JP2009214118A - プレス成形方法およびプレス成形用素板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、フランジ成形時の不具合の中で伸びフランジ破断を回避するプレス成形方法およびプレス成形用素板を提供するものである。
【解決手段】 フランジ成形時に伸びフランジ破断の危険部位があるプレス成形用素板のプレス成形方法において、金型コーナー半径から素板端部に向けてフランジ長さ分オフセットした半径よりも大きな端部コーナー半径を持つ素板を使用することで、破断危険部位の変形勾配を緩和し、破断を回避する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、プレス成形時に伸びフランジ破断を回避するプレス成形方法、およびプレス成形用素板に関する。
近年、自動車業界では、衝突時の乗員への傷害を低減しうる車体構造の開発が急務の課題となっている。また、一方で燃費改善のために車体の軽量化も重要である。これらの課題の解決のために、より高強度の材料特に鉄鋼材料では高強度鋼板の適用が検討されている。しかしながら、一般に強度の上昇は成形性の劣化を招くとされており、適用拡大のためには成形性改善、特に伸びフランジ性の改善が重要である。
このような課題の解決のために伸びフランジ性に優れた材料の開発が進められている。特許文献1にはフェライトやベイナイトなどの微視組織の制御により伸びフランジ性を改善した材料が開示されている。また特許文献2には塑性異方性と特定方向の引張試験における均一伸びを規定することで伸びフランジ性に優れるアルミニウム合金板が開示されている。
しかしながら、実際の部品での成形可否は材料特性のみで決まるのではなく、金型形状や潤滑条件、成形条件等が複雑に影響している。特許文献3には伸びフランジ成形に類似したバーリング加工において逐次成形を行うという加工方法の観点での検討で優れた加工性が得られることが開示されている。また、特許文献4には良い材料特性を引き出すために加工温度を制御することで優れた伸びフランジ成形性を得る製造方法およびプレス成形体が開示されている。これらの方法は優れた伸びフランジ成形性を得ることができるが現在一般的に使用されているプレス装置での適用では、プレス成形時の伸びフランジ破断を回避することは容易ではなかった。
特開2002−60898号公報 特開2006−257506号公報 特開2001−38424号公報 特開2002−113527号公報
本発明は、フランジのプレス成形時の不具合の中で伸びフランジ破断を回避するプレス成形方法およびプレス成形用素板を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、フランジ成形時に、実際の伸びフランジ破断が生ずる部位を詳細に観察し、破断危険部位で大きな変形勾配が生じていることを見出した。このような変形勾配を回避する手段を検討した結果、素板形状を変更することで伸びフランジ破断が回避できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)フランジ成形時に伸びフランジ破断の危険部位があるプレス成形用素板のプレス成形方法において、金型コーナー半径から素板端部に向けてフランジ長さ分オフセットした半径R1と素板端部コーナー半径R2との比が、R2/R1≧2を満たすプレス成形用素板を使用することを特徴とするプレス成形方法。
(2)前記プレス成形用素板のコーナーが複数の曲率の端部形状から構成されることを特徴とする上記(1)に記載するプレス成形方法。
(3)さらに前記端部形状の一部が直線により構成されることを特徴とする上記(2)に記載のプレス成形方法。
(4)前記プレス成形用素板に使用する素板の材料が引張強さにして440MPa以上の鋼板であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(5)前記プレス成形用素板に使用する素板の材料の一様伸びが15%以上であることを特徴とする上記(4)に記載のプレス成形方法。
(6)フランジ成形時に伸びフランジ破断の危険部位があるプレス成形用素板において、金型コーナー半径から素板端部に向けてフランジ長さ分オフセットした半径R1と端部コーナー半径R2との比がR2/R1≧2を満たしていることを特徴とするプレス成形用素板。
(7)前記プレス成形用素板のコーナーが複数の曲率の端部形状から構成されることを特徴とする上記(6)に記載するプレス成形用素板。
(8)さらに前記端部形状の一部が直線により構成されることを特徴とする上記(7)に記載のプレス成形用素板。
