JP5271108B2 - 転がり軸受装置および転がり軸受装置の製造方法 - Google Patents

転がり軸受装置および転がり軸受装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5271108B2
JP5271108B2 JP2009036589A JP2009036589A JP5271108B2 JP 5271108 B2 JP5271108 B2 JP 5271108B2 JP 2009036589 A JP2009036589 A JP 2009036589A JP 2009036589 A JP2009036589 A JP 2009036589A JP 5271108 B2 JP5271108 B2 JP 5271108B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling bearing
shaft
inner ring
sleeve
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009036589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010190345A (ja
Inventor
貴之 小坂
住夫 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2009036589A priority Critical patent/JP5271108B2/ja
Publication of JP2010190345A publication Critical patent/JP2010190345A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5271108B2 publication Critical patent/JP5271108B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C35/00Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers
    • F16C35/08Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers for spindles
    • F16C35/12Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers for spindles with ball or roller bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C35/00Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers
    • F16C35/04Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers in the case of ball or roller bearings
    • F16C35/06Mounting or dismounting of ball or roller bearings; Fixing them onto shaft or in housing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/54Systems consisting of a plurality of bearings with rolling friction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2226/00Joining parts; Fastening; Assembling or mounting parts
    • F16C2226/30Material joints
    • F16C2226/40Material joints with adhesive
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2300/00Application independent of particular apparatuses
    • F16C2300/10Application independent of particular apparatuses related to size
    • F16C2300/12Small applications, e.g. miniature bearings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Description

本発明は、転がり軸受装置および製造方法に関するものである。
一般に、転がり軸受装置は、内側部材である円筒状の内筒と、内筒の周囲に配置された外側部材である円筒状の外筒と、これら内筒と外筒とを相対的に回転自在に支持する一対の転がり軸受とを備えている。これら内筒、外筒および転がり軸受は、圧入、圧入と接着剤の併用、または、接着剤により互いに固定されて構成されることが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1に記載の転がり軸受装置は、回転軸の外周面およびハウジングの内周面に形成された凹面部に塗布された接着剤により、回転軸と転がり軸受の内輪およびハウジングと転がり軸受の外輪がそれぞれ固定されている。また、特許文献2に記載の転がり軸受装置では、回転軸と転がり軸受の内輪とを接着する接着剤として嫌気性接着剤を使用するようになっている。
特開平11−182543号公報 特開2000−346085号公報
