JP2009215383A - アゾ顔料、該アゾ顔料を含む顔料分散物、着色組成物およびインクジェット記録用インク - Google Patents

アゾ顔料、該アゾ顔料を含む顔料分散物、着色組成物およびインクジェット記録用インク Download PDF

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Abstract

【課題】色相等の色彩的特性および耐薬品堅牢性に優れ、着色力が高いアゾ顔料、顔料分散物、着色組成物およびインクジェット記録用インクを提供する。
【解決手段】例えば、下記反応で得られるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物が例示される。
Figure 2009215383

【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアゾ顔料、該アゾ顔料を含む顔料分散物、着色組成物およびインクジェット記録用インクに関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インキ、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDPにおいてカラー画像を記録・再現するためにカラーフィルターが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を表示あるいは記録する為に、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
上記の各用途で使用する染料や顔料には、共通して次のような性質を具備している必要がある。即ち、色再現性上好ましい吸収特性を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば、耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性が良好であること等が挙げられる。加えて色素が顔料の場合には、さらに水や有機溶剤に実質的に不溶であり耐薬品堅牢性が良好であること、および粒子として使用しても分子分散状態における好ましい吸収特性を損なわないこと等の性質をも具備している必要がある。上記要求特性は分子間相互作用の強弱でコントロールすることができるが、両者はトレードオフの関係になるため両立させるのが困難である。
また、顔料を使用するにあたっては、他にも、所望の透明性を発現させるために必要な粒子径および粒子形を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば、耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、その他、有機溶剤や亜硫酸ガスなどへの耐薬品堅牢性が良好であること、使用される媒体中において微小粒子まで分散し、かつ、その分散状態が安定であること等の性質も必要となる。特に、良好なイエロー色相を有し、着色力が高く、光や湿熱及び環境中の活性ガスに対して堅牢な顔料が強く望まれている。
すなわち、顔料に対する要求性能は色素分子としての性能を要求される染料に比べて、多岐にわたり、色素分子としての性能だけでなく、色素分子の集合体としての固体(微粒子分散物)としての上記要求性能を全て満足する必要がある。結果として、顔料として使用できる化合物群は染料に比べて極めて限定されたものとなっており、高性能な染料を顔料に誘導したとしても微粒子分散物としての要求性能を満足できるものは数少なく、容易に開発できるものではない。これは、カラーインデックスに登録されている顔料の数が染料の数の1/10にも満たないことからも確認される。
アゾ顔料は、色彩的特性である色相および着色力に優れているため、印刷インキ、インクジェット記録用インク、電子写真材料などに広く使用されている。これらのうち、最も典型的に使用されている黄色アゾ顔料は、ジアリーリド顔料である。ジアリーリド顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、同13、同17などが挙げられる。しかし、ジアリーリド顔料は、堅牢性とりわけ耐光性が非常に劣るため、印字物の長期間の保存に適さない。
このような欠点を改良するため、分子量を大きくしたり、強い分子間相互作用を持つ基を導入することにより堅牢性を改善したアゾ顔料も開示されている(例えば特許文献1〜3参照)。しかしながら、改良された顔料においても、例えば特許文献1に記載の顔料は耐光性が改善されてはいるが未だ不十分であり、また、例えば特許文献2および3に記載の顔料は色相が緑味で着色力が低くなり、色彩的特性に劣るといった欠点があった。
また、特許文献4には色再現性に優れた吸収特性と十分な堅牢性を有する色素が開示されている。しかしながら、該特許文献に記載されている具体的化合物は、どれも水または有機溶剤に溶解するため、耐薬品堅牢性が十分でない。
イエロー、マゼンタ、シアンの3色、またはさらにブラックを加えた4色による減色混合法を用いてフルカラーを表現する場合、イエロー用の顔料として堅牢性の劣る顔料を用いると、時間の経過とともに印字物のグレーバランスが変化してしまい、また、色彩的特性に劣る顔料を用いると、印刷時の色再現性が低下してしまう。したがって、高い色再現性を長期間維持する印字物を得るために、色彩的特性及び堅牢性の両立した黄色顔料及び顔料分散物が望まれている。
特開昭56−38354号公報 米国特許2936306号 特開平11−100519号公報 特開2003−277662号公報
本発明は、色相等の色彩的特性および耐薬品堅牢性に優れ、着色力が高いアゾ顔料、顔料分散物、着色組成物およびインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
本発明者等は上記した実状に鑑みて鋭意検討した結果、アゾ基に隣接する炭素原子に分子内水素結合が形成可能な含窒素複素環を置換したアゾ顔料が、色彩的特性および耐薬品堅牢性に優れ、着色力が高いことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
下記一般式(1)で表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
Figure 2009215383
(一般式(1)中、Qは炭素原子と共に5〜7員の複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、Gは下記一般式(A)で表される芳香族複素環基群(1)〜(14)から選ばれる基を表し、Xは水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を表し、Rは水素原子または置換基を表し、Rは複素環基を表し、nは1〜4の整数を表す。n=2の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した2量体を表す。n=3の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した3量体を表す。n=4の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した4量体を表す。)
