JP2006191203A - 塵埃除去装置、撮像装置 - Google Patents

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伸也 松田
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正隆 浜田
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保明 芹田
Junichi Tanii
純一 谷井
Shigeru Wada
滋 和田
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Abstract

【課題】 撮像素子と撮影光学系との間の光路上に配置されたカバーガラス等に塵埃が付着している場合でも、該塵埃による影響の少ない綺麗な画像を得られる撮像装置及び塵埃除去装置を提供する。
【解決手段】 カバーガラス22の表面に塵埃付着防止用コーティング層を形成するとともに、圧電素子が積層されてなる加振機構23を設け、その圧電素子の積層方向における一端部をカバーガラス22の一端部適所に当接させ、且つ、圧接部材24によりカバーガラス22を加振機構23の前記一端部側に付勢した状態で、加振機構23にパルス状の駆動信号を印加する。これにより、カバーガラス22に大きな加速度、延いては塵埃に大きな慣性力を作用させて、該塵埃をカバーガラス22の表面から落下させるようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、撮像装置の技術分野に属し、特に、撮像素子と撮影光学系との間の光路上に配置されたフィルタやガラス等、塵埃が付着すると撮影画像の画質に影響を及ぼす虞のある塵埃付着対象体に塵埃が付着している場合の対策技術に関する。
従来、例えば一眼レフレックスタイプのカメラにおいて、交換レンズの着脱時にローパスフィルター等のフィルタに付着する塵埃の存在に起因して発生する撮影画像の画質低下を抑制するための技術が種々提案されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、モニタカメラの前面に取り付けられたフードガラスに付着した水滴を除去することを目的として、フードガラスの裏面に圧電振動子を接着剤により取り付け、フードガラスと振動子とを含む共振系を共振周波数で振動させることにより、振動子の所定位置に定在波を発生させ、この定在波によりフードガラスを振動させる技術が開示されている。
特許文献2には、CCDラインセンサを板ばねを介して撮像装置本体に支持し、ピエゾ素子に周波数と振幅とを経時的に変化させた電圧を印加することにより、ピエゾ素子に発生した変形をCCDラインセンサに振動として与える技術が記載されている。
特許文献3には、湿度による光学フィルタの曇りを防止することを目的として、ファインダの光学フィルタに防曇用の被膜を施す技術が開示されている。
また、船舶や汽車の分野において、視界を確保することを目的として、円形のガラス窓を旋回させて、遠心力により雨水や波飛沫を吹き飛ばす技術が知られている。
登録実用新案2541566号公報 特開平8−79633号公報 実公平8−7740号公報
しかしながら、特許文献1,2にあっては、付着物を除去するべく振動伝達物に伝達される振動は、定在波や周波数及び振幅が経時的に変化する振動であり、このような振動では、撮像素子と撮影光学系との間の光路上に配置されたフィルタやガラス等の塵埃付着対象体に付着している塵埃を十分に除去するのは困難である。
また、特許文献3においては、湿度による光学フィルタの曇りを防止することを目的としたものであり、撮像素子と撮影光学系との間の光路上に配置されたフィルタやガラス等の塵埃付着対象体に付着した塵埃を除去する技術ではない。
また、円形のガラス窓を旋回させて雨水や波飛沫を吹き飛ばす前述の技術においては、船舶等の運転時の視界を確保できる程度のものであり、デジタルカメラにおけるフィルタ等に付着する塵埃の除去に応用することを考えた場合、このような微小な塵埃までをも除去できる能力を有するまでには至らず、撮影画像の十分な画質を得るのは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、撮像素子と撮影光学系との間の光路上に配置されたカバーガラス等に塵埃が付着している場合であっても、該塵埃による影響の無い又は少ない綺麗な画像を得ることのできる塵埃除去装置、撮像装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、被写体の光像を結像する撮影光学系と前記撮影光学系の結像面上に撮像面が配置された撮像素子との間の光路上に配設された塵埃付着対象体に付着した塵埃を除去するための塵埃除去装置であって、前記塵埃付着対象体は、所定の方向に変位可能に構成されており、所定の部材を用いて前記塵埃付着対象体に対し前記所定の方向の衝撃を加える衝撃付与手段を備えることを特徴とするものである。
この発明によれば、所定の方向に変位可能に構成された塵埃付着対象体に対し、所定の部材を用いてその所定の方向の衝撃を与える衝撃付与手段を備えたので、従来に比して、塵埃付着対象体上の塵埃に大きな慣性力を作用させることができ、塵埃付着対象体に付着した塵埃を該塵埃付着対象体の表面から除去しやすくなる。これにより、撮像素子の受光面に塵埃の像(塵埃の陰影)が映し出されることを無くす、又は撮像素子の受光面に映し出される塵埃の像(塵埃の陰影)の数や量を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塵埃除去装置において、前記衝撃付与手段は、駆動信号が印加されることにより伸縮する電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子にパルス状の駆動信号を出力する駆動信号出力手段とを備え、前記駆動信号出力手段により印加されたパルス状の駆動信号により発生する前記電気機械変換素子の伸縮動作を前記衝撃として前記塵埃付着対象体に伝達することを特徴とするものである。
この発明によれば、電気機械変換素子にパルス状の駆動信号を印加し、これにより発生する電気機械変換素子の伸縮動作を衝撃として塵埃付着対象体に伝達するようにしたから、塵埃付着対象体に短時間の間に大きく変位させることができ、塵埃付着対象体に付着している塵埃を該塵埃付着対象体の表面から除去することが可能となる。また、衝撃付与手段を電気機械変換素子と駆動信号出力手段とにより構成したから、比較的簡単な構成で小型の衝撃付与手段を構成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の塵埃除去装置において、前記衝撃付与手段は、前記塵埃付着対象体と当接する当接部材と、前記塵埃付着対象体を前記当接部材に付勢する付勢手段とを備え、前記当接部材の形状又は変位を利用して前記塵埃付着対象体に対し前記所定の方向の衝撃を発生させることを特徴とするものである。
この発明によれば、塵埃付着対象体と当接する当接部材の形状又は変位を利用して塵埃付着対象体に対し所定の方向の衝撃を発生させるようにしたから、塵埃付着対象体に付着している塵埃を該塵埃付着対象体の表面から除去することが可能となる。また、衝撃付与手段を塵埃付着対象体と当接する当接部材と塵埃付着対象体を当接部材に付勢する付勢手段とにより構成したから、比較的簡単な構成で小型の衝撃付与手段を構成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の塵埃除去装置において、前記衝撃付与手段に動作を開始させる指示を入力するための入力操作手段を備えることを特徴とするものである。
この発明によれば、衝撃付与手段に動作を開始させる指示を入力するための入力操作手段を備えたから、装置の使用者の意図するタイミングで塵埃除去動作を実行させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の塵埃除去装置において、前記撮像素子の撮像動作により得られる画像を用いて塵埃付着対象体上の塵埃の有無を検知する検知手段と、前記検知手段により塵埃付着対象体上の塵埃の存在が検知されると、前記衝撃付与手段に動作を開始させる制御手段とを備えることを特徴とするものである。
この発明によれば、撮像素子の撮像動作により得られる画像を用いて塵埃付着対象体上の塵埃の有無を検知する検知手段と、この検知手段により塵埃付着対象体上の塵埃の存在が検知されると、前記衝撃付与手段に動作を開始させる制御手段とを備えたから、塵埃除去動作の実行を自動的に行う構成を実現することができる。
請求項6に記載の発明は、被写体の光像を結像する撮影光学系を備えたレンズユニットと、前記撮影光学系の結像面上に撮像面が配置された撮像素子を備えた装置本体とを備え、前記レンズユニットが前記装置本体に対して着脱可能に構成された撮像装置であって、請求項1ないし5のいずれかに記載の塵埃除去装置を備えたことを特徴とする撮像装置である。
この発明によれば、レンズユニットが装置本体に対して着脱可能に構成された撮像装置に、請求項1ないし5のいずれかに記載の塵埃除去装置を備えたから、装置本体内に侵入する可能性の高い撮像装置において、その塵埃の除去動作を行う構成を実現することができる。
請求項7に記載の発明は、被写体の光像を結像する撮影光学系を備えたレンズユニットと、前記撮影光学系の結像面上に撮像面が配置された撮像素子、前記撮像素子を収納するパッケージ、及び前記撮像素子と前記撮影光学系との間の光路上に配設され、所定の方向に変位可能に前記パッケージに支持されたカバーガラスを備えてなる撮像ユニットを有する装置本体とを備え、前記レンズユニットが前記装置本体に対して着脱可能に構成された撮像装置であって、前記塵埃付着対象体は、前記カバーガラスであり、請求項1ないし5のいずれかに記載の塵埃除去装置を備えたことを特徴とするものである。
この発明によれば、撮像素子と前記撮影光学系との間の光路上に配設されたカバーガラスに付着した塵埃を、請求項1ないし5のいずれかに記載の塵埃除去装置により除去することが可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の撮像装置において、前記塵埃付着対象体の表面に、該表面への塵埃の付着力を低減させるための塵埃付着防止用コーティング層が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、塵埃付着対象体の表面に、該表面への塵埃の付着力を低減させるための塵埃付着防止用コーティング層を形成したから、塵埃付着対象体の表面への塵埃の付着を防止または付着する塵埃の数や量を低減することができる。
請求項1に記載の発明によれば、撮像装置に該塵埃除去装置を搭載したとき、塵埃の影響の無い又は少ない綺麗な撮影画像を得ることができる。
請求項2、3に記載の発明によれば、塵埃付着対象体に付着している塵埃を該塵埃付着対象体の表面からできるだけ除去可能な構成が実現されるとともに、撮像装置に塵埃除去装置を搭載する場合に、該撮像装置の大型化を抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、レンズユニットが装置本体に対して着脱可能に構成された撮像装置に塵埃除去装置を搭載する場合に、装置本体に塵埃が侵入している可能性の高いレンズユニットの装着後に、塵埃除去動作を実行させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、安定して高品質な撮影画像を生成することができるとともに、塵埃除去装置の使用者が塵埃除去動作の実行を指示する必要が無い分、該装置の利便性を向上することができる。
請求項6に記載の発明によれば、レンズユニットの着脱時に塵埃が装置本体内に侵入しても、この塵埃による画像劣化の無い又は少ない綺麗な撮影画像が得られる撮像装置を実現することができる。
請求項7に記載の発明によれば、撮像素子の撮像面(受光面)に導かれた被写体像に、カバーガラスに付着した塵埃の像(陰影)が含まれるのを防止または抑制することができ、被写体像にできるだけ忠実な撮影画像を得ることができる。
請求項8に記載の発明によれば、塵埃の影響の無い又は少ない綺麗な撮影画像を得ることができる。
以下、本発明に係る撮像装置の第1の実施形態について説明する。図1は、撮像装置の第1の実施形態に係るデジタルカメラの構成を示す正面図、図2は、デジタルカメラの構成を示す背面図、図3は、デジタルカメラの内部構成を示す図である。なお、図1〜図3において、同一の部材等については、同一の符号を付している。
図1,図2に示すように、本実施形態に係るデジタルカメラ1は、箱形のカメラ本体1Aに交換レンズ(レンズユニット)2が交換可能(着脱可能)に取り付けられる一眼レフレックスタイプのカメラである。
