JP2009217928A - スイングアーム用ブロックおよびディスク駆動装置 - Google Patents

スイングアーム用ブロックおよびディスク駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転体の高速駆動およびフリクショントルクの安定化を可能とする。
【解決手段】軸受装置8は、内面中央に中心側に突出した突部が一体形成されているスリーブ27と、この突部の両側に形成される段部に外輪の軸方向端面が当接している2つのボールベアリング25,26と、を備え、スリーブを熱処理したアルミシリコン合金とし、その材質を、アルミニウムを60〜90重量%含みシリコンを9〜39重量%含み、その他の金属材料を1〜5重量%含み、それらで合計100重量%となり、その密度が2.52〜2.66g/cmとなるものとしている。そして、ボールベアリングに、スリーブの線膨張係数より小さいシャフト21を挿入している。
【選択図】図3

Description

本発明は、スイングアーム用ブロックおよびディスク駆動装置に関する。
ボールベアリングを使用した軸受装置は、ハードディスクドライブ装置(以下、HDDという。)や、デジタルバーサタイルディスク装置(以下、DVDという。)や、スキャナ装置などに搭載されるもので、ハードディスク、デジタルバーサタイルディスク等のディスク、磁気ヘッドが取り付けられるスイングアーム、ポリゴンミラー等を高速回転させたり、高速駆動させる際に使用される。
ディスク駆動装置の一種であるHDDは、高性能化、すなわち高速化、高容量化、高信頼性などが要求されている。このような高度な要求を満足させるために、磁気ヘッドが取り付けられたスイングアームに対しても厳しい要求がなされている。
スイングアームに要求される特性の第1は、磁気ヘッドがディスク上の目的の読み出しまたは記録の位置に到達するまでの所要時間であるシークタイム(SEEK TIME)を高速化することである。要求される第2の特性は、記録密度が高TPI化(TPI:tracks per inch)することへの対応である。
シークタイムの高速化への対応とは、磁気ヘッドが取り付けられたスイングアームの軽量化を行うことでスイングアームの回転方向のリスポンス(応答速度)を改善する(向上させる)ことである。また、高TPI化への対応とは、スイングアームの回転時のフリクショントルクを安定させ、ボイスコイル部分で発生する回転力を確実にアーム部に伝え、目的のトラックへ磁気ヘッドを安定的に移行させることである。
以上のような特性要求がある中で、現在、一対のボールベアリング(玉軸受)を保持するスリーブとしては、通常ステンレス鋼の300系(SUS−300系)が採用されている。これは、次の理由による。すなわち、ボールベアリングの線膨張係数が12.6×10−6(常温20℃)であるため、線膨張係数が16.4×10−6(20℃)とボールベアリングの線膨張係数に近く、しかも切削加工性や耐腐食性の良いSUS−300系(SUS−304等)が使用されているのである。
このSUS−300系によるスリーブを使用すると、その線膨張係数がボールベアリングの線膨張係数に近いので、HDDの組み立て時に使用される嫌気性熱硬化性の接着剤をベイキング処理(接着剤乾燥処理)する際の接着剤硬化によるボールベアリングの変形を防止することができる。このため、高TPI化に対して適応できるが、SUS−300系のスリーブを使用すると回転部となるスリーブ等の質量が大きくなるため、シークタイムの高速化には不利であり、HDDの高性能化への要求に応えられなくなってきている。
質量軽減の対応策の1つとして、スリーブを使用せず、ボールベアリングを直接スイングアーム用ブロック(E−ブロックとも言われている)の軸孔に組み込む方式が特許文献1(特開2002−31149号公報)に記載されている。この技術を採用すれば軽量化が達成される。また、接着剤での固定部分が減少することで、接着剤使用による精度悪化を減少させることができる。
特開2002−31149号公報
しかし、上述の特許文献1に記載されている技術の場合、スイングアーム用ブロックとしては、軽量化等を目的としてアルミニウムが95%程度でMgやCuやSi等を残量分含むアルミニウム合金が使用されるため、次のような問題が生ずる。
アルミニウム合金(例えばT6処理がなされたA6061)の場合、23.6(20〜100℃)×10−6となり、ボールベアリングの線膨張係数(12.6×10−6)に比べきわめて大きいため、周囲の温度変化によってボールベアリングの外輪の真円度が悪化することとなる。
これは、たとえば20℃の常温で外周に嫌気性熱硬化性の接着剤を塗布したボールベアリングを同様の接着剤が内周面に塗布されたスイングアーム用ブロックに軽圧入して嵌合させたとする。ベイキング処理のため、この装置を80℃にすると、スイングアーム用ブロックのボールベアリングを取り付ける軸孔の内径が大きく広がり、ボールベアリングの外輸の外径との間に大きな隙間が生じていく。この隙間へボールベアリングを固定するための接着剤が硬化する前に入り込む。この接着剤は、80℃になると完全に硬化する。その後、常温に戻ると、上述した隙間が無くなる。このため、高温時に隙間に入り、その後に硬化した接着剤によってボールベアリングの外輪の外周が押されボールベアリングが変形してしまう。
特許文献1記載の技術を使用した場合、上述のようにベイキング処理によってボールベアリングの外輪の真円度が悪化してしまう。この悪化によって回転トルク(フリクショントルク)が不安定となり、スイングアームの高TPI化への対応の妨げとなる。
また、スイングアームを軽量化してスイングアームの回転方向へのリスポンス速度を高くした場合、スリーブとボールベアリング(外輪と内輪と複数の鋼球)と内輪に固定される固定軸からなるピボットアッシー(ピボット組み)について共振(リゾナンス:RESONANCE)の問題が発生してくる。すなわち、ピボットアッシーが有するオリジナルな共振点が低いと、リスポンスの周波数がそのピボットアッシーの共振周波数に近づき、ピボットアッシーが共振してしまう危険性が生ずることが本出願人による実験および過去の経験により判明している。このため、過去においては、HDDを製造しているメーカーからピボットアッシー製造メーカーに対して、共振点として7KHz以上となるものを要求していた。この共振点に関する要求は、年々高まってきており、最近では、8KHz以上となる場合も存在する。
ボールベアリングの外輪の真円度の悪化は、ピボットアッシーのオリジナルな共振点のアップを期待どおりのものとしない。すなわち、外輪の真円度の悪化は、ボールベアリングの与圧の不十分さをもたらすと共に、ボールベアリングの鋼球の接触位置が安定しないことにつながる。このため、ピボットアッシーの上述したオリジナルな共振点もアップしない。
このように、特許文献1の技術を使用した場合、回転イナーシャの減少により、シークタイムをアップさせ、また接着剤使用部分を減らすことで精度アップを図ることができるが、ボールベアリングの回転トルクの不安定さによって、高TPI制御には向かないものになってしまう。さらには、共振点の問題も解決できない。
また、スリーブを軽量化させるため、密度が7.9g/cm程度のステンレス鋼に代わる材料として、密度が2.7g/cm程度のアルミニウム合金も検討されている。しかし、スリーブをアルミニウム化(たとえばA6061)することは、上述した、スリーブを無くし、ボールベアリングを直接にアルミニウムのスイングアーム用ブロック(E−ブロック)の軸孔に嵌め込む技術と同様な問題を抱えるものとなる。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、スイングアーム等の回転体の高速駆動およびフリクショントルクの安定化を可能とするスイングアーム用ブロックを提供することを目的とする。また、他の発明は、スイングアームのシークタイムの高速化および装置の高TPI化を可能とするディスク駆動装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の1観点におけるスイングアーム用ブロックは、ディスク駆動装置に用いられるヘッドを取り付けるスイングアーム用ブロックにおいて、ヘッドが取り付けられるアーム部の根元に設けられる円筒部の軸孔に軸受装置を嵌合させ、この軸受装置は、内面中央に中心側に突出した突部が一体形成されているスリーブと、この突部の両側に形成される段部に外輪の軸方向端面が当接している2つのボールベアリングと、を備え、スリーブを熱処理したアルミシリコン合金とし、その材質を、アルミニウムを60〜90重量%含みシリコンを9〜39重量%含み、その他の金属材料を1〜5重量%含み、それらで合計100重量%となり、その密度が2.52〜2.66g/cmとなるものとし、 そのアルミシリコン合金は、その線膨張係数がボールベアリングの値に対してマイナス15%〜プラス25%のものであり、ボールベアリングに、スリーブの線膨張係数より小さいシャフトを挿入している。