Figure 2009215383
(一般式(A)中、a〜a、b〜b、c〜c、d〜d、e〜e、f〜f、g〜g、h〜h、i〜i、j〜j、k、l、m〜mは、それぞれ独立に水素原子また置換基を表す。*は、前記一般式(1)中の炭素原子との結合部位を表す。)
〔2〕
一般式(1)中、Qが炭素原子と共に5員含窒素複素環を形成することを特徴とする〔1〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
〔3〕
一般式(1)中、Qが炭素原子と共にピラゾール環を形成することを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
〔4〕
nが2であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
〔5〕
Xが水素原子であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
〔6〕
一般式(1)中、Gが前記一般式(A)で表される芳香族複素環基群のうち(1)または(7)から選ばれることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
〔7〕
一般式(1)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(2)で表されること特徴とするアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
Figure 2009215383
一般式(2)中、Qは炭素原子と共にピラゾール環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、a11〜a14およびa21〜a24は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは5〜8員含窒素複素環を構成するのに必要な原子団を表し、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
〔8〕
Zが6員含窒素複素環であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物を少なくとも1種含むことを特徴とする顔料分散物。
〔10〕
〔1〕〜〔8〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物を少なくとも1種含むことを特徴とする着色組成物。
〔11〕
〔9〕に記載の顔料分散物を用いることを特徴とするインクジェット記録用インク。
本発明によれば、色相等の色彩的特性および耐薬品堅牢性に優れ、着色力が高いアゾ顔料が提供される。本発明のアゾ顔料を種々の媒体に分散させることにより、色彩的特性および着色力に優れる分散物、着色組成物及びインクジェット記録用インクが得られる。分散物は、例えば、インクジェットなどの印刷用のインク、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレーやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、塗料、着色プラスチック等に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアゾ顔料は、一般式(1)で表される。まず、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料について説明する。
Figure 2009215383
(一般式(1)中、Qは炭素原子と共に5〜7員の複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、Gは下記一般式(A)で表される芳香族複素環基群(1)〜(14)から選ばれる基を表し、Xは水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を表し、Rは水素原子または置換基を表し、Rは複素環基を表し、nは1〜4の整数を表す。n=2の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した2量体を表す。n=3の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した3量体を表す。n=4の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した4量体を表す。)
Figure 2009215383
(一般式(A)中、a〜a、b〜b、c〜c、d〜d、e〜e、f〜f、g〜g、h〜h、i〜i、j〜j、k、l、m〜mは、それぞれ独立に水素原子また置換基を表す。*は、前記一般式(1)中の炭素原子との結合部位を表す。)
n=2の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した2量体を表す。n=3の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した3量体を表す。n=4の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した4量体を表す。
nが1の時は、Q、G、X、R、Rのいずれかは1価の基を表し、括弧内で示されるモノ型アゾ顔料を表す。
nが2の時は、Q、G、X、R、Rのいずれかは1価または2価の基を表す。但し、少なくとも1つは2価の基を表し、括弧内で示される色素のビス型アゾ顔料を表す。
nが3の時は、Q、G、X、R、Rのいずれかは1価、2価または3価の基を表す。但し、少なくとも2つが2価の置換基を表すか、または、少なくとも1つが3価の基を表し、括弧内で示される色素のトリス型アゾ顔料を表す。
nが4の時は、Q、G、X、R、Rのいずれかは1価、2価、3価または4価の基を表す。但し、少なくとも3つが2価の置換基を表すか、少なくとも1つが3価の基を表し1つが2価の基を表すか、または、少なくとも1つが4価の基を表し、括弧内で示される色素のテトラ型アゾ顔料を表す。
一般式(A)において、(1)〜(14)で表される芳香族複素環基群のa〜a、b〜b、c〜c、d〜d、e〜e、g〜g、h〜h、i〜i、j〜j、m〜mは、それぞれ互いに縮環していてもよい。例えば、芳香族複素環基群(1)のaとaが互いに縮環してキノリン環を形成したり、芳香族複素環基群(7)のgとgが互いに縮環してベンゾチアゾール環を形成してもよい。
