JP2009213320A - 同期制御方法および同期制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 シャフトレス輪転印刷機の同期制御システムにおいて、紙詰まりや破断すること無く原点合わせを終了して、速やかに印刷運転を開始できるようにすること。
【解決手段】折り機の同期駆動装置06fは、位相制御に移行する直前の瞬時位相偏差を折り機初期位相偏差として初期位相偏差メモリ0622に記憶し、折り機初期位相偏差を、複数の印刷機の同期駆動装置06fへ送出するとともに、位相制御に移行して累積位相偏差に基づき位相制御を行なう。これにより、折り機は原点合わせを経ること無く同期制御へ移行する。印刷機の同期駆動装置06fは、印刷機位相指令補正器0613により位相指令、前記折り機初期位相偏差、オフセット調整量から印刷機補正位相指令を演算し、前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから累積位相偏差を演算し、累積位相偏差による位相制御を行って速やかに同期制御に移行し、印刷運転を開始する。
【選択図】 図2

Description

本発明はセクショナル・ドライブによる新聞や商用のシャフトレス輪転印刷機、枚葉印刷機、高品質のフィルムを製造する延伸装置、精密な搬送装置などに用いられ、複数の電動機相互間の回転位相を高精度に一致せしめる同期制御方法および同期制御システムに関するものである。
該同期制御システムの例としてシャフトレス輪転印刷機で示せば、バーチャル回転指令発生装置と輪転印刷機の各印刷機や折り機の同期駆動装置とそれぞれに設置された電動機から構成される。そして、該同期制御システムにおいて前記同期駆動装置は前記バーチャル回転指令発生装置から速度指令、位相指令を得て、前記電動機からは付属するロータリエンコーダから速度フィードバック、位相フィードバックを得て高精度の同期制御を実現する。
近年、複数の電動機を機械的に結合すること無く、電子的に相互に精度良く回転速度と回転位相を合わせる同期制御の駆動を行うセクショナル・ドライブが考案されている。そして、これの産業上の適用として例えば印刷装置において、印刷機、折り機や各種ロールを結合するラインシャフトを取り去ったシャフトレス輪転印刷機が国内においては1990年代から実用化されている。
本発明では同期制御の発明の開示を例としてシャフトレス輪転印刷機により行うもので、図14にパンフレット、広告、小冊子の印刷を行う商用シャフトレス輪転印刷機の従来例を説明する図を示す。
図14において、04a,04、及び05は給紙部、連続紙、及びインフィードを示し、前記連続紙04は給紙部04aより供給されて前記インフィード05により後述する印刷機へ送出される。
10a、10b、10c、及び10dは第1の印刷機から第4の印刷機を示し、これらはそれぞれ例えばイエロー、シアン、マゼンダ及びブラックのカラー印刷を行う。ここで、該印刷機は各々インクロール、版胴、ブランケット胴を備え、該インクロールから版胴にインクが供給され該版胴に取り付けられた刷版のパターンは前記ブランケット胴に転写された後、前記連続紙04に印刷される。
次に、11、12、及び13はそれぞれドライヤ、クーリング、ドラッグを示し、前記連続紙04は前記ドライヤ11及びクーリング12にてそれぞれ加熱により乾燥、冷却された後、前記ドラッグ13にて折り機15fに送出される。該折り機15fは印刷された連続紙を裁断し折り畳む。
そして、前記第1の印刷機10aから第4の印刷機10d、及び前記折り機15fはそれぞれ個別に設置した電動機にて精度良く回転速度と回転位相を合わせて運転されている。
該電動機群は集中制御装置や同期駆動装置により駆動され、前記図14において01、02はそれぞれ集中制御装置及び通信回線を示し、06a、07a、及び08aは前記第1の印刷機10aを精度よく同期制御にて駆動するそれぞれ同期駆動装置、電動機、及びロータリエンコーダである。同様に前記第2の印刷機から第4の印刷機も前記図14に示す通りそれぞれ個別に同期駆動装置、電動機、及びロータリエンコーダを備えている。
次に、06f、07f、及び08fは前記折り機15fを同期制御にて駆動するそれぞれ同期駆動装置、電動機、及びロータリエンコーダである。
かように、従来例の前記図14では、前記集中制御装置01は速度指令や位相指令を前記通信回線02経由にて前記同期駆動装置06aから06fに送出する。そして、該同期駆動装置群は前記第1の印刷機を例にすれば、前記同期駆動装置06aは前記集中制御装置01から速度指令や位相指令を受信し、前記ロータリエンコーダ08aから速度フィードバックや位相フィードバックを検出し前記電動機07aを高精度に同期制御にて駆動する。
かような同期制御を用いたシャフトレス輪転印刷機においては、イエロー、シアン、マゼンダ及びブラックなどの印刷機や折り機を駆動する複数の電動機を相互に高精度にて回転速度と回転位相を一致せしめて運転し高速のカラー印刷を実現している。
そして、このシャフトレス輪転印刷機は従来のシャフト有り印刷機と比較して、
(1−1)設置が容易である。
(1−2)自由な印刷機の運転が可能である。
(1−3)作業性が向上する。
(1−4)損紙が低減する。
(1−5)保守が容易となる。
などの有利な特徴を有している。
ここで、前記インフィード05、クーリング12、及びドラッグ13は速度同調にてそれぞれ個別に電動機で駆動されるが、これらは本発明の対象外であり前記図14では電動機など駆動系統の記載を割愛している。
次に、従来例を説明した前記図14に記載の前記ロータリエンコーダ08aの具体例を示せば、従来から図15に示すインクリメンタルエンコーダ081が使用されている。
該インクリメンタルエンコーダ081は図15−(a)に示す通り、回転に応じて発生する複数の矩形波であって90度位相差のA相信号とB相信号と1回転に1つの矩形波となるZ相信号を出力する。図15−(b)、(c)、及び(d)は前記インクリメンタルエンコーダ081が回転するとき前記A相信号、B相信号、及びZ相信号の時間的推移を例示している。
そして従来、前記図14の同期駆動装置06aは図示しない前記インクリメンタルエンコーダ081用のクリア可能なフィードバック用アップダウンカウンタを内蔵している。そして、該フィードバック用アップダウンカウンタは前記インクリメンタルエンコーダ081の前記A相信号及びB相信号を計数入力として回転方向によりアップカウントまたはダウンカウントを行い、前記Z相信号をクリア入力として計数値のクリアを行って1回転の回転位相を検出している。
次に従来の具体例を示せば、前記A相信号及びB相信号が1回転当たり19200ppr(Pulse per Round)のインクリメンタルエンコーダ081を用いるとき、前記A相信号及びB相信号のそれぞれに2逓倍の処理を行って前記フィードバック用アップダウンカウンタの計数入力とすれば、該フィードバック用アップダウンカウンタは下記の(1)式の最大回転位相Pmaxにて前記電動機07aの回転位相を検出する。
Pmax=19,200×4−1=76,799 …(1)式
そして、前記図14の電動機07aの1分間当たりの回転速度が1600min-1のとき、前記フィードバック用アップダウンカウンタの計数入力の周波数Fは下記の(2)式の通りとなる。
F=19200ppr×4×1600min-1÷60s=2.048MHz…(2)式
かような前記インクリメンタルエンコーダ081を用いるとき、前記図14の集中制御装置01は図示しないバーチャル回転指令発生装置を内蔵し、該バーチャル回転指令発生装置として例えば特許文献1に速度および位置信号発生器の発明が開示されている。
該特許文献1の速度および位置信号発生器は前記A相信号、B相信号、及びZ相信号を電子的にエミュレートして発生させている。そして、前記同期駆動装置06aは前記フィードバック用アップダウンカウンタと同様の動作を行う図示しない指令用のクリア可能なアップダウンカウンタを内蔵し、該指令用アップダウンカウンタは前記速度および位置信号発生器が出力する前記A相信号、B相信号、及びZ相信号を入力して指令の回転位相を検出する。
上述の指令側もフィードバック側もA相、B相、及びZ相のインクリメンタル信号を用いた同期制御はいわばインクリメンタル方式の同期制御と言えるものであって、特許文献2にその発明が開示されている。
次に前記図14のロータリエンコーダ08aとして前記図15のインクリメンタルエンコーダ081を用いる他、図16に示すアブソリュートエンコーダ082を用いることが可能である。該アブソリュートエンコーダ082は図16−(a)に示す通り、2進数kビット長のアブソリュート回転位相を生成して出力する。
1回転の回転位相は近年例えば24ビット長など次の(3)式の高分解能のもが入手可能となっている。
Pmax=224−1=16,777,215 …(3)式
該図16−(a)のアブソリュートエンコーダ082は、前記図14の同期駆動装置06aと接続されるが、24ビット長の信号線にて前記同期駆動装置06aまでパラレル接続することは実用的ではないため、双方向のシリアル通信により接続されるのが常である。
そして、この通信によるアブソリュート回転位相信号の授受の例として、図16−(b)は前記同期駆動装置06aがリクエスト時刻T1、T4とサンプリング周期ΔTにて、回転位相のリクエストを前記アブソリュートエンコーダ082に送信する動作を表している。 次に、図16−(c)は前記アブソリュートエンコーダ082が検出時刻T2にてアブソリュート回転位相を取得し、時刻T3にアンサーを送信する動作を模擬的に表している。また、前記サンプリング周期ΔTは例えば0.1msから1msである。
かような前記アブソリュートエンコーダ082は、電源をオンした直後からアブソリュート回転位相を検出するので加速や減速、更には停止動作を伴う位置制御に広く使用されている。
ここで、前記シャフトレス輪転印刷機は印刷物の生産性を向上せしめるため、極力、トップスピードにて運転が継続される。そして、前記図16のリクエスト時刻T1と検出時刻T2には不定な時間差が存在し、更に前記同期駆動装置06aは時刻T3まで回転位相の受信を待たなければならない。そして、時刻T1とT2の時間差を例えば60μsとしたとき、前記(3)式の分解能を有して1600min-1にて運転するとき、リクエスト時刻T1と検出時刻T2の間に遷移する回転位相ΔPfは下記(4)式に示す通り37.7の値となる。
ΔPf=[224/(1600min-1÷60s)]×60μs×10-6=37.7
…(4)式
すなわち、前記アブソリュートエンコーダ082の最大回転位相Pmaxは前記(3)式など大きい分解能を有するが、前記同期駆動装置06aが回転位相Pをリクエストしてその値を得るまで前記(4)式相当の遅延を伴いリアルタイムな検出が困難となる。これはシャフトレス輪転印刷機などの同期制御には極めて不利と推定される。また、通信回線にノイズが侵入してアブソリュート回転位相の取得に失敗したとき、再度リクエストを行ってもう一度0.1msから1msの時間を待つ必要がある。
次に、前記図14のロータリエンコーダ08aとして前記図15のインクリメンタルエンコーダ081または前記図16のアブソリュートエンコーダ082の他、図17に示すハイブリッドエンコーダ083が用いられている。該ハイブリッドエンコーダ083は粗い分解能のアブソリュートエンコーダと、矩形波に換えてSIN信号及びCOS信号を出力するインクリメンタルエンコーダの双方の機能を内蔵している。図17に該ハイブリッドエンコーダの概要を示す。
該図17−(a)において、アブソリュートエンコーダ部は2進数で0ビットから(n−1)ビットまでnビットの粗い分解能にて絶対回転位相を検出し、該絶対回転位相は双方向の通信02eを介して前記同期駆動装置06aに送信される。インクリメンタルエンコーダ部は図中、端子S,Cより1回転当たり2のn乗以下のサイクル数のSIN信号とCOS信号を出力し、信号線02fを介して同じく前記同期駆動装置06aに出力される。