この構成とすると、スイングアームとして回転駆動する軸受部分(スリーブ部分)が軽量化され、軸受装置によって支持されるスイングアームの高速駆動(高速回転)が可能となる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数が従来以上に近似しているので、スイングアームとしての回転トルクを安定させることができる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数を近似させることで、回転トルクを安定させることができる。すなわち、従来の軸受装置は、ボールベアリングの線膨張係数である12.6×10−6に対して30%以上大きい16.4×10−6の線膨張係数を有するSUS−304をスリーブとして使用している。また、スリーブとしてSUS−430を使用したとしても、その線膨張係数が10.4×10−6であるためマイナス17%以上の差を有するものとなる。このため、ボールベアリングの線膨張係数に対してマイナス15%〜プラス25%のものをスリーブとして採用すれば、従来に比べ温度変化に対する回転トルクの変化がより安定したものとなる。
また、他の観点のスイングアーム用ブロックは、ディスク駆動装置に用いられるヘッドを取り付けるスイングアーム用ブロックにおいて、ヘッドが取り付けられるアーム部の根元に設けられる円筒部の軸孔に軸受装置を嵌合させ、この軸受装置は、内面中央に中心側に突出した突部が一体形成されているスリーブと、この突部の両側に形成される段部に外輪の軸方向端面が当接している2つのボールベアリングと、を備え、スリーブを熱処理したアルミシリコン合金とし、その材質を、アルミニウムを60〜90重量%含みシリコンを9〜39重量%含み、その他の金属材料を1〜5重量%含み、それらで合計100重量%となり、その密度が2.52〜2.66g/cmとなるものとし、そのアルミシリコン合金の線膨張係数をAとし、ボールベアリングの線膨張係数をBとし、ボールベアリングの外輪の常温(20℃)での外径をZミクロンとしたとき、−1/(60×Z)≦A−B≦1/(20×Z)となるようにし、ボールベアリングに、スリーブの線膨張係数より小さいシャフトを挿入している。
このスイングアーム用ブロックは、従来のアルミニウムのブロックと同様に軽量化されている。また、その線膨張係数の関係を所定の関係となるようにしたので、SUS−304やSUS−430等のステンレス鋼のスリーブを使用した軸受装置を組み込んでも、またスリーブ無しに直接鋼球を組み込んでも、このスイングアーム用ブロックと軸受装置の各線膨張係数は近似し、回転トルク(フリクショントルク)が安定すると共にボールベアリングの真円度の悪化を抑制することができる。
さらに、他の観点のスイングアーム用ブロックは、ディスク駆動装置に用いられるヘッドを取り付けるスイングアーム用ブロックにおいて、ヘッドが取り付けられるアーム部の根元に設けられる円筒部の軸孔に軸受装置を嵌合させ、この軸受装置は、内面中央に中心側に突出した突部が一体形成されているスリーブと、この突部の両側に形成される段部に外輪の軸方向端面が当接している2つのボールベアリングと、を備え、スリーブを熱処理したアルミシリコン合金とし、その材質を、アルミニウムを60〜90重量%含みシリコンを9〜39重量%含み、その他の金属材料を1〜5重量%含み、それらで合計100重量%となり、その密度が2.52〜2.66g/cmとなるものとし、20℃のスリーブの内径に対する80℃の当該内径の広がり量をXミクロンとし、20℃のボールベアリングの外径に対する80℃の当該外径の広がり量をYミクロンとしたとき、−1≦X−Y≦3とし、ボールベアリングに、スリーブの線膨張係数より小さいシャフトを挿入している。
この構成では、スイングアーム用ブロックが軽量化され、スイングアームの高速駆動が可能となる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数を近似させ、両者の広がりの差を本発明の構成とすることで、回転トルクを安定させることができる。すなわち、一般的には、ボールベアリングをスリーブに軽圧入する際、半径で1ミクロン(μm)(直径で2ミクロン)の重なりを持つように設計し圧入する。なお、このアルミシリコン合金では、切削面を滑らかにでき、その値が直径で3ミクロンとなる。このような重なりがあっても、スリーブの弾性力によってボールベアリングの外形を変形させることはない。
このため、本発明のように20℃から80℃への温度変化に対して、両者の広がりの差を−1ミクロンから3ミクロンとすると、常温(20℃)時に、半径1.5ミクロン(直径3ミクロン)の重なりで軽圧入したとしても、80℃では半径2ミクロンの重なり状態から重なりが全くない状態までの範囲となり、ボールベアリングの真円度を悪化させることはない。
また、仮に±0の精度にてボールベアリングが組み込まれたときであっても、80℃では、半径で0.5ミクロンの重なり状態から最大で半径1.5ミクロンの隙間の状態が発生するに過ぎない。0.5ミクロンの重なりはスリーブの弾性力によってカバーできる範囲である。また、半径1.5ミクロンの隙間が生ずる場合、その隙間に接着剤が入り込み、その後、硬化した後、スリーブが元の径に戻ったとしても軽圧入時の半径1.5ミクロンの重なり状態と同様の圧力のみであり、スリーブの弾性力によってボールベアリングの外径は変化しない。
さらに、コイルを保持するコイル保持部をアルミシリコン合金にて円筒部およびアーム部と共に一体成形されていると共にその一体成形は焼結によってなされたものとしてもよい。この構成によると、コイル保持部を円筒部やアーム部と共に焼結にて一体成形されるので、スイングアーム用ブロックを低価格化させることができる。
また、円筒部に設けられる軸孔にシャフト付きのボールベアリングを嵌合させるのが好ましい。シャフト付きのボールベアリングがスイングアーム用ブロックに組み込まれることで、ヘッド等がまだ取り付けられていないアームアッセイが完成する。これによってアームアッセイとしての精度維持および精度向上を図ることが可能となる。このアームアッセイにヘッド等を取り付ければヘッドアッセイとなり、シャフトをディスク駆動装置の所定の箇所に固定させ、ボイスコイル駆動部を付加すればスイングアーム組が完成する。
さらに、ボールベアリングを組み込むスリーブを有する軸受装置を、円筒部に設けられる軸孔に嵌合させると共に、ボールベアリングにシャフトを挿入し、このシャフトは線膨張係数がスリーブの線膨張係数より小さいものとするのが好ましい。この構成では、軸受装置のスリーブの材質とスイングアーム用ブロックの材質とが同種のアルミシリコン合金で構成されるため、回転トルク(フリクショントルク)が安定すると共に、ボールベアリングの真円度の悪化を抑制することができる。また、シャフト付きのボールベアリングがスイングアーム用ブロックに組み込まれることで、ヘッド等がまだ取り付けられていないアームアッセイが完成する。これによってアームアッセイとしての精度維持および精度向上を図ることが可能となる。
ディスク駆動装置としては、上述のスイングアーム用ブロックを、ヘッドが取り付けられたスイングアームの本体部分としてもよい。
この構成のディスク駆動装置では、スイングアーム組の駆動部分または/およびスイングアーム用ブロックの本体部分が軽量化され、シークタイムの高速化を実現することができる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数を近似させたり、または/およびスイングアーム用ブロックの本体部分とボールベアリングの線膨張係数を近似させているので、温度変化が生じてもフリクショントルク(回転トルク)が安定する。このため、高TPI化が可能となる。また、ボールベアリングの真円度が維持されるので、軸受装置部分のオリジナル共振点を高くすることができる。このため、このディスク駆動装置の一層の高性能化を図ることができる。
また、ディスク駆動装置は、上述の軸受装置をヘッドが取り付けられたスイングアームの軸受け部分としてもよい。
この構成のディスク駆動装置では、スイングアーム組の駆動部分が軽量化され、シークタイムの高速化を実現することができる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数を近似させているので、温度変化が生じてもフリクショントルク(回転トルク)が安定する。このため、高TPI化が可能となる。また、ボールベアリングの真円度が維持されるので、軸受装置部分のオリジナル共振点を高くすることができる。このため、このディスク駆動装置の一層の高性能化を図ることができる。
ディスク駆動装置としては、磁気ディスク駆動装置であるHDDや、MOを使用するMO駆動装置や、DVDや、CD(コンパクトディスク)を使用するCD駆動装置等がある。スイングアームとしては、磁気ヘッドが取り付けられたもの、光ピックアップが取り付けられたもの等が存在する。
また、軸受装置としては、スリーブと、このスリーブの中に組み込まれるボールベアリングとを備える軸受装置において、スリーブの材質を、ステンレス鋼より質量が軽くアルミニウムと同程度の質量となる、アルミニウムを50〜90重量%含みシリコンを9〜49重量%含むアルミシリコン合金とし、そのアルミシリコン合金は、その線膨張係数がボールベアリングの値に対してマイナス15%〜プラス25%のものとするのが好ましい。
