JP2006194766A - 初期位相検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハイブリッドエンコーダを電動機に取り付けて使用し、電源をオンした直後は
アブソリュート信号から得られる絶対回転位相を位相カウンタの上位にプリセットして前記
位相カウンタを初期化して、電動機運転後は、前記位相カウンタはインクリメンタル信号により低速から高速回転においてもリアルタイムに精度良く絶対回転位相を更新する。
そのためインクリメンタル信号とアブソリュート信号間の回転位相のずれをそれぞれより正弦波区間と絶対中位位相値の検査、比較をし、初期化する初期位相検出装置を実現する。
【選択図】図1
Description
(i)出力信号がA相、B相 及びZ相と数が少なく、長距離伝送に耐え得る。
(ii)位相の変化をシリアルなパルス列で検出するので、高速回転中であってもリアルタイムに時間の遅延がない回転位相を検出できる。
(iii)出力信号がA相、B相 及びZ相の矩形波信号のみで受信側のインターフェイスを簡単に構成でき、温度変化や経年変化の少ないインターフェイスが可能である。
(iv)後述するアブソリュートエンコーダと比較して一般的に安価である。
などの長所があるが、
(v)そのままでは絶対回転位相を検出できない。
という課題があり、その為に例えば制御装置側に回転位相検出カウンタを設け、前記インクリメンタルエンコーダが出力するA相とB相のインクリメンタル信号をカウントし、Z相の信号により前記回転位相検出カウンタをゼロにクリアすることに依り1回転の絶対回転位相の検出が実施されている。かような装置では、最初に運転を始めるとき前記インクリメンタルエンコーダを回転させてZ相を受信した後絶対回転位相の検出が可能となり、
(vi)Z相の信号を最初に受信するまで、絶対回転位相を検出できない。
と言う課題があった。
(vii)絶対回転位相を常時検出できる。
という長所があるが、
(viii)回転位相検出の分解能を高くする為には回転円板上のトラックの数を多くせねばならず、これに伴い回転円板の形状が大きくなり高い分解能のものは実現が困難もしくは不可能である。
(ix)同じく回転位相検出の分解能を高くする程2進化信号線の本数が多くなり、長距離の回転位相の電送が困難となる。
(x)絶対回転位相を検出するとき前記b0からbn−1のデータの変化とタイミングを合わせて検出する必要があり、高速回転においてリアルタイムに回転位相を検出することが困難である。
などの課題があった。
前記アブソリュート信号とインクリメンタル信号を共に備えたロータリーエンコーダを用いる方法が(特許文献1)や(特許文献2)により従来から考案されている。
始めに、前記(特許文献1)は「回転角度の変化に従って連続的に変化するアナログ符号形成面と回転角度の変化に従って異なる2進コードの光信号を形成するディジタル符号形成面とを具備してなり、光アナログ符号と光ディジタル符号の組合せによって回転角度を測定することを特徴とする光角度センサ。」を用いるもので、更に「前記アナログ符号形成面と前記ディジタル符号形成面は前記回転ディスクの同一面上に同心に形成された環状面に形成されている光角度センサ。」なるロータリーエンコーダを用いるものである。すなわち、前記アブソリュートエンコーダが出力するアブソリュート信号は前記(特許文献1)のディジタル符号に相当し、前記インクリメンタルエンコーダが出力するインクリメンタル信号は回転に応じて周期的な信号を出力するものと広義に考えれば前記(特許文献1)のアナログ符号に相当するものである。そして、アナログ符号とディジタル符号の組み合わせにより回転位相を検出するものである。
(1)集中制御装置と複数の電動機をそれぞれ駆動する同期駆動装置で構成され、前記複数の電動機の回転位相と回転速度を精度良く同期させる同期駆動システムにおいて、前記電動機はアブソリュート信号とインクリメンタル信号を共に出力するロータリーエンコーダを付属している。
そして、前記ロータリーエンコーダのアブソリュート信号とインクリメンタル信号の出力を前記同期駆動装置が内蔵する初期位相検出装置にフィードバックとして入力し、前記アブソリュート信号は1回転の絶対回転位相を(i+2)ビットの分解能で出力し、前記インクリメンタル信号は90度位相差の2相の正弦波を出力し、該2相の正弦波は1回転する毎に正弦波サイクル数SHを出力する。
次に、前記初期位相検出装置は、前記アブソリュート信号の1回転の絶対回転位相(i+2)ビットの分解能において、上位iビットの値を絶対上位位相値RHとして下位2ビットの値を絶対中位位相値RMとして検出し、該絶対上位位相値RHは前記正弦波サイクル数SHと等しく前記絶対中位位相値RMは0、1、2、3、0と順次検出するものである。
更に、前記初期位相検出装置は、前記電動機が1回転するとき前記2相の正弦波のHighとLowを識別して計数し、相対回転位相をiビットの分解能で検出するプリセット式位相カウンタを内蔵し、該プリセット式位相カウンタは、前記iビットの値を相対上位位相値THとして出力し、該相対上位位相値THは前記正弦波サイクル数SHと等しいものである。
