JP2009220049A - 水中のリン捕集方法と装置 - Google Patents

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隆一 廣田
Yoshinori Hatano
好則 波多野
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Abstract

【課題】リン捕集剤と微生物とを組合せて、水中のリン化合物を効果的に分離回収するリン捕集方法と装置を提供する。
【解決手段】水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集方法において、捕捉濃縮したリン化合物を50〜100℃の加熱、又は、該加熱と好熱性微生物の添加、又は、嫌気性消化工程により水中に放出させ、該放出したリン酸をZr又はTi化合物を高分子化合物で不溶化した再生可能な、リン捕集剤と担体とから構成されたリン捕集部材を複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化したリン捕集ユニットによって水中から分離回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水中のリン化合物の捕集に関し、特に河川や湖沼、排水等の水中のリン化合物を、再生して繰り返し利用可能なリン捕集ユニットとリン濃縮能を有する微生物とを組合せてリン化合物を水中から分離回収するリン捕集方法と装置に関する。
リンは、生物に必要不可欠な物質である。しかし、リン鉱石は埋蔵量が少ないため、枯渇の危機感が大きく、一度利用したリンを再利用するリンの循環が必要となっている。環境中や下水道中のリンを回収して再資源化することが、重要な課題となっている。
これまでに種々のリン吸着剤が提案されている。例えば、リン捕集システムとして、ジルコニウムを固定化したPVA担体(Zr−PVA膜)が開発されている(特許文献1)。しかし、一般的にリン吸着剤は、低濃度でリン吸着能が低下する傾向がある。例えば、前述のZr−PVA膜の場合、通常の排水のようにリン濃度が低い場合には、リン回収率が低下する。リン酸濃度が10ppmの場合、5時間の吸着時間を設けても、最高の吸着量の1/8に低下する。また、1ppmの場合、24時間の吸着時間を設けても1/10以下に低下する。
一方、微生物のリン吸収能力は、生物自体が持つエネルギーを利用して吸収するので、非常に低濃度のリン酸を吸収する。例えば、大腸菌のリン酸トランスポーターのひとつであるPitは、Km(最大速度が半分になる濃度)が0.75ppmであり、もう一つのトランスポーターであるPstにおいては0.0075ppmである(非特許文献1)。このように、非常にリン酸濃度が希薄なものを補足する場合、微生物を利用するのが有利である。しかし、微生物には、リン酸の吸収量に限界があり、高濃度のリン酸をすべて吸収することはできない。
一方、吸収したリン酸を、熱を利用して微生物から放出することは、知られている(非特許文献2)。
また、好熱菌を利用して、リン酸を捕集した微生物を分解する方法が用いられている。この背景には、工場や下水処理場から排出される汚泥(微生物自身を多く含む)の処理という社会問題が存在する。すなわち、日本の産業廃棄物の総量は約4億トン/年といわれ、その半分を「汚泥」が占めており、脱水処理などして埋め立て処分に回っている。しかし、全国の自治体の半数以上で、2010年頃には埋め立て処分地は枯渇するといわれている。従って、好熱菌を利用して微生物を分解し、汚泥をできるだけ減らす減容化工程が設けられている。実際、好熱性細菌によって、余剰汚泥を炭酸ガスまで分解し、汚泥を減容化するプロセスが実用化されている。しかし、問題点として、余剰汚泥中のリン(微生物によって取り込まれたリン)が減容化しても除去されないので、いつまでもプロセスの中に止まり、最終的には処理水のリン酸濃度が上昇することが問題点として知られている。
さらに、減容化効果とエネルギー回収の効果がある嫌気消化工程が設けられている場合がある。この操作により、汚泥がメタンに変換され、一部はエネルギーとして回収され、どうしても残る残渣のみを焼却している。しかし、問題点として嫌気消化によって放出されたリン酸とアンモニア、マグネシウムが結晶化し、MAPとよばれるスケールを配管中に生じさせ、配管をつまらせるという問題が発生している。
また、汚泥を熱処理することによってリン酸を積極的に溶出させ、カルシウムで沈殿させて回収するという技術が報告されている(特許文献2)。しかし、本方法でリン酸を回収するには、大量のカルシウムを必要とし、さらに沈殿したリン酸カルシウムには、多くの不純物を含むという問題点がある。