(9)前記プレス成形用素板使用する素板の材料が引張強さにして440MPa以上の鋼板であることを特徴とする上記(6)から(8)のいずれかに記載のプレス成形用素板。
(10)前記プレス成形用素板に使用する素板の材料の一様伸びが15%以上であることを特徴とする上記(9)に記載のプレス成形用素板。
本発明に基づいたプレス成形方法またはプレス成形用素板を適用することで、フランジ成形時の伸びフランジ破断を回避することができ製造コストの低減につながる。また、より強度の高い材料が適用できることとなり自動車用プレス成形部品等の軽量化が期待できる。
図6(a)に伸びフランジ成形部位を含む部品の例を示す。また図6(b)にこの部品を成形する際に通常用いられる素板形状を示す。プレス成形では素板(金属板)はブランクホルダーとダイにより拘束され、その後パンチを押し付けることにより加工が行われる。ブランクホルダーとダイにより拘束されている部分は通常フランジと呼ばれるが、図6(a)製品(金型)コーナー半径6を有する伸びフランジ成形部位7として示した位置ではプレス成形中には素板端面に引張変形が加わり、素板の減肉が起こる。また縮みフランジ成形部位8として示した位置では、素板端面に圧縮変形が加わり、素板の増肉が起こる。増肉部分においてはしわ等の形状不良の可能性があるものの破断の危険は小さい。一方伸びフランジ成形部位では減肉が起こるために、部品形状や材料特性によっては破断が生じる可能性がある。図6(b)に素板形状の素板端部コーナー半径9を示した。
本発明は部品の成形中に起こるこのような伸びフランジ破断を回避することを目的としており、対象部品形状およびそれに付随する金型形状に応じて最適な形状の素板を使用するプレス成形方法およびプレス方法用素板に関するものである。さらに詳しく述べるならば本発明において形状の工夫を行う伸びフランジ破断部位とは、素板端部に位置しかつプレス成形中に引張変形を受ける部位のことを示しており、この部位のコーナー半径を大きくすることを特徴としている。
本発明者らは、まず実部品でのフランジ成形時の伸びフランジ破断部位での変形状態を詳細に調査した。その結果実際に割れが起こる箇所で板厚減少率やひずみ量等がピークを持ち、その周囲でそれらの値が減少していくことが分かった。すなわち、部品においてはある領域に変形が集中した後にさらにその領域内で変形の局所化が起こりついには破断に至るものと考えられる。
これまで伸びフランジ成形性の指標として穴広げ成形試験の結果が用いられてきた。穴を設けた素板を円錐または円筒のポンチで押し広げ、初期穴径と破断が生じた際の穴径の比を算出することで伸びフランジ成形性の良し悪しが判断されている。この試験の場合、同じポンチを用いた場合は穴径が小さい、すなわちフランジ長さ(=立ち上げ量)が長いほど成形が厳しくなることが知られていた。従って、伸びフランジ成形、特にフランジアップ成形の場合にはできるだけフランジ高さを低くすることが重要であると考えられてきた。それを達成するためには成形前の形状としては金型のコーナー部の形状をそのままオフセットした素板形状のものを用いることが一般的であった。ここに言うオフセットとは金型コーナー部の曲率中心を用いて、フランジ長さ分だけ半径を小さくした同心円を描きその曲率を用いて素板端部形状を設定する操作のことを言う。素板の端部での変形が均一に起こると考えた場合には金型コーナー半径に合わせてオフセットした形状を用いることが端部に生じる変形を最も抑制することとなる。
穴広げ成形試験の場合は穴端部に生じる変形量は周方向でほぼ均一となる。この場合は立ち上げ量と穴端部の変形量(ひずみ、板厚減少率)には強い相関が見られる。しかしながら、本発明者らは実際の伸びフランジ成形では素板端部の変形が不均一であり、立ち上げ量と端部に生じる変形量の最大値が必ずしも強い相関を示さないことを見出した。従って、金型コーナー半径をオフセットした素板形状を用いることが端部の変形量を低減させることにはならない。さらに検討した結果、素板端部の形状を金型コーナー半径をオフセットした形状から変化させることで伸びフランジ成形部位の変形量分布を制御できることを見出した。
伸びフランジ破断部位では既述のように破断部をピークとして変形量が端部に沿って分布している。詳細に検討した結果このような破断部位は素板端部に沿って見た場合に曲率半径が小さく変化している箇所か、曲率半径が近傍と同等であっても変形時に周辺の素板から引張が加わる場所に多いことが分かった。これらの形状はフランジアップ高さを低くするために金型コーナー半径をオフセットしたことにより生じていることが多い。鋭意検討の結果、変形量がピークを取る箇所の素板コーナー半径を、金型コーナー半径をオフセットしたものより大きくすることで変形量のピーク高さを減ずることができる。即ち、金型コーナー半径から素板端部に向けてフランジ長さ分オフセットした半径R1と端部コーナー半径R2との比がR2/R1≧2とすることで、いわゆるネッキングが生じることも、ひずみが生じ破断が生じることもない。その結果、伸びフランジ破断を回避できることが分かった。これは最も変形が集中する部位に材料が配置されることとなり、変形抵抗が増すためにその部位での変形量が低下するためであると考えられる。前記比のR2/R1≧2を満足しないと、伸びフランジ破断を回避することが困難となる。
