JP2009215745A - 車両用ドアのロック装置 - Google Patents

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Norikazu Inoue
法一 井上
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Abstract

【課題】車両のドアおよび車体のドア開口のいずれか一方にストライカを設け、他方にはドア閉時にストライカを進入せしめる開口部を有するロック部を設けたドアのロック装置において、閉鎖されたドアのガタツキを確実に防止するようにすること。
【解決手段】ストライカ1にはロック部5への進入方向の後方位置に、進入方向に向けて幅を先細りとしたほぼ台形状の周壁を形成するくさび本体20と、くさび本体20内に充填したゴムブロック3とからなり、軸部材13に軸支固定せしめ、ゴムブロック3の捩れにより軸部材13まわりに首振り可能なくさび部材2を設ける。ドア閉時、ロック部5の開口部50とストライカ1との間に位置ずれがあっても、くさび部材2は首振りにより位置ずれを吸収して開口部50にスムーズに進入し、ゴムブロック3の反発力でくさび部材2を開口部50に圧接せしめ、ドアのガタツキを防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は車両用ドアのロック装置、特にドアをガタツキなくロックすることができるロック装置に関するものである。
図5に示すように、自動車の車体側面のドア開口を開閉するドアDは、ドア前縁の上下2個所がドア開口の前縁にヒンジ部材H,Hにより開閉可能にヒンジ結合され、閉鎖時にはドア後縁の上下中間がロック装置Rによりドア開口後縁にロックされる。
図6、図7に示すように、ロック装置Rは、車体のドア開口の開口後縁9に設置されたストライカ1と、ドアDのドア後縁に設けられてストライカ1を係脱可能にロックするロック部5とで構成される。金属棒をほぼコ字形に屈曲形成されて2本の脚部11,12を有するストライカ1はベース板10を介して開口後縁9にボルト締めされドアD側へ突設されている。これに対応してドアDの後縁に設置されたロック部5には車内側へ向けて開口してストライカ1を進入させる開口部50と、ストライカ1と係合するラッチ51を備え、ドアD閉操作により、開口部50内に進入するストライカ1の前側(車外側)の脚部11をラッチ51で係止してドアDを閉位置にロックする。
ところで図5に示す固定ルーフの無いオープンカーは固定ルーフ部のあるセダンに比べて車体の捩じれ剛性が低くなる。またオープンカーではドア閉鎖時にドア後部の上下方向へのガタツキが発生しやすく(図の白矢印)、ガタツキによりドアDと車体側部との一体性が無く、車体の捩れに対する剛性が低下する一因となっている。
跳ね上げ式のバックドアなどではガタツキ防止手段を備えたロック装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図8はこの種の従来のロック装置Rを示す。ドアないし車体の一方に設けられたストライカ1の後方位置には、ドアガタツキ防止手段としてストライカ1側に向けて対向間隔が漸次狭くなる左右一対のバネ板の弾接片61,61を有するくさび部材6を設け、ドア閉鎖時に、ストライカ1を車体またはドアの他方に設けられたロック部5の開口部50に進入せしめて、ラッチ51でストライカ1を係止せしめるとともに、くさび部材6の両弾接片61,61を開口部50に嵌合せしめてドアのガタツキを防ぐようにしている。
実開平1−68483号公報
特許文献1に記載のくさび部材6は、例えば、図9に示すように、開口部50の中心線Xとくさび部材6の中心線Yがずれた状態でくさび部材6が開口部50へ嵌入した場合、一方の弾接片61のみが開口部50の一方の開口縁52に強く弾接するが、他方の弾接片61は他方の開口縁52と当接せずに両者の間に隙間ができて、ドアのガタツキ防止効果が充分に発揮されない。
上記くさび部材6をオープンカー等の車体側面のドアDのロック装置Rに適用した場合、ドアDはヒンジ結合されたドア前縁に対してドア後縁が下がり易く、このドア下がりが生じると開口部50の中心線とくさび部材6の中心線にずれが生じ、ドアDのガタツキを防止できないといった問題が生じる。