Phosphate in microoraganism、 Torriani-Gorini A. et al. eds.、 ASM press、 1994、 Washington DC A. Kuroda et al.、 A simple method to release polyphosphate from activated sludge for phosphorus reuse and recycling、 Biotech. Bioeng.、 78、 333-338 (2002) 特開2007−216214号公報 特開2002−233894号公報
本発明は、上記従来技術に鑑み、水中のリン化合物を、再生して繰り返して利用可能なリン捕集ユニットとリン濃縮能を有する微生物とを組合せて、効果的に分離回収して、上記従来技術の種々の問題点を解決し得るリン捕集方法と装置を提供することを課題とする 。
上記課題を解決するために、本発明では、水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集方法において、該微生物に捕捉濃縮したリン化合物を50〜100 ℃の加熱、又は、50〜100℃の加熱と好熱菌微生物の添加によりリン酸として水中に放出させ、該放出したリン酸を、リン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担体とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットを用いて、水中から分離回収することを特徴とするリン捕集方法、又は、水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集方法において、該微生物に捕捉濃縮したリン化合物を嫌気消化工程でリン酸として水中に放出させ、該放出したリン酸をリン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担体とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットを用いて、水中から分離回収することを特徴とするリン捕集方法としたものである。
また、本発明では、水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集装置において、前記水中のリン化合物を生物学的に微生物に捕捉濃縮する生物処理装置と、該リン化合物を捕捉濃縮した微生物からリン酸を水中に放出させる50〜100℃の加熱、又は、50〜100℃の加熱と好熱菌微生物を添加するリン酸放出手段と、該放出したリン酸を水中から分離回収するリン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットとを有することを特徴とするリン捕集装置、又は、水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集装置において、前記水中のリン化合物を生物学的に微生物に捕捉濃縮する生物処理装置と、該リン化合物を捕捉濃縮した微生物からリン酸を水中に放出させる嫌気消化装置と、該放出したリン酸を水中から分離回収するリン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担体とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットとを有することを特徴とするリン捕集装置としたものである。
前記リン捕集装置において、平板状の隔壁材としては、多数の開口を有するパンチングメタル等が好ましく、これにより前記開口を通して被処理水が流通可能に構成されている。また、前記リン捕集部材としては、平織金網、綾織金網、亀甲金網或いはパンチングメタル等の比較的平坦な表面を有し且つ多数の開口を有する平板状多穴体若しくは不織布シート等の非水溶性の多孔質シートを用いるものと、ラス金網、クリンプ金網、エキスパンドメタル或いは多孔波板等の表面に比較的大きな起伏を有し且つ多数の開口を有する板状多穴凹凸体を用いるものとがあり、前者の場合には、隔壁間の流通抵抗を小さくすることにより隔壁間隔を相対的に狭くして単位容積当たりのリン捕集材の量を多くすることが可能となり、後者の場合には、表面の起伏によってリン捕集部材の表面流を乱流となし、これによってリン捕集材表面のリン成分の拡散速度を大きくすることが可能となる。
また、前記高分子化合物で形成したシートの表面にZr化合物又はTi化合物の1種以上を複合化させて不溶化することにより前記高分子化合物自体を担体となし、その表面部にリン捕集剤層を形成してリン捕集部材を形成したものもある。更に、このリン捕集部材の多数を、多数の前記平板状隔壁材の間に夫々スペーサを介して配置し、これらをボルト等の締結手段によって一体化することにより、リン捕集ユニットとすることも可能である。
また、前記平板状隔壁材と前記リン捕集部材との間に、被処理水のジグザグ流路を形成する乱流形成部材、例えば表面に大きな起伏を有するラス金網やエキスパンドメタル或いは多孔波板を配置し、リン捕集部材表面に乱流を形成するようにしておくのもリン成分の拡散速度を向上させる有効な手段である。
