JP2009214700A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】低発熱性及び耐熱性に優れたゴム組成物及び該ゴム組成物を特にタイヤのサイド補強層及び/又はビードフィラーに用いることにより、通常走行時の転がり抵抗性と乗り心地を損なうことなく、ランフラット耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ゴム成分が、(A)変性共役ジエン系重合体を含み、配合剤として、(B)下記一般式(I)
1−S−S−A−S−S−R2・・・(I)
で表される化合物、シトラコンイミド化合物及びアクリレート類化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とするゴム組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、低発熱性及び耐熱性に優れたゴム組成物を、特にサイド補強層及び/又はビードフィラーに用いた、通常走行時の転がり抵抗性と乗り心地を損なうことなく、ランフラット耐久性を向上させた空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤ、特にランフラットタイヤにおいて、サイドウォール部の剛性向上のために、ゴム組成物単独又はゴム組成物と繊維等の複合体によるサイド補強層が配設されている。(例えば、特許文献1参照)
空気入りタイヤは、パンク等によりタイヤの内部圧力(以下、内圧という)が低下した場合での走行、いわゆるランフラット走行状態になると、タイヤのサイドウォール部やビードフィラーの変形が大きくなり、発熱が進み、場合によっては200℃以上に達する。このような状態では、サイド補強層を具えた空気入りタイヤであっても、サイド補強層やビードフィラーが破壊限界を超え、タイヤ故障に至る。
このような故障に至るまでの時間を長くする手段として、サイド補強層やビードフィラーに用いるゴム組成物に硫黄を高配合し、ゴム組成物を高弾性化することにより、タイヤのサイドウォール部やビードフィラーの変形量を抑える手法があるが、タイヤの通常走行時の転がり抵抗が高くなり低燃費性が低下する問題がある。
これに対し、特許文献2では、各種変性共役ジエン−芳香族ビニル共重合体及び耐熱架橋剤等を含有するゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いることが提案されている。
さらに、特許文献3では、特定の共役ジエン系重合体とフェノール系樹脂を含
有するゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いることが提案されている。
これらは、いずれもサイド補強層及びビードフィラーに用いたゴム組成物の弾性率を高くすると共に、高温時の弾性率低下を抑えることを目的としたものであり、ランフラット耐久性の大幅な改良が得られるものの、通常走行時の転がり抵抗性が著しく悪化してしまう。
一方、上記故障に至るまでの時間を稼ぐ手段として、配設サイド補強層及びビードフィラーの最大厚さを増大するなど、ゴムの体積を増大させるものがあるが、このような方法をとると、通常走行時の乗り心地の悪化、重量の増加および騒音レベルの増大などの好ましくない事態が発生する。
前述の事態、例えば乗り心地の悪化を回避するために、配設するサイド補強層及びビードフィラーの体積を減少させると、ランフラット時の荷重を支えきれず、ランフラット時にタイヤのサイドウォール部分の変形が非常に大きくなり、ゴム組成物の発熱増大を招き、結果としてタイヤはより早期に故障に至る問題があった。
また、配合する材料を変えることにより使用するゴムをより低弾性化させた場合も同様に、ランフラット時の荷重を支え切れず、タイヤのサイドウォール部分の変形が非常に大きくなり、ゴム組成物の発熱増大を招き、結果としてタイヤはより早期に故障に至ってしまうのが実状である。
特開平11−310019号公報 WO02/02356パンフレット 特開2004−74960号公報
本発明は、このような状況下で、低発熱性及び耐熱性に優れたゴム組成物を、特にタイヤのサイド補強層及び/又はビードフィラーに用いることにより、通常走行時の転がり抵抗性と乗り心地を損なうことなく、ランフラット耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記の好ましい性質を有する空気入りタイヤを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム成分が、変性共役ジエン系重合体を含み、配合剤として、特定の耐熱架橋剤を用いることによって得られたゴム組成物がその目的に適合し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] ゴム成分が、(A)変性共役ジエン系重合体を含み、配合剤として、(B)下記一般式(I)
1−S−S−A−S−S−R2・・・(I)
(式中Aは炭素数2から10のアルキレン基、R1 及びR2 は、それぞれ独立に窒素原子を含む一価の有機基を示す。)で表される化合物、シトラコンイミド化合物及びアクリレート類化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とするゴム組成物、
[2](A) 変性共役ジエン系重合体が、重合体の分子中、末端の少なくとも1箇所にスズ、窒素、珪素、硫黄、酸素原子を有している請求項[1]に記載のゴム組成物、
[3](A) 変性共役ジエン系重合体が、アミノ基で変性されている上記[1]又は[2]のゴム組成物、
[4](A) 変性共役ジエン系重合体が、アミン系官能基としてプロトン性アミノ基及び/又は保護化アミノ基を有する上記[1]〜[3]いずれかのゴム組成物、
[5] プロトン性アミノ基及び/又は保護化アミノ基が、−NH2、−NHRa、−NL12及び−NRb3(ただし、Ra及びRbは、それぞれ炭化水素基を示し、L1、L2及びL3は、それぞれ水素原子又は解離し得る保護基を示す。)の中から選ばれる少なくとも一種の基である上記[5]のゴム組成物、
[6] ゴム成分が、(A)変性共役ジエン系重合体10質量%以上を含む上記[3]〜[5]いずれかのゴム組成物、
[7] (A)変性共役ジエン系重合体が、共役ジエン系重合体の活性末端に、保護化第一アミン化合物を反応させて得られたものである上記[3]〜[6]いずれかのゴム組成物、
[8] 共役ジエン系重合体が、有機アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させて得られたもの、又はランタン系列希土類元素含有化合物を含む触媒を用い、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は他の共役ジエン化合物とを配位アニオン重合させて得られたもののいずれかである上記[1]〜[7]いずれかのゴム組成物、
[9] 前記共役ジエン系重合体がポリブタジエンゴムである上記[1]〜[8]いずれかのゴム組成物、
[10](B)成分の一般式(I)で表される化合物におけるAがヘキサメチレン基である上記[1]のゴム組成物、
[11](B)成分の一般式(I)で表される化合物におけるR1及びR2が、それぞれ芳香環を少なくとも1つ含み、且つ窒素原子を含む一価の有機基である上記[1]又は[10]のゴム組成物、
[12] (B)成分の一般式(I)で表される化合物におけるR1及びR2が、それぞれ炭素原子がジチオ基に結合した=N−C(=S)−で表される結合基を含む一価の有機基である上記[1]又は[10]〜[11]いずれかのゴム組成物、
[13] (B)成分の一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−a)
Figure 2009214700
(式中、R3 からR6 は、それぞれアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示すが、R3 及びR4 の少なくとも一方、並びにR5 及びR6 の少なくとも一方がアリール基又はアラルキル基であり、nは2から10の整数を示す。)で表されるα,ω−ビス(N,N’−ジヒドロカルビルチオカルバモイルジチオ)アルカンである上記[12]のゴム組成物、
[14](B)成分の一般式(I)で表される化合物が、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンである上記[13]のゴム組成物、
[15](B)成分のシトラコンイミド化合物がビスシトラコンイミド類である上記[1]のゴム組成物、
[16] (B)成分のシトラコンイミド類が下記一般式(II)
Figure 2009214700
(式中、Arはアリーレン基を示し、Q1 及びQ2 は、それぞれ独立して、炭素数1から4のアルキレン基を示す。)で表される上記[15]に記載のゴム組成物、
[17] シトラコンイミド類が、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンである上記[1]又は[15]〜[16]のいずれかの記載のゴム組成物、
[18] (B)成分のアクリレート類が、多価アルコールとアクリル酸、又は多価アルコールとアクリル酸及び他のカルボン酸との多価エステルである上記[1]のゴム組成物、
[19] (B)成分のアクリレート類が、下記一般式(III)
Figure 2009214700
(式中、A1は(p+q)価の多価アルコールの水酸基を除いた残基を示し、Rは水素原子又はアクリロイル基以外のアシル基、pは2から10の整数及びqは0から8の整数を示すが、p+q=2から10である。)で表される化合物である上記[18]のゴム組成物、
[20] (B)成分の一般式(III)で表されるアクリレート類において、pが3から6の整数及びqが0から3の整数であり、かつp+q=3から6である上記[19]のゴム組成物、
[21] (B)成分の一般式(III)で表されるアクリレート類において、一分子中にアクリロイル基を3から6個有するジペンタエリスリトールとアクリル酸との多価エステルである上記[20]のゴム組成物、
[22] (B)成分の一般式(III)で表されるアクリレート類において、一分子中にアクリロイル基3から5個を有するアシル基変性ジペンタエリスリトールアクリレートである上記[21]のゴム組成物、
[23] ゴム成分100質量部当たり(B)成分を0.5〜20質量部を配合してなる上記[1]〜[22]いずれかのゴム組成物、
[24] (B)成分をゴム中に分散させる混練工程において140℃以下で混練されてなる上記[1]〜[23]いずれかのゴム組成物、