図17−(b)は前記ハイブリッドエンコーダ083が検出する1回転の回転位相を説明している。該図17−(b)において上位位相値Pfhは前記アブソリュートエンコーダ部が出力するnビットの粗い分解能の回転位相であって、中位位相値Pfmは前記インクリメンタルエンコーダ部が出力するSIN信号とCOS信号から得られる第1象限から第4象限までの4分割を0から3にて示している。そして、下位位相値Pflは前記SIN信号とCOS信号の1つの象限を0度から90度に換えて内挿されたmビットの回転位相である。
次に図18は、前記ハイブリッドエンコーダ083が出力する信号から回転位相を検出する従来例を視覚的に説明する図である。
まず、前記アブソリュートエンコーダ部の分解能nが例として10ビットすなわち1024とすれば、前記上位位相値Pfhは0から1023の範囲で遷移する。このとき、前記SIN信号とCOS信号は例としてハイブリッドエンコーダ083の1回転当たりそれぞれ1024サイクルの信号となり、前記上位位相値Pfhはエンコーダ083の1回転において現在位置がPfhサイクル目のSIN信号とCOS信号にあることを示す。
また、前記SIN信号とCOS信号により1サイクル以内における位相を内挿し、該SIN信号とCOS信号の相互の極性から第1象限から第4象限まで0から3の値となる中位位相値Pfmを得る。更に下位位相値Pflとして該SIN信号とCOS信号をA/D変換し、各象限の0度から90度に換えてmビットが例えば12ビットすなわち4096の分解能を得ることができる。このとき、前記ハイブリッドエンコーダ083から次の(5)式の通り約1,600万を越える回転位相を得ることが可能となっている。
P=1024×4×4096=16,777,216 …(5)式
かような前記ハイブリッドエンコーダ083を用いたハイブリッド方式は、前記インクリメンタルエンコーダ081と前記アブソリュートエンコーダ082の利点を併せ持つものであって、その特長は1回転の回転位相の分解能が100万以上のものが入手可能である、電源をオン後、直ちに回転位相の検出が可能である、リアルタイムに遅れ時間なしに回転位相を検出できる等である。そして、特許文献3に該ハイブリッドエンコーダを用いた発明が開示されている。
次に、前記特許文献1にて示したインクリメンタル方式のバーチャル回転指令発生装置に代わり、前記アブソリュート方式やハイブリッド方式のロータリエンコーダを使用するとき、これに対応するバーチャル回転指令発生装置が必要である。このために、欧州にて規格化されたSERCOSや特許文献4が公開されている他、本発明者が先に特願2007−248586を出願している。
前記SERCOSは主に複数台の電動機の位置制御を対象とする通信の規格であって、特殊な位置決め制御とも言える同期制御にも適用されるに至っている。また、該SERCOSは通信の規格であって、位相指令や回転指令を生成するバーチャル回転指令発生装置は別途準備せねばならない。
かように、前記SERCOSは同期制御のみならず本来位置制御を対象とした通信規格であるが、前記特願2007−248586では複数台の電動機の同期制御に対象を絞ってバーチャル回転指令発生装置の発明を行っている。また、前記特許文献4ではモータの同期駆動制御にアブソリュート方式のロータリエンコーダを用いるとともに、バーチャル回転指令発生装置として機械軸位相合わせ用基準データを折り機に備えたマスタ局5dのバーチャルマスタにて演算する発明が開示されている。
このSERCOSや特許文献4、特願2007−248586は位相指令や速度指令を数値データとして同期駆動装置に送信し、前記アブソリュート方式やハイブリッド方式のロータリエンコーダと組み合わせて同期制御を行い、これらはいわばアブソリュート方式の同期制御、ハイブリッド方式の同期制御と言えるものである。
そして、本発明は前記インクリメンタル方式同期制御、アブソリュート方式の同期制御、特にハイブリッド方式の同期制御においてシンプルな装置を準備し、輪転印刷機が印刷運転を開始するとき、連続紙の紙詰まりや破断が無きよう速やかに原点合わせを完了して同期制御に移行することを目的としている。
また前記図14において、色ずれ無くカラー印刷を行うために前記第1の印刷機10aから第4の印刷機10dは互いにブランケット胴の周長の整数倍の間隔を置いて印刷する必要があり、また、前記折り機15fにて所定の1ページ毎に裁断するために、該折り機15fから第1、第2、第3、及び第4の印刷機10d迄の連続紙04のパス長もブランケット胴の周長の整数倍としなければならない。
このために、従来からオフセット調整(レジスタ調整とも言う)が行われており図19はこれを説明し、図中において前記図14と同じ符号を付すものは同じ機能を有しその説明は割愛する。そして、該図19においてL1は前記第1の印刷機10aから折り機15fが内蔵する図示しない裁断装置までの前記連続紙04の第1のパス長であり、L2、L3、L4も同様に前記第2の印刷機10b、第3の印刷機10c、第4の印刷機10dから前記裁断装置までの連続紙04のそれぞれのパス長である。そして、オフセット調整量を得るために、前記ブランケット胴の周長をL0とし前記第1のパス長L1を該周長L0で除した余りR1を次の(6)式にて求める。
R1=L1%L0 …(6)式
次に、従来の前記同期駆動装置06aにおいてオフセット調整量rを設定するために、例えば次の(7)式で示す通り前記余りR1が(周長L0/2)以下のときはオフセット調整量rを(−R1)とし、また、(8)式です通り余りR1が(周長L0/2)を越えるときは位相のオフセット調整量rを(L0−R1)とする補正が行われている。
if {R1≦(周長L0/2)}
then r=−R1 …(7)式
else r=(L0−R1) …(8)式
ここで、本発明人は該(7)式及び(8)式などオフセット調整に関する特許文献または非特許文献は見い出していないが、シャフトレス輪転印刷機のみならずシャフト有りの印刷機によるカラー印刷や折り機における裁断のために、前記(7)式及び(8)式相当の調整は必要不可欠であって公知のものと言える。
そして、前記図19の従来例においてシャフトレス輪転印刷機の電源をオンとして運転を始めるとき、各電動機の回転位相は揃っていないので始めに原点合わせ(回転中の回転位相合わせ)を行う。この原点合わせは前記図19において、前記集中制御装置01は図示しないバーチャル回転指令発生装置を内蔵しており該バーチャル回転指令発生装置の回転指令を共通の目標として原点合わせを行う。
このため、始めに、前記第1の印刷機10aから第4の印刷機10dのブランケット胴はオープンとし、前記連続紙04を順次前記インフィード05、第1の印刷機10aから前記折り機15fまで通紙してセットを行う。そして、前記インフィード05、ドラッグ13、及び折り機15fを緩動にて運転しながら前記連続紙04を折り機15fに牽引しつつ、前記印刷機10aから10d及び折り機15fの原点合わせを行う。そして、原点合わせが完了したら前記各印刷機は前記(7)式または(8)式のオフセット調整を行った後、前記ブランケット胴をクローズとし輪転印刷機は増速を行って印刷を開始することとなる。
特許第2938844号公報 特開2001−309681号公報 特開2006−194766号公報 特許第3546159号公報
以上で同期制御の背景技術の説明を行ったが、前記図19を参照して本発明が解決しようとする課題について次に説明を行う。
該図19において、前記第1の印刷機10aから折り機15fは前記集中制御装置01が内蔵するバーチャル回転指令発生装置が生成する回転指令を目標として、増速、減速の動作を行って原点合わせを行う。このため前記折り機15fが増減速を行うと、該折り機15fからドラッグロール13、第4の印刷機10dの間で前記連続紙04に弛みまたは異常な張りが発生するに至り、これは更に該連続紙04が弛みによって各種駆動ロールやガイドロールに巻き込まれるか張りの場合は破断に至ることとなる。このときは前記連続紙04の復旧に多大の時間を要することとなる他、高価な印刷ロール等の損傷を招く場合もある。
かような課題を解決するため従来、前記バーチャル回転指令発生装置においてこれが生成する回転位相を外部より与えた位相にてプリセット可能とした装置とし、原点合わせを行うとき前記折り機15fの回転位相を該バーチャル回転指令発生装置の回転位相にプリセットする方法が提案されている(例えば前記特願2007−248586)。
これにより原点合わせを行うとき、前記折り機15fは逆に前記バーチャル回転指令発生装置が出力する回転位相と精度良く合っていることになり、速度を増速、減速すること無く原点合わせが完了となる。しかしこの場合には、前記バーチャル回転指令発生装置は外部より回転位相をプリセット可能のもの、またはクリア可能のものなど高機能のものを予め準備する必要があった。
また従来、前記特許文献4においては機械軸位相合わせ用基準データを演算するバーチャルマスタ局を折り機に設け、複数の印刷機にそれぞれマスタ局を設け、前記折り機のマスタ局が仮想マスタ軸データを前記複数の印刷機のマスタ局に受け渡しする方法が実施されている。これ故、前記折り機や印刷機の駆動装置は電動機を精度良く駆動する機能の他、マスタ局の機能を備える優れた装置を準備すると推察される。
以上のように従来において、原点合わせを円滑に行うには、バーチャル回転指令発生装置として回転位相をプリセット可能またはクリア可能のものを用いる必要があるなど、比較的複雑な構成となっていた。
本発明は、上記事情に基づきなされたものであって、バーチャル回転指令発生装置として、回転位相をプリセット可能またはクリア可能のものを用いることなく比較的シンプルな構成の装置とすることができ、また、複数の印刷機や折り機の同期駆動装置を同期制御の駆動に特化し互換性のあるシンプルな構成とすることを目的とする。
また、折り機が、原点合わせにおいて増速、減速の動作をすることなく前記連続紙を牽引し、各印刷機の原点合わせが終了したら速やかに印刷運転に移行し、むだ時間や損紙、装置の損傷を発生することが無い同期制御方法およびシステムを実現することを目的とする。
さらに、電動機に付属する前記ロータリエンコーダは、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダ、またはハイブリッドエンコーダのどれも使用することが可能であり、各印刷機のオフセット調整を特別に時間を費やすことなく速やかに行って印刷運転に移行することができる同期制御方法およびシステムを実現することを目的とする。
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)バーチャル回転指令発生装置を内蔵する集中制御装置と、複数組の同期駆動装置と電動機と、シャフトレス輪転印刷機にて構成され、該シャフトレス輪転印刷機は複数の印刷機及び折り機から構成され、前記集中制御装置は前記バーチャル回転指令発生装置が生成する位相指令と速度指令からなる回転指令を同期駆動装置に送出するとともに、前記集中制御装置と同期駆動装置は相互に種々のシーケンス信号や制御、監視データを送受信し、前記同期駆動装置とシャフトレス輪転印刷機を統括して制御を行い、該複数の印刷機及び折り機は、それぞれ個別に、同期駆動装置とロータリーエンコーダが付属する電動機により駆動され、該同期駆動装置は前記集中制御装置が出力する回転指令を受信して位相指令と速度指令を検出するとともに、前記ロータリーエンコーダの出力から位相フィードバックと速度フィードバックを検出し、前記位相指令と位相フィードバックから位相偏差検出器により瞬時位相偏差と累積位相偏差の2種類の位相偏差を検出し、前記速度指令と速度フィードバックと、位相偏差検出器が出力する位相偏差に基づき速度制御および位相制御を行なうとともに、前記位相偏差による位相制御を加えて原点合わせや同期制御を行い、前記電動機の速度および位相を前記バーチャル回転指令発生装置の回転指令に追従するように制御する同期制御システムの制御方法において、以下のようにして折り機と印刷機を同期制御に移行させる。