また、前記リン捕集部材の他の形態としては、セラミックス又は金属の多孔質球状体を担体とし、その表面部に前記リン捕集剤を坦持させたものがあり、これを前記平板状隔壁の前記開口に前記立体の一部を嵌入して保持させて一体化したものもある。
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
ジルコニウム又はチタン化合物を高分子化合物と複合化させて不溶化したリン捕集剤と担体とで構成されるリン捕集ユニットとリン濃縮能を有する微生物とを組合せて用いることによって、リン化合物濃度の低い排水から微生物を利用してリン化合物を捕捉し、該微生物から高濃度のリン酸を加熱又は加熱と好熱菌微生物により、又は、嫌気消化工程中に放出させ、溶液中に放出された高濃度のリン酸を前記リン捕集ユニットで捕集し、該リン捕集ユニットからリン酸を再溶出することによって、高純度のリン酸を回収することができ、前記リン捕集ユニットとリン濃縮能を有する微生物のお互いの短所を補うことができる新しいリン酸除去方法を提供することができた。
前記リン捕集ユニットは、容易にリン化合物と結合すると共に、アルカリ洗浄することによって容易にリン酸を遊離してリン酸塩を生成分離させるので、リン捕集ユニットの再生とリン酸基の分離を容易に行うことが可能となる。これにより、リン捕集ユニットから分離回収され、且つ、元の廃水中のリン化合物の低い濃度から極めて高濃度に濃縮されたアルカリリン酸塩水溶液が得られるので、容易に常法によってリンの回収が可能となり、リン資源としての再利用が可能となる。
次に、本発明の構成を詳細に説明する。
(1) 微生物による水中のリン化合物の吸収と放出
水中のリン化合物は、微生物により吸収される。微生物のリン吸収能力は、生物自体が持つエネルギーを利用して吸収するので、非常に低濃度のリン化合物を吸収する。例えば、大腸菌のリン酸トランスポーターのひとつであるPitはKm(最大速度が半分になる濃度)が0.75ppmであり、もう一つのトランスポーターであるPstにおいては0.0075ppmである。
排水処理においては、水中のリン化合物は活性汚泥による好気性処理により、活性汚泥中に吸収される。吸収されたリン化合物は、微生物(活性汚泥)を加熱又は加熱と好熱菌微生物の作用、又は、嫌気消化処理によって放出される。
加熱は、温度50〜100℃、好ましくは70℃程度で行なうのがよい。このようにして放出されたリン酸は、リン捕集ユニットによって捕集される。
(2) リン捕集部材
本発明のリン捕集部材を構成するリン捕集剤は、3つの機能が要求される。即ち、第1に高分子化合物との複合化による架橋反応性であり、第2に水溶性又は水分散性であり、第3に再生可能性である。第1の機能は、リン捕集物質を高分子化合物と化学的に結合させて安定して保持させるための必須の要件であり、単に吸着等による物理的保持では、繰り返し使用される過程で水中に放出されてリン吸収剤の性能低下を招くことになる。第2の機能は、リン捕集剤の製造上、水溶性高分子化合物と均一に混合させて、均一なリン捕集剤を製造するために必要な機能である。第3の機能は、本発明に要求される最も重要な機能であり、捕集したリンを回収してリン資源として再利用するために必要な機能である。
上記第1〜第3の機能を満足し、これに経済性を加味して選択された物質が、本発明で使用される水溶性Zr又は水分散性の高いZr化合物と水溶性Ti又は水分散性の高いTi化合物である。係る観点から選定された本発明で使用するリン捕集剤原料としては、塩化ジルコニル、硫酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、キレート系ジルコニウム、アミノカルボン酸系ジルコニウム、水酸化ジルコニウムゾル、ジルコニアゾル等の水溶性又は水分散性のジルコニウム化合物、三塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン、酸塩化チタン、ペルオキソチタネート、キレート系チタネート、チタニアゾル等の水溶性又は水分散性のチタン化合物が上げられる。
次に水溶性高分子化合物について説明する。本発明で使用する高分子化合物としては、次の2つの機能が要求される。第1は水溶性であり、第2はジルコニウム化合物又はチタン化合物との複合化による架橋反応性である。第1の機能は、前述の通り水溶性又は水分散性のZr化合物やTi化合物と均一に混合させて均一なリン捕集材を製造するために必要な機能であり、第2の機能は、リン捕集機能を有するZr化合物やTi化合物を不溶化して安定化させるために必要な機能である。係る観点から本発明で使用される水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール(EV
OH)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン及びカルボキシメチルセルロース(CMC)、これらポリマーの共重合体及びブロックポリマーが上げられる。中でも架橋性と経済性を考慮すると、PVAが好ましい材料である。