素板コーナー半径は大きいほどピークを低減させる効果が大きく、直線化することで最大の効果が得られる。しかしながら、大きなコーナー半径を用いると元来の形状との接続部位で曲率半径の小さな部分ができる可能性がある。このような場合にはいくつかの曲率の端部を組み合わせて、変形集中が起こらないようにすると良い。このような最適素板形状の検討には数値解析手法、特に有限要素法による解析を併用して検討することが好ましい。
このようなコーナー半径を局所的に大きくした素板を用いたプレス成形方法は特に引張強さにして440MPa級以上の鋼板を用いるとその効果が高い。通例ハイテンと言われる高強度な材料は通常の軟鋼板に比べて伸びフランジ性に乏しいとされ、特に穴広げ試験値は劣位であった。しかしながら素材強度の増大と本成形方法の組合せで変形の集中を緩和し、良好な伸びフランジ成形性を得ることができる。
また、このような成形方法は材料特性、特に加工硬化能の高い材料との組合せでよりその効果が高い。材料の加工硬化能が高いほど集中した変形を緩和することができるためピーク高さは低くなる。素板形状を変更させることと、高い加工硬化能を持つ材料を用いることは同一方向への改善方法であり、その相乗効果は高い。一般に、引張強さにして590MPa級以上の材料で伸びフランジ性が問題になる場合には加工硬化能よりもむしろ穴広げ試験値の結果の良い材料が用いられることが多い。一般に穴広げ試験値と材料の加工硬化能は逆相関することが知られており、高い穴広げ試験値を持つ材料では加工硬化能は低くなることが多い。一般に素板端部以外での破断や形状不良等に関しては加工硬化能が高い材料を用いるのが好ましい。しかしながら、素板端部での伸びフランジ破断が問題となる場合には加工硬化能に優れる材料の選択は不可能であった。しかしながら本成形方法を用いることで伸びフランジ破断以外の不具合に対しても有効な加工硬化能の高い材料を用いることができる。特に第二相強化を用いる複合組織型鋼板(Dual Phase鋼、TRIP鋼)を用いることが好ましい。
加工硬化能の指標としては様々なものがあるが本発明ではその一つである引張試験時の一様伸びを用いた。一様伸びとは引張試験時の公称応力−公称ひずみ曲線で公称応力が最大値をとる点での公称ひずみの値を言う。種々の検討を行った結果、一様伸びにして10%以上、好ましくは15%以上の材料を用いると素板形状を変更することの効果との組合せで最大の効果を発揮することが分かった。
[実施例1]
以下に実例を挙げながら、本発明の技術内容について説明する。通常行われている円筒ポンチによる穴広げ試験の素板形状を分割しフランジアップ成形を模擬した図1(a)〜(c)に示すよう成形実験を行った。成形実験では、ダイ1は肩Rが5mmで106mmφのものを用い、しわ押さえ2で被加工材4を拘束した後に、肩Rが10mmの100mmφの円筒平底ポンチ3を用いて成形を行った。この際上述の金型のコーナー部半径はダイ1またはポンチ3のコーナー半径となるが、実部品の成形を考えると被加工材の板厚を考えオフセットさせればこの両者はほぼ同一となるが、本例ではクリアランスが比較的大きな成形条件となっているため最終的に端部が沿うこととなるポンチ3のコーナー半径である50mmを基準として素板端部コーナー半径を変化させた。
成形に用いた素板は180mm角を1/4に切断したものを用いた(図2)。この素板の一隅を所定の形状に打ち抜くことにより種々の条件でのフランジアップ成形試験を行った。図2では、金型コーナー半径50mm、素板コーナー半径30mm、60mm、0mm(直線)とする素板形状の例を示している。表1に成形条件および結果のまとめを示す。素材は板厚1.6mmの440MPa級冷延鋼板を用いた。
このうち、例1〜6はフランジ長さ(フランジアップの立ち上げ量5)が20mmとなるようにしたものであり、例7〜9は立ち上げ量5が40mmとしたものである。金型コーナー半径(=50mm)から伸びフランジ成形の素板端部に向けてフランジ長さ分だけ形状をオフセットすると、フランジ長さ20mmで素板端部コーナー半径30mm、40mmで端部半径10mmとなる。この端部半径を基準としてそれよりも大きな曲率半径となるように端部形状を様々に調整するとともに、極端な例として直線状に切断したもの(曲率半径無限大相当)も用意し実験を行った。