[25] (B)成分をゴム中に分散させる混練工程において120℃以下で混練されてなる上記[24]に記載のゴム組成物、及び
[26] 左右一対のリング状のビードコアと、該ビードコアのタイヤ半径方向外側に配設されたビードフィラーと並列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設されてなるプライ少なくとも1枚からなるカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配設されたトレッド部と、該トレッド部の左右に配置された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部に配設された断面形状が略三日月形であるサイド補強層とを具備してなる空気入りタイヤにおいて、上記サイド補強層及び/又は上記ビードフィラーに上記[1]〜[21]いずれかゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、低発熱性及び耐熱性に優れたゴム組成物を、特にタイヤのサイド補強層及び/又はビードフィラーに用いることにより、通常走行時の転がり抵抗性と乗り心地を損なうことなく、ランフラット耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、ゴム成分が、(A)変性共役ジエン系重合体を含み、配合剤として、(B)下記一般式(I)
1−S−S−A−S−S−R2・・・(I)
(式中Aは炭素数2から10のアルキレン基、R1 及びR2 は、それぞれ独立に窒素原子を含む一価の有機基を示す。)で表される化合物、シトラコンイミド化合物及びアクリレート類化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことが必要である。
(ゴム成分)
本発明に係るゴム組成物におけるゴム成分としては、(A)変性共役ジエン系重合体を10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上の割合で含むものを用いることができる。
変性共役ジエン系重合体としては、ポリマーの分子中、末端の少なくとも一箇所にスズ、窒素、珪素、硫黄、酸素原子を有しているポリマーを指し、具体的には四塩化スズ、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
ポリマーの分子中、末端の少なくとも一箇所にスズ、窒素、珪素、硫黄、酸素原子が存在することによって充填材との相互作用が高まり、ポリマー中への充填材の分散性が改良され低ロス化を実現することができ、転がり抵抗の低減することが可能となり、 ゴム成分が上記変性共役ジエン系重合体を30質量%以上含むことにより、得られるゴム組成物は低発熱化し、ランフラット走行耐久性が向上した空気入りタイヤ与えることができる。
本発明に用いられる(A)変性共役ジエン系重合体において、アミン系官能基が導入されことが好ましい。アミン系官能基が導入される重合体の位置については特に制限はなく、重合末端であってもよく、ポリマー鎖の側鎖であってもよいが、アミン系官能基の導入しやすさや、重合体末端からエネルギー消失を抑制して低発熱性を改良し得るなどの観点から、重合末端であることが好ましい。
アミン系官能基としては、プロトン性アミノ基及び/又は保護化アミノ基を挙げることができる。また、当該変性共役ジエン系重合体においては、前記プロトン性アミノ基及び/又は保護化アミノ基と共に、さらにヒドロカルビルオキシシラン基を、重合体中に有するものが好ましい。(A)成分の変性共役ジエン系重合体としては、共役ジエン系重合体の活性末端に、保護化第一アミン化合物を反応させて得られたものが好適である。
<共役ジエン系重合体>
変性に用いる共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物単独重合体であってもよく、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体であってもよい。
前記共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン;イソプレン:1,3−ペンタジエン:2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン:2−フェニルー1,3−ブタジエン:1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン:α−メチルスチレン:1−ビニルナフタレン;3−ビニルトルエン;エチルビニルベンゼン:ジビニルベンゼン:4−シクロへキシルスチレン;2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
前記共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体が好ましく、ポリブタジエンが特に好ましい。
共役ジエン系重合体の活性末端に、保護化第一アミンを反応させて変性させるには、該共役ジエン系重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性又は擬似リビング性を有するものが好ましい。このようなリビング性を有する重合反応としては、有機アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させる反応か、あるいは有機溶媒中でランタン系列希土類元素化合物を含む触媒による共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを配位アニオン重合させる反応が挙げられる。前者は、後者に比較して共役ジエン部のビニル結合含有量の高いものを得ることができるので好ましい。ビニル結合量を高くすることによって耐熱性を向上させることができる。
上述のアニオン重合の開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
前記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応性生物等が挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、二級アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−Situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の活性末端を有する共役ジエン系重合体が得られる。
また、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いた場合には、前述のランタン系列希土類元素化合物を含む触媒を用いた場合に比べ、活性末端を有する共役ジエン系重合体のみならず、活性末端を有する共役ジエン化合物と芳香族ビニル
化合物の共重合体も効率よく得ることができる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
また、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は55質量%以下の範囲が好ましい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加等、あるいは共役ジエン化合物一芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエンースチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化等の作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、オキソラニルプロパンオリゴマー類[特に2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパンを含む物等]、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N‘−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタン等のエーテル類及び三級アミン類等を挙げることができる。また、カリウムt−アミレート、カリウムt−ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウムt−アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
上述のランタン系列希土類元素化合物を含む触媒としては、
(a)成分:周期律表の原子番号57〜71の希土類元素含有化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物、
(b)成分:有機アルミニウム化合物、並びに
(c)成分:ルイス酸、金属ハロゲン化物と、ルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物の少なくとも一種からなる触媒系により共役ジエン化合物を重合するのが好ましい。
また、本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系には、上記(a)〜(c)成分の他に、さらに(d)成分として、有機アルミニウムオキシ化合物、所謂アルミノキサンを添加するのが好ましい。ここで、前記触媒系は、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び共役ジエン単量体の存在下で予備調製されてなるのが、さらに好ましい。
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(a)成分は、周期律表の原子番号57〜71の希土類元素を含有する化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物である。ここで、原子番号57〜71の希土類元素の中でも、ネオジム、プラセオジウム、セリウム、ランタン、ガドリニウム等、又はこれらの混合物が好ましく、ネオジムが特に好ましい。
上記希土類元素含有化合物としては、炭化水素溶媒に可溶な塩が好ましく、具体的には、上記希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩が挙げられ、これらの中でも、カルボン酸塩及びリン酸塩が好ましく、カルボン酸塩が特に好ましい。