次に、複合化(架橋反応)による不溶化について説明する。前述の水溶性高分子化合物に架橋剤としてZr化合物やTi化合物を添加すると共に加熱処理すると、ZrやTiが架橋点となってポリマー鎖のアルコール基やアミノ基、カルボン酸基と反応して架橋し、ポリマーの組織を三次元化して不溶化する。架橋反応による不溶化率は、Zr化合物やTi化合物と水溶性高分子材料の比率や加熱温度及びpH並びに化合物の組合せによって異なるので、高不溶化率を得るための最適条件は、試験等を通して適宜設定すればよい。一般には、室温から250℃の温度域で加熱することにより、不溶化できるが、好ましくは
100−160℃の温度域を用いる。
尚、PVA短繊維を原料に作られたPVAシート(部分的なフォルマール化処理が施されて不溶化されている市販のPVA紙や不織布)等の高分子シートを、前記水溶性Zr化合物又は水溶性Ti化合物の懸濁液内に浸漬して表面にZr化合物又はTi化合物を付着させ、これを前述の通り熱処理することにより、表面部で架橋反応を生じさせてリン捕集剤層を形成することも可能である。
次に、本発明においては、前記水溶性Zr化合物又は水溶性Ti化合物と水溶性高分子化合物の他に、層状珪酸塩を添加混合してこれら3物質間で架橋反応を生じさせたリン捕集剤もある。本発明で使用する層状珪酸塩は、天然に豊富に存在するモンモリロナイトやモンモリロナイトを主成分とするベントナイト等の粘土状鉱物が好適な原料である。これらは、スメクタイトに属する天然珪酸塩鉱物であるが、サポナイトやヘクトライト等の合成スメクタイトも使用可能である。これら3種の混合物の水溶液を用いる場合には、前記層状珪酸塩の層間に水酸化ジルコニウムや水酸化チタニウムポリカチオンが浸透して層状珪酸塩―Zr/Ti―高分子化合物の架橋体が得られるので、これを脱水したのち熱処理して固化させてリン捕集剤として使用する。
上記リン捕集剤は、そのままでは実用的でないので、このリン捕集剤を適当な形状に成形する必要がある。そこで、本発明では、担体に該リン捕集剤を坦持させてリン捕集部材を形成している。その担体としては、後述する通り金網,パンチングメタル,ラス網,エキスパンドメタル等の開口部を有する網状体或いはセラミックス粒や発泡金属粒等の多孔質の担体が用いられる。これらの担体を、前記水溶性Zr化合物又は水溶性Ti化合物と水溶性高分子化合物或いはこれらと層状珪酸塩を混合した粘凋質の懸濁液中に浸漬して、前記板状体の開口部或いは多孔質粒の表面部に塗膜を形成させた後に熱処理して固化(不溶化)することにより、板状体のリン捕集部材或いは粒状のリン捕集部材が得られる。尚、前記不溶化処理されたPVAシート等の事前に不溶化処理された高分子材料のシートを用いる場合には、前述のとおり、表面層にリン捕集剤層が形成され、高分子材料のシート自体が担体の役割をするので、シート状のリン捕集部材となる。
(3) リン捕集ユニット
次に、本発明に係るリン捕集ユニットについて説明する。図3は、本発明に係るリン捕集装置ユニットUの一例を示す要部断面図であり、図4は、その平面図である。これらの図において、リン捕集ユニットUは、複数のリン捕集部材3を、複数の平板状隔壁材1の間に、スペーサ2を介して一定間隔で配置し、これらをボルト等の締結部材4によって一体化した構造となっている。前記隔壁材1は、図4の上面図に示す通り、一定間隔で開口1aが形成されており、該開口を通して被処理水が各隔壁材間を自由に流通できるようになっている。リン捕集部材3は、矩形の開口を有する平織金網(担体)3の開口部にリン捕集剤3aを保持させた構造となっている。これら平板状隔壁材1とリン捕集部材3とをスペーサ2を介して所定間隔で複数枚積層してリン捕集ユニットUを構成する。
ここで、前記平板状隔壁材1は、一定間隔で開口1aが形成されているもので、開口の大きさや形状は基本的には任意であるが、図4に示した如く矩形の開口を碁盤目状に配置したり、千鳥状に配置するのが一般的であり、その大きさは、5〜10mm角か5〜10mm径程度が好ましい。又、材質は、耐水性と耐蝕性が要求されるので、ステンレスのパンチングメタルか合成樹脂製が好ましく、その厚みは、材質によって適宜決定されるが、余り厚くする必要はない。
次に、リン捕集部材3は、前述の通り担体3bにリン捕集剤3aを坦持させたものであり、図3に示した板状の担体3bとしては、大別して表面が比較的平坦なものと、比較的大きな起伏を有するものとの2種に区分できる。前者に属するものとしては、図示した平織金網の他、綾織金網、亀甲金網及びパンチングメタル等の比較的平坦な表面を有し且つ多数の開口を有する平板状多穴体又は不織布シート等の非水溶性の多孔質シート或いは前記水溶性Zr化合物又は水溶性Ti化合物と架橋反応する高分子化合物のシート等(以下総称して単に「平滑担体」と記載する。)がある。次に、後者に属する担体としては、ラス金網、クリンプ金網、エキスパンドメタル或いは多孔波板等の表面に比較的大きな起伏を有し且つ多数の開口を有する板状多穴凹凸体がある。