〜a、b〜b、c〜c、d〜d、e〜e、f〜f、g〜g、h〜h、i〜i、j〜j、k、l、m〜m3として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基またはアルコキシ基であり、より好ましくは、水素原子、または総炭素数4以下のアルキル基である。
一般式(1)において、好ましいGは、一般式(A)で表される芳香族複素環基群(1)、(2)、(3)または(7)から選ばれる基であり、より好ましくは(1)または(7)から選ばれる基であり、特に好ましくは(1)から選ばれる基である。
一般式(1)においてXは水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を表し、好ましいXは、水素原子、アシル基、アルキルスルホニル基であり、特に好ましくは、水素原子である。
Xで表されるアルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
Xで表されるアシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
Xで表されるアルキルまたはアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
一般式(1)において、Rは水素原子または置換基を表し、Rが置換基を表す場合の置換基としては、下記の置換基(以下「置換基J」と称する場合がある)を挙げることができる。例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたは複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)が例として挙げられる。
本発明のアゾ顔料がイオン性親水性基を置換基として含有する場合は、多価金属カチオンとの塩(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム)であることが好ましく、レーキ顔料であることが特に好ましい。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
複素環基としては、好ましくは、5または6員の置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5または6員の芳香族の複素環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換もしくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
複素環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換の複素環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
複素環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリールまたは複素環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換の複素環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、該水素原子が上記の置換基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
一般式(1)において、好ましいRは、置換もしくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12の複素環基であり、より好ましくは、総炭素数1〜6の直鎖アルキル基または分岐アルキル基であり、特に好ましくは、メチル基またはt−ブチル基である。
一般式(1)において、Rは複素環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Rとして好ましくは5〜8員複素環基であり、より好ましくは、5または6員の置換もしくは無置換の複素環基であり、特に好ましくは、総炭素数3〜10の6員含窒素複素環基である。
前記Rで表される複素環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリニル基、スルホラニル基などが挙げられる。好ましい複素環基の例は、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基である場合は更に好ましく、その中でも、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基である場合は特に好ましい。
一般式(1)において、Qは炭素原子と共に5〜7員の複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、複素環に脂肪族環、芳香族環、または他の複素環が縮合していてもよい。Qが炭素原子と共に形成する5〜7員の複素環としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基などが挙げられる。各複素環基には、更に置換基(前記の置換基J)を有していてもよい。
Qが炭素原子と共に形成する5〜7員の複素環として好ましくは、5員含窒素複素環であり、特に好ましくは、ピラゾリル基、イソチアゾリル基である。中でも下記一般式(a)〜(c)で表される複素環が最も好ましい。
Figure 2009215383
(一般式(a)〜(c)において、Ra、Rd、Reは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基、または芳香族基を表す。Gは一般式(1)におけるGと同義である。)
Ra、Rd、Reとして好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12複素環基であり、より好ましくは、水素原子、総炭素数1〜6の直鎖アルキル基及びまたは分岐アルキル基であり、特に好ましくは、水素原子、または総炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、水素原子、メチル基が最も好ましい。
Rb、Rcとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または複素環基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、または複素環基であり、特に好ましくは、総炭素数3以下の無置換アルキル基である。
本明細書において用いられる脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を挙げることができる。また、本明細書で用いられる芳香族基としては、アリール基を挙げることができる。
Q、G、X、R、Rが、更に置換基を有する場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができる。