ここで、炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
上記希土類元素のカルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
また、上記希土類元素のカルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
上記希土類元素のアルコキサイドにおけるアルコキシ基としては、2−エチル−ヘキシルオキシ基、オレイルオキシ基、ステアリルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、2−エチル−ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基が好ましい。
また、上記希土類元素のβ−ジケトン錯体としては、上記希土類元素のアセチルアセトン錯体、ベンゾイルアセトン錯体、プロピオニトリルアセトン錯体、バレリルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体等が挙げられる。これらの中でも、アセチルアセトン錯体、エチルアセチルアセトン錯体が好ましい。
上記希土類元素のリン酸塩及び亜リン酸塩としては、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸等との塩が挙げられ、これらの中でも、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸との塩が好ましい。
上記希土類元素含有化合物の中でも、ネオジムのリン酸塩、及びネオジムのカルボン酸塩がさらに好ましく、特にネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのネオデカン酸塩、ネオジムのバーサチック酸塩等のネオジムの分岐カルボン酸塩が最も好ましい。
また、(a)成分は、上記希土類元素含有化合物とルイス塩基との反応物でもよい。該反応物は、ルイス塩基によって、希土類元素含有化合物の溶剤への溶解性が向上しており、また、長期間安定に貯蔵することができる。上記希土類元素含有化合物を溶剤に容易に可溶化させるため、また、長期間安定に貯蔵するために用いられるルイス塩基は、希土類元素1モル当り0〜30モル、好ましくは1〜10モルの割合で、両者の混合物として、又は予め両者を反応させた生成物として用いられる。ここで、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコールが挙げられる。
以上に述べた(a)成分としての希土類元素含有化合物又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物は、一種単独で使用することも、二種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(b)成分である有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(B)成分としての有機アルミニウム化合物は、一種単独で使用することも、二種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(c)成分は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種のハロゲン化合物である。
上記ルイス酸は、ルイス酸性を有し、炭化水素に可溶である。具体的には、二臭化メチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化ブチルアルミニウム、二塩化ブチルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジブチルアルミニウム、塩化ジブチルアルミニウム、セスキ臭化メチルアルミニウム、セスキ塩化メチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化ジブチルスズ、三臭化アルミニウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化スズ、四塩化ケイ素等が例示できる。これらの中でも、塩化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、及び二臭化エチルアルミニウムが好ましい。
また、トリエチルアルミニウムと臭素の反応生成物のようなアルキルアルミニウムとハロゲンの反応生成物を用いることもできる。
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が特に好ましい。
また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好ましい。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチル−ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、通常0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる
また、(d)成分であるアルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、クロロアルミノキサン等が挙げられる。(d)成分としてアルミノキサンを加えることで、分子量分布がシャープになり、触媒としての活性も向上する。
本発明で使用する触媒系の各成分の量又は組成比は、その目的又は必要性に応じて適宜選択される。このうち、(a)成分は、1,3−ブタジエン 100gに対し、0.00001〜1.0ミリモル用いるのが好ましく、0.0001〜0.5ミリモル用いるのがさらに好ましい。(a)成分の使用量を上記範囲内にすることによって優れた重合活性が得られ、脱灰工程の必要性がなくなる。
また、(a)成分と(b)成分の割合は、モル比で、(a)成分:(b)成分が通常1:1〜1:700、好ましくは1:3〜1:500である。
さらに、(a)成分と(c)成分中のハロゲンの割合は、モル比で、通常1:0.1〜1:30、好ましくは1:0.2〜1:15、さらに好ましくは1:2.0〜1:5.0である。
また、(d)成分中のアルミニウムと(a)成分との割合は、モル比で、通常1:1〜700:1、好ましくは3:1〜500:1である。これらの触媒量又は構成成分比の範囲内にすることで、高活性な触媒として作用し、また、触媒残渣を除去する工程の必要性がなくなるため好ましい。
また、上記の(a)〜(c)成分以外に、重合体の分子量を調節する目的で、水素ガスを共存させて重合反応を行ってもよい。
触媒成分として、上記の(a)成分、(b)成分、(c)成分及び必要により用いられる(d)成分以外に、必要に応じて、1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物を少量、具体的には、(a)成分の化合物1モル当り0〜1000モルの割合で用いてもよい。触媒成分としての1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物は必須ではないが、これを併用すると、触媒活性が一段と向上する利点がある。
上記触媒の製造は、例えば、溶媒に(a)成分〜(c)成分を溶解させ、さらに必要に応じて、1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物を反応させる。
その際、各成分の添加順序は、特に限定されず、さらに(d)成分としてアルミノキサンを添加してもよい。重合活性の向上、重合開始誘導期間の短縮の観点からは、これら各成分を、予め混合して、反応させ、熟成させることが好ましい。
ここで、熟成温度は、0〜100℃程度であり、20〜80℃が好ましい。0℃未満では、充分に熟成が行われにくく、100℃を超えると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが起こる場合がある。
また、熟成時間は、特に制限なく、重合反応槽に添加する前にライン中で接触させることでも熟成でき、通常は、0.5分以上あれば充分であり、数日間は安定である。
上記末端活性重合体の製造においては、前記ランタン系列希土類元素含有化合物を含む触媒系を用いて有機溶媒中で、共役ジエン化合物単独又は、共役ジエン化合物と他の共役ジエン化合物の溶液重合を行なうことによって得られる。ここで、重合溶媒としては、不活性の有機溶媒を用いる。不活性の有機溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が特に好ましい。これらの溶媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
この重合に用いられる溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
本発明において、末端活性重合体の重合反応における温度は、好ましくは−80〜150℃、より好ましくは−20〜120℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
これらの重合においては、重合開始剤、溶媒、単量体等、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
上記末端活性重合体の製造は、回分式及び連続式のいずれで行ってもよい。
このようにして活性末端を有する共役ジエン系重合体が得られるが、該共役ジエン系重合体としてはポリブタジエンが特に好ましい。
<変性剤>
本発明においては、上記のようにして得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体の活性末端に、変性剤として、保護化第一アミン化合物を反応させることにより、第一アミン変性共役ジエン系重合体を製造することができる。上記保護化第一アミン化合物としては、保護化第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物が好適である。
当該変性剤として用いられる保護化第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等を挙げることができ、好ましくは、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン又は1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンである
