JP2009213014A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴミを効率よく除去可能な駆動装置を得る。
【解決手段】ステップS740では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが245以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが245以下のとき、前述と同様にステップS721及びS712からS714が実行される。これにより固定部30bの上端に可動部30aを衝突させるc2工程が実行され、可動部30aは固定部30bの上端と係合する。d1工程の終了からc2工程の終了までの時間間隔は、d1工程における50msよりも短い時間である30msが設定される。d1工程の終了からc2工程の終了までの時間を短くすることにより、可動部30aの振動周波数を変更することが出来る。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば撮像素子が取り付けられた可動物を駆動可能な駆動装置に関する。
従来、カメラなどの撮像装置において、撮像素子又はそのカバーに付着した埃などのゴミを除去する装置が提案されている。
特許文献1は、撮像素子を含む可動部を複数回にわたり一定間隔で移動範囲端に衝突させて撮像素子等に付着したゴミに特定の振動周波数を与え、それにより撮像素子等からゴミを除去する装置を開示する。
特開2005−340988号公報
しかし、ゴミはそれぞれ重量が異なるため、ゴミを除去しやすい振動周波数はゴミの重量に応じて異なる。一方、可動部を移動範囲端と一定間隔で衝突させるだけでは、一定の振動周波数しか発生させることが出来ない。従って、撮像素子又はそのカバーからゴミを十分に除去できないおそれがある。
本発明は、ゴミを効率よく除去可能な駆動装置を得ることを目的とする。
本願第1の発明による駆動装置は、可動部と、可動部の可動範囲内に設けられる固定部と、可動部を第1の方向へ駆動して固定部と衝突させる駆動手段とを備え、駆動手段は、異なる時間間隔をあけて、第1の方向の正負方向へ交互に可動部を駆動することにより、固定部に可動部を衝突させることを特徴とする。
時間間隔は可動部が駆動される度に短く、又は長くなることが好ましい。
固定部は第1の方向に設けられる枠体を備え、可動部は枠体と衝突する用に構成されてもよい。
可動部の第2の方向への動きを抑制する第2の駆動手段をさらに備え、第1の駆動手段が可動部を駆動するとき、第2の駆動手段は、第2の方向に対し可動部を固定してもよい。
本願第2の発明による撮像装置は、可動部が撮像素子を保持する前記駆動装置を備えることを特徴とする。
駆動手段は、撮像素子の撮像面内において第1の方向と独立した第2の方向に可動部を駆動可能であり、可動部を第1及び第2の方向に駆動させることにより手ブレ補正を行う手ブレ補正機能であって、固定部は、手ブレ補正を行うために可動部が駆動される手ブレ補正範囲を越えた位置に配置されるとともに、可動部は手ブレ補正範囲を超えて固定部に衝突することが好ましい。
撮像素子の撮像面がカバー部材によって覆われてもよい。カバー部材の外表面に付着した異物が、可動部と固定部との衝突による衝撃により除去される。
本発明によれば、ゴミを効率よく除去可能な駆動装置を得る。
以下、本発明による一実施形態について図を用いて説明する。図1から3は本実施形態による駆動装置を用いた撮像装置1の構成を示したものである。撮像装置1はデジタルカメラである。方向を説明するため、撮像装置1において撮像素子の撮像面に入射する光学像を結像させる撮像光学系(撮影レンズ67など)の光軸LXと直交する水平方向を第1方向x、光軸LXと直交する鉛直方向を第2方向y、光軸LXと平行な水平方向を第3方向zとする。
撮像装置1は、主電源のオンオフ切り替えを行うPonボタン11、レリーズボタン13、像ブレ補正ボタン14、LCDモニタ17、ミラー絞りシャッタ部18、DSP19、CPU21、AE部23、AF部24、像ブレ補正部30の撮像素子39a、及び撮影レンズ67から主に構成され、専らこれらの構成要素により撮像機能が果たされる。
Ponボタン11の押下に対応してPonスイッチ11aのオンオフ状態が切り替えられ、これにより撮像装置1の主電源のオンオフ状態が切り替えられる。被写体像は、撮像素子39aによって撮影レンズ67を介した光学像として撮像され、LCDモニタ17によって撮像された画像が表示される。また光学ファインダを介して被写体像を光学的に観察できる。
Ponボタン11の押下に対応して、撮像装置1の主電源がオン状態にされると、第1時間(220ms)の間、ゴミ取り動作処理が行われる。
レリーズボタン13は、半押しすることにより測光スイッチ12aがオン状態にされ測光や測距及び合焦動作が行われ、全押しすることによりレリーズスイッチ13aがオン状態にされ撮像素子39a(撮像手段)による撮像(撮像動作)が行われ、撮影像がメモリされる。
ミラー絞りシャッタ部18は、CPU21のポートP7と接続され、レリーズスイッチ13aのオン状態に連動して、ミラーのUP/DOWN、絞りの調節、及びシャッタの開閉動作を行う。
DSP19は、CPU21のポートP9、及び撮像素子39aと接続され、CPU21の指示に基づいて、撮像素子39aにおける撮像により得られた画像信号について、画像処理などの演算処理を行う。
CPU21は、撮像に関する各部の制御、後述する像ブレ補正に関する各部の制御を行う制御手段である。また、CPU21は、像ブレ補正パラメータISの値、レリーズ状態管理パラメータRP、ゴミ取り状態管理パラメータGP、及びゴミ取り時間計測パラメータCNTの値をメモリする。
像ブレ補正パラメータISは、撮像装置1が後述する補正モードにあるか否かを示す値である。値が1であるときには撮像装置1が補正モードにあり、0であるときには補正モードにないことを示す。
レリーズ状態管理パラメータRPは、レリーズシーケンス動作に連動して値が切り替えられ、レリーズシーケンス動作中に値が1に設定され(図4のステップS24〜S31参照)、レリーズシーケンス動作終了の時に値が0に設定される(図4のステップS13、S32参照)。
ゴミ取り状態管理パラメータGPは、ゴミ取り動作処理が完了したか否かを示すパラメータであり、撮像装置1がオン状態にされた直後(第1時間(220ms)が経過するまで)は、ゴミ取り動作処理が完了していないとして、値が1に設定され(図4のステップS14参照)、撮像装置1がオン状態にされてから第1時間(220ms)が経過すると、ゴミ取り動作処理が完了したとして、値が0に設定される(図4のステップS16参照)。
ゴミ取り時間計測パラメータCNTは、ゴミ取り動作処理が行われている時間を計測するために使用される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTの初期値は0であり、ゴミ取り動作処理が行われている期間、1ms経過するごとに1だけ値が加算される(図6のステップS701参照)。