一般式(1)において、好ましいnは2または3の時であり、特に好ましくは、nが2の時である。nが2の場合、着色力が高く、耐薬品堅牢性が向上する。
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体もその範囲に含むものである。一般式(1)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いても良い。
例えば、一般式(1)で表される顔料には、下記一般式(1’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Figure 2009215383
(一般式(1’)中、Q、G、X、R、R及びnは一般式(1)と同義である。)
本発明のアゾ顔料は、上記一般式(1)で表されるnが2で、かつRが2価の複素環基である下記一般式(2)で表されるアゾ顔料が最も好ましい。
Figure 2009215383
一般式(2)中、Qは炭素原子と共にピラゾール環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、a11〜a14およびa21〜a24は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは5〜8員含窒素複素環を構成するのに必要な原子団を表し、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(2)において、Zは2価の5〜8員含窒素複素環を構成するのに必要な原子団を表し、好ましい複素環基の例は、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ピリダジニル基、チアジアゾリル基である。より好ましくは、6員含窒素複素環であり、例えば、ピリミジニル基、トリアジニル基が挙げられる。
一般式(2)において、a11〜a14およびa21〜a24は、前記一般式(A)中のa〜aと同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(2)において、R11、R12は、前記一般式(1)中のRと同義であり、好ましい例も同じである。
尚、前記一般式(1)および一般式(2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
る。
本発明は、一般式(2)で表されるアゾ顔料の互変異性体もその範囲に含むものである。一般式(2)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いても良い。
例えば、一般式(2)で表される顔料には、下記一般式(2’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(2)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(2’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Figure 2009215383
(一般式(2’)中、R11、R12、a11〜a14、a21〜a24、Q及びZは一般式(2)と同義である。)
上記一般式(1)及び(2)で表されるアゾ顔料は、下記一般式(5)または(6)で表されるアゾ顔料であることが好ましい。
Figure 2009215383
(一般式(5)中、Q、X、R、R及びnは一般式(1)と同義であり、Wは−C=N−と共に芳香族複素環基を形成して一般式(1)におけるGと同じ意味を表す。)
Figure 2009215383
(一般式(6)中、Q、a11〜a14、a21〜a24、R11、R12およびZは、一般式(2)と同義である。)
上記一般式(1)及び(2)で表されるアゾ顔料において多数の互変異性体が考えられる。一般式(1)及び(2)で表されるアゾ顔料のうち、前述したように特に好ましいアゾ顔料の一般式の例としては、上記一般式(5)〜(6)で表されるアゾ顔料を挙げることができる。
この構造が好ましい要因としては、一般式(5)〜(6)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環を構成する窒素原子、水素原子およびヘテロ原子(カルボニル基の酸素原子またはアミノ基の窒素原子)が少なくとも1個以上の分子内の交叉水素結合(分子内水素結合)を容易に形成し易いことが挙げられる。その結果、分子の平面性が上がり、更に分子内・分子間相互作用が向上し、一般式(5)〜(6)で表されるアゾ顔料の結晶性が高くなり(高次構造を形成し易くなり)、顔料としての要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及びまたは耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
また、本発明では、一般式(1)および(2)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
以下に前記一般式(1)及び(2)で表されるアゾ顔料の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ顔料は、下記の例に限定されるものではない。また、以下の具体例の構造は化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示されるが、記載された構造以外の互変異性体構造のものであっても良いことは言うまでもない。
Figure 2009215383
Figure 2009215383
Figure 2009215383
Figure 2009215383
本発明の一般式(1)及び(2)で表される顔料は、化学構造式が一般式(1)若しくは(2)又はその互変異性体であれば良く、多形とも呼ばれるいかなる結晶形態の顔料であっても良い。
結晶多形は、同じ化学組成を有するが、結晶中におけるビルディングブロック(分子又はイオン)の配置が異なることを言う。結晶構造によって化学的及び物理的性質が決定され、各多形は、レオロジー、色、及び他の色特性によってそれぞれ区別することができる。また、異なる多形は、X-Ray Diffraction(粉末X線回折測定結果)やX-Ray Analysis(X線結晶構造解析結果)によって確認することもできる。本発明の一般式(1)及び(2)で表される顔料に結晶多形が存在する場合、どの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であっても良い。
上述した互変異性および/または結晶多形の制御は、カップリング反応の際の製造条件で制御することができる。
また、本発明において一般式(1)及び(2)で表されるアゾ顔料は、酸基のある場合には、酸基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の顔料と遊離酸型の顔料が混在していてもよい。上記の塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