これらの変性剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。またこの変性剤は部分縮合物であってもよい。
ここで、部分縮合物とは、変性剤のSiORの一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。
前記変性剤による変性反応において、該変性剤の使用量は、好ましくは0.5〜200mmol/kg・共役ジエン系重合体である。同使用量は、さらに好ましくは1〜100mmol/kg・共役ジエン系重合体であり、特に好ましくは2〜50mmol/kg・共役ジエン系重合体である。ここで、共役ジエン系重合体とは、製造時又は製造後、添加される老化防止剤等の添加剤を含まないポリマーのみの質量を意味する。変性剤の使用量を前記範囲にすることによって、充填材、特にカーボンブラックの分散性に優れ、加硫後の耐破壊特性、低発熱性が改良される。
なお、前記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法等が挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
また、変性剤は、重合開始末端や重合終了末端以外に重合体主鎖や側鎖のいずれに結合させることもできるが、重合体末端からエネルギー消失を抑制して低発熱性を改良しうる点から、重合開始末端あるいは重合終了末端に導入されていることが好ましい。
<縮合促進剤>
本発明では、前記した変性剤として用いる保護化第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物が関与する縮合反応を促進するために、縮合促進剤を用いることが好ましい。
このような縮合促進剤としては、第三アミノ基を含有する化合物、又は周期律表(長周期型)の3族、4族、5族、12族、13族、14族及び15族のうちのいずれかの属する元素を一種以上含有する有機化合物を用いることができる。さらに縮合促進剤として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なく
とも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、カルボン酸塩、又はアセチルアセトナート錯塩であることが好ましい。
ここで用いる縮合促進剤は、前記変性反応前に添加することもできるが、変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に添加することが好ましい。変性反応前に添加した場合、活性末端との直接反応が起こり、活性末端に保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビロキシ基が導入されない場合がある。
縮合促進剤の添加時期としては、通常、変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。
縮合促進剤としては、具体的には、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラ−n−プロポキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウムオリゴマー、テトラ−sec−ブトキシチタニウム、テトラ−tert−ブトキシチタニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)チタニウム、ビス(オクタンジオレート)ビス(2−エチルヘキシル)チタニウム、テトラ(オクタンジオレート)チタニウム、チタニウムラクテート、チタニウムジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリブトキシステアレート、チタニウムトリプロポキシステアレート、チタニウムエチルヘキシルジオレート、チタニウムトリプロポキシアセチルアセトネート、チタニウムジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリプロポキシエチルアセトアセテート、チタニウムプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリブトキシアセチルアセトネート、チタニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、チタニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタニウムオキサイド、ビス(ラウレート)チタニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)チタニウムオキサイド、ビス(ステアレート)チタニウムオキサイド、ビス(オレエート)チタニウムオキサイド、ビス(リノレート)チタニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタニウム、テトラキス(ラウレート)チタニウム、テトラキス(ナフテネート)チタニウム、テトラキス(ステアレート)チタニウム、テトラキス(オレエート)チタニウム、テトラキス(リノレート)チタニウム等のチタニウムを含む化合物を挙げることができる。
また、縮合促進剤としては、例えば、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等を挙げることができる。
また、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等を挙げることができる。
上述の縮合促進剤の内、チタン化合物が好ましく、チタン金属のアルコキシド、チタン金属のカルボン酸塩、又はチタン金属のアセチルアセトナート錯塩が特に好ましい。
この縮合促進剤の使用量としては、前記化合物のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビロキシ基総量に対するモル比として、0.1〜10となることが好ましく、0.5〜5が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を前記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
本発明における縮合反応は、上述の縮合促進剤と、水蒸気又は水の存在下で進行する。水蒸気の存在下の場合として、スチームストリッピングによる脱溶媒処理が挙げられ、スチームストリッピング中に縮合反応が進行する。
また、縮合反応を水溶液中で行ってもよく、縮合反応温度は85〜180℃が好ましく、さらに好ましくは100〜170℃、特に好ましくは110〜150℃である。
縮合反応時の温度を前記範囲にすることによって、縮合反応を効率よく進行完結することができ、得られる変性共役ジエン系重合体の経時変化によるポリマーの老化反応等による品質の低下等を抑えることができる。
なお、縮合反応時間は、通常、5分〜10時間、好ましくは15分〜5時間程度である。縮合反応時間を前記範囲にすることによって縮合反応を円滑に完結することができる。
なお、縮合反応時の反応系の圧力は、通常、0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜10MPaである。
縮合反応を水溶液中で行う場合の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
本発明の変性共役ジエン系重合体の変性剤由来の第一アミノ基は、上述のように脱保護処理を行うことによって生成する。上述したスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理以外の脱保護処理の好適な具体例を以下に詳述する。
すなわち、第一アミノ基上の保護基を加水分解することによって遊離した第一アミノ基に変換する。これを脱溶媒処理することにより、第一アミノ基を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる。なお、該縮合処理を含む段階から、脱溶媒して乾燥ポリマーまでのいずれかの段階において必要に応じて変性剤由来の保護された第一アミノ基の脱保護処理を行うことができる。
<変性共役ジエン系重合体>
このようにして得られた変性共役ジエン系重合体はムーニー粘度(ML1+4,100℃)が、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜100である。ムーニー粘度が10未満の場合は耐破壊特性を始めとするゴム物性が十分に得られず、150を超える場合は作業性が悪く配合剤とともに混練りすることが困難である。
また、前記変性共役ジエン系重合体を配合した本発明に係る未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,130℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは30〜100である。
本発明に係るゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、即ち分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であることが好ましく、1.1〜2.7であることがより好ましい。
変性共役ジエン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)を前記範囲内にすることで該変性共役ジエン系重量体をゴム組成物に配合しても、ゴム組成物の作業性を低下させることがなく、混練りが容易で、ゴム組成物の物性を十分に向上させることができる。
また、本発明に係るゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体は、数平均分子量(Mn)が100,000〜500,000であることが好ましく、150,000〜300,000であることがさらに好ましい。変性共役ジエン系重合体の数平均分子量を前記範囲内にすることによって加硫物の弾性率の低下、ヒステリシスロスの上昇を抑えて優れた耐破壊特性を得るとともに、該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の優れた混練作業性が得られる。
本発明に係るゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
<他のゴム成分>