CPU21は、像ブレ補正処理前のゴミ取り動作処理として、可動部30aを特定位置(本実施形態では移動範囲中心:第1方向x、及び第2方向yの座標値が共に0)に移動させる(センタリング処理)。
その後、可動部30aは、その重心の第1方向xに対する座標が一定となるように保持される。そして可動部30aのXP方向側が第2方向yにおけるYP方向に駆動され、同時にXM方向側がYM方向に駆動される。これにより可動部30aが特定の点を中心として回動し、可動部30aのYP側端部のXP方向側が移動範囲端の上端と、YM側端部のXM方向側とが移動範囲端の下端と各々衝突する。
次に、可動部30aは第1方向xの座標が一定となるように保持されたまま、XP方向側が第2方向yにおけるYM方向に駆動され、同時にXM方向側がYP方向に駆動される。これにより前回の回動とは反対方向に可動部30aが回動し、可動部30aのYP側端部のXM方向側が移動範囲端の上端と、YM側端部のXP方向側とが移動範囲端の下端と各々衝突する。これを繰り返した後にゴミ取り動作処理が終了する。
可動部30aの移動範囲端との衝突の衝撃で、可動部30aの撮像素子39a(撮像素子やローパスフィルタ)に付着した埃などのゴミが除去される。ゴミ取り動作処理の完了後、撮影動作に応じて像ブレ補正処理が開始される。
また、CPU21は、後述する第1、第2デジタル角速度信号Vx、Vy、第1、第2デジタル角速度VVx、VVy、第1、第2デジタル角度Bx、By、位置Sの第1方向x成分Sx、第2方向y成分Sy、第1駆動力Dx、第2駆動力Dy、A/D変換後の位置Pの第1方向x成分pdx、第2方向y成分pdy、第1、第2減算値ex、ey、第1、第2比例係数Kx、Ky、像ブレ補正処理のサンプリング周期θ、第1、第2積分係数Tix、Tiy、及び第1、第2微分係数Tdx、Tdyをメモリする。
AE部23は、被写体の測光動作を実行して露光値を演算し、この露光値に基づき撮影に必要となる絞り値及び露光時間を演算する。AF部24は、測距を行い、この測距結果に基づき撮影レンズ67を光軸方向に変位させ焦点調節を行う。
撮像装置1の像ブレ補正装置すなわち像ブレ補正に関する部分は、像ブレ補正ボタン14、LCDモニタ17、CPU21、角速度検出部25、駆動ドライバ回路29、像ブレ補正部30、磁界変化検出素子(ホール素子44a)の信号処理回路としてのホール素子信号処理回路45、及び撮影レンズ67から構成される。
像ブレ補正ボタン14は、押下することにより像ブレ補正スイッチ14aがオン状態にされる。像ブレ補正スイッチ14aがオン状態にされると、撮像装置1は補正モードに移行して像ブレ補正パラメータISが1に設定され、像ブレ補正スイッチ14aがオフ状態にされると、撮像装置1は補正モードではなくなって像ブレ補正パラメータISが0に設定される。補正モードでは、測光など他の動作と独立して第2時間ごとに角速度検出部25、及び像ブレ補正部30が駆動されることにより像ブレ補正処理が行われる。本実施形態ではこの第2時間を1msであるとして説明する。
これらのスイッチの入力信号に対応する各種の出力はCPU21によって制御される。測光スイッチ12a、レリーズスイッチ13a、像ブレ補正スイッチ14aのオン/オフ情報は、それぞれ1ビットのデジタル信号としてCPU21のP12、P13、P14に入力される。AE部23、AF部24及びLCDモニタ17は、各々ポートP4、P5及びP6を介してCPU21と信号を送受信する。
次に、角速度検出部25、駆動ドライバ回路29、像ブレ補正部30及びホール素子信号処理回路45についての詳細、並びにこれらとCPU21との間における信号の入出力関係について説明する。
角速度検出部25は、第1、第2角速度センサ26a、26b、第1、第2ハイパスフィルタ回路27a、27b、及び第1、第2アンプ28a、28bを有する。第1、第2角速度センサ26a、26bは、撮像装置1の第1方向x(第2方向yに平行な軸周りのヨーイング)及び第2方向y(第1方向xに平行な軸周りのピッチング)の角速度を検出する。第1角速度センサ26aは、第1方向xの角速度(ヨーイング角速度)を、第2角速度センサ26bは第2方向yの角速度(ピッチング角速度)を検出するジャイロセンサである。第1、第2角速度センサ26a、26bの出力信号は、ヌル電圧やパンニング等に起因する低周波成分を有し、第1、第2ハイパスフィルタ回路27a、27bは、第1、第2角速度センサ26a、26bの信号出力から低周波成分をカットする(アナログハイパスフィルタ処理)。第1、第2アンプ28a、28bは、低周波成分がカットされた角速度に関する信号を増幅し、第1、第2角速度vx、vyとしてアナログ信号をCPU21のA/D0、A/D1に入力する。
低周波成分のカットは、第1、第2ハイパスフィルタ回路27a、27bにおけるアナログハイパスフィルタ処理、及びCPU21におけるデジタルハイパスフィルタ処理が行われる。デジタルハイパスフィルタ処理においては、アナログハイパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数以上のカットオフ周波数が設定される。これにより、時定数(第1、第2ハイパスフィルタ時定数hx、hy)の値の変更が容易に行いうる。
CPU21、及び角速度検出部25の各部への電力供給は、Ponスイッチ11aがオン状態にされた(主電源がオン状態にされた)後に開始される。角速度検出部25におけるブレ量検出演算は、Ponスイッチ11aがオン状態にされた(主電源がオン状態にされた)後であって、ゴミ取り動作処理完了後に開始される。
CPU21は、A/D0、A/D1に入力された第1、第2角速度vx、vyをA/D変換して第1、第2デジタル角速度信号Vx、Vyを生成する。次に、デジタルハイパスフィルタ処理、すなわちヌル電圧やパンニングにより生じる低周波成分をカットして第1、第2デジタル角速度VVx、VVyを生成する処理を行う。そして積分演算を行い、像ブレ量(像ブレ角度)を求める。この像ブレ角度は、第1、第2デジタル角度Bx、Byを用いて表される。従って、角速度検出部25とCPU21は、像ブレ量演算機能を有する。
nは、0以上の整数であり、タイマ割り込み処理開始(t=0、図4のステップS12参照)から、最新のタイマ割り込み処理を行った時点(t=n)までの時間(ms)を示す。
第1方向xに関するデジタルハイパスフィルタ処理は、第1デジタル角速度信号Vxを、第2時間(1ms)前までのタイマ割り込み処理で求められた第1デジタル角速度VVx〜VVxn―1の和ΣVVxn−1を第1ハイパスフィルタ時定数hxで割ったもので減算して、第1デジタル角速度VVxを求めることにより行われる(VVx=Vx―(ΣVVxn−1)/hx)。第2方向yに関するデジタルハイパスフィルタ処理は、第2デジタル角速度信号Vyを、第2時間(1ms)前までのタイマ割り込み処理で求められた第2デジタル角速度VVy〜VVyn―1の和ΣVVyn−1を第2ハイパスフィルタ時定数hyで割ったもので減算して、第2デジタル角速度VVyを求めることにより行われる(VVy=Vy―(ΣVVyn−1)/hy)。