前記折り機の同期駆動装置は、位相制御がオフのとき、前記折り機に速度制御による緩動運転を行なわせ、緩動運転が安定したら、位相制御に移行する直前の瞬時位相偏差を折り機初期位相偏差として記憶して、位相制御に移行する。
そして、上記折り機初期位相偏差を折り機に設けられた位相指令補正器に出力するとともに、複数の印刷機の同期駆動装置へ送出し、位相制御に移行後、前記累積位相偏差に基づき速度制御および位相制御を行なう。
一方、前記印刷機の同期駆動装置は、位相制御がオフのとき、前記印刷機に速度制御による緩動運転を行なわせ、緩動運転中に印刷機同期駆動装置が位相制御に移行すると、前記位相指令、前記折り機初期位相偏差、及び印刷位置を所定の位置に調整するオフセット調整量から印刷機補正位相指令を演算し、前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから累積位相偏差を演算して出力し、該累積位相偏差による位相制御を行って原点合わせを行った後同期制御に移行し、印刷運転を開始する。
(2)本発明の同期制御システムは、バーチャル回転指令発生装置を内蔵する集中制御装置と、複数組の同期駆動装置と電動機と、シャフトレス輪転印刷機にて構成され、該シャフトレス輪転印刷機は複数の印刷機及び折り機から構成される。
前記集中制御装置は前記バーチャル回転指令発生装置が生成する位相指令と速度指令からなる回転指令を同期駆動装置に送出するとともに、前記集中制御装置と同期駆動装置は汎用通信により相互に種々のシーケンス信号や制御、監視データを送受信し、前記同期駆動装置とシャフトレス輪転印刷機を統括して制御を行う。
複数の印刷機及び折り機は、それぞれ個別に、同期駆動装置とロータリーエンコーダが付属する電動機により駆動され、該同期駆動装置は、前記集中制御装置が出力する回転指令を受信して位相指令と速度指令を検出する位相速度指令検出器、前記ロータリーエンコーダの出力から位相フィードバックと速度フィードバックを検出する位相速度FB検出器、及び前記位相指令と位相フィードバックから瞬時位相偏差と累積位相偏差の2種類の位相偏差を検出する位相偏差検出器と、前記速度指令と速度フィードバックによる速度制御に前記位相偏差検出器が出力する位相偏差による位相制御を加えて、前記電動機の速度および位相を前記バーチャル回転指令発生装置の回転指令に追従するように制御し、原点合わせや同期制御を行う制御手段を備える。
そして、前記折り機の同期駆動装置は、折り機初期位相偏差メモリと折り機位相指令補正器を内蔵し、同期制御に移行する際、前記折り機の制御手段は、位相制御がオフのとき、速度指令と速度フィードバックとを比較し、その偏差に応じて前記電動機を駆動することにより速度制御を行い折機の緩動運転を行わせる。
また、前記折り機初期位相偏差メモリは、位相制御がオンになる直前に、前記位相偏差検出器が出力する瞬時位相偏差を折り機初期位相偏差として記憶し、前記折り機初期位相偏差を前記折り機位相指令補正器に出力するとともに、前記汎用通信により前記集中制御装置を経由して複数の印刷機の同期駆動装置へ送出し、位相制御がオンになると、前記折り機の制御手段は、前記累積位相偏差に基づき速度制御および位相制御を行なう。
一方、印刷機の同期駆動装置は、パス長補正器と印刷機位相指令補正器を内蔵し、該パス長補正器は印刷位置を所定の位置に調整するオフセット調整量を出力する。
前記印刷機の制御手段は、位相制御がオフのとき、速度指令と速度フィードバックとを比較し、その偏差に応じて前記電動機を駆動することにより速度制御を行い、前記印刷機位相指令補正器は前記位相指令、前記折り機初期位相偏差、及び前記オフセット調整量を入力して印刷機補正位相指令を演算して出力し、前記位相偏差検出器は前記位相指令に替えて前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから瞬時位相偏差を演算して出力する。
そして、位相制御がオンになると、前記位相偏差検出器は前記位相指令に替えて前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから累積位相偏差を演算して出力し、前記印刷機の制御手段は、該累積位相偏差による位相制御を行って原点合わせを行った後同期制御に移行し、印刷運転を開始する。
(3)上記(2)において、前記折機と印刷機の位相偏差検出器は、前記瞬時位相偏差を求めるときに、前記位相指令から位相フィードバックを減算して単純位相偏差を求め、該単純位相偏差が1回転の位相の分解能の半分を符号反転した値以下のときは回転数差を1に初期化し、前記単純位相偏差が1回転の位相の分解能の半分を越えるときは前記回転数差を(−1)に初期化し、前記単純位相偏差が上記以外の1回転の位相の分解能の半分を符号反転した値を超えて1回転の位相の分解能の半分以下のときは前記回転数差を0に初期化を行い、瞬時位相偏差を前記単純位相偏差に前記1回転の位相の分解能に前記回転数差を乗じたものを加えて算出する。
また、前記累積位相偏差を求めるときに、前記位相指令から位相フィードバックを減算して単純位相偏差とし、前記位相指令が正転方向に1回転する毎に前記回転数差を1だけ加算し、前記位相フィードバックが正転方向に1回転する毎に前記回転数差を1だけ減算して更新を行い、累積位相偏差を前記単純位相偏差に1回転の位相の分解能に前記回転数差を乗じたものを加えて算出する。
そして、位相制御がオフのときは前記累積位相偏差の検出を休止して前記回転数差の初期化を行って前記瞬時位相偏差を検出してこれを位相偏差とし、位相制御がオンのときは前記瞬時位相偏差の検出を休止して前記回転数差の更新を行って前記累積位相偏差を検出してこれを位相偏差とする。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(2−1)シャフトレス輪転印刷機の電源をオンとして運転を始めるとき、印刷機から折り機の各電動機の回転位相は揃っていないので始めに原点合わせを行う。その際、本発明の折り機の同期駆動装置は、位相制御に移行する直前の瞬時位相偏差を折り機初期位相偏差として記憶して、上記折り機初期位相偏差を、複数の印刷機の同期駆動装置へ送出するとともに、位相制御に移行して累積位相偏差に基づき速度制御および位相制御を行ない、印刷機の同期駆動装置は、位相指令、前記折り機初期位相偏差、及び印刷位置を所定の位置に調整するオフセット調整量から印刷機補正位相指令を演算し、前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから累積位相偏差を演算し、累積位相偏差による位相制御を行って原点合わせを行った後同期制御に移行し、印刷運転を開始する。
このため、折り機の電動機は原点合わせのために加速、減速を行わず、同期制御に移行することができ、連続紙の紙詰まりや破断を発生することがない。
(2−2)これによりシャフトレス輪転印刷機において、損紙の発生を無くしロス時間の発生を無くし高価な印刷ロールの損傷を防ぎ、輪転印刷機の操業度が向上しコストダウンを図ることができる。
(2−3)前記(2−1)項を実現するとき、シンプルな機能のバーチャル回転指令発生装置にて構成することが可能である。
これにより、新たに設置するシャフトレス輪転印刷機のコストを抑えられると共に、既設のシャフトレス輪転印刷機に改修を行って前記(2−1)項の機能を付加することを容易に可能となる。
(2−4)複数の印刷機は原点合わせを行うときオフセット調整も同時に行うので、印刷を開始するとき迅速な操業が可能となる。
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明を用いたシャフトレス輪転印刷機に適用した同期制御システムの全体構成を説明する図、図2から図13は本発明の同期制御システムの実施例を説明する図である。
1.全体構成
本発明の説明を容易とするために、始めにシャフトレス輪転印刷機を例に、図1に同期制御システムの全体構成を示し、本発明のシステムにおける各装置の構成について説明する。
図1において01及び0101はそれぞれ集中制御装置、及びバーチャル回転指令発生装置であり、該バーチャル回転指令発生装置0101は前記集中制御装置01に内蔵され位相指令Psと速度指令Vsを生成し出力する。
02は回転指令通信路であって、前記バーチャル回転指令発生装置0101が生成する前記位相指令Psと速度指令Vsからなる回転指令は該回転指令通信02を介して後述する印刷機同期駆動装置06aから折り機同期駆動装置06fへ出力される。該回転指令通信02はリフレシュ周期が例えば0.2msなど早い周期で通信を行っている。
また、06a、07a、及び08aはそれぞれ印刷機同期駆動装置、電動機、及びロータリエンコーダであって第1の印刷機10aの駆動部を構成し、前記印刷機同期駆動装置06aは位相速度指令検出装置0601と位相速度FB検出装置0602を内蔵する。該位相速度指令検出装置0601は前記回転指令通信路02と接続され位相指令Psと速度指令Vsを検出し、前記位相速度FB検出装置0602はエンコーダ通信路09にて前記ロータリエンコーダ08aと接続されて印刷機位相フィードバックPfaと印刷機速度フィードバックVfaを検出する。
同様に06b、07b、及び08bはそれぞれ印刷機同期駆動装置、電動機、及びロータリエンコーダであって第2の印刷機10bの駆動部を構成し、06f、07f、及び08fもそれぞれ折り機同期駆動装置、電動機、及びロータリエンコーダであって折り機15fの駆動部を構成し、前記第1の印刷機10aと同じ番号を付す装置はこれと同じ機能を有し説明を割愛する。
また、03はDEVICE−NET、PROFIBUS、またはOPCN1などの汎用通信路であって、前記集中制御装置01と前記印刷機同期駆動装置06aから折り機同期駆動装置06f間で通常のシーケンス信号や制御、監視データの授受に使用する。該汎用通信路03はリフレッシュ周期が、例えば10msを越える通常の周期のものである。
ここで、前記ロータリエンコーダ08aから08fはインクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダ、またはハイブリッドエンコーダが使用可能であるが、以降の説明ではハイブリッドエンコーダを用いる場合について説明する。
図1に示すように、本発明に関わる主たる装置は印刷機や折り機の前記印刷機同期駆動装置06a、06b、折り機同期駆動装置06fである。
2.実施例(印刷機と折り機の同期駆動装置の構成)
次に、本発明の実施例の構成例を図2に示す。
図2は本発明による同期制御システムの構成を説明するブロック図であり、前記図1で示した印刷機同期駆動装置06a及び折り機同期駆動装置06fによる同期制御システムの構成例を示す。そして、他の印刷機同期駆動装置は該06aと同じ機能と構成を有し、また、該図2において前記図1と同じ符号を付すものはそれと同じ機能を有しその説明を割愛する。
ここで、図2のブロック図において、太い信号線は数値データ(整数データや実数データ)の流れを示し細い信号線はビットデータ(オン/オフ信号)の流れを示し、以降に説明する他の図においても同様である。
次に、該図2において、始めに折り機同期駆動装置06fについて、次に印刷機同期駆動装置06aについて順次説明を行う。
(a)折り機同期駆動装置
図2において折り機同期駆動装置06fが内蔵する前記位相速度指令検出器0601は出力端子Ps、Vsからそれぞれ位相指令Psと速度指令Vsを出力し、前記位相速度FB検出器0602は出力端子Pff、Vffからそれぞれ折り機位相フィードバックPffと折り機速度フィードバックVffを出力する。0603及び0604はともに加減算器であり、0605、0606はそれぞれ演算制御器及び電力変換器である。
前記速度指令Vsは前記加減算器0603を経由して折り機速度フィードバックVffと前記加減算器0604で加減算され、その演算結果は前記演算制御器0605に入力される。これにより、該演算制御器0605はトルク指令を生成して電力変換器0606の指令となって前記電動機07fを駆動する。かように、前記折り機同期駆動装置06fは主として前記バーチャル回転指令発生装置0101が出力する速度指令Vsにて電動機07fを駆動している。