(A)ゴム成分において、上記変性共役ジエン系重合体と併用されるゴム成分としては、天然ゴム及び他のジエン系合成ゴムが挙げられ、他のジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)及びこれらの混合物が挙げられる。また、他のジエン系合成ゴムの一部又は全てが多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているジエン系変性ゴムであることがより好ましい。
(カーボンブラック)
本発明に係るゴム組成物においては、充填材としてカーボンブラックを、前述の(A)ゴム成分100質量部に対して、55質量部以上の割合で用いることが好ましい。カーボンブラックの量が55質量部未満では充分な補強効果が発揮されない。ゴム組成物の加硫ゴム物性において、100%伸張時弾性率(M100)が10MPa以上であることが好ましい。また、カーボンブラックの量が多すぎると、得られるゴム組成物の加硫ゴム物性において、低発熱性の効果が得られず、後で説明する正接損失tanδの28℃〜150℃におけるΣ値が6.0以下であることが好ましい。したがって、当該カーボンブラックの好ましい量は55〜70質量部であり、より好ましくは60〜70質量部である。
当該カーボンブラックとしては、得られるゴム組成物の加硫ゴム物性が、上記の加硫ゴム物性を満たすためには、FEF級グレード、FF級グレード、HAF級グレード、ISAF級グレード及びSAF級グレードの中から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、特にFEF級グレードが好適である。
((B)耐熱架橋剤)
本発明のゴム組成物は、(B)成分として一般式(I)
1 −S−S−A−S−S−R2 ・・・(I)
(式中Aは炭素数2から10のアルキレン基、R1 及びR2 は、それぞれ独立に窒素原子を含む一価の有機基を示す。)で表される化合物、シトラコンイミド化合物及びアクリレート類化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物(以下、これらの化合物を総称して耐熱架橋剤という)を含むことが必要である。これらの耐熱架橋剤を用いることにより、特に25〜250℃の範囲において、ピークの動的貯蔵弾性率の値とボトムの動的貯蔵弾性率の値の比(ボトム動的貯蔵弾性率/ピーク動的貯蔵弾性率)及び250℃における動的貯蔵弾性率の値が大きくなり耐熱性に優れたゴム組成物を効率的に得ることができる。
以下、当該ゴム組成物に好適に配合される上記耐熱架橋剤の詳細について説明する。
<一般式(I)で表される化合物>
まず、上記一般式(I)で表される化合物において、Aは炭素数2から10のアルキレン基を示し、このアルキレン基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状アルキレン基が好ましい。該炭素数2から10の直鎖状アルキレン基の例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。これらの中で、特に効果の点から、ヘキサメチレン基が好適である。
一方、R1 及びR2 は、それぞれ窒素原子を含む一価の有機基を示し、好ましくは、芳香環を少なくとも一つ含み、かつ窒素原子を含む一価の有機基であり、特に炭素原子がジチオ基に結合した=N−C(=S)−で表される結合基を含むものが好適である。R1 及びR2 は、たがいに同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さ等の点から、同一であるのが好ましい。
この一般式(I)で表される化合物としては、例えば一般式(I−a)
Figure 2009214700
で表されるα,ω−ビス(N,N’−ジヒドロカルビルチオカルバモイルジチオ)アルカンを好ましく挙げることができる。
上記一般式(I−a)において、R3 からR6 は、それぞれアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示すが、R3 及びR4 の少なくとも一方、並びにR5 及びR6 の少なくとも一方がアリール基又はアラルキル基であり、nは2から10の整数を示す。
ここで、アルキル基としては、炭素数1から20のものが好ましく、また、直鎖状、枝分かれ状及び環状のいずれであってもよい。このようなアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6から20のものが好ましく、また、環上には、低級アルキル基等の適当な置換基を有していてもよい。このようなアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数7から20のものが好ましく、また、環上には、低級アルキル基等の適当な置換基を有していてもよい。このようなアラルキル基の例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基、ナフチルメチル基、(メチルナフチル)メチル基、(ジメチルナフチル)メチル基、ナフチルエチル基、(メチルナフチル)エチル基、(ジメチルナフチル)エチル基等が挙げられる。
このR3 からR6 としては、全てが上記アリール基又はアラルキル基であるのが好ましく、特に全てがベンジル基であるのが、熱老化防止及び製造の容易さ等の点から好適である。このような化合物の例としては、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン;1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン;1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン;1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン;1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン;1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン;1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン;1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン;1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンを挙げることができる。これらの中で、効果の点から、特に、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好適である。
この一般式(I)で表される化合物は、当該ゴム組成物の耐熱性を向上させる効果を発揮するが、その作用は、高温下において架橋切断と平行してより耐熱安定性の高いモノスルフィド架橋を効率的に生成することに起因するものと考えられる。
<シトラコンイミド化合物>
次に、上記耐熱架橋剤として配合されるシトラコンイミド化合物は、効果の点から、ビスシトラコンイミド類が好ましく、該ビスシトラコンイミド類としては、例えば一般式(II)
Figure 2009214700
で表される化合物を好ましく挙げることができる。
この一般式(II)において、Arはアリーレン基を示し、このアリーレン基としては、環上に置換基を有する若しくは有しない炭素数6から20のアリーレン基が好ましい。上記置換基としては、加硫に影響を及ぼすことがなく、かつ170℃以上の高温で安定な基であればよく特に制限されず、例えば低級のアルキル基やアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等を挙げることができる。該アリーレン基としては、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられ、特にフェニレン基が好適である。
一方、Q1 及びQ2 は、それぞれ炭素数1から4のアルキレン基を示し、このアルキレン基は直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよい。このようなアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基が挙げられる。該Q1 及びQ2 は、たがいに同一であってもよく、異なっていてもよいが、製造の容易さ等の点から、同一であるのが好ましい。
上記一般式(II)で表される化合物の例としては、1,2−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;1,4−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;1,6−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;2,3−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン;2,4−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン;2,5−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,6−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、及びこれらに対応するビス(シトラコンイミドエチル)化合物等を挙げることができる。これらの中で、効果の点から、特に1,6−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンが好適である。
この耐熱架橋剤のシトラコンイミド化合物は、当該ゴム組成物の耐熱性を向上させる効果を発揮するが、その作用は高温での架橋切断時に発生する主鎖内の共役C=Cに反応し、C−C架橋を早期に生成することに起因するものと考えられる。
<アクリレート類化合物>
さらに、上記耐熱架橋剤としてのアクリレート類化合物としては、効果の点から、多価アルコールとアクリル酸との多価エステル、又は多価アルコールとアクリル酸及び他のカルボン酸との多価エステルが好ましく、該多価エステルとしては、例えば一般式(III)
Figure 2009214700
で表される化合物を好ましく挙げることができる。
