JP2009216203A - 車両の発進制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前進1速にギアインする時にジャダーの発生を防止する。
【解決手段】発進時において油圧制御に基づき係合される係合要素(前進1速用のクラッチ)の入力回転と出力回転の差回転(クラッチ差回転DNMEG)を検出する。この差回転の上昇度合いにより該クラッチに滑りが生じたか否かを判定する。該クラッチに滑りが生じたことが判定された場合に、次回発進時における該クラッチの作動油圧を補正するための補正量を設定し、次回発進処理時においてはジャダーが生じないように作動油圧を増加する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動変速機を搭載した車両の発進制御装置に関し、例えばアイドルニュートラル制御から前進走行に復帰する際に行う発進制御に適した発進制御装置に関する。
自動変速機を搭載した車両において、シフトレバーによる変速指示が前進走行ポジションに設定されたまま該車両の状態が予め定められた条件を満足して停止した状態(例えば、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキが作動されると共にアクセルがアイドリング状態となって車両が停止した状態)になったとき、自動変速機内の所定のクラッチ(1速を締結するためのクラッチ=摩擦係合要素)を解放させてニュートラルに近い状態に設定することが、アイドルニュートラル制御として、従来より行われている。ブレーキペダル解放、アクセルペダル踏み込み等の所定の条件が成立したとき、アイドルニュートラル制御を解除し、上記所定のクラッチを係合して前進走行に復帰する制御が行われる。その場合、クラッチ作動油圧が適切でないと、スムーズなクラッチ係合が行われず、ショックが発生する等の問題が生じる
特開2005−42742号公報(特許文献1)においては、アイドルニュートラル制御からの復帰時において、エンジン回転数が変動するとクラッチ作動油圧(定常待機圧)に過不足が生じることによりスムーズなクラッチ係合が行われず、ショックが発生する等の問題が生じることに鑑み、これを解決するための発明が開示されている。この特許文献1においては、そのための一解決手段として、アイドルニュートラル制御からの復帰開始時のエンジン回転数と復帰制御中の現エンジン回転数の偏差を逐次算出し、算出した偏差の大小・正負に応じてクラッチ作動油圧の補正量を逐次決定し、この補正量をベース油圧に加えて定常待機圧を逐次補正することが示されている。しかし、このようなエンジン回転数に基づくクラッチ作動油圧の補正技術にあっては、エンジン変動の影響などが含まれてしまうので、締結途中のクラッチに滑りが生じたことを的確に検出することは困難であり、クラッチ滑りに的確に対処した発進制御を行うことが困難である、という問題がある。すなわち、クラッチ機構の劣化又は作動油の劣化等によってクラックにトルク不足が生じることでクラッチ締結時に滑りが生じた場合、これに適切に対処することができなかった。また、決定した補正量に従って即座に定常待機圧を補正する構成であるため、油圧応答性によっては急激なクラッチ締結になってしまうことがあり、商品性悪化につながる可能性があった。
特開2005−42742号公報
特公平3−16545号公報(特許文献2)においては、アイドルニュートラル制御に直接関係するものではないが、車両の自動変速制御において、或る速度比から別の速度比にシフトする際のクラッチ作動油圧を学習によって補正し、変速特性低下を防止するようにした発明が示されている。詳しくは、変速中の速度比が第1の所定値から第2の所定値に変化するのに要した時間を測定し、この測定時間と所定の変速特性を満足する基準時間とを比較し、その長短に応じて、記憶されているクラッチ作動油圧の圧力値を減少又は増加するように更新することで、次回の変速シフトの際に前回の誤差を修正する圧力値でクラッチ作動油圧が供給されるようにし、もって所定の変速特性を満足する基準時間に近い時間でシフトが行われるように意図している。しかし、この方式では、クラッチのトルク容量低下によるクラッチ滑りを的確に検出することができず、アイドルニュートラル制御からの復帰時に的確なクラッチ締結制御を行うものに適用できるものではなかった。例えば、クラッチのトルク容量低下によるクラッチ滑りが生じた場合、速度比は収束方向から発散方向に動くが、速度比が発散方向に動いた後に最終的には収束方向に動くことで、測定値の定め方によっては、最終的には収束方向に動くときに第1の所定値を横切って第2の所定値に達することになるため、第1の所定値から第2の所定値に変化する時間の測定値が短くなり、本来、油圧を上げる補正が必要であるのに対して、下げる補正が働いてしまう,という問題が生じることがあり得る。また、このような第1の所定値から第2の所定値に変化する時間の測定に基づく油圧制御では、速度比が一旦第2の所定値に到達した後にクラッチ滑りが生じた場合に、それを考慮した油圧補正ができない、という問題もある。
