消費エネルギーが増加する可能性がある。この現象を防止ないし緩和するには、定期的に薬品洗浄を実施し、イオン交換膜に付着したスケールを溶解除去する必要がある。スケールの主成分である硬度成分やシリカ等の濃度を抑えるために、濃縮水の流量を増加して、濃縮水の濃縮倍率を抑えることも必要となる。
本発明はこのような課題に鑑み、イオン交換膜の濃縮室に面する表面にスケールが発生しにくい電気式脱イオン水製造装置を提供することを目的とする。
本発明の電気式脱イオン水製造装置は、陽極室及び陰極室と、陽極室と陰極室との間に位置し、イオン交換体が充填され、イオン交換体によって脱塩される被処理水が流通するようにされた少なくとも1つの脱塩室と、陽極室と陰極室との間に位置し、濃縮水が流通するようにされ、一方の面で一の脱塩室と隣接し、他方の面で他の脱塩室または陽極室または陰極室と隣接する濃縮室と、濃縮室と一の脱塩室とを仕切る第1のイオン交換膜と、濃縮室と、他の脱塩室または陽極室または陰極室と、を仕切る第2のイオン交換膜と、を有している。第1及び第2のイオン交換膜の少なくとも一方は、濃縮室に面する表面の、JIS B0601:2001またはISO4287:1997に準拠して得られた輪郭曲線の最大高さRzが、0.05μm以上、10.0μm以下の範囲にある。イオン交換膜は、イオン交換基が導入された膜本体と、膜本体に埋め込まれたメッシュ状の補強体と、を有し、補強体を構成する繊維の直径のイオン交換膜の厚さに対する比が0.1以上、0.5以下の範囲にある。
一般にスケールは、種結晶が生成され、その種結晶が成長することによって形成される。ある程度成長したスケールは、一旦イオン交換膜の表面の凹部に捕捉されると、凹部から離脱しにくくなる。凹部に捕捉されたスケールは、その状態でさらに成長して、一層凹部から離脱しにくくなる。この結果、スケールはイオン交換膜の表面の凹部に深くもぐりこみ、イオン交換膜の表面に付着したままとなる。本発明においても、濃縮水に含まれる硬度成分や脱塩室から移動してきたイオン成分などを原因物質として、濃縮室を流通する濃縮水にスケールの種結晶が生成される。しかし、スケールの種結晶が生成しても、種結晶の段階でイオン交換膜の表面から排除できれば、イオン交換膜の表面へのスケールの付着を抑止することは可能である。
本発明によれば、第1及び第2のイオン交換膜の濃縮室に面する表面は、Rzが0.05μm以上、10.0μm以下であり、従来の値(10〜100μm)と比べて小さくされている。換言すれば、本発明における第1及び第2のイオン交換膜の濃縮室に面する表面は、従来技術におけるイオン交換膜の濃縮室に面する表面と比べて平滑になっている。濃縮室側の表面が平滑なイオン交換膜を用いることで、スケールの種結晶がイオン交換膜の表面の凹部に捕捉されにくくなる。凹部に一時的に滞留した種結晶も、濃縮水の流れによって容易にイオン交換膜の表面から排除され、スケールの生成及び付着を抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、イオン交換膜の濃縮室に面する表面にスケールが発生しにくい電気式脱イオン水製造装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る脱イオン水製造装置の概略構成図である。 本発明の他の実施形態に係る脱イオン水製造装置の概略構成図である。 本発明の他の実施形態に係る脱イオン水製造装置の概略構成図である。 イオン交換膜の構造の一例を示す模式図である。 従来及び本実施形態のイオン交換膜の表面形状を示す模式図である。 基材の繊維径のイオン交換膜厚さに対する比と、Rzとの関係を示すグラフである。 被処理水の水質の運転時間による変化を示すグラフである。 運転電圧の運転時間による変化を示すグラフである。 Rzと、3000時間運転後の被処理水の水質及び運転電圧との関係を示すグラフである。
図1は、本発明の一実施形態に係る脱イオン水製造装置の概略構成図である。脱イオン水製造装置1は、陽極4を備える陽極室E2及び陰極5を備える陰極室E1と、これらの間に設けられた3つの脱塩室D1〜D3及び4つの濃縮室C1〜C4と、を有している。脱塩室D1〜D3と濃縮室C1〜C4は交互に設けられ、濃縮室C1が陰極室E1と、濃縮室C4が陽極室E2と各々隣接している。