又、前記初期位相検出装置は、前記2相の正弦波をそれぞれ入力するA/Dコンバータを内蔵し、該A/Dコンバータの出力より前記2相正弦波の1サイクルを分割して正弦波区間を検出し、該正弦波区間はS0、S1、S2、S3、S0と順次検出することを特徴とする初期位相検出装置である。
そして、前記正弦波区間の検出値がS0のときであって前記絶対中位位相値RMの検出値が0又は1のときは、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHを、前記相対中位位相値TMには0をプリセットして初期化することを特徴とする初期位相検出装置である。
そして、前記正弦波区間の検出値がS3のときであって前記絶対中位位相値RMの検出値が0のときは、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHから1を減じた値を、前記相対中位位相値TMには3をプリセットして初期化することを特徴とする初期位相検出装置である。
そして、前記印刷部の同期駆動装置は設定用初期位相検出装置とフィードバック用初期位相検出装置を内蔵し、前記折り部の同期駆動装置はフィードバック用初期位相検出装置を内蔵する。
更に、該折り部のロータリーエンコーダの出力は印刷部の設定用初期位相検出装置と折り部のフィードバック用初期位相検出装置に入力し、運転を始める前に前記印刷部の設定用初期位相検出装置は折り部の回転位相を主設定として速やかに検出し、前記折り部のフィードバック用初期位相検出装置は折り部の回転位相をフィードバックとして速やかに検出する。
又、前記印刷部のロータリーエンコーダの出力は印刷部のフィードバック用初期位相検出装置に入力し、運転を始める前に該フィードバック用初期位相検出装置は速やかに印刷部の回転位相を検出し、折り部を主設定として待ち時間を要すること無く、シャフトレス輪転印刷機の安定した同期制御の運転開始を可能とする初期位相検出装置である。
そして、前記印刷部と折り部の同期駆動装置はそれぞれフィードバック用初期位相検出装置を内蔵して前記電動機の回転位相を検出し、前記折り部の同期駆動装置は検出した折り部の回転位相を前記集中制御装置に送出する。
この集中制御装置は仮想指令器を内蔵し該仮想指令器は前記折り部の回転位相で初期化した後、運転する回転位相指令と回転速度指令を生成して前記印刷部と折り部の全セクションの同期駆動装置に送出する。
かように、折り部の回転位相を主設定の初期値として待ち時間を要すること無く、シャフトレス輪転印刷機の安定した同期制御の運転開始を可能とする初期位相検出装置である。
図1から図3は本発明の初期位相検出装置の構成と動作を説明し、図4から図8は請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、及び請求項5を説明するものであり、図9は本発明を商用輪転印刷機への実施例で請求項6、図10は同じく商用輪転印刷機への実施例で請求項7を説明するものである。
始めに101bはアブソリュートインターフェイスで前記ハイブリッドエンコーダ103が出力する前記アブソリュート信号103aを入力ポートINより入力する。該アブソリュート信号103aは前述のとおり1回転の絶対回転位相が(i+2)ビットの分解能を有し、前記アブソリュートインターフェイス101bは該絶対回転位相(i+2)ビットの下位2ビットの値を絶対中位位相値RMとして出力ポートQ0、Q1より出力し、上位iビットの値を絶対上位位相値RHとして出力ポートQ2からQi+1より出力する。
なお、前記アブソリュートインターフェイス101bの入力ポートCは複数の入力ポートで構成されており、該入力ポートCには前記マイクロコンピュータ101hから通常のチップセレクト信号やリード信号などのコントロール信号が入力されその説明は割愛する。
すなわち、前記マイクロコンピュータ101hは前記アブソリュートインターフェイス101bの出力ポートQ0からQi+1により前記絶対中位位相値RMと絶対上位位相値RHをリードするものである。
そして、該位相カウンタ101gは入力ポートPAから入力される前記A相矩形波を計数することによりハイブリッドエンコーダ103の相対回転位相を検出し出力ポートR2からRi+1より出力する。そして、前記マイクロコンピュータ101hは前記データバス101iを介して前記相対回転位相をリードするものである。
ここで、前記相対回転位相は出力ポートR2からRi+1に出力するのでiビットの分解能を有し、この出力する値を相対上位位相値THとする。
次に、前記位相カウンタ101gの入力ポートP2からPi+1はプリセット入力であり、前記マイクロコンピュータ101hから前記データバス101iを介して後述するプリセット値がライトされ、前記位相カウンタ101gが検出する前記相対上位位相値THを初期化する。
又、前記位相カウンタ101gの入力ポートCは複数の入力ポートで構成されており、該入力ポートCには前記マイクロコンピュータ101hから前記コントロールバス101jを介して、通常のチップセレクト信号、アドレス信号、リード信号、及びライト信号などのコントロール信号が入力される。