しかしながら、嫌気性接着剤にはアウトガス成分が多いため、従来の転がり軸受装置のように嫌気性接着剤を使用すると、転がり軸受装置をハードディスクドライブ(HDD)に使用した場合にアウトガスが磁気ディスクに付着して記録・再生の信頼性を著しく低下させるおそれがある。また、磁気ディスクを腐食させたり、磁気ヘッドを破壊したりしてしまうおそれもある。また、嫌気性接着剤は硬化時の収縮率が大きいため、転走面に干渉する範囲に嫌気性接着剤が塗布されると、嫌気性接着剤の収縮により転がり軸受に歪みが生じてトルクの変動が大きくなるという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、アウトガスの発生が低減し、かつ、トルク変動が小さい転がり軸受装置を時間を短縮して製造することができる転がり軸受装置の構造および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、内輪および外輪と、これら内輪と外輪の間の円環状空間に周方向に間隔をあけて複数配置される転動体とを備え、軸方向に間隔をあけて配列される2つの転がり軸受と、該転がり軸受の前記内輪に嵌合された状態で接着される第1の部材と、前記転がり軸受の前記外輪を嵌合させた状態で接着される嵌合孔を有する第2の部材と、前記2つの転がり軸受の前記外輪間に軸方向に挟まれるスペーサ部とを備え、2つの前記外輪の外周面と前記第2の部材の前記嵌合孔との間と、一方の前記内輪の内周面と前記第1の部材の外周面との間にエポキシ系接着剤が塗布され、方の前記内輪の内周面と前記第1の部材の外周面との間に嫌気性接着剤が塗布され、2つの前記内輪どうしが近接される方向に押圧された状態にある転がり軸受装置を提供する。
本発明によれば、第1の部材に内輪が組み付けられた2つの転がり軸受の外輪が第2の部材の嵌合孔に嵌合されることにより転がり軸受装置が構成される。また、2つの転がり軸受の外輪間にスペーサ部が挟まれることで、内輪間にスペーサの長さに応じた隙間が形成される。したがって、内輪どうしを近接させる方向に押圧するだけで2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。
本発明に係る転がり軸受装置の構造によれば、嫌気性接着剤よりアウトガス成分が少なく硬化時の収縮率も小さいエポキシ系接着剤によって2つの転がり軸受の外輪と第2の部材の嵌合孔とを接着することで、アウトガスの発生が低減し、かつ、接着剤の収縮による歪み等の変形が少なくトルク変動が小さい転がり軸受装置を製造することができる。また、嫌気性接着剤が塗布された内輪を軸方向に押圧した状態で第1の部材に接着させれば、エポキシ系接着剤を使用して接着する場合と比較して短時間で容易に予圧をかけた状態を維持することができる。
嫌気性接着剤を使用する部分を1箇所にすることで、アウトガスの発生およびトルク変動をより低減した転がり軸受装置を製造することができる。
上記発明においては、前記第1の部材が、軸方向の一端に全周にわたって半径方向外方に突出し前記一方の転がり軸受の前記内輪の端面を突き当てる鍔部を備えることとしてもよい。
このように構成することで、第1の部材の鍔部により一方の転がり軸受の内輪が位置決めされるので、一方の転がり軸受の内輪と第1の部材とが完全に接着する前であっても、軸方向の反対側に配置された他方の転がり軸受の内輪を軸方向に押圧した状態で第1の部材に接着することができる。
本発明は、内輪および外輪と、これら内輪と外輪の間の円環状空間に周方向に間隔をあけて複数配置される転動体とを備え、軸方向に間隔をあけて配列される2つの転がり軸受と、該転がり軸受の前記内輪に嵌合された状態で接着される第1の部材と、前記転がり軸受の前記外輪を嵌合させた状態で接着される嵌合孔を有する第2の部材と、前記2つの転がり軸受の前記内輪間に軸方向に挟まれるスペーサ部とを備え、2つの前記内輪の内周面と前記第1の部材の外周面と、一方の前記外輪の外周面と前記第2の部材の前記嵌合孔との間にエポキシ系接着剤が塗布され、方の前記外輪の外周面と前記第2の部材の前記嵌合孔との間に嫌気性接着剤が塗布され、2つの前記外輪どうしが近接される方向に押圧された状態にある転がり軸受装置を提供する。
本発明によれば、2つの転がり軸受の内輪間にスペーサ部が挟まれることで、外輪間にスペーサの長さに応じた隙間が形成される。したがって、外輪どうしを近接させる方向に押圧するだけで2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。
本発明に係る転がり軸受装置の構造によれば、エポキシ系接着剤によって2つの転がり軸受の内輪の内周面と第1の部材の外周面とを接着することで、アウトガスの発生が低減し、かつ、接着剤の収縮による歪み等の変形が少なくトルク変動が小さい転がり軸受装置を製造することができる。また、嫌気性接着剤が塗布された外輪を軸方向に押圧した状態で第2の部材に接着させれば、エポキシ系接着剤を使用して接着する場合と比較して短時間で容易に予圧をかけた状態を維持することができる。
嫌気性接着剤を使用する部分を1箇所にすることで、アウトガスの発生およびトルク変動をより低減した転がり軸受装置を製造することができる。
上記発明においては、前記第2の部材が、前記嵌合孔の嵌合方向の終端に、内面側に突出して前記他方の前記転がり軸受の前記外輪の端面を突き当てる凸部を有することとしてもよい。
このように構成することで、第2の部材の嵌合孔の凸部により他方の転がり軸受の外輪が位置決めされるので、他方の転がり軸受の外周面と第2の部材の嵌合孔とが完全に接着する前であっても、軸方向の反対側に配置された一方の転がり軸受の外輪を軸方向に押圧した状態で第2の部材に接着することができる。
本発明は、シャフトまたは第1の転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記シャフトを前記第1の転がり軸受の前記内輪に嵌合させてシャフト組立体を形成するシャフト組立体形成工程と、スリーブの嵌合孔または第2の転がり軸受の外輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記スリーブの前記嵌合孔に前記第2の転がり軸受の前記外輪を嵌合させてスリーブ組立体を形成するスリーブ組立体形成工程と、前記スリーブ組立体の前記スリーブの前記嵌合孔または前記シャフト組立体の前記第1の転がり軸受の外輪にエポキシ系接着剤を塗布するとともに、前記シャフト組立体の前記シャフトまたは前記スリーブ組立体の前記第2の転がり軸受の前記内輪に嫌気性接着剤を塗布し、前記スリーブの前記嵌合孔に前記シャフト組立体の前記第1の転がり軸受の前記外輪を嵌合させつつ前記スリーブ組立体の前記第2の転がり軸受の前記内輪に前記シャフトを嵌合させ、軸受装置組立体を形成する軸受装置組立体形成工程と、前記軸受装置組立体の前記第2の転がり軸受の前記内輪を前記第1の転がり軸受の前記内輪に近接する方向に押圧した状態で前記シャフトに接着させる内輪押圧工程とを備える転がり軸受装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、シャフト組立体のシャフトと第1の転がり軸受の内輪、スリーブ組立体のスリーブと第2の転がり軸受の外輪、および、軸受装置組立体のスリーブと第1の転がり軸受の内輪をそれぞれエポキシ系接着剤によって接着することで、アウトガスの発生が低減し、かつ、接着剤の収縮による歪み等の変形が少なくトルク変動が小さい転がり軸受装置を製造することができる。