そこで、両弾接片61,61の対向間隔を広くして、くさび部材6と開口部50の中心がずれても、両弾接片61,61を確実に開口部50の両開口縁52,52と弾接させることが考えられる。しかしながら、このようにすると両弾接片61,61の開口部50に対する圧接力が増加する上に、中心がずれた場合には片側の弾接片61に圧接力が集中し、ドア閉操作力が更に大きくなる。
そこで本発明は、ドアのガタツキ防止手段として、くさび部材を備えた車両用ドアのロック装置において、ドアの閉操作力を上げることなくドアのガタツキを防止することを課題としてなされたものである。
本発明は、車両のドアおよび車体のいずれか一方にストライカが設置され、他方に上記ストライカを進入せしめる開口部と進入したストライカに係合せしめるラッチを有するロック部が設置された車両用ドアのロック装置であって、上記ストライカの上記開口部への進入方向の後方位置にくさび部材を設け、上記ストライカが上記開口部より進入し、上記ラッチと係合した時に上記くさび部材を上記開口部に嵌合せしめてドアのガタツキを防止するようになした車両用ドアのロック装置において、上記くさび部材を、上記進入方向に向けて先細りとしたほぼ台形状の周壁を形成する硬質のくさび本体と、該くさび本体内に充填したゴムブロックとで構成し、上記ストライカの後方に立設した軸部材に上記ゴムブロックの後半部を軸支固定せしめて、上記ゴムブロックの捩れにより、上記くさび部材を上記軸部材まわりに首振り可能に支持せしめ、上記ストライカが上記開口部へ進入して上記ラッチと係合した時に、上記くさび本体を上記ゴムブロックの反発により上記開口部に圧接せしめるようになした(請求項1)。
ドア閉鎖時にくさび部材の中心線と開口部の中心線とに位置ずれがあっても、くさび部材は開口部に進入するとき、くさび部材の首振りにより位置ずれが吸収され、ドア閉操作力を上げることなく、くさび部材を上記開口部の両側に圧接させることができ、ドアのガタツキが防止される。
上記ゴムブロックはその前半部を上記進入方向に向けて先細りをなすほぼ三角形状に形成し、その先端を上記くさび本体の前部中央に当接せしめ、上記前半部の左右両側と上記くさび本体の両側部との間に間隙を設ける(請求項2)。上記ゴムブロックには上記前半部に抜き穴を形成する(請求項3)。
ゴムブロックは、くさび本体内で変形しやすく、ドア閉操作時にその抵抗とならず、ドア閉操作に大きな操作力を必要としない。
上記軸部材に、上記進入方向後方に向けて突出するガイドピンを設け、該ガイドピンを上記くさび本体の後部に形成した左右方向に長径のガイド穴に挿入せしめてくさび部材の前後左右の移動を案内するようにする(請求項4)。
ガイドピンおよびガイド穴の案内でくさび部材の首振り移動が円滑になされる。
上記くさび部材を、オープンカーの車体側面のドアを車体へロックするロック装置に設ける(請求項5)。
本発明のくさび部材は、オープンカーのドアロック装置に適用して特に優れた効果が発揮され、オープンカーの車体の捩れに対する剛性を強化できる。
図5に示すオープンカーのドアDのロック装置Rに本発明を適用した実施形態を説明する。図1、図6に示すように、ロック装置Rは車体のドア開口縁9にストライカ1を設け、ストライカ1に対応してドアDの後端にはストライカ1を進入せしめるロック部5を設けた構造を有している。これらストライカ1およびロック部5の基本構造は従来構造のそれと同一である。
図1ないし図3、図5に示すように、ストライカ1は金属棒をほぼコ字形に屈曲した一対の脚部11,12を備え、脚部11,12の脚端をベース板10に結合して、ベース板10に対して直交方向に突設してある。ストライカ1はベース板10を介して車体のドア開口縁9に設置してある。設置状態において、脚部11,12は車内外方向水平位置に配設され、脚部 (前脚)11は車外側、脚部(後脚)12は車内側としてある。
ドアDの後端に設けたロック部5には、車内方向に向けて開口し、ドア閉時ストライカ1の脚部11,12を進入せしめる開口部50が設けてある。