更に前記折り機同期駆動装置06fにおいて、0621、0622、及び0623はそれぞれ通信インターフェイス、折り機初期位相偏差メモリ、及び折り機位相指令補正器であり、これらは位相制御を担う機器で図2では概略の説明を行い詳細は後述する図3から図13にて説明を行う。
前記通信インターフェイス0621は前記集中制御装置01と接続する汎用通信03の通信ポートであって、通常のシーケンス信号、制御、及び監視データの授受に使用する。しかし、実施例を説明する前記図2の通信インターフェイス0621では、主として後述する折り機初期位相偏差ΔPf10を前記集中制御装置01へ送出する装置として表している。
そして、前記折り機初期位相偏差メモリ0622は位相制御がオンとなる直前の後述する折り機初期位相偏差ΔPf10を記憶して出力し、該ΔPf10は前記折り機位相指令補正器0623と前記通信インターフェイス0621へ入力される。前記折り機位相指令補正器0623は前記位相速度指令検出器0601が出力する位相指令Psと前記折り機初期位相偏差ΔPf10を入力し、折り機補正位相指令Psfを出力する。
次に、前記図2の折り機同期駆動装置06fが内蔵する0607及び0608はそれぞれ位相偏差検出器及びセレクタである。
位相偏差検出器0607は前記折り機補正位相指令Psfと前記位相速度FB検出器0602が出力する折り機位相フィードバックPffを入力し、折り機瞬時位相偏差ΔPf1と折り機累積位相偏差ΔPf2と2種類の位相偏差を出力する。
すなわち位相制御がオフのとき、前記位相偏差検出器0607は折り機瞬時位相偏差ΔPf1を出力し、位相制御がオンとなる直前の該折り機瞬時位相偏差ΔPf1は折り機初期位相偏差ΔPf10として前記折り機初期位相偏差メモリ0622に記憶される。
また位相制御がオンのとき、前記位相偏差検出器0607は折り機累積位相偏差ΔPf2を出力し前記セレクタ0608に入力する。
そして、該セレクタ0608は2つのデータをa端子とb端子に入力しこれの1つを選択してc端子に出力するもので、図中a端子及びb端子にはそれぞれ前記折り機累積位相偏差ΔPf2と値0を入力し、s端子は1ビット長の値にて0(位相制御をオフ)または1(位相制御をオン)の位相制御イネーブル信号を入力する。そして、該位相制御イネーブル信号が0、1のときc端子からそれぞれ0または前記折り機累積位相偏差ΔPf2を出力し、前記加減算器0603に入力する。ここで、本発明において前記位相制御イネーブル信号が0のときを位相制御がオフと、該位相制御イネーブル信号が1のときを位相制御がオンとも表記する。
以上の通り位相制御がオフのとき、前記セレクタ0608は値0を出力して前記加減算器0603に加える。これにより前記折り機同期駆動装置06fは前記加減算器0603、0604、演算制御器0605、及び電力変換器0606により速度制御にて前記電動機07fを駆動する。
また位相制御がオンのとき、前記セレクタ0608は前記折り機累積位相偏差ΔPf2を出力として前記加減算器0603に加える。これにより前記折り機同期駆動装置06fは速度制御に加えて位相制御を行って原点あわせまたは同期制御を行うこととなる。
かように、前記図2の折り機同期駆動装置06fは位相制御を行うときも常に速度制御を併用する。これは輪転印刷機の複数の電動機間の回転位相を精度良く合わせながら、増速や減速を行ったり、定格速度にて運転を継続したり、また急停止を行うために必要である。すなわち、印刷運転において速度制御をオフとして位相制御のみをオンとして同期制御を行うと速度指令Vsに対する追従性が極めて劣化し、これは位相制御による位置決めコントロールと相違するところである。
ここで、本発明の説明において速度制御に加えて位相制御を行っているとき、前記折り機累積位相偏差ΔPf2の値が大きく印刷運転を行うに至らないときは原点合わせと称し、該ΔPf2が印刷運転を行うために値が充分に小さいときを同期制御と称する。
以上で概要を説明した前記図2の本発明の前記折り機同期駆動装置06fの特徴は、前記折り機初期位相偏差メモリ0622、折り機位相指令補正器0623、位相偏差検出器0607、及びセレクタ0608を設置したことにある。これらについては図3から図11にて更に説明を行うが、その前に実施例の図2において前記折り機同期駆動装置06fと共に用いる本発明の印刷機同期駆動装置06aについて概要の説明を行う。
(b)印刷機同期駆動装置
前記図2において印刷機同期駆動装置06aが内蔵する位相速度指令検出器0601、位相速度FB検出器0602、加減算器0603、0604、演算制御器0605、電力変換器0606、位相偏差検出器0607、及びセレクタ0608は前記折り機同期駆動装置06fにて同じ符号を付す装置と同じ機能を有す。
すなわち、印刷機同期駆動装置06aが内蔵する前記位相速度指令検出器0601は出力端子Ps、Vsからそれぞれ位相指令Psと速度指令Vsを出力し、前記位相速度FB検出器0602は出力端子Pfa、Vfaからそれぞれ印刷機位相フィードバックPfaと印刷機速度フィードバックVfaを出力する。
該速度指令Vsは前記加減算器0603を経て印刷機速度フィードバックVfaと前記加減算器0604にて加減算され、その出力は前記演算制御器0605に入力される。これにより、該演算制御器0605はトルク指令を生成して電力変換器0606の指令となって前記電動機07aを駆動する。かように前記折り機同期駆動装置06fと同様に、前記印刷機同期駆動装置06aも主として前記バーチャル回転指令発生装置0101が出力する速度指令Vsにて電動機07aを駆動している。
更に前記図2の印刷機同期駆動装置06aにおいて、0611、0612、及び0613はそれぞれ通信インターフェイス、パス長補正器、及び印刷機位相指令補正器であり、該パス長補正器0612には前記(7)式または(8)式によるオフセット調整量rが設定されてある。
また、前記通信インターフェイス0611は前記集中制御装置01と接続する汎用通信03の通信ポートであって、通常のシーケンス信号、制御、及び監視データの授受に使用する。
しかし、本発明の実施例を説明する前記図2では、該通信インターフェイス0611は主として前記集中制御装置01経由にて前記折り機初期位相偏差ΔPf10を受信する装置として表している。そして、該折り機初期位相偏差ΔPf10は前記印刷機位相指令補正器0613へ入力され、該印刷機位相指令補正器0613は前記位相速度指令検出器0601が出力する位相指令Ps、前記折り機初期位相偏差ΔPf10、及びオフセット調整量rを入力して演算を行い第1の印刷機用の補正位相指令Psaを出力する。
次に前記折り機同期駆動装置06fと同様に、前記印刷機同期駆動装置06aが内蔵する0607及び0608はそれぞれ位相偏差検出器及びセレクタである。該位相偏差検出器0607は前記印刷機補正位相指令Psaと前記位相速度FB検出器0602が出力する印刷機位相フィードバックPfaを入力し、印刷機瞬時位相偏差ΔPa1と印刷機累積位相偏差ΔPa2と2種類の位相偏差を出力する。
すなわち、位相制御がオフのとき前記位相偏差検出器0607は印刷機瞬時位相偏差ΔPa1を出力し、位相制御がオンのとき前記位相偏差検出器0607は印刷機累積位相偏差ΔPa2を出力し前記セレクタ0608に入力する。
そして、前記図2の印刷機同期駆動装置06aが内蔵する該セレクタ0608は、前記折り機同期駆動装置06fが内蔵するセレクタ0608と同一の機能を有し、s端子に入力される位相制御イネーブル信号が0、1のときc端子からそれぞれ0または前記印刷機累積位相偏差ΔPa2を出力して前記加減算器0603に入力する。
以上の通り位相制御がオフのとき、前記セレクタ0608は値0を出力して前記加減算器0603に加える。これにより前記印刷機同期駆動装置06aは前記加減算器0603、0604、演算制御器0605、及び電力変換器0606により速度制御にて前記電動機07aを駆動する。
また位相制御がオンのとき、前記セレクタ0608は前記印刷機累積位相偏差ΔPa2を出力して前記加減算器0603に加える。これにより前記印刷機同期駆動装置06aは速度制御に加えて位相制御を行って原点あわせまたは同期制御を行うこととなる。
かように、前記図2の印刷機同期駆動装置06aは前記折り機同期駆動装置06fと同様に位相制御のオン、オフにかかわらず速度制御を主として用いるものである。これは輪転印刷機において複数の電動機間の回転位相を精度良く合わせながら、増速や減速を行ったり、定格速度にて運転を継続したり、また急停止を行うために必要である。すなわち、印刷運転において速度制御をオフとして位相制御のみをオンとして同期制御を行うと速度指令Vsに対する追従性が極めて劣化し、これは位相制御による位置決めコントロールと相違するところである。
以上で概要を説明した本発明の前記印刷機同期駆動装置06aの特徴は、印刷機位相指令補正器0613、位相偏差検出器0607、及びセレクタ0608を設置したことに有る。
そして、本発明の説明において速度制御に加えて位相制御を行っているとき、前記印刷機累積位相偏差ΔPa2の値が大きく印刷運転を行うに至らないときは原点合わせと称し、該ΔPa2が印刷運転を行うために値が充分に小さいときを同期制御と称する。
(c)印刷機同期駆動装置と折り機同期駆動装置
前記図2により、本発明の同期制御システムにおける印刷機と折り機の同期駆動装置の概要の説明を行った。次に、前記バーチャル回転指令発生装置0101、印刷機同期駆動装置06a、及び折り機同期駆動装置06fのコンビネーションにより、前記シャフトレス輪転印刷機が停止しているときから運転を開始して印刷運転を行うまでの実施例は前記図1及び図2を参照しつつ以下の通りである。
(3−1)停止していた印刷機と折り機の電動機は、前記バーチャル回転指令発生装置0101が出力する速度指令Vsにて緩動運転を開始する。
(3−2)このとき、前記印刷機同期駆動装置06a及び折り機同期駆動装置06fのセレクタ0608はc端子から0を出力して位相制御をオフとしている。それ故、各電動機は速度制御にて運転されている。
(3−3)この緩動運転において前記折り機同期駆動装置06fが内蔵する位相偏差検出器0607は、位相指令Psと折り機位相フィードバックPffを入力して折り機瞬時位相偏差ΔPf1を検出している。
(3−4)そして、位相制御がオンとなる直前に該折り機瞬時位相偏差ΔPf1は折り機初期位相偏差ΔPf10として前記折り機初期位相偏差メモリ0622に記憶されるとともに、前記通信インターフェイス0621及び折り機位相指令補正器0623へ出力される。
(3−5)前記折り機初期位相偏差ΔPf10は通信インターフェイス0621から集中制御装置01を経由して、各印刷機の同期駆動装置(前記図2では代表して印刷機同期駆動装置06a)へ送信される。
(3−6)一方、前記折り機位相指令補正器0623はバーチャル回転指令発生装置0101が出力する位相指令Psに、前記折り機初期位相偏差ΔPf10による補正を行って折り機補正位相指令Psfを生成する。これにより、該折り機補正位相指令Psfと前記ロータリエンコーダ08fの回転位相は精度良くもしくは概ね一致することとなる。
(3−7)依然として緩動運転中に、前記位相偏差検出器0607は該折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffを入力し、回転数差ΔRの初期化を行って折り機瞬時位相偏差ΔPf1を検出する。なお、回転数差ΔRについては図6にて説明を行う。
(3−8)以上の準備期間を経て位相制御がオンとなる。位相制御がオンにて前記位相偏差検出器0607は前記回転数差ΔRの更新を行って折り機累積位相偏差ΔPf2を検出し、該ΔPf2は前記セレクタ0608を経由して加減算器0603にて速度制御系に加えられる。
(3−9)ここで、前記折り機同期駆動装置06fにおいて前記(3−6)に示した通り、前記折り機補正位相指令Psfと前記ロータリエンコーダ08fの折り機位相フィードバックPffは精度良く一致しているので、前記折り機累積位相偏差ΔPf2は印刷運転に支障が無い程小さな値となっている。