特公平3−16545号公報
クラッチ機構の劣化あるいは作動油の劣化などの原因によりクラッチの摩擦係数μが低下すると、アイドルニュートラル制御からの復帰に際して、所定のクラッチのインギアの過程において、クラッチ完全締結前のアクセル踏み込み時にクラッチのトルク容量が不足し、クラッチに滑りが生じることが起こり、該滑りに起因するジャダー(クラッチが滑ることによる振動)が生じる。これは自動変速機の商品性を損ない、また、ドライバビリティを低下させる。同様の問題は、通常のニュートラル状態から前進1速にギアインする場合においても生じる。
本発明は、アイドルニュートラル制御からの復帰に際して、あるいはニュートラル状態から前進1速にギアインする時に、上記のようなジャダーの発生を防止し、商品性及びドライバビリティを向上させた車両の発進制御装置を提供しようとするものである。
本発明に係る車両の発進制御装置は、発進時において油圧制御に基づき係合される係合要素を有する自動変速機を搭載した車両の発進制御装置であって、前記係合要素の入力回転と出力回転の差回転を検出する差回転検出手段と、前記差回転の上昇度合いにより前記係合要素に滑りが生じたことを判定する滑り判定手段と、前記判定手段により前記係合要素に滑りが生じたことが判定された場合に、次回発進時における前記係合要素の作動油圧を補正するための補正量を設定する補正手段とを備えることを特徴とする。
一例として、前記車両において、シフトレバーによる変速指示が前進走行ポジションに設定されたまま該車両の状態が予め定められた条件を満足して停止した場合に、前記係合要素を解放させるアイドルニュートラル制御が実行され、前記発進制御装置は、前記係合要素を係合して前記アイドルニュートラル制御から前進走行に復帰する時の発進制御を行うものである。
アイドルニュートラル制御からの復帰に際しては、所定のギアに対応する係合要素(例えば前進1速のギア比を実現するためのクラッチ)を係合するよう、該係合要素を動かすための油圧機器に作動油が供給される。また、通常のニュートラル状態から前進1速にシフトして発進する場合も同様である。そのようなインギアの過程において、係合要素のトルク容量が不足する場合は、滑りが生じる。本発明によれば、差回転検出手段により該係合要素の入力回転と出力回転の差回転を検出し、判定手段により該差回転の上昇度合いにより該係合要素に滑りが生じたかどうかを判定する。係合要素に滑りが生じている場合は、アクセルを踏み込んで入力回転を上げても出力回転がそれに追従せず、その差回転が上昇し、エンジンが吹き上がるような状態となる。よって、該差回転の上昇度合いにより該係合要素に滑りが生じたかどうかを判定することができる。係合要素に滑りが生じたことが判定された場合には、次回発進時(アイドルニュートラル制御からの復帰時あるいはニュートラル状態から前進1速へのインギア時)における該係合要素の作動油圧を補正するための補正量を設定する。こうして、前回学習した補正量を次回のギアイン処理に反映させることで、ジャダーが起こらないように作動油の圧力を適切に制御することができる。
一例として、前記判定手段は、前記係合要素に滑りが生じたと判定したとき該係合要素の滑り量を決定し、前記補正手段は、前記係合要素の作動油圧の補正量を、前記係合要素の滑り量に応じて設定することを特徴とする。これにより、係合要素の滑り量に応じて該係合要素の作動油圧の補正を適切に行うことができる。
一例として、前記補正手段は、前記係合要素の作動油圧の補正量を、前記滑りが生じたときの前記車両のアクセルペダル開度に対応付けて設定することを特徴とする。これにより、アクセルペダル開度(エンジンスロットル開度)に相関させて該係合要素の作動油圧の補正を適切に行うことができる。
一例として、前記補正手段は、前記係合要素の作動油圧の補正量を、前記滑りが生じたときの前記係合要素の作動油温に対応付けて設定することを特徴とする。これにより、作動油温に相関させて該係合要素の作動油圧の補正を適切に行うことができる。
一例として、前記差回転検出手段は、所定サイクル毎に前記差回転を検出し、前記判定手段は、前記差回転が所定回数以上上昇し、かつ、その間における上昇し始めの前記差回転と最大の前記差回転との差が所定基準値以上であるならば、前記係合要素に滑りが生じたと判定することを特徴とする。これにより、ノイズ的な一過性の差回転変動を排除(キャンセル又はフィルタ)し、確度の高い係合要素の滑り判定を行うことができる。
一例として、前記判定手段は、前記差回転が前回よりも上昇したときインクリメントされる上昇カウンタと、前記差回転が前回よりも下降したとき又は変化しないときインクリメントされる下降カウンタとを含み、前記下降カウンタは上昇カウンタがインクリメントされるときリセットされ、前記上昇カウンタは前記下降カウンタの値が所定の下降基準値に達したときリセットされ、該上昇カウンタの値が所定の上昇基準値以上であれば前記差回転が前記所定回数以上上昇したと判断することを特徴とする。この場合、差回転が上昇傾向のときに一時的に下降したとしても前記所定の下降基準値に達しない場合は、上昇カウンタのリセットは行われないことになり、ノイズ的な一過性の差回転下降を排除(キャンセル又はフィルタ)できるものであり、また、差回転が下降傾向のときに一時的に上昇したとしても、下降カウンタの値が所定の下降基準値に達することで該上昇カウンタのリセットが行われるので、ノイズ的な一過性の差回転上昇を排除(キャンセル又はフィルタ)できるものであり、こうして、より一層確度の高い係合要素の滑り判定を行うことができる。