又、前記A/Dコンバータ101eの入出力ポートC/Sは複数のポートで構成されており、該入出力ポートC/Sには前記マイクロコンピュータ101hからコントロール&ステータスバス101kを介して、通常のチップセレクト信号、アドレス信号、A/Dスタート及びリード信号などのコントロール信号が入力され、A/D変換完了信号等のステータス信号が前記マイクロコンピュータ101hへ出力される。
そして、101fは前記インクリメンタル信号103bのB相正弦波を入力とするA/DコンバータでB相正弦波値を出力し、その動作は前記A/Dコンバータ101eと同じであるのでその説明は割愛する。
そして、図2―(b)は前記インクリメンタルインターフェイス101cが出力する前記A相矩形波を示し、該A相矩形波は前記位相カウンタ101gに入力され計数されて相対回転位相が検出される。図2−(c)は前記位相カウンタ101gが検出し出力ポートR2からRi+1より出力する前記相対上位位相値THの時間的推移を示し、該相対上位位相値THはゼロから最大THmaxまで変化するとしている。
又、図2−(d)は通常実施される様に前記A相正弦波とB相正弦波の1サイクルを正弦波区間S0、S1、S2、及びS3の4区間に分割することを示している。この正弦波区間の分割は、前記マイクロコンピュータ101hが前記A/Dコンバータ101e、及び101fの出力をリードして行うもので、例えば前記A相正弦波とB相正弦波が共に正のとき正弦波区間はS0となり、A相正弦波が正でB相正弦波が負のときはS1となる。
ここで、前記絶対上位位相値RH、最大値RHmax、前記相対上位位相値TH、最大値THmax、及び前記正弦波サイクル数SH、最大値SHmaxは次の(1)式と(2)式の関係がある。
RH = TH = SH (1)式
RHmax=THmax=SHmax (2)式
前記(1)式により、前記ハイブリッドエンコーダ103の任意の時刻における上位の回転位相は前記絶対上位位相値RHにより検出することができると共に、前記相対上位位相値THと前記正弦波サイクル数SHに等しいものである。
そして、前記マイクロコンピュータ101hは該絶対回転位相をリードし、該絶対上位位相値RHを図3−(b)に示すとおり前記位相カウンタ101gのプリセット入力P2から(Pi+1)にライトし前記位相カウンタ101gを初期化する。かように、初期化された回転位相は図3−(c)に示すとおり相対上位位相値THとして前記位相カウンタ101gの出力ポートR2からRi+1より出力され、前記マイクロコンピュータ101hが常時リードすることとなる。
又、前記マイクロコンピュータ101hは、前記A/Dコンバータ101e、及び101fの出力をリードすることにより前記A相正弦波とB相正弦波の1サイクルを前記正弦波区間S0、S1、S2、及びS3の4区間に分割を行い、この分割の結果は図3−(d)に示す如く図示しないメモリ上のU1、U0ビットに格納される。
更に、図3−(e)のT0ビットから(Tm−1)ビットは1サイクルの前記A相正弦波とB相正弦波から補間される補間位相値を示すものである。この補間は従来から実施されているもので、一例を示せば前記マイクロコンピュータ101hが前記A/Dコンバータ101e、及び101fを介してリードした前記A相正弦波とB相正弦波の値をそれぞれSA、及びSBとすれば、前記A相正弦波とB相正弦波の1サイクル以内の位相θは次の(3)式で求めることができる。
θ=(2m−1)×arcTAN(SA/SB)/90° (3)式
1024×4×4096=16,777,216=0100,0000h (4)式
ここで本発明において、数値の末尾に付すhは16進数であることを示す。
により初期化を行うものである。そして、前記(4)式の具体例によれば、上位iビットの初期化の誤差が最小の1であっても、前記正弦波区間による4、及び補間位相値による4096による次の(5)式で示す大きな回転位相の誤差が発生することとなる。
4×4096=16384=4000h (5)式
それ故に、前記位相カウンタ101gの初期化は常に正確に実施せねばならない。
次に、図4−(i)は前記図2−(e)と同様に前記アブソリュートインターフェイス101bが出力する前記絶対上位位相値RHと絶対中位位相値RMの時間的推移を示すが、前記図2−(e)と相違して遅延して動作する例を示している。すなわち、該図4−(i)において絶対中位位相値RMが3から0に遷移すると同時に、絶対上位位相値RHが(N−1)からNに遷移する時刻は、前記図4−(d)の正弦波区間がS3からS0に変化する時刻t0より時間Tiの遅延がある場合を示す。