(3−10)それ故、折り機15fは原点あわせを経ることなく同期制御へ移行する。こうして、前記折り機の電動機07fは原点合わせのため大きく増速減速をすることがないので、前記連続紙04が紙詰まりや破断を発生することなく印刷運転へ速やかに移行する。
(3−11)前記図2の印刷機同期駆動装置06aは、前記(3−2)項で電動機07aを速度制御による緩動速度にて運転しており、該印刷機同期駆動装置06aはこれ以降において次に示す動作となる。
(3−12)前記緩動運転において前記印刷機同期駆動装置06aが内蔵する通信インターフェイス0611は、前記折り機初期位相偏差ΔPf10を受信して印刷機位相指令補正器0613へ送出する。
(3−13)そして、該印刷機位相指令補正器0613はバーチャル回転指令発生装置0101が出力する位相指令Psに、前記折り機初期位相偏差ΔPf10とオフセット調整量rによる補正を同時に行って印刷機補正位相指令Psaを生成する。
(3−14)この緩動運転において、前記印刷機同期駆動装置06aが内蔵する位相偏差検出器0607は、前記印刷機補正位相指令Psaと印刷機位相フィードバックPfaを入力し、前記回転数差ΔRの初期化を行って印刷機瞬時位相偏差ΔPa1を検出する。
(3−15)以上の準備期間を経て位相制御がオンとなる。位相制御がオンとなると前記位相偏差検出器0607は前記回転数差ΔRの更新を行って印刷機累積位相偏差ΔPa2を検出する。該印刷機累積位相偏差ΔPa2は前記セレクタ0608を経由して加減算器0603にて速度制御系に加えられる。
(3−16)ここで、位相制御がオンとなったとき前記電動機07aの回転位相はランダムであって、該印刷機累積位相偏差ΔPa2は大きい値となっているとき前記第1の印刷機10aは原点合わせを行う。
(3−17)そして、該印刷機累積位相偏差ΔPa2が印刷運転に支障が無い程小さな値となったとき原点合わせが終了し同期制御へ移行する。
かように前記印刷機と折り機が緩動速度にて運転中や加速中に、前記連続紙04は紙詰まりや破断を発生することなく順次同期制御に移行して印刷運転を開始する。
次に、前記図2の実施例の折り機同期駆動装置06fについては図3から図11にて、前記印刷機同期駆動装置06aについては図12にて更に詳細な説明を順次行う。
図3は前記図1及び図2で示した折り機同期駆動装置06fが内蔵する折り機位相指令補正器0623と、位相偏差検出器0607の具体的な実施例を示したものであり、これより説明を行う。
(d)折り機位相指令補正器
図3は前記折り機同期駆動装置06fの詳細を説明する図で、汎用通信03、通信インターフェイス0621、及び折り機初期位相偏差メモリ0622は前記図2において説明したものと同一であって説明を割愛する。また、折り機位相指令補正器0623も前記図2において概要を説明したものであって図3では更にそれの構成例を示している。
該折り機位相指令補正器0623は前記位相指令Ps、折り機初期位相偏差ΔPf10を入力して折り機補正位相指令Psfを出力する。そして、該折り機位相指令補正器0623はセレクタ0623a及び位相補正器0623bを内蔵し、該セレクタ0623aのa端子には前記折り機初期位相偏差ΔPf10がb端子には値0が入力され、s端子には位相補正イネーブル信号が入力される。
すなわち、前記シャフトレス輪転印刷機は印刷運転を行うとき始めに速度制御により緩動運転を行う。このとき、前記位相補正イネーブル信号は0であって前記セレクタ0623aのb端子から入力された値0がc端子から出力され、前記位相補正器0623bのPs2端子に入力される。これにより、前記位相補正器0623bはPs1端子から入力した前記位相指令Psを、そのままPs3端子から出力して前記折り機補正位相指令Psfとする。
そして、前記シャフトレス輪転印刷機において位相制御がオンとなる直前に前記位相補正イネーブル信号は1となって、前記セレクタ0623aのa端子から入力された前記折り機初期位相偏差ΔPf10がc端子から出力され、前記位相補正器0623bのPs2端子に入力される。これにより、前記位相補正器0623bは前記位相指令Psに前記折り機初期位相偏差ΔPf10の補正を行って、Ps3端子から出力して前記折り機補正位相指令Psfとする。
前記図3において位相偏差検出器0607の説明を行う前に、前記位相補正器0623bの構成例を図4に示して更に説明を行う。該図4において、623b1及び623b3はそれぞれ加減算器及び余り演算器であって、623b5、623b7、及び623b8はそれぞれプラス変換器、コンパレータ、及びセレクタである。
ここで前述の通り、該位相補正器0623bのPs2端子には前記位相補正イネーブル信号が0、1のときそれぞれ値0、折り機初期位相偏差ΔPf10が入力される。そして、該Ps2端子に値0が入力されるとき、端子Ps1から入力される前記位相指令Psは前記加減算器623b1、余り演算器623b3、セレクタ623b8をそのままスルーしてPs3端子から出力され折り機補正位相指令Psfとなる。すなわち、前記バーチャル回転指令発生装置0101が生成する位相指令Psが該位相補正器0623bの出力となる。
一方、前記図3の位相補正イネーブル信号が1のとき、前記位相指令Psと折り機初期位相偏差ΔPf10は前記加減算器623b1にて演算される。この加減算結果を623b2とし前記位相指令Psの最大回転位相をPmaxとすれば分解能は(Pmax+1)であって、前記余り演算器623b3にて次の(9)式により余り623b4を求める。 余り623b4=623b2 % (Pmax+1) …(9)式
該余り623b4が正数とき、これが前記セレクタ623b8をスルーして折り機補正位相指令Psfとして端子Ps3から出力される。
前記余り623b4が負数のとき、該余り623b4はプラス変換器623b5によって次の(10)式により正数に変換したプラス変換値623b6を演算し、該プラス変換値623b6は前記セレクタ623b8のa端子に入力される。
623b6=623b4+(Pmax+1) …(10)式
一方、前記余り623b4は前記コンパレータ623b7に入力され、該コンパレータ623b7は次の(11)式と(12)式に示す通り、前記余り623b4が負数のときは1をそれ以外のときは0を前記セレクタ623b8のs端子へ出力する。
if {(余り623b4)<0}
then 1 …(11)式
else 0 …(12)式
それ故に、前記余り623b4が負数のとき、前記プラス変換値623b6がセレクタ623b8の端子cから出力され折り機補正位相指令Psfとなる。
次に、図5は以上で説明した前記図4の位相補正器0623bの動作を時間の推移とともに説明し、図5−(a)及び(b)は前記折り機初期位相偏差ΔPf10が0以上の値のとき、図5−(c)及び(d)は前記折り機初期位相偏差ΔPf10が0未満の値のときの動作を示している。
始めに該図5−(a)において、実線は前記位相指令Psを点線は前記(Ps+ΔPf10)の加減算結果623b2を示し、図示する通り点線で示す位相は実線で示す位相の上にある。次に前記図5−(b)において、実線は同じく前記位相指令Psを点線は前記余り演算器623b3の出力を示し、該余り演算器623b3の出力はセレクタ623b8をスルーして前記折り機補正位相指令Psfとなる。
また、前記図5−(c)において、実線は同じく前記位相指令Psを点線は前記(Ps+ΔPf10)の加減算結果623b2を示し、該ΔPf10は負数のため点線で示す位相は実線で示す位相の下にある。そして、点線で示す位相は時刻T1からT2において0未満であり時刻T2からT3において0以上である。そして、該図5−(c)は余り演算器623b3の出力をも表している。
次に、前記図5−(d)において、実線は同じく前記位相指令Psを示し点線は前記セレクタ623b8の出力である。そして、該セレクタ623b8は時刻T1からT2は前記プラス変換値623b6を、時刻T2からT3は余り623b4を出力する。
前記、図3から図5により、本発明の前記折り機位相指令補正器0623の特徴について説明を行なった。
その特徴は前記位相補正イネーブル信号がオフのとき前記バーチャル回転指令発生装置0101が生成する位相指令Psをそのまま出力し、前記位相補正イネーブル信号がオンのとき前記位相指令Psに前記折り機初期位相偏差ΔPf10による位相シフトを行って出力することにある。ここで、該折り機位相指令補正器0623の機能を明確にするために、これを構成する位相補正器0623bについて図4及び図5にて説明したものである。
(e)位相偏差検出器
次に、折り機同期駆動装置06fを構成する位相偏差検出器0607について、前記図2にて概要の説明を行ったが前記図3に戻り更に説明を行う。
図3において、該位相偏差検出器0607は前記折り機補正位相指令Psfと前記位相速度FB検出器0602が出力する折り機位相フィードバックPffを入力する。
そして、該位相偏差検出器0607は、瞬時位相偏差検出器0607a、累積位相偏差検出器0607b、及びセレクタ0607cを内蔵し、該瞬時位相偏差検出器0607aと累積位相偏差検出器0607bはともに前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffを入力し、それぞれ瞬時位相偏差ΔP1、累積位相偏差ΔP2と2種類の位相偏差を出力する。
そして、該位相偏差検出器0607の前記セレクタ0607cのa端子及びb端子にはそれぞれ累積位相偏差ΔP2、瞬時位相偏差ΔP1が入力されs端子には位相制御イネーブル信号が入力される。そして、該位相制御イネーブル信号が0、1のときc端子からそれぞれ瞬時位相偏差ΔP1、累積位相偏差ΔP2が選択されて出力される。かように、本発明では2種類の位相偏差を生成して用いる。
(f)位相偏差検出器0607を構成する瞬時位相偏差検出器
次に、図6により前記瞬時位相偏差検出器0607aの構成例について説明を行う。
該図6において607a1は加減算器であり、607a2及び607a4はともにコンパレータであり、607a3、607a5、及び607a6はともにセレクタである。そして、607a7は回転数差ΔRを格納する回転数差レジスタであり、607a8は瞬時位相偏差ΔP1を演算する位相偏差演算器である。
始めに前記加減算器607a1は、次の(13)式に示す通り、前記折り機位相指令Psfから折り機位相フィードバックPffの減算を行って単純位相偏差ΔQを生成し、該単純位相偏差ΔQは(14)式に示す通り(−Pmax)からPmaxの範囲にある。そして、該単純位相偏差ΔQは前記コンパレータ607a2、コンパレータ607a4、及び位相偏差演算器607a8に入力される。
単純位相偏差ΔQ=Psf−Pff …(13)式
(−Pmax)≦ΔQ≦Pmax …(14)式
そして、前記コンパレータ607a2からセレクタ607a6は前記回転数レジスタ607a7が格納する回転数差ΔRの初期化を行う。
すなわち、前記折り機位相フィードバックPffの回転位相が遅れのとき、前記コンパレータ607a2は前記単純位相偏差ΔQについて次の(15)式の比較を行い、これが成立するとき、前記セレクタ607a3のs端子に1を出力する。
これにより、該セレクタ607a3は定数1をa端子から入力してc端子から出力し、前記回転数差レジスタ607a7に格納されている前記回転数差ΔRを1に初期化する。 ここで、(Pmax+1)は前記(9)式にて説明した1回転の分解能であり、((Pmax+1)/2)は度数で言えば180度となることは明らかである。
if {ΔQ≦(−(Pmax+1)/2)}
then 607a2は1を出力してΔR=1 …(15)式
また、前記折り機位相フィードバックPffが進みのとき、前記コンパレータ607a4は前記単純位相偏差ΔQについて次の(16)式の比較を行い、これが成立するとき、前記セレクタ607a5のs端子に1を出力する。