本実施形態では、タイマ割り込み処理における角速度検出処理は、角速度検出部25における処理、及び角速度検出部25からCPU21への第1、第2角速度vx、vyの入力処理を言うものとする。
第1方向xに関する積分演算処理は、タイマ割り込み処理開始(t=0、図4のステップS12参照)から、最新の時点(t=n)の第1デジタル角速度VVx〜VVxの和を求めることにより行われる(Bx=ΣVVx)。第2方向yに関する積分演算処理は、タイマ割り込み処理開始後から最新の第2デジタル角速度VVy〜VVyの和を求めることにより行われる(By=ΣVVy)。
CPU21は、演算により求められた像ブレ量(像ブレ角度:第1、第2デジタル角度Bx、By)に応じた撮像部39aの移動すべき位置Sを、焦点距離などを考慮した位置変換係数zzに基づいて、第1方向x、第2方向yごとに演算し設定する。位置Sの第1方向x成分をSx、第2方向y成分をSyとする。撮像部39aを含む可動部30aの移動は、後述する電磁力によって行われる。可動部30aをこの位置Sまで移動させるために駆動ドライバ回路29を介して第1駆動コイル31aを駆動する駆動力Dの第1方向x成分を第1駆動力Dx、第2駆動コイル32aを駆動する第2方向y成分を第2駆動力Dyとする。第1駆動力DxをPWM信号に変換することにより、第1PWMデューティdxが得られ、第2駆動力DyをPWM信号に変換することにより第2PWMデューティdyが得られる。第2駆動力Dyの値は+DD又は−DDで表される。+DDは可動部30aをYP方向、すなわち固定部30bの上端方向に駆動する値であることを示し、−DDは可動部30aをYM方向、すなわち固定部30bの下端方向に駆動する値であることを示す。
但し、像ブレ補正処理前のゴミ取り動作処理の為の第1時間(220ms)の間の移動すべき位置S(Sx、Sy)は、像ブレ量と関連しない演算で求められた値が設定される(図6のステップS705他参照)。例えば、位置Snは、後述するゴミ取り動作処理におけるa工程において固定部30bの中心に設定される。つまり可動部30aは固定部30bの中心に置かれる。そしてゴミ取り動作処理におけるbからd工程では、現在、可動部30aが置かれている位置から第1方向においては特定位置に位置Sが設定され第2方向yにおいてはPWMデューティのみセットされ位置Sはセットされない。つまり可動部30aは固定部30bの上端又は下端方向に一定の力で駆動され、衝突する。
第1方向xに関する位置設定演算処理は、最新の第1デジタル角度Bxに第1位置変換係数zxを乗算することにより求められる(位置Sの第1方向x成分Sx=zx×Bx)。第2方向yに関する位置設定演算処理は、最新の第2デジタル角度Byに第2位置変換係数zyを乗算することにより求められる(位置Sの第2方向y成分Sy=zy×By)。
像ブレ補正部30は、露光時間内であって、像ブレ補正処理を行う場合(IS=1)に、CPU21が演算した移動すべき位置Sに撮像部39aを移動させることによって、ブレによって生じた被写体像の結像面におけるずれを無くし、被写体像と結像面位置を一定に保ち、像ブレを補正する像ブレ補正処理を行う装置であり、撮像部39aを含みxy平面上に移動可能領域をもつ可動部30aと、可動部30aの移動範囲端を形成する固定部30bとを備える。露光時間内であって、像ブレ補正処理を行わない場合(IS=0)は、可動部30aは、特定位置(本実施形態では移動範囲中心)に固定される。撮像装置1の電源がオン状態にされた直後の第1時間(220ms)の間は、可動部30aを移動範囲中心に移動、及び第2方向yの移動範囲端に移動(衝突)せしめるための駆動が行われる。撮像装置1の電源がオン状態にされた直後の第1時間(220ms)の間と露光時間以外は、可動部30aの駆動は行われない。
像ブレ補正部30は、駆動オフ状態で可動部30aを固定する機構を有しない。
像ブレ補正部30の可動部30aの駆動(特定位置への固定を含む)は、駆動手段に含まれる駆動コイル部、駆動磁石部による電磁力によって行われる。電磁力は駆動ドライバ回路29が駆動コイル部へ通電することにより発生する。駆動ドライバ回路29は、CPU21のPWM0から第1PWMデューティdxの出力を受けて第1駆動コイル31aに、PWM1から第2PWMデューティdyの出力を受けて第2駆動コイル32aに通電する。
像ブレ補正部30の可動部30aの駆動(特定位置への固定を含む)は、CPU21のPWM0から第1PWMデューティdx、PWM1から第2PWMデューティdyの出力を受けた駆動ドライバ回路29を介して、駆動手段に含まれる駆動コイル部、駆動磁石部による電磁力によって行われる。可動部30aの移動前または移動後の位置Pはホール素子部44a、ホール素子信号処理回路45によって検出される。検出された位置Pの情報は、第1検出位置信号pxが第1方向x成分として、第2検出位置信号pyが第2方向y成分としてそれぞれCPU21のA/D2、A/D3に入力される。第1、第2検出位置信号px、pyはA/D2、A/D3を介してA/D変換される。第1、第2検出位置信号px、pyに対してA/D変換後の位置Pの第1方向x成分、第2方向y成分をそれぞれpdx、pdyとする。検出された位置P(pdx、pdy)のデータと移動すべき位置S(Sx、Sy)のデータによりPID制御(第1、第2駆動力Dx、Dyの算出)が行われる。
第1駆動力Dxは、位置Sの第1方向x成分Sxを、A/D変換後の位置Pの第1方向x成分pdxで減算した第1減算値ex、第1比例係数Kx、サンプリング周期θ、第1積分係数Tix、第1微分係数Tdxに基づいて算出される(Dx=Kx×{ex+θ÷Tix×Σex+Tdx÷θ×(ex―exn−1)})。
第2駆動力Dyは、位置Sの第2方向y成分Syを、A/D変換後の位置Pの第2方向y成分pdyで減算した第2減算値ey、第2比例係数Ky、サンプリング周期θ、第2積分係数Tiy、第2微分係数Tdyに基づいて算出される(Dy=Ky×{ey+θ÷Tiy×Σey+Tdy÷θ×(ey―eyn−1)})。
サンプリング周期θの値は、第2時間:1msに設定される。
像ブレ補正処理すなわちPID制御による像ブレ補正に対応した移動すべき位置S(Sx、Sy)への可動部30aの駆動は、像ブレ補正スイッチ14aがオン状態にされた補正モード(IS=1)の時に行われる。像ブレ補正パラメータISが0の時には、可動部30aは、像ブレ補正処理に対応しない特定位置へのPID制御が行われ、移動中心位置に移動せしめられる。
撮像装置1がオン状態にされた後から像ブレ補正処理が開始されるまでの期間に行われるゴミ取り処理動作の期間において、可動部30aは位置Sへ移動される。これによって前述のように駆動される。
可動部30aは、駆動コイル部として2つの第1、第2駆動コイル31a、32a、撮像素子を有する撮像部39a、及び磁界変化検出素子部としてのホール素子部44aを有する。本実施形態では、撮像素子がCCDであるとして説明するが、CMOSなど他の撮像素子であってもよい。