尚、前述のZr化合物又はTi化合物と架橋反応する高分子化合物シートの場合は、表面部に架橋反応によってリン捕集剤層が形成され、中心部に未架橋の部分が存在するが、予めフォルマール化処理等によって不溶化されたPVAシートの如く不溶性である。従って、本発明のリン捕集剤製造原料の1つである高分子化合物自体を担体とするものである。更に、類似のものとして、PVA等の不織布シートを予めフォルマール化処理等によって不溶化した高分子シートを用いるものもある。即ち、該不織布シートを前記Zr化合物又はTi化合物の水溶液中に浸漬して表面にこれらの化合物を付着させた後に熱処理して架橋反応を生起させ不溶化したものである。この場合にも、不織布シート自体が担体となり該担体とリン捕集部材とが一体化したものといえる。
次に、前記平板状隔壁材1の間隔は、スペーサ2の高さhによって決められるが、このスペーサ2の高さhによって被処理水の流路面積が決まるので、hが小さいと流路断面積が小さくなって流路抵抗が大きくなるが、乱流となり易く水中のリンの拡散が促進されてリン捕集剤との反応も促進される効果が期待される。一方、このhが大きいと流路断面積が大きくなって流路抵抗は小さくなるが、層流が形成され易く水中のリンの拡散速度が遅くなりリン捕集剤との反応速度も遅くなって、リン捕集装置ユニットUの単位容積当たりのリン捕集量が小さくなり効率が低下するおそれがある。従って、この間隔hは、水量とから乱流になり易い条件下で選定するのが好ましいといえる。
尚、リン捕集剤と水中のリン化合物との反応は、水中のリンの拡散律速であるので、この拡散速度を高めることがリンの捕集効率を上げるのには有効な手段である。そこで、本発明では、前述の担体として平滑担体を用いる場合には、図5に要部断面図を示している如く、平板状隔壁材1とリン捕集部材3との間に、所定間隔で開口部5aを有する金属波板等の流路障害を形成して乱流を生成する乱流形成部材5を配置するのが好ましい。この場合には、被処理水は乱流形成部材5によってジグザグの流れとなり、いたる所に渦流が形成されてリン捕集部材3の表面の境膜が剥離更新されて水中のリンとリン捕集剤との接触を促進し、反応速度を向上させることになる。尚、前記乱流形成部材5としては、上記波状多孔板の他、ラス金網やエキスパンドメタル等の突起部を有する金網も使用可能である。この乱流形成部材5の材質としては、被処理水やアルカリ水に耐食性を有するステンレスやプラスチック材が好適である。
以上の説明においては、リン捕集部材3と乱流形成部材5とを別体とした場合の例であるが、これを一体とすることも可能である。即ち、ラス金網やエキスパンドメタルや多孔波板自体を担体として、これにリン捕集剤を保持させたものである。この場合には、リン捕集部材の表面に沿って流れる流体に、その表面の凹凸によって乱流が形成されて境膜が剥離更新されるので、水中のリンとリン捕集剤との接触が促進され、反応速度を向上させることになる。
以上は、シート状のリン捕集部材の構造について述べたが、本発明は、これに限定されるものではないので、他のリン捕集部材の例についても説明する。図11はリン捕集部材の他の実施例を示すリン捕集ユニットの要部断面図であり、図7は図6に使用された担体とリン捕集剤を示す断面図である。両図において、平板状隔壁材1には規則的に所定の開口1aが形成されており、該開口1aに嵌合する様に、球状体等の多孔質立体状のリン捕集部材3が多数配置された構造になっている。該リン捕集部材3は、図7に示している通り、セラミックス又は発泡アルミニウム等で形成した多孔質球状体を担体3bとするものであり、該球状体を前述のZr化合物又はTi化合物と前記高分子化合物との混合水溶液中に浸漬して、表面にこれらの化合物を付着させた後に熱処理して架橋反応を生起させ、不溶化して、該表面にリン捕集部材3aを形成したものである。尚、担体3bには、無数の開口3cが存在しているので、その一部にもリン捕集剤が生成しており、これが恰も表面のリン捕集剤層を支える根の如き役割をして、該リン捕集剤層の保持を強固にする役割を果たしている。
尚、図示の例は、多孔質球体の例であるが、多孔質担体の形状はこれに限られず、直方体や立方体又は角錐を2つ合わせたような多面体或いはコンペイ糖の如き異形状であっても構わないが、前記Zr化合物又はTi化合物と前記高分子化合物との混合水溶液が内部に浸透する程度の多孔性を有している多孔性立体であることが好ましい。
(4)リン捕集ユニットの再生及びリン回収
捕集剤として、ジルコニウム化合物を用いた場合は、リン捕集剤中のジルコニウムサイトがリン酸基と反応してリン酸ジルコニウム〔Zr(HPO〕やZr(HPO)(PO)様の結合を生成することにより、リン酸水溶液中のリン酸を化学反応により捕集する。リン溶出メカニズムは、これを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することによって、リン酸基はリン酸ナトリウム〔NaPOやNaHPO〕となって溶出し、Zr基は元の水酸化ジルコニウムに再生されるものである。