この構成とすると、軸受装置が軽量化され、軸受装置によって支持される回転体の高速駆動が可能となる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数を近似させることで、回転トルクを安定させることができる。すなわち、従来の軸受装置は、ボールベアリングの線膨張係数である12.6×10−6に対して30%以上大きい16.4×10−6の線膨張係数を有するSUS−304をスリーブとして使用している。また、スリーブとしてSUS−430を使用したとしても、その線膨張係数が10.4×10−6であるためマイナス17%以上の差を有するものとなる。このため、ボールベアリングの線膨張係数に対してマイナス15%〜プラス25%のものをスリーブとして採用すれば、従来に比べ温度変化に対する回転トルクの変化がより安定したものとなる。
また、軸受装置としては、スリーブと、このスリーブの中に組み込まれるボールベアリングとを備える軸受装置において、スリーブの材質を、ステンレス鋼より質量が軽くアルミニウムと同程度の質量となる、アルミニウムを50〜90重量%含みシリコンを9〜49重量%含むアルミシリコン合金とし、そのアルミシリコン合金の線膨張係数をAとし、ボールベアリングの線膨張係数をBとし、ボールベアリングの外輪の常温(20℃)での外径をZミクロンとしたとき、−1/(60×Z)≦A−B≦1/(20×Z)となるようにしてもよい。
この構成とすると、軸受装置が軽量化され、軸受装置によって支持される回転体の高速駆動が可能となる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数を近似させ、両者の広がりの差を本発明の構成とすることで、回転トルクを確実に安定させることができる。
また、軸受装置としては、スリーブと、このスリーブの中に組み込まれるボールベアリングとを備える軸受装置において、スリーブの材質を、ステンレス鋼より質量が軽くアルミニウムと同程度の質量となる、アルミニウムを50〜90重量%含みシリコンを9〜49重量%含むアルミシリコン合金とし、20℃のスリーブの内径に対する80℃の当該内径の広がり量をXミクロンとし、20℃のボールベアリングの外径に対する80℃の当該外径の広がり量をYミクロンとしたとき、−1≦X−Y≦3としてもよい。
この構成とすると、軸受装置が軽量化され、軸受装置によって支持される回転体の高速駆動が可能となる。また、スリーブとボールベアリングの線膨張係数を近似させ、両者の広がりの差を本発明の構成とすることで、回転トルクを安定させることができる。すなわち、一般的には、ボールベアリングをスリーブに軽圧入する際、半径で1ミクロン(μm)(直径で2ミクロン)の重なりを持つように設計し圧入する。なお、このアルミシリコン合金では、切削面を滑らかにでき、その値が直径で3ミクロンとなる。このような重なりがあっても、スリーブの弾性力によってボールベアリングの外形を変形させることはない。
このため、20℃から80℃への温度変化に対して、両者の広がりの差を−1ミクロンから3ミクロンとすると、常温(20℃)時に、半径1.5ミクロン(直径3ミクロン)の重なりで軽圧入したとしても、80℃では半径2ミクロンの重なり状態から重なりが全くない状態までの範囲となり、ボールベアリングの真円度を悪化させることはない。
また、仮に±0の精度にてボールベアリングが組み込まれたときであっても、80℃では、半径で0.5ミクロンの重なり状態から最大で半径1.5ミクロンの隙間の状態が発生するに過ぎない。0.5ミクロンの重なりはスリーブの弾性力によってカバーできる範囲である。また、半径1.5ミクロンの隙間が生ずる場合、その隙間に接着剤が入り込み、その後、硬化した後、スリーブが元の径に戻ったとしても軽圧入時の半径1.5ミクロンの重なり状態と同様の圧力のみであり、スリーブの弾性力によってボールベアリングの外径は変化しない。
さらに、軸受装置としては、アルミシリコン合金は、その線膨張係数が0℃〜100℃の範囲の測定で11×10−6〜15×10−6となるものとしてもよい。この構成を採用すると、スリーブの膨張は、SUS−304より小さくなり、SUS−430より大きくなる。このため、ボールベアリングとして、この間の線膨張係数を持つ適切なものを選択採用することができる。
また、軸受装置としては、ボールベアリングは、外輪と、内輪と、外輪および内輪の間にはさみ込まれる複数の鋼球とを有し、外輪の線膨張係数はスリーブの線膨張係数より小さいものとしてもよい。ボールベアリングを外輪と内輪と複数の鋼球からなる通常の玉軸受とすると、低価格な市販のボールベアリングを採用でき、軸受装置を低価格化することができる。なお、ボールベアリングとしては、外輪が無く、内輪と鋼球のみのものとしたり、内輪が無く、外輪と鋼球のみのものとしても良い。外輪が無いボールベアリングの場合の外径は、組み込まれた鋼球がスリーブに当接する部分の径を指すこととなる。
また、軸受装置の例としては、ボールベアリングにシャフトを挿入し、このシャフトは線膨張係数がスリーブの線膨張係数より小さいものとするのが好ましい。シャフトをこの構成とすると、高温になった時、ボールベアリングの外輪または外輪に相当する部分に与圧が加わり、ボールベアリングの径が大きくなることによる与圧低下を補うこととなる。このため、ピボットアッシーとしてのオリジナルな共振点が下がることはない。
以上のように、本発明では、高速駆動およびフリクショントルク(回転トルク)の安定を可能とするスイングアーム用ブロックを得ることができる。また、他の発明では、スイングアームのシークタイムの高速化および装置の高TPI化を可能とするディスク駆動装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るディスク駆動装置の構造を示す図で、カバーを取り外した状態の平面図である。 図2は、図1のディスク駆動装置に使用されているスイングアーム組中のスイングアーム用ブロックを示す斜視図である。 図3は、図1のディスク駆動装置に使用されているスイングアーム組中のピボットアッシーを示す断面図である。 図4は、図1のディスク駆動装置のスリーブとスイングアーム用ブロックに使用されているアルミシリコン合金を得るための製造方法のステップを示す図である。 図5は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシーのボールベアリングに加えられる与圧を示す図で、(A)は組み込み時の状態を説明する図で、(B)はベイキング処理時の状態を説明する図である。 図6は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理前とベイキング処理後の常温でのリゾナンスの平均値を示すグラフである。 図7は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理前とベイキング処理後の常温でのリゾナンスのバラツキを示すグラフである。 図8は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理後の温度変化に対するリゾナンスの平均値の変化を示すグラフである。 図9は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理後の温度変化に対するリゾナンスのバラツキの変化を示すグラフである。 図10は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理前とベイキング処理後の常温でのピークトルクの平均値を示すグラフである。 図11は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理前とベイキング処理後の常温でのピークトルクのバラツキを示すグラフである。 図12は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理前とベイキング処理後の常温での平均トルクの平均値を示すグラフである。 図13は、図1のディスク駆動装置に使用されているピボットアッシー(本発明のピボットアッシー)と、アルミ合金(A6061)をスリーブに使用したピボットアッシー(比較例のピボットアッシー)のベイキング処理前とベイキング処理後の常温での平均トルクのバラツキを示すグラフである。 図14は、図1に示すディスク駆動装置に採用されるアームアッセイの他の例を示す部分断面図である。 図15は、図1に示すディスク駆動装置に採用されるスリーブの他の例を示す図で、(A)は(B)のA−A線断面図で、(B)は平面図で、(C)は斜視図である。 図16は、図15のスリーブを製造する際に使用する治具で、(A)は有底円筒形治具の斜視図で、(B)は、有底円筒形治具に挿入される柱状治具の斜視図で、(C)は、柱状治具に被せられる押さえ治具の斜視図である。 図17は、図15のスリーブを製造する際における、2つの工程の状態を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態に係るスイングアーム用ブロックおよびディスク駆動装置について、図面を参照しながら説明する。なお、ディスク駆動装置に関しては、スイングアームおよびその周辺を主として説明し、ディスクを駆動するスピンドルモータ部分、スピンドルモータやそのヘッド部分等を制御する制御回路等の回路部分および他の機構部分は、従来のディスク装置と同様であり、その説明を省略または簡略化する。
