JP2007267503A - 動圧軸受装置 - Google Patents

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栗村  哲弥
Takaharu Inazuka
貴開 稲塚
Kazuo Okamura
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Abstract

【課題】クランプ力によりディスクハブが変形した状態でも、高い情報読取り・書込み精度を維持できる動圧軸受装置を提供する
【解決手段】クランプ力Cによるディスク搭載面10dの変形を予め考慮して、ディスクハブ10に設けられたディスク搭載面10dの少なくとも一部を、ディスク搭載面10dの内径端10d1よりもディスクD側に位置する形状とした。このディスク搭載面10dにクランプ力Cを負荷すると、ディスク搭載面10dのうち内径端10d1よりもディスクD側に位置する部分がディスクDと軸方向反対側に押し込まれ、ディスクDの平面度が0に近付く方向へ矯正される。
【選択図】図5

Description

本発明は、軸受隙間に生じる流体の動圧作用で回転部材を回転自在に支持する動圧軸受装置に関するものである。
動圧軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク駆動装置、MD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器の冷却ファン等に使用されるファンモータなどの小型モータ用として好適に使用可能である。
例えば、特許文献1に示されている動圧軸受装置は、軸部材と、軸部材に固定されたディスクハブと、内周に軸部材が挿入された軸受スリーブと、内周に軸受スリーブが固定されたハウジングとを備える。ディスクハブにはディスク搭載面が設けられ、そのディスク搭載面に磁気ディスク等のディスク状情報記憶媒体(以下、単にディスクという。)が載置、保持される。軸部材が回転すると、軸部材の外周面と軸受スリーブの内周面との間にラジアル軸受隙間が設けられると共に、ディスクハブの下端面とハウジングの上端面との間にスラスト軸受隙間が形成される。
特開2005−337342号公報
ところで、このような動圧軸受装置は、最近の情報機器の高精度化に伴い、高い回転精度が要求されており、これを実現するため、動圧軸受装置の各構成部品にも高い寸法精度が求められている。特に、ディスク駆動装置をHDD用として使用する場合、高いディスク読取り・書込み精度が要求されるため、ディスクハブのうち、特にディスクが載置されるディスク搭載面の平面度を高精度に設定し、回転精度の向上を図っている。
このような動圧軸受装置のディスクハブへのディスクの固定は、例えば、図7に示すように、ディスクハブ10’のディスク搭載面10d’に搭載されたディスクDが、クランパ13によってディスク搭載面10d’に所定のクランプ力Cで押さえつけられることにより行われる。しかし、このクランプ力Cに比べてディスクハブの剛性が不足している場合、クランプ力Cによりディスクハブ10’が変形して、ディスク搭載面10d’が図示のように傾斜する場合がある。この場合、たとえディスク搭載面10d’が高精度に加工されていても、ディスク搭載面10d’の平面度が低下し、この影響がディスクDに及んで、読取り・書込み精度に悪影響を与えるおそれがある。
また、クランプ力によるディスクハブの変形がディスク搭載面だけでなく、ディスクハブの他の部分、例えばスラスト軸受面に臨む部分に及ぶことも考えられる。この場合、スラスト軸受隙間の隙間幅の精度が低下し、スラスト方向の支持力の低下を招く恐れがある。なお、ここで言うスラスト軸受面とは、スラスト軸受隙間に臨む面のことを言い、この面に動圧発生部が設けられているか否かを問わない(以下同様とする)。
本発明の課題は、クランプ力によりディスクハブが変形した状態でも、高い情報読取り・書込み精度を維持できる動圧軸受装置を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、軸部材、および軸部材と一体又は別体に設けられたディスクハブを有する回転部材と、内周に軸部材が挿入された固定部材と、軸部材の外周面と固定部材の内周面との間に形成されたラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で回転部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備え、ディスクハブのディスク搭載面に、所定のクランプ力でディスクが固定される動圧軸受装置において、ディスク搭載面の少なくとも一部を、クランプ力を負荷しない状態で、ディスク搭載面の内径端よりもディスク側に位置させたことを特徴とする。