デジタルカメラ1は、カメラ本体1Aの前面略中央に取り付けられる交換レンズ2と、上面適所に配設された第1モード設定ダイヤル3と、上方角部に配設されたシャッターボタン4と、背面左側に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)5と、LCD5の下方に配設された設定ボタン群6と、LCD5の側方に配設された方向キー7と、方向キー7の内側に配設されたプッシュボタン8と、LCD5の上方に配設された光学ファインダー9と、光学ファインダー9の側方に配設されたメインスイッチ10と、メインスイッチ10の近傍に配設された第2モード設定ダイヤル11と、光学ファインダー9の上方に配設された接続端子部12とを備えている。
交換レンズ2は、光学素子としてのレンズを鏡胴内において図1の紙面に垂直な方向に複数配置して構成されている。交換レンズ2に内蔵される光学素子として、変倍を行うズームレンズ13(図6参照)と、焦点の調節を行うためのフォーカスレンズ14(図6参照)とが備えられており、それぞれ光軸方向に駆動されることで、変倍や焦点調節が行われる。
交換レンズ2には、その鏡胴の外周適所に該鏡胴の外周面に沿って回転可能な図略の操作環が備えられており、ズームレンズ13は、前記操作環の回転方向及び回転量に応じて光軸方向に移動し、その移動先の位置に応じたズーム倍率(撮影倍率)に設定される手動式のズームレンズである。なお、交換レンズ2は、図略の取外しボタンを押圧操作することで、カメラ本体1Aから取り外すことができる。
第1モード設定ダイヤル3は、デジタルカメラ1の上面と略平行な面上で回動可能な略円盤状の部材であり、静止画や動画を撮影する撮影モードや記録済みの画像を再生する再生モード等、デジタルカメラ1に搭載されたモードや機能を択一的に選択するためのものである。図示はしないが、第1モード設定ダイヤル3の上面には、各機能を示すキャラクターがそれぞれその外周縁に沿って所定の間隔で表記されていて、カメラ本体1A側の適所に設けられた指標と対向する位置にセットされたキャラクターに対応する機能が実行される。
シャッターボタン4は、途中まで押し込む半押し操作と完全に押し切る全押し操作との2段階で押圧操作されるボタンであり、主に後述する撮像ユニット19(図3、図4参照)による露光動作のタイミングを指示するためのものである。シャッターボタン4の半押し操作が行われることで、露出制御値(シャッタースピード及び絞り値)等の設定が行われる撮像待機状態に設定され、全押し操作が行われることで、後述する記憶部54(図6参照)に記録する被写体の画像を生成するための撮像ユニット19による露光動作が開始される。
シャッターボタン4の半押し操作は、図略のスイッチS1がオンされることにより検出され、シャッターボタン4の全押し操作は、図略のスイッチS2がオンされることにより検出される。
LCD5は、カラー液晶パネルを備えてなり、撮像ユニット19により撮像された画像の表示や記録済みの画像の再生表示等を行うとともに、デジタルカメラ1に搭載される機能やモードの設定画面を表示するものである。なお、LCD5に代えて、有機ELやプラズマの表示装置であってもよい。
設定ボタン群6は、デジタルカメラ1に搭載された各種の機能に対する操作を行うボタンである。また、本実施形態では、後述する塵埃除去動作の実行を開始する指示を入力するための塵埃除去ボタン6aが設定ボタン群6に含まれている。
方向キー7は、円周方向に一定間隔で配置された複数の押圧部(図中の三角印の部分)を備える環状の部材を有し、各押圧部に対応して備えられた図略の接点(スイッチ)により押圧部の押圧操作が検出されるように構成されている。また、プッシュボタン8は、方向キー7の中央に配置されている。
方向キー7及びプッシュボタン8は、撮影倍率の変更(ズームレンズのワイド方向やテレ方向への移動)、LCD5に再生する記録画像のコマ送り、及び撮影条件(絞り値、シャッタースピード、フラッシュ発光の有無等)の設定等の指示を入力するためのものである。
光学ファインダー9は、被写体が撮影される範囲を光学的に表示するものである。メインスイッチ10は、左右にスライドする2接点のスライドスイッチからなり、左にセットするとデジタルカメラ1の主電源がオンされ、右にセットすると主電源がオフされる。
第2モード設定ダイヤル11は、第1モード設定ダイヤル3と同様の機械的構成を有し、デジタルカメラ1に搭載された各種の機能に対する操作を行うものである。接続端子部12は、図略のフラッシュ等の外部装置を当該デジタルカメラ1と接続するための端子である。
図3に示すように、カメラ本体1Aの内部には、光学ファインダー9と、AF駆動ユニット15と、撮像ユニット19と、シャッターユニット27と、ミラーボックス28と、位相差AFモジュール33と、全体制御部37とが備えられている。
AF駆動ユニット15は、AFアクチュエータ16と、エンコーダ17と、出力軸18とを備えてなる。AFアクチュエータ16は、駆動源を発生するDCモータ、ステッピングモータ、超音波モータ等のモータ及びモータの回転数を減速するための図略の減速系を含むものである。
エンコーダ17は、詳細には説明しないが、AFアクチュエータ16から出力軸18に伝達される回転量を検出するものであり、検出した回転量は、交換レンズ2内の撮影光学系38の位置算出に用いられる。出力軸18は、AFアクチュエータ16から出力される駆動力を交換レンズ2内の後述するレンズ駆動機構40に伝達するものである。
図4は、撮像ユニット19の構造を示す分解斜視図である。撮像ユニット19は、カメラ本体1Aの背面側の領域において該背面に略平行に配設されており、図4に示すように、撮像素子20と、パッケージ21と、カバーガラス22と、加振機構23と、圧接部材24と、捕捉部材26とを備えて構成されている。
撮像素子20は、例えばフォトダイオード等で構成される複数の光電変換素子がマトリックス状に2次元配列され、各光電変換素子の受光面に、それぞれ分光特性の異なる例えばR(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタが1:2:1の比率で配設されてなるベイヤー配列のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カラーエリアセンサである。撮像素子20は、その受光面が撮影光学系38の光軸に直交する平面と略平行となるようにパッケージ21内に配置され、撮影光学系38(図6参照)により結像された被写体の光像をR(赤),G(緑),B(青)各色成分のアナログの電気信号(画像信号)に変換し、R,G,B各色の画像信号として出力する。
パッケージ21は、例えばセラミックやプラスチック等の材質からなり、撮像素子20を収納する例えば直方形状の部材である。パッケージ21は、複数の電極21aを有しており、図3において、紙面に垂直な方向をX軸、図3の上下方向をY軸、これらX軸及びY軸に垂直な方向(撮影光学系38の光軸L方向)をZ軸とする3次元座標系を想定した場合、前記電極21aとXY平面上に配設された基板25上の端子との接続を介して該基板25上に設置されている。
パッケージ21には、Z軸方向からみたとき、四角形状の第1中空部21bと、この第1中空部21より小さい四角形状の第2中空部21cとがX軸方向に連続することにより、X軸方向に凸形状を有した中空部21dが形成されている。この中空部21d内には、撮像素子20が収納されるとともに、後述のカバーガラス22、加振機構23と、圧接部材24が配設されている。
カバーガラス22(特許請求の範囲における塵埃付着対象体の一例)は、パッケージ21内において前記撮像素子20の前面側(撮影光学系38側)に配置され、撮影光学系38からの光を撮像素子20に導きつつパッケージ21内に侵入しようとする塵埃から撮像素子20を保護するためのものである。
本実施形態のデジタルカメラ1は、カメラ本体1Aに対して交換レンズ2が交換可能であるため、その交換レンズ2の着脱時に、カメラ本体1Aの内部に塵埃が侵入する場合がある。この塵埃としては、例えば、地面からの土ほこり、工場における燃焼対象の燃焼による燃焼灰、自動車等からの排気ガスに含有している燃焼灰、衣服等から発生する繊維状の綿ほこり等がある。
このように、カバーガラス22は、前記各種の塵埃から撮像素子20を保護するために設けられたものであるが、撮影光学系38と撮像素子20との間の光路上に配置されているため、交換レンズ2の着脱時にカメラ本体1Aの内部に侵入してきた塵埃がこのカバーガラス22の表面に付着すると、撮影画像にその塵埃の陰影が映し出されることとなり、撮影画像の品質低下を招来することとなる。
そこで、本実施形態では、カバーガラス22の表面への塵埃の付着を抑制又は防止すべく、カバーガラス22の表面に、フッ素樹脂やシリコン樹脂等を被覆して塵埃付着防止用コーティング層を形成し、カバーガラス22の表面への塵埃の付着力が小さくなるようにしている。
加振機構23は、例えばチタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛などの材料で生成されるセラミックから構成された圧電素子が積層されてなる積層型圧電素子であり、その積層方向における一端部がカバーガラス22の一端部適所に当接した状態で、パッケージ21の前記第2中空部21c内に配設されている。
加振機構23の図略の電極部は、基板25に配設された後述の全体制御部(図6参照)と信号線23aで接続されており、該信号線23aを介して全体制御部37からパルス状の駆動信号(駆動電圧)が与えられると、各圧電素子が前記積層方向に変形(伸縮)する。加振機構23は、この圧電素子の特性を用いてカバーガラス22に急速な変位(衝撃)を与えることにより、カバーガラス22に前記塵埃付着防止用コーティング層を形成してもなお該カバーガラス22の表面に付着している塵埃をカバーガラス22の表面から落下させる。
すなわち、一般に、粉体粒子(サイズの小さい塵埃)の付着は、静電気力、分子間力、液架橋力等により発生するといわれており、その粒子のサイズが小さくなると、該粒子の質量に対する表面積の比が大きくなり、また、前述の静電気力等はこの表面積に比例することから、サイズの小さい塵埃はカバーガラス22に付着しやすい。
そして、カバーガラス22に急速な変位(衝撃)を付与すると、該カバーガラス22に付着していた塵埃には現状の位置に留まろうとする慣性力が作用する。この慣性力の大きさは、粒子の質量と加速度に比例するから、塵埃に作用する慣性力が前記付着力より大きくなるような加速度の変位(振動)をカバーガラス22に与えることで、該塵埃を落下させることができる。
変位の加速度は、加振機構23に印加する駆動信号の波形によって異なる。図5(a)は、加振機構23に印加する正弦波の駆動信号の波形と、この正弦波の駆動信号を印加した場合の加速度の変化とを示すグラフであり、図5(b)は、加振機構23に印加するパルス波の駆動信号の波形と、このパルス波の駆動信号を印加した場合の加速度の変化を示すグラフである。なお、図5(a),(b)において、駆動信号を示すグラフの横軸は時間、縦軸は電圧であり、加速度の変化を示すグラフの横軸は時間、縦軸は加速度であり、また、駆動信号の波形の振幅(駆動電圧の最大値)は、両駆動信号で同一(電圧V1)としている。
図5(a)に示すように、加振機構23に印加する駆動信号が正弦波である場合には、カバーガラス22の変位の加速度は、最大値(振幅)をA1とする前記駆動信号の周期に対応した正弦波状に変化する。一方、図5(b)に示すように、加振機構23に印加する駆動信号がパルス波である場合には、図5(a)に示す駆動信号を印加する場合に比して、各圧電素子が短時間の間に急速に伸縮するため、加速度の最大値A2が正弦波の駆動信号(図5(a))である場合に比して大きくなる(A2>A1)。本実施形態では、カバーガラス22に付着している塵埃をできるだけ除去すべく、加振機構23には図5(b)に示すようなパルス状の駆動信号を出力して、カバーガラス22に作用する加速度を大きくするようにしている。加振機構23は、特許請求の範囲の衝撃付与手段に相当する。
図4に戻り、圧接部材24は、交差角が変化するように弾性的に変形可能なV字形状の部材からなり、カバーガラス22を加振機構23の一端部側に付勢する付勢手段(ばね)としての機能を有するものである。圧接部材24は、交差部24aをカバーガラス22の端面に、端部24b,24cをパッケージ21の内壁面適所にそれぞれ当接させた状態で、X軸方向においてカバーガラス22に対して加振機構23と反対側の位置に配設されている。なお、圧接部材24は、前述のものに限らず、巻きばねや板ばね等、カバーガラスを加振機構23に付勢するものであれば何でもよい。
カバーガラス22の下端面近傍には、前記加振機構23の動作により落下した塵埃を捕捉するための捕捉部材26が配設されている。捕捉部材26は、例えばスポンジ等の多孔質の部材からなり、加振機構23の動作によりカバーガラス22の表面から落下した塵埃を捕捉することで、一旦カバーガラス22の表面から離散した塵埃がカメラ本体1Aの内部を飛散し、再度カバーガラス22やレンズの表面等に付着するのを防止又は抑制するようにしている。パッケージ19の開口21dは、弾性体からなるシール部材により、カバーガラス22とともに閉鎖されており、撮像素子20への塵埃の付着を防止するようにしている。