これにより、該セレクタ607a5は定数−1をa端子から入力してc端子から出力し、前記回転数差レジスタ607a7に格納されている前記回転数差ΔRを−1に初期化する。
if {((Pmax+1)/2)<ΔQ}
then 607a4は1を出力してΔR=−1 …(16)式
次に、前記(15)式及び(16)式がともに成立しないとき前記単純位相偏差ΔQは次の(17)式の範囲にあって、前記セレクタ607a3のb端子から入力された0は前記セレクタ607a5、607a6をスルーして、前記回転数差レジスタ607a7に格納されている回転数差ΔRを0に初期化する。
if {(−(Pmax+1)/2)<ΔQ≦((Pmax+1)/2)}
then ΔR=0 …(17)式
また、セレクタ607a6のs端子には位相制御イネーブル信号が入力され、位相制御イネーブル信号が0のとき前記(15)式から(17)式による前記回転数差ΔRの初期化が有効となり、前記位相制御イネーブル信号が1のとき前記セレクタ607a6のa端子から入力された前記回転数差ΔRをc端子からループバックし、前記回転数レジスタ607a7が記憶する回転数差ΔRは変更されないこととなる。
以上で説明した回転数差ΔRの設定について、図6中に符号(4−1)から(4−4)にて設定されるルートを示し、図7に前記セレクタ607a3、607a5、及び607a6の動作と組み合わせて示し、これらを要約すると次の通りである。
(4−1)位相制御がオフで前記単純位相偏差ΔQが、前記(17)式による(−(Pmax+1)/2)を越えて((Pmax+1)/2)以下のとき、前記回転数差ΔRを0に初期化する。
(4−2)位相制御がオフで前記単純位相偏差ΔQが、前記(15)式による(−(Pmax+1)/2)以下のとき、前記セレクタ607a3の動作によって前記回転数差ΔRを1に初期化する
(4−3)位相制御がオフで前記単純位相偏差ΔQが、前記(16)式による((Pmax+1)/2)を越えるとき、前記セレクタ607a5の動作によって前記回転数差ΔRを(−1)に初期化する。
(4−4)位相制御がオンのとき、前記セレクタ607a6の動作によって前記回転数差ΔRは変更されない。
次に、前記位相偏差演算器607a8は、前記回転数差ΔRと単純位相偏差ΔQを用いて次の(18)式により瞬時位相偏差ΔP1を演算し、該ΔP1の値は次の(19)式に示す範囲となる。
ΔP1=(Pmax+1)×ΔR+ΔQ …(18)式
(−(Pmax+1)/2)<ΔP1≦((Pmax+1)/2)
…(19)式
前記瞬時位相偏差検出器0607aについて前記図6と図7により説明を行った。
次に、図8の前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffの時間的推移を表したグラフを用いて、更に前記回転数差ΔRの初期化について説明を行う。
図8−(a)、(b)において実線と点線はそれぞれ前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffの時間的推移を表し、該図8−(a)は前記折り機位相フィードバックPffが遅れのとき、図8−(b)は前記折り機位相フィードバックPffが進みのときを説明している。
始めに、該図8−(a)において、前記(13)式による単純位相偏差ΔQは時刻T2においてΔQ(T2)とし時刻T4においてはΔQ(T4)としている。そして、該ΔQ(T2)は0以上であって((Pmax+1)/2)以下の値なので、時刻T1からT3において前記回転数差ΔRは前記(4−1)項によって0に初期化される。
また、前記ΔQ(T4)は(−(Pmax+1)/2)以下の値なので、時刻T3からT5において前記回転数差ΔRは前記(4−2)項によって1に初期化される。
次に、該図8−(b)において、単純位相偏差ΔQは時刻T7においてΔQ(T7)とし時刻T9においてはΔQ(T9)としている。そして、該ΔQ(T7)は((Pmax+1)/2)を越える値なので、時刻T6からT8において前記回転数差ΔRは前記(4−3)項によって(−1)に初期化される。
また、前記ΔQ(T9)は0以下であって(−(Pmax+1)/2)以上の値なので、時刻T8からT10において前記回転数差ΔRは前記(4−1)項によって0に初期化される。
以上の前記図6から図8によって前記瞬時位相偏差検出器0607aの説明を行ったが、本発明では該瞬時位相偏差検出器0607aによって、位相制御がオフのとき前記回転数差ΔRの初期化を常時行うとともに、前記瞬時位相偏差ΔP1の検出も常時行って、位相制御がオンとなる直前の前記折り機初期位相偏差ΔPf10を得ることを目的としている。
ここで、本発明を明確に説明するため関連する周辺技術として前記(18)式及び(19)式によって前記瞬時位相偏差ΔP1を得ることを示したが、該(18)式及び(19)式は本発明と異なる目的において従来実施得るものであって留意されたい。
(g)位相偏差検出器0607を構成する累積位相偏差検出器
次に、図9により前記累積位相偏差検出器0607bの構成例について説明を行う。該図9において607b1は加減算器であり、607b2、607b3、607b4、及び607b15はそれぞれセレクタ、折り機補正位相指令Psfの前スキャンのデータPsf(−1)を格納するメモリ、加減算器、及び位相偏差演算器である。
始めに前記加減算器607b1は、前記(13)式と同じく前記折り機補正位相指令Psfから折り機位相フィードバックPffの減算を行って単純位相偏差ΔQを生成し、該単純位相偏差ΔQは前記(14)式に示した通り(−Pmax)からPmaxの範囲にある。そして、該単純位相偏差ΔQは前記位相偏差演算器607b15に入力される。
ここで、該図9の処理はハードウェアロジックによって実現する他、マイクロプロセッサによっても実現が可能であって、本説明においてはマイクロプロセッサにて構成すると意図している。そして、該図9の処理は例えば0.5msのスキャン時間にて繰り返し処理されている。
そして、前記セレクタ607b2のa端子とb端子には、それぞれ前記折り機補正位相指令Psfとメモリ607b3の出力が入力され、該セレクタ607b2のs端子には通常0が入力されており、前記図9の処理の最後に1回だけ1が入力される。これによって、該セレクタ607b2のc端子に接続された前記メモリ607b3には、折り機補正位相指令の前スキャンのデータPsf(−1)が格納されることになる。そして、前記加減算器607b4は前記折り機補正位相指令Psfから前記折り機補正位相指令の前スキャンのデータPsf(−1)を減算して、1スキャン当たりの位相指令変化ΔPsfを出力する。
更に、図9の607b5、607b6、及び607b7はそれぞれセレクタ、折り機位相フィードバックPffの前スキャンのデータPff(−1)を格納するメモリ、及び加減算器である。そして、該607b5、607b6、及び607b7は前記607b2から607b4と同様に動作し、該加減算器607b7は1スキャン当たりの位相フィードバック変化ΔPffを出力する。
次に、コンパレータ607b8からセレクタ607b14と回転数レジスタ607a7について説明を行うが、該回転数レジスタ607a7は前記図6にて同じ符号を付すものと同じメモリデバイスを使用して回転数差ΔRを記憶している。そして、前記セレクタ607b14のs端子には位相制御イネーブル信号が入力され、b端子には前記回転数差ΔRが入力され、a端子には後述する更新された前記回転数差ΔRが入力される。
そして、前記位相制御イネーブル信号がオフのとき、前記セレクタ607b14のs端子には0が入力され、前記回転数レジスタ607a7が記憶する回転数差ΔRは前記セレクタ607b14のb端子からc端子をスルーしてループバックされるので値は変更されない。
一方、前記位相制御イネーブル信号がオンのとき前記セレクタ607b14のs端子には1が入力され、更新された前記回転数差ΔRが前記セレクタ607b14のa端子からc端子をスルーして前記回転数レジスタ607a7に記憶される。
すなわち、前記回転数レジスタ607a7が記憶する回転数差ΔRは、前記位相制御イネーブル信号が0のとき前記図6の作用によって初期化され、前記位相制御イネーブル信号が1のときは前記図9の作用によって更新される。
続いて、該図9による回転数差ΔRの更新について更に説明を行う。
前記図9の607b8、607b10、及び607b11はそれぞれコンパレータ、セレクタ及び+1演算器であり、該+1演算器607b11は前記回転数差ΔRを入力し1だけインクリメントして前記セレクタ607b10のa端子に出力する。そして、前記セレクタ607b10のb端子には前記回転数差ΔRがループバックして入力されている。また、前記コンパレータ607b8は前記位相指令変化ΔPsfについて次の(20)式の比較を行って成立するとき、前記折り機補正位相指令Psfが1回転進んだことを検出し、前記セレクタ607b10のs端子に1を出力する。
このとき、該セレクタ607b10は前記+1演算器607b11の演算結果をa端子から入力してc端子から出力し、前記回転数差レジスタ607a7に格納されている回転数差ΔRの更新を行う。
if {ΔPsf)≦(−(Pmax+1)/2)}
then 607b8は1を出力してΔR=ΔR+1 …(20)式
次に、前記位相フィードバック変化ΔPffに関する607b9、607b12、及び607b13はそれぞれコンパレータ、セレクタ及び−1演算器である。
該−1演算器607b13は前記回転数差ΔRを入力し1だけデクリメントして出力する。そして、前記コンパレータ607b9は前記位相フィードバック変化ΔPffについて次の(21)式の比較を行って成立するとき、前記折り機位相フィードバックPffが1回転進んだことを検出して前記セレクタ607b12のs端子に1を出力する。これにより、該セレクタ607b12は前記−1演算器607b13の演算結果をa端子から入力してc端子から出力し、前記回転数差レジスタ607a7に格納されている回転数差ΔRの更新を行う。
if {ΔPff≦(−(Pmax+1)/2)}
then 607b9は1を出力してΔR=ΔR−1 …(21)式
次に、前記(20)式及び(21)式が成立しないとき、前記回転数差ΔRは前記セレクタ607b10及び607b12のb端子からスルーして再び前記回転数差レジスタ607a7に格納される。すなわち、前記回転数差ΔRの値は変更されないことになる。
以上で説明した回転数差ΔRについて、前記図9に符号(5−1)から(5−4)によって設定されるルートを示し、図10にてセレクタ607b10、607b12、及び607b14のそれぞれの動作と組み合わせて示す。
これらを要約すると次の通りである。
(5−1)位相制御がオンで前記折り機補正位相指令Psf及び折り機位相フィードバックPffが時間の推移とともに増大し、ともに最大回転位相Pmaxを越えてゼロにクリアされないとき、すなわち回転数が進まないとき前記回転数差ΔRを変更しない。
(5−2)位相制御がオンで前記折り機補正位相指令Psfが時間の推移とともに増大し、最大回転位相Pmaxを越えてゼロにクリアされたことを検出したとき、すなわち1回転したとき前記回転数差ΔRを1だけインクリメントする。
(5−3)位相制御がオンで前記折り機位相フィードバックPffが時間の推移とともに増大し、最大回転位相Pmaxを越えてゼロにクリアされたことを検出したとき、すなわち1回転したとき前記回転数差ΔRを1だけデクリメントする。
(5−4)位相制御オフのとき、前記回転数差ΔRを変更しない。
そして、前記位相偏差演算器607b15は次の(22)式によって累積位相偏差ΔP2の演算を行う。
ΔP2=(Pmax+1)×ΔR+ΔQ …(22)式
ここで、前記瞬時位相偏差ΔP1の値は前記(19)式に示す範囲で変化するが、該累積位相偏差ΔP2の値は前記(19)式に示す範囲を越えて変化する。
前記累積位相偏差検出器0607bについてこれまで前記図9と図10により説明を行った。次に、図11によって前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffの時間的推移を表したグラフを示して、更に前記回転数差ΔRの更新について説明を行う。