図1は、本実施の形態に係るディスク駆動装置としてのHDDの概略構成を示す平面図で、図2は、本実施の形態に係るスイングアーム用ブロックを示す斜視図である。図3は、スイングアーム用ブロックに組み込まれるピボットアッシーを示す断面図である。
HDD1は、ヘッド・ロード・アンロード型の磁気ディスク駆動装置である。HDD1は、箱形のアルミニウム合金製のベース2の開放側をカバー(図示省略)で覆うことによりディスク・エンクロージャを形成する。ベース2の中央に、ハブイン構造のスピンドルモータ(図示省略)が設けられている。このスピンドルモータのハブの上面には、ガラス基板またはアルミニウム基板からなる磁気ディスク3がクランプ4で固定されている。この磁気ディスク3は、スピンドルモータのスピンドル5によって、図1で反時計回りに回転駆動される。
磁気ディスク3は、データを記憶するディスク状の記憶媒体である。データの記憶は、ガラスまたはアルミニウム基板上に形成された磁気薄膜(図示省略)によってなされる。ベース2内には、磁気ディスク3に記録された情報を読み取ったり、新たな情報を磁気ディスク3に書き込むためのスイングアーム組6が設けられている。
このスイングアーム組6は、機能的にはスイングアームと軸受装置(図3に示すピボットアッシー8)から構成されている。スイングアーム組6の主たる部分を構成するヘッドアッセイは、磁気ヘッド等が取り付けられていないアームアッセイと磁気ヘッド等の取付部材から構成される。アームアッセイは、図2に示すスイングアーム用ブロック(E−ブロックともいう。)7と、図3に示すピボットアッシー8とで構成される。
スイングアーム組6は、揺動軸部としてのピボット軸ホルダとなる円筒部11と、円筒部11の側面に取り付けられたVCM(ボイス・コイル・モータ)用のコイル12と、円筒部11を中心にしてコイル12の反対の所定位置に取り付けられたアーム部13,14と、アーム部13,14の先端部に取り付けられたサスペンション・アーム15と、サスペンション・アーム15の先端部に取り付けられた磁気ヘッド16と、ピボットアッシー8とを備えている。なお、この実施の形態では、2本のアーム部13,14が示されているが、アーム部としては1つまたは3本以上のものを採用しても良い。
アームアッセイを構成するスイングアーム用ブロック7は、図2に示すように、ピボット軸ホルダとなる円筒部11と、コイル12が取り付けられるコイル保持部17と、アーム部13,14が一体成形されている。この実施の形態では、後述するアルミシリコン合金を材料とし、焼結で一体成形した後、鍛造等により押し固めている。円筒部11の中心には、図3に示すピボットアッシー8が組み込まれる貫通孔となる軸孔18が設けられている。
アームアッセイを構成するピボットアッシー8は、図3に示すように、ベース2に固定されるシャフト21と、外輪22と内輪23と両輪22,23の間にはさまれた複数の鋼球24からなる円筒状の一対のボールベアリング25,26と、ボールベアリング25,26が嵌合される円筒状のスリーブ27とから構成されている。なお、このボールベアリング25,26は、いわゆる玉軸受と呼ばれる軸受である。
シャフト21は、ステンレス鋼のSUS−400系、具体的はSUS−430から形成されている。SUS−430は、鉄を主成分とし、クロム(Cr)を化学成分で16〜18%含有し、C、Si、Mg等を適宜、微量含むものである。SUS−430は、線膨張係数が10.4×10−6で、常温での密度が7.70g/cmで、熱伝導率が0.26×10(W/m℃)となる性質を有する。
ボールベアリング25,26を構成する外輪22、内輪23、鋼球24は、それぞれ鉄鋼材料の一種である高炭素クロム軸受鋼材で形成され、その密度が7.9g/cm程度で、その線膨張係数は12.6×10−6となっている。スリーブ27は、次に述べるアルミシリコン合金で形成され、先に述べたスイングアーム用ブロックの本体部分を形成するアルミシリコン合金と同一材料で形成されている。
このアルミシリコン合金は、Al(アルミニウム)が67〜68重量%で、Si(シリコン)が30重量%で、Cuその他が2〜3重量%のアルミシリコン合金とされ、熱処理が施されたものである。熱処理としては、種々なものが採用できるが、この実施の形態では、T6処理のものとT1処理のものとを採用している。T6処理とは、溶体化処理、すなわちほとんど溶ける直前にまで温度を上げてから急冷する処理(焼き入れ処理)をし、その後、人工時効硬化処理、すなわち特定の時間、温度をかけ続け、ゆっくりと冷ます処理(焼きもどし処理)を行う処理のことを指す。また、T1処理とは、高温加工から冷却した後、常温で時効硬化させる処理のことをいう。
このアルミシリコン合金の密度は、2.6g/cmで、A6061等の従来から知られているアルミ合金の2.7g/cmよりわずかに軽いものとなっている。また線膨張係数は、T6処理の場合、0℃〜100℃範囲の測定で、14×10−6となり、そのうち40℃〜100℃の範囲の測定で、14.7×10−6となり、100℃〜200℃の範囲の測定で、16.0×10−6となり、200℃〜300℃の範囲の測定で、17.6×10−6となり、300℃〜400℃の範囲の測定で、19.0×10−6となる。また、T1処理の場合、0℃〜100℃の範囲の測定で、13.2×10−6となり、40℃〜100℃の範囲での測定で、13.6×10−6となり、100℃〜200℃の範囲の測定で、15.7×10−6となり、200℃〜300℃の範囲の測定で、16.6×10−6となり、300℃〜400℃の範囲の測定で18.7×10−6となる。これらの測定中、40℃〜400℃の範囲については、示差膨張測定によって、室温から400℃の範囲で、昇温速度は毎分10℃で、窒素気流中という条件で行ったものである。
このように、このアルミシリコン合金は、その線膨張係数が、温度が高くなるほど、その値が高くなる(40℃〜400℃の範囲では、T6処理の場合、平均すると、10℃当たり、約0.15×10−6の割合で、T1処理の場合、10℃当たり、約0.15〜0.18×10−6の割合で高くなる)ような性質を有するものである。この線膨張係数は、測定誤差や含有金属割合のわずかな変更等を考慮すると、ボールベアリング25,26側との関係では、0℃〜100℃の範囲の測定で、14×10−6や13.2×10−6とせず、小さい方をSUS−430と同等の10.4×10−6とし、大きい方をアルミニウム(A6061)の23.6×10−6より若干低い21×10−6とし、この範囲となるようにしたり、11×10−6〜15×10−6としたりしても良い。なお、最も好ましくは14×10−6の±5%以内とするのが良い。また、100℃付近では、T6処理の場合15.3×10−6とせず、やはり12×10−6〜16.5×10−6以内の範囲とし、好ましくは15.3×10−6の±5%以内とするのが良い。
また、その材料配分としては、Alが60〜90重量%で、Siが9〜39重量%で、Cuその他が1〜5重量%としても、十分従来のアルミ合金と異なる特性を持ち、本発明中のスリーブ27やスイングアーム用ブロック7の特性を向上させる。なお、実験結果から判断すると、好ましくは、Alが65〜69重量%で、Siが28〜32重量%で、Cuその他が1〜5重量%の範囲とするのが良い。このように、アルミシリコン合金の線膨張係数を、0℃〜100℃の範囲の測定で、10.4×10−6〜21×10−6の範囲としたり、11×10−6〜15×10−6の範囲としたり、14×10−6の±5%以内とするには、珪素(Si)の含有量やCuその他のものの含有量によって調節することができる。
このように、スリーブ27やスイングアーム用ブロック7の本外部分は、上述のような線膨張係数を有する、新たに開発されたアルミシリコン合金とされている。その硬さは、ボールベアリング25,26よりやわらかなものとされ、その硬度はビッカース硬さで約114〜165〔kg/mm〕とされている。なお、硬度も、熱処理の方法、条件によって変動するもので、装置として求められる値をこの範囲(ビッカース硬さ114〜165〔kg/mm〕)から適宜得ることができる。スリーブ27がボールベアリング25,26(一般的に、ビッカース硬度で、300〔kg/mm〕程度とされている)よりやわらかなものとされているため、ボールベアリング25,26にクリープ現象が生じない。
スリーブ27は、後述する製造方法に基づき押し出し部材として形成された後、内面と外面が切削されスリーブ27の形状とされる。その後、または切削前に、T6またはT1による熱処理が施される。スイングアーム用ブロック7は、押し出し部材から形成しても良いが、この実施の形態では、アルミ粉とシリコン粉とを混合し、所定の形状となるように焼結して固める。その後、鍛造等により押し固め、密度を高めることで、スイングアーム用ブロック7を得る。このアルミシリコン合金の場合、切削によりアルミニウム(A6061)に比べ、その内面が極めてなめらかとなり、先に示した圧入代(重複部分)は、半径で1.5ミクロン、直径で3ミクロンを取ることができる。