(正弦波区間S0の時刻t0からt0+Ti):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが3で正弦波区間S0と不一致なので絶対上位位相値RHに位相の遅れがあると判定し、該絶対上位位相値RHの値(N−1)に1を加算したNを位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S0の時刻t0+Tiからt1):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが0で正弦波区間S0と一致するので絶対上位位相値RHに位相のずれが無いと判定し、該絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S1において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S2において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S3において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが2又は3のとき絶対上位位相値RHに位相のずれが無いと判定し、該絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
そして、図6−(k)は前記図4−(i)と同様に前記アブソリュートインターフェイス101bが出力する前記絶対上位位相値RHと絶対中位位相値RMの時間的推移を示すが、前記図4−(i)と相違して進みで動作する例を示している。すなわち、該図6−(k)において絶対中位位相値RMが3から0に遷移すると同時に、絶対上位位相値RHがNから(N+1)に遷移する時刻は、前記図6−(d)の正弦波区間がS3からS0に変化する時刻t4より時間Tkの進みがある場合を示す。
(正弦波区間S0において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位相値RMが0又は1のとき絶対上位位相値RHに位相のずれが無いと判定し、該絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S1において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S2において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S3の時刻t3からt4−Tk):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが3で正弦波区間S0と一致するので絶対上位位相値RHに位相のずれが無いと判定し、該絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S3の時刻t4−Tkからt4):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが0で正弦波区間S3と不一致なので絶対上位位相値RHに位相の進みによるずれがあると判定し、該絶対上位位相値RHの値(N+1)から1を減算したNを位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S0において);この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが3で正弦波区間S0と不一致なので絶対上位位相値RHに位相の遅れによるずれがあると判定し、該絶対上位位相値RHの値(N−1)に1を加算したNを位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S1とS2において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S3において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが2のとき絶対上位位相値RHに位相のずれが無いと判定し、該絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
かように、該図7−(h)の場合は、前記図7−(i)、すなわち前記図4と同様の処理を行うものである。
(正弦波区間S0において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位相値RMが1のとき絶対上位位相値RHに位相のずれが無いと判定し、該絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S1とS2において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対上位位相値RHの値(N)を位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
(正弦波区間S3において):この区間においてマイクロコンピュータ101hが処理を行うとき、絶対中位位相値RMが0で正弦波区間S3と不一致なので絶対上位位相値RHに位相の進みによるずれがあると判定し、該絶対上位位相値RHの値(N+1)から1を減算したNを位相カウンタ101gにプリセットを行い、前記相対上位位相値THを初期化する。
かように、該図7−(m)の場合は、前記図7−(k)、すなわち前記図6と同様の処理を行うものである。
f1:マイクロコンピュータ101hは、ハイブリッドエンコーダ103が出力するインクリメンタル信号103bからA/Dコンバータ101eに依りA相正弦波値を、A/Dコンバータ101fに依りB相正弦波値をリードする。