陽極室E2、陰極室E1、脱塩室D1〜D3、及び濃縮室C1〜C4は、隣接する部屋同士がイオン交換膜によって仕切られている。具体的には、陰極室E1と濃縮室C1はアニオン交換膜a1で仕切られている。濃縮室C1と脱塩室D1はカチオン交換膜c1で仕切られている。脱塩室D1と濃縮室C2はアニオン交換膜a2で仕切られている。濃縮室C2と脱塩室D2はカチオン交換膜c2で仕切られている。脱塩室D2と濃縮室C3はアニオン交換膜a3で仕切られている。濃縮室C3と脱塩室D3はカチオン交換膜c3で仕切られている。脱塩室D3と濃縮室C4はアニオン交換膜a4で仕切られている。そして、濃縮室C4と陽極室E2はカチオン交換膜c4で仕切られている。
脱塩室D1〜D3には、カチオン交換体とアニオン交換体が充填されている。カチオン交換体は、主に被処理水中のカチオン成分(Na+、Ca2+、Mg2+等)を除去する。アニオン交換体は、主に被処理水中のアニオン成分(Cl-、CO3 2-、HCO3 -、SiO2(シリカは、特別な形態をとることが多いため、一般のイオンとは異なった表示とする。)等)を除去する。カチオン交換体及びアニオン交換体としては、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、モノリス状多孔質イオン交換体等が挙げられ、最も汎用的なイオン交換樹脂が好適に用いられる。カチオン交換体の種類としては、弱酸性カチオン交換体、強酸性カチオン交換体等が挙げられる。アニオン交換体の種類としては、弱塩基性アニオン交換体、強塩基性アニオン交換体等が挙げられる。脱塩室D1〜D3に充填するカチオン交換体及びアニオン交換体の充填形態としては、カチオン交換体とアニオン交換体との混床形態または複床形態が挙げられる。
濃縮室C1〜C4には原水が供給される。原水は隣接する脱塩室から排出されるイオン成分を取り込み、濃縮水として各濃縮室C1〜C4を流通し、系外に排出される。具体的には、濃縮室C1を流通する濃縮水は、脱塩室D1から排出されるカチオン成分を取り込み、系外に排出される。濃縮室C2を流通する濃縮水は、脱塩室D1から排出されるアニオン成分及び脱塩室D2から排出されるカチオン成分を取り込み、系外に排出される。濃縮室C3を流通する濃縮水は、脱塩室D2から排出されるアニオン成分及び脱塩室D3から排出されるカチオン成分を取り込み、系外に排出される。濃縮室C4を流通する濃縮水は、脱塩室D3から排出されるアニオン成分を取り込み、系外に排出される。濃縮室C1〜C4には必要に応じてイオン交換樹脂を充填してもよく、充填形態は特に制限されない。
陽極室E2は陽極4を収容している。陽極4は金属の網状体あるいは板状体からなっている。被処理水にCl-を含む場合、陽極4に塩素が発生する。このため、陽極4には耐塩素性能を有する材料を用いることが望ましく、一例として、白金、パラジウム、イリジウム等の金属、あるいはチタンをこれらの金属で被覆した材料が挙げられる。陰極室E1は陰極5を収容している。陰極5は、金属の網状体あるいは板状体からなっており、例えばステンレス製の網状体あるいは板状体を用いることができる。陽極室E2及び陰極室E1には電極水が流入する。
各電極室E1,E2、脱塩室D1〜D3及び濃縮室C1〜C4は各々、開口部を備えた板状部材である枠体2の内部に設けられている。図1では、枠体2は一体的に示されているが、実際には部屋毎に別々の枠体を備え、枠体同士が互いに密着して設けられている。枠体2は絶縁性を有し、被処理水が漏洩しない素材であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、m−PPE(変性ポリフェニレンエーテル)等の樹脂を挙げることができる。