なお、熱処理を施さない押し出し部材のままの場合は、ビッカース硬さで114〔kg/mm〕で、熱処理を施すことで得られるスリーブ27等は、ビッカース硬さで165〔kg/mm〕となっている。熱処理の方法を変えることで、さらに若干は硬さを高くすることができる。このスリーブ27は、押し出し部材を熱間鍛造で所定の形状とし、その後に切削や熱処理を加えている。
この実施の形態のピボットアッシー8の円柱状のシャフト21は、常温(20℃)でその直径Φ1が6mmとされ、スリーブ27から飛び出た一方側にベース2に固定するための固定部31と、ボールベアリング26の内輪23に与圧をかけるためのはかま部32とが設けられている。シャフト21の他方側には、その中心軸に沿ってねじ穴33が設けられ、平なカバーをねじによって取り付けることでボールベアリング25,26をはさみ込み可能としている。シャフト21の中央部分の外周面には、2つの円形状の凹部34,35が設けられ、その凹部33,34内に嫌気性かつ熱硬化性の接着剤36が注入されている。
ボールベアリング25の外径、すなわち外輪22の直径(外径)Φ2は、常温(20℃)で8.5mmとされている。スリーブ27の外径Φ3は、常温(20℃)で11mmとされ、軸方向長さL1は、常温で12mmとされている。スリーブ27の内面中央には、中心側に突出した円筒状の突部37が設けられ、その突部37によって形成される両側の段部に各ボールベアリング25,26の外輪22の軸方向端面が当接している。
ボールベアリング25,26の各内輪23,23とシャフト21とは、上述した嫌気性熱硬化性の接着剤36にて固定されている。スリーブ27の内周面と各外輪22との間にも嫌気性で熱硬化性の接着剤が入り込んでおり、スリーブ27と各外輪22,22とが確実に固定されている。また、円筒部11の軸孔18に嵌るスリーブ27の外周面と軸孔18の内周面との間にも、嫌気性熱硬化性の接着剤が注入され、スイングアーム用ブロック7とスリーブ27とは、その接着剤等にて固定されている。
したがって、コイル12に通電すると、VCM用のコイル12とVCM(ボイス・コイル・モータ)ステータとによって、スイングアーム組6のスイングアームはシャフト21を中心として揺動運動をする。なお、VCM用のコイル12とVCMステータとによって、VCMを構成する。ベース2の外面(下面)には、回路基板(図示省略)が取り付けられ、この回路基板とスピンドルモータとの間でモータ駆動用の電力、信号等の入出力が行われる。回路基板とスイングアーム組6との間では、コイル12への通電や磁気ヘッド16のリード・ライト等のための通電や制御信号の入出力が行われる。
このヘッド・ロード・アンロード型のHDD1は、非動作時にブロック37にスイングアーム組6のスイングアームを保持することにより、磁気ヘッド16を磁気ディスク3の表面に接触させずに退避位置にアンロードするものである。動作時には、スイングアーム組6が駆動することにより、磁気ヘッド16は磁気ディスク3上をシークする。
このようなHDD1に使用されるスイングアーム用ブロック7やスリーブ27の材料として用いられるアルミシリコン合金は、図4に示すような製造方法により作られる。すなわち、まずアトマイズ法によってアルミ合金の急冷凝固粉末を製造する(ステップS51)。アトマイズ法としては、ガスアトマイズ法、超音波ガスアトマイズ法等が採用される。
この急冷凝固粉末は、アルミニウムとケイ素とからなる合金の溶湯をタンディッシュ(底に穴を有する容器)から流出させると同時に、その溶湯流に噴霧媒(気体あるいは液体)のジェットを衝突させ、その溶湯が飛散して微細な液滴となった後に熱を奪われることで凝固して形成される。この粉末粒は、たとえば、2μm程度の径の多数のシリコンを含む100μm程度の径のものとされる。
その後、セラミックスと特殊合金粉末からなる添加物を添加し(ステップS52)、最終材料が、Alが67〜68重量%で、Siが30重量%で、Cu(銅)その他が2〜3重量%となるように、急冷凝固粉末と混合する。そして、熱間プレスによってビレット状の圧粉体を得る(ステップS53)。その後、真空中あるいは非酸化性雰囲気中で加熱して粉末の各表面に吸着している酸化物や非酸化物を吸着した水分などを除去する脱ガス処理を行う(ステップS54)。次に、熱間押出しを行う(ステップS55)ことで、押出材が得られる。この押出材を加工してスリーブ27やスイングアーム用ブロック7を形成する。この後、適宜、熱処理を行う。なお、スリーブ27やスイングアーム用ブロック7を上述の押し出しではなく、焼結によって形成するようにしたり、インジェクションやゾルゲル法等の他の製造方法によって作成するようにしても良い。
得られるアルミシリコン合金の線膨張係数は、珪素(Si)の含有率によって変化する。この実施の形態では、珪素が30重量%含有されており、0℃〜100℃の範囲の測定で、約14×10−6または13.2×10−6の線膨張係数を有している。珪素の含有率をさらに高めていくと、線膨張係数は、比例的に低下していき、珪素の含有率が約36%となると、T6処理の場合、約13×10−6の線膨張係数となり、珪素の含有率が約44〜48%となると、約10×10−6の線膨張係数(これはSUS−400系の線膨張係数と同程度)となる。なお、珪素のみを変化させるのではなく、珪素にニッケルをまぜ、この珪素とニッケルの合計量を30重量%から徐々に上げていくようにして、線膨張率を下げるようにしても良い。
次に、スイングアーム組6の製造方法について説明する。
ステンレス鋼であるSUS−430の棒材の外周面を切削し、シャフト21を製作する。また上述したアルミシリコン合金の押出材からスリーブ27を作成する。スリーブ27に、ボールベアリング25,26を常温(20℃)にてそれぞれ軽圧入する。このとき、スリーブ27の内周面と外輪22の外周面には、事前に嫌気性で熱硬化性の接着剤が施されている。また、ボールベアリング25,26の各外輪22の直径Φ2は、スリーブ27の対応する内径に比べ2ミクロン(μm)程度、最高で3ミクロン大きくされている。しかし、スリーブ27の弾性力によってスリーブ27が広がるため、外輪22は変形しない。
このスリーブ27の弾性力が存在するため、ベイキング処理による温度変化によってスリーブ27の内面の径が広がりすぎ、外輪22との間に隙間が生じる状態に近づいたとしても、径方向で半径1ミクロン以内の両者の伸び量の差によっては隙間が生じないこととなる。ベイキング処理とは、次のような熱処理のことを言う。すなわち、組み立て時に使用した嫌気性熱硬化性の接着剤は、そのまま(常温のまま)ではアウトガスが発生してきて装置に問題を生じさせるのであるが、熱処理(80℃まで温度を上げる処理)をすることで、接着剤を完全に硬化させ、そのアウトガスの発生を防止するために行う処理のことを言う。
この実施の形態では、ボールベアリング25,26の外輪22の常温での外径Φ2が8.5mmであるので、80℃では、その外径は、6.426ミクロン(=8.5mm×60×12.6×10−6)増大する。一方、T6処理を施したアルミシリコン合金からなるスリーブ27の対応する内径は、80℃では、20℃に比べ7.14ミクロン(=8.5mm×60×14×10−6)増加する。この結果、80℃では、両者間では、0.714ミクロン(=半径では0.357ミクロン)だけ広がることとなる。しかし、上述したように、ボールベアリング25,26は、20℃の状態ではスリーブ27に対して半径1ミクロンの重なりをもって軽圧入されているので、80℃となってもボールベアリング25,26の外輪22とスリーブ27との間に隙間は生じない。このため、隙間内に接着剤が侵入し硬化することによる弊害、すなわち外輪22の真円度が悪化するという弊害は生じない。なお、最高で、直径3ミクロンの重なりを持たせて軽圧入しても良いが、この場合も、当然のことながら隙間は生じない。
なお、実際には、すべての機械加工部品は、必ず加工公差を持っている。このため、半径で1ミクロンの重なりをもって軽圧入されず、プラスマイナス零、すなわちボールベアリング25,26の外輪22の外径とスリーブ27の内径とが全く同一長とされて嵌合される場合が発生する。このような場合、直径で0.714ミクロンの隙間が生ずることとなり、この隙間が広がる際に接着剤は硬化しつつこの隙間に侵入する。
隙間に侵入した接着剤は、80℃のベイキング処理によって完全に硬化する。この後、20℃に戻ると、スリーブ27は元に戻ろうとするが、隙間に入り込み硬化した接着剤が存在するため、隙間が零とはならない。しかも、このとき、硬化した接着剤によって外輪22が中心側に強く押されることとなる。しかし、上述したように、スリーブ27に存在する弾性力によって隙間内の接着剤分の径拡大は吸収されることとなり、ボールベアリング25,26の外輪22の真円度は悪化しない。
なお、外輪22の真円度が悪化すると、回転トルク(フリクショントルク)が不安定となり、スイングアーム組6の駆動電流が大きく変化してしまう。また、ボールベアリング25,26とスリーブ27とシャフト21とからなる軸受装置のオリジナルな共振点も、本来ならアルミシリコン合金の採用による軽量化によって向上するはずであるが、期待どおりには向上しないこととなる。