以下、添付図面に基づき本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発進制御装置を備えた車両の動力伝達系統及び制御系統の概略を示すブロック図である。車両の動力伝達系統は、動力源であるエンジン1と、エンジン1の回転出力を変速ギア機構3に伝達するための流体継手であるトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2の回転出力を入力して設定された速度比で変速して出力する変速ギア機構3と、変速ギア機構3の出力回転を左右の車輪(例えば後輪)5に分配するディファレンシャルギア機構4とを含む。トルクコンバータ2及び変速ギア機構3に付属して油圧制御装置6が設けられており、この油圧制御装置6はトルクコンバータ2及び変速ギア機構3内に設けられている油圧制御型の係合要素(クラッチなど)を所定の組み合わせで締結又は解放することにより、トルクコンバータ2のロックアップや、該変速ギア機構3における入出力速度比を所要の変速段に設定することを行う。車両の自動変速機は、これらのトルクコンバータ2、変速ギア機構3、油圧制御装置6などによって構成される。
車両の動力伝達系統を制御するための制御系統は、車両の各部に設けられたセンサと、該各センサの出力が入力される電子制御ユニット(ECU)10と、該電子制御ユニット10によって制御される前記油圧制御装置6などで構成される。回転センサ11はトルクコンバータ2の入力軸の回転数(エンジン回転数)Neを検出し、回転センサ12は変速ギア機構3の入力軸の回転数Niを検出し、回転センサ13は変速ギア機構3の出力軸の回転数Noを検出し、車速センサ14は車速Nvを検出する。なお、車速Nvを専用に検出する車速センサ14を設けずに、入力軸回転数Ni又は出力軸回転数Noから車速Nvを算出するようにしてもよい。例えば、「Nv=Ni×変速レシオ×タイヤ径」あるいは「Nv=No×タイヤ径」のような関係式に基づき車速Nvを検出することができる。シフトレバーポジションセンサ15は、運転者によって操作されるシフトレバーのポジションを検出する。シフトレバーのポジションには、公知のように、例えば、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モードでの前進走行)などがあり、更に、3速、2速、1速等の特定の変速段を手動で指定するためのポジションがある。ブレーキセンサ16は、ブレーキペダルが所定量以上踏み込まれてブレーキがかけられたことを検出する。スロットルセンサ17は、アクセルペダルの踏み込みに応じて開度が設定されるエンジン1のスロットルの開度を検出する。ATF温度センサ18は、油圧制御装置6における作動油の温度(ATF油温)TATFを検出する。冷却水温センサ19は、エンジン冷却液の温度を検出する。アクセルペダルセンサ20は、アクセルペダルの踏み込みに応じたアクセルペダル開度APATを検出する。
図1に示した車両の動力伝達系統及び制御系統の具体的構成は、公知の構成を適宜採用してよい。本発明に係る車両の発進制御装置は、電子制御ユニット10に含まれるものであり、該電子制御ユニット10が実現可能な種々の制御機能のうちの一つとして実施される。以下述べる実施例においては、本発明に係る車両の発進制御装置は、電子制御ユニット10が具備するコンピュータプログラムによって実行されるものであり、前述の「アイドルニュートラル制御」から前進走行に復帰する際の発進制御あるいはニュートラル状態から前進1速にギアインする際の発進制御に係るものである。しかし、本発明に係る車両の発進制御装置は、コンピュータプログラムに限らず、専用の電子回路ハードウェアで構成することができるのは勿論である。
図2は、電子制御ユニット10が具備するコンピュータによって10ミリ秒周期で繰り返し実行されるAT(自動変速)制御処理のルーチンを略示するフロー図である。パラメータ算出S1では、前記センサ11〜19を含む各センサの検出信号を読み込み、これに基づき車両の各種状態を示すパラメータを算出し、算出した各パラメータをレジスタに一時保存する。一時保存した各パラメータは、図2のルーチンにおける他の処理を実行する際に適宜参照され、利用される。なお、センサから読み込んだ検出信号がそのままパラメータとして使用できる場合は、読み込んだ検出信号がそのままパラメータとして算出されるが、センサから読み込んだ検出信号に基づき所定の演算を得て所要のパラメータが算出される場合もある。