被処理水及び原水の供給並びに被処理水及び濃縮水の排出のために、いくつかの流路P1〜P4が設けられている。流路P1は、一端が被処理水の供給側に接続され、途中で分岐して、脱塩室D1〜D3に接続されている。流路P2は、脱塩室D1〜D3の出口に接続されて、脱イオン化処理を受けた被処理水を回収する。脱塩室D1〜D3の出口に接続された流路P2の分岐管は途中で合流し、被処理水の排出側に接続されている。流路P3は原水の供給側に接続され、途中で分岐して、濃縮室C1〜C4に接続されている。流路P4は、濃縮室C1〜C4の出口に接続されて、濃縮水を回収する。濃縮室C1〜C4の出口に接続された流路P4の分岐管は途中で合流し、濃縮水の排出側に接続されている。
引き続き図1を参照して、被処理水の流れと脱イオンの原理について説明する。
あらかじめ、濃縮室C1〜C4に、流路P3から原水を供給し、流路P4から排出するようにしておく。電極室E1,E2は、図示しない電極水供給ラインから電極水が供給され、図示しない排出ラインから電極水が排出されるようにしておく。陽極4、陰極5間には所定の電圧を印加しておく。この状態で、被処理水を流路P1から、各脱塩室D1〜D3に並列に流入させる。各脱塩室D1〜D3では、被処理水に含まれるNa+等のカチオン成分と、Cl-等のアニオン成分が除去される。カチオン成分とアニオン成分とが除去された被処理水は流路P2で合流し、系外へ放出される。
流路P3を通って濃縮室C1〜C4に供給される原水は、各脱塩室D1〜D3から排出されたカチオン成分またはアニオン成分またはその両者を取り込んで濃縮水となって濃縮室C1〜C4を流れ、流路P4を通って脱イオン水製造装置1の外へ排出される。
本実施形態では、個々の脱塩室D1〜D3でカチオン成分とアニオン成分を同時に除去するように構成されているが、個々の脱塩室D1〜D3をカチオン脱塩室とアニオン脱塩室とに分ける構成も可能である。図2はこのような構成を模式的に示している。脱イオン水製造装置1’は、前述の実施形態の各脱塩室を小脱塩室に区切った構成となっている。具体的には脱塩室D1は、カチオン交換体が充填されカチオン成分を除去するカチオン脱塩室d1と、アニオン交換体が充填されアニオン成分を除去するアニオン脱塩室d1’とに分割されている。脱塩室D2,D3も同様に、各々カチオン脱塩室d2及びアニオン脱塩室d2’と、カチオン脱塩室d3及びアニオン脱塩室d3’と、に分割されている。カチオン脱塩室d1とアニオン脱塩室d1’との間は、中間イオン交換膜m1で仕切られている。中間イオン交換膜m1は、被処理水の水質、脱イオン水に求められる水質、カチオン脱塩室d1及びアニオン脱塩室d1’に充填されるイオン交換体の種類等を勘案して選択することができる。中間イオン交換膜m1は、アニオン交換膜もしくはカチオン交換膜の単一膜、または、アニオン交換膜とカチオン交換膜の両方を備えた複合膜のいずれであってもよい。カチオン脱塩室d2とアニオン脱塩室d2’との間、及びカチオン脱塩室d3とアニオン脱塩室d3’との間も各々、中間イオン交換膜m1と同様の構成を備えた中間イオン交換膜m2,m3によって仕切られている。
被処理水はまず、カチオン脱塩室d1〜d3に流入し、カチオン成分を除去される。カチオン成分を除去された被処理水は、次にアニオン脱塩室d1’〜d3’に流入し、アニオン成分を除去される。図中の2か所のXは、これらが流路で互いに接続されていることを示している。
図2の実施形態において、濃縮室と各電極室との間にさらに副脱塩室を設ける構成も可能である。図3に示す脱イオン水製造装置1”では、陰極室E1と濃縮室C1との間に副アニオン脱塩室d4’が設けられている。陰極室E1と副アニオン脱塩室d4’との間、及び副アニオン脱塩室d4’と濃縮室C1との間は各々、アニオン交換膜a5,a1で仕切られている。同様に、陽極室E2と濃縮室C4との間に副カチオン脱塩室d4が設けられている。陽極室E2と副カチオン脱塩室d4との間、及び副カチオン脱塩室d4と濃縮室C4との間は各々、カチオン交換膜c5,c4で仕切られている。副カチオン脱塩室d4にはカチオン交換体が充填され、副アニオン脱塩室d4’にはアニオン交換体が充填される。副カチオン脱塩室d4はカチオン脱塩室d1〜d3と並列接続され、副アニオン脱塩室d4’はアニオン脱塩室d1’〜d3’と並列接続されている。被処理水はまず、カチオン脱塩室d1〜d3と副カチオン脱塩室d4とに流入し、カチオン成分を除去される。カチオン成分を除去された被処理水は、次にアニオン脱塩室d1’〜d3’と副アニオン脱塩室d4’とに流入し、アニオン成分を除去される。