また、軸受装置組立体の第2の転がり軸受の内輪とシャフトとの間に嫌気性接着剤を塗布することで、内輪押圧工程において、第2の転がり軸受の内輪を第1の転がり軸受の内輪に近接させる方向に押圧した状態でシャフトに短時間で接着させることができ、容易に2つの転がり軸受に予圧をかけた状態を維持することができる。
上記発明においては、前記シャフトが軸方向の一端に全周にわたって半径方向外方に突出する鍔部を備え、前記シャフト組立体形成工程において前記第1の転がり軸受の前記内輪の端面を前記鍔部に突き当てることとしてもよい。
このように構成することで、シャフトの鍔部により第1の転がり軸受の内輪が位置決めされるので、内輪押圧工程において、第1の転がり軸受の内輪とシャフトとが完全に接着する前であっても、軸方向の反対側に配置された第2の転がり軸受の内輪を軸方向に押圧した状態でシャフトに接着させることができる。
本発明は、シャフトまたは第1の転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記シャフトを前記第1の転がり軸受の前記内輪に嵌合させる第1軸受嵌合工程と、前記シャフトをリング状のスペーサに嵌合させて前記第1の転がり軸受の前記内輪を前記スペーサに突き当てるスペーサ嵌合工程と、軸方向の一端に内面側に突出する凸部を備えるスリーブの嵌合孔の前記凸部側または前記第1の転がり軸受の外輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記嵌合孔に前記第1の転がり軸受の前記外輪を嵌合させて前記凸部に突き当てるスリーブ嵌合工程と、前記シャフトまたは第2の転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布するとともに前記スリーブの前記嵌合孔または前記第2の転がり軸受の外輪に嫌気性接着剤を塗布し、前記嵌合孔に前記第2の転がり軸受の前記外輪を嵌合させつつ前記内輪に前記シャフトを嵌合させて前記スペーサを突き当てる第2軸受嵌合工程と、前記第2の転がり軸受の前記外輪を前記第1の転がり軸受の前記外輪に近接させる方向に押圧した状態で前記嵌合孔に接着させる外輪押圧工程とを備える転がり軸受装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、シャフトに第1の転がり軸受、スペーサ、第2の転がり軸受が組付けられた組立体がスリーブの嵌合孔に嵌合されて構成される転がり軸受装置が製造される。この転がり軸受装置の製造方法によれば、第1の転がり軸受の内輪とシャフトの間および外輪とスリーブの間と、第2の転がり軸受の内輪とシャフトの間をそれぞれエポキシ系接着剤によって接着することで、アウトガスの発生が低減し、かつ、接着剤の収縮による歪み等の変形が少なくトルク変動が小さい転がり軸受装置を製造することができる。
また、スリーブの嵌合孔の凸部により第1の転がり軸受の外輪が位置決めされるので、外輪押圧工程において、第1の転がり軸受の外輪とスリーブの嵌合孔とが完全に接着する前であっても、軸方向の反対側に配置された第2の転がり軸受の外輪を軸方向に押圧した状態でスリーブに接着させることができる。
本発明は、シャフトまたは2つの転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布し、2つの前記転がり軸受の前記内輪間にリング状のスペーサを挟んで、前記シャフトを2つの前記転がり軸受の前記内輪および前記スペーサに嵌合させるシャフト嵌合工程と、スリーブの嵌合孔または2つの前記転がり軸受の外輪に嫌気性接着剤を塗布し、前記スリーブに2つの前記転がり軸受の前記外輪を嵌合させるスリーブ嵌合工程と、2つの前記転がり軸受の前記外輪を相互に近接させる方向に押圧した状態で前記スリーブの前記嵌合孔に接着させる外輪押圧工程とを備える転がり軸受装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、嵌合孔の内面側に凸部が形成されていないスリーブを採用して転がり軸受装置を製造することができる。
本発明によれば、アウトガスの発生が低減し、かつ、トルク変動が小さい転がり軸受装置を時間を短縮して製造することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受装置の縦断面図である。 図1の転がり軸受装置のシャフト組立体の縦断面図である。 図1の転がり軸受装置のスリーブ組立体の縦断面図である。 図3のスリーブ組立体の第1の嵌合部にエポキシ系接着剤を塗布した状態を示した図である。 図2のスリーブ組立体のシャフトに嫌気性接着剤を塗布した状態を示した図である。 図1の転がり軸受装置の軸受装置組立体の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る転がり軸受装置の縦断面図である。 図7の転がり軸受装置の別の変形例に係る転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る転がり軸受装置の縦断面図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受装置10の構造および製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る転がり軸受装置10は、例えば、ハードディスクドライブ等に用いられるスピンドルモータやスイングアームを揺動するための装置である。この転がり軸受装置10は、図1に示すように、軸方向に所定の間隔をあけて配置される第1の転がり軸受1Aおよび第2の転がり軸受1B(以下、第1の転がり軸受1Aと第2の転がり軸受1Bを合わせて「転がり軸受1A,1B」という。)と、これら転がり軸受1A,1Bに嵌合されるシャフト(第1の部材)13と、転がり軸受1A,1Bを嵌合させる嵌合孔25を有する円筒状のスリーブ(第2の部材)23とを備えている。
転がり軸受1A,1Bは、シャフト13とスリーブ23とを相対的に回転させるためのものである。
第1の転がり軸受1Aは、同軸上に配置された内輪3aおよび外輪5aと、これら内輪3aと外輪5aとの間の円環状空間に周方向に間隔をあけて内蔵される複数個の転動体7と、転動体7を等間隔配置した状態で転動可能に保持するリテーナ(図示略)とを備えている。
第1の転がり軸受1Aの内輪3aの外周面には、深溝型若しくはアンギュラ型の内輪軌道が設けられている。また、外輪5aの内周面には、深溝型若しくはアンギュラ型の外輪軌道が設けられている。