例えば、変速ギア機構3において現在締結制御されつつある特定のクラッチ(前進1速を実現するためのLOWクラッチ)の入力回転と出力回転の差回転DNMEGは、回転センサ12から読み込んだ入力軸回転数Niと、回転センサ13から読み込んだ出力軸回転数Noと、当該クラッチの締結によって変速ギア機構3で実現される所定の速度比RLOWとに基づき、下記式により算出される。なお、クラッチ締結が完了して、当該クラッチの入力回転と出力回転に差がないときに、Ni/No=RLOWであるとする。
DNMEG=Ni−No×RLOW
すなわち、パラメータ算出S1で上記式に従い差回転DNMEGのパラメータを算出することにより、「特定のクラッチ(係合要素)の入力回転と出力回転の差回転を検出する差回転検出手段」の機能が実現されている。
シフト制御S2では、各パラメータに基づき自動変速パターンを参照して最適な変速段を決定し、変速ギア機構3にて現在設定されている変速段を変更(シフト)する必要がある場合、変更後の新たな変速段を実現するために所定の係合要素(クラッチ)を締結又は解放するよう、油圧制御装置6における油圧供給動作を選択するシフト制御用電磁ソレノイド(図示せず)をオン(付勢)又はオフ(消勢)するよう制御する。
また、シフト制御S2では、アイドルニュートラル制御のための所定の条件が満足されたとき、アイドルニュートラル制御のために所定の係合要素(クラッチ)を解放するようシフト制御用電磁ソレノイドのオン(付勢)又はオフ(消勢)を設定する。前述のとおり、アイドルニュートラル制御は、シフトレバーによる変速指示が前進走行ポジションに設定されたまま、アクセルペダルが解放されてアイドリング状態となり、ブレーキペダルが所定量以上踏み込まれて、車速Nvが略零になって該車両が略停止状態となる、というような所定の条件が満足されたとき、所定の係合要素−典型的には、前進1速において(及びその他の前進変速段においても)締結されるLOWクラッチ−を解放させ、ニュートラル状態に設定する制御である。
また、シフト制御S2では、アイドルニュートラル制御中に所定の復帰条件(例えばブレーキペダルの踏み込みが解除される一方でアクセルペダルが踏み込まれる)が満足されたとき、アイドルニュートラル制御のために解放していた所定の係合要素(前記LOWクラッチ)を締結するようシフト制御用電磁ソレノイドのオン(付勢)又はオフ(消勢)を設定する。
ロックアップクラッチ制御S3では、所定の条件が満足されたとき、トルクコンバータ2のロックアップ用クラッチを締結する/又は締結解除するよう、ロックアップ用電磁ソレノイドのオン(付勢)又はオフ(消勢)を設定する。
リニアソレノイド制御S4では、シフト制御S2で締結するように選択された所定の係合要素(クラッチ)に作動油を供給して該選択された係合要素(クラッチ)を締結方向に動かすために、リニア電磁ソレノイド(図示せず)をオン(付勢)するよう制御する。このリニアソレノイド制御S4には、作動油の油圧指令値を計算するためのサブルーチンS41が含まれる。この油圧指令値計算サブルーチンS41には、前進インギア処理時の油圧指令値を計算するためのサブルーチンS42が含まれる。このサブルーチンS42には、アイドルニュートラル制御からのインギア処理(アイドルニュートラル制御から前進走行に復帰させるためのインギア処理)の油圧指令値を計算するためのサブルーチンS43が含まれる。
このサブルーチンS43には、本発明の一実施例に従って、アイドルニュートラル制御からのインギア処理に際して、又は通常のニュートラル状態からのインギア処理に際して、インギアのためのLOWクラッチに滑りが生じたことを判定するためのサブルーチンS44が含まれる。このサブルーチンS44は、インギアのためのLOWクラッチの入力回転と出力回転の差回転の上昇度合いにより該LOWクラッチに滑りが生じたことを判定するための判定手段に相当する機能を実現する。また、サブルーチンS43には、今回のインギア処理において上記リニア電磁ソレノイドのオン(付勢)に応じて供給する作動油の圧力指令値を計算する今回インギア油圧指令ルーチンS45が含まれる。
また、油圧指令値計算サブルーチンS41には、上記クラッチ滑り判定サブルーチンS44でインギアのためのLOWクラッチに滑りが生じたことが判定された場合に、次回発進時における該クラッチの作動油圧を補正するための補正値を設定するための補正値バックアップサブルーチンS46が含まれる。この補正値バックアップサブルーチンS46は、クラッチに滑りが生じたことが判定された場合に、次回発進時における該クラッチの作動油圧を補正するための補正量を設定する補正手段に相当する機能を実現する。
リニアソレノイド制御S4の後、故障検知処理S5を実行して、1サイクルのジョブを終了する。