陽極室E2では水素イオンが発生する。この水素イオンはカチオン交換膜c5を通ってカチオン副脱塩室d4に移動する。副カチオン脱塩室d4では流入した被処理水のカチオン成分がカチオン交換体に吸着され、カチオン成分が吸着したカチオン交換体は、陽極室E2から移動してきた水素イオンによって再生される。一方、陰極室E1では水酸化物イオンが発生する。この水酸化物イオンはアニオン交換膜a5を通って副アニオン脱塩室d4’に移動する。副アニオン脱塩室d4’では流入した被処理水のアニオン成分がアニオン交換体に吸着され、アニオン成分が吸着したアニオン交換体は、陰極室E1から移動してきた水酸化物イオンによって再生される。このようにして、副カチオン脱塩室d4を設けることで、陽極室E2で発生した水素イオンをイオン交換体の再生に有効利用することが可能となり、副アニオン脱塩室d4’を設けることで、陰極室E1で発生した水酸化物イオンをイオン交換体の再生に有効利用することが可能となる。この結果、電極間の印加電圧が低減し、消費電力の低減を図ることが可能となる。
このように脱塩室がカチオン脱塩室とアニオン脱塩室の2つの小脱塩室に区画され、各々の外側に濃縮室が隣接する構成(脱塩室2室構成)は、被処理水の多段処理が可能であり、脱イオン性能の向上に効果的である。しかもカチオン脱塩室とアニオン脱塩室との間に濃縮室を設ける必要がないため、陽極、陰極間の印加電圧が抑えられる。このため、消費電力が下がり、運転費の低減を図ることが可能である。
脱イオン水製造装置の構成として3つの例を示したが、本発明の脱イオン水製造装置は、陽極室と陰極室との間に位置し、イオン交換体が充填され、イオン交換体によって脱塩される被処理水が流通するようにされた少なくとも1つの脱塩室と、陽極室と陰極室との間に位置し、濃縮水が流通するようにされた濃縮室を有していればよい。このように構成された脱イオン水製造装置では、任意の濃縮室は、一方の面にあるイオン交換膜(第1のイオン交換膜)が必ずいずれかの脱塩室と隣接しており、他方の面にあるイオン交換膜(第2のイオン交換膜)が、他の脱塩室または陽極室または陰極室と隣接している。
濃縮室を流れる濃縮水は様々な不純物を含んでいる。この不純物によって、上述のイオン交換膜には、濃縮室側の面にスケールが発生する。スケールの原因物質としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。これらの原因物質は、原水に含まれるカルシウム、マグネシウムなどの硬度成分、及びシリカ、炭酸などから形成される。被処理水に含まれるカルシウム、マグネシウム、シリカなども、イオン交換膜を通って濃縮室に流入し、スケールの原因物質を生成する。本発明の脱イオン水製造装置では濃縮室側のイオン交換膜表面を平滑化することで濃縮室のスケール耐性を大幅に向上することが可能となった。そこで、以下、イオン交換膜の構成について説明する。
図4には、イオン交換膜の構造の一例を示す。同図(a)に示すように、イオン交換膜11は、メッシュ状の補強体12の周囲が原料モノマーにイオン交換基が導入された膜本体13で包囲された構成を有している。メッシュ状の補強体12は膜本体11に埋め込まれており、イオン交換膜11に所望の膜強度を与える。図4(a)のb−b線及びc−c線に沿った断面図である図4(b),(c)を参照すると、膜表面には微小な凹凸が存在している。この凹凸は、イオン交換膜の補強体12が存在する部分で凸状となる場合が多いが、他の原因で、補強体12の位置とは無関係に凹凸形状が生じる場合もある。
一つの濃縮室の両側にある一対のイオン交換膜11のいずれか一方、好ましくは両方は、濃縮室に面する表面の輪郭曲線の最大高さRzが0.05μm以上、10.0μm以下、より好ましくは0.05μm以上、5.00μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上、2.00μm以下の範囲にある。輪郭曲線の最大高さRzは、JIS(日本工業規格) B0601:2001またはISO(国際標準化機構)4287:1997に準拠して得られる。Rzの詳細はこれらの規格に従うものとするが、簡潔に述べれば、Rzは図4(b)に示すように、ある基準長さL内における凹凸の最も高い部分と最も低い部分の高低差である。基準長さLはJIS B0633:2001またはISO 4288:1996に準拠して決定するものとする。