ストライカ1には、開口部50への進入方向の後方位置、すなわち後脚12の後方位置で両脚部11,12と一直線状の位置に軸部材13が設けてある。軸部材13は角形でベース板10の後端に立設してあり、軸部材13の先端にくさび部材2が軸支してある。
くさび部材2はキャップ状で、合成樹脂のくさび本体20と、くさび本体20の断面ほぼ台形状の周壁に囲まれた内腔部に充填したゴムブロック3とからなる。
くさび本体20は、硬質かつ摩耗に対して強いナイロン等からなる成形品で、ストライカ1のロック部5への進入方向に(後脚12側)へ向けて幅が先細りとなるように配置してあり、周壁の左右両側の側壁部21,21はテーパー状に形成してある。
ゴムブロック3は、後半部の中央に軸部材13の先端を挿入する挿入穴が設けてあり、これに軸部材13の先端を挿入して加硫接着により軸部材13に固着してある。
ゴムブロック3の前半部は上記進入方向の前方へ向けて先細りとした断面三角形状をなし、また前半部には断面三角形状の抜き穴32が形成してある。
くさび部材2は、くさび本体20の内腔部に下方から軸部材13と一体にゴムブロック3が圧入してある。この場合、ゴムブロック3の先細りの前端31はくさび本体2の内腔部の前壁部の中間位置に当接せしめてあり、前端31の左右両側にはくさび本体20の側壁部21,21との間に間隙が形成してある。
このように装着したくさび部材2は、通常、くさび本体20の前端面がストライカ1の後方の脚部12に当接する位置にあり、くさび部材2は軸部材13を中心にゴムブロック3の捩れにより前後左右に首振り可能である。
また、くさび部材2は、くさび本体20の後壁部23の下端が軸部材13に沿って下方へ延設してあり、後壁部23の下端には左右方向に長径のガイド穴24が貫設してある。ガイド穴24に対応して軸部材13には、その下端寄りの位置から後方へ突出するガイドピン4が設けてあり、ガイドピン4をガイド穴24に挿通せしめ、くさび部材2の首振りを案内するとともに首振り範囲を規制するようにしてある。
ドア側のロック部5は金属板からなるケース部55を備え、ケース部55の中央にはストライカ1を進入せしめる溝状の開口部50が形成してある。開口部50は一方の端末が開口しており、該開口端末寄りの開口縁52,52は上記開口端末に向けて開口幅が広がるテーパー状に形成してある。開口縁52,52の傾斜はくさび部材2の側壁部21,21の傾斜に合わせてある。開口縁52,52には、くさび部材2の側壁部21,21に対応して、これらと面接触するように壁面が形成してある。なお、開口部50の奥行寸法は進入するストライカ1の脚部11が奥端に至る手前で開口縁52,52がくさび部材2の側壁部21,21と当接する寸法に設定してある。
ケース部55内には、開口部50に進入したストライカ1を係合するラッチ51と、ラッチ51をストライカ係合位置と解放位置とに切り替えるレバー56とがそれぞれ支軸により回転可能に軸支してある。
ロック部5は、ストライカ1に対応する位置でドアの後端に、開口部50の開口端末を車幅方向車内側へ向けた状態で両側の固定部57,57によりボルト締めして固定してある。
本実施形態によれば、ドアを閉操作すると、ドアと一体にロック部5が車内側へ移動して開口部50にストライカ1が進入していき、前方の脚部11が開口部50の奥端部に至る手前で、くさび部材2はその両側の側壁部21,21が開口部50の入口付近の開口縁52,52に当接して、それ以上の前方へのくさび部材2の移動が規制される。更にストライカ1が進入方向前方に進むと、これと一体に軸部材13も前方へ移動するから、移動が規制されたくさび本体20の前壁部と前方へ移動する軸部材13との間でゴムブロック3が圧縮される。そして、ストライカ1の前脚11が開口部50の奥端部でラッチ51と係合してドアが閉じ切られると、くさび部材2はゴムブロック3の反発力により両側壁部21,21が開口部50の開口縁52,52に強く押し当てられてくさび部材2が開口部50の入口付近に強固に嵌合することとなる。これによりドアのガタツキを防止する。ドアのガタツキを防止することで、ドアと車体側面との一体性を高めることができ、もって車体のねじれに対する剛性も強化できる。