スリーブ27にボールベアリング25,26を嵌合させた後、シャフト21を組み込み、ピボットアッシー8を完成させる。シャフト21を組み込む前にシャフト21の凹部34,35に嫌気性で熱硬化性の接着剤36を注入しておく。接着剤36としては、上述した嫌気性の接着剤が好ましいが、他の性質の接着剤としても良い。
この実施の形態のピボットアッシー8は、そのオリジナルな共振点が高いものとなる。この点について、以下に説明する。
ピボットアッシー8のボールベアリング25,26に加わる与圧は、当初は、図5(A)の矢印のように与えられることとなる。すなわち、シャフト21のはかま部32によりボールベアリング26の内輪23が図で上方に向く矢印のように上方に向けて与圧がかけられる。ボールベアリング25については、シャフト21を組み込む時に、内輪23に図で下方に向く矢印のように下方に向けて与圧がかけられる。各ボールベアリング25,26の各外輪22,22は、突部37の存在により、位置保持されるため、各内輪23,23に加えられる与圧を受け止めることとなり、ボールベアリング25,26には、図5(A)の矢印で示される与圧が十分付加されることとなる。
このような状態で、周囲温度が上昇すると、ボールベアリング25,26の内輪22、外輪23は、それぞれ径が拡大するが、各直径の違いによって鋼球24がはさみ込まれている空間が広がることとなる。このため、ボールベアリング25,26に加わる与圧が減少し、共振点が下がることとなる。共振点が下がることとなれば、アルミシリコン合金のスリーブ27の使用によって重量の軽量化を図り共振点を上げる、とする努力が相殺されてしまう。
この実施の形態のピボットアッシー8は、シャフト21の材質をスリーブ27の線膨張係数より小さい値を持つものとし、この与圧の減少を防止している。すなわち、シャフト21をステンレス鋼のSUS−430としている。SUS−430の線膨張係数は常温で10.4×10−6であり、アルミシリコン合金の14×10−6より小さいものとなっている。
このように線膨張係数がスリーブ27より小さいシャフト21を使用すると、何故、高温となっても与圧が減少しないかについて、図5(B)に基づいて説明する。
ベイキング処理によって温度が上昇すると、上述したようにボールベアリング25,26の各径が図5(B)の水平方向の矢示のように広がる。この広がりによって上述したように与圧は下がる傾向となる。一方、これと共にシャフト21もスリーブ27も、共に軸方向に伸びる。このとき、シャフト21の線膨張係数がスリーブ27の値より小さいので、相対的にはスリーブ27側のみが軸方向に伸び、図5(B)の垂直方向の矢示に示すような力が外輪22に加わる。この外輪22に加わる力は、与圧の付加力となり、ボールベアリング25,26の径拡大による与圧力の減少を防止する。
このように、この実施の形態のピボットアッシー8は、温度が上昇してもボールベアリング25,26の与圧力が減少しない。このため、ステンレス鋼の1/3程度の軽さのアルミシリコン合金の使用による軽量化によってオリジナルな共振点が高くなる効果を、このピボットアッシー8はそのまま維持することができる。
この実施の形態のピボットアッシー8、すなわち上述したT6処理またはT1処理を施したアルミシリコン合金でスリーブ27を形成した場合のリゾナンスおよび回転トルクと、スリーブとしてアルミ合金であるA6061を使用したピボットアッシーの場合のリゾナンスおよび回転トルクとを比較したグラフを、図6から図13に示す。各図に見られるように、両者は、共に軽量化がなされ、スリーブがステンレス鋼のもののリゾナンス(7KHz)に比べ両者のリゾナンスは共に高くなっている。しかし、両者は、その良さの程度に大きな差が出ている。ここで図6から図9は、リゾナンスについて示すものであり、図10から図13は、回転トルク(フリクショントルク)について示すものである。
図6と図7は、20℃(常温)での結果を示すものである。縦軸はKHzを示し、横軸の「Bef bake」とはベイキング処理を行う前のものを指し、「Aft bake」とはベイキング処理を施した後のものを指す。
常温においては、図6に示すように、本発明で使用されるアルミシリコン合金のスリーブ27を採用したピボットアッシー8(以下、本発明のピボットアッシーとも言う。)の方が、アルミ合金のA6061をスリーブに使用したピボットアッシー(以下、比較例のピボットアッシーとも言う。)に比べ、リゾナンスの値の平均値は大きく、図7の標準偏差(1シグマ)の値に示されるように、バラツキは小さくなる。特に、図7に示すように、ベイキング処理後のバラツキに大きな違いが生じている。これは、シャフト21やスリーブ27とボールベアリング25,26との線膨張係数の差がA6061の場合の線膨張係数の差に比べ小さいので、80℃でのベイキング処理時にアルミシリコン合金の方がより安定した状態で接着剤が乾燥したためと推定される。
なお、ベイキング処理前にも本発明のピボットアッシーの方がリゾナンスの平均値が高いのは、本発明のアルミシリコン合金の方がアルミA6061に比べ軽量(密度が小さい)ためであると推定される。また、本発明のピボットアッシーの方がベイキング処理前にもバラツキが小さいのは、本発明のアルミシリコン合金の線膨張係数がアルミA6061に比べ半分程度であることが原因と推定される。
ベイキング処理した後の本発明のピボットアッシーとベイキング処理した後の比較例のピボットアッシーを共に温度を振って測定した結果が図8、図9であり、縦軸がKHzを、横軸が温度を示している。なお、この図8、図9は、図6、図7に示される各ピボットアッシーとロットが異なるものであるため、図6、図7と、図8、図9の各数値は互いに関連しない。しかし、この図8、図9に示されるように、異なるロットのものであっても、本発明のピボットアッシーの方が全ての温度に亘ってリゾナンスの平均値が高く、バラツキは小さいものとなっている。
なお、バラツキに関しては、図9に示すように、温度が上昇するとその差は小さくなる。これは、高温時におけるリゾナンスへの影響は、シャフトやスリーブの材質以外の要因、たとえば接着剤の軟化があるためと推定される。また、図6〜図9で示されているデータでは、過去にHDDメーカーがピポットアッシーに要求していた7KHz以上のリゾナンスを完全にクリアしているばかりではなく、常温では9KHz程度となり、ステンレス鋼の場合の7KHzに比べ2KHz以上も高いものとなっている。
回転トルク(フリクショントルク)については、図10,図11にピークトルクの状況を、図12、図13に平均トルクの状況をそれぞれ示す。各図で縦軸はg.cmの単位であり、横軸は上述した「Befbake」と「Aft bake」となっている。また、各データは、常温(20℃)でのものである。
図10,図11に示されるように、ピークトルクの平均値もピークトルクのバラツキ(1シグマの標準偏差)も共に、ベイキング処理前は本発明のピボットアッシーも比較例のピボットアッシーも同一値であるが、ベイキング処理後は、本発明のピボットアッシーの方がピークトルクの平均値が低く、ピークトルクのバラツキが小さくなっている。
図12,図13に示されるように、平均トルクの平均値も平均トルクのバラツキも共に、ベイキング処理前は、本発明のピボットアッシーも比較例のピボットアッシーも同一値または近似値であるが、ベイキング処理後は、本発明のピボットアッシーの方が平均トルクの平均値が低く、平均トルクのバラツキが小さくなっている。
図3に示すピボットアッシー8は、上述のような特性を有する。すなわち、スリーブ27の部分がステンレス鋼に比べ大幅に軽いため、回転イナーシャが従来(ステンレス鋼)に比べ大幅に削減される。また、アルミ合金のA6061に比べても軽くなる。このため、シークタイムの高速化に有利となる。また、高リゾナンス化でき、スイングアームの応答速度を高くしても共振現象は生じない。さらに、回転トルク(フリクショントルク)が安定すると共に、その変化が小さくなるので高TPI化が可能となる。
このような特性を有するピボットアッシー8をスイングアーム用ブロック7の軸孔18に嵌め込むことで、アームアッセイが完成する。両者の嵌合に当たっては、事前にスリーブ27の外周面と軸孔18の内周面にそれぞれ嫌気性で熱硬化性の接着剤を施す。スイングアーム用ブロック7の本体部分の主要部となる円筒部11とスリーブ27とは、同材質のアルミシリコン合金であるため、ベイキング処理や周囲温度の変化によって生ずることとなる上述したような接着剤が原因の問題は生じない。また、円筒部11、アーム部13,14、コイル保持部17が上述したアルミシリコン合金で一体成形されているため、スイングアーム用ブロックの本体部分が従来のアルミ合金であるA6061に比べわずかではあるが軽くなる。
以上のことから、ピボットアッシー8をスイングアーム用ブロック7に嵌合して組み立てたアームアッセイは、ピボットアッシー8を従来のA6061のアルミ合金を使用したスイングアーム用ブロックに嵌合したアームアッセイに比べ、シークタイムの高速化、高TPI化への対応で有利なものとなる。なお、ピボットアッシー8を従来のA6061のアルミ合金に嵌合したアームアッセイは、ステンレス鋼のスリーブを使用したピボットアッシーを従来のA6061のアルミ合金に嵌合した従来のアームアッセイに比べ、シークタイムの高速化、高TPI化への対応の面でかなりの効果を有するものとなる。これは、スリーブ27が上述したアルミシリコン合金とされているためである。