図5は、従来のイオン交換膜11’の濃縮室側表面の表面形状(同図(a))と、本実施形態によるイオン交換膜11の濃縮室側表面の表面形状(同図(b))と、を模式的に示している。濃縮水中には、原水に元々含有されている硬度成分、シリカ、炭酸や、脱塩室から移行してきた硬度成分等によって、スケールの種結晶13が形成される。この種結晶は通常は矢印で示す濃縮水の流れによって系外に排出されるが、一部の種結晶はイオン交換膜の凹部14’に捕捉される。イオン交換膜の表面が粗い場合、つまり輪郭曲線の最大高さRzが大きい場合には、捕捉された種結晶13が凹部14’から離脱しにくくなる。この結果、種結晶13は凹部14’に滞留したまま成長を続け、スケールとなって、イオン交換膜11’の表面に付着したままとなる。これに対して、本実施形態では輪郭曲線の最大高さRzが小さくされているため、種結晶13は凹部14に滞留しにくく、仮に一時的に滞留しても矢印で示す濃縮水の流れによって凹部14から離脱する。この結果、イオン交換膜11の表面へのスケールの付着が生じにくくなる。なお、本発明では、濃縮室側のイオン交換膜の表面の輪郭曲線の最大高さRzが上記の通りとなっていればよく、脱塩室側のイオン交換膜のRzは任意である。
イオン交換膜11は、均質イオン交換膜であることが好ましい。イオン交換膜は大きく、不均質イオン交換膜と均質イオン交換膜とに大別される。不均質イオン交換膜は既製のイオン交換樹脂を粉砕して得られる微粉末を、バインダーポリマーと混合した後、膜状に成形することにより作製される。一方、均質イオン交換膜は原料モノマー液をメッシュ状の補強体に含浸させあらかじめ膜状のポリマーを作り、これにイオン交換基を導入することにより作製される。一般的にイオン交換膜面のRzは、微粉末から成形する不均質膜の方が均質膜よりも大きい。本願発明者は、両者の膜のRzを測定し、不均質膜のRzは均質膜のRzより2倍以上大きいことを明らかにした。従って、本実施形態では、より平滑な表面が得られる均質イオン交換膜をイオン交換膜11として用いている。
イオン交換膜11の膜本体13を構成する材料について説明する。イオン交換膜11がアニオン交換膜である場合は、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体のクロロメチル化反応後4級アミノ化物、クロロメチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体の4級アミノ化物、ビニルピリジン-ジビニルベンゼン共重合体およびその4級ピリジニウム化物、などを含有する膜を使用することができる。スチレンまたはその誘導体の重合体を母体とし、4級アンモニウム塩基またはピリジニウム塩基を有する膜は、耐薬品性、電気抵抗、膜強度などの観点から好ましい。
イオン交換膜11がカチオン交換膜である場合は、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体のスルホン化物やポリスチレンスルホン酸およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩などを含有する膜を使用することができる。スルホン酸またはスルホン酸塩基を有する膜は、耐薬品性、電気抵抗、膜強度の観点から好ましい。
表面が平滑な膜を作成する方法は様々であり、以下にいくつかの例を示す。ただし、本発明におけるイオン交換膜は下記の方法によって作成されたイオン交換膜に限定されない。一例では、まず上述のようにして、イオン交換基が導入され、補強体が埋め込まれた膜状のポリマー膜を作成する。次に、このポリマー膜の平坦化したい面に表面が平滑なフィルムや金属型を押し当て、加熱プレスする。これによって、補強体のメッシュの間にあるポリマー膜がフィルムや金属型の平滑な表面に押し付けられ、ポリマー膜の凹凸の高さが減少する。従来用いられている一般的なイオン交換膜の片面のみを平滑化処理することも可能である。その場合、平滑化処理した膜面の裏側の膜面のRzは従来のイオン交換膜と同様に10〜100μm程度となる。