このように、本発明では、ディスク搭載面の少なくとも一部を、クランプ力を負荷しない状態で、ディスク搭載面の内径端よりもディスク側に位置させたので、クランプ力の負荷に伴い、ディスク搭載面のうち内径端よりもディスク側の部分(以下、「ディスク側部分」と呼ぶ)がディスクとは軸方向反対側に押し込まれる。そのため、クランプ力の負荷後は、ディスク表面の姿勢を、その平面度が0に近付く方向へ矯正することができる。この時、クランプ力によるディスク搭載面の変形態様に応じ、ディスク側部分の各所で、予め内径端からの軸方向変位幅(矯正代)を適正値に設定しておけば、クランプ力の負荷後はディスクの表面を規定の平面度(例えば平面度5μm以下)に矯正することが可能となり、これによりディスクに対する情報の読取り・書込み精度を当初の設計どおり確保することが可能となる。なお、ここで言う平面度とは、JIS B 0021に規定されるもの、すなわち、対象平面(ここではディスク表面)を含む平行な二平面間の距離の最小値を言う(以下同様)。
ディスク搭載面が、クランプ力の負荷で弾性変形するものであれば、ディスクのクランプ力を一旦解除し、再度クランプする場合にも再度適正な矯正代を与えることができる。従って、クランプ力の解除・負荷が繰り返される場合でも、毎回確実にディスク表面を規定の平面度に抑えることができる。ディスクハブの少なくともディスク搭載面を樹脂で形成すれば、このような弾性変形性を与えることができる。
一般にディスクハブはフランジ状をなし、ディスク搭載面は軸心から離れた外径側に設けられる。この場合、ディスクに軸方向のクランプ力を付与すると、これに伴うディスクハブの変形量は、通常、外径側ほど大きくなる。従って、クランプ力を負荷しない状態で、ディスク搭載面に、外径側ほどディスクに接近する傾斜面を設けておけば、傾斜面の外径側ほど大きな矯正代を確保することができ、矯正効果がより一層高まる。
このような動圧軸受装置においては、ディスクハブの端面と固定部材の端面との間にスラスト軸受隙間を形成することができる。この場合、ディスクハブの端面のうち、スラスト軸受面となる領域のクランプ力負荷後の平面度を10μm以下に設定すると、スラスト軸受隙間が高精度に設定され、安定したスラスト方向の支持力が得られる。
以上のように、本発明によれば、クランプ力によりディスクハブが変形した状態でも、ディスク表面を所定の平面度に抑えることが可能となる。従って、動圧軸受装置をディスク駆動装置に組み込んだ場合でも、ディスク表面とヘッドとの間の間隙幅を一定にすることができ、その結果、情報の読取り精度や書込み精度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組み込んだディスク駆動装置の一構成例を概念的に示している。このディスク駆動装置は、例えばHDD等に用いられるもので、軸部材2およびディスクハブ10を有する回転部材3をラジアル方向に非接触支持する動圧軸受装置1と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4aおよびロータマグネット4bとからなるモータ部4と、ブラケット6と、ディスクDとを備えている。ステータコイル4aはブラケット6に取付けられ、ロータマグネット4bはヨーク12を介してディスクハブ10に固定されている。動圧軸受装置1の固定部材7は、ブラケット6の内周に固定される。ディスクハブ10にはディスクDが1又は複数枚(この図示例では1枚)固定される。この実施形態では、ディスクDは、ディスクハブ10とクランパ13とによって挟持固定されている。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4aに通電すると、ステータコイル4aとロータマグネット4bとの間に発生する励磁力でロータマグネット4bが回転し、これに伴って、ディスクハブ10およびディスクハブ10に固定されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
図2は、動圧軸受装置1を示している。この動圧軸受装置1は、固定部材7と、固定部材7に対して相対回転する回転部材3とを主に備えている。