この様に本リン捕集剤は、リン酸捕集後はアルカリ洗浄することにより再生可能であるので、繰り返し使用することができ、再生時に回収されたリン酸塩水溶液は、不純物を殆ど含有しないリン酸塩溶液であるから、リンが容易に濃縮分離可能となる。
Zr又はTiは、容易にリン酸基化合物と結合すると共に、アルカリ洗浄することによって容易にリン酸を遊離してリン酸塩を生成分離させるので、リン捕集剤の再生とリン酸基の分離を容易に行うことが可能となる。これにより、リン酸捕集材から分離回収され、且つ元の下水中のリン濃度から極めて高濃度に濃縮されたアルカリリン酸塩水溶液が得られるので、容易に常法によってリンの回収が可能となり、リン資源としての再利用が可能となる。
また、余剰汚泥の処理において、好熱性細菌によって、余剰汚泥を炭酸ガスまで分解し、汚泥を減容化するプロセスが実用化されているが、余剰汚泥中のリン(微生物によって取り込まれたリン)が減容化しても除去されないので、いつまでもプロセスの中に止まり、最終的には処理水のリン酸濃度が上昇することが問題点として知られおり、そこで、本発明のリン捕集ユニットを中に組み込み、リン酸を捕集し、回収することによって問題点を解決することができる。
さらに、余剰汚泥の処理において、減容化効果とエネルギー回収の効果がある嫌気消化工程が設けられている場合があり、汚泥がメタンに変換され、一部はエネルギーとして回収され、どうしても残る残渣のみを焼却しているが、嫌気消化によって放出されたリン酸とアンモニア、マグネシウムが結晶化し、MAPとよばれるスケールを配管中に生じさせ、配管をつまらせるという問題が発生しており、そこで、本発明のリン捕集ユニットを中に組み込み、リン酸を捕集し、回収することによってスケールの問題を解決することができる。
また、汚泥を熱処理することによってリン酸を積極的に溶出させ、カルシウムで沈殿させて回収するという技術があるが、リン酸を回収するには大量のカルシウムを必要とし、さらに沈殿したリン酸カルシウムには多くの不純物を含むという問題点があり、そこで、一旦クエン酸などの酸で沈殿物を溶解させ、溶出したリン酸を、本発明のリン捕集ユニットを用い、水中から分離回収することにより、高純度のリン酸が精製できる。
図1は、好気槽によって水中のリン酸を微生物に吸収し、微生物中に濃縮されたリン酸を含む汚泥を分離し、該汚泥を70℃程度に加熱することによりリン酸を放出させ、本発明のリン捕集ユニットによって水中からリン酸を分離回収している。
図2は、排水を活性汚泥を用いて好気槽で処理して、微生物中に濃縮されたリン酸を含む余剰汚泥を、メタン発酸などの嫌気消化槽で処理して、汚泥中のリン酸を放出させ、本発明のリン捕集ユニットによって水中からリン酸を分離回収している。
このように微生物のリン収集能力とリン捕集ユニットを利用した無機バイオ融合システムは、これまでのお互いの短所を補うばかりでなく、多くのメリットをもつ新しいリン酸除去システムが出来上がる。
実施例1
微生物によって濃縮したリン化合物を加熱によりリン酸を放出させ、リン捕集ユニットを用いてリン酸を水中から分離回収する方法
(1) リン捕集ユニットの作製
水溶性Zr化合物として塩化ジルコニル(ZrOCl・8HO)を用い、水溶性高分子化合物としてPVA(重合度1700,ケン化度98%)を用いた。先ず、0.5モル/L(リットル)の塩化ジルコニル水溶液40mL(ミリリットル)に10wt%のPVA水溶液160mLを混合撹拌して均一混合物を形成し、エバポレータを用いて50〜60℃の熱水浴で体積が約半分になるまで濃縮した。この濃縮して得られた粘凋液中に径8mmのセラミックスの球状体を3回浸漬して該球状体に膜状に粘凋液をコーティングし、これを50℃で乾燥させ、この乾燥物を0.05モル/Lの水酸化ナトリウムで洗浄し、乾燥物中に残留している塩素分を除去した後、更に150℃で1時間熱処理を行ってセラミックス球状体を担体とする膜状のリン捕集部材を作成した。尚、ZrとPVAの架橋反応は、前記50〜60℃での濃縮工程や50℃での乾燥工程及び150℃での熱処理工程のいずれでも進行している。
作成したセラミックス球状体からなるリン捕集部材を、表面に正方形(5mm)の開口を有する平板状の隔壁材である2板のセラミックス固定パネル(200mm×200mm×8mmt)の間に220個充填し、該充填したパネルを5段を一組としてリン捕集ユニットとした。図8にその詳細図を示す。
(2) 微生物加熱溶液の調製
浄水場の好気槽から採取した活性汚泥水160Lを熱処理装置にいれ、80℃で、1時間加熱した。この溶液を熱処理溶液として用いた。
(3) リン捕集槽
前記したリン捕集ユニットを4つ平面に設置してリン捕集槽とした。該槽の断面図を図9(a)、平面図を図9(b)に示す。