あるいは、ポリマー膜を平滑なフィルムや金属型の上で作成してもよい。この方法によれば、ポリマー膜が最初から補強体のメッシュの間に入り込むため、凹凸の小さい膜を作成することができる。
Rzは、メッシュの目開き(開口部の縦横の内空寸法)、空間率(膜の一定範囲における、膜の表面積に対する開口部の面積比)を調整することによっても、ある程度調整可能である。ただし、開口率が50〜70%の範囲ではRzはほとんど影響を受けなかったため、開口率がこの範囲にあるときは、開口率は膜の強度等を勘案して適宜決めることができる。
一方、メッシュを構成する基材の繊維径はRzに大きな影響を有している。図6は、イオン交換膜の膜厚に対する補強体を構成する基材の繊維径の比と、Rzとの関係を示すグラフである。Rzを10μm以下に抑えようとする場合、基材の繊維径のイオン交換膜厚さに対する比は小さいほど好ましく、具体的には0.5以下とすることが好ましい。下限値はイオン交換膜の必要強度などによって定まるため特に限定されないが、一般的には0.1以上とすることが好ましい。
スケールの生成は原因物質を生成する物質の原水濃度にも左右される。一般的な脱イオン水製造装置をスケールの生成を防止して安定的に運転するには、硬度成分は全硬度で0.1mgCaCO3/L以下、シリカは0.1mgSiO2/L以下、炭酸は全炭酸で0.5mgCO2/L以下とすることが好ましいとされている。本発明の脱イオン水製造装置では濃縮室側のイオン交換膜表面を平滑化することで濃縮室のスケール耐性を大幅に向上することが可能となったので、原水硬度成分濃度0.1〜3.0mgCaCO3/L、原水シリカ濃度0.1〜3.0mgSiO2/L、原水炭酸濃度0.5〜30mgCO2/Lとしても安定的に脱イオン水製造装置を運転することができる。なお、硬度はカルシウムとマグネシウムの量を以下の式で炭酸カルシウム量(CaCO3)に換算した値として定義する。
硬度[mgCaCO3/L]=(カルシウム量[mg/L]×2.5)+(マグネシウム量[mg/L]×4.1)
次に実施例、比較例を挙げて、本発明の脱イオン水製造装置をさらに具体的に説明する。脱イオン水製造装置としては、図1に示す構成のものを用いた。各実施例、比較例に共通する仕様は以下の通りとした。
〈脱イオン水製造装置仕様〉
脱塩室:縦300mm、横80mm、厚さ10mm
脱塩室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混床形態
脱塩室の数:3室
濃縮室:縦300mm、横80mm、厚さ4mm
陽極室:縦300mm、横80mm、厚さ4mm
陽極室の充填イオン交換体:カチオン交換体
陰極室:縦300mm、横80mm、厚さ4mm
陰極室の充填イオン交換体:アニオン交換体
〈運転条件〉
被処理水の導電率:10±1μS/cm(RO膜(逆浸透膜)の透過水)
脱塩室の被処理水流量:60L/h
濃縮水の原水の導電率:10±1μS/cm(RO膜の透過水)
電極水の原水の導電率:10±1μS/cm(RO膜の透過水)
電極水流量:10L/h
運転電流値:1.0A
原水硬度成分:全硬度2.0mgCaCO3/L
原水全炭酸:10mg/L
原水シリカ:1.5mg/L
原水水温:22±2℃
各実施例、比較例におけるイオン交換膜の仕様(濃縮室側のRz)及び運転条件(濃縮水流量)を表1に示す。
Figure 0005492612
これらの仕様にて、3000時間の連続運転を行った。実施例1は、イオン交換膜の濃縮室側のRzが2μm以下であり、イオン交換膜が最も平滑な表面を備えたケースである。実施例2はイオン交換膜の濃縮室側のRzが加重平均(全8枚の平均値)で6.4μm程度であり、実施例3はイオン交換膜の濃縮室側のRzが平均で9.4μm程度である。実施例4はイオン交換膜の濃縮室側のRzは実施例1と同じであるが、濃縮水流量は実施例1の半分とした。比較例1〜3は、イオン交換膜の濃縮室側のRzが徐々に増加しており、いずれも平均10μmを超えている。比較例4は実施例4に対応するケースであるが、イオン交換膜の濃縮室側のRzを比較例2と同じとし、濃縮水流量を比較例2の半分とした。表中、実施例1と異なる部分を太枠で囲んでいる。