固定部材7は、ハウジング部9と、その内周に設けられたスリーブ部8と、ハウジング部9の一端を閉口する蓋部材11とを備えている。なお、説明の便宜上、軸方向両端に形成されるハウジング部9の開口部のうち、蓋部材11で閉口される側を下側、閉口側と反対の側を上側として以下説明する。
スリーブ部8は、例えば金属製の非孔質体あるいは焼結金属からなる多孔質体で円筒状に形成される。この実施形態では、スリーブ部8は、銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング部9の内周面9cに、例えば接着(ルーズ接着、圧入接着を含む)、圧入、溶着(例えば超音波溶着)等、適宜の手段で固定される。もちろん、スリーブ部8を樹脂やセラミック等、金属以外の材料で形成することも可能である。
スリーブ部8の内周面8aの全面又は一部円筒領域には、ラジアル動圧発生部として複数の動圧溝を配列した領域が形成される。この実施形態では、例えば図3に示すように、複数の動圧溝8a1、8a2をヘリングボーン形状に配列した領域が軸方向に離隔して2箇所形成される。
スリーブ部8の下端面8bの全面又は一部環状領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図4に示すように、複数の動圧溝8b1をスパイラル状に配列した領域が形成される。
ハウジング部9は、金属あるいは樹脂で略円筒状に形成される。この実施形態では、ハウジング部9は、その軸方向両端を開口した形状をなし、かつ一端側を蓋部材11で封口している。他端側の端面(上端面)9aの全面または一部環状領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図示は省略するが、複数の動圧溝をスパイラル形状に配列した領域が形成される。ハウジング部9の上方部外周(上端面9a側の端部外周)には、上方に向かって漸次拡径する環状のテーパ面9bが形成される。
ハウジング部9の下端側を封口する蓋部材11は、金属あるいは樹脂で形成され、ハウジング部9の下端内周側に設けられた段部9dに固定される。ここで、固定手段は特に限定されず、例えば接着(ルーズ接着や圧入接着を含む)、圧入、溶着(例えば超音波溶着
)、溶接(例えばレーザ溶接)などの手段を、材料の組合わせや要求される固定強度、密
封性などに合わせて適宜選択することができる。
回転部材3は、この実施形態では、スリーブ部8の内周に挿入される軸部材2と、軸部材2の上端に設けられ、ハウジング部9の開口側に配置されるディスクハブ10とを主に備えている。
軸部材2は、この実施形態では金属製で、ディスクハブ10と別体に形成される。軸部材2の外周面2aは、軸部材2をスリーブ部8の内周に挿入した状態では、スリーブ部8の内周面8aに形成された動圧溝8a1、8a2形成領域と対向する。そして、外周面2aは、軸部材2の回転時、動圧溝8a1、8a2形成領域との間に後述する第一、第二ラジアル軸受部R1、R2のラジアル軸受隙間をそれぞれ形成する(図2を参照)。
軸部材2の下端には、抜止めとしてフランジ部2bが別体に設けられる。フランジ部2bは金属製で、例えばねじ結合等の手段により軸部材2に固定される。フランジ部2bの上端面2b1は、スリーブ部8の下端面8bに形成された動圧溝8b1形成領域と対向し、軸部材2の回転時、動圧溝8b1形成領域との間に後述する第一スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
ディスクハブ10は、ハウジング部9の開口側(上側)を覆う円盤部10aと、円盤部10aの外周部から軸方向下方に延びる筒状部10bと、筒状部10bから外径側に突出する鍔部10cと、鍔部10cの上端に形成されるディスク搭載面10dとを備える。
円盤部10aの下端面10a1に設けられたスラスト軸受面Aは、ハウジング部9の一端開口側に設けられた上端面9a(動圧溝9a1形成領域)と対向し、軸部材2の回転時、動圧溝9a1形成領域との間に後述する第二スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
筒状部10bの内周面10b1は、ハウジング部9の外周上端に設けられたテーパ面9bと対向し、このテーパ面9bとの間に径方向寸法が上方に向かって漸次縮小するテーパ状のシール空間Sを形成する。後述する潤滑油を動圧軸受装置1内部に充満させた状態では、潤滑油の油面は常時シール空間Sの範囲内にある。