図3に戻り、シャッターユニット27は、フォーカルプレーンシャッター(以下、単にシャッターという)を有してなり、ミラーボックス28の背面と撮像ユニット19との間に配設されている。
光学ファインダー9は、カメラ本体1Aの略中央に配設されたミラーボックス28の上部に配設されており、焦点板29と、プリズム30と、接眼レンズ31と、ファインダー表示素子32とを備えて構成されている。プリズム30は、焦点板29上の像の左右を反転させ接眼レンズ31を介して撮影者の眼に導き、被写体像を視認できるようにするものである。ファインダー表示素子32は、ファインダー視野枠9a内(図2参照)に形成される表示画面の下部に、シャッター速度、絞り値、露出補正値等を表示する。
位相差AFモジュール33は、ミラーボックス28の底部に配設されており、周知技術である位相差検出方式により合焦位置を検出するものである。位相差AFモジュール33は、本出願人が提案した例えば特開平11−84226号に開示されている構成を有するものであり、詳細な構成の説明は省略する。
ミラーボックス28は、クイックリターンミラー34とサブミラー35とを備えて構成されている。クイックリターンミラー34は、回動支点36を中心として、図3の実線で示すように、撮影光学系38の光軸Lに対して略45度傾斜した姿勢(以下、傾斜姿勢という)と、図3の仮想線で示すように、カメラ本体1Aの底面と略平行な姿勢(以下、水平姿勢という)との間で回動自在に構成されている。
サブミラー35は、クイックリターンミラー34の背面側(撮像ユニット19側)に配設されており、図3の実線で示すように、傾斜姿勢にあるクイックリターンミラー34に対して略90度傾斜した姿勢(以下、傾斜姿勢という)と、図3の仮想線で示すように、水平姿勢にあるクイックリターンミラー34と略平行な姿勢(以下、水平姿勢という)との間で、クイックリターンミラー34に連動して変位可能に構成されている。クイックリターンミラー34及びサブミラー35は、後述のミラー駆動機構44(図6参照)により駆動される。
シャッターボタン4の全押し操作が行われるまでの期間、クイックリターンミラー34及びサブミラー35が傾斜姿勢となり、クイックリターンミラー34は、撮影光学系38による光束の大部分を焦点板29方向に反射するとともに残りの光束を透過させ、また、サブミラー35は、クイックリターンミラー34を透過した光束を位相差AFモジュール33に導く。このとき、光学ファインダー9による被写体像の表示と位相差AFモジュール33による位相差検出方式の焦点調節動作とが行われる一方、撮像ユニット19には光束が導かれないため、LCD5による被写体の画像の表示は行われない。
一方、シャッターボタン4が全押しされたとき(記録用画像の撮像中)には、クイックリターンミラー34及びサブミラー35が水平姿勢となり、クイックリターンミラー34及びサブミラー35は光軸Lから退避するため、撮影光学系38を透過した光束は略全て撮像ユニット19に導かれる。このとき、LCD5による被写体の画像表示が行われる一方、光学ファインダー9による被写体の画像表示や位相差AFモジュール33による位相差検出方式の焦点調節動作は行われない。
全体制御部37は、例えば制御プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するフラッシュメモリ等の後述する記憶部65(図6参照)が内蔵されたマイクロコンピュータからなるものであり、詳細な機能については後述する。
次に、カメラ本体1Aに装着される交換レンズ2について説明する。図3に示すように、交換レンズ2は、撮影光学系38と、鏡胴39と、レンズ駆動機構40と、レンズエンコーダ41と、記憶部42とを備える。
撮影光学系38は、撮影倍率(焦点距離)を変更するためのズームレンズ13(図6参照)と、焦点位置を調節するためのフォーカスレンズ14(図6参照)と、カメラ本体1Aに備えられる後述の撮像ユニット19等へ入射される光量を調節するための絞り43とが、鏡胴39内において光軸L方向に保持されてなり、被写体の光像を取り込んで該光像を撮像ユニット19等に結像するものである。焦点調節動作は、撮影光学系38がカメラ本体1A内のAFアクチュエータ16により光軸L方向に駆動されることで行われる。なお、撮影倍率(焦点距離)の変更(ズーム動作)は、前述したように図略のズームリングにより手動で行われる。
レンズ駆動機構40は、例えばヘリコイド及びヘリコイドを回転させる図略のギヤ等で構成され、カプラーCを介してAFアクチュエータ16からの駆動力を受けて、撮影光学系38を一体的に光軸Lと平行な矢印A方向に移動させるものである。撮影光学系38の移動方向及び移動量は、それぞれAFアクチュエータ16の回転方向及び回転数に従う。
レンズエンコーダ41は、撮影光学系38の移動範囲内において光軸L方向に複数個のコードパターンが所定ピッチで形成されたエンコード板と、このエンコード板に摺接しながら鏡胴39と一体的に移動する図略のエンコーダブラシとを備えてなり、撮影光学系38の焦点調節時の移動量を検出するためのものである。
記憶部42は、当該交換レンズ2がカメラ本体1Aに装着され、カメラ本体1A内の全体制御部37からデータの要求があった場合に、該カメラ本体1A内の全体制御部37に記憶内容を提供するものである。記憶部42は、レンズエンコーダ41から出力される撮影光学系38の移動量の情報や絞り43の現在の開口径等を記憶する。
次に、本実施形態に係るデジタルカメラ1の電気的な構成について説明する。図6は、カメラ本体1Aに交換レンズ2が装着された状態でのデジタルカメラ1全体の電気的な構成を示すブロック図である。また、図1〜図4と同一の部材等については、同一の符号を付している。また、図6の点線は、交換レンズ2内に搭載される部材等であることを示している。
図6に示すように、撮影光学系38は、図3に示す撮影光学系38に相当するものであり、撮影倍率(焦点距離)を変更するためのズームレンズ13と、焦点位置を調節するためのフォーカスレンズ14とを鏡胴39内に備えてなる。AFアクチュエータ16、エンコーダ17、出力軸18、レンズ駆動機構40及びレンズエンコーダ41は、それぞれ図3に示すAFアクチュエータ16、エンコーダ17、出力軸18、レンズ駆動機構40及びレンズエンコーダ41に相当するものである。記憶部42は、図3に示す記憶部42に相当するものである。ミラーボックス28は、クイックリターンミラー34及びサブミラー35を備え、位相差AFモジュール33は、図3に示す位相差AFモジュール33に相当するものである。
撮像素子20は、図4に示す撮像素子20に相当するものであり、後述のタイミング制御回路47により、撮像素子20の露出動作の開始及び終了や、撮像素子20における各画素の出力信号の読出し(水平同期、垂直同期、転送)等の撮像動作が制御される。
ミラーユニット44は、クイックリターンミラー34及びサブミラー35を含むものである。ミラー駆動機構44は、クイックリターンミラー34やサブミラー35を傾斜姿勢と水平姿勢との間で駆動するものであり、その動作は、全体制御部37により制御される。
信号処理部45は、撮像素子20から出力されるアナログの画像信号に所定のアナログ信号処理を施すものである。信号処理部45は、CDS(相関二重サンプリング)回路とAGC(オートゲインコントロール)回路とを有し、CDS回路により画像信号のノイズの低減を行い、AGC回路により画像信号のレベル調整を行う。
A/D変換部46は、信号処理部45により出力されたアナログのR,G,Bの画素信号を、複数のビット(例えば10ビット)からなるデジタルの画素信号にそれぞれ変換するものである。以下、このA/D変換部46によるA/D変換処理後の画素信号を、アナログの画素信号と区別するため、画素データというものとする。
タイミング制御回路47は、全体制御部37から出力される基準クロックCLK0に基づいてクロックCLK1,CLK2を生成し、クロックCLK1を撮像ユニット19に、また、クロックCLK2をA/D変換部46にそれぞれ出力することにより、撮像ユニット19及びA/D変換部46の動作を制御する。
画像処理部48は、A/D変換部46によるA/D変換処理後の画素データに対し、黒レベルを基準の黒レベルに補正する黒レベル補正回路49、光源に応じた白の基準に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分の画素データのレベル変換を行うホワイトバランス回路(図6ではWB回路と表記)50、R(赤),G(緑),B(青)の各色の画素データのγ特性を補正するγ補正回路51を備えるものである。
画像メモリ52は、撮影モード時には、画像処理部48から出力される画像データを一時的に記憶し、この画像データに対し全体制御部37により後述の処理を行うための作業領域として用いられるとともに、再生モード時には、全体制御部37が後述の記憶部54から読み出した画像データが一時的に記憶されるメモリである。
VRAM53は、LCD5の画素数に対応した画像信号の記録容量を有し、LCD5に再生表示される画像を構成する画素信号のバッファメモリである。LCD5は、図2に示すLCD5に相当するものである。
記憶部54は、半導体記憶素子からなるメモリカードやハードディスクなどからなり、全体制御部37で生成された画像を保存するものである。
入力操作部55は、前述の第1モード設定ダイヤル3、シャッターボタン4、設定ボタン群6、方向キー7、プッシュボタン8、メインスイッチ10及び第2モード設定ダイヤル11等を含み、操作情報を全体制御部37に入力するためのものである。
塵埃除去部56は、撮像ユニット19内のカバーガラス22を振動させる加振機構23と、該カバーガラス22を加振機構23側に付勢する圧接部材24と、カバーガラス22の下端面近傍に配置された捕捉部材24とを含むものである(図4参照)。
本実施形態のデジタルカメラ1は、前述のように、カバーガラス22に付着した塵埃を除去する機能に加えて、カバーガラス22上の塵埃の有無や、カバーガラス22に付着した塵埃により画像中に含まれる塵埃像(塵埃による陰影)を検出する機能を備えており、その機能を実現するための構成として、以下に説明する補助光照射部57が備えられている。図7は、補助光照射部57の構成を示す斜視図である。
図7に示すように、補助光照射部57は、ミラーボックス28の下方に配設された、例えばLED(Light Emitting Diode)等からなる発光部58と、該発光部58とクイックリターンミラー34との間に配設され、該発光部58からの光を拡散させるレンズ59と、クイックリターンミラー34の背面(図3の矢印Sで示す面)に設けられた小ミラー60とを備えて構成されている。発光部58により出力された光は前記レンズ59により拡散され、その拡散された光が小ミラー60により撮像素子20に向けて反射されて、その反射光が撮像素子20の受光面に導かれる。
発光部58は、その大きさが十分に小さく点光源とみなせるものであり、クイックリターンミラー34が傾斜姿勢となったときに(記録用撮像動作を行う期間以外のときに)、その発光部58からの光が撮像素子20の受光面(撮像面)全体に照射されるように、発光部58、レンズ及び小ミラー60の配置位置が設定されている。なお、発光部58から出力される光の光量は、後述する塵埃検出時において行われる撮像素子20の撮像動作で得られる画像が白飛び(輝度が大き過ぎて画像が白くなる現象)しない程度に設定されているとともに、その分光分布は略白色に設定されている。なお、小ミラー60は、撮影光学系38からクイックリターンミラー34を介して導かれた光については、サブミラー35に向けて透過させるようになっている。
全体制御部37は、図4に示すデジタルカメラ1内の各部材の駆動を関連付けて撮影動作や再生動作の制御を行うものである。また、本実施形態では、全体制御部37は、カバーガラス22に付着した塵埃の除去や、該除去動作によってもなおカバーガラス22上に残存する塵埃の存在に起因する撮影画像の劣化を復元する処理を行うようになっており、これらの処理を実行すべく、機能的に、光透過率算出部61、塵埃サイズ検出部62、塵埃除去制御部63、復元処理部64及び記憶部65を備えている。
以下、カバーガラス22に付着した塵埃に関する一連の処理について説明を行うが、この処理の概略をまず説明した後、前記各部61〜64による詳細な処理の説明を行うこととする。図8、図9は、全体制御部30により行われる、カバーガラス22に付着した塵埃に関する一連の処理を示すフローチャートである。