3000時間の連続運転終了後、解体調査を行いスケールの生成状況を調査した。表1には各実施例及び各比較例のスケールの生成状況を併せて示す。実施例1〜4では、全てのイオン交換膜でスケールの生成は確認されなかった。実施例4は濃縮水流量が実施例1の半分であり、スケールが発生しやすい条件であるにもかかわらず、スケールの発生は認められなかった。イオン交換膜の濃縮室側表面のRzを抑えることで、濃縮水流量を下げてもイオン交換膜のスケール耐性が確保されることが確認された。
比較例1,2では、脱塩室と濃縮室との間のアニオン交換膜a2,a3,a4の濃縮室側表面と、陰極室と濃縮室との間のアニオン交換膜a1の濃縮室側表面の全面にスケールが生成していた。脱塩室と濃縮室との間のカチオン交換膜c1,c2,c3と、陽極室と濃縮室とのカチオン交換膜a4の濃縮室側表面には膜面積の1/4程度の範囲で少量のスケールが生成していた。比較例3,4ではすべてのアニオン交換膜及びカチオン交換膜の濃縮室側表面の全面にスケールが生成していた。
図7は、各実施例及び各比較例について、被処理水の水質の運転時間による変化を示している。図8は、各実施例及び各比較例について、陽極、陰極間の運転電圧の運転時間による変化を示している。図9は、Rzと3000時間運転後の被処理水の水質及び運転電圧との関係を示している。図8に示す運転電圧は、実施例1の100時間経過後の運転電圧を1として規準化して示している。図9のRzは膜数を考慮した加重としている。各実施例では、被処理水の水質は運転時間中ほぼ同じ水準を示し、劣化する兆候も見られなかった。これに対して比較例では、比較的良好なケースでも1000時間を過ぎる頃から水質の低下がみられ、3000時間経過後には水質は大幅に悪化した。運転電圧も同様な傾向であり、各実施例では運転電圧は運転期間中ほぼ同じ水準を示し、増加する兆候も見られなかった。これに対して比較例では、比較的良好なケースでも1000時間を過ぎる頃から運転電圧の増加がみられ、3000時間経過後には実施例に比べて2〜5倍の運転電圧になった。図示はしていないが、各実施例では、93±2%程度のシリカの排除率を安定して得られたのに対して、比較例1〜4では、3000時間経過後には5±2%程度の除去率しか得られなかった。
実施例3と比較例1の比較より、Rzが10程度を下まわると、長時間運転後のスケール生成状況、被処理水の水質、運転電圧等が劇的に改善されることが分かる(図9参照)。従って、Rzは10μm以下とすることが好ましい。実施例2と3を比較すると、運転電圧はほぼ同等であるのに対し、被処理水は実施例2の方が若干良好であった。実施例2では、イオン交換膜の濃縮室側のRzが平均で6.4μm程度であることから、余裕をみてRzを5μm以下とすれば、より一層良好な水質が得られると考えられる。実施例1は処理水の水質、運転電圧とも、実施例2,3よりさらに良好であり、図7に示すように濃縮水の流量を下げても影響は限定的であった(実施例4)。よって、Rzを2μm以下とすることが一層好ましい。Rzの下限値は、性能上の観点からは特に限定されないが、製作精度とコストのバランスの観点から0.05μm程度以上とすることが望ましい。
最後に、本発明によって得られる効果をまとめる。
(1)イオン交換膜の濃縮室側表面でのスケールの生成を防止ないし抑制できることから、従来の脱イオン水製造装置では処理できなかった高い負荷の被処理水を処理することができる。
(2)脱塩室からのイオンの移動を阻害するスケール成分がイオン交換膜表面に生成されないため、電極間の印加電圧を上げる必要がなく、消費エネルギーを抑えた運転が可能となる。
(3)従来の脱イオン水製造装置では濃縮室にスケールが生成するため、定期的に薬品洗浄を実施してスケールを溶解除去する必要があった。本発明の脱イオン水製造装置ではこのような洗浄操作の必要性がなくなり、または洗浄操作の頻度を下げることができる。このため、メンテナンスコストの低減が可能となり、また薬品の使用を抑制することが可能となる。