図3は、クラッチ滑り判定サブルーチンS44の一例を示すフロー図である。ステップS51では、前記パラメータ算出S1で算出した「LOWクラッチの入力回転と出力回転の差回転」(以下「クラッチ差回転」という)DNMEGの前回値と今回値の大小を比較し、該クラッチ差回転DNMEGが上昇(つまり増加)しているか、あるいは下降(つまり減少)しているかを判定する。この前回値とは、10ミリ秒周期で実行される図2のジョブにおける前回値である。つまり、今回算出したクラッチ差回転DNMEGが今回値であり、その10ミリ秒前のジョブで算出したクラッチ差回転DNMEGが前回値である。クラッチに滑りが生じていない場合は、クラッチ差回転DNMEGが時間的に下降(減少)して0に収束するが、クラッチに滑りが生じている場合は、アクセルペダルの踏み込みによって入力回転が増加するのに対して、出力回転はそれに応じて増加せずクラッチ差回転DNMEGは時間的に上昇(増加)する。
クラッチ滑りの有無に応じたクラッチ差回転DNMEGの上昇又は下降傾向は単純増加又は単純減少ではなく、ノイズ的な変動成分を含む。そこで、以下の処理により、そのようなノイズ的な変動成分を除去(フィルタ)し、正確な上昇傾向又は下降傾向を把握するようにしている。
クラッチ差回転DNMEGの今回値が前回値よりも大きければ、ステップS52で「上昇カウンタ」の値を1インクリメントする。ステップS52で「上昇カウンタ」の値をインクリメントしたとき、次のステップS53で「下降カウンタ」の値を0にリセットする。
一方、クラッチ差回転DNMEGの今回値が前回値よりも大きくなければ(下降するか、又は変化がない場合)、ステップS54で「下降カウンタ」の値を1だけインクリメントする。上記のように、「下降カウンタ」はクラッチ差回転DNMEGが上昇するときリセットされるので、クラッチ差回転DNMEGが上昇しないことが連続すると、「下降カウンタ」の値が増してゆく。
ステップS55では、「上昇カウンタ」の値が1であるかどうかをチェックする。「上昇カウンタ」の値が1であるとは、クラッチ差回転DNMEGの上昇が開始したことを意味する。「上昇カウンタ」の値が1であれば、ステップS56で、クラッチ差回転DNMEGの上昇開始時における各パラメータを滑り関連パラメータとして保存する。詳しくは、現在のクラッチ差回転DNMEGを「クラッチ差回転最小値」DNMEGminとしてレジスタにラッチし、同じく現在のクラッチ差回転DNMEGを「クラッチ差回転最大値」DNMEGmaxとしてレジスタにラッチし、現在の「アクセルペダル開度」APATを「滑り開始時アクセルペダル開度」APATinglとしてレジスタにラッチし、現在の「ATF油温」TATFを「滑り開始時油温」TATFinglとしてレジスタにラッチする。「上昇カウンタ」の値が1以外のときは、このステップS56はジャンプされる。
ステップS57では、「下降カウンタ」の値が所定の下降基準値CALIB1以上であるかをチェックする。この下降基準値CALIB1はクラッチ差回転DNMEGの下降(減少)が一時的なものでないことを確認できるような値であり、設計上適宜に定められるものであるが、一般的には1よりも大きな値をとる。YESであれば、つまり、「下降カウンタ」の値が所定の下降基準値CALIB1に達したならば、ステップS58で、「上昇カウンタ」及び「下降カウンタ」の値をそれぞれ0にリセットする。クラッチ差回転DNMEGの下降傾向つまり収束が一旦確かめられたことにより、「上昇カウンタ」に保持されている値は一過性のノイズ的なものであったことが判明したため、そのようなノイズ的上昇変動をキャンセルする(フィルタする)ために「上昇カウンタ」をリセットしている。このとき「下降カウンタ」をリセットするのは、クラッチ滑り判定条件を初期状態に戻すためである。「下降カウンタ」の値が所定の下降基準値CALIB1に達していなければ、ステップS58はジャンプされる。
ステップS59では、「上昇カウンタ」の値が所定の上昇基準値CALIB2以上であるかをチェックする。この上昇基準値CALIB2はクラッチ差回転DNMEGの上昇(増加)が一時的なものでないことを確認できるような値であり、設計上適宜に定められるものであるが、一般的には1よりも大きな値をとる。YESであれば、つまり、「上昇カウンタ」の値が所定の上昇基準値CALIB2に達したならば、ステップS60で、滑り判定1次フラグF_JUDFL1を1にセットする。この滑り判定1次フラグF_JUDFL1の1は、クラッチ差回転DNMEGが所定回数(図2のAT制御処理のジョブ回数)以上上昇したこと、つまり上昇傾向にあること、換言すればクラッチ滑りを生じている可能性が高いこと、を示している。「上昇カウンタ」の値が所定の上昇基準値CALIB2に達していなければ、ステップS60はジャンプされる。
ステップS61では、現クラッチ差回転DNMEGが保存済の「クラッチ差回転最大値」DNMEGmaxよりも大きいかをチェックし、大きければ、「クラッチ差回転最大値」DNMEGmaxを現クラッチ差回転DNMEGによって更新する(S62)。こうして、「上昇カウンタ」が0にリセットされた以後で最大のクラッチ差回転DNMEGが「クラッチ差回転最大値」DNMEGmaxとして保存される。
ステップS63では、「クラッチ差回転最大値」DNMEGmaxと「クラッチ差回転最小値」DNMEGminの差を計算し、この差をクラッチ滑り量DDNMEGとして算出する。