この一般式(III)において、A1は(p+q)価の多価アルコールの水酸基を除いた残基を示し、Rは水素原子又はアクリロイル基以外のアシル基を示す。このアシル基としては特に制限はないが、飽和若しくは不飽和の炭素数2から20の脂肪族アシル基を好ましく挙げることができる。pは2から10の整数及びqは0から8の整数を示すが、p+q=2から10である。
この一般式(III)で表される化合物の中で、pが3から6の整数及びqが0から3の整数であり、かつp+q=3から6であるものが、効果の点で好ましい。
上記一般式(III)で表されるアクリレート類の形成に用いられる多価アルコールとしては、三から六価のアルコールが好ましく、このようなものとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
上記一般式(III)で表される化合物としては、効果の点から、一分子中にアクリロイル基を3から6個有するジペンタエリスリトールとアクリル酸との多価エステル及び一分子中にアクリロイル基3から5個を有するアシル基変性ジペンタエリスリトールアクリレートが好適である。
このような化合物は、以下に示すように市販品として入手可能である。
例えば、「KAYARAD DPHA」〔商標、日本化薬(株)製〕、「KAYARAD D−310」〔商標、日本化薬(株)製〕、「KAYARAD D−330」〔商標、日本化薬(株)製〕として入手することができる。
この耐熱架橋剤としてのアクリレート類は、当該ゴム組成物の耐熱性を向上させる効果を発揮するが、その作用は高温での架橋切断時に発生する主鎖内の共役C=Cに反応し、C−C架橋を効果的に生成することに起因するものと考えられる。
また、上記耐熱向上剤の配合量は、当該ゴム組成物のゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.5から20質量部の範囲で選定される。この量が0.5質量部未満では熱老化防止の効果が充分に得られず、所望の耐熱性向上効果が発揮されないおそれがある。一方、20質量部を超えると、その量の割には効果の向上はあまり認められず、むしろ経済的に不利となる上、得られるゴム組成物の他の物性が低下する原因となる。熱老化防止効果、ゴム組成物の他の物性及び経済性等を考慮すると、この耐熱向上剤のより好ましい配合量は、0.7から15質量部、特に好ましくは1.0から10質量部の範囲である。
また、(B)成分をゴム中に分散させる混練工程において140℃以下で混練することが好ましい、より好ましくは120℃以下である。混練温度の下限値については(B)成分である前記耐熱架橋剤の構造により異なるが通常、100℃程度である。混練温度を上記範囲にすることによって本発明のゴム組成物は優れた耐熱性を得ることができる。
当該ゴム組成物においては、所望により、上記耐熱向上剤と共に、他の熱老化防止剤を適宜併用することができる。この他の熱老化防止剤としては、例えば1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物や、一分子中にエステル基を2個以上有する化合物等が挙げられる。
ここで、一分子中にエステル基を2個以上有する化合物としては、特に制限はないが、アクリレート又はメタクリレート、特に、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸との多価エステルが好ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のアルキレングリコール及びその多量体、さらには、これらのメチロール置換体、ペンタエリスリトール類、多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルコール性水酸基を2つ以上有するポリエステル類又オリゴエステル類等が挙げられ、その中でも特に好ましいのは、アルキレングリコールのメチロール置換体及びその多量体である。
一分子中に2個以上のエステル基を有する化合物の具体例としては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート;1,5−ペンタンジオールジアクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート;トリエチレングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート;ポリプロピレングリコールジアクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;オリゴエステルポリアクリレート;ジプロピレングリコールジメタクリレート;トリメチロールエタントリメタクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート;ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート;ジペンタエリスリトールトリメタクリレート等が挙げられるが、その中でも特に好ましいのは、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート;ジペンタエリスリトールトリメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートである。
上記1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物は、ゴム成分を構成する重合体の分子間の架橋切断を抑制する作用を有する。一方、上記一分子中に2個以上のエステル基を有する化合物の作用については、次のように考えられる。ゴム組成物の温度が170℃以上になると、ゴムの劣化が始まり、架橋点やポリマー鎖の切断が起こり始めるが、一方で、該化合物によるC−C架橋も進むため、弾性率の低下が抑えられ、その結果、高温下でも発熱が抑制される。
さらに、本発明に係るゴム組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下するおそれがあり、10.0質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2-メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系、あるいはTOT(テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド)等のチウラム系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0質量部である。
また、本発明のゴム組成物で使用できる軟化剤として用いるプロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、100質量部以下であれば加硫ゴムの引張強度、低発熱性(低燃費性)が悪化するのを抑制することができる。
さらに、本発明のゴム組成物で使用できる老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜3.0質量部である。
(ゴム組成物の加硫ゴム物性)
本発明のゴム組成物は、加硫ゴム物性として、100%伸張時弾性率(M100)が10MPa以上であることが好ましい。この弾性率(M100)が10MPa未満では、ランフラット走行時のタイヤの撓み保持が不充分となり、タイヤのランフラット走行耐久性が低下する。より好ましいM100は10.5MPa以上であり、その上限は特に制限はないが、通常13MPa程度である。
なお、上記100%伸張時弾性率(M100)は、下記の方法で測定した値である。
また、上記加硫ゴム物性として、正接損失tanδの28℃〜150℃におけるΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]が6.0以下であることが好ましい。このtanδのΣ値が6.0を超えると、ランフラット走行時のタイヤの発熱が大きく、タイヤのランフラット走行耐久性が低下する。Σtanδ(28〜150℃)の下限に特に制限はないが、通常5程度である。
なお、上記Σtanδ(28〜150℃)は、下記の方法で測定した値である。
[空気入りタイヤ]
次に、本発明の空気入りタイヤを以下、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。
図1において、本発明の空気入りタイヤの好適な実施態様は、一対のビードコ1、1'(1’は図示せず)間にわたってトロイド状に連なり、両端部が該ビードコア1をタイヤ内側から外側へ巻き上げられる少なくとも1枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス層2と、該カーカス層2のサイド領域のタイヤ軸方向外側に配置されて外側部を形成するサイドゴム層3と、該カーカス層2のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配置されて接地部を形成するトレッドゴム層4と、該トレッドゴム層4と該カーカス層2のクラウン領域の間に配置されて補強ベルトを形成するベルト層5と、該カーカス層2のタイヤ内方全面に配置されて気密膜を形成するインナーライナー6と、一方の該ビードコア1から他方の該ビードコア1'へ延びる該カーカス層2本体部分と該ビードコア1に巻き上げられる巻上部分との間に配置されるビードフィラー7と、該カーカス層のサイド領域の該ビードフィラー7側部からショルダー区域10にかけて、該カーカス層2と該インナーライナー6との間に、タイヤ回転軸に沿った断面形状が略三日月形である、少なくとも1枚のサイド補強層8とを具える空気入りタイヤである。この空気入りタイヤのサイド補強層8及び/又はビードフィラー7に本発明に係るゴム組成物を用いることにより、本発明の空気入りタイヤは、上述の作用効果を奏することができる。
(ゴム組成物の調製、空気入りタイヤの作製)
本発明のゴム組成物は、前記配合処方により、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、図1における空気入りタイヤのサイド補強層8及び/又はビードフィラー7として用いられる。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物をサイド補強層8及び/又はビードフィラー7に用いて通常のランフラットタイヤの製造方法によって製造される。すなわち、前記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、通常走行時の転がり抵抗性と乗り心地を損なうことなく優れた耐熱性を付与させることによって、ランフラット耐久性を向上させたものとなる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、諸特性は下記の方法に従って測定した。