リテーナは、例えば、円環状部材であり、周方向に間隔をあけて配置された各転動体7を部分的に収容する複数の転動体ポケット(図示略)を備えている。転動体ポケットには、潤滑油が塗布されている。
なお、第2の転がり軸受1Bは、第1の転がり軸受1Aと同じ構成であるので説明を省略する。
シャフト13は、略円柱状部材であり、軸方向の一端に全周にわたって半径方向外方に突出する鍔状のフランジ部(鍔部)15が設けられている。このシャフト13には、フランジ部15側から順に第1の転がり軸受1Aおよび第2の転がり軸受1Bが嵌め込まれており、第1の転がり軸受1Aの内輪3aの端面がフランジ部15に突き当てられている。
スリーブ23は、略円筒状部材であり、嵌合孔25の軸方向略中央に内側に向かって突出するスペーサ部27が設けられている。この嵌合孔25には、スペーサ部27を挟んで軸方向の一方に第1の転がり軸受1A、他方に第2の転がり軸受1Bがそれぞれ嵌め込まれており、外輪5a,5bの互いに対向する端面がそれぞれスペーサ部27に突き当てられている。以下、嵌合孔25の第1の転がり軸受1Aが嵌め込まれている部分を「第1の嵌合部29A」といい、第2の転がり軸受1Bが嵌め込まれている部分を「第2の嵌合部29B」という。
本実施形態に係る転がり軸受装置10は、軸方向に隣接して配置された第1の転がり軸受1Aと第2の転がり軸受1Bに対して、シャフト13が内輪3a,3bに嵌合された状態で接着され、スリーブ23が嵌合孔25に外輪5a,5bを嵌合させた状態で接着された構造となっている。
また、第1の転がり軸受1Aの内輪3aの内周面とシャフト13の外周面との間、および、外輪5aの外周面とスリーブ23の第1の嵌合部29Aとの間にはエポキシ系接着剤30が塗布されている。また、転がり軸受1Bの内輪3bの内周面とシャフト13の外周面との間には嫌気性接着剤50が塗布され、外輪5bの外周面とスリーブ23の第2の嵌合部29Bとの間にはエポキシ系接着剤30が塗布されている。
エポキシ系接着剤30としては、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤で、例えば、1液の熱硬化型エポキシ接着剤、常温硬化型の2液混合エポキシ接着剤、マイクロカプセルを混合した1液のエポキシ接着剤であって熱収縮率が8%以下のもの等が挙げられる。具体的には、株式会社スリーボンド製の長可使時間二液性エポキシ配合樹脂ThreeBond2087Kや高強度二液性エポキシ配合樹脂ThreeBond2087L(20X‐380)等を用いることができる。嫌気性接着剤50としては、アクリレートモノマーにアミノ酸、過酸化物、サッカリンなどを加えた液体状の接着剤で、空気に触れているときには液状であるが、空気が遮断されかつ金属イオンと接すると触媒反応を起こし硬化・接着するものが挙げられる。UV硬化の成分が入っていてもよい。また、初期硬化速度が速く、最大強度の25%に達する時間が10分以内のものでもよい。具体的には、アセック株式会社製の紫外線硬化型嫌気性接着剤AS−5850や、ヘンケルジャパン株式会社のLOCTITE(登録商標)等を用いることができる。
また、転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5b間にスペーサ部27が挟まれることで、内輪3a,3b間にスペーサ部27の長さに応じた隙間が形成されている。そして、転がり軸受1Aの内輪3aと転がり軸受1Bの内輪3bは、相互に近接する方向に押圧された状態でシャフト13に接着されるようになっている。これにより、転がり軸受1A,1Bに予圧がかけられた状態となり、内輪3a,3bおよび外輪5a,5bと転動体7とが隙間なく接触させられている。
次に、本実施形態に係る転がり軸受装置10の製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、シャフト13の外周面のうち第1の転がり軸受1Aの内輪3aに対応する位置に、すなわち、フランジ部15近傍にエポキシ系接着剤30を塗布し、第1の転がり軸受1Aの内輪3aにシャフト13を嵌合させる。そして、内輪3aの端面をフランジ部15に突き当てた状態で内輪3aとシャフト13を接着し、シャフト組立体13Sを形成する(シャフト組立体形成工程)。
続いて、図3に示すように、スリーブ23の第2の嵌合部29Bの内周面にエポキシ系接着剤30を塗布し、第2の嵌合部29Bに第2の転がり軸受1Bの外輪5bを嵌合させる。そして、外輪5bの端面を嵌合孔25のスペーサ部27に突き当てた状態で外輪5bとスリーブ23の嵌合孔25とを接着し、スリーブ組立体23Sを形成する(スリーブ組立体形成工程)。
次に、シャフト13のフランジ部15が鉛直下向きになるようにシャフト組立体13Sを固定した状態で、スリーブ組立体23Sを鉛直上方から組み付ける。具体的には、図4に示すように、スリーブ23の第1の嵌合部29Aの内周面にエポキシ系接着剤30を塗布するとともに、図5に示すように、シャフト13の外周面の第2の転がり軸受1Bに対応する位置に嫌気性接着剤50を塗布する。
そして、スリーブ23の第1の嵌合部29Aにシャフト組立体13Sの第1の転がり軸受1Aの外輪5aを嵌合させて外輪5aの端面をスペーサ部27に突き当てつつ、スリーブ組立体23Sの第2の転がり軸受1Bの内輪3bにシャフト13を嵌合させ、図6に示すような軸受装置組立体10Sを形成する(軸受装置組立体形成工程)。
軸受装置組立体10Sにおいては、転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5b間に挟まれたスペーサ部27により、内輪3a,3b間にスペーサ部27の長さに応じた隙間が形成される。そこで、第1の転がり軸受1Aの外輪5aとスリーブ23の第1の嵌合部29A、および、第2の転がり軸受1Bの内輪3bとシャフト13がそれぞれ完全に接着する前に、内輪3a,3bどうしを近接させる方向に押圧して転がり軸受1A,1Bに予圧をかける(内輪押圧工程)。
この場合に、第1の転がり軸受1Aの内輪3aがフランジ部15に突き当てられているので、第1の転がり軸受1Aに対して軸方向の反対側に配置された第2の転がり軸受1Bの内輪3bを軸方向に押圧するだけで、転がり軸受1A,1Bの両方に予圧をかけることができる。