撮像素子の撮像面は、移動制御が行われない状態において、第1方向x、または第2方向yに平行な辺を有し、第1方向xの辺が第2方向yの辺よりも長い矩形形状を有する。
固定部30bは、駆動磁石部として2つの第1、第2位置検出及び駆動磁石411b、412b、第1、第2位置検出及び駆動ヨーク431b、432bを有する。
固定部30bは、可動部30aを第1方向x、第2方向yに移動自在に支持する。
固定部30bは、移動により可動部30aが接触する部分(移動範囲端)に衝撃を吸収する緩衝材を有する。緩衝材の硬度は、ゴミ取り動作処理において可動部30aと緩衝材とが接触したとき、衝撃により可動部30a等が破損せず、且つ接触により可動部30aに付着したゴミが除去できる程度の値が設定される。なお、可動部30aに緩衝材が取り付けられても良い。
撮像素子の撮像範囲を最大限活用して像ブレ補正を行うために、撮影レンズ67の光軸LXが撮像素子の中心近傍を通る位置関係にある時に、第1方向x、第2方向yともに可動部30aが移動範囲の中心に位置する(移動中心位置にある)ように可動部30aと固定部30bの位置関係を設定する。撮像素子の中心とは、撮像素子の撮像面を形成する矩形が有する2つの対角線の交点をいう。
可動部30aには、シート状でかつ渦巻き状のコイルパターンが形成された第1、第2駆動コイル31a、32a及びホール素子部44aが取り付けられている。第1駆動コイル31aのコイルパターンは第2方向yと平行な有効長成分を有するため、第1駆動コイル31aの電流の方向と第1位置検出磁石411bの磁界とにより生じる電磁力が第1駆動コイル31aを第1方向xへ移動させる。第2駆動コイル32aのコイルパターンは第1方向xと平行な有効長成分を有するため、第2駆動コイル32aの電流の方向と第2位置検出磁石412bの磁界とにより生じる電磁力が第2駆動コイル32aを第2方向yに移動させる。これにより、第1、第2駆動コイル31a、32aが取り付けられた可動部30aが駆動される。ホール素子部44aについては後述する。
第1、第2駆動コイル31a、32aは、フレキシブル基板(不図示)を介してこれらを駆動する駆動ドライバ回路29と接続される。CPU21のポートPWM0及びPWM1から駆動ドライバ回路29に第1、第2PWMデューティdx、dyが各々入力される。駆動ドライバ回路29は、入力された第1、第2PWMデューティdx、dyの値に応じて第1、第2駆動コイル31a、32aに電力を供給し、可動部30aを駆動する。
第1、第2位置検出ヨーク431b、432bは、軟磁性体材料で構成され、固定部30b上に取り付けられる。第1位置検出ヨーク431bは、第1位置検出磁石411bの磁界が周囲に漏れないようにする役目、及び第1位置検出磁石411bと第1駆動コイル31a、及び第1位置検出磁石411bと水平方向ホール素子hhとの間の磁束密度を高める役目を果たす。第2位置検出ヨーク432bは、第2位置検出磁石412bの磁界が周囲に漏れないようにする役目、及び第2位置検出磁石412bと第2駆動コイル32a、及び第2位置検出磁石412bと鉛直方向ホール素子hvとの間の磁束密度を高める役目を果たす。
第1位置検出磁石411bは、第1駆動コイル31a及び水平方向ホール素子hhと対向するように、固定部30bにおける可動部30aと対向する面に取り付けられる。より詳細には、固定部30bの第3方向z正方向に向いた面であって、固定部30bの可動部30aと対向する面に取り付けられた第1位置検出ヨーク431bの上に取り付けられる。第1位置検出磁石411bのN極及びS極は第1方向xに並べられる。
第2位置検出磁石412bは、第2駆動コイル32a及び鉛直方向ホール素子hvと各々対向するように、固定部30bにおける可動部30aと対向する面に取り付けられる。より詳細には、固定部30bの第3方向z正方向に向いた面であって、固定部30bの可動部30aと対向する面に取り付けられた第2位置検出ヨーク432bの上に各々取り付けられる。第2位置検出磁石412bのN極及びS極は第2方向yに並べられる。
ホール素子部44aは、第1方向xにおける可動部30aの位置を検出する水平方向ホール素子hh、第2方向yにおける可動部30aの位置を検出する鉛直方向ホール素子hvから成る。各ホール素子は、ホール効果を利用した磁電変換素子からなる一軸ホール素子である。水平方向ホール素子hhは、可動部30aの現在位置Pを示す第1検出位置信号pxを出力し、同様にして鉛直方向ホール素子hvは第2検出位置信号pyを出力する。
水平方向ホール素子hhは、第3方向zから見て可動部30a上であって、第1位置検出磁石411bと対向する位置に取り付けられる。同様に、鉛直方向ホール素子hvは、第3方向zから見て可動部30a上であって、第2位置検出磁石412bと対向する位置に各々取り付けられる。
高精度な位置検出を行うことができる範囲を最大限活用するため、撮像素子の中心近傍が光軸LX上にあるとき、第1方向xにおける水平方向ホール素子hhの位置が第1位置検出磁石411bのN極、S極と略等距離にあることが望ましい。同様に、撮像素子の中心近傍が光軸LX上にあるとき、鉛直方向ホール素子hvの第2方向yの位置が第2位置検出磁石412bのN極、S極と等距離近傍にあることが望ましい。
ホール素子信号処理回路45は、第1ホール素子信号処理回路450及び第2ホール素子信号処理回路460から成る。第1ホール素子信号処理回路450は、水平方向ホール素子hhの出力信号から水平方向ホール素子hhにおける出力端子間の水平方向電位差x10を検出して信号処理を行い、第1方向xの位置を特定する第1検出位置信号pxを算出する。そして、第1検出位置信号pxをCPU21のA/D2に出力する。第2ホール素子信号処理回路460は、鉛直方向ホール素子hvの出力信号から、鉛直方向ホール素子hvにおける出力端子間の鉛直方向電位差y10を検出して信号処理を行い、第2方向yの位置を特定する第2検出位置信号pyを算出する。そして、第2検出位置信号pyをCPU21のA/D3に出力する。
次に、撮像装置1のメイン動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
撮像装置1の電源がオンにされると、ステップS11では、角速度検出部25に電力が供給され、電源オン状態にされる。ステップS12では、第2時間(1ms)間隔でタイマ割り込み処理が開始される。タイマ割り込み処理はメイン動作とは別に、言い換えるとメイン動作と平行してCPU21において繰り返し実行される。ステップS13で、レリーズ状態管理パラメータRPの値が0に設定される。タイマの割り込み処理の詳細については、図5のフローチャートを用いて後述する。
ステップS14では、ゴミ取り状態管理パラメータGPの値が1に、ゴミ取り時間計測パラメータCNTの値が0にそれぞれ設定される。