更に、本発明で使用する顔料の構造において、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その複数の酸基は塩型あるいは酸型であり互いに異なるものであってもよい。
本発明において、前記一般式(1)及び(2)で表されるアゾ顔料は、結晶中に水分子を含む水和物であっても良い。
次に上記一般式(1)で表されるアゾ顔料の製造方法の一例について説明する。例えば、下記一般式(3)で表される複素環アミンを酸性条件でジアゾニウム化し、下記一般式(4)で表される化合物とカップリング反応を行い、常法による後処理を行って上記一般式(1)で表されるアゾ顔料を製造することができる。
Figure 2009215383
(一般式(3)及び(4)中、Q、G、X、R及びRは一般式(1)と同義である。)
上記一般式(3)で表される複素環アミンは、一般的には公知慣用の方法、例えば、Heterocycles,1988,31〜34やTetrahedron,1987,4195〜4202等に記載の方法、および、それに準じた方法で製造することができる。上記一般式(4)で表される化合物は、国際公開第06/082669号パンフレットや特開2006−57076号公報に記載の方法、および、それに準じた方法で製造することができる。
上記一般式(3)で表される複素環アミンのジアゾニウム化反応は、例えば、硫酸、リン酸、酢酸、塩酸、メタンスルホン酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬を15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(4)で表される化合物とを40℃以下、好ましくは、25℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出しているものもあるが、一般的には反応液に水、あるいはアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。また、反応液にアルコール系溶媒、水等を添加して結晶を析出させて、析出した結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、一般式(1)で表されるアゾ顔料を得ることができ
上記の製造方法によって、上記一般式(1)で表される化合物は粗アゾ顔料(クルード)として得られるが、本発明の顔料として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤および分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は後処理として溶媒加熱処理および/またはソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、またはこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸または塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
〔顔料分散物〕
本発明の顔料分散物は、一般式(1)で表されるアゾ顔料を少なくとも1種を含むことを特徴とする。これにより、色彩的特性、耐久性および分散安定性に優れた顔料分散物とすることができる。
本発明の顔料分散物は、水系であっても非水系であってもよいが、例えば、インクジェット記録用インクとして用いる場合、水系の顔料分散物であることが好ましい。本発明の水系顔料分散物において顔料を分散する水性の液体は、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記親水性有機溶剤としては,例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールものブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコール誘導体、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
さらに、本発明の水系顔料分散物には水性樹脂を含んでいてもよい。水性樹脂としては,水に溶解する水溶解性の樹脂,水に分散する水分散性の樹脂,コロイダルディスパーション樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂として具体的には,アクリル系,スチレン−アクリル系,ポリエステル系,ポリアミド系,ポリウレタン系,フッ素系等の樹脂が挙げられる。
さらに,顔料の分散および画像の品質を向上させるため,界面活性剤および分散剤を用いてもよい。界面活性剤としては、アニオン性,ノニオン性,カチオン性,両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いてもよいが、アニオン性、または非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては,例えば、脂肪酸塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては,例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン系等が挙げられる。
非水系顔料分散物は、前記一般式(1)で表される顔料を非水系ビヒクルに分散してなるものである。非水系ビヒクルに使用される樹脂は、例えば、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系ビヒクルとして、光硬化性樹脂を用いてもよい。
また、非水系ビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
本発明の顔料分散物は、上記のアゾ顔料及び水系または非水系の媒体とを、分散装置を用いて分散することで得られる。使用できる分散装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ロールミル、ジェットミル、ペイントシェイカー、アトライター、超音波分散機、ディスパー等が挙げられる。
本発明において、顔料の体積平均粒子径は10nm以上250nm以下であることが好ましい。なお、顔料粒子の体積平均粒子径とは、顔料そのものの粒子径、又は色材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。本発明において、顔料の体積平均粒子径の測定装置には、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装社製)を用いた。その測定は、顔料分散体3mLを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行った。尚、即提示に入力するパラメーターとしては、粘度にはインク粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いた。