例7は通常用いられる素板形状であるが今回の成形条件では伸びフランジ破断は発生しなかった。これは例8、9のようにコーナー半径を大きくしたものでも同様であり、伸びフランジ破断が発生しない場合に本発明の素板形状を用いることで成形性が悪化することがないことを示していると考えられる。一方、例1では伸びフランジ破断が材料端の中央部で発生した。破断部の円周方向のひずみを計測した結果、0.43ものひずみが生じ破断に至っていることが分かった。例2では金型コーナー半径をオフセットした半径の2倍の端部コーナー半径の素板を用いたが、例1で見られた板厚を貫通する割れは発生しないものの、中央部に局所的に板厚が減少しているいわゆるネッキングが生じていた。このとき周方向ひずみは0.27であった。端部コーナー半径を2倍よりも大きな値に設定した場合にはネッキングも生じず、良好な成形品が得られた。また例1で破断が生じた位置である中央部のひずみも低下していることが分かった。成形条件や周囲の金型条件により変動することは十分に想定されるが、本実施例では金型コーナー半径をオフセットした半径の2倍より大きな端部コーナー半径の素板を用いる場合に、より優れたプレス成形性が得られることが分かった。
Figure 2009214118
[実施例2]
実施例1におけるフランジ長さを20mmとした条件で種々の材料の伸びフランジ成形が可能となるか調査した。一般に材料の高強度化とともに伸びフランジ特性は劣化することが知られている。使用した素板形状は金型コーナー半径(50mm)をフランジ長さ20mm分オフセットした素板端部コーナー半径が30mmの条件のものと、直線状のものの2種類を用いた。使用した材料および実験結果を表2に示す。なお板厚はすべて1.6mmとした。
例10は材料として軟鋼を用いた場合である。コーナー半径を30mmとした場合でも、直線状にした場合でも伸びフランジ成形(フランジアップ成形)が可能であった。従って、この場合は素板端部コーナー半径を大きくする必要はないが、何らかの生産条件変動の悪影響を小さくするためにはより大きなコーナー半径を用いるほうが好ましいと考えられる。一方、例11から例18は440MPa級以上の高強度鋼板を用いた場合である。このような材料では伸びフランジ成形性が劣化するため、コーナー半径が30mmの素板を用いる場合には中央部に割れが発生してしまった。しかしながら端部を直線化した場合にはいくつかの条件でネッキングが生じるものの、板厚を貫通する割れを生じることなく成形が可能であった。従って、本発明のプレス成形方法およびプレス成形用素板は素材として440MPa級以上の鋼板を用いる場合その効果が高い。
さらに詳細に検討すると本手法は材料の一様伸び、すなわち加工硬化能によってもその効果が異なることが分かった。素材の一様伸びが15%以上の場合はネッキング等を生じることがなく成形可能であった。一方、一様伸びが10%未満の場合はネッキングの程度が甚だしかった。一様伸びが10%以上15%未満の場合はネッキングがわずかに生じるものの成形は可能であった。従って特に440MPa級以上の高強度な材料を用いる場合には10%以上の一様伸びを持つ素材を使用することが好ましく、さらには15%以上であるとなお良い。440MPa以上の高強度鋼板でこのような高い一様伸びを示しやすい強化手法は第二相強化であり、複合組織鋼との組合せがより望ましい。本手法が特に好ましいかった結果を○で、より好ましかった結果を□で、それらよりは劣るが成形可能であった結果を△で表示し、表2の結果を図示したものを図3に示す。
ここでは鋼板に対して本発明の適用可能性を検討したが他の材料に関しても加工硬化能の指標としての一様伸びに着目して素板端部形状を選択すれば良い。
Figure 2009214118
[実施例3]
実施例1および2では穴広げ試験に類似した形状での成形について検討したが、より実部品に近い形状でもその効果が得られるか検討した。実験に用いた形状は100mmおよび150mmの二つのコーナー半径を持つものであり、その金型(ポンチ)形状を図4に示す。この形状に対してフランジ長さ(フランジアップの立ち上げ量)が25mm以上となるような成形を行った。
図5(a)〜(c)は、素板形状を示す図で、(a)は25mmのフランジ長さを考慮して、それぞれ100mm、150mmの金型コーナー半径に対してオフセットを行い、素板端部コーナー半径をそれぞれ75mm、125mmとした素板形状の素板である。この素板形状の素板を用いて成形実験を行った。用いた材料は板厚1.6mmの590MPa級のDP鋼板(降伏強さ340MPa、降伏強さ612MPa、一様伸び17%、伸び33%)である。実験結果を表3に示すが、フランジアップ成形後、金型コーナー半径100mm近傍では中央部に割れが生じた。一方、金型コーナー半径150mm近傍では板厚方向を貫通する割れは見られなかったものの、ネッキングが生じていた。