ステップS15では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTの値が320を超えたか否かが判断される。ステップS15はタイマ割り込み処理の終了を待つために設けられる処理である。ゴミ取り時間計測パラメータCNTの値は、タイマ割り込み処理が終了するに必要な時間に応じた値320msが用いられる。本実施形態では、タイマ割り込み処理が終了するために必要な時間に像ブレ補正部30の個体差による誤差を加味することにより、320msが用いられる。
ステップS15においてゴミ取り時間計測パラメータCNTの値が320を超えていない場合は、ステップS15が繰り返され、超えた場合は、ステップS16に進められる。ステップS16では、ゴミ取り状態管理パラメータGPの値が0に設定される。
ステップS17では、測光スイッチ12aがオン状態にされているか否かが判断される。オン状態にされていない場合は、ステップS17が繰り返され、オン状態にされている場合は、ステップS18に進められる。
ステップS18では、像ブレ補正スイッチ14aがオン状態にされたか否かが判断される。像ブレ補正スイッチ14aがオン状態にされていない場合は、ステップS19で、像ブレ補正パラメータISの値が0に設定される。像ブレ補正スイッチ14aがオン状態にされている場合は、ステップS20で、像ブレ補正パラメータISの値が1に設定される。
ステップS21では、AE部23においてAEセンサが駆動されて測光が行われ、絞り値や露光時間が演算される。ステップS22では、AF部24のAFセンサが駆動されて測距が行われ、AF部24のレンズ制御回路駆動により合焦動作が行われる。
ステップS23では、レリーズスイッチ13aがオン状態にされたか否かが判断される。レリーズスイッチ13aがオン状態にされていない場合、処理はステップS17に戻る(ステップS17〜22を繰り返す)。レリーズスイッチ13aがオン状態にされている場合、処理はステップS24に進み、レリーズシーケンス動作が開始される。
ステップS24では、レリーズ状態管理パラメータRPの値が1に設定される。ステップS25では、ミラー絞りシャッタ部18においてミラーアップ動作、及び絞りの絞り込み動作が行われる。ステップS26では、ミラー絞りシャッタ部18においてシャッタ開動作(先幕動作)が行われる。
ステップS27では、CCDの電荷蓄積すなわち露光が所定の露光時間のあいだ行われる。露光が終了した後、ステップS28では、ミラー絞りシャッタ部18においてシャッタ閉動作(後幕動作)、ミラーダウン動作、及び絞り開放動作が行われる。ステップS29では、CCD入力、すなわち露光時間内にCCDに蓄積された電荷がDSP19へ移動せしめられる。ステップS30では、CPU21とDSP19との間で通信が行われ、ステップS29で移動された電荷に基づいて画像信号処理が行われ、画像信号処理により作成された画像信号が撮像装置1内の映像メモリに記憶される。ステップS31で、記憶された画像信号は、LCDモニタ17によって表示される。ステップS32で、レリーズ状態管理パラメータRPの値が0に設定され、レリーズシーケンス動作が完了する。その後、処理はステップS17に戻り、撮像装置1は次の撮像動作が可能な状態となる。
次に、図4のステップS12で開始され、第2時間(1ms)間隔で行われるタイマ割り込み処理について図5のフローチャートを用いて説明する。
タイマ割り込み処理では、まずステップS50において、ゴミ取り状態管理パラメータGPの値が1に設定されているか否かが判断される。1に設定されている場合はステップS51に処理が進み、1に設定されていない、つまりゴミ取り状態管理パラメータGPの値が0である場合は、ステップS52に処理が進む。
ステップS51では、ゴミ取り動作処理が行われる。このゴミ取り動作処理の詳細については、図6のフローチャートを用いて後述する。
ステップS52では、角速度検出部25から出力された第1、第2角速度vx、vyが、A/D0、A/D1を介してCPU21に入力され、A/D変換される(角速度検出処理)。A/D変換により第1、第2デジタル角速度信号Vx、Vyが生成される。そして、第1、第2デジタル角速度信号Vx、Vyからヌル電圧やパンニングにより生じる低周波成分がカットされ(デジタルハイパスフィルタ処理)、第1、第2デジタル角速度VVx、VVyが算出される。
ステップS53では、レリーズ状態管理パラメータRPの値が1に設定されているか否かが判断される。1に設定されていない場合は、ステップS54において、可動部30aの駆動がオフ状態、すなわち可動部30aが駆動制御されない状態となる。1に設定されている場合はステップS55に処理が進む。
ステップS55で、ホール素子部44aで位置検出され、ホール素子信号処理回路45で演算された第1、第2検出位置信号px、pyがA/D2、A/D3を介してCPU21に入力され、A/D変換される。CPU21は、入力されたこれらの信号を用いて現在位置P(pdx、pdy)を求める。
ステップS56で、像ブレ補正パラメータISの値が0か否かが判断される。ISが値0、すなわち撮像装置1が補正モードでない場合は、ステップS57において可動部30aの移動すべき位置S(Sx、Sy)が可動部30aの移動中心位置と同じ位置に設定される。ISが値1、すなわち補正モードの場合は、ステップS58において、ステップS52で求められた第1、第2角速度vx、vyを用いて可動部30aの移動すべき位置S(Sx、Sy)が演算及び設定される。
ステップS59では、ステップS57又はS58で設定した位置S(Sx、Sy)と現在位置P(pdx、pdy)を用いて、可動部30aの移動に必要な駆動力D、すなわち第1、第2駆動コイル31a、32aを駆動するのに必要な第1駆動力Dx(第1PWMデューティdx)と、第2駆動力Dy(第2PWMデューティdy)とが演算される。ステップS60では、第1、第2PWMデューティdx、dyを用いて駆動ドライバ回路29が第1、第2駆動コイル31a、32aに通電し、これにより可動部30aが駆動される。ステップS59、S60の動作は、比例、積分、微分演算を行う一般的なPID自動制御で用いられる自動制御演算である。
次に、図5のステップS51で開始されるゴミ取り動作処理について図6から9を用いて説明する。
ゴミ取り動作処理が開始されると、ステップS701においてゴミ取り時間計測パラメータCNTの値が1つ加算される。次のステップS702において、ホール素子部44aの出力信号を用いてホール素子信号処理回路45が第1、第2検出位置信号px、pyを演算し、CPU21のA/D2、A/D3に入力する。CPU21は第1、第2検出位置信号px、pyをA/D変換し、現在位置P(pdx、pdy)を求める。
ステップS703において、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが65以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが65以下のとき、ステップS704からS706が実行される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが65以下でないとき、処理はステップS710へ移行する。