より好ましい体積平均粒子径は、20nm以上250nm以下であり、更に好ましくは25nm以上230nm以下である。顔料分散物中の粒子の数平均粒子径が10nm未満である場合には、保存安定性が確保できない場合が存在し、一方、250nmを超える場合には、光学濃度が低くなる場合が存在する。
本発明の顔料分散物に含まれる顔料の濃度は、1〜35質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。濃度が1質量%に満たないと、インクとして顔料分散物を単独で用いるときに十分な画像濃度が得られない場合がある。濃度が35質量%を超えると、分散安定性が低下する場合がある。
本発明のアゾ顔料の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。
また、CCDなどの固体撮像素子やLCD、PDP等のディスプレーで用いられるカラー画像を記録・再現するためのカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液にも適用できる。
本発明のアゾ顔料は、その用途に適した耐溶溶剤性、分散性、熱移動性などの物性を、置換基で調整して使用する。また、本発明のアゾ顔料は、用いられる系に応じて乳化分散状態、さらには固体分散状態でも使用することが出来る。
[着色組成物]
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の本発明のアゾ顔料を含有する着色組成物を意味する。本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明のアゾ顔料を分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性インクの場合には、アゾ顔料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
〔インクジェット記録用インク〕
次に、本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インク(以下、「インク」という場合がある)は、上記で説明した顔料分散物を用いる。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調製される。ただし、特に問題がない場合は、前記本発明の顔料分散物をそのまま用いてもよい。
本発明において、インク中の顔料分散物の含有割合は、記録媒体上に形成した画像の色相、色濃度、彩度、透明性等を考慮すると、1〜100質量%の範囲が好ましく、3〜20質量%の範囲が特に好ましく、その中でも3〜10質量%の範囲がもっとも好ましい。
本発明のインク100質量部中に、本発明の顔料を0.1質量部以上20質量部以下含有するのが好ましく、0.2質量部以上10質量部以下含有するのがより好ましく、1〜10質量部含有するのがさらに好ましい。また、本発明のインクには、本発明の顔料とともに、他の顔料を併用してもよい。2種類以上の顔料を併用する場合は、顔料の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
さらに、本発明におけるインクは、上記本発明における顔料の他に別の顔料を同時に用いることが出来る。適用できるイエロー顔料(例えば、C.I.P.Y.−74、C.I.P.Y.−128、C.I.P.Y.−155、C.I.P.Y.−213)、適用できるマゼンタ顔料(C.I.P.V.−19、C.I.P.R.−122)適用できるシアン顔料(C.I.P.B.−15:3、C.I.P.B.−15:4)として、各々任意のものを使用する事が出来る。適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ顔料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用インクに用いられる水溶性溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
前記多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、前記含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が各々挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
本発明に使用される水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。水溶性溶媒の含有量としては、インク全体の1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。インク中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、インク液体の噴射特性が不安定になる場合が存在する。
本発明のインクジェット記録用インクの好ましい物性は以下の通りである。
インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となると記録ヘッドのノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると、印字後の記録媒体への浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
なお、上記表面張力は、前記同様ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
インクの粘度は、1.2mPa・s以上8.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上6.0mPa・s未満、更に好ましくは1.8mPa・s以上4.5mPa・s未満である。粘度が8.0mPa・sより大きい場合には、吐出性が低下する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、長期噴射性が悪化する場合がある。
なお、上記粘度(後述するものを含む)の測定は、回転粘度計レオマット115(Contraves社製)を用い、23℃でせん断速度を1400s-1として行った。
インクには、前記各成分に加えて、上記の好ましい表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、インク全体に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