(4)イオン交換膜のスケール耐性が向上したことで濃縮室の濃縮倍率をより高くして運転することができるため、濃縮水の流量を従来の装置よりも低くすることができる。このため、脱イオン水製造装置の水回収率を上げることができるとともに、濃縮室のイオン濃度を上げ高導電率での運転が可能となる。これによって、電極間の電気抵抗が低くなり消費電力の低減が可能となる。
(5)従来の脱イオン水製造装置では濃縮室の導電率を上げるために、濃縮水に電解質を添加して濃縮水を循環運転したり、濃縮室にイオン交換体を充填したりするなどの運転方法がとられていた。本発明の脱イオン水製造装置ではこのような運転方法をとる必要がなくなるため、脱イオン水製造装置の簡略化ならびコストダウンが可能となる。
(6)従来の脱イオン水製造装置では、原水中の硬度成分、シリカ、炭酸の濃度を下げるために、RO(逆浸透膜)装置、軟化装置、脱炭酸装置等を設置していた。本発明の脱イオン水製造装置では、これらの装置を簡略化または省略することが可能となり、従来システムの50〜70%程度のコストダウンが達成できる。
1,1’ 脱イオン水製造装置
4 陽極
5 陰極
11 イオン交換膜
C1〜C4 濃縮室
D1〜D3 脱塩室
E1 陰極室
E2 陽極室
a1〜a4 アニオン交換膜
c1〜c4 カチオン交換膜

Claims (7)

  1. 陽極室及び陰極室と、
    前記陽極室と前記陰極室との間に位置し、イオン交換体が充填され、該イオン交換体によって脱塩される被処理水が流通するようにされた少なくとも1つの脱塩室と、
    前記陽極室と前記陰極室との間に位置し、濃縮水が流通するようにされ、一方の面で一の前記脱塩室と隣接し、他方の面で他の前記脱塩室または前記陽極室または前記陰極室と隣接する濃縮室と、
    前記濃縮室と前記一の脱塩室とを仕切る第1のイオン交換膜と、
    前記濃縮室と、前記他の脱塩室または前記陽極室または前記陰極室と、を仕切る第2のイオン交換膜と、
    を有し、
    前記第1及び第2のイオン交換膜の少なくとも一方は、前記濃縮室に面する表面の、JIS B0601:2001またはISO4287:1997に準拠して得られた輪郭曲線の最大高さRzが、0.05μm以上、10.0μm以下の範囲にあ
    前記イオン交換膜は、イオン交換基が導入された膜本体と、該膜本体に埋め込まれたメッシュ状の補強体と、を有し、前記補強体を構成する繊維の直径の前記イオン交換膜の厚さに対する比が0.1以上、0.5以下の範囲にある、電気式脱イオン水製造装置。
  2. 前記輪郭曲線の最大高さRzは0.05μm以上、5.00μm以下の範囲にある、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  3. 前記輪郭曲線の最大高さRzは0.05μm以上、2.00μm以下の範囲にある、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  4. 前記濃縮室に前記濃縮水の原水として供給される水の硬度成分濃度が、全硬度で0.1mgCaCO3/L以上、3.0mgCaCO3/L以下の範囲にある、請求項1から3のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  5. 前記濃縮室に前記濃縮水の原水として供給される水のシリカ濃度が0.1SiO2/L以上、3.0mgSiO2/L以下の範囲にある、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  6. 前記濃縮室に前記濃縮水の原水として供給される水の全炭酸濃度が0.5mgCO2/L以上、30mgCO2/L以下の範囲にある、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  7. 前記イオン交換膜は、アニオン交換膜またはカチオン交換膜である、請求項1から6のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
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