f2:マイクロコンピュータ101hは、リードしたA相正弦波値とB相正弦波値から正弦波区間S0からS3を検出する。
f3:マイクロコンピュータ101hは、アブソリュートインターフェイス101bから絶対上位位相値RHと絶対中位位相値RMをリードする。
f4:マイクロコンピュータ101hは、正弦波区間がS0かをチェックしS0のときはステップf5へ、そうでないときはf7へ進む。
f5:マイクロコンピュータ101hは、絶対中位位相値RMが3かをチェックし3のとき絶対上位位相値RHに位相の遅れによるずれがあるのでステップ6へ進んで補正を行い、絶対中位位相値RMが3でないときは絶対上位位相値RHにずれが無いのでそのままステップf11へ進む。
f6:マイクロコンピュータ101hは、絶対上位位相値RHに1を加算し位相の遅れを補正しステップf11へ進む。
f7:マイクロコンピュータ101hは、正弦波区間がS3かをチェックしS3のときはステップf8へ、そうでないときはf10経由でf11へ進む。
f8:マイクロコンピュータ101hは、絶対中位位相値RMが0かをチェックし0のとき絶対上位位相値RHに位相の進みによるずれがあるのでステップ9へ進んで補正を行い、絶対中位位相値RMが0でないときは絶対上位位相値RHにずれが無いのでそのままステップf11へ進む。
f9:マイクロコンピュータ101hは、絶対上位位相値RHから1を減算し位相の進みを補正しステップf11へ進む。
f10:このルートは、正弦波区間がS1又はS2のときであり絶対上位位相値RHの補正が不要の場合でそのままf11へ進む。
f11:マイクロコンピュータ101hは、絶対上位位相値RHの値を位相カウンタ101gの入力ポートP2からPi+1にプリセットを行い、相対上位位相値THを初期化する。
そして、該印刷部13の設定用初期位相検出装置101asは前記折り部のハイブリッドエンコーダ103が出力する信号を入力して折り部5を主設定とし、フィードバック用初期位相検出装置101afは前記印刷部13のハイブリッドエンコーダ103が出力する信号を入力とし、これにより印刷部13の前記同期駆動装置101は電動機102を精度良く同期運転する。
そして、回転位相の初期化が終わった後、印刷運転を行うときは前記アブソリュート信号103aを使用することなく、リアルタイム性に優れた前記インクリメンタル信号103bを用いて高精度の同期制御を実現しカラー印刷を行う。
更に前述のとおり、前記印刷機13から16は前記折り部5のハイブリッドエンコーダ103の出力を主設定とするので、これを言い換えれば、前記折り部5は前記集中制御装置01からの速度指令のみに追従し不必要に速度を増減すること無く安定して運転され、前記印刷機は折り部5の回転位相と回転速度を設定として速度の加減速とするので、前記走行紙6は特に運転を開始するとき印刷部と折り部の間で破断することなく安定した印刷を実現し、損紙を低減すると共にロス時間を減少せしめて操業度を向上するものである。
該集中制御装置01は設定となる回転位相と回転速度を生成する図示しない仮想指令器を内蔵し、運転を始める前に該仮想指令器の回転位相を前記折り部の同期駆動装置101から受信した回転位相で初期化を行う。そして、該仮想指令器が出力する回転位相と速度指令は、通信線路02を経由して印刷部13,14,15,16、及び折り部5の全セクションの同期駆動装置101に送信される。
02 通信線路
03 信号線路
11 給紙部
12 インフィードロール
13 印刷部
14 同上
15 同上
16 同上
17a ドライヤ
17b クーリング
17c ドラッグロール
5 折り部
6 走行紙
101 同期駆動装置
101a 初期位相検出装置
101as 設定用初期位相検出装置
101af フィードバック用初期位相検出装置
101b アブソリュートインターフェイス
101c インクリメンタルインターフェイス
101e A/Dコンバータ
101f A/Dコンバータ
101g 位相カウンタ
101h マイクロコンピュータ
101i データバス
101j コントロールバス
101k コントロール&ステータスバス
102 電動機
103 ハイブリッドエンコーダ
103a アブソリュート信号
103b インクリメンタル信号
104 印刷機
105 折り機
Claims (7)
- 集中制御装置と複数の電動機をそれぞれ駆動する同期駆動装置で構成され、前記複数の電動機の回転位相と回転速度を同期せしめる同期駆動システムであって、
前記電動機はアブソリュート信号とインクリメンタル信号を共に出力するロータリーエンコーダを付属し、該アブソリュート信号の出力と該インクリメンタル信号の出力を前記同期駆動装置が内蔵する初期位相検出装置にフィードバックとして入力し、
前記アブソリュート信号は1回転の絶対回転位相を(i+2)ビットの分解能で出力し、前記インクリメンタル信号は90度位相差の2相の正弦波を出力し、該2相の正弦波は1回転する毎に正弦波サイクル数SHを出力するロータリーエンコーダにおいて、