またドア下がりなどにより、開口部50の中心線とくさび部材2の中心線が位置ずれしても、くさび部材2はゴムブロック3の捩れにより左右方向に首振りするので、位置ずれを吸収してくさび部材2はスムーズに開口部50に進入し、進入後にその中心線が開口部50の中心線に沿う方向に姿勢を変えるから、両側壁部21,21はともに開口部50の両開口縁52,52に当接し、ドア閉操作力は増加せず、ドアのガタツキを効果的に防止することができる。
ゴムブロック3をくさび本体20内に隙間なく充填してもよいが、ゴムブロック3の前半部を三角形状とし、かつ抜き穴32を形成することで、ドア閉操作時に容易に圧縮され、首振りと相まってドアの閉操作力を大きくしない。
また、くさび部材2の首振りはガイド穴24とガイドピン4との案内により前後左右の水平方向に円滑になされ、くさび部材2の動きが安定する。
本発明のロック装置を示すもので、ストライカをロック部にラッチ係合せしめるとともにくさび部材を開口部に嵌合した状態の断面図である。 本発明のストライカおよびくさび部材を示す一部断面とした側面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 上記ストライカを後方から見た後面図である。 本発明を適用するオープンカーの車体側面のドアまわりを示す要部側面図である。 上記車両の従来のロック装置を示すもので、図5のVI−VI線に沿う断面図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 図1に対応して、ドアのガタツキ防止機能を有する従来のロック装置を示す断面図である。 上記従来のロック装置の問題点を示す概略説明図である。
符号の説明
1 ストライカ
11 前脚(脚部)
12 後脚(脚部)
13 軸部材
2 くさび部材
20 くさび本体
21,21 周壁の側壁部
24 ガイド穴
3 ゴムブロック
31 前端(前半部)
32 抜き穴
4 ガイドピン
5 ロック部
50 開口部
51 ラッチ
D ドア
R ロック装置

Claims (5)

  1. 車両のドアおよび車体のいずれか一方にストライカが設置され、他方に上記ストライカを進入せしめる開口部と進入したストライカに係合せしめるラッチを有するロック部が設置された車両用ドアのロック装置であって、
    上記ストライカの上記開口部への進入方向の後方位置にくさび部材を設け、上記ストライカが上記開口部より進入し、上記ラッチと係合した時に上記くさび部材を上記開口部に嵌合せしめてドアのガタツキを防止するようになした車両用ドアのロック装置において、
    上記くさび部材を、上記進入方向に向けて先細りとしたほぼ台形状の周壁を形成する硬質のくさび本体と、該くさび本体内に充填したゴムブロックとで構成し、
    上記ストライカの後方に立設した軸部材に上記ゴムブロックの後半部を軸支固定せしめて、上記ゴムブロックの捩れにより、上記くさび部材を上記軸部材まわりに首振り可能に支持せしめ、
    上記ストライカが上記開口部へ進入して上記ラッチと係合した時に、上記くさび本体を上記ゴムブロックの反発により上記開口部に圧接せしめることを特徴とする車両用ドアのロック装置。
  2. 上記ゴムブロックはその前半部を上記進入方向に向けて先細りをなすほぼ三角形状に形成し、その先端を上記くさび本体の前部中央に当接せしめ、上記前半部の左右両側と上記くさび本体の両側部との間に間隙を設けた請求項1に記載の車両用ドアのロック装置。
  3. 上記ゴムブロックには上記前半部に抜き穴を形成した請求項1または2に記載の車両用ドアのロック装置。
  4. 上記軸部材に、上記進入方向後方に向けて突出するガイドピンを設け、該ガイドピンを上記くさび本体の後部に形成した左右方向に長径のガイド穴に挿入せしめてくさび部材の前後左右の移動を案内するようになした請求項1ないし3に記載の車両用ドアのロック装置。
  5. 上記くさび部材を、固定のルーフ部の無いオープンカーの車体側面のドアを車体へロックするロック装置に設けた請求項1ないし4に記載の車両用ドアのロック装置。
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