ステップS64では、算出したクラッチ滑り量DDNMEGが所定の判定基準値CALIB3よりも大きいかをチェックし、DDNMEG>CALIB3であり、かつ、前記滑り判定1次フラグF_JUDFL1が1であれば、クラッチに滑りが生じたと判定する。このようにDDNMEG>CALIB3とF_JUDFL1=1の両条件が成立した場合は、ステップS65で滑り判定フラグF_DNMEGFLを1にセットし、クラッチに滑りが生じたことが確定的に判定されたことを示す。
図4は、補正値バックアップサブルーチンS46の一例を示すフロー図である。ステップS70では、前記滑り判定フラグF_DNMEGFLが1であるかをチェックする。YESであれば、ステップS71で、前記クラッチ滑り量DDNMEGに応じて該クラッチの作動油圧を補正するための補正値Ccurを決定し、これを補正量カウンタFCの値に加算する(FC=FC+Ccur)。補正量カウンタFCは、クラッチの作動油圧を補正するための補正値を累積的にカウントし保持するものである。この補正量カウンタFCでは、アクセルペダル開度とATF油温との関数として(つまり、アクセルペダル開度とATF油温に対応付けて)補正量データを保持する。そのため、図3の前記ステップS56でラッチした「滑り開始時アクセルペダル開度」APATinglと「滑り開始時油温」TATFinglとを参照し、それぞれの値(滑り開始時アクセルペダル開度と滑り開始時油温)に応じた補正量カウンタFCを呼び出し、該補正量カウンタFCの値(前回インギア処理までの補正量)に今回インギア処理で決定した補正値Ccurを加算する。この補正量カウンタFCで保持される補正量データは、次回のLOWクラッチによるインギア処理において、同様のアクセルペダル開度とATF油温の条件下において、クラッチに滑りが生じないように作動油の圧力を増加させるための制御データとして使用される。
なお、補正量カウンタFCは、アクセルペダル開度とATF油温の細かな値に対応してそれぞれ設けられている必要はなく、アクセルペダル開度とATF油温の取り得る値の範囲をそれぞれ複数段階に区分けし、各段階に対応してマトリクス状に該補正量カウンタFCを設けるようにすればよい。また、補正量カウンタFCを、アクセルペダル開度とATF油温の両方に対応して設けることなく、一方に対応して設けるようにしてもよい。
なお、補正値バックアップサブルーチンS46は、例えば今回インギア処理の終了時に少なくとも1回実行すればよい。
図5は、今回インギア油圧指令ルーチンS45の一例を示すフロー図である。ステップS81では、図2のパラメータ算出S1で得たアクセルペダル開度APAT及びATF油温TATFに応じて前記補正量カウンタFCの補正量データを読み出す。ステップS82では、このリニア電磁ソレノイドに対応するベース油圧指令値を算出する。ステップS83ではアクセルペダルがONされているかをチェックする。アクセルペダルがONされていれば、ステップS84,S85で本発明に従う発進制御を行う。
ステップS84では、上記読み出した補正量カウンタFCの補正量データに所定の補正油圧係数を掛け、油圧補正量を算出する。ステップS85では、算出した油圧補正量を上記算出したベース油圧指令値に加算し、今回インギア油圧指令値を算出する。こうして算出された今回インギア油圧指令値に応じてリニア電磁ソレノイドの付勢に対応するクラッチ作動油圧が設定されることにより、前回のインギア処理時において生じたクラッチ滑りが今回のインギア処理においては生じないように、クラッチ作動油圧が制御される。これにより、クラッチのトルク不足によるジャダーの発生を防止することができる。なお、滑り判定1次フラグF_JUDFL1と滑り判定フラグF_DNMEGFLは、設計上定めた適当なタイミングで、例えば、アイドルニュートラル制御が解除されたとき又はニュートラル状態から前進1速にシフトされるときのLOWクラッチのインギア処理開始時に、リセットされる。
図6は、クラッチのトルク不足によりジャダーが発生する場合の各データの実測例を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は各データの実測値である。図6(a)においては、アイドルニュートラル制御のオン/オフ状態を示す「アイドルNフラグ」が示されており、これが時点t1でオフとされ、この時点t1でアイドルニュートラル制御が解除されたことを示している。また、図6(a)においては、変速ギア機構3の入出力軸の速度比、クラッチ差回転DNMEG、アクセルペダル開度の実測データが示されており、更に、車両に加わる加速度Gの測定値も参考のために示されている。図6(b)においては、図6(a)に示されたデータ状態に対応する滑り判定1次フラグF_JUDFL1と滑り判定フラグF_DNMEGFLのオン/オフ状態、及びクラッチ作動油圧の指令値を示している。図6(a)においては、クラッチ滑りが生じている部分を点線で概略的に囲んで示している。図6(a)を参照すると、クラッチ滑りが生じたとき、適宜の時間遅れの後、加速度Gが大きく振動し、ジャダーが発生していることが理解できる。