さらに必要に応じて、吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション、親水性ラテックス等のポリマーエマルション、親水性ポリマーゲル、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等を使用することができる。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とは質量部を表す。
〔実施例1〕
<例示化合物(D−2)の合成>
例示化合物(D−2)の合成スキームを下記に示す。
Figure 2009215383
(1)中間体(D−2a)の合成
Heterocycles,2000,805-820.に記載の合成法に従って中間体(D−2a)を合成した。
(2)中間体(D−2b)、中間体(D−3b)の合成
中間体(D−2a)4.36g(25ミリモル)にエタノール100mLを加えて50℃(内温)に加熱し、この混合液にメチルヒドラジン2.3g(25ミリモル)を添加した後、50℃で2時間30分攪拌した。この反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム精製を行い中間体(D−2b)を2.1g(白色粉末、収率48%)、および中間体(D−3b)を2.1g(白色粉末、収率48%)で得た。得られた中間体(D−2b)、中間体(D−3b)のNMR測定結果は以下の通りである。
中間体(D−2b)の1H-NMR(300MHz、CDCl3
8.44(m,1H), 7.68(s,1H), 7.59(m,1H), 7.39(m,1H), 6.94(m,1H), 5.56(brs,2H), 3.68(s,3H)
中間体(D−3b)の1H-NMR(300MHz、CDCl3
8.49(m,1H), 7.57(m,1H), 7.53(s,1H), 7.31(m,1H), 6.98(m,1H), 5.29(brs,2H), 3.75(s,3H)
(3)中間体Xの合成
特開2007−63520号に記載の合成法に従って中間体Xを合成した。
(4)例示化合物(D−2)の合成
中間体(D−2b)1.5g(8.6ミリモル)にリン酸18mLを加えて50℃(内温)で加熱溶解させた後、-2〜3℃(内温)に冷却した。この混合液に亜硝酸ナトリウム0.74g(10.8ミリモル)を分割添加して、3℃以下で1時間40分攪拌した。さらに尿素150mgを添加して、3℃以下で30分攪拌してジアゾ液Aを調製した。
中間体X1.15g(3.1ミリモル)にメタノール23mLを加えて氷冷で攪拌した後、前記ジアゾ液Aをゆっくり滴下した(内温2℃以下)。この反応液を5℃で3時間30分攪拌した後、水200mLに注ぐと結晶が析出した。この析出した結晶をろ取、メタノールでかけ洗いして前記例示化合物(D−2)のウエット粗結晶を得た。
さらに前記ウエット粗結晶1.9gに水6mLを加えて攪拌した後、この懸濁液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、さらにジメチルアセトアミド6mLを加えて、85℃で4時間攪拌した。析出した結晶をろ取、さらにメタノールで懸濁洗浄し得られた結晶をろ取、乾燥して例示化合物(D−2)を0.85g(黄色粉末、収率37%)で得た。得られた例示化合物(D−2)の赤外吸収スペクトル測定の結果を図1に示した。
〔実施例2〕
<例示化合物(D−3)の合成>
中間体(D−3b)1.0g(5.7ミリモル)にリン酸12mLを加えて58℃(内温)で加熱溶解させた後、-2℃(内温)に冷却した。この混合液に亜硝酸ナトリウム0.43g(6.3ミリモル)を分割添加して、3℃以下で1時間攪拌した。さらに尿素50mgを添加して、3℃以下で15分攪拌してジアゾ液Bを調製した。
中間体X0.70g(1.9ミリモル)にメタノール40mLを加えて氷冷で攪拌した後、前記ジアゾ液Bをゆっくり滴下した(内温-2℃)。この反応液を10℃以下で1時間攪拌した後、アセトニトリル100mLに注いだ。析出した結晶をろ取、水でかけ洗いして前記例示化合物(D−3)のウエット粗結晶を得た。
さらに前記ウエット粗結晶4.0gに水10mLを加えて攪拌した後、この懸濁液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、さらにジメチルアセトアミド10mLを加えて、85℃で4時間攪拌した。析出した結晶をろ取、さらにメタノールで懸濁洗浄し得られた結晶をろ取、乾燥して例示化合物(D−3)を0.93g(黄色粉末、収率66%)で得た。得られた例示化合物(D−3)の赤外吸収スペクトル測定の結果を図2に示した。
〔実施例3〕
実施例2で合成したアゾ顔料、例示化合物(D−3)2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物1を得た。
〔比較例1〕
実施例3で用いたアゾ顔料、例示化合物(D−3)に変えて、C.I.ピグメント・イエロー74(チバスペシャリティ社製Iralite YELLOW GO)を用いた以外は実施例3と同様にして黄色の比較顔料分散物1を得た。
〔比較例2〕
実施例3で用いたアゾ顔料、例示化合物(D−3)に変えて、C.I.ピグメント・イエロー128(チバスペシャリティ社製CROMOPHTAL YELLOW 8GN)を用いた以外は実施例3と同様にして黄色の比較顔料分散物2を得た。
<着色力評価>
上記実施例3および比較例1および2で得られた顔料分散物をNo.3のバーコーターを用いてエプソン社製フォトマット紙に塗布した。得られた塗布物の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて測定し、「着色力(OD:Optical Density)」を以下の基準で評価した。ODが1.4以上の場合を○、1.2以上で1.4未満の場合を△、1.2未満の場合を×とした。結果を表1に示す。
<色相評価>
色相については、上記で得られた塗布物の色度を目視にて赤味が少なく鮮やかさが大きいものを○(良好)及びどちらか一方が当てはまらないものを×(不良)として評価を行った。結果を表1に示す。
<耐薬品堅牢性評価>
上記実施例3で使用したアゾ顔料、例示化合物(D−3)、比較例1〜2で使用したアゾ顔料、C.I.ピグメント・イエロー74およびC.I.ピグメント・イエロー128について有機溶剤(アセトン、酢酸エチル、エタノール、アセトニトリル、トルエン)への溶解性を評価した。上記のアゾ顔料に有機溶剤を加えた懸濁液を超音波をかけながら5分間攪拌した後、0.25μmのフィルターでろ過、ろ液に着色した度合いを目視で評価した。ろ液が全く着色しない場合を○、ろ液がわずかに着色した場合を△、ろ液が明らかに着色した場合を×とした。比較例2のC.I.ピグメント・イエロー128は、着色力低く色相も不良なため、耐薬品堅牢性については評価しなかった。結果を表1に示す。
Figure 2009215383
〔実施例4〕