上記構成のディスクハブ10は、例えばLCP、PPS、PEEK等の結晶性樹脂や、PPSU、PES、PEI等の非晶性樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物で形成される。この実施形態では、軸部材2をインサート部品として射出成形することで、軸部材2を一体に設けたディスクハブ10が成形される。また、上記ベース樹脂に配合可能な充填材として、例えば炭素繊維やガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカ状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、各種金属粉等の導電性充填材を挙げることができる。これら充填材は、ディスクハブ10の補強や導電性付与など、目的に応じて上記ベース樹脂に適量配合される。
こうして形成されたディスクハブ10のディスク搭載面10dにディスクDを搭載し、クランパ13をねじ14で軸部材2と締結し、所定のクランプ力を負荷することにより、ディスクDがディスク搭載面10dに固定される(図1を参照)。このディスクハブ10に、磁性体からなるヨーク12、ロータマグネット4bを固定することで、ディスク駆動装置のサブアッシー化が完了する。
上記のように、ディスクD及びディスク搭載面10dにクランパ13による所定のクランプ力Cが加わることにより、ディスクD及びディスク搭載面10dが変形し、ディスクD表面の平面度を低下させる恐れがある(図7参照)。このような不具合を回避するために、本発明では、クランプ力Cを負荷する前の状態(図5(a)参照)で、ディスク搭載面10dを、内径端10d1よりもディスク側に位置する形状、具体的には、外径側ほどディスクD側に接近した傾斜面とした。
クランプ力C負荷前の状態では、ディスクDはディスク搭載面10dの外径端10d2のみで支持されている(図5(a)参照)。クランプ力Cを負荷すると、ディスク搭載面10dのうちディスク側部分がディスクDとは軸方向反対側に押し込まれることで弾性変形し、ディスクDがディスク搭載面10dと面接触した状態で支持される(図5(b)参照)。これにより、ディスク搭載面10dの平面度が0に近付く方向に矯正されるため、ディスクDの表面(図中上側の端面)の平面度も0に近付く。従って、ディスクDの表面とヘッドとの間の距離を一定に保持することができ、ディスクDに対する情報の読取り精度や書込み精度を高めることができる。なお、このディスク搭載面10dの変形は弾性変形であるため、クランプ力Cの解除・負荷が繰り返される場合でも、毎回確実にディスクD表面を規定の平面度に抑えることができる。
上記のように、クランプ力Cによりディスク搭載面10dを変形させ、ディスクDを高い精度で固定するには、ディスク搭載面10dの矯正代(ディスク搭載面10dの各所における内径端10d1からの軸方向変位幅)を調整する必要がある。この矯正代の最適値は、クランプ力Cの大きさやディスクハブ10の材質、形状等により異なるが、所定のクランプ力C負荷後のディスクD表面の平面度が5μm以下、望ましくは2μm以下となるように設定すれば、今後のHDDの高記録密度化にも十分に対応可能となる。この場合、クランプ力負荷後のディスク搭載面10dも同程度の平面度を保持していることが望ましい。
本実施形態では、上記のように、ディスク搭載面10dが外径側ほどディスクD側へ近付く傾斜面であることにより、ディスク搭載面10dのうちクランプ力Cによる変位量が最も大きい外径端10d2で、最大矯正代δを設けることができるため、矯正効果をより一層高めることができる。
また、上記ではクランプ力Cによりディスクハブ10のディスク搭載面10dおよび鍔部10cのみが変形する場合を例示したが、ディスクハブ10のその他の部分が変形することも考えられる。例えば、円盤部10aの下端面10a1に形成されたスラスト軸受面Aが変形すると、スラスト軸受隙間の隙間幅の精度が低下し、十分な動圧作用の効果が得られず、スラスト方向の支持力が低下するおそれがある。このような不具合を回避するために、ディスクハブ10の端面のうち、スラスト軸受面Aとなる領域のクランプ力負荷後の平面度は、10μm以下、望ましくは5μm以下に設定すると良い。
動圧軸受装置1内部に充満される潤滑油としては、種々のものが使用可能であるが、HDD等のディスク駆動装置用の動圧軸受装置に提供される潤滑油には、その使用時あるいは輸送時における温度変化を考慮して、低蒸発率及び低粘度性に優れたエステル系潤滑油、例えばジオクチルセバケート(DOS)、ジオクチルアゼレート(DOZ)等が好適に