図6の実測例に対応して実行される図2〜図5のフローにおける処理動作について説明する。図6で時点t1から時点t2まではクラッチ差回転DNMEGが下降(減少)している。時点t2でクラッチ差回転DNMEGが下降から上昇に切り替わる。時点t2で図2に示すAT制御処理のジョブが実行されるとき、リニアソレノイド制御S4内のクラッチ滑り判定サブルーチンS44におけるステップS51(図3)でクラッチ差回転DNMEGの今回値が前回値より大きいと判定され、上昇カウンタが「1」にインクリメントされる(S52)。これにより、ステップS55のYESからステップS56に進み、クラッチ差回転最小値DNMEGmin、クラッチ差回転最大値DNMEGmax、滑り開始時アクセルペダル開度APATingl、滑り開始時油温TATFinglがそれぞれラッチされる。
その後もクラッチ差回転DNMEGの上昇(増加)が続くことにより、上昇カウンタの値が順次上昇(増加)される(図3のS52)。また、クラッチ差回転最大値DNMEGmaxの値も逐次更新される(図3のS61,S62)。
時点t3で上昇カウンタの値が所定の上昇基準値CALIB2(例えば「3」)に達すると、時点t3におけるAT制御処理のジョブ実行中において、ステップS59(図3)でYESと判定され、ステップS60で滑り判定1次フラグF_JUDFL1が1にセットされる。今回のクラッチ差回転DNMEGがDNMEGmaxとして更新され(S62)、この新たなDNMEGmaxと時点t1のときにラッチしたDNMEGminとの差であるクラッチ滑り量DDNMEGが求められる(S63)。このクラッチ滑り量DDNMEGが所定の判定基準値CALIB3よりも大きいならば、ステップS64での判定条件が成立し、滑り判定フラグF_DNMEGFLが1にセットされる(S65)。
以後もクラッチ滑りが継続すると、クラッチ差回転最大値DNMEGmaxの値は逐次更新される(図3のS61,S62)。図6の測定例では、時点t4のときのクラッチ差回転DNMEGが最終的な最大値DNMEGmaxとなる。よって、今回のインギア処理においては、最終的に、真のクラッチ差回転最大値DNMEGmax(時点t4のときの値)とクラッチ差回転最小値DNMEGminとの差がクラッチ滑り量DDNMEGとして算出され記憶される(S63)。
補正値バックアップサブルーチンS46(図4)おいては、上記のように算出された今回インギア処理におけるクラッチ滑り量DDNMEGに応じて補正値Ccurを決定し、前記滑り開始時アクセルペダル開度APATingl及び滑り開始時油温TATFinglに対応して呼び出した補正量カウンタFCの値に該補正値Ccurを加算する(S71)。なお、補正量カウンタFCの値は、該当するアクセルペダル開度値とATF油温値との組み合わせで過去にクラッチ滑りが生じていなければ「0」である。そして、該当するアクセルペダル開度値とATF油温値との組み合わせで、今回クラッチ滑りが生じると、この滑りを補償するような値の補正値Ccurが検出したクラッチ滑り量DDNMEGに応じて決定され、これが該当するアクセルペダル開度値とATF油温値との組み合わせに対応する補正量カウンタFCの値に加算される。
図6に示す実測例のインギア処理においては、上記のようにして決定される補正値Ccurに応じた油圧補償はまだなされていない。すなわち、図5に示す今回インギア油圧指令サブルーチンS45のステップS81において読み出される補正量カウンタFCの補正量データは、今回生じるようなクラッチ滑りの発生を予測していないもの(例えば0)である。そのため、図6に示すようにクラッチ滑りが生じ、ジャダーが発生している。
図7は、図6に示す実測例において、本発明に従う油圧補正量の学習を行った結果、次回のアイドルニュートラル制御解除時のLOWクラッチインギア処理の際の各データの実測例を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は各データの実測値である。図7に示されるように、クラッチ作動油圧の指令値に対して前回学習した油圧補正量が加算されることにより、クラッチのトルク不足が解消され、クラッチ滑りが生じないようになり、ジャダーも発生しないようになる。
図7の実測例に対応して実行される図2〜図5のフローにおける処理動作について説明する。図7の時点t11でアイドルニュートラル制御が解除されると、対応するシフト制御用電磁ソレノイド及びリニア電磁ソレノイドが付勢され、LOWクラッチのインギア処理が開始される(図2のS2,S4,S42,S43等)。時点t11からしばらくの間は、アクセルペダルが踏まれていないか又はアクセルペダル開度が小さい。そのため、アクセルペダルが踏まれていない場合は図5のステップS83のNOのルートで処理されることで作動油圧の増強がなされず、また、アクセルペダル開度が小さい場合は該小さなアクセルペダル開度に対応して図5のステップS81で読み出される補正カウンタFCの補正量データは0である(図6のインギア処理で学習したものではない)ため、作動油圧の増強はなされない。