図8に示すように、全体制御部37は、塵埃除去ボタン6aにより塵埃の除去を指示する旨の入力が行われると(ステップ♯1でYES)、カバーガラス22に塵埃が付着しているか否かを検出する処理を実行し(ステップ♯2)、塵埃を検出しなかった場合には(ステップ♯3でNO)、一連の処理を終了する。
一方、全体制御部37は、塵埃を検出した場合には(ステップ♯3でYES)、塵埃除去部56を用いて、カバーガラス22から塵埃を除去する処理を実行する(ステップ♯4)。そして、全体制御部37は、再度、カバーガラス22に塵埃が付着しているか否かを検出する処理を実行し(ステップ♯5)、塵埃を検出しなかった場合には(ステップ♯6でNO)、一連の処理を終了する一方、再び塵埃を検出した場合には(ステップ♯6でYES)、ステップ♯5で実行した塵埃検出処理により得られた後述の塵埃像(外光を遮光した状態で行った撮像動作により得られる画像)を記憶しておく(ステップ♯7)。
その後、図9に示すように、撮影者により撮影の指示が行われると、全体制御部37は、一連の撮影動作の完了後(ステップ♯11でYES)、塵埃像を記憶しているか否かを確認する(ステップ♯12)。塵埃像を記憶している場合には(ステップ♯12でYES)、後述する復元処理(撮影した画像から塵埃の影響を除去又は抑制する処理)を行った後(ステップ♯13)、画像データを所定の形式に変換して記憶部54に格納する(ステップ♯14)。一方、全体制御部37は、塵埃の像を記憶していない場合には(ステップ♯12でNO)、塵埃検出処理の開始を指示するように促す旨を例えばLCD5に表示するなどして(ステップ♯15)、前記復元処理を実行することなくステップ♯14の処理を実行する。
次に、各部の詳細な処理内容について説明する。なお、前述した塵埃の中には、その種類や付着量によっては、撮影光学系38から導かれた被写体光を完全に遮断する(光の透過率が0%)場合も考えられるが、一般的には、若干の光が該塵埃を透過することから、撮影画像に生じた塵埃像は、撮影光学系38から導かれた光が該塵埃の存在によって減衰してなる像と考えることができる。本実施形態では、検出及び除去対象の塵埃は、該撮像素子20の受光面への光を完全に遮断するものではなく、一部の光を透過するものであるという前提で説明することとする。
光透過率算出部61は、撮像ユニット19(カバーガラス22)への入射光の光量をその受光面全体に対して均一にした状態において、各画素への実際の入射光量が、塵埃の影響を受けていない場合の光量に対してどれだけの割合であるか、換言すれば、前記の状態において、撮像素子20の各画素によりそれぞれ撮像された各画像の画素値の、塵埃の影響を受けていない場合の画素値に対する割合を各画素の位置についてそれぞれ算出するものである。以下、この割合を光透過率といい、光透過率算出部61による光透過率の算出方法について説明する。
光透過率算出部61は、まず、塵埃除去ボタン6aが押圧されると、絞り43及びシャッターユニット27を閉鎖して外光を遮断した上で発光部58を点灯させる。これにより、サブミラー35は傾斜姿勢であるため、前記発光部58による光のみが、レンズ59により拡散された上でカバーガラス22の各部に均一に導かれる。
この状態で、光透過率算出部61は、撮像素子20に撮像動作を1回行わせた後、カバーガラス22のX軸方向(図4参照)への移動と同期させて撮像素子20に撮像動作を複数回行わせる。このときに行うカバーガラス22の移動には、前述の塵埃除去動作に用いた加振機構23を用いる。なお、通常、カバーガラス22に付着する塵埃のサイズは、概ね数ミクロンから数十ミクロンで、大きなものでも数百ミクロン以下である。これらの塵埃が塊状でカバーガラス22に付着している可能性は低いと考えられるので、カバーガラス22の総移動量は例えば1mm程度でよい。
カバーガラス22上に塵埃が付着している場合、この一連の撮像動作によって得られる複数の撮影画像を比較すると、その塵埃の像が各撮影画像でX軸方向に異なる位置に現れる。
図10は、一定の時間間隔でカバーガラス22の移動及び撮像素子20の撮像動作を行わせた場合に、該撮像素子20におけるX軸方向に並ぶ或る画素列に属する画素の画素値を示すグラフであり、図10(a)は、カバーガラス22の移動開始と同時(時刻T=0)に撮像素子20に撮像動作を行わせたときの画素値、図10(b)〜(d)は、時刻T=0から時間Δtずつ経過した時点(時刻T=Δt,2Δt,3Δt)で撮像素子20に撮像動作を行わせたときの画素値を示す。なお、図10(a)〜(d)においては、前記画素列に属する画素に対してX座標を設定し、各画素の位置を座標で表している。
また、図11は、カバーガラス22の表面に塵埃が付着している場合に、撮像素子20に対する該塵埃の投影状態を示す斜視図であり、図12は、同じくその状態を示す側面図である。なお、発光部58やレンズ59の実際の配設位置は、前述したとおり(図7に示すように)、ミラーボックス28の下方に配設されているが、この図11,図12においては、この実際の配設位置と光学的に等価と考えられる、カバーガラス22と対向する位置に示している。
図11、図12に示すように、カバーガラス22の表面に塵埃Mが付着している場合、この塵埃Mの背後に位置する所定領域の画素には、他の画素に比して補助光照射部57からの光が減衰されるため、この画素から出力される画素信号の画素値は、それ以外の画素から出力される画素信号の画素値に比して小さくなる。図11、図12に示すカバーガラス22上の斜線部分は塵埃Mを示し、撮像素子20上の斜線部分は、塵埃Mの陰影を示している。
図10(a)に示すグラフにおいて、比較的大きく凹んだ部分が塵埃Mにより光が減衰されてなる像が投影された画素領域であり、図10(b)〜(d)に示すように、カバーガラス22をX軸方向に移動させるに伴って、この凹部分がX軸方向に移動していく。
なお、図10の(a)〜(d)に示すように、発光部58の照射光の指向性や、発光部58から撮像素子20までの距離、あるいは補助光照射部57内のレンズ59の所謂周辺光量落ち等に起因して、X軸方向両側に行くほど画素値が漸減しているが、以下においては、塵埃Mが存在する位置を除いて、略同一の画素値であるとみなして説明を行う。
今、時刻Tにおける位置(X座標)xの画素Xの画素値をL(x,T)と表すものとし、X軸方向の或る位置x1に位置する画素X1(以下、この画素を注目画素X1という)に着目して説明する。光透過率算出部61は、各時刻T=0,Δt,2Δt,3Δtにおける注目画素X1の画素値L(x1,0),L(x1,Δt),L(x1,2Δt),L(x1,3Δt)を互いに比較する。
その結果、図10(a)〜(d)に示すように、注目画素X1の時刻T=0における画素値L(x1,0)は、他の時刻T=Δt,2Δt,3Δtにおける当該注目画素X1の画素値L(x1,Δt),L(x1,2Δt),L(x1,3Δt)に比して非常に(極端に)小さく、注目画素X1の時刻T=Δt,2Δt,3Δtにおける画素値L(x1,Δt),L(x1,2Δt),L(x1,3Δt)は、L(x1,Δt)≒L(x1,2Δt)≒L(x1,3Δt)となり、且つ、その移動中に当該注目画素X1が出力する画素値の中で最大であることが判る。
したがって、光透過率算出部61は、時刻T=0における画素値(x1,0)を当該注目画素X1に塵埃の陰影が投影された場合の画素値(塵埃の影響を受けている画素値)として設定するとともに、時刻T=Δt,2Δt,3Δtにおける画素値L(x1,Δt)(≒L(x1,2Δt)≒L(x1,3Δt))を、当該注目画素X1に塵埃の陰影が投影されていない場合の画素値(塵埃の影響を受けていない画素値)として設定する。
そして、光透過率算出部61は、時刻T=0における注目画素X1の画素値L(x1,0)を前記画素値L(x1,Δt)で除算する。これにより、注目画素X1の位置における光透過率を算出することができる。なお、この光透過率は、百分率に換算するため0〜100までの値となる。
他の画素についても同様に行って、各画素の位置における光透過率の分布を導出する。図13は、撮像素子20におけるX軸方向に並ぶ或る画素列に属する各画素の位置における光透過率の分布の一例を示すグラフであり、例えば図13では、位置xがx2≦x≦x3までの範囲に位置する画素に塵埃像が投影されていることが判る。
このように、算出された光透過率が小さい画素に、カバーガラス22に付着している塵埃像が投影されていると考えられることから、光透過率が所定の閾値より小さい画素からなる領域を検出することで、撮像素子20に投影される塵埃像及びそのサイズを検出することができる。
ところで、このような光透過率の算出方法に代えて、次のような算出方法も採用可能である。
すなわち、デジタルカメラ1の出荷時等(塵埃がカバーガラス22にほとんど付着していないと考えられるとき)に、外光を遮断した状態で発光部58を点灯し各画素の画素値(以下、基準画素値という)を記憶する。その後、撮影者により塵埃除去ボタン6aにより検出指示が行われると、前述のようにカバーガラス22を移動することなく発光部58を点灯し、撮像素子20に1回だけ撮像動作を行わせて各画素の画素値を得る。そして、各画素の画素値を当該画素の前記基準画素値で除算し、この除算値を百分率に変換して光透過率を算出する。
このような算出方法によれば、撮影画像に含まれる塵埃の画像を簡単に検出することができるため、先に説明した算出方法に比して、塵埃の等倍画像を導出する処理が簡単となる。したがって、カバーガラス22のX軸方向への移動と同期させて撮像素子20による複数回の撮像動作により得られた複数の撮影画像を用いて光透過率を算出する前述の算出方法に比して、塵埃の等倍画像の導出に要する時間を短縮化することができるとともに、この処理を実現するプログラムの設計を容易に行うことができる。
ただし、前述の算出方法では、出荷時点と検出指示時点とでは時間差があり、発光部58の光量や配光分布あるいは撮像素子20の感度等は、時間の経過とともに変化する可能性がある。例えば、発光部58の光量がデジタルカメラ1の出荷時点と検出指示時点とで変化していると、一致すべき前記出荷時点で得た基準画素値と検出指示時点において塵埃の影響を受けていない場合の画素値とが異なるため、正確な光透過率が得られない。このように、出荷時点と検出指示時点とでは時間差があると、塵埃の影響とは関係の無い各部材の経時的変化等の他の要因によって画素値に誤差が生じ、光透過率の算出精度が低下する虞がある。
これに対し、本実施形態では、同一画素について、塵埃の存在により光が減衰されたときの画素値と、前記塵埃による光の減衰を受けていないときの画素値とを略同時期に得るようにすることで、発光部58の光量や配光分布、撮像素子20の感度等を略同一条件とし、この条件下において光透過率を算出するから、前述のような各部材の経時的変化等による影響を排除することができ、高い精度で光透過率を算出することができるという利点を有する。
本実施形態の撮像素子20は、前述したように、分光特性の異なる例えばR(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタが1:2:1の比率で配設されてなるベイヤー配列の撮像素子であり、以上のような処理で導出された各画素の位置における光透過率は、各画素に配設されたカラーフィルタに対応する色成分の光透過率である。
例えば、R(赤)のカラーフィルタが配設された画素については赤色の光の光透過率が、G(緑)のカラーフィルタが配設された画素については緑色の光の光透過率が、B(青)のカラーフィルタが配設された画素については青色の光の光透過率がそれぞれ導出されている。
ここで、図13では、撮像素子20におけるX軸方向に並ぶ或る画素列に属する各画素についての光透過率の分布を滑らかな曲線で表したが、実際には、この時点では、図14(a)に示すように、例えばR(赤)とG(緑)の画素が交互に並ぶ水平画素列W1にあっては図14(b)に示すように、また、例えばG(緑)とB(青)の画素が交互に並ぶ水平画素列W2にあっては図14(c)に示すように、それぞれカラーフィルタ自体の光の透過率(透過特性)の影響も受けたグラフ(分布)となる。
このように、各画素の位置において、当該画素に配設されるカラーフィルタの色以外の色の光透過率が欠落しているので、本実施形態では、各画素の位置におけるR(赤)、G(緑)、B(青)の光の透過率を得るために、当該画素の周辺に位置する画素の画素値を用いた補間処理により、その欠落している色成分の画素値を算出するようにしている。図15は、この補間処理を説明するための図である。
図15(a)に示すように、例えば矢印Xに示すG(緑)のカラーフィルタが配設された画素の位置については、該画素からG(緑)成分の画素値が得られている一方、R(赤)成分及びB(青)成分の画素値が不足している。そのため、この不足しているR(赤)成分の画素値を、当該画素の周辺に位置する画素のうち、R(赤)のカラーフィルタが配設された画素の画素値を用いて算出し、また、不足しているB(青)の画素値を、当該画素の周辺に位置する画素のうち、B(青)のカラーフィルタが配設された画素の画素値を用いて算出する。