該槽に、熱処理後の溶液を入れた。室温で24時間転倒混和させた。溶液を回収し、リン補修ユニットをイオン交換水160Lで洗浄した。回収した洗浄溶液(リン補修ユニットに結合しなかったリン酸)は、洗浄槽溶液として保存した。0.05N NaOH溶液80Lを捕集槽に入れ、室温で混和させて溶液を回収し、回収液として保存した。原水、熱処理後、24時間捕集後、リン回収槽、洗浄槽の液のpHをフェノールフタレインを用いてpH8に調製し、それぞれリン−モリブデン法によりリン酸の濃度測定を行った。
結果
結果を表1、表2に示す。





増加率、減少率、回収率の計算式は下記のとおりである。
熱処理増加率=(熱処理後−原水)/原水
原水槽減少率=(熱処理後−24時間後)/熱処理後
リン回収槽回収率=リン回収槽24時間後/熱処理後
洗浄槽=洗浄槽24時間後/熱処理後
リン回収+洗浄水回収率=(リン回収槽24時間後+洗浄槽24時間後)/熱処理後
この結果より、排水などの希薄溶液から微生物を利用してリンを補足し、高濃度の状態で放出させたリン酸をリン捕集ユニットで回収できることがわかった。
実施例2
微生物によって濃縮したリン酸を70℃程度の加熱によりリン酸を放出させ、ジルコニウムを固定化したPVA担体がリン酸を水中から分離回収する方法
(1) ジルコニア膜作製
ZrOC1・8HO 1.962gにイオン交換水を加えて12.177gとし、65〜70℃で4時間保温した(Zr溶液)。その後、ポリビニルアルコール(PVA)(重合度2000)5gをイオン交換水45gに入れ、90℃の湯浴で完全に溶解した。Zr溶液をPVAに加え、室温で3時間攪拌した(Zr−PVA)。次に、3cm×8cmに裁断したビニロン紙の重量を測定し、Zr−PVAの溶液を塗り、60℃の乾燥機で12時間乾燥させた。次に、0.05NNaOH溶液で1時間洗浄した。さらにイオン交換水で5分洗浄し、この操作を3回繰り返した。次に、120℃の乾燥機で1時間乾燥させた。乾燥後の重量を測定し、ビニロン紙の重量を除したものをジルコニア膜重量とした(Zr−PVA膜)。
(2) 微生物加熱サンプル溶液の調製
浄水場(広島県東広島市田口浄水場)の好気槽から採取した汚泥40mlを50mlチューブにいれ、90℃の湯浴に入れ、1時間保温した。この溶液を好気汚泥溶液として用いた。
(3) Zr−PVA膜によるリン酸の吸着
50mlチューブにZr−PVA膜3枚(Zr−PVA膜総重量をほぼ等しくなるように調整)を入れ、サンプル溶液(A)40mlを入れた。室温で3時間転倒混和させた。溶液を回収し、Zr−PVA膜をイオン交換水で3回洗浄した。回収した溶液(Zr−PVA膜に結合しなかったリン酸)は、処理後溶液(B)として保存した。0.05NNaOH溶液40mlをZr−PVA膜が入ったチューブに入れ、室温で1時間転倒混和させた。溶液を回収し、回収液(C)として保存した。(A)処理前溶液、(B)処理後溶液、(C)回収液のpHをフェノールフタレインを用いてpH8に調製し、リン−モリブデン法によりリン酸の濃度測定を行った。
結果
(A)処理前溶液、(B)処理後溶液、(C)回収液のリン酸濃度は、それぞれ69μM、4.4μM、64μMとなり、回収率は93%となった。この結果より、排水などの希薄溶液から微生物を利用してリンを補足し、さらに加熱により高濃度の状態で放出させたリン酸をZr−PVA膜で回収できることがわかった。
実施例3
微生物によって濃縮したリン酸をメタン発酵などの嫌気消化工程で放出させ、ジルコニウムを固定化したPVA担体がリン酸を水中から分離回収する方法。
浄水場(兵庫県神戸市浄水場)の嫌気消化槽から採取した汚泥40mlを、そのまま嫌気消化汚泥溶液として用いた。そこに、実施例2と同様に作成したジルコニア膜を添加し、リン酸の吸着、回収は実施例1と同様に行った。
結果
(A)処理前溶液、(B)処理後溶液、(C)回収液のリン酸濃度は、それぞれ2.78mM、0.88mM、1.58mMとなり、回収率は57%となった。この結果より、排水などの希薄溶液から微生物を利用してリンを補足し、さらに嫌気消化により高濃度の状態で放出させたリン酸をZr−PVA膜で回収できることがわかった。
実施例4
微生物によって濃縮したリン酸を70℃程度の加熱によりリン酸を放出させ、リン酸カルシウムとして沈殿させたものをクエン酸などの酸で溶解させる工程と、クエン酸などの酸で溶出したリン酸をジルコニウムPVA担体によって水中から分離回収する方法。
浄水場(広島県福山市浄水場)の汚泥を加熱して分離したリン酸に、カルシウムを添加して沈殿させたものを乳鉢で粉末状にした。粉末状の沈殿物2gに、クエン酸4gを加え40mlの水に溶解した。室温で12時間静置した後、リン酸濃度が10mM程度になるように超純水で希釈した。この溶液をリン溶液とした。そこに実施例2と同様に作成したジルコニア膜を添加し、リン酸の吸着、回収は実施例2と同様に行った。
結果
(A)処理前溶液、(B)処理後溶液、(C)回収液のリン酸濃度は、それぞれ12.0mM、6.6mM、4.4mMとなり、回収率は37%となった。この結果より、排水などの希薄溶液から微生物を利用してリンを補足し、さらにカルシウムを添加して沈殿させたものを粉末状にし、クエン酸により高濃度の状態で放出させたリン酸をZr−PVA膜で回収できることがわかった。