該図11において実線と点線はそれぞれ前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffの時間的推移を表す。ここで、前記シャフトレス輪転印刷機の1分間当たりの定格回転数を1666min-1とすれば、1回転の周期は前記図11中に示す通り72msとなる。また、時刻T1、T2からT5はマイクロプロセッサが前記図9の処理を行うスキャン時刻を示しスキャン時間は例えば0.5msであって、前記シャフトレス輪転印刷機の1回転の周期に比して充分に短い時間である。
図11に示す折り機補正位相指令Psfについて、時刻T1、T2、及びT3における値をそれぞれPsf(T1)、Psf(T2)、Psf(T3)としている。そして、該Psf(T1)とPsf(T2)の位相指令変化をΔPsf(T12)とすれば、該位相指令変化ΔPsf(T12)は絶対値は小さいが正数であって(−(Pmax+1)/2)より大きいので、すなわち前記折り機補正位相指令Psfの回転数は進んでいないので、前記(5−1)項により前記回転数差ΔRを変更しない。
また、前記Psf(T2)とPsf(T3)の位相指令変化をΔPsf(T23)とすれば、該位相指令変化ΔPsf(T23)は(−(Pmax+1)/2)より充分に小さい負数なので、前記(20)式及び(5−2)項によって前記折り機補正位相指令Psfの回転数が進んだことを検出して前記回転数差ΔRを1だけインクリメントする。
次に、前記図11に示す折り機位相フィードバックPffについて、時刻T3、T4、及びT5における値をそれぞれPff(T3)、Pff(T4)、Pff(T5)としている。そして、該Pff(T3)とPff(T4)の位相フィードバック変化をΔPff(T34)とすれば、該位相フィードバック変化ΔPff(T34)は正数であって(−(Pmax+1)/2)より大きいので、すなわち、前記折り機位相フィードバックPffの回転数は進んでいないので、前記(5−1)項により前記回転数差ΔRを変更しない。
また、前記Pff(T4)とPff(T5)の位相フィードバック変化をΔPff(T45)とすれば、該位相指令変化ΔPff(T45)は(−(Pmax+1)/2)より充分に小さい負数なので、前記(21)式及び(5−3)項によって前記折り機位相フィードバックPffの回転数が進んだことを検出して前記回転数差ΔRを1だけデクリメントする。
(h)印刷機位相指令補正器
前記図2において本発明による前記印刷機同期駆動装置06aと折り機同期駆動装置06fの動作説明を行い、図3から図11によって前記折り機同期駆動装置06fについて詳細な説明を行った。次に、印刷機同期駆動装置06aが行う位相制御について図12により補足説明を行う。該図12において、汎用通信03及び通信インターフェイス0611は前記図2において説明したものと同一の機能を有す。また、位相偏差検出器0607は前記図3において説明した折り機同期駆動装置06fが内蔵する0607と同一の機能を有している。
該図12において、前記通信インターフェイス0611は前記集中制御装置01と接続する汎用通信03の通信ポートであって、通常のシーケンス信号、制御、及び監視データの授受に使用するものである。しかし、該図12の通信インターフェイス0611では、主として前記折り機同期駆動装置06fが検出した前記折り機初期位相偏差ΔPf10を前記集中制御装置01経由にて受信する装置として表している。
すなわち、前記位相補正イネーブル信号がオンとなった後、前記折り機初期位相偏差ΔPf10が前記通信インターフェイス0611を経由して前記印刷機位相指令補正器0613へ入力される。
そして、該印刷機位相指令補正器0613は前記位相指令Ps、折り機初期位相偏差ΔPf10、及び前記パス長補正器0612が出力するオフセット調整量rを入力して印刷機補正位相指令Psaを出力する。次に、該印刷機位相指令補正器0613はセレクタ0613a、位相補正器0623b、加減速調整器0613c、及び加減算器0613dを内蔵している。該加減速調整器0613cは入力データが急変しても緩やかに増減するデータを出力し、前記オフセット調整量rは該加減速調整器0613cを経由して前記加減算器0613dによって、前記折り機初期位相偏差ΔPf10と加減算される。
次に、前記図12のセレクタ0613aのa端子には前記加減算器0613dの出力が入力され、b端子には値0が入力され、s端子には位相補正イネーブル信号が入力される。すなわち、前記シャフトレス輪転印刷機は印刷運転を行うとき始めに速度制御により緩動運転を行う。このとき、前記位相補正イネーブル信号は0であって前記セレクタ0613aのc端子からは値0が出力され前記位相補正器0623bのPs2端子に入力される。これにより、前記位相補正器0623bはPs1端子から入力した前記位相指令Psを、そのままPs3端子から出力して前記印刷機補正位相指令Psaとしている。
そして、前記シャフトレス輪転印刷機が印刷運転を開始するとき、始めに前記バーチャル回転指令発生装置0101が出力する速度指令Vsによる緩動運転を開始する。そして、位相制御をオンとする直前に前記位相補正イネーブル信号を1とする。これによって前記折り機同期駆動装置06fは、前記折り機初期位相偏差ΔPf10を前記集中制御装置01経由にて前記印刷機同期駆動装置06aへ送信する。
これによって、前記通信インターフェイス0611が出力する前記折り機初期位相偏差ΔPf10は前記加減算器0613d、セレクタ0613aを経由して前記位相補正器0623bのPs2端子に入力される。そして、該位相補正器0623bは前記バーチャル回転指令発生装置0101が出力する位相指令Psに、前記折り機初期位相偏差ΔPf10とオフセット調整量rの補正を同時に行って、Ps3端子から印刷機補正位相指令Psaを出力する。
次に、前記印刷機同期駆動装置06aにおいて位相制御イネーブル信号がオンとなって、前記位相偏差検出器0607は前記印刷機補正位相指令Psaと印刷機位相フィードバックPfaから前記累積印刷機位相偏差ΔPa2を検出して原点合わせを開始するとともに速度を加速する。そして、印刷運転を行うために該累積印刷機位相偏差ΔPa2が充分に小さくなったとき、原点合わせを完了して同期制御に移行し印刷運転を開始する。
(i)実施例の全体動作
前記図2から図12によって、本発明による前記折り機同期駆動装置06fと印刷機同期駆動装置06aの構成を主体に説明を行ったが、次に図13にて実施例の全体の動作説明を行う。該図13は前記図2にて示したシャフトレス輪転印刷機が印刷運転を始めるとき、速度指令Vsや各種位相の時間的推移を示している。
始めに、図13−(a)及び(b)はそれぞれ前記バーチャル回転指令発生装置0101が出力する速度指令Vsと位相指令Psの時間的推移を示している。該図13−(a)において、前記シャフトレス輪転印刷機は時刻T1から緩動速度Vjにて速度制御による緩動運転を開始する。
そして、緩動運転が安定となった時刻T2にて、前記集中制御装置01は前記位相補正イネーブル信号をオンとして、前記汎用通信03経由にて前記折り機同期駆動装置06fから印刷機同期駆動装置06aに指令する。
その後時刻T3にて、前記集中制御装置01は前記位相制御イネーブル信号をオンとし、再び、前記汎用通信03経由にて前記折り機同期駆動装置06fから印刷機同期駆動装置06aに指令する。これによって、時刻T3から前記シャフトレス輪転印刷機は速度制御に加えて位相制御を行い、速度を加速して印刷運転を開始し定格速度Vmaxにいたる。
なお、説明を分かり易くするため数値例を挙げれば、前記緩動速度Vjは電動機の回転数にて40min-1など、前記定格速度Vmaxは同じく電動機の回転数にて1600min-1などである。そして、前記緩動速度Vjから定格速度Vmaxまで連続して加速を行うとき、この加速時間は30sから50sである。また、前記図13−(a)において時刻T2の後、数秒以下の時刻T3にて前記位相制御イネーブル信号をオンとする。
上記の図13−(a)に示した速度指令Vsに対応して、図13−(b)は位相指令Psの時間的推移を模擬的に示している。そして、時刻T1、T2、及びT4における前記位相指令PsをそれぞれB1、B2、及びB4とし、これらは後述する図13−(c)、(d)の説明において引用する。
次に、図13−(c)は折り機について前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffの時間的推移を同時に表している。すなわち、該折り機補正位相指令Psfは時刻T1からT2まで実線にて示し、折り機位相フィードバックPffは時刻0から時刻T1、T2と点線にて示している。そして、時刻T2以降は前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffは重なり実線にて表している。
該図13−(c)において、緩動運転を開始する時刻T1にて前記折り機補正位相指令Psfと折り機位相フィードバックPffはそれぞれB1及びC1と異なっており、時刻T2まで速度制御であってもそれぞれB2、C2とほぼ平行して推移する。
そして、前記折り機初期位相偏差メモリ0622は、時刻T2の直前に検出された前記C2とB2の差、すなわち前記折り機初期位相偏差ΔPf10を記憶して出力する。
次に、前記折り機位相指令補正器0623は該ΔPf10を入力して演算を行って、前記折り機補正位相指令Psfを時刻T2においてB2からC2へと遷移せしめ、更に時刻T2からT3へとC2、C3と前記折り機位相フィードバックPffと概略重なって推移せしめる。
そして、時刻T3にて前記位相制御イネーブル信号がオンとなると前記折り機15fは原点合わせを経ることなく同期制御へと移行する。そして、同期制御中は例えば時刻T4において示す通り、前記折り機補正位相指令Psfは前記位相指令Psと前記折り機初期位相偏差ΔPf10の差を有して変化している。
次に、図13−(d)は印刷機について前記印刷機補正位相指令Psaと印刷機位相フィードバックPfaの時間的推移を同時に表している。すなわち、該印刷機補正位相指令Psaは時刻T1からT5まで実線にて示し、印刷機位相フィードバックPfaは時刻0から時刻T5まで点線にて示し、時刻T5以降は前記印刷機補正位相指令Psaと印刷機位相フィードバックPfaは重なり実線にて表している。
該図13−(d)において、前記印刷機補正位相指令Psaと印刷機位相フィードバックPfaは、緩動運転を開始する時刻T1から前記位相補正イネーブル信号をオンとする時刻T2まで図示する如く推移する。そして、時刻T2において前記印刷機位相指令補正器0613は前記ΔPf10とオフセット調整量rを入力して演算を行って、前記印刷機補正位相指令Psaを時刻T2においてB2からD2へと遷移せしめる。
そして、時刻T3において前記位相制御イネーブル信号がオンとなって位相制御を開始するが、時刻T3における前記印刷機の累積位相偏差ΔP2は大きいので原点合わせの制御を行う。やがて、時間とともに該ΔP2は小さくなって時刻T5において同期制御に移行し印刷運転を開始する。
以上の通り前記図2から図13によって、本発明による同期制御システムについて説明を行った。そして、その特徴は前記バーチャル回転指令発生装置0101が生成する位相指令Psを基準として、前記折り機同期駆動装置06fは前記折り機初期位相偏差ΔPf10を検出し、前記折り機位相指令補正器0623によって折り機補正位相指令Psfを生成する。これにより、前記折り機15fは印刷運転を始めるとき原点合わせを行うことなく同期制御に移行することを可能とした。
一方、前記印刷機同期駆動装置06aは前記位相指令Psを基準として、前記折り機初期位相偏差ΔPf10とオフセット調整量rを補正として、前記印刷機位相指令補正器0613を設けて印刷機補正位相指令Psaを生成する。これにより、本発明によるシャフトレス輪転印刷機は疑似的に前記折り機15fのロータリエンコーダ08fが出力する信号を指令としながら、その実は安定した前記バーチャル回転指令発生装置0101が生成する位相指令Psと速度指令Vsを基準とし、精度の良いシャフトレス輪転印刷機を実現した。