すなわち、図15(a)において矢印Xで示すG(緑)のカラーフィルタが配設された画素の位置については、R(赤)成分の画素値を、例えば図15(b)に示すように、その左右に位置する2つの画素から得られるR(赤)の画素値の平均値とし、また、B(青)成分の画素値を、例えば図15(c)に示すように、その上下に位置する2つの画素から得られるB(青)の画素値の平均値とする。
また、例えば矢印Yに示すR(赤)のカラーフィルタが配設された画素の位置については、不足しているG(緑)成分の画素値を、例えば図15(d)に示すように、当該画素に隣接するG(緑)のカラーフィルタが配設された4つの画素のうち中間の画素値を有する2つの画素の画素値の平均値とする。また、不足しているB(青)の画素値を、例えば図15(e)に示すように、当該画素に隣接するB(青)のカラーフィルタが配設された4つの画素の画素値の平均値とする。
また、同様にして、例えば矢印Zに示すB(青)のカラーフィルタが配設された画素の位置については、不足しているG(緑)成分の画素値を、例えば図15(f)に示すように、当該画素に隣接するG(緑)のカラーフィルタが配設された4つの画素のうち中間の画素値を有する2つの画素の画素値の平均値とする。また、不足しているR(赤)の画素値を、例えば図15(g)に示すように、当該画素に隣接するR(赤)のカラーフィルタが配設された4つの画素の画素値の平均値とする。なお、このような補間演算の対象とする画素の選定方法は、前述のものに限られない。
以上のようにして、各時刻T=0,Δt,2Δt,3Δtにおいて、欠落している色成分の画素値を周囲の画素の画素値を用いた補間処理により導出する。そして、前述の光透過率の算出方法と同様に、各色成分について、当該画素Xに塵埃の陰影が投影されていない場合の画素値と、塵埃の陰影が投影された場合の画素値とを導出し、これらの画素値から各画素の位置における各色成分の光透過率を算出することができる。
例えば、図16に示すように、各時刻T=0,Δt,2Δt,3Δtにおいて、或るG(緑)の画素の画素値が「70」,「46.5」,「70.2」,「69.9」となったものとすると、塵埃の影響を受けていないときの画素値が「70」、塵埃の影響を受けているときの画素値が「46.5」と設定され、この画素のG(緑)成分の光透過率(46.5/70)×100が算出される。
また、当該画素においては、R(赤)成分及びB(青)成分の画素値が、前記のようにその周囲の画素からの補間処理により導出される。例えば、図16の点線で示すように、各時刻T=0,Δt,2Δt,3ΔtにおけるR(赤)成分の画素値「77」,「53.2」,「77.1」,「76.9」が補間により導出され、各時刻T=0,Δt,2Δt,3ΔtにおけるB(青)成分の画素値「89」,「65.3」,「89.1」,「88.8」が補間により導出されたものとする。
このとき、R(赤)成分においては、塵埃の影響を受けていないときの画素値が「77」、塵埃の影響を受けているときの画素値が「53.2」と設定され、この画素のG(緑)の光の透過率(53.2/77)×100が算出される。また、B(青)成分においては、塵埃の影響を受けていないときの画素値が「89」、塵埃の影響を受けているときの画素値が「65.3」と設定され、この画素のG(緑)の光の透過率(65.3/89)×100が算出される。
以上のような処理により、図17に示すように、各画素の位置における各色成分の光透過率の分布を導出することができる。なお、図16では、時刻T=Δtのときに、各色成分における画素値が他の時刻T=0,2Δt,3Δtにおける画素値に比して大きく異なることから、この時刻T=Δtのときに、塵埃像が当該画素に投影されたものと考えることができる。また、図17に示すように、B(青)、R(赤)、G(緑)の順に光透過率が全体的に大きくなっているが、これは、カラーフィルタ自体の光の透過率(透過特性)や塵埃の色に因るものである。
カバーガラス22の移動のピッチについては次のようなことを考慮して設定するとよい。すなわち、塵埃の付着量が少ない場合には、比較的大きな移動ピッチで1回だけカバーガラス22を移動するようにし、その移動前後で撮像動作を行うだけで、光透過率を算出することができる。その撮像動作により得られる2つの撮影画像から、当該画素に塵埃の陰影が投影されていない場合の画素値と、塵埃の陰影が投影された場合の画素値とが導出されるからである。しかし、この方法を、複数の塵埃が近接した位置に存在している場合にも採用すると、異なる塵埃が同一の画素に異なる時刻に撮像される虞があり、塵埃の区別を行うことができないことから、この場合には、移動ピッチを小さくし、撮影回数を増やすのが望ましい。
なお、移動ピッチを画素ピッチと同一に設定すると、塵埃像のサイズについては画素の2倍に相当するサイズの塵埃像まで、また、隣接する塵埃像間の間隔については画素の2倍に相当する間隔の付着状態までについて、各画素の位置における光透過率を算出することができる。以下、この理由を説明する。
今、図18(a)に示すように、例えば画素と同じ大きさを有する塵埃像が一方向に1画素おきに投影される場合を想定する。図18(a)において、上下方向は画素値の大きさを示している。図18(a)に示すように、カバーガラス22の移動前において、隣接する2つの塵埃像間の境界と隣接する2つの画素間の境界とが一致するように投影されている場合には、カバーガラス22を1画素分ずつ移動させたときに、各画素には、塵埃像と塵埃像の無い像とが交互に投影され、各画素からは、相対的に大きな画素値(出力)と小さい画素値(出力)が交互に出力されることとなる。
ところが、図17(b)に示すように、カバーガラス22の移動前において、各塵埃像が隣接する2つの画素間にまたがって投影されている場合には、カバーガラス22を1画素分ずつ移動させたとき、どのタイミングにおいても塵埃像(移動前とは異なる塵埃像)が2つの画素間にまたがって投影されることとなる。
この場合、カバーガラス22の移動前及び移動後において各画素により撮像される画像は、塵埃像と塵埃像を含まない画像とが混合した像となるため、各画素から、塵埃の無い像が投影されるときの画素値及び塵埃像のみが投影されるときの画素値は得られず、図18(a)に示す場合に各画素から出力される大きな画素値と小さい画素値との中間の画素値が出力される。
このようなことから、カバーガラス22の移動前における塵埃像の位置がどのような位置であっても、各画素から塵埃像のみが投影されている場合の画素値を得る(画素が塵埃像のみを撮像する期間を生成する)ためには、塵埃像が2画素分の大きさを有していることが必要であることが判る。また、カバーガラス22の移動前における塵埃像の位置がどのような位置であっても、各画素から塵埃像を含まない画像が投影されている場合の画素値を得る(画素が塵埃像を含まない画像を撮像する期間を生成する)ためには、隣接する2つの塵埃像間に2画素分に相当する間隔が必要であることが判る。
図6に戻り、塵埃サイズ検出部62は、光透過率算出部61により検出された塵埃像のサイズから、塵埃のサイズを検出するものである。
前述したように、撮像素子20の受光面とカバーガラス22とは、光軸方向に所定の距離だけ離間して配置されており、また、補助光照射部57から放射状の光が出射されることから、撮像素子20の受光面に投影される塵埃像は、実際の塵埃のサイズより大きくなる。
ここで、光透過率算出部61による光透過率算出処理時と被写体の撮影時とで、撮像ユニット19への入射光の光路(光軸及び光線の方向)が同一であれば、光透過率算出処理時に撮像素子20に投影される塵埃像と撮影時に撮像素子20に投影される塵埃像とはサイズが一致するから、光透過率算出処理時に検出される塵埃像(光透過率の分布)をそのまま用いて、塵埃の陰影を撮影画像から除去する後述の復元処理を行うことが可能である。
しかし、本実施形態のように、一眼レフレックスタイプのデジタルカメラ1においては、交換レンズ2の種類ごとに絞り43の位置やレンズの形状が異なり、また、撮影時に設定される絞り値に応じて絞り開口径の大きさが変化するため、光透過率算出処理時と撮影時とで、撮像ユニット19への入射光の光路(光軸及び光線の方向)、延いては塵埃像のサイズが一致しないことが多い。
そして、撮影時において各画素に入射される被写体光は様々である(各画素で一様(均一)ではない)から、各画素への入射光が、カバーガラス22上の塵埃により減衰されたものであるか否かは判別できない。したがって、その撮影画像から該撮影画像に含まれる塵埃像を識別することはできない。
そこで、本実施形態では、図19(a)に示すように、光透過率算出部61により算出された光透過率の分布(光透過率算出処理時に撮像素子20に投影される塵埃像のサイズ)と、発光部58からカバーガラス22及び撮像素子20の受光面までの距離等を用いて、図19(b)に示すように、一旦、塵埃のサイズを算出し、図19(c)に示すように、この塵埃のサイズと撮影時の絞り値等の撮影条件とに基づいて、撮影時に撮像素子20に投影される塵埃像のサイズを導出するようにしている。
図11に示すように、この実際の配設位置と光学的に等価と考えられる、カバーガラス22と対向する位置に配設されているものと仮定した場合において、図12に示すように、発光部58からカバーガラス22までの距離をLg、発光部58の発光点Pから撮像素子20の受光面までの距離をLsとしたとき、光透過率算出処理時に撮像素子20に投影される塵埃像のサイズは実際の塵埃のサイズのLs/Lg倍である。
ところで、塵埃のサイズは、塵埃が付着しているカバーガラス22の表面位置での光の透過率の分布から導出することができるが、この表面位置での光の透過率の分布を導出するためには、その表面位置に撮像素子20の受光面が位置していると仮定し、その状態での各画素の位置における光透過率を求める必要があり、本実施形態では、例えば、次のような方法を用いて導出する。図20は、この光透過率の導出方法を説明するための図である。
図20において、矢印Q1は、説明の簡単化のため光軸を原点とするX軸方向の画素列にのみ着目した場合における各画素の画素値d1,d2,…を示し、矢印Q2は、塵埃が付着しているカバーガラス22の表面位置に撮像素子20の受光面が位置していると仮定した場合において、前記画素値d1,d2,…の画素データを生成する前記表面位置での像のみによって、前記表面位置に位置する撮像素子20の各画素から出力される画素データの画素値d1’,d2’,…を示し、矢印Q3は、塵埃が付着しているカバーガラス22の表面位置に撮像素子20の受光面が位置していると仮定した場合に、その表面位置に位置する撮像素子20の各画素から出力される画素データの画素値d1”,d2”,…を示すものである。
矢印Q1に示す各画素の画素値d1,d2,…から、矢印Q2に示す画素値d1’,d2’,…を算出する場合、各画素の画素値d1,d2,…に対しLg/Ls(=rとする)を乗算することにより算出することができる。
そして、矢印Q2に示す画素値d1’,d2’,…から、矢印Q3に示す画素値d1”,d2”,…を算出するに際し、周知技術であるバイリニア法を用いて算出する。例えば、r>1/2であるとすると、図20に示すように、表面位置に位置する撮像素子20の或る画素g1は、画素値d1’を生成する像全部と画素値d2’を生成する像の一部とを受光することとなり、その画素g1の画素値d1”は、図20から、
1”=r×d1+(1−r)×d2
となり、また、例えば画素g2の画素値d2”は、
2”={r−(1−r)}×d2+[1−{r−(1−r)}]×d3
となる。
これにより、塵埃が付着しているカバーガラス22の表面位置に撮像素子20の受光面が位置していると仮定した場合の撮像素子20の各画素における光透過率を導出することができ、その結果、この光透過率の分布を用いて塵埃のサイズを検出することができる。
このように、撮像素子20により検出される塵埃像は、カバーガラス22に付着している塵埃の実際のサイズより拡大されているから、カバーガラス22の位置での塵埃像を構成する画像データを導出するためには、撮像素子20の各画素から出力された画像データを縮小する必要があるが、画像データは離散的に取り扱われているため、画素のピッチを連続的に小さくすることができない。そこで、前述のように、縮小した塵埃の画像データを元の画素ピッチに変換し、この変換処理に例えば前記バイリニア法等の補間法を採用している。
なお、本実施形態では、1つの点光源から放射状の光がカバーガラス22に照射されて、撮像素子20の受光面上に塵埃像が形成されるものであり、異なる位置に点光源が2つ配設されている場合に発生する、一方の点光源のみによる陰影の部分(輪郭のボケ)は無いから、前述の補間方法により正確な塵埃のサイズを検出することができる。
塵埃除去制御部63は、光透過率算出部61により算出された光透過率について、所定の閾値以下の光透過率を有する画素が所定数以上存在した場合、又は塵埃サイズ検出部62により検出された塵埃のサイズが所定の閾値以下の場合に、カバーガラス22に付着した塵埃を除去するべく、塵埃除去部56の動作を制御するものである。