ステップS704からS706は、固定部30bの中央に可動部30aを移動させるa工程を実行するものである。
ステップS704では、可動部30aの移動すべき位置S(Sx、Sy)が可動部30aの移動中心位置と同じ位置に設定される。次のステップS705では、ステップS705で設定した位置Sと現在位置Pとを用いて、可動部30aの移動に必要な駆動力Dを演算する。この処理はタイマ割り込み処理におけるステップS59と同様である。ステップS706では、タイマ割り込み処理におけるステップS60と同様の処理を行って可動部30aを駆動する。そしてゴミ取り動作処理は終了し、処理はタイマ割り込み処理に戻る(サブルーチンリターン)。タイマ割り込み処理は第2時間(1ms)間隔で繰り返し実行される。そのため、メイン処理のステップS16においてゴミ取りパラメータGPが0に設定されるまでゴミ取り処理もまた反復して実行される。
再度ごみ取り動作処理が実行されるとステップS701では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが1だけ増やされ、値2となる。次にステップS702及びS703が実行される。ステップS703では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが値65以下であるか否かが判断される。前述のように、ゴミ取り時間計測パラメータCNTは2であるから、処理はステップS704へ移行し、ステップS704、S705及びS706を実行した後に終了する(サブルーチンリターン)。そしてタイマ割り込み処理においてゴミ取り処理が再度実行される。
ゴミ取り時間計測パラメータCNTが値65よりも大きくなるまでステップS701からS706が反復して実行される。ステップS703においてゴミ取り時間計測パラメータCNTが65より大きくなったとき、処理はステップS710に進む。このとき可動部30aは固定部30bの中央に置かれている。
ゴミ取り時間計測パラメータCNTの閾値が65に設定されるのは、可動部30aが現在位置から固定部30bの中央まで移動するために必要な最大時間間隔、すなわち可動部30aが固定部30bの角部から中央まで移動するときに要する標準的な時間と像ブレ補正部30の個体差により生じる移動時間の誤差とを加算して得られた時間間隔が65だからである。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが65以下であるときには、可動部30aが固定部30bの中央に未だ置かれていない可能性があり、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが65より大きいときには、可動部30aは固定部30bの中央に置かれていると判断できる。
ステップS710では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが115以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが115以下のとき、ステップS711からS714が実行される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが65以下でないとき、処理はステップS720へ移行する。
ステップS711からS714までの処理について説明する。ステップS711からS714は、固定部30bの下端に可動部30aを衝突させるb工程を実行するものである。
ステップS711では、第2PWMデューティdyの値が−DDに設定される。DDの値、つまり+DD及び−DDの絶対値は、第2方向yの移動範囲端に可動部30aを衝突させたとき、撮像素子等に付着しているゴミを衝突の衝撃によって除去可能な程度に可動部30aを第2方向yへ加速する加速度を実現するような値に設定される。なお、前述のように、−DDは可動部30aを第2方向yの負方向、すなわち固定部30bの下端方向に駆動する値である。
ステップS712では、可動部30aの移動すべき位置Sの第1方向x成分:Sxが可動部30aの第1方向xの移動中心位置と同じに設定される。
ステップS713では、ステップS712で設定した位置Sの第1方向x成分:Sxと現在位置Pの第1方向x成分:pdxとを用いて、可動部30aの第1方向xの移動(中心固定)に必要な駆動力D、すなわち第1駆動コイル31aに通電して可動部30aを駆動するために必要な第1駆動力Dx(第1PWMデューティdx)が演算される。
ステップS714では、第1、第2PWMデューティdx、dyの値に応じ駆動ドライバ回路29を介して第1、第2駆動コイル31a、32aに通電し、これにより可動部30aが駆動される。これにより、可動部30aは、第1方向xにおいては移動可能範囲の中心方向に駆動されて固定され(図9参照)、第2方向yにおいては負方向、つまり固定部30bの下端方向に向かって駆動される。その後、処理は終了する(サブルーチンリターン)。そしてタイマ割り込み処理においてゴミ取り処理が再度実行される。
再度ごみ取り動作処理が実行されるとステップS701では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが1だけ増やされ、値67となる。次にステップS702、S703、及びS710からS714が実行される。このようにして、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが値115よりも大きくなるまでステップS701からS703及びS701からS714が反復して実行される。ステップS710においてゴミ取り時間計測パラメータCNTが115より大きくなったとき、処理はステップS720に進む。S701からS714が反復して実行されることにより、可動部30aは固定部30bの下端と衝突し、固定部30bの下端と接触するように固定される。
ゴミ取り時間計測パラメータCNTの閾値が115msに設定されるのは、可動部30aが現在位置から固定部30bの下端と衝突し、その衝撃による跳ね返りが収まるまでの最大時間間隔、すなわち可動部30aが固定部30bの中央から下端まで移動するときに要する標準的な時間と、像ブレ補正部30の個体差により生じる移動時間の誤差と、跳ね返りが収まるまでの時間とを加算して得られた時間間隔が50msだからである。これにごみ取り動作処理開始からb工程を開始するまでの時間65msを加えた値が115msとなる。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが115以下であるときには、可動部30aが固定部30bの下端に未だ置かれていない可能性があり、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが115msより大きいときには、可動部30aは固定部30bの下端と接触するように固定されていると判断できる。