使用可能である。
上記構成の動圧軸受装置1において、軸部材2の回転時、スリーブ部8の内周面8aに形成された動圧溝8a1、8a2形成領域は、対向する軸部材2の外周面2aとの間にラジアル軸受隙間を形成する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間の潤滑油が動圧溝8a1、8a2の軸方向中心側に押し込まれ、その圧力が上昇する。このように、動圧溝8a1、8a2によって生じる潤滑油の動圧作用によって、軸部材2をラジアル方向に非接触支持する第一ラジアル軸受部R1と第二ラジアル軸受部R2とがそれぞれ構成される。
これと同時に、スリーブ部8の下端面8b(動圧溝8b1形成領域)とこれに対向するフランジ部2bの上端面2b1との間のスラスト軸受隙間、およびハウジング部9の上端面9aに形成される動圧溝形成領域とこれに対向するディスクハブ10の下端面10a1のスラスト軸受面Aとの間のスラスト軸受隙間に形成される潤滑油膜の圧力が、動圧溝の動圧作用により高められる。そして、これら油膜の圧力によって、回転部材3(ディスクハブ10)をスラスト方向に非接触支持する第一スラスト軸受部T1と第二スラスト軸受部T2とがそれぞれ構成される。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれに限らない。以下、本発明の他の実施形態を示す。なお、以下の説明において、上記実施形態と同様の機能を有する箇所には同一符合を付し、説明を省略する。
例えば、クランプ力を負荷前のディスク搭載面10dの形状は上記に限らず、図6に示すようにディスク搭載面10dに環状の突起10d3を設けてもよい。このとき、突起10d3の先端と内径端10d1との軸方向距離が最大矯正代δとなる。突起10d3の形状は、その上端部がディスク搭載面10dの内径端10d1よりもディスク側に位置していればよく、例えば円周方向に離隔した複数の突起を設けても良い。また、この突起10d2は、図6のようにディスクハブ10と一体成形する他、別部材で構成することもできる。
この場合、クランプ力負荷前の状態では、ディスクが突起10d3の先端部のみで支持されている。所定のクランプ力を負荷すると、鍔部10cが変形し、突起部10d3の他、内径端10d1を含むディスク搭載面10dの広い範囲がディスクDの裏面と接触し、ディスクDの表面が所定の平面度に保持される。
また、上記実施形態では、ディスクハブ10を樹脂で形成する場合を説明したが、一部あるいは全部を金属等の他の材料で形成することも可能である。
また、上記実施形態では、金属製の軸部材2をインサート部品とする樹脂の射出成形で、軸部材2と一体にディスクハブ10を射出成形した場合を説明したが、例えばディスクハブ10のみを形成した後、ディスクハブ10とは別体に形成した軸部材2の端部をディスクハブ10中央に設けた孔に圧入することで一体化することもできる。あるいは、軸部材2をディスクハブ10と同一材料で一体に成形することもできる。
また、上記実施形態では、フランジ部2bの上端面2b1とスリーブ部8の下端面8bとの間、およびディスクハブ10とハウジング部9との間にそれぞれスラスト軸受部T1、T2を設けた場合を説明したが、本発明は、スラスト軸受部T1、T2の形成箇所に関係なく適用可能である。すなわち、ディスクハブ10の下端面10a1がスラスト軸受隙間を形成するか否かは問題とならず、例えば図示は省略するが、スラスト軸受部T1、T2が共にフランジ部2bの両端面とこれらの面に対向する面との間に形成されたものであってもよい。
また、ディスクハブ10や軸部材2を除く動圧軸受装置1の構成部品に関しても、上記実施形態に限定される必要はない。例えば図示は省略するが、ハウジング部9とスリーブ部8とを同一材料で一体に形成(固定部材7を単一品化)する等、各構成部品間の一体化を図ったものについても本発明を適用することができる。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2が軸方向に離隔した2箇所に設けられているが、例えばこれらを軸方向で連続的に設けてもよい。あるいは、ラジアル軸受部R1、R2の何れか一方のみを設けてもよい。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑油の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、図示は省略するが、軸方向の溝を円周方向の複数箇所に形成した、いわゆるステップ状の動圧発生部、あるいは、円周方向に複数の円弧面を配列し、対向する軸部材2の真円状外周面2aとの間に、くさび状の径方向隙間(軸受隙間)を形成した、いわゆる多円弧軸受を採用してもよい。