図5(b)は(a)の形状からより大きな素板端部コーナー半径(100mmおよび150mm)としたものである。その成形実験の結果を同じく表3に示すが、金型コーナー半径150mm近傍では問題なく成形できたが、金型コーナー半径100mm近傍ではネッキングが生じていた。実施例1では金型コーナー半径をフランジ長さ分オフセットした半径の2倍よりも大きな端部コーナー半径にすると優れた成形性が得られたことと対応している。素板形状(b)の金型コーナー半径100mm近傍ではその比は1.3であり2に達していない。しかしながら、一方では2倍よりも大きな半径にするとフランジアップ後の高さが高くなり、実部品では他部品との干渉の危険性がある。そこで、複数の曲率からなる端部形状を検討した。図5(c)は端部コーナー半径100mmを基準として図に示す長さhの1/5の長さ分だけフランジを長くし、かつその部分を直線化した。さらにこの直線と基準半径100mmとの間は曲率半径50mmの円弧で滑らかに接続した。この形状で成形実験を行った結果を表3に示す。中央を直線化することで変形集中が抑えられたために、ネッキングの発生なく、成形が可能となった。
このように基準条件からのフランジ長さを任意に選べない場合には最も変形が集中する部分を直線化し、その周囲を複数の曲率の円弧で結ぶことで、形状変更を最小化しつつ、伸びフランジ成形性を確保することができる。
Figure 2009214118
(a)はフランジアップ成形試験の開始前の縦断面図で、(b)はフランジアップ成形試験の開始前の平面図で、(c)はフランジアップ成形試験の終了後の縦断面図である。 成形実験に用いた素板形状の説明図である。 素板の材料強度および一様伸びと本発明の効果との関係を示す図である。 金型(ポンチ)形状の説明図である。 実施例3の実験に用いた素板形状((a)〜(c))を示す図である。 (a)は伸びフランジ成形部位を含む部品の例を示す図で、(b)はこの部品を成形する際に通常用いられる素板形状を示す図である。
符号の説明
1 ダイ
2 しわ押さえ
3 ポンチ
4 被加工板
5 フランジアップの立ち上げ量
6 製品(金型)コーナー半径
7 伸びフランジ成形部位
8 縮みフランジ成形部位
9 素板端部コーナー半径

Claims (10)

  1. フランジ成形時に伸びフランジ破断の危険部位があるプレス成形用素板のプレス成形方法において、金型コーナー半径から素板端部に向けてフランジ長さ分オフセットした半径R1と素板端部コーナー半径R2との比が、R2/R1≧2を満たすプレス成形用素板を使用することを特徴とするプレス成形方法。
  2. 前記プレス成形用素板のコーナーが複数の曲率の端部形状から構成されることを特徴とする請求項1に記載するプレス成形方法。
  3. さらに、前記端部形状の一部が直線により構成されることを特徴とする請求項2に記載のプレス成形方法。
  4. 前記プレス成形用素板に使用する素板の材料が引張強さにして440MPa以上の鋼板であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプレス成形方法。
  5. 前記プレス成形用素板に使用する素板の材料の一様伸びが15%以上であることを特徴とする請求項4に記載のプレス成形方法。
  6. フランジ成形時に伸びフランジ破断の危険部位があるプレス成形用素板において、金型コーナー半径から素板端部に向けてフランジ長さ分オフセットした半径R1と端部コーナー半径R2との比がR2/R1≧2を満たしていることを特徴とするプレス成形用素板。
  7. 前記プレス成形用素板のコーナーが複数の曲率の端部形状から構成されることを特徴とする請求項6に記載するプレス成形用素板。
  8. さらに前記端部形状の一部が直線により構成されることを特徴とする請求項6または7に記載のプレス成形用素板。
  9. 前記プレス成形用素板に使用する素板の材料が引張強さにして440MPa以上の鋼板であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のプレス成形用素板。
  10. 前記プレス成形用素板に使用する素板の材料の一様伸びが15%以上であることを特徴とする請求項9に記載のプレス成形用素板。
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