アームアッセイに磁気ヘッド16等が取り付けられ、ヘッドアッセイが完成する。その後、ベース2にヘッドアッセイが取り付けられ、スイングアーム組6となる。以上の製造方法(組み立て方法)によりスイングアーム組6が完成する。
ベース2には、スピンドルモータ等他の部材が取り付けられ、最後にベース2にカバーが取り付けられることで、HDD1が完成する。完成したHDD1の動作は、既述したとおりである。
このHDD1は、ピポットアッシー8のスリーブ27に上述したアルミシリコン合金を使用しているため、シークタイムの高速化、高TPI化への各対応に有利となり、高性能化すなわち、高速化、高容量化が達成される。また、HDD1は、スイングアーム用ブロック7の本体に上述したアルミシリコン合金を使用しているので、この点でも、シークタイムの高速化、高TPI化への各対応に有利となり、高性能化すなわち、高速化、高容量化が達成される。
このHDD1は、スリーブ27とスイングアーム用ブロック7の本体部分に上述したアルミシリコン合金を採用しているので、高性能化の程度は極めて高いものとなる。なお、スリーブ27またはスイングアーム用ブロック7のいずれか一方にのみアルミシリコン合金を採用したHDDとしても良い。このようにしても、上述したようにHDDの高性能化が達成される。
上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施可能である。
たとえば、図14に示すように、スリーブ27を無くし、スリーブ27に相当する部分にスイングアーム用のブロック7の円筒部11を配置するようにしても良い。この場合、上述した実施の形態におけるスリーブ27の外周面とスイングアーム用ブロック7の円筒部11の内周面との間の接着剤等による固定が不要となると共に、スリーブ27が不要となるので、さらに高精度、高速化が可能となり、アームアッセイとしては、より高性能なHDDへの採用が可能となる。また、HDDとしては、このようなアームアッセイを採用すると、一層の高速化や高容量化が可能となる。
また、スリーブを、図15に示すスリーブ27Aとしても良い。このスリーブ27Aは、中央の突部37Aが3分割されたものとなっている。スリーブ27Aは、図16に示す3つの金型(治具)を利用して形成される。図16(A)は、有底円筒形治具41で、図16(B)は、有底円筒形治具41に挿入される柱状治具42で、図16(C)は、柱状治具42に被せられる押さえ治具43である。
スリーブ27Aを製造するには、まず、有底円筒形治具41の中に、柱状治具42を入れ、その後、アルミ粉とシリコン粉(両者の混合体を符号44で示す)を、有底円筒形治具41の残りの空間内に入れる。図17(A)にその状態を示す。その後、押さえ治具43を、混合体44を押さえつけながら(つぶしながら)柱状治具42に被せると共に、治具45にて他の部分を押さえつける。このとき、押さえ治具43の3つの柱状部43aを柱状治具42の3つの柱状切り欠き部42aにそれぞれ嵌合させる。このつぶされた部分がスリーブ27Aの突部37Aとなる。
このように、有底円筒形治具41の開口部を治具45にて塞ぎながら、かつ押さえ治具43を柱状治具42に被せた状態で、焼結する。この焼結状態を図17(B)に示す。このアルミとシリコンが混ざった焼結体を符号46として示す。その後、各治具41,42,43,45を取り外し、焼結体46を取り出す。この焼結体46がスリーブ27Aとなる。
このスリーブ27Aは、柱状治具42によって、ボールベアリング25,26を嵌合させる空間の同軸性が精度良く形成される。なお、スリーブ27は、スリーブ形状を形成した後、スリーブ27の内周面の同軸性を出すため、内周面を削っていたが、このスリーブ27Aでは、内周面の削りだしが不要となる。突部37Aは、3つではなく、2つとしたり、4つ以上としても良い。突部37Aを4つ以上とするためには、押さえ治具43の柱状部43aを4つ以上とし、柱状治具42の柱状切り欠き部42aを4つ以上とする必要がある。なお、上述した焼結工法は、図14のようなスリーブ27に相当する部分にブロック7の円筒部11を配置したアームアッセイの製造にも展開できる。
また、上述の実施の形態では、スリーブ27等に使用されるアルミシリコン合金の密度を20℃で約2.6g/cmのものを採用したが、その密度は2.52〜2.66g/cmであればスリーブ27等が従来に比べ相当軽くなり、軽量化による効果をアルミ合金であるA6061よりも有するものとなる。また、この密度を得るには、シリコンの密度が2.33g/cmであるので、アルミニウムを50〜90重量%の範囲とし、シリコンを9〜49重量%と範囲とすれば容易に達成可能である。ただし、アルミニウムとシリコンの配合としては、アルミニウムが65〜69重量%で、シリコンが28〜32重量%とするのが好ましい。なお、密度は、アルミニウムとシリコン以外のわずかに含まれる金属の種類と量によって微妙に変化する。このため、微量に添加する金属材料を非常に重いものとした場合は、密度としては2.5〜2.8g/cmの範囲となるようにすることもできる。
また、上述の実施の形態では、20℃のスリーブ27の内径に対する80℃の当該内径の広がり量をXミクロンとし、20℃のボールベアリング25,26の外径Φ2に対する80℃の当該外径の広がり量をYミクロンとすると、X−Y=0.714ミクロンとなる例を示したが、軽圧入の重複量(半径で1ミクロン)を考えると、X−Y≦2ミクロンとすれば良い。また、スリーブ27の内面の切削精度の向上を考慮すると、X−Y≦3ミクロンとするのが好ましい。
また、軽圧入の際の平均の重複量を1ミクロン(半径で0.5ミクロン)程度とすると、X−Y≧−1ミクロンとすると、半径0.5ミクロンの重複で軽圧入が行われたときの締めつけによる程度は半径で1.5ミクロンとなり、軽圧入の際の最大許容される重複量である半径1.5ミクロンと同等となり、真円度の維持が図られる。また、スリーブ27の内径と外輪22の外径とを全く同一にし、軽圧入しない場合でも、ベイキング処理時に隙間が生じないこととなるので接着剤による問題が生ぜず、しかもスリーブ27とボールベアリング25,26の嵌合が容易となる利点も生ずる。
また、上述の実施の形態では、ボールベアリング25,26の線膨張係数に対し、アルミシリコン合金の線膨張係数は、約11%大きいものとなっているが、ボールベアリングの線膨張係数に対し、−15〜+25%の線膨張係数を有するアルミシリコン合金としても良い。このように、ボールベアリングの線膨張係数に近似な値のものを採用すると、接着剤の硬化による問題が生じにくくなり、回転トルクや共振点の面で効果を有するものとなる。
なお、線膨張係数が12.6×10−6の−(マイナス)15%の場合は、10.7×10−6となり、+(プラス)25%の場合は、15.7×10−6となり、上限はSUS−300系より小さくなり、下限はSUS−400系と略同等となる。ボールベアリング25,26を使用してSUS−400系より良くしたい場合は、下限としては、−12%とするのが良い。この線膨張係数の値は、アルミニウムとシリコンの混合比や付加する微量の金属材料によって変化させることができ、必要とする線膨張係数を適宜得ることができる。
また、アルミシリコン合金の線膨張係数を、上述の実施の形態では、0℃から100℃で14×10−6±5%以内としたが、アルミシリコン合金の線膨張係数は、0℃〜100℃の温度範囲で、11×10−6〜15×10−6の範囲であれば、上述したように従来に比べ相当な効果を有するものとなる。また、上述の実施の形態では、アルミシリコン合金は、その線膨張係数が、温度が高くなるほど、その値が高くなる(10℃当たり、約0.15〜0.2×10−6の割合)ような性質を有するものとしたが、その高くなる割合を他の値としたり、温度が高くなるほどその変化値が大きくなるものとしても良い。また、アルミシリコン合金は、0℃〜100℃の範囲で、線膨張係数が一定値(約11×10−6〜15×10−6の範囲の特定値)となるものとしても良い。
また、シャフト21としては、SUS−400系(たとえばSUS−430)が好ましいが、与圧低下防止をそれ程考慮する必要が無い場合は、スリーブ27の線膨張係数より大きな線膨張係数を有するもの、たとえばSUS−300系、具体的にはSUS−304等であっても良い。
また、上述の実施の形態では、ボールベアリング25,26の外輪22の常温での外径Φ2を8.5mmのものとしたが、仮に5mmである場合、80℃では、その外径は、3.78ミクロン(=5.0mm×60×12.6×10−6)増大する。一方、アルミシリコン合金からなるスリーブ27の対応する内径は、80℃では20℃に比べ、T6処理では4.2ミクロン(=5.0mm×60×14×10−6)増加し、T1処理では3.96ミクロン(=5.0mm×60×13.2×10−6)増加する。この結果、80℃では、T6処理の場合、両者間では0.42ミクロン(=半径では0.21ミクロン)だけ広がり、T1処理の場合、両者間では0.18ミクロン(=半径では0.09ミクロン)だけ広がる。このように、外径Φ2が小さなものとなると、スリーブ27の内径とボールベアリング25,26の外輪22の外径との間での広がり量は、小さなものとなる。