やがて時点t12でアクセルペダル開度とATF油温の現在値が図6の処理で学習した状態に対応するようになると、これに対応して図5のステップS81で読み出される補正カウンタFCの補正量データは、クラッチのトルク不足を解消するように図6のインギア処理で学習したものとなる。従って、今回インギア油圧指令値として、ベース油圧指令値に前回学習した油圧補正量を加算したものが算出される(S85)。これにより、アクセルペダル開度とATF油温の変化に対応してクラッチのトルク不足を解消するように作動油圧の増強が行われ、クラッチ滑りが生じないようになり、ジャダーも発生しないようになる。勿論、もし、前回学習した油圧補正量では足らず、まだクラッチ滑りが生じるようであれば、更に、油圧補正量を増加するように学習が行われる。
本発明の一実施形態に係る発進制御装置を備えた車両の動力伝達系統及び制御系統の概略を示すブロック図。 図1における電子変速制御ユニット(ECU)が具備するコンピュータによって10ミリ秒周期で繰り返し実行されるAT(自動変速)制御のルーチンを略示するフロー図。 クラッチ滑り判定サブルーチンS44の一例を示すフロー図。 補正値バックアップサブルーチンS46の一例を示すフロー図。 今回インギア油圧指令ルーチンS45の一例を示すフロー図。 クラッチのトルク不足によりジャダーが発生する場合の各データの実測例を示すグラフ。 本発明に従う油圧補正量の学習を行った結果として、次回のアイドルニュートラル制御解除時のLOWクラッチインギア処理の際の各データの実測例を示すグラフ。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 変速ギア機構
4 ディファレンシャルギア機構
5 車輪(例えば後輪)
6 油圧制御装置
10 電子制御ユニット(ECU)

Claims (7)

  1. 発進時において油圧制御に基づき係合される係合要素を有する自動変速機を搭載した車両の発進制御装置であって、
    前記係合要素の入力回転と出力回転の差回転を検出する差回転検出手段と、
    前記差回転の上昇度合いにより前記係合要素に滑りが生じたことを判定する滑り判定手段と、
    前記判定手段により前記係合要素に滑りが生じたことが判定された場合に、次回発進時における前記係合要素の作動油圧を補正するための補正量を設定する補正手段と
    を備えることを特徴とする車両の発進制御装置。
  2. 前記車両において、シフトレバーによる変速指示が前進走行ポジションに設定されたまま該車両の状態が予め定められた条件を満足して停止した場合に、前記係合要素を解放させるアイドルニュートラル制御が実行され、
    前記発進制御装置は、前記係合要素を係合して前記アイドルニュートラル制御から前進走行に復帰する時の発進制御を行うものである、請求項1に記載の車両の発進制御装置。
  3. 前記判定手段は、前記係合要素に滑りが生じたと判定したとき該係合要素の滑り量を決定し、
    前記補正手段は、前記係合要素の作動油圧の補正量を、前記係合要素の滑り量に応じて設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の発進制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記係合要素の作動油圧の補正量を、前記滑りが生じたときの前記車両のアクセルペダル開度に対応付けて設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の発進制御装置。
  5. 前記補正手段は、前記係合要素の作動油圧の補正量を、前記滑りが生じたときの前記係合要素の作動油温に対応付けて設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両の発進制御装置。
  6. 前記差回転検出手段は、所定サイクル毎に前記差回転を検出し、
    前記判定手段は、前記差回転が所定回数以上上昇し、かつ、その間における上昇し始めの前記差回転と最大の前記差回転との差が所定基準値以上であるならば、前記係合要素に滑りが生じたと判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両の発進制御装置。
  7. 前記判定手段は、前記差回転が前回よりも上昇したときインクリメントされる上昇カウンタと、前記差回転が前回よりも下降したとき又は変化しないときインクリメントされる下降カウンタとを含み、前記下降カウンタは上昇カウンタがインクリメントされるときリセットされ、前記上昇カウンタは前記下降カウンタの値が所定の下降基準値に達したときリセットされ、該上昇カウンタの値が所定の上昇基準値以上であれば前記差回転が前記所定回数以上上昇したと判断することを特徴とする請求項6に記載の車両の発進制御装置。
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