また、本発明におけるバーチャル回転指令発生装置0101は印刷運転を開始するとき、生成する回転位相Psをクリアしたり前記折り機のロータリエンコーダ08fの回転位相に合わせてプリセットしたりする必要がない。これによって、該バーチャル回転指令発生装置0101は簡単な構成の装置を用いることができる。
本発明の全体構成を説明する図である。 本発明の実施例の構成を説明する図である。 本発明の折り機同期駆動装置の詳細を説明する図である。 位相補正器0623bの構成例を説明する図である。 位相補正器0623bの動作を説明する図である。 瞬時位相偏差検出器0607aの構成例を説明する図である。 瞬時位相偏差検出器0607aの動作を説明する図である。 瞬時位相偏差検出器0607aにおけるΔRの初期化を説明する図である。 累積位相偏差検出器0607bの構成例を説明する図である。 累積位相偏差検出器0607bの動作を説明する図である。 累積位相偏差検出器0607bにおけるΔRの更新を説明する図である。 本発明の印刷機同期駆動装置の詳細を説明する図である。 本発明の実施例の全体動作を時間の推移とともに説明する図である。 従来例1を説明する図(その1)である。 従来例1を説明する図(その2)である。 従来例1を説明する図(その3)である。 従来例1を説明する図(その4)である。 ハイブリッドエンコーダの補足説明をする図である。 従来例2を説明する図である。
符号の説明
01 集中制御装置
0101 バーチャル回転指令発生装置
02 図1から図13では回転指令通信、図14では通信回線
03 汎用通信
04 連続紙
04a 給紙部
05 インフィード
0601 位相速度指令検出器
0602 位相速度FB検出器
0603、0604 加減算器
0605 演算制御器
0606 電力変換器
0607 位相偏差検出器
0607a 瞬時位相偏差検出器
0607b 累積位相偏差検出器
0607c セレクタ
0608 セレクタ
0611 通信インターフェイス
0612 パス長補正器
0613 印刷機位相指令補正器
0613a セレクタ
0613c 加減速調整器
0613d 加減算器
0621 通信インターフェイス
0622 折り機初期位相偏差メモリ
0623 折り機位相指令補正器
0623a セレクタ
0623b 位相補正器
06a、06b 印刷機同期駆動装置
06f 折り機同期駆動装置
07a、07b 印刷機電動機
07f 折り機電動機
081 インクリメンタルエンコーダ
082 アブソリュートエンコーダ
083 ハイブリッドエンコーダ
08a、08b、08f ロータリエンコーダ
09 エンコーダ信号
10a 第1の印刷機
10b 第2の印刷機
10c 第3の印刷機
10d 第4の印刷機
11 ドライヤ
12 クーリング
13 ドラッグ
15f 折り機
607a1 加減算器
607a2 コンパレータ
607a3 セレクタ
607a4 コンパレータ
607a5、607a6 セレクタ
607a7 回転数差レジスタ
607a8 位相偏差演算器
607b1 加減算器
607b2 セレクタ
607b3 メモリ
607b4 加減算器
607b5 セレクタ
607b6 メモリ
607b7 加減算器
607b8、607b9 コンパレータ
607b10 セレクタ
607b11 +1演算器
607b12 セレクタ
607b13 −1演算器
607b14 セレクタ
607b15 位相偏差演算器
623b1 加減算器
623b2 加減算結果
623b3 余り演算器
623b4 余り
623b5 プラス変換器
623b6 プラス変換値
623b7 コンパレータ
623b8 セレクタ
L1、L2、L3、L4 パス長
Pfa 印刷機位相フィードバック
Pff 折り機位相フィードバック
Pmax ロータリエンコーダの最大回転位相
電動機の最大回転位相ともしている
Ps 位相指令
Psa 印刷機補正位相指令
Psf 折り機補正位相指令
Pff(−1) 折り機位相フィードバックPffの前スキャンのデータ
Psf(−1) 折り機補正位相指令Psfの前スキャンのデータ
ΔP1 瞬時位相偏差
ΔP2 累積位相偏差
ΔPa1 印刷機瞬時位相偏差
ΔPa2 印刷機累積位相偏差
ΔPf1 折り機瞬時位相偏差
ΔPf2 折り機累積位相偏差
ΔPf10 折り機初期位相偏差
ΔPff 位相フィードバック変化
ΔPsf 位相指令変化
ΔQ 単純位相偏差
ΔR 回転数差

Claims (3)

  1. バーチャル回転指令発生装置を内蔵する集中制御装置と、複数組の同期駆動装置と電動機と、シャフトレス輪転印刷機にて構成され、該シャフトレス輪転印刷機は複数の印刷機及び折り機から構成され、
    前記集中制御装置は前記バーチャル回転指令発生装置が生成する位相指令と速度指令からなる回転指令を同期駆動装置に送出するとともに、前記集中制御装置と同期駆動装置は相互に種々のシーケンス信号や制御、監視データを送受信し、前記同期駆動装置とシャフトレス輪転印刷機を統括して制御を行い、
    該複数の印刷機及び折り機は、それぞれ個別に、同期駆動装置とロータリーエンコーダが付属する電動機により駆動され、
    該同期駆動装置は前記集中制御装置が出力する回転指令を受信して位相指令と速度指令を検出するとともに、前記ロータリーエンコーダの出力から位相フィードバックと速度フィードバックを検出し、前記位相指令と位相フィードバックから位相偏差検出器により瞬時位相偏差と累積位相偏差の2種類の位相偏差を検出し、
    前記速度指令と速度フィードバックと、位相偏差検出器が出力する位相偏差に基づき速度制御および位相制御を行なうとともに、前記位相偏差による位相制御を加えて原点合わせや同期制御を行い、前記電動機の速度および位相を前記バーチャル回転指令発生装置の回転指令に追従するように制御する同期制御システムの制御方法であって、
    前記折り機の同期駆動装置は、位相制御がオフのとき、前記折り機に速度制御による緩動運転を行なわせ、緩動運転が安定したら、位相制御に移行する直前の瞬時位相偏差を折り機初期位相偏差として記憶して、位相制御に移行し、
    上記折り機初期位相偏差を折り機に設けられた位相指令補正器に出力するとともに、複数の印刷機の同期駆動装置へ送出し、
    位相制御に移行後、前記累積位相偏差に基づき速度制御および位相制御を行ない、
    前記印刷機の同期駆動装置は、位相制御がオフのとき、前記印刷機に速度制御による緩動運転を行なわせ、緩動運転中に印刷機同期駆動装置が位相制御に移行すると、前記位相指令、前記折り機初期位相偏差、及び印刷位置を所定の位置に調整するオフセット調整量から印刷機補正位相指令を演算し、
    前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから累積位相偏差を演算して出力し、該累積位相偏差による位相制御を行って原点合わせを行った後同期制御に移行し、印刷運転を開始する
    ことを特徴とする同期制御システムの制御方法。
  2. バーチャル回転指令発生装置を内蔵する集中制御装置と、複数組の同期駆動装置と電動機と、シャフトレス輪転印刷機にて構成され、該シャフトレス輪転印刷機は複数の印刷機及び折り機から構成され、
    前記集中制御装置は前記バーチャル回転指令発生装置が生成する位相指令と速度指令からなる回転指令を同期駆動装置に送出するとともに、前記集中制御装置と同期駆動装置は汎用通信により相互に種々のシーケンス信号や制御、監視データを送受信し、前記同期駆動装置とシャフトレス輪転印刷機を統括して制御を行い、
    該複数の印刷機及び折り機は、それぞれ個別に、同期駆動装置とロータリーエンコーダが付属する電動機により駆動され、
    該同期駆動装置は、前記集中制御装置が出力する回転指令を受信して位相指令と速度指令を検出する位相速度指令検出器、前記ロータリーエンコーダの出力から位相フィードバックと速度フィードバックを検出する位相速度FB検出器、及び前記位相指令と位相フィードバックから瞬時位相偏差と累積位相偏差の2種類の位相偏差を検出する位相偏差検出器と、
    前記速度指令と速度フィードバックによる速度制御に前記位相偏差検出器が出力する位相偏差による位相制御を加えて、前記電動機の速度および位相を前記バーチャル回転指令発生装置の回転指令に追従するように制御し、原点合わせや同期制御を行う制御手段を備えた同期駆動システムであって、
    前記折り機の同期駆動装置は、折り機初期位相偏差メモリと折り機位相指令補正器を内蔵し、
    前記折り機の制御手段は、位相制御がオフのとき、速度指令と速度フィードバックとを比較し、その偏差に応じて前記電動機を駆動することにより速度制御を行い、折機の緩動運転を行わせ、
    前記折り機初期位相偏差メモリは、位相制御がオンになる直前に、前記位相偏差検出器が出力する瞬時位相偏差を折り機初期位相偏差として記憶し、前記折り機初期位相偏差を前記折り機位相指令補正器に出力するとともに、前記汎用通信により前記集中制御装置を経由して複数の印刷機の同期駆動装置へ送出し、
    位相制御がオンになると、前記折り機の制御手段は、前記累積位相偏差に基づき速度制御および位相制御を行ない、
    前記印刷機の同期駆動装置は、パス長補正器と印刷機位相指令補正器を内蔵し、該パス長補正器は印刷位置を所定の位置に調整するオフセット調整量を出力し、
    前記印刷機の制御手段は、位相制御がオフのとき、速度指令と速度フィードバックとを比較し、その偏差に応じて前記電動機を駆動することにより速度制御を行い
    前記印刷機位相指令補正器は前記位相指令、前記折り機初期位相偏差、及び前記オフセット調整量を入力して印刷機補正位相指令を演算して出力し、
    前記位相偏差検出器は前記位相指令に替えて前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから瞬時位相偏差を演算して出力し、
    位相制御がオンになると、前記位相偏差検出器は前記位相指令に替えて前記印刷機補正位相指令と印刷機位相フィードバックから累積位相偏差を演算して出力し、前記印刷機の制御手段は、該累積位相偏差による位相制御を行って原点合わせを行った後同期制御に移行し、印刷運転を開始する
    ことを特徴とする同期制御システム。
  3. 前記折機と印刷機の位相偏差検出器は、
    前記瞬時位相偏差を求めるときに、前記位相指令から位相フィードバックを減算して単純位相偏差を求め、該単純位相偏差が1回転の位相の分解能の半分を符号反転した値以下のときは回転数差を1に初期化し、前記単純位相偏差が1回転の位相の分解能の半分を越えるときは前記回転数差を(−1)に初期化し、前記単純位相偏差が上記以外の1回転の位相の分解能の半分を符号反転した値を超えて1回転の位相の分解能の半分以下のときは前記回転数差を0に初期化を行い、
    瞬時位相偏差を前記単純位相偏差に前記1回転の位相の分解能に前記回転数差を乗じたものを加えて算出し、
    前記累積位相偏差を求めるときに、前記位相指令から位相フィードバックを減算して単純位相偏差とし、前記位相指令が正転方向に1回転する毎に前記回転数差を1だけ加算し、前記位相フィードバックが正転方向に1回転する毎に前記回転数差を1だけ減算して更新を行い、
    累積位相偏差を前記単純位相偏差に1回転の位相の分解能に前記回転数差を乗じたものを加えて算出し、
    位相制御がオフのときは前記累積位相偏差の検出を休止して前記回転数差の初期化を行って前記瞬時位相偏差を検出してこれを位相偏差とし、
    位相制御がオンのときは前記瞬時位相偏差の検出を休止して前記回転数差の更新を行って前記累積位相偏差を検出してこれを位相偏差とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の同期制御システム。
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