《未変性又は変性共役ジエン系重合体の物性》
<ミクロ構造の分析法>
赤外法(モレロ法)により、ビニル結合含有量(%)を測定した。
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定>
GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
<第一アミノ基含有量(mmol/kg)の測定>
先ず、重合体をトルエンに溶解した後、大量のメタノール中で沈殿させることにより重合体に結合していないアミノ基含有化合物をゴムから分離した後、乾燥した。本処理を施した重合体を試料として、JIS K7237に記載された「全アミン価試験方法」により全アミノ基含有量を定量した。続けて、前記処理を施した重合体を試料として「アセチルアセトンブロックド法」により二級アミノ基及び三級アミノ基の含有量を定量した。試料を溶解させる溶媒には、o−ニトロトルエンを使用、アセチルアセトンを添加し、過塩素酢酸溶液で電位差滴定を行った。全アミノ基含有量から二級アミノ基及び三級アミノ基の含有量を引いて第一アミノ基含有量(mmol)を求め、分析に使用したポリマー質量で割ることにより重合体に結合した第一アミノ基含有量(mmol/kg)を求めた。
《ゴム組成物の加硫ゴム物性》
<100%伸張時弾性率(M100)の測定方法>
ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫処理して得られた厚さ2mmのスラブシートについて、JIS K 6251に基づき、100%伸張時弾性率を測定する。
<Σtanδ(28〜150℃)の測定方法>
ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫処理して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所社製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200μm、動的歪1%、周波数52Hz、測定開始温度25〜200℃の測定条件にて正接損失tanδを測定し、図2に示すように、温度とtanδとの関係をグラフ化し、斜線部分の面積を求め、その値をΣtanδ(28〜150℃)とする。
<耐熱性の評価:ボトム動的貯蔵弾性率/ピーク動的貯蔵弾性率及び250℃の動的貯蔵弾性率測定>
ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫処理して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所社製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200μm、動的歪1%、周波数52Hz、測定開始温度25〜250℃、昇温速度3℃/分の測定条件にて動的貯蔵弾性率を測定し、動的貯蔵弾性率の温度に対する変化をグラフで表す。このグラフから、ピークの動的貯蔵弾性率の値及びその温度、ボトムの動的貯蔵弾性率の値及びその温度、並びに250℃における動的貯蔵弾性率求め、さらに上記値からボトム動的貯蔵弾性率/ピーク動的貯蔵弾性率を算出した。
上記各値を、比較例1を100として指数表示した。ボトム動的貯蔵弾性率/ピーク動的貯蔵弾性率の指数が大きいほど、又、250℃における動的貯蔵弾性率の指数が大きいほど、耐熱性が良好である。
《空気入りタイヤの評価》
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤ(タイヤサイズ215/45ZR17の乗用車ラジアルタイヤ)を常圧でリム組みし、内圧230kPaを封入してから38℃の室内中に24時間放置後、バルブのコアを抜き、内圧を大気圧として、荷重4.17kN(425kg)、速度89km/h、室内温度38℃の条件でドラム走行テストを行なった。各供試タイヤの故障発生までの走行距離を測定し、比較例1の走行距離を100として、以下の式により、指数表示した。指数が大きい程、ランフラット耐久性が良好である。
ランフラット耐久性(指数)=(供試タイヤの走行距離/比較例1のタイヤの走行距離)×100
<乗り心地性>
各供試タイヤを乗用車に装着し、専門のドライバー2名により乗り心地性のフィーリングテストを行い、1−10の評点をつけその平均値を求めた。その値が大きいほど乗り心地性は良好である。
製造例1 ポリブタジエンの製造
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン(0.0285mmol)シクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行なった。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。この重合体溶液を、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り重合を停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、ポリブタジエンを得た。得られたポリブタジエンについてミクロ構造(ビニル結合量)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。その結果、ビニル結合量は14%、Mwは150、000、Mw/Mnは1.1であった。
製造例2 四塩化錫変性ポリブタジエンゴム
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン(0.0285mmol)シクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行なった。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。この重合系に四塩化錫0.43ミリモルを加えた後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り重合を停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、ポリブタジエンを得た。
製造例3 重合開始剤リチウムヘキサメチレンイミによる二段変性重合体スチレンブタジエンゴムの製造
乾燥し、窒素置換された800ミリリットルの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン40g、スチレン10g、2,2−ジテトラヒドロリルプロパン0.38ミリモル投入し、これに反応系で調製されたリチウムヘキサメチレンイミド(ヘキサメチレンイミド/Liモル比=0.9)をリチウム当量で0,42ミリモルを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。
この重合体にテトラエトキシシラン0.38ミリモルを加えた後、さらに50℃で30分間一段目の変性反応を行った。その後、重合系にさらにN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダソール0.38ミリモル、ビス(エチルヘキサノエート)スズ2.28ミリモル及び水2.28ミリモルを加えた後、50℃で60分間二段目の変性反応をおこなった。この際2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)イソプロパノール5じゅうりょう%溶液0.5ミリリットルを添加し反応を停止させた。その後、常法により乾燥することにより変性スチレンブタジエンゴムを得た。
製造例4 テトラエトキシシラン変性ポリブタジエンゴム
製造例2において、変性剤である四塩化錫の替わりに、変性剤としてテトラエトキシシランを用いた以外は製造例2と同様にしてテトラエトキシシラン変性ポリブタジエンゴムを得た。
製造例5 N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール変性ポリブタジエン変性ポリブタジエンゴム
製造例2において、変性剤である四塩化錫の替わりに、変性剤として N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールを用いた以外は製造例2と同様にして N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール変性ポリブタジエンゴムを得た。
製造例6 N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン変性ポリブタジエンゴム
製造例2において、変性剤である四塩化錫の替わりに、変性剤としてN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンを用いた以外は製造例2と同様にしてN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン変性ポリブタジエンゴムを得た。
製造例7 第一アミン変性ポリブタジエンの製造
上記製造例1で得られた重合体溶液を、重合触媒を失活させることなく、温度50℃に保ち、第一アミノ基が保護されたN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン1129mgを加えて、変性反応を15分間行った。最後に反応後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒及び保護された第一アミノ基の脱保護を行い、110℃に調温された熟ロールによりゴムを乾燥し、第一アミン変性ポリブタジエンを得た。得られた変性ポリブタジエンについてミクロ構造(ビニル結合量)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び第一アミノ基含有量を測定した。その結果、ビニル結合量は14%、Mwは150、000、Mw/Mnは1、2、第一アミノ基含有量は4.0mmol/kgであった。
実施例1〜13及び比較例1〜2
第1表−1及び−2に示す配合組成を有する15種のゴム組成物を調製し、それぞれ上記加硫ゴム物性を求めた。