このため、外径Φ2をZミクロンとすると、−1ミクロン≦Z×60×(A−B)≦3ミクロン(但し、Aはスリーブ27の線膨張係数で、Bは外輪22の線膨張係数)となるためには、−1/(60×Z)≦A−B≦1/(20×Z)となる。たとえば、Zが5mm(5×10ミクロン)であると、−3.33×10−6≦A−B≦10×10−6となる。このため、外輪22の線膨張係数が12.6×10−6とすると、スリーブ27の線膨張係数は9.3×10−6〜22.6×10−6となる。
なお、ボールベアリング25,26の外輪22の線膨張係数として、12.6×10−6の場合を示したが、11.5×10−6や12.3×10−6や、その他種々の線膨張係数のものが知られており、線膨張係数として、12.6×10−6以外のものを適宜採用することができる。
また、上述の実施の形態では、スリーブ27の線膨張係数が外輪22の線膨張係数より小さい場合を含むものとしたが、スリーブ27の加工性やボールベアリング25,26の真円度維持を考慮すると、スリーブ27の線膨張係数が外輪22の線膨張係数より大きい方、すなわちスリーブ27がボールベアリング25,26より柔らかい方が好ましい。よって、スリーブ27の線膨張係数をAとし、外輪22の線膨張係数をBとし、外輪22の常温での外径Φ2をZミクロンとすると、0<A−B≦1/(20×Z)となるようにするのが好ましい。また、より真円度の維持を考慮し、従来の2ミクロンの重複を考慮すると、0<A−B≦1/(30×Z)が好ましく、加工性や真円度の双方をさらに考慮すると、1/(120×Z)≦A−B≦1/(40×Z)が好ましい。
なお、上述の実施の形態では、スリーブ27の内周面と、ボールベアリング25,26の外輪22,22の外周面との間には、接着剤が施されていたが、この接着剤を無くしても良い。温度が変化しても、軽圧入状態や圧入状態を維持するような線膨張係数を、ボールベアリング25,26とスリーブ27に対して採用し、軽圧入または圧入させることで組み立てれば、接着剤を不要としても、両者の係合は維持される。具体的には、圧入の際の重合部分が1ミクロン程度で、温度が上昇してもその重合部分(圧入代)が存在しているような場合は、十分、両者の係合は維持される。
この実施の形態では、このように、接着剤を不要とできる効果も発生する。しかし、係合の確実性を期する際には、軽圧入や圧入だけで一応の係合がなされる場合であっても、接着剤をさらに塗布するようにしても良い。
上述の実施の形態では、アルミシリコン合金に含有される金属として、アルミニウムとシリコン以外の添加材料としては、Cu(銅)その他が2〜3重量%のものとしたが、添加材料としては、銅、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)等の中からいずれか1つ、または複数を適宜選択採用することができる。また、添加材料の重量%としては、1〜10重量%程度が好ましいが、実験データを考慮すると、アルミとシリコンの割合を増やし、添加材料を1〜5重量%の範囲とするのがさらに好ましい。また、4種類以上の微量の金属材料を添加すると、種々の特性が上がるため、総合的には、添加材料の重量%は、2〜4重量%が最も好ましいものとなる。
また、ボールベアリングとしては、一対(2個)ではなく、1個のみの場合にも本発明を適用することができる。さらに、ボールベアリングの外輪または内輪のいずれか一方が無いものの場合にも適用することができる。さらには、シャフト21が固定されるものではなく、スリーブ27の側が固定され、シャフト21側が回転するものにも本発明を適用できる。
また、上述の実施の形態では、ディスク駆動装置としてHDD1を示したが、MO駆動装置、DVD、CD駆動装置等の他のディスク駆動装置としても良い。また、軸受装置としては、HDD以外のディスク駆動装置、光走査(スキャナ)装置、HDD用や他の装置用のスピンドルモータ等に使用される軸受装置としても良い。
本発明では、高速駆動およびフリクショントルク(回転トルク)の安定を可能とするスイングアーム用ブロックを得ることができるため、HDD、MO駆動装置、DVD、CD駆動装置等のディスク駆動装置に用いると好適なものとなる。また、スイングアームのシークタイムの高速化および装置の高TPI化を可能とでき、高機能化させたディスク駆動装置を得ることができる。なお、上述した軸受装置は、高速駆動およびフリクショントルク(回転トルク)の安定が可能となり、HDD、HDD以外のディスク駆動装置、光走査(スキャナ)装置、ならびにHDD用や他の装置用のスピンドルモータ等に使用されることができる。
1 HDD(ディスク駆動装置)
2 ベース
3 磁気ディスク
7 スイングアーム用ブロック(アームアッセイの一部)
8 ピボットアッシー(アームアッセイの一部、軸受装置)
11 円筒部
12 コイル
13,14 アーム部
16 磁気ヘッド(ヘッド)
17 コイル保持部
18 軸孔
21 シャフト
22 外輪
23 内輪
25,26 ボールベアリング
27 スリーブ
37 突部

Claims (6)

  1. ディスク駆動装置に用いられるヘッドを取り付けるスイングアーム用ブロックにおいて、
    上記ヘッドが取り付けられるアーム部の根元に設けられる円筒部の軸孔に軸受装置を嵌合させ、
    この軸受装置は、内面中央に中心側に突出した突部が一体形成されているスリーブと、この突部の両側に形成される段部に外輪の軸方向端面が当接している2つのボールベアリングと、を備え、
    上記スリーブを熱処理したアルミシリコン合金とし、
    その材質を、アルミニウムを60〜90重量%含みシリコンを9〜39重量%含み、その他の金属材料を1〜5重量%含み、それらで合計100重量%となり、その密度が2.52〜2.66g/cmとなるものとし、
    そのアルミシリコン合金は、その線膨張係数が上記ボールベアリングの値に対してマイナス15%〜プラス25%のものであり、
    上記ボールベアリングに、上記スリーブの線膨張係数より小さいシャフトを挿入したことを特徴とするスイングアーム用ブロック。
  2. ディスク駆動装置に用いられるヘッドを取り付けるスイングアーム用ブロックにおいて、
    上記ヘッドが取り付けられるアーム部の根元に設けられる円筒部の軸孔に軸受装置を嵌合させ、
    この軸受装置は、内面中央に中心側に突出した突部が一体形成されているスリーブと、この突部の両側に形成される段部に外輪の軸方向端面が当接している2つのボールベアリングと、を備え、
    上記スリーブを熱処理したアルミシリコン合金とし、
    その材質を、アルミニウムを60〜90重量%含みシリコンを9〜39重量%含み、その他の金属材料を1〜5重量%含み、それらで合計100重量%となり、その密度が2.52〜2.66g/cmとなるものとし、
    そのアルミシリコン合金の線膨張係数をAとし、上記ボールベアリングの線膨張係数をBとし、上記ボールベアリングの外輪の常温(20℃)での外径をZミクロンとしたとき、−1/(60×Z)≦A−B≦1/(20×Z)となるようにし、
    上記ボールベアリングに、上記スリーブの線膨張係数より小さいシャフトを挿入したことを特徴とするスイングアーム用ブロック。
  3. ディスク駆動装置に用いられるヘッドを取り付けるスイングアーム用ブロックにおいて、
    上記ヘッドが取り付けられるアーム部の根元に設けられる円筒部の軸孔に軸受装置を嵌合させ、
    この軸受装置は、内面中央に中心側に突出した突部が一体形成されているスリーブと、この突部の両側に形成される段部に外輪の軸方向端面が当接している2つのボールベアリングと、を備え、
    上記スリーブを熱処理したアルミシリコン合金とし、
    その材質を、アルミニウムを60〜90重量%含みシリコンを9〜39重量%含み、その他の金属材料を1〜5重量%含み、それらで合計100重量%となり、その密度が2.52〜2.66g/cmとなるものとし、
    20℃の上記スリーブの内径に対する80℃の当該内径の広がり量をXミクロンとし、20℃の上記ボールベアリングの外径に対する80℃の当該外径の広がり量をYミクロンとしたとき、−1≦X−Y≦3とし、
    上記ボールベアリングに、上記スリーブの線膨張係数より小さいシャフトを挿入したことを特徴とするスイングアーム用ブロック。
  4. 請求項1,2または3記載のスイングアーム用ブロックにおいて、
    コイルを保持するコイル保持部を前記アルミシリコン合金にて前記円筒部および前記アーム部と共に一体成形されていると共にその一体成形は焼結によってなされたことを特徴とするスイングアーム用ブロック。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載のスイングアーム用ブロックにおいて、
    前記円筒部に設けられる軸孔にシャフト付きのボールベアリングを嵌合させたことを特徴とするスイングアーム用ブロック。
  6. 請求項1ら5のいずれか1項記載のスイングアーム用ブロックをヘッドが取り付けられるスイングアームの本体部分としたことを特徴とするディスク駆動装置。
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