該初期位相検出装置は、前記アブソリュート信号の1回転の絶対回転位相(i+2)ビットの分解能において、上位iビットの値を絶対上位位相値RHとして下位2ビットの値を絶対中位位相値RMとして検出し、該絶対上位位相値RHは前記正弦波サイクル数SHと等しいものであって前記絶対中位位相値RMは0、1、2、3、0と順次検出し、
前記初期位相検出装置は、前記電動機が1回転するとき前記2相正弦波のHighとLowを識別して計数し、相対回転位相をiビットの分解能で検出するプリセット式位相カウンタを内蔵し、該プリセット式位相カウンタは、前記iビットの値を相対上位位相値THとして出力し、該相対上位位相値THは前記正弦波サイクル数SHと等しいものであり、
前記初期位相検出装置は、前記2相正弦波をそれぞれ入力するA/Dコンバータを内蔵し、該A/Dコンバータの出力より前記2相正弦波の1サイクルを分割して正弦波区間を検出し、該正弦波区間はS0、S1、S2、S3、S0と順次検出することを特徴とする初期位相検出装置。 - 請求項1の前記初期位相検出装置において、
前記正弦波区間の検出値がS0のときであって前記絶対中位位相値RMの検出値が3のときは、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHに1を加えた値を、前記相対中位位相値TMには0をプリセットし、
前記正弦波区間の検出値がS0のときであって前記絶対中位位相値RMの検出値が0または1のときは、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHを、前記相対中位位相値TMには0をプリセットして初期化することを特徴とする初期位相検出装置。 - 請求項1の前記初期位相検出装置において、
前記正弦波区間の検出値がS1のとき、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHを、前記相対中位位相値TMには1をプリセットして初期化することを特徴とする初期位相検出装置。 - 請求項1の前記初期位相検出装置において、
前記正弦波区間の検出値がS2のとき、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHを、前記相対中位位相値TMには2をプリセットして初期化することを特徴とする初期位相検出装置。 - 請求項1の前記初期位相検出装置において、
前記正弦波区間の検出値がS3のときであって前記絶対中位位相値RMの検出値が2または3のときは、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHを、前記相対中位位相値TMには3をプリセットし、
前記正弦波区間の検出値がS3のときであって前記絶対中位位相値RMの検出値が0のときは、前記プリセット式位相カウンタの前記相対上位位相値THには前記絶対上位位相値RHから1を減じた値を、前記相対中位位相値TMには3をプリセットして初期化することを特徴とする初期位相検出装置。 - 請求項1から5の前記初期位相検出装置であって、
集中制御装置と前記初期位相検出装置を内蔵する同期駆動装置、電動機、及び該電動機に付属する前記ロータリーエンコーダを一組として、複数の印刷部と折り部を精度良く同期制御し、
前記集中制御装置から折り部に速度指令が入力されるシャフトレス輪転印刷機において、
前記印刷部の同期駆動装置は設定用初期位相検出装置とフィードバック用初期位相検出装置を内蔵し、前記折り部の同期駆動装置はフィードバック用初期位相検出装置を内蔵し、
該折り部のロータリーエンコーダの出力は印刷部の設定用初期位相検出装置と折り部のフィードバック用初期位相検出装置に入力し、運転を始める前に前記印刷部の設定用初期位相検出装置は折り部の回転位相を主設定として検出し、前記折り部のフィードバック用初期位相検出装置は折り部の回転位相をフィードバックとして検出し、
前記印刷部のロータリーエンコーダの出力は印刷部のフィードバック用初期位相検出装置に入力し、運転を始める前に該フィードバック用初期位相検出装置は印刷部の回転位相を検出し、
折り部を主設定として待ち時間を要すること無く、シャフトレス輪転印刷機の同期制御運転開始を可能とする初期位相検出装置。 - 請求項1から5の前記初期位相検出装置であって、
集中制御装置と前記初期位相検出装置を内蔵する同期駆動装置、電動機、及び該電動機に付属する前記ロータリーエンコーダを一組として、複数の印刷部と折り部を同期制御するシャフトレス輪転印刷機において、
前記印刷部と折り部の同期駆動装置はそれぞれフィードバック用初期位相検出装置を内蔵して前記電動機の回転位相を検出し、
前記折り部の同期駆動装置は検出した折り部の回転位相を前記集中制御装置に送出し、
前記集中制御装置は仮想指令器を内蔵し該仮想指令器は前記折り部の回転位相で初期化した後、運転する回転位相指令と回転速度指令を生成して前記印刷部と折り部の全セクションの同期駆動装置に送出し、
折り部の回転位相を主設定の初期値として待ち時間を要すること無く、シャフトレス輪転印刷機の同期制御運転開始を可能とする初期位相検出装置。
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