次に、これらの15種のゴム組成物を、図1に示すサイド補強層8及びビードフィラー7に配設し、それぞれタイヤサイズ215/45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤを定法に従って製造し、それらのタイヤについてランフット耐久性及び乗り心地性を評価した。それらの結果を第1表に示す。なお、サイド補強層の最大厚みを補強ゴムゲージとして求め、第1表−1及び第1表−2に示した。
Figure 2009214700
[注]
*1.天然ゴム:TSR20
*2.未変性ポリブタジエン:JSR社製BR01
*3.SnCl4変性BR:製造例2で得られたもの
*4.HMI変性BR:製造例3で得られたもの
*5.TEOS変性BR:製造例4で得られたもの
*6.TEOSI変性BR:製造例5で得られたもの
*7.S340変性BR:製造例6で得られたもの
*8.第一アミン変性ポリブタジエン:製造例7で得られたもの
*9.カーボンブラック:FEF(N550)、旭カーボン社製「旭#60」
*10.プロセスオイル:アロマティックオイル、富士興産社製「アロマックス#3」
*11.一般式(I)で表される化合物:1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン
*12.シトラコンイミド化合物:1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン
*13.アクリレート化合物:「KAYARAD D−310」〔商標、日本化薬(株)製〕
*14.老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製「ノクラック6C」
*15.加硫促進剤DZ:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業社製「ノクセラーDZ」
*16.加硫促進剤TOT:テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業社製「ノクセラーTOT−N」
Figure 2009214700
第1表−1及び2から、本発明のゴム組成物は低発熱性及び耐熱に優れ、該ゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いてなる本発明の空気入りタイヤは、乗り心地を損なうことなく、ランフレット耐久性を向上させ得ることが分かる。
本発明は、低発熱性及び耐熱性に優れたゴム組成物を、特にタイヤのサイド補強層及び/又はビードフィラーに用いることにより、通常走行時の転がり抵抗性と乗り心地を損なうことなく、ランフラット耐久性を向上させることができる。
本発明の空気入りタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。 ゴム組成物の加硫ゴム物性におけるΣtanδ(28〜150℃)を求めるための説明図である。
符号の説明
1、1' ビードコア
2 カーカス層
3 サイドゴム層
4 トレッドゴム層
5 ベルト層
6 インナーライナー
7 ビードフィラー
8 サイド補強層
10 ショルダー区域

Claims (26)

  1. ゴム成分が、(A)変性共役ジエン系重合体を含み、配合剤として、(B)下記一般式(I)
    1−S−S−A−S−S−R2・・・(I)
    (式中Aは炭素数2から10のアルキレン基、R1 及びR2 は、それぞれ独立に窒素原子を含む一価の有機基を示す。)で表される化合物、シトラコンイミド化合物及びアクリレート類化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. (A)変性共役ジエン系重合体が、重合体の分子中、末端の少なくとも1箇所にスズ、窒素、珪素、硫黄、酸素原子を有している請求項1に記載のゴム組成物。
  3. (A)変性共役ジエン系重合体が、アミノ基で変性されている請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. (A)変性共役ジエン系重合体が、アミン系官能基としてプロトン性アミノ基及び/又は保護化アミノ基を有する請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. プロトン性アミノ基及び/又は保護化アミノ基が、−NH2、−NHRa、−NL12及び−NRb3(ただし、Ra及びRbは、それぞれ炭化水素基を示し、L1、L2及びL3は、それぞれ水素原子又は解離し得る保護基を示す。)の中から選ばれる少なくとも一種の基である請求項4記載のゴム組成物。
  6. ゴム成分が、(A)変性共役ジエン系重合体10質量%以上を含む請求項3〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. (A)変性共役ジエン系重合体が、共役ジエン系重合体の活性末端に、保護化第一アミン化合物を反応させて得られたものである請求項3〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 共役ジエン系重合体が、有機アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させて得られたもの、又はランタン系列希土類元素含有化合物を含む触媒を用い、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は他の共役ジエン化合物とを配位アニオン重合させて得られたもののいずれかである請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 前記共役ジエン系重合体がポリブタジエンゴムである請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. (B)成分の一般式(I)で表される化合物におけるAがヘキサメチレン基である請求項1に記載のゴム組成物。
  11. (B)成分の一般式(I)で表される化合物におけるR1及びR2が、それぞれ芳香環を少なくとも1つ含み、且つ窒素原子を含む一価の有機基である請求項1又は10に記載のゴム組成物。
  12. (B)成分の一般式(I)で表される化合物におけるR1及びR2が、それぞれ炭素原子がジチオ基に結合した=N−C(=S)−で表される結合基を含む一価の有機基である請求項1又は10〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
  13. (B)成分の一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−a)
    Figure 2009214700
    (式中、R3 からR6 は、それぞれアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示すが、R3 及びR4 の少なくとも一方、並びにR5 及びR6 の少なくとも一方がアリール基又はアラルキル基であり、nは2から10の整数を示す。)で表されるα,ω−ビス(N,N’−ジヒドロカルビルチオカルバモイルジチオ)アルカンである請求項12に記載のゴム組成物。
  14. (B)成分の一般式(I)で表される化合物が、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンである請求項13に記載のゴム組成物。
  15. (B)成分のシトラコンイミド化合物がビスシトラコンイミド類である請求項1に記載のゴム組成物。
  16. (B)成分のシトラコンイミド類が下記一般式(II)
    Figure 2009214700
    (式中、Arはアリーレン基を示し、Q1 及びQ2 は、それぞれ独立して、炭素数1から4のアルキレン基を示す。)で表される請求項15に記載のゴム組成物。
  17. シトラコンイミド類が、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンである請求項1又は15〜16のいずれかに記載のゴム組成物。
  18. (B)成分のアクリレート類が、多価アルコールとアクリル酸、又は多価アルコールとアクリル酸及び他のカルボン酸との多価エステルである請求項1に記載のゴム組成物。
  19. (B)成分のアクリレート類が、下記一般式(III)
    Figure 2009214700
    (式中、A1は(p+q)価の多価アルコールの水酸基を除いた残基を示し、Rは水素原子又はアクリロイル基以外のアシル基、pは2から10の整数及びqは0から8の整数を示すが、p+q=2から10である。)で表される化合物である請求項18に記載のゴム組成物。
  20. (B)成分の一般式(III)で表されるアクリレート類において、pが3から6の整数及びqが0から3の整数であり、かつp+q=3から6である請求項19に記載のゴム組成物。
  21. (B)成分の一般式(III)で表されるアクリレート類において、一分子中にアクリロイル基を3から6個有するジペンタエリスリトールとアクリル酸との多価エステルである請求項20に記載のゴム組成物。
  22. (B)成分の一般式(III)で表されるアクリレート類において、一分子中にアクリロイル基3から5個を有するアシル基変性ジペンタエリスリトールアクリレートである請求項21に記載のゴム組成物。
  23. ゴム成分100質量部当たり(B)成分を0.5〜20質量部を配合してなる請求項1〜22のいずれかに記載のゴム組成物。
  24. (B)成分をゴム中に分散させる混練工程において140℃以下で混練されてなる請求項1〜23のいずれかに記載のゴム組成物。
  25. (B)成分をゴム中に分散させる混練工程において120℃以下で混練されてなる請求項24に記載のゴム組成物。
  26. 左右一対のリング状のビードコアと、該ビードコアのタイヤ半径方向外側に配設されたビードフィラーと並列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設されてなるプライ少なくとも1枚からなるカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配設されたトレッド部と、該トレッド部の左右に配置された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部に配設された断面形状が略三日月形であるサイド補強層とを具備してなる空気入りタイヤにおいて、上記サイド補強層及び/又は上記ビードフィラーに請求項1〜21のいずれかに記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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