そこで、第2の転がり軸受1Bの内輪3bを軸方向に押圧し(図6の矢印Y参照)、この状態で内輪3bとシャフト13の外周面とを完全に接着させる。内輪3bの内周面とシャフト13の外周面との間には嫌気性接着剤50が塗布されているので、エポキシ系接着剤30を使用して接着する場合と比較して短時間で接着することができ、容易に予圧をかけた状態を維持することができる。これにより、転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3bおよび外輪5a,5bと各転動体7との隙間をなくした状態を維持することができ、剛性および回転精度が高く、予圧抜けおよび回転精度の悪化を防止した転がり軸受装置10を製造することができる。なお、内輪3bを押圧しながら接着部分を加熱して内輪3bとシャフト13を接着することとしてもよい。
また、嫌気性接着剤50よりアウトガス成分が少なく硬化時の収縮率も小さいエポキシ系接着剤30によって転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5bとスリーブ23の嵌合孔25とを接着することで、アウトガスの発生が低減し、かつ、接着剤の収縮による歪み等の変形が少なくトルク変動が小さい転がり軸受装置10を製造することができる。
参考例として、一般的に、嫌気性接着剤の硬化時の収縮率は8〜10%程度であるのに対し、エポキシ系接着剤の硬化時の収縮率は2〜3%程度である。また、一般的に、エポキシ系接着剤のアウトガス量は、嫌気性接着剤のアウトガス量の1/10〜1/100程度である。
以上、本実施形態に係る転がり軸受装置10の構造および製造方法によれば、押圧しない転がり軸受1A,1Bの内輪3bおよび外輪5a,5bをエポキシ系接着剤30によって接着することで、アウトガスの発生およびトルク変動を低減した転がり軸受装置10を製造することができる。また、押圧する第1の転がり軸受1Aの内輪3aは嫌気性接着剤50によって接着することで、製造時間の短縮を図ることができる。
なお、本実施形態においては、シャフト13のフランジ部15により第1の転がり軸受1Aの内輪3aが位置決めされるとともに、嵌合孔25のスペーサ部27により第2の転がり軸受1Bの外輪5bが位置決めされるので、シャフト組立体13Sの内輪3aとシャフト13の接着部分、および、スリーブ組立体23Sの外輪5bと第2の嵌合孔29Bの接着部分がそれぞれ完全に接着する前に、軸受装置組立体形成工程によりシャフト組立体13Sとスリーブ組立体23Sとを組み付けることとしてもよい。このようにすることで、製造時間をより短縮して転がり軸受装置10を製造することができる。
また、本実施形態においては、フランジ部15を備えるシャフト13を採用したが、フランジ部を備えないシャフトを採用することとしてもよい。この場合の製造方法としては、嵌合孔25にエポキシ系接着剤30を塗布したスリーブ23に転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5bを嵌合させたスリーブ組立体を形成し、外周面に嫌気性接着剤50を塗布したシャフト13をスリーブ組立体の転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3bに嵌合させて軸受装置組立体を形成し、軸受装置組立体の内輪3a,3bを相互に近接させる方向に押圧した状態で内輪3a,3bとシャフト13を接着することとすればよい。
また、本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態に係る転がり軸受装置10の構造においては嵌合孔25にスペーサ部27を備えるスリーブ23を採用することとしたが、第1の変形例に係る転がり軸受装置100の構造としては、例えば、図7に示すように、嵌合孔125の内面にスペーサ部27が形成されていないスリーブ123を採用し、転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5b間に挟まれるリング状のスペーサ(スペーサ部)127を備えることとしてもよい。スペーサ127としては、例えば、外径寸法がスリーブ123の嵌合孔125の内径寸法より僅かに小さく、内径寸法が転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3bの外径寸法より大きいリング状部材を用いることができる。
この転がり軸受装置100の製造方法としては、シャフト13の外周面のフランジ部15側にエポキシ系接着剤30を塗布し、第1の転がり軸受1Aの内輪3aにシャフト13を嵌合させる。続いて、スリーブ123の嵌合孔125にエポキシ系接着剤30を塗布し、シャフト13に組み付けられた第1の転がり軸受1Aの外輪5aを嵌合させるとともにスペーサ127を嵌合孔25に嵌合させる。次に、シャフト13の外周面に嫌気性接着剤50を塗布し、第2の転がり軸受1Bの内輪3bにシャフト13を嵌合させつつ、スリーブ123の嵌合孔125に外輪5bを嵌合させて外輪5bの端面をスペーサ127に突き当てる。そして、第2の転がり軸受1Bの内輪3bを第1の転がり軸受1Aの内輪3aに近接させる方向に押圧した状態でシャフト13に接着させることとすればよい。
また、転がり軸受装置100の別の製造方法としては、シャフト13の外周面のフランジ部15側にエポキシ系接着剤30を塗布し、第1の転がり軸受1Aの内輪3aにシャフト13を嵌合させる。続いて、シャフト13の外周面の第2の転がり軸受1Bに対応する位置に嫌気性接着剤50を塗布し、スペーサ127を第1の転がり軸受1Aの外輪5aの端面上に配置する。そして、第2の転がり軸受1Bの内輪3bにシャフト13を嵌合させて外輪5bの端面をスペーサ127に突き当てる。このとき、スペーサ127の外周面が転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5bの外周面より半径方向外方にはみ出さないようにする。次に、第2の転がり軸受1Bの内輪3bを第1の転がり軸受1Aの内輪3aに近接させる方向に押圧した状態でシャフト13に接着させる。そして、スリーブ123の嵌合孔125にエポキシ系接着剤30を塗布し、シャフト13に組み付けられた転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5bを嵌合孔125に嵌合させてそれぞれ所定の位置に接着固定することとしてもよい。
なお、転がり軸受装置100おいては、第2の部材として、スリーブ123に代えて、例えば、スイングアーム(図示略)等を採用することとしてもよい。この場合、図8に示すように、シャフト組立体113Sの転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5bにスイングアーム等を直接嵌合させる構造とすればよい。同図において符号127´が示すものは、外輪5a,5b間に挟まれるリング状のスペーサであってもよいし、あるいは、スイングアーム等の嵌合孔の内面から内側に向かって突出するスペーサ部であってもよい。