すなわち、塵埃除去制御部63は、前述したように、塵埃除去部56における加振機構23にパルス状の駆動信号を出力することにより、カバーガラス22の急速な変位を生じさせ、これにより、カバーガラス22上の塵埃を落下させる。
なお、一般に、灰色などの均一な被写体の画像を撮像した場合に、ムラとして検知できる画素値の低下度合いは、3〜5%程度と言われている、すなわち、画素の画素値が他の画素値より約3〜5%低いとき、その画素により撮像された画像は人間の眼でムラとして視認されることから、塵埃除去制御部63による塵埃除去処理の要否判断に用いる前記光透過率についての前記閾値は、塵埃像を受光していない画素の画素値に対して95〜97%の画素値の範囲内で設定するとよい。
また、塵埃除去制御部63による塵埃除去処理は、光透過率が前記閾値以下の画素が1つでも存在した場合に実行するようにしてもよいし、光透過率が前記閾値以下の画素の画素数についての閾値を予め設定しておき、光透過率が前記閾値以下の画素の数が、その画素数についての前記閾値以上となった場合に実行するようにしてもよい。さらに、カバーガラス22の急速な変位を生じさせる時間は、適宜設定するとよい。
さらに、加振機構23により与えられた衝撃によって塵埃に作用する慣性力は、該塵埃の質量に比例することから、軽量な塵埃はカバーガラス22の表面から落下し難い。したがって、軽量と考えられる例えば小さい塵埃が存在していることを検知した場合には、複数回、カバーガラス22に衝撃を加えるようにしてもよい。
塵埃除去制御部63による塵埃除去処理が完了すると、光透過率算出部61及び塵埃サイズ検出部62は、光透過率算出処理及び塵埃サイズ検出処理を再度実行し、塵埃が付着しているカバーガラス22の表面位置に撮像素子20の受光面が位置していると仮定した場合の撮像素子20の各画素における光透過率を記憶部65に格納する。
復元処理部64は、撮影画像から塵埃像(塵埃の陰影)を除去または抑制する復元処理(図9に示すステップ♯13の処理)を施すものである。
まず、前述したように、カバーガラス22に付着する同一の塵埃であっても、光透過率算出部61による光透過率算出時に求めた塵埃像のサイズと、撮影時における塵埃像のサイズとは通常一致しない。光透過率算出時においては、光源が点光源であるため、撮像素子20に投影される塵埃像は、実際の塵埃の形状を拡大したものとなるが、図21の矢印Tで示すようなボケはない。
一方、撮影時においては、所定の大きさを有する絞り43の開口から或る幅を有する光束が導かれ、また、この光束は平行光で構成されるものではないため、撮像素子20に投影される塵埃像は、実際の塵埃の形状を拡大したものとなるとともに、図21の矢印Tで示すようなボケを有するものとなる。
図21は、撮影光学系38の光軸Lを通るX−Z断面をみた場合において、撮影時における画素位置と光透過率との関係を示す図である。なお、撮影時に絞り43の開口から出射される光は完全な拡散状態であるとする。
図21に示すように、絞り43の開口における一端部P1付近を通過する光線のうち、カバーガラス22上の塵埃Mの一端を通る光線L1が到達する撮像素子22上の点をE1、該塵埃Mの他端を通る光線L2が到達する撮像素子22上の点をE2とするとともに、絞り43の開口における他端部P2付近を通過する光線のうち、カバーガラス22上の塵埃Mの一端を通る光線L3が到達する撮像素子22上の点をE3、該塵埃Mの他端を通る光線L4が到達する撮像素子22上の点をE4とする。
このとき、点E1から点E4の間に位置する画素には、塵埃Mを透過した光線のみが到達する一方、点E1から点E3の間及び点E4から点E2の間に位置する画素には、塵埃Mを透過した光線だけでなく、塵埃Mによって減衰されること無く入射する光線があり、この部分が前記ボケとなる。その光線の量は、点E1から点E3に向けて、また、点E4から点E2に向けて多くなる。
したがって、図21に示すように、点E1から点E4の間に位置する画素の位置における光透過率が最も小さくなるとともに(図21の光透過率s)、点E1から点E3に向けて、また、点E4から点E2に向けて光透過率が大きくなり、点E2及び点E3より外側に位置する画素の位置における光透過率は略100%となる。なお、最小の光透過率sは、塵埃が付着しているカバーガラス22の表面位置に撮像素子20の受光面が位置していると仮定して導出した撮像素子20の各画素における光透過率に相当するものである。
次に、点E1と点E3との間、及び点E4と点E2との間に位置する画素の光透過率の変化を示す関数を導出する方法について説明する。
図21に示すように、絞り43とカバーガラス22との光軸方向の距離をa、カバーガラス22と撮像素子20との光軸方向の距離をb、絞り43の開口における一端部P1と塵埃Mの他端部との図21における上下方向(X軸方向)の距離をc、絞り43の開口の直径をLとするとともに、図21の上下方向(X軸方向)に並ぶ画素について、絞り43の開口における下端部P2に相当する位置を原点とする座標系を設定すると、点E2に対応する画素位置v及び点E4に対応する画素位置uは、
v=L−c×{(a+b)/a}
u=(L−c)×{(a+b)/a}
となる。
ここで、画素位置vから画素位置uまでの光透過率は、線形的に変化するものと考えると、撮像素子20の任意の画素位置xにおける光透過率は、
0≦x<vのとき 100
v≦x<uのとき (x−1)×(100−s)/(v−u)+100
u≦xのとき s
となる。
そして、カバーガラス22に塵埃が付着している場合、撮影光学系38からの光(被写体光)は、この塵埃によって減衰されると考えられ、塵埃により減衰された被写体光を受光したときの画素値は、塵埃による減衰を受けていない被写体光を受光したときの画素値に、前述の光透過率を乗算したものと考えることができる。よって、塵埃による減衰を受けていない被写体光を受光したときの画素値は、塵埃により減衰された被写体光を受光したときの画素値を前述の光透過率で除算することにより算出することができる。
例えば、図21に示すように、画素位置x1がv≦x1<uのとき、その画素位置x1における光透過率は、(x1−1)×(100−s)/(v−u)+100となるから、この画素位置x1の画素により撮像された画像の画素値をdとすると、当該画素が塵埃による減衰を受けていない被写体光を受光したときの画素値は、
d÷[(x1−1)×(100−s)/(v−u)+100]
となる。
このように、撮影画像を撮影したときの撮影条件(絞り43の開口径、絞り43の開口の形状、絞り43とカバーガラス22との距離、絞り43と撮像素子20との距離等を含む)と、塵埃が付着しているカバーガラス22の表面位置に撮像素子20の受光面が位置していると仮定して導出した撮像素子20の各画素における光透過率とを用いて、撮影画像に含まれる塵埃像(塵埃の陰影)を検出し、この塵埃の影響を撮影画像から除去又は抑制することで、綺麗な撮影画像を復元することができる。
以上のように、加振機構23にパルス状の駆動信号を印加することにより、カバーガラス22に衝撃を加え、この衝撃により該カバーガラス22の表面に付着した塵埃を落下させるようにしたので、除去可能な塵埃の数や種類を増やすことができ。その結果、塵埃による影響の少ない綺麗な画像を得ることができる。
また、カバーガラス22の表面に塵埃付着防止用コーティング層を形成し、カバーガラス22の表面への塵埃の付着力が小さくなるようにしたから、カバーガラス22の表面に塵埃が付着するのを未然に防止又は抑制することができ、これによっても、カメラ本体1Aに侵入した塵埃による影響の少ない綺麗な画像を得ることができる。
また、塵埃除去ボタン6aの操作で、塵埃除去動作の実行を開始する指示を行えるようにしたから、交換レンズ2の着脱時に限らず、デジタルカメラ1の主電源をオンにしたときや撮影を行う直前等、デジタルカメラ1の使用者の所望のタイミングで塵埃除去動作を実行させることができ、デジタルカメラ1の操作性の向上に貢献することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に加えて、あるいは前記実施形態に代えて次の形態[1]〜[15]に説明する変形形態も採用可能である。
[1]前記実施形態では、発光部58として点光源とみなせるものを採用したが、光源が比較的大きい場合は、この光源から出射される光をピンホールなどの絞りを用いて点状光とし、この点状光をレンズ59に導いて拡散するように構成するとよい。
[2]塵埃の影響が大きく該塵埃による光の透過率の低下度合いが大きい場合には、塵埃像を撮像した画素の画素値が非常に小さくなり、前述のような復元処理では、高精度に撮影画像の復元を行うことができない虞がある。そこで、塵埃の影響が大きい場合(光透過率が極めて小さくなる場合)には、次のように処理するとよい。
まず、シャッターボタン4の全押し操作により撮影の指示が行われると、全体制御部37は、予め決定された露出制御値に基いて撮像素子20に所定時間露光動作を行わせるとともに、この露光動作と並行して、カバーガラス22を所定の方向(例えばX軸方向)に移動させる。前記所定時間の間に移動されるカバーガラス22の移動量は、例えば1mmでもよいし、或いは数画素相当でもよい。
撮像素子20の露光中にカバーガラス22を移動させると、撮像素子20の画素のうち、露光期間中に塵埃像が通過する期間を有する画素が生じる。この画素の画素値は、塵埃像が通過した期間における受光光量と、それ以外の期間(塵埃の像が通過していない期間)における受光光量との和に相当する値となる。なお、この露光動作により得られる画像は、カバーガラス22の移動方向に薄く延びた塵埃による陰影が混入した画像となる。
一方、前記光透過率算出部61により算出された各画素位置における光透過率について、次のような演算処理を行う。
まず、全体制御部37は、カバーガラス22の前記移動速度及び露光時間からカバーガラス22の移動量を算出し、この移動量を画素数に換算する。この換算された画素数をnとする。また、全体制御部37は、百分率で表された光透過率の低下分を前記換算画素数nで除算し、この除算値を、前記水平方向に1画素ずつn画素まで移動した(ずらした)分布をそれぞれ求め、各画素について、移動画素数ごとに得られる当該画素に係る除算値を全て加算する。そして、この得られた加算値を小数に変換する。画素GNについての小数に変換した加算値をPNとすると、撮影画像における各画素の画素値を(1−PN)で除算する。
この一連の処理を具体的な数値を当てはめて説明すると、例えば、水平方向に延びる或る画素列に属する10個の画素G1〜G10について、カバーガラス22の移動前の位置(初期位置)に位置するときの光透過率の分布が図22(a)に示すような分布になった場合を想定する。
すなわち、図22(b)に示すように、カバーガラス22が前記初期位置に位置するときの画素G1,G2,G8〜G10の光透過率を100、画素G3の光透過率を80、画素G4の光透過率を40、画素G5の光透過率を50、画素G6の光透過率を70、画素G7の光透過率を90とする。
この場合、図22(b)に示すように、塵埃の影響を受けたことによる光透過率の低下分は、画素G1,G2,G8〜G10は0、画素G3は20、画素G4は60、画素G5は50、画素G6は30、画素G7は10となる。
そして、カバーガラス22の移動量から得られる前記換算画素数nが10であった(カバーガラス22を水平方向に10画素分に相当する移動量だけ移動した)ものとすると、各画素の光透過率の低下分をこの換算画素数10で除算する。各画素について得られる除算値を、図22(b)の矢印(1)で示す。
次に、この除算値を、画素G1〜G10の並び方向(前記水平方向)に1画素ずつ10画素分まで移動し、各移動画素数における各画素についての除算値を求める。例えば図22(b)の矢印(1)で示す各画素についての除算値を1画素分移動した分布を図22(b)の矢印(2)で示し、また、例えば図22(b)の矢印(1)で示す各画素についての除算値を2画素分移動した分布を図22(b)の矢印(3)で示す。
このようにして、各画素について、換算画素数10画素分まで移動した除算値の分布を求め、さらに、各画素G1〜G10において各除算値を加算する。この加算処理により得られた各画素G1〜G10についての加算値を図22の矢印(4)で示す。さらに、この加算値を小数に変換し、各画素G1〜G10について(1−加算値)を演算し、各画素G1〜G10の位置における撮影画像の各画素値を、対応する(1−加算値)で除算する。
そして、前述のようにカバーガラス22を移動させながら撮像動作を行うことにより得られた撮影画像における各画素G1〜G10の画素値をd1〜d10とすると、図22(c)に示すように、例えば画素G5については、画素値d5を(1−0.13(=0.87))で除算する。