国際公開番号WO06/064193号パンフレットの22ページに記載されているDispersant 10で表される高分子分散剤を水酸化カリウム水溶液で中和した。得られた分散剤水溶液75質量部(固形分濃度20%)の中に、実施例2で合成したアゾ顔料、例示化合物(D−3)を30質量部及びイオン交換水95質量部を加えて、ディスパー攪拌翼にて混合・粗分散する。混合・粗分散した液にジルコニア・ビーズを600質量部入れて、これを分散機(サンドグラインダミル)で4時間分散した後、ビーズと分散液に分離した。得られた混合物を攪拌しながら、25℃でポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル2質量部をゆっくり加え、50℃で6時間攪拌した。更に、分画分子数300Kの限外濾過膜を使って不純物を除去し、これを5μmフィルター(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mLのシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより固形分濃度10%の顔料分散物2(粒径125nm:日機装(株)社製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)を得た。
〔実施例5〕
実施例4で得られた顔料分散物2を固形分で5質量%、グリセリン10質量%、2−ピロリドン5質量%、1,2−ヘキサンジオール2質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル2質量%、プロピレングリコール0.5質量%、イオン交換水75.5質量%になる様に各成分を加えて、得られた混合液を1μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mLのシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより顔料インク液3を得た。
上記実施例5のイエロー顔料インク液をセイコーエプソン(株)社製インクジェットプリンターPX−V630のイエローインク液のカートリッジに装填し、受像シートはセイコーエプソン(株)社製写真用紙<光沢>、およびセイコーエプソン(株)社製写真用紙クリスピア<高光沢>に推奨モードきれいで階段状に濃度が変化したイエローの単色画像パターンを印画させ、画像品質の評価を行ったところ、実施例3と同様な結果が得られた。
これらの結果から、本発明のアゾ顔料は、種々の有機溶剤に対する耐性が高く、該顔料を使用した顔料インク液は、イエローとしての色相に優れ、着色力が高いことがわかった。
したがって、本発明のアゾ顔料を用いた顔料分散物は、例えば、インクジェットなどの印刷用のインク、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレーやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、塗料、着色プラスチック等に好適に使用することができる。
本発明のアゾ顔料の例示化合物(D−2)の赤外吸収スペクトルである。 本発明のアゾ顔料の例示化合物(D−3)の赤外吸収スペクトルである。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
    Figure 2009215383
    (一般式(1)中、Qは炭素原子と共に5〜7員の複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、Gは下記一般式(A)で表される芳香族複素環基群(1)〜(14)から選ばれる基を表し、Xは水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を表し、Rは水素原子または置換基を表し、Rは複素環基を表し、nは1〜4の整数を表す。n=2の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した2量体を表す。n=3の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した3量体を表す。n=4の場合は、Q、G、X、R、またはRを介した4量体を表す。)
    Figure 2009215383
    (一般式(A)中、a〜a、b〜b、c〜c、d〜d、e〜e、f〜f、g〜g、h〜h、i〜i、j〜j、k、l、m〜mは、それぞれ独立に水素原子また置換基を表す。*は、前記一般式(1)中の炭素原子との結合部位を表す。)
  2. 一般式(1)中、Qが炭素原子と共に5員含窒素複素環を形成することを特徴とする請求項1に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
  3. 一般式(1)中、Qが炭素原子と共にピラゾール環を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
  4. nが2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
  5. Xが水素原子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
  6. 一般式(1)中、Gが前記一般式(A)で表される芳香族複素環基群のうち(1)または(7)から選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
  7. 一般式(1)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(2)で表されること特徴とするアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
    Figure 2009215383
    一般式(2)中、Qは炭素原子と共にピラゾール環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、a11〜a14およびa21〜a24は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは5〜8員含窒素複素環を構成するのに必要な原子団を表し、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
  8. Zが6員含窒素複素環であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
  9. 請求項1〜8に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物を少なくとも1種含むことを特徴とする顔料分散物。
  10. 請求項1〜8に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物を少なくとも1種含むことを特徴とする着色組成物。
  11. 請求項9に記載の顔料分散物を用いることを特徴とするインクジェット記録用インク。
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