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態に係る転がり軸受装置210の構造および製造方法について説明する。
本実施形態に係る転がり軸受装置210の構造は、図9に示すように、嵌合孔25の内面にスペーサ部27を備えるスリーブ23に代えて、スペーサ部27を備えないスリーブ223を採用し、転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3b間に挟まれるスペーサ(スペーサ部)227を備える点で第1の実施形態と異なる。
以下、本実施形態の説明において、第1の実施形態に係る転がり軸受装置10の構造および製造方法と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
スペーサ227は、シャフト3の外径寸法と略同じ寸法の内径寸法を有するリング状部材である。このスペーサ227の外径寸法は、転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5bの内径寸法より小さく、例えば、転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3bの外径寸法と同等あるいは若干大きい寸法となっている。
シャフト13には、フランジ部15側から順に第1の転がり軸受1A、スペーサ227および第2の転がり軸受1Bが嵌め込まれている。また、シャフト13のフランジ部15には第1の転がり軸受1Aの内輪3aの端面が突き当てられ、第1の転がり軸受1Aの内輪3aにスペーサ7、スペーサ7に第2の転がり軸受1Bの内輪3aが順次突き当てられている。
スリーブ223は、略円筒状部材であり、嵌合孔225の嵌合方向の終端に全周にわたって内面側に突出する凸部231を備えている。この嵌合孔225には、凸部231側から順に第1の転がり軸受1A、第2の転がり軸受1Bが嵌め込まれており、第1の転がり軸受1Aの外輪5aの端面が凸部231に突き当てられている。
本実施形態に係る転がり軸受装置210の構造においては、第1の転がり軸受1Aの内輪3aの内周面とシャフト13の外周面との間、および、外輪5aの外周面とスリーブ23の嵌合孔25との間にエポキシ系接着剤30が塗布されている。また、転がり軸受1Bの内輪3bの内周面とシャフト13の外周面との間にエポキシ系接着剤30が塗布され、外輪5bの外周面とスリーブ223の嵌合孔225との間には嫌気性接着剤50が塗布されている。
転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3b間にスペーサ227が挟まれることで、外輪5a,5b間にスペーサ227の長さに応じた隙間が形成されている。そして、転がり軸受1Aの外輪5aと転がり軸受1Bの外輪5bは、相互に近接する方向に押圧された状態でスリーブ223の嵌合孔225に接着されるようになっている。なお、スペーサ227の内周面とシャフト13の外周面との間にエポキシ系接着剤が塗布されていることとしてもよい。
次に、本実施形態に係る転がり軸受装置210の製造方法について説明する。
まず、シャフト13の外周面のフランジ部15近傍にエポキシ系接着剤30を塗布し、第1の転がり軸受1Aの内輪3aにシャフト13を嵌合させる(第1軸受嵌合工程)。続いて、シャフト13をスペーサ227に嵌合させて、第1の転がり軸受1Aの内輪3aの端面をスペーサ227に突き当てる(スペーサ嵌合工程)。
次に、シャフト13に対してフランジ部15側からスリーブ223を組み付ける。具体的には、スリーブ223の嵌合孔225の凸部231側にエポキシ系接着剤30を塗布し、シャフト13に組み付けられた第1の転がり軸受1Aの外輪5aをスリーブ223の嵌合孔225に嵌合させて、外輪5aの端面を凸部231に突き当てる(スリーブ嵌合工程)。
続いて、シャフト13の外周面にエポキシ系接着剤30を塗布するとともにスリーブ223の嵌合孔225に嫌気性接着剤50を塗布し、嵌合孔225に第2の転がり軸受1Bの外輪5bを嵌合させつつ、内輪3bにシャフト13を嵌合させて内輪3bの端面をスペーサ227に突き当てる(第2軸受嵌合工程)。この状態で、外輪5a,5b間にスペーサ210の長さに応じた隙間が形成される。
そこで、転がり軸受1Bの外輪5bとスリーブ223の嵌合孔225とがそれぞれ完全に接着する前に、外輪5a,5bどうしを近接させる方向に押圧して転がり軸受1A,1Bに予圧をかける(外輪押圧工程)。この場合に、第1の転がり軸受1Aの外輪5aが凸部231に突き当てられているので、第1の転がり軸受1Aに対して軸方向の反対側に配置された第2の転がり軸受1Bの外輪5bを軸方向に押圧するだけで、転がり軸受1A,1Bの両方に予圧をかけることができる。
そこで、第2の転がり軸受1Bの外輪5bを軸方向に押圧し、この状態で外輪5bとスリーブ223の嵌合孔225とを完全に接着させる。外輪5bの外周面とスリーブ223の嵌合孔25との間には嫌気性接着剤50が塗布されているので、短時間で接着させて容易に予圧をかけた状態を維持することができる。
また、エポキシ系接着剤30によって転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3bとシャフト13の外周面とを接着することで、アウトガスの発生が低減し、かつ、接着剤の収縮による歪み等の変形が少なくトルク変動が小さい転がり軸受装置210を製造することができる。
なお、本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態に係る転がり軸受装置210の構造においては凸部231を備えるスリーブ223を採用することとしたが、第3の変形例に係る転がり軸受装置310の構造としては、例えば、図10に示すように、嵌合孔325の内面に凸部が形成されていないスリーブ323を採用し、転がり軸受1A,1Bの外輪5a,5b間に挟まれるリング状のスペーサ(スペーサ部)327を備えることとしてもよい。