微生物によって吸収したリン酸を加熱により放出させて分離回収する工程図。 微生物によって吸収したリン酸を嫌気消化により放出させて分離回収する工程図。 本発明に係るリン捕集ユニットの1実施例を示す要部断面図。 図3のリン捕集ユニットの平面図。 本発明に係るリン捕集ユニットの他の実施例を示す要部断面図。 本発明に係るリン捕集ユニットの更に他の実施例を示す要部断面図。 図6に示したリン捕集ユニットに用いられるリン捕集剤担体の例を示す概念図。 実施例1に用いたリン捕集ユニットの詳細図。 実施例1に用いたリン捕集槽で(a)断面図、(b)平面図。
符号の説明
1 隔壁材
1a 開口
2 スペーサ
3 リン捕集部材
3a リン捕集剤
3b 担体
3c 開口
4 締結手段
5 乱流形成部材
5a 開口部
U リン捕集ユニット

Claims (11)

  1. 水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集方法において、該微生物に捕捉濃縮したリン化合物を50〜100℃の加熱、又は、50〜100℃の加熱と好熱菌微生物の添加によりリン酸として水中に放出させ、該放出したリン酸を、リン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担体とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットを用いて、水中から分離回収することを特徴とするリン捕集方法。
  2. 水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集方法において、該微生物に捕捉濃縮したリン化合物を嫌気消化工程でリン酸として水中に放出させ、該放出したリン酸を、リン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担体とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットを用いて、水中から分離回収することを特徴とするリン捕集方法。
  3. 水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集装置において、前記水中のリン化合物を生物学的に微生物に捕捉濃縮する生物処理装置と、該リン化合物を捕捉濃縮した微生物からリン酸を水中に放出させる50〜100℃の加熱、又は、50〜100℃の加熱と好熱菌微生物を添加するリン酸放出手段と、該放出したリン酸を水中から分離回収するリン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担体とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットとを有することを特徴とするリン捕集装置。
  4. 水中のリン化合物を微生物によって捕捉濃縮して回収するリン捕集装置において、前記水中のリン化合物を生物学的に微生物に捕捉濃縮する生物処理装置と、該リン化合物を捕捉濃縮した微生物からリン酸を水中に放出させる嫌気消化装置と、該放出したリン酸を水中から分離回収するリン捕集機能を有するジルコニウム化合物又はチタン化合物の1種以上を高分子化合物と複合化させて不溶化してなる再生利用可能なリン捕集剤と該リン捕集剤を坦持した担体とから構成されたリン捕集部材を、複数の平板状の隔壁材間に配置して一体化してなるリン捕集ユニットとを有することを特徴とするリン捕集装置。
  5. 前記平板状の隔壁材が、表面に多数の開口を有し、該開口を通して被処理水を流通可能にしてなる請求項3又は4に記載のリン捕集装置。
  6. 前記リン捕集部材が、平坦な表面を有し、且つ多数の開口を有する平板状多穴体若しくは多孔質シートである請求項3、4又は5に記載のリン捕集装置。
  7. 前記リン捕集部材が、表面に比較的大きな起伏を有し且つ多数の開口を有する板状多穴凹凸体であり、該板状多穴凹凸体の開口部に前記リン捕集剤を保持させてなる請求項3、4又は5に記載のリン捕集装置。
  8. 前記リン捕集部材は、平板状隔壁材間に夫々スペーサを介して配置し、これらを締結手段によって一体化してなる請求項3〜7のいずれか1項に記載のリン捕集装置。
  9. 前記平板状隔壁材とリン捕集部材との間に、被処理水の流れに乱流を形成する乱流形成部材を配置してなる請求項8に記載のリン捕集装置。
  10. 前記乱流形成部材が、表面に大きな起伏を有するラス金網、エキスパンドメタル又は多孔波板である請求項9に記載のリン捕集装置。
  11. 前記リン捕集部材が、セラミックッス又は金属の多孔質球状体を担体とし、その表面部に前記リン捕集剤を坦持させたものであって、前記平板状隔壁の前記開口に前記球状体の一部を嵌入して保持させてなる請求項5に記載のリン捕集装置。
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