次のステップS720では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが165以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが165以下のとき、ステップS721及びS712からS714が実行される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが165以下でないとき、処理はステップS730へ移行する。
ステップS721及びS712からS714までの処理について説明する。ステップS721及びS712からS714は、固定部30bの下端に可動部30aを衝突させるc1工程を実行するものである。
ステップS721では、第2PWMデューティdyの値が+DDに設定される。前述のように、+DDは可動部30aを第2方向yの正方向、すなわち固定部30bの上端方向に駆動する値である。
そして、ステップS712からS714において前述と同様の処理が行われ、可動部30aは、第1方向xにおいては移動可能範囲の中心方向に駆動されて固定され(図9参照)、第2方向yにおいては正方向、つまり固定部30bの上端方向に向かって駆動される。その後、処理は終了する(サブルーチンリターン)。そしてタイマ割り込み処理においてゴミ取り処理が再度実行される。
再度ごみ取り動作処理が実行されるとステップS701では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが1だけ増やされ、値117となる。次にステップS702、S703、S720、S721、及びS712からS714が実行される。このようにして、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが値165よりも大きくなるまでステップS701からS703、S720、S721、及びS712からS714が反復して実行される。ステップS720においてゴミ取り時間計測パラメータCNTが165より大きくなったとき、処理はステップS730に進む。S721、及びS712からS714が反復して実行されることにより、可動部30aは固定部30bの上端と衝突し、固定部30bの上端と接触するように固定される。
ゴミ取り時間計測パラメータCNTの閾値が165msに設定されるのは、可動部30aが現在位置から固定部30bの上端と衝突し、その衝撃による跳ね返りが収まるまでの最大時間間隔、すなわち可動部30aが固定部30bの中央から上端まで移動するときに要する標準的な時間と、像ブレ補正部30の個体差により生じる移動時間の誤差と、跳ね返りが収まるまでの時間とを加算して得られた時間間隔が50msだからである。これにごみ取り動作処理開始からc1工程を開始するまでの時間115msを加えた値が165msとなる。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが165以下であるときには、可動部30aが固定部30bの上端に未だ置かれていない可能性があり、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが165より大きいときには、可動部30aは固定部30bの上端と接触するように固定されていると判断できる。
次のステップS730では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが215以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが215以下のとき、ステップS711からS714が実行される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが215以下でないとき、処理はステップS740へ移行する。
ステップS711からS714までの処理については前述したため、説明を省略する。ステップS711からS714は、固定部30bの下端に可動部30aを衝突させるd1工程を実行するものである。S711からS714が反復して実行されることにより、可動部30aは固定部30bの下端と衝突し、固定部30bの下端と接触するように固定される。
ゴミ取り時間計測パラメータCNTの閾値が215msに設定されるのは、前述と同様の理由からである。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが215以下であるときには、可動部30aが固定部30bの下端に未だ置かれていない可能性があり、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが215より大きいときには、可動部30aは固定部30bの下端と接触するように固定されていると判断できる。
ステップS740では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが245以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが245以下のとき、前述と同様にステップS721及びS712からS714が実行される。これにより固定部30bの上端に可動部30aを衝突させるc2工程が実行され、可動部30aは固定部30bの上端と係合する。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが245以下でないとき、処理はステップS750へ移行する。
d1工程の終了からc2工程の終了までの時間間隔は、d1工程における50msよりも短い時間である30msが設定される。d1工程の終了からc2工程の終了までの時間を短くすることにより、可動部30aの振動周波数を変更することが出来る。ごみを効率的に除去するためには、ごみの質量に応じた振動周波数を持つ振動を可動部30aに与える必要がある。そこで、可動部30aの振動周波数を変更することにより、50msの振動周波数において除去しきれず、かつ30msの振動周波数において除去されうるごみを除去することが可能となる。
ステップS750では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが275以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが275以下のとき、ステップS711からS714が実行される。これにより固定部30bの下端に可動部30aを衝突させるd2工程が実行され、可動部30aは固定部30bの下端と係合する。c2工程の終了からd2工程の終了までの時間間隔は30msである。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが275以下でないとき、処理はステップS760へ移行する。