この転がり軸受装置310の製造方法としては、シャフト13の外周面にエポキシ系接着剤30を塗布し、第1の転がり軸受1Aの内輪3a、スペーサ327、第2の転がり軸受1Bの内輪3bの順にシャフト13を嵌合させる(シャフト嵌合工程)。続いて、スリーブ323の嵌合孔325の転がり軸受1A,1Bに対応する位置にそれぞれ嫌気性接着剤50を塗布し、嵌合孔325に第1の転がり軸受1Aの外輪5aおよび第2の転がり軸受1Bの外輪5bを嵌合させる(スリーブ嵌合工程)。そして、第1の転がり軸受1Aの外輪5aと第2の転がり軸受1Bの外輪5bとを相互に近接させる方向に押圧した状態でスリーブ323の嵌合孔325に接着させることとすればよい(外輪押圧工程)。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記各実施形態においては、シャフト13の外周面やスリーブ23,123,223,323の嵌合孔25,125,225,325に接着剤を塗布することとしたが、これに代えて、転がり軸受1A,1Bの内輪3a,3bの内周面や外輪5a,5bの外周面に接着剤を塗布することとしてもよい。この場合、内輪押圧工程において押圧する内輪3a,3bの内周面や外輪押圧工程において押圧する外輪5a,5bの外周面に嫌気性接着剤50を塗布することとすればよい。
1A 第1の転がり軸受(転がり軸受)
1B 第2の転がり軸受(転がり軸受)
3a,3b 内輪
5a,5b 外輪
7 転動体
10,110,210,310 転がり軸受装置
10S 軸受装置組立体
13 シャフト(第1の部材)
13S,113S シャフト組立体
15 フランジ部(鍔部)
23,123,223,323 スリーブ(第2の部材)
23S スリーブ組立体
25,125,225,325 嵌合孔
27 スペーサ部
30 エポキシ系接着剤
50 嫌気性接着剤
127,227 スペーサ
231 凸部

Claims (8)

  1. 内輪および外輪と、これら内輪と外輪の間の円環状空間に周方向に間隔をあけて複数配置される転動体とを備え、軸方向に間隔をあけて配列される2つの転がり軸受と、
    該転がり軸受の前記内輪に嵌合された状態で接着される第1の部材と、
    前記転がり軸受の前記外輪を嵌合させた状態で接着される嵌合孔を有する第2の部材と、
    前記2つの転がり軸受の前記外輪間に軸方向に挟まれるスペーサ部と
    を備え、
    2つの前記外輪の外周面と前記第2の部材の前記嵌合孔との間と、一方の前記内輪の内周面と前記第1の部材の外周面との間にエポキシ系接着剤が塗布され、方の前記内輪の内周面と前記第1の部材の外周面との間に嫌気性接着剤が塗布され、2つの前記内輪どうしが近接される方向に押圧された状態にある転がり軸受装置
  2. 前記第1の部材が、軸方向の一端に全周にわたって半径方向外方に突出し前記一方の内輪の端面を突き当てる鍔部を備える請求項1に記載の転がり軸受装置
  3. 内輪および外輪と、これら内輪と外輪の間の円環状空間に周方向に間隔をあけて複数配置される転動体とを備え、軸方向に間隔をあけて配列される2つの転がり軸受と、
    該転がり軸受の前記内輪に嵌合された状態で接着される第1の部材と、
    前記転がり軸受の前記外輪を嵌合させた状態で接着される嵌合孔を有する第2の部材と、
    前記2つの転がり軸受の前記内輪間に軸方向に挟まれるスペーサ部と
    を備え、
    2つの前記内輪の内周面と前記第1の部材の外周面と、一方の前記外輪の外周面と前記第2の部材の前記嵌合孔との間にエポキシ系接着剤が塗布され、他方の前記外輪の外周面と前記第2の部材の前記嵌合孔との間に嫌気性接着剤が塗布され、2つの前記外輪どうしが近接される方向に押圧された状態にある転がり軸受装置
  4. 前記第2の部材が、前記嵌合孔の嵌合方向の終端に、内面側に突出して前記他方の外輪の端面を突き当てる凸部を有する請求項3に記載の転がり軸受装置
  5. シャフトまたは第1の転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記シャフトを前記第1の転がり軸受の前記内輪に嵌合させてシャフト組立体を形成するシャフト組立体形成工程と、
    スリーブの嵌合孔または第2の転がり軸受の外輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記スリーブの前記嵌合孔に前記第2の転がり軸受の前記外輪を嵌合させてスリーブ組立体を形成するスリーブ組立体形成工程と、
    前記スリーブ組立体の前記スリーブの前記嵌合孔または前記シャフト組立体の前記第1の転がり軸受の外輪にエポキシ系接着剤を塗布するとともに、前記シャフト組立体の前記シャフトまたは前記スリーブ組立体の前記第2の転がり軸受の前記内輪に嫌気性接着剤を塗布し、前記スリーブの前記嵌合孔に前記シャフト組立体の前記第1の転がり軸受の前記外輪を嵌合させつつ前記スリーブ組立体の前記第2の転がり軸受の前記内輪に前記シャフトを嵌合させ、軸受装置組立体を形成する軸受装置組立体形成工程と、
    前記軸受装置組立体の前記第2の転がり軸受の前記内輪を前記第1の転がり軸受の前記内輪に近接する方向に押圧した状態で前記シャフトに接着させる内輪押圧工程と
    を備える転がり軸受装置の製造方法。
  6. 前記シャフトが軸方向の一端に全周にわたって半径方向外方に突出する鍔部を備え、前記シャフト組立体形成工程において前記第1の転がり軸受の前記内輪の端面を前記鍔部に突き当てる請求項5に記載の転がり軸受装置の製造方法。
  7. シャフトまたは第1の転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記シャフトを前記第1の転がり軸受の前記内輪に嵌合させる第1軸受嵌合工程と、
    前記シャフトをリング状のスペーサに嵌合させて前記第1の転がり軸受の前記内輪を前記スペーサに突き当てるスペーサ嵌合工程と、
    軸方向の一端に内面側に突出する凸部を備えるスリーブの嵌合孔の前記凸部側または前記第1の転がり軸受の外輪にエポキシ系接着剤を塗布し、前記嵌合孔に前記第1の転がり軸受の前記外輪を嵌合させて前記凸部に突き当てるスリーブ嵌合工程と、
    前記シャフトまたは第2の転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布するとともに前記スリーブの前記嵌合孔または前記第2の転がり軸受の外輪に嫌気性接着剤を塗布し、前記嵌合孔に前記第2の転がり軸受の前記外輪を嵌合させつつ前記内輪に前記シャフトを嵌合させて前記スペーサを突き当てる第2軸受嵌合工程と、
    前記第2の転がり軸受の前記外輪を前記第1の転がり軸受の前記外輪に近接させる方向に押圧した状態で前記嵌合孔に接着させる外輪押圧工程と
    を備える転がり軸受装置の製造方法。
  8. シャフトまたは2つの転がり軸受の内輪にエポキシ系接着剤を塗布し、2つの前記転がり軸受の前記内輪間にリング状のスペーサを挟んで、前記シャフトを2つの前記転がり軸受の前記内輪および前記スペーサに嵌合させるシャフト嵌合工程と、
    スリーブの嵌合孔または2つの前記転がり軸受の外輪に嫌気性接着剤を塗布し、前記スリーブに2つの前記転がり軸受の前記外輪を嵌合させるスリーブ嵌合工程と、