この処理により、図22の矢印(5)で示すように、カバーガラス22を移動させながら撮像動作を行うことにより得られた撮影画像における各画素G1〜G10の画素値が、矢印(6)で示すように、塵埃による影響を受けて画素値が大幅に低下していた画素G3〜G8の画素値を大きくすることができ、塵埃による影響を受けていた画素G1,G2,G9,G10の位置における画像に対して平滑化することができる。
その結果、光透過率が非常に小さい塵埃がカバーガラス22に付着している場合でも、撮影画像中の塵埃像が目立たなくなり、塵埃の影響が抑制された綺麗な撮影画像を得ることができる。
[3]前述のように塵埃除去動作を行っても除去できない(落下しない)塵埃は、比較的大きな付着力でカバーガラス22に付着しているため、デジタルカメラ1の通常の使用によっては落下する可能性は低いと考えられるが、デジタルカメラ1の搬送時に該デジタルカメラ1に加わる振動や、デジタルカメラ1の使用中の落下により該デジタルカメラ1に加わる振動等によって、そのような塵埃がカバーガラス22の表面から落下する可能性がある。
このとき、撮影時点が光透過率の算出時点から時間が経過しているときには、デジタルカメラ1が記憶している塵埃像と、実際の塵埃の付着状態とが一致していない場合がある。この場合、前記復元処理を行う必要のなくなった画素の画像(塵埃の影響を受けていた画素の画像)に対してまでその復元処理を行うこととなる。
その結果、第1の実施形態のように、塵埃により減衰された被写体光を受光したときの画素値を光透過率で除算するため、例えばデジタルカメラ1が記憶している塵埃像の部分に相当する画素値が周囲の画像の画素値に比して大きくなり、その塵埃像の部分に相当する画像が周囲の画像に比して明るくなるなど、被写体像に忠実な画像とならない虞がある。
そこで、前記変形形態[2]のように、撮像素子20の露光動作中にカバーガラス22を水平方向に移動させる構成を採用している場合には、この構成を利用して次のような処理を行うことで、最新の塵埃像を検出することができる。
図23(a)は、撮像素子20の露光動作中にカバーガラス22を所定の方向(図23ではX軸方向)に移動させて得た撮影画像の一例を示すものであり、図23(b)は、記憶部54に記憶している塵埃像の一例を示すものである。
撮影者からの指示で撮影動作を行ったことにより、例えば図23(a)に示す撮影画像が得られたものとすると、全体制御部37は、この撮影画像を微分して図23(c)に示すように画像のエッジを抽出する。
そして、全体制御部37は、そのエッジの延びる方向がカバーガラス22の移動方向と一致し、且つカバーガラス22の移動量と同一又はそれ以上の長さを有する画像を塵埃像の候補として抽出する。例えば図23(c)において、エッジE1〜E5が塵埃像の候補として抽出されたものとする。なお、画像の方向性を判断する手法としては、例えば座標上の点を直線に投影するハフ変換等の周知技術を採用することができる。
次に、全体制御部37は、図23(b)に示す塵埃の記憶画像と、図23(c)に示すエッジとを比較し、塵埃M1〜M5の各記憶画像と各エッジとが対応するものであるか否かを判断する。例えば、図23(c)におけるエッジE1の撮影画像における位置は、記憶画像M1の撮影画像における位置を含むことから、該エッジE1は図23(b)に示す記憶画像M1と対応するものであると判断される。また、同様に、図23(c)におけるエッジE2,E3は、図23(b)に示す記憶画像M2,M3と対応するものである一方、記憶画像M4,M5に対応するエッジは図23(c)に示す撮影画像中には存在しないと判断される。
したがって、撮影画像のうち塵埃の記憶画像M1〜M3については前記復元処理を行い、一方、塵埃の記憶画像M4,M5については、光透過率の算出時点から撮影時点までの間に、この塵埃の記憶画像M4,M5に対応する塵埃がカバーガラス22から落下(自然落下)したものと考えられるため、前記復元処理は行わない。
なお、図23(c)においては、記憶画像には無い塵埃像に対応するエッジE4’,E5’が新たに発生していることから、今回の撮影時点と最近の塵埃像の記憶時点との期間に、新たにカバーガラス22に塵埃が付着したものと考えられる。このように、新たな塵埃がカバーガラス22に付着したものと判断されるときは、全体制御部37は、撮影終了後に自動的に塵埃の検出動作(各画素の位置における光透過率の算出動作)を行い、最新の塵埃像を記憶部54に記憶する。
これにより、復元処理を行う必要のある画素の画像に対してのみ該復元処理を実行されるとともに、新たにカバーガラス22に付着した塵埃による影響を前記復元処理で除去又は抑制することができ、被写体像に忠実な画像を得ることができる。
[4]前記変形形態[2],[3]においては、撮影時におけるカバーガラス22の移動量を一定としたが、塵埃の付着状態(塵埃の量を含む)に応じて変化させるようにしてもよい。塵埃による被写体光の光透過率の低下分を一定と仮定し、図24(a)に示すように、その光透過率の低下分をD、塵埃の付着長さをW画素、撮影時におけるカバーガラス22の移動量をM画素とする。なお、説明の簡単化のため、塵埃像は隣接画素にステップ的に移動するものと仮定する。
カバーガラス22の各部位は、その移動期間中に、該移動が開始される前の初期位置と、M画素までステップ的に移動したときのM個の各ステップ位置との計(M+1)個の位置に位置することとなり、前記光透過率の低下分Dに相当する画素値の低下分が、各位置で均等に分割されることになるから、前記カバーガラス22の各部位が前記各位置に位置するときの各画素の位置における光透過率の低下分(分割低下分)は、D/(M+1)となる。
そして、各画素の位置における光透過率の低下分は、前記カバーガラス22の各部位が前記各位置に位置するときの当該画素の位置における光透過率の低下分(分割低下分)の和となる。ここで、各画素の位置における光透過率の分割低下分の和を求める場合に、各画素に対応するステップ数(カバーガラス22の各部位がとり得る位置の数に相当)のうち最大値は、カバーガラス22の移動量Mと塵埃の付着長さWとの関係に応じて異なる。
図24(b)は、前記カバーガラス22の各部位が前記各位置に位置するときの各画素の位置における光透過率の低下分を示す図である。図24(b)の矢印Aで示すように、カバーガラス22の移動量Mが(W−2)個までの範囲においては、前記ステップ数の最大値は(M+1)個となり、カバーガラス22の移動量Mが(W−1)個以上となると、前記ステップ数の最大値はW個となることが判る。
したがって、光透過率の低下分の和のうちの最大値D’は、
D’=(M+1)×{D/(M+1)} (M≦W−2のとき)
D’=W×{D/(M+1)} (M≧W−1のとき)
となる。
したがって、前述したように、灰色などの均一な被写体の画像を撮像した場合に、ムラとして検知できる画素値の低下度合いは3〜5%程度と言われていることから、光透過率算出部61及び塵埃サイズ検出部62により、前記光透過率の低下分D及び塵埃の付着長さWを求め、前記最大値D’が3〜5(%)となるように、カバーガラス22の移動量Mを決定することにより、復元処理を行わなくても撮影画像中の塵埃の陰影を目立たないものにすることができる。なお、さらに復元処理を行えばより一層綺麗な撮影画像を生成することができる。
[5]塵埃の検出動作や復元処理は、デジタルカメラ1の電源投入時や交換レンズの装着直後、あるいは所定枚数撮影するごとに自動的に実行するようにしてもよい。また、塵埃除去動作も、この塵埃の検出動作に連動して自動的に実行するようにしてもよい。これにより、塵埃の影響の無い又は少ない綺麗な撮影画像を安定して生成することができるとともに、撮影者が塵埃検出動作や塵埃除去動作の開始の指示を行う必要がなくなり、手間が省けるため、デジタルカメラ1の操作性の向上に貢献することができる。
なお、塵埃の検出動作、塵埃の除去動作及び復元処理は、デジタルカメラ1側で自動的に開始するように構成した場合、塵埃の検出動作、塵埃の除去動作及び復元処理の各動作を択一的に実行の指示を行えるように構成してもよい。
[6]塵埃の除去動作を実施しても残存する塵埃が多かったりそのサイズが大きかったりする場合には、前述の復元処理を実行しても綺麗な画像が得られない虞がある。このような場合には、残存する塵埃像のサイズや画素値について所定の閾値を設定し、残存する塵埃像のサイズや画素値がこの閾値を超えたときに、撮影者による撮影動作を禁止し、専門家に修理やサービス(点検)を依頼するように促す構成としてもよい。
[7]第1の実施形態においては、塵埃の検出動作を行って、塵埃を検出した場合に塵埃の除去動作を行うようにしたが、デジタルカメラ1の使用者からの指示があると、塵埃の検出動作を行わず、直ぐに塵埃の除去動作を行うようにし、その後に、塵埃の検出動作を行うようにしてもよい。
[8]カバーガラス22の移動態様(移動方向)は、水平方向(図4のX軸方向)に限られるものではなく、図4のX−Y平面内において、例えばY軸方向やX軸及びY軸の双方に交差する斜め方向に移動したり、円形や矩形あるいは多角形等の種々の図形を描くように移動させたりしてもよい。
カバーガラス22の接する塵埃の付着部位と該塵埃の重心との関係や塵埃の形状などにより、該塵埃が落下しやすい慣性力の方向が異なる。したがって、矩形あるいは多角形等のように複数の方向に慣性力が作用するようにカバーガラス22を移動させると、塵埃がカバーガラス22から落下する可能性を高くすることができる。
また、自然界においては、境界線(例えば地平線、水平線、建物の壁、木の幹等)など特徴となる像は水平方向や垂直方向の成分が多く、斜め方向や円形状の成分は少ないと言われている。したがって、カバーガラス22を移動させて復元処理を行う前記変形形態[3]においては、前記のようにカバーガラス22を円形や矩形あるいは多角形等の種々の図形を描くように移動させたときに、検出した円形や多角形の図形の像を塵埃の像と判断してもその判断が誤っている可能性は低い。
これにより、カバーガラス22を円形や矩形あるいは多角形等の種々の図形を描くように移動させ、そのときに得られる像の形状について判断するだけで、塵埃の検出を行うことができ、前記復元処理における撮影画像の劣化の検出処理を容易に行うことができる。
[9]検出した塵埃像をLCD5に表示するようにしてもよい。この場合、光透過率の分布をLCD5に表示するようにしてもよいし、撮影画像に重ねて塵埃による陰影を所定の色(例えば比較的目立つ赤色等の色)で表示するようにしてもよい。
また、光透過率や塵埃の付着面積等を数値化して、画像の劣化度合いを予測し、撮影者に報知するようにしてもよい。これにより、撮影者が塵埃の付着状態を把握することができるため、塵埃除去や画像の復元処理、あるいはカメラ本体1a内の清掃・サービス依頼・撮影のやり直し等の要否を判断することができる。
[10]前記復元処理は、デジタルカメラ1内で実行するものに限らず、パーソナルコンピュータなどの外部の電子機器で実行するようにしてもよい。
この場合、まず、デジタルカメラ1は撮影画像と、その撮影時点に対して最近の光透過率又はその撮影直後に検出した光透過率とを対応させて例えば記憶部54に記憶させる。また、撮影時にカバーガラス22を移動させている場合には、その移動量や移動速度等の情報も併せて前記記憶部54等に記憶させる。
そして、パーソナルコンピュータにこの記憶部54が装着されると、パーソナルコンピュータが前記記憶部54から前記撮影画像等を読み出し、所定のプログラムにしたがって前記復元処理を行う。これにより、操作者は、LCD5より大きな画面で、塵埃による撮影画像の劣化具合を確認しながら復元処理の要否を判断することができる。
[11]前記第1の実施形態では、カバーガラス22上の塵埃除去動作を行う場合に、カバーガラス22の振動の振幅は、圧電素子の積層方向における伸縮量に略同等となるが、加振機構23に出力する駆動信号を一定のままで、この振幅より大きな振幅値でカバーガラス22を振動させたい場合には、例えば、図25に示すような構造を採用するとよい。
図25(a)に示すように、本実施形態では、前記第1の実施形態のように加振機構23(圧電素子)を直接カバーガラス22に当接させた状態で、該加振機構23の伸縮運動(振動)をカバーガラス22に伝達するのではなく、加振機構23の伸縮運動(振動)を梃子の原理を用いて間接的にカバーガラス22に伝達する構成とされている。
本実施形態の加振機構23’は、第1の実施形態の加振機構23と同様の構成を有する積層型圧電体66(以下、単に圧電体66という)と、後述するアーム部材67とを有して構成されており、圧電体66は、その圧電素子の積層方向に平行な軸がカバーガラス22の表面又は該表面に平行な平面に対して平行となるように、一方の端部が固定された状態で設置されている。