また、第一スラスト軸受部T1と第二スラスト軸受部T2の一方又は双方は、同じく図示は省略するが、動圧発生部が形成される領域(例えばスリーブ部8の下端面8b、ハウジング部9の上端面9a)に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、あるいは波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる。
また、以上の実施形態では、スリーブ部8の側にラジアル動圧発生部(動圧溝8a1、8a2)が、また、スリーブ部8やハウジング部9の側にスラスト動圧発生部(動圧溝8b1)がそれぞれ形成される場合を説明したが、これら動圧発生部が形成される領域は、例えばこれらに対向する軸部材2の外周面2aやフランジ部2bの上端面2b1、あるいはディスクハブ10の下端面10a1の側に設けることもできる。
また、上記実施形態では、ディスク搭載面10dに搭載されるディスクDとして、HDD等に使用される磁気ディスクを例示したが、これ以外にも、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスクや、MD、MO等の光磁気ディスクなどが適用可能である。
また、以上の説明では、動圧軸受装置1の内部に充満し、ラジアル軸受隙間や、スラスト軸受隙間に動圧作用を生じる流体として、潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に動圧作用を発生可能な流体、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組み込んだディスク駆動装置の断面図である。 動圧軸受装置1の断面図である。 スリーブ部8の縦断面図である。 スリーブ部8の下端面面である。 (a)クランプ力負荷前のディスクハブ搭載面10d周辺の断面図である。(b)クランプ力負荷後のディスク搭載面10d周辺の断面図である。 ディスクハブ10の他の実施形態を示す断面図である。 従来のディスクハブを示す断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
3 回転部材
7 固定部材
8 スリーブ部
9 ハウジング部
10 ディスクハブ
10a 円盤部
10b 筒状部
10c 鍔部
10d ディスク搭載面
10d1 内径端
13 クランパ
C クランプ力
D ディスク
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
A スラスト軸受面
S シール空間
δ 最大矯正代

Claims (5)

  1. 軸部材、および軸部材と一体又は別体に設けられたディスクハブを有する回転部材と、内周に軸部材が挿入された固定部材と、軸部材の外周面と固定部材の内周面との間に形成されたラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で回転部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備え、ディスクハブのディスク搭載面に、所定のクランプ力でディスクが固定される動圧軸受装置において、
    ディスク搭載面の少なくとも一部が、クランプ力を負荷しない状態で、ディスク搭載面の内径端よりもディスク側に位置していることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. ディスク搭載面を、クランプ力の負荷で弾性変形させる請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. クランプ力を負荷しない状態で、ディスク搭載面に、外径側ほどディスクに接近する傾斜面を設けた請求項1記載の動圧軸受装置。
  4. クランプ力負荷後のディスク表面の平面度が5μm以下である請求項1記載の動圧軸受装置。
  5. ディスクハブの端面と固定部材の端面との間にスラスト軸受隙間が形成され、ディスクハブの端面のうち、スラスト軸受面となる領域のクランプ力負荷後の平面度が10μm以下である請求項1記載の動圧軸受装置。
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