    2つの前記転がり軸受の前記外輪を相互に近接させる方向に押圧した状態で前記スリーブの前記嵌合孔に接着させる外輪押圧工程と
    を備える転がり軸受装置の製造方法。
JP2009036589A 2009-02-19 2009-02-19 転がり軸受装置および転がり軸受装置の製造方法 Active JP5271108B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009036589A JP5271108B2 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 転がり軸受装置および転がり軸受装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009036589A JP5271108B2 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 転がり軸受装置および転がり軸受装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010190345A JP2010190345A (ja) 2010-09-02
JP5271108B2 true JP5271108B2 (ja) 2013-08-21

Family

ID=42816599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009036589A Active JP5271108B2 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 転がり軸受装置および転がり軸受装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5271108B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5749523B2 (ja) * 2011-03-08 2015-07-15 セイコーインスツル株式会社 転がり軸受装置とその製造方法およびハードディスク装置
JP6210623B2 (ja) * 2012-10-15 2017-10-11 セイコーインスツル株式会社 軸受装置、軸受装置の製造方法および情報記録再生装置
CN104314970A (zh) * 2014-09-30 2015-01-28 张家港市圣美隆羊绒制品有限公司 一种无纺机轴承
JP6662709B2 (ja) * 2016-05-27 2020-03-11 ミネベアミツミ株式会社 シャフトと筒状の構造体とを備える構造
CN109538638A (zh) * 2018-12-14 2019-03-29 宁波达尔机械科技有限公司 高速转子及其装配方法
CN110185909B (zh) * 2019-05-28 2020-09-11 哈尔滨工业大学 一种基于径向压电振动致动的轴承主动微冗余润滑机构

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11182543A (ja) * 1997-12-19 1999-07-06 Nippon Seiko Kk 複列転がり軸受ユニットとその製造方法
JP2002213470A (ja) * 2001-01-15 2002-07-31 Nsk Ltd 転がり軸受装置
JPWO2004036074A1 (ja) * 2002-10-18 2006-02-16 横尾 嘉也 軸受装置、スイングアーム用ブロックおよびディスク駆動装置
JP4925851B2 (ja) * 2007-02-13 2012-05-09 アルファナテクノロジー株式会社 モータ及びディスク駆動用モータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010190345A (ja) 2010-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5271108B2 (ja) 転がり軸受装置および転がり軸受装置の製造方法
JP5599194B2 (ja) 軸受装置
JP2008101772A (ja) スリーブユニットの製造方法、スリーブユニットおよびモータ
JP5465967B2 (ja) 転がり軸受装置
JP2009185859A (ja) 転がり軸受ユニットおよびその製造方法
JP2010065761A (ja) 転がり軸受ユニット
JP5026301B2 (ja) 転がり軸受ユニットおよびその製造方法
JP2009243555A (ja) 軸受ユニットおよびピボット装置
JP3419053B2 (ja) 予圧を付与された複列転がり軸受装置
JP6321987B2 (ja) 転がり軸受装置および情報記録装置
JP2010054004A (ja) 転がり軸受ユニットの製造方法および転がり軸受ユニット
JPH11182543A (ja) 複列転がり軸受ユニットとその製造方法
JP5225700B2 (ja) 転がり軸受ユニット
JP6095404B2 (ja) スイングアーム、情報記録再生装置
JP2009079675A (ja) 車輪支持装置
US8786981B2 (en) Bearing device, method of manufacturing bearing device, and information recording/reproducing apparatus
JP5749523B2 (ja) 転がり軸受装置とその製造方法およびハードディスク装置
JP5603117B2 (ja) 転がり軸受装置およびピボット装置
JP5465971B2 (ja) 転がり軸受装置
JP2013224733A (ja) 転がり軸受、転がり軸受装置およびピボット装置
JP2007040375A (ja) センサ付き転がり軸受装置
JP5144558B2 (ja) 転がり軸受装置
JP5465972B2 (ja) 転がり軸受装置
JP5465970B2 (ja) 転がり軸受装置
JP2006214504A (ja) 転がり軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100818

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5271108

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250