ステップS760では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが290以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが290以下のとき、ステップS721及びS712からS714が実行される。これにより固定部30bの上端に可動部30aを衝突させるc3工程が実行され、可動部30aは固定部30bの上端と係合する。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが290以下でないとき、処理はステップS770へ移行する。
d2工程の終了からc3工程の終了までの時間間隔は、d2工程における30msよりも短い時間である15msが設定される。これにより、可動部30aの振動周波数を変更して、50ms及び30msの振動周波数において除去しきれず、かつ15msの振動周波数において除去されうるごみを除去することが可能となる。
ステップS770では、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが305以下であるか否かが判断される。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが305以下のとき、ステップS711からS714が実行される。c3工程の終了からd3工程の終了までの時間間隔は15msである。これにより固定部30bの下端に可動部30aを衝突させるd3工程が実行され、可動部30aは固定部30bの下端と係合する。ゴミ取り時間計測パラメータCNTが305以下でないとき、処理はステップS780へ移行する。
次のステップS780では、可動部30aは駆動オフ状態にされる。
本実施形態によれば、可動部30aの振動周波数を変化させることができるため、質量の異なるごみを効果的に除去することが可能になる。
また、可動部30aと固定部30bとの衝突から次回の可動部30a駆動までの時間を短縮できるため、ごみ取り処理全体の実行時間が短縮される。
なお、本実施形態ではゴミ取り時間計測パラメータCNTを次第に短くしたが、ゴミ取り時間計測パラメータCNTが次第に長く、又はランダムに若しくは規則的に変化してもよい。
可動部30aと固定部30bとの衝突は3回に限定されず、1回以上何回でもよい。例えば17回であってもよい。このとき、ステップS710からS770までの処理が衝突回数に応じて実行される。
また、ゴミ取り動作処理として、可動部30aを移動範囲の長い第1方向xにおいては移動範囲中心に保持し、移動範囲の短い第2方向yにおいては上下端方向に移動させて第2方向yの移動範囲端に衝突を繰り返す形態を説明したが、第1方向xにおいて移動範囲端に衝突させ、第2方向yにおいては移動範囲中心に保持する形態であってもよい。但し、撮像素子の撮像面の長手方向(第1方向x)は中心位置に保持した状態で第2方向yに移動させる本実施形態の方が、衝撃により除去されたゴミが再度付着する可能性を低下させることが可能になる。
また、ゴミ取り動作処理の最初に、可動部30aを移動させる位置は移動範囲中心に限らず、可動部30aが移動範囲端のいずれかに接触しない位置であればよい。
また、磁界変化検出素子としてホール素子を利用したホール素子部44aによる位置検出を説明したが、磁界変化検出素子として別の検出素子を利用してもよい。具体的には、磁界の変化を検出することにより可動部30aの位置検出情報を求めることが可能なMIセンサ(高周波キャリア型磁界センサ)、または磁気共鳴型磁界検出素子、MR素子(磁気抵抗効果素子)であり、ホール素子を利用した本実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態における撮像装置の外観を示す背面からみた斜視図である。 撮像装置の正面図である。 撮像装置の回路構成図である。 撮像装置のメイン動作処理を示すフローチャートである。 割り込み処理を示すフローチャートである。 ゴミ取り動作処理を示すフローチャートである。 ゴミ取り動作処理における第2方向yに対する可動部の移動軌跡を示す図である。 撮像装置をレンズ側からみたときの可動部の軌跡を概略的に示した図である。 ゴミ取り動作処理における第1方向xに対する可動部の移動軌跡を示す図である。
符号の説明
1 撮像装置
11 Ponボタン
12a 測光スイッチ
13 レリーズボタン
13a レリーズスイッチ
14 像ブレ補正ボタン
14a 像ブレ補正スイッチ
17 LCDモニタ
18 ミラー絞りシャッタ部
19 DSP
21 CPU
23 AE部
24 AF部
29 駆動ドライバ回路
30 像ブレ補正部
30a 可動部
30b 固定部
31a 第1駆動コイル
32a 第2駆動コイル
39a 撮像素子
411b 第1位置検出磁石
412b 第2位置検出磁石
431b 第1位置検出ヨーク
432b 第2位置検出ヨーク
44a ホール素子部
45 ホール素子信号処理回路
67 撮影レンズ
dx 第1PWMデューティ
dy 第2PWMデューティ
Dx 第1駆動力
Dy 第2駆動力
GP ゴミ取り状態管理パラメータGP
hh 水平方向ホール素子
hv 鉛直方向ホール素子

Claims (8)

  1. 可動部と、
    前記可動部の可動範囲内に設けられる固定部と、
    前記可動部を第1の方向へ駆動して前記固定部と衝突させる駆動手段とを備え、
    前記駆動手段は、異なる時間間隔をあけて、前記第1の方向の正負方向へ交互に前記可動部を駆動することにより、前記固定部に前記可動部を衝突させる駆動装置。
  2. 前記時間間隔は前記可動部が駆動される度に短くなる請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記時間間隔は前記可動部が駆動される度に長くなる請求項1に記載の駆動装置。
  4. 前記固定部は前記第1の方向に設けられる枠体を備え、前記可動部は前記枠体と衝突する請求項1に記載の駆動装置。
  5. 前記可動部の第2の方向への動きを抑制する第2の駆動手段をさらに備え、
    前記第1の駆動手段が前記可動部を駆動するとき、前記第2の駆動手段は、前記第2の方向に対し前記可動部を固定する請求項1に記載の駆動装置。
  6. 前記可動部が撮像素子を保持する請求項1に記載の駆動装置を備える撮像装置。
  7. 前記駆動手段は、前記撮像素子の撮像面内において前記第1の方向と独立した第2の方向に前記可動部を駆動可能であり、前記可動部を前記第1及び第2の方向に駆動させることにより手ブレ補正を行う手ブレ補正機能であって、
    前記固定部は、前記手ブレ補正を行うために前記可動部が駆動される手ブレ補正範囲を越えた位置に配置されるとともに、前記可動部は前記手ブレ補正範囲を超えて前記固定部に衝突する請求項5に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像素子の撮像面がカバー部材によって覆われる請求項6に記載の撮像装置。
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