また、アーム部材67は、圧電体66の伸縮運動(振動)を梃子の原理を用いて間接的にカバーガラス22に伝達するための部材であり、比較的長尺の基部67aと、該基部67aの各端部から突設された突出部67b,67cとを有する「コ」字型に構成されている。また、アーム部材67は、一方の突出部67bの先端が加振機構23の他端部に、また、他方の突出部67cの先端がカバーガラス22の一端側面に当接されており、基部67aの長さ方向における中央位置より加振機構23側に偏心した位置に設けられた回転軸68により回転自在に支持されている。
この構成により、図25(b)に示すように、アーム部材67が回転軸68を中心として回転したとき、カバーガラス22の一端側面に当接する側の突出部67cの変位量X2が、加振機構23の一端部に当接する側の突出部67bの変位量X1より大きくなる(X2>X1)ため、カバーガラス22を圧電体66の振動振幅より力学的に大きく振動させることができる。
なお、振幅の増幅率X2/X1は、回転軸68の位置からアーム部材67の各突出部67b,67cまでの距離H1,H2の比H2/H1に応じて決定するものであり、必要なカバーガラス22の変位量に基づいて設定するとよい。
[12]塵埃除去のためのカバーガラス22への衝撃の付与やその駆動を行う構成は、前記第1の実施形態や変形形態[11]のように圧電素子を用いて構成したものに限らず、例えば次のような構成を有するものであってもよい。図26は、カバーガラス22の駆動や加振を行う構成の他の形態の一例を示す図である。
図26に示すように、本実施形態におけるカバーガラス22の加振機構23”は、モータ68と偏心カム69とを備えて構成されており、カバーガラス22のX軸方向における一端側面の近傍に配設されている。
偏心カム69は、所定の部位においてモータ68の駆動軸68aに連結されており、該モータ68の作動によりその連結部分を回転中心として回転する。また、偏心カム69は、外周面の各部位と前記回転中心Oとの距離の関係が一方の周方向に向かって連続的に大きくなる形状を有した部材であり、その外周面がカバーガラス22の前記一端側面に当接した状態で設置されている。
カバーガラス22の他端側面には、該カバーガラス22を偏心カム69側に付勢する付勢手段としての機能を有するコイルばね70が取り付けられており、このコイルばね70による付勢力によって、カバーガラス22の前記一端側面が偏心カム69の外周面に摺接する。
図27は、偏心カム69の回転動作に応じたカバーガラス22の移動の状態を示す図であり、図27(a−1)〜(a−4)は、カバーガラス22の前記一端側面と当接する偏心カム69の部位に応じた該カバーガラス22のX軸方向における位置の変化をそれぞれ図26の上側からみて示した図、図27(b)は、カバーガラス22の位置変化を示すグラフであり、横軸は時刻t、縦軸は、図27(a−3)におけるカバーガラス22の位置を基準とする該カバーガラス22のX軸方向(図27(a)の右側を正とする)における位置である。
図27(a−1)〜(a−4)に示すように、偏心カム69の外周の各部位のうち、前記回転中心Oとの距離が最も小さい部位をH1、前記回転中心Oとの距離が最も大きい部位をH2とすると、図27(a−1)に示すように、偏心カム69の前記部位H1がカバーガラス22の前記一端側面に当接するとき(図27(b)の時刻t1)には、カバーガラス22は図27(a)の最も右側に位置し、この状態から偏心カム69が上から見て反時計回りに回転していくと、カバーガラス22の一端側面と当接する偏心カム69の部位と回転中心Oとの距離が大きくなるため、図27(a−2)に示すように、カバーガラス22は図27(a)の左側(X軸負方向)に移動していく。図27(a−2)に示す状態は、図27(b)の時刻t1〜t2の間の一状態を示している。
そして、さらに偏心カム69が回転し、図27(a−3)に示すように、前記回転中心Oとの距離が最も大きくなる偏心カム69の部位H2がカバーガラス22の一端側面と当接すると(図27(b)の時刻t2)、カバーガラス22はとり得る位置の中で最も左側に位置し、さらに偏心カム69が回転して、図27(a−4)に示すように、前記偏心カム69の部位H2がカバーガラス22の一端側面から離れる(図27(b)の時刻t3)と、カバーガラス22の一端側面と対向する偏心カム69の部位の径が急激に変化するため(部位H1,H2間の段差のため)、カバーガラス22は、コイルばね70の付勢力により短時間の間に図27(a)の右側に移動し、図27(a−1)の状態となる(図27(b)の時刻t4)。
この構成によれば、カバーガラス22を比較的低速でX軸方向に移動させる期間と、カバーガラス22に非常に高速でX軸方向に移動させる期間とを有している。したがって、本実施形態の加振機構23’においても、撮影時に行うカバーガラス22の比較的低速の移動と、カバーガラス22に付着している塵埃の除去を行うべく該カバーガラス22に付与する衝撃的な移動(変位)との両方を実現することができる。
[13]一眼レフレックスタイプのデジタルカメラ1においては、レンズの形状や特性あるいは絞り交換レンズ2ごとの光透過率の演算処理を容易にするため、撮像素子20の受光面に対する発光部58の光学位置を、使用頻度の高い標準の交換レンズ2の絞りの前記受光面に対する光学位置と略一致させようにするとよい。
[14]本件が課題とするカメラ本体1A内に侵入した塵埃の付着の対象物は、前記カバーガラス22に限られるものではなく、交換レンズ2をカメラ本体1Aから取り外したときに外部に露出する部材や、撮影光学系38と撮像素子20との間の光路上に配置される部材全てを含む。
例えば、被写体光の近赤外領域の波長成分を除去する干渉膜や光を吸収する色素を用いた赤外カットフィルタ、複屈折現象を用いて被写体光から所定以上の周波数成分を除去するハイカットフィルタ等を含む。
[15]カバーガラス22に付着している塵埃のサイズ等を検出する際に、カバーガラス22に光を照射する発光部58や該発光部58からの光を拡散させるレンズ59の配設位置は、前記第1の実施形態における位置に限られず、例えば図28に示すように、交換レンズ2が取り付けられるカメラ本体1Aのレンズマウント71の背後にスペースが或る場合には、そのスペースにそれらを配設してもよい。
これにより、発光部58やレンズ59がカバーガラス22に対向するため、レンズ59から拡散された照射光を屈折させる必要が無くなり、前記第1の実施形態において設けられていた小ミラー60が不要となる。
この場合、カバーガラス22に対し補助光が撮影光学系38の光軸とは異なる方向(斜め方向)から照射されるため、塵埃の大きさや検出位置が撮影時のものと異なるが、発光部58からカバーガラス22までの距離や、発光部58から出力される補助光の光軸と、撮影光学系38の光軸とのずれに基いて、この補助光が照射された場合の塵埃像を、絞り43の位置から撮影光学系38の光軸方向にカバーガラス22に補助光が照射された場合の塵埃像に補正することが可能である。
また、図29(a)に示すように、前記発光部58やレンズ59をレンズマウント71の背後の左右2箇所に設けると、以下に説明するように、光軸方向(図4に示すZ軸方向)における塵埃の位置を検出することも可能となる。
図29(b),(c)は、発光部58等をレンズマウント71の背後の左右2箇所に設けた場合に、この光軸方向における塵埃の位置を検出する方法を説明するための図である。なお、本実施形態では、発光部58L及び発光部58Rと塵埃との間の光軸方向における距離は同一であるものとし、また、カバーガラス22だけでなくハイカットフィルタ等のフィルタ類も該カバーガラス22に対して光軸方向に所定の距離を介して配置されているものとする。
図29(a)に示すように、全体制御部37は、発光部58Lと発光部58Rとを順次(択一的に)点灯し、それぞれの点灯時において撮像素子20に撮像動作を行わせる。この撮像動作により得られた画像に含まれる塵埃像は、図29(b)に示すように、左右方向に異なる位置に現れる。なお、図29(b)の上側の図は、発光部58Lを点灯して撮像動作を行ったときの撮影画像を示し、下側の図は、発光部58Rを点灯して撮像動作を行ったときの撮影画像を示している。
そして、全体制御部37は、両撮影画像から同一のサイズ及び輪郭を有する塵埃像を検出し、図29(b)に示すように、それぞれ検出された塵埃像の重心位置GL,GR、及び両重心位置GL,GR間の間隔rを算出する。ここで、この両重心位置GL,GRの間隔rは、周知技術である三角測距の原理により、光軸方向における撮像素子20の受光面から塵埃までの距離と比例関係(1対1で対応する関係)にある。
図29(c)は、撮像素子20の受光面から光軸方向に距離X1だけ離間した位置にカバーガラス22が、また、撮像素子20の受光面から光軸方向に距離X2(<X1)だけ離間した位置にハイカットフィルタ72がそれぞれ配置され、カバーガラス22上に塵埃M1が、ハイカットフィルタ72上に塵埃M2が付着している場合において、発光部58Lを点灯して撮像動作を行ったときに得られる撮影画像中に含まれる塵埃M1の像の重心位置GL1と、発光部58Rを点灯して撮像動作を行ったときに得られる撮影画像中に含まれる塵埃M1の像の重心位置GR1と、発光部58Lを点灯して撮像動作を行ったときに得られる撮影画像中に含まれる塵埃M2の像の重心位置GL2と、発光部58Rを点灯して撮像動作を行ったときに得られる撮影画像中に含まれる塵埃M2の像の重心位置GR2とを示している。
前述したように、発光部58Lと発光部58Rとを順次点灯し、それぞれの点灯時において得られた撮影画像中にそれぞれ含まれる各塵埃像の重心位置間の間隔は、光軸方向における撮像素子20の受光面から塵埃までの距離と1対1で対応する関係にあることから、両重心位置GL1,GR1の間隔r1は、撮像素子20とカバーガラス22との光軸方向における距離X1に対応し、また、両重心位置GL2,GR2の間隔r2は、撮像素子20とハイカットフィルタ72との光軸方向における距離X2に対応する。
このことから、発光部58Lと発光部58Rとを順次点灯し、それぞれの点灯時において撮像素子20に撮像動作を行わせたときに得られる撮影画像について、その各撮影画像に含まれる両塵埃像の重心位置の間隔が例えばr1であったとすると、その塵埃像を形成した塵埃は、カバーガラス22上に付着していると判断することができ、また、各撮影画像に含まれる両塵埃像の重心位置の間隔が例えばr2であったとすると、その塵埃像を形成した塵埃は、ハイカットフィルタ72上に付着していると判断することができ、さらには、撮影画像に含まれる両塵埃像の重心位置の間隔がr1でもr2でもなかった場合には、カバーガラス22及びハイカットフィルタ72以外の付着対象物に塵埃が付着しているものと判断することができる。
このように、発光点を撮像素子20の受光面と平行な面上に複数設けることで、光軸方向(図4に示すZ軸方向)における塵埃の位置を検出することができ、その結果、塵埃が付着している対象物に応じた所定の処置方法を選択することができる。
撮像装置の第1の実施形態に係るデジタルカメラの構成を示す正面図である。 デジタルカメラの構成を示す背面図である。 デジタルカメラの内部構成を示す図である。 撮像ユニットの構造を示す分解斜視図である。 (a)は、加振機構に印加する正弦波の駆動信号の波形と、この正弦波の駆動信号を印加した場合の加速度の変化とを示すグラフであり、(b)は、加振機構に印加するパルス波の駆動信号の波形と、このパルス波の駆動信号を印加した場合の加速度の変化を示すグラフである。 カメラ本体に交換レンズが装着された状態でのデジタルカメラ全体の電気的な構成を示すブロック図である。 補助光照射部の構成を示す斜視図である。 全体制御部により行われる、カバーガラスに付着した塵埃に関する一連の処理を示すフローチャートである。 全体制御部により行われる、カバーガラスに付着した塵埃に関する一連の処理を示すフローチャートである。 一定の時間間隔でカバーガラスの移動及び撮像素子の撮像動作を行わせた場合に、該撮像素子におけるX軸方向に並ぶ或る画素列に属する画素の画素値を示すグラフである。 カバーガラスの表面に塵埃が付着している場合に、撮像素子に対する該塵埃の投影状態を示す斜視図である。 カバーガラスの表面に塵埃が付着している場合に、撮像素子に対する該塵埃の投影状態を示す側面図である。 撮像素子におけるX軸方向に並ぶ或る画素列に属する各画素の位置における光透過率の分布の一例を示すグラフである。 撮像素子におけるX軸方向に並ぶ或る画素列に属する各画素についての光透過率の分布を示す図である。 各画素の位置におけるR(赤)、G(緑)、B(青)の光の透過率を得るための補間処理を説明するための図である。 欠落している色成分の画素値を周囲の画素の画素値を用いた補間処理により導出する方法を説明するための図である。 補間処理により得られた各画素の位置における各色成分の光透過率の分布を示す図である。 カバーガラスの移動ピッチを画素ピッチと同一とした場合に、塵埃像のサイズについては画素の2倍に相当するサイズの塵埃像まで、隣接する塵埃像間の間隔については画素の2倍に相当する間隔の付着状態までについて、各画素の位置における光透過率を算出することができる理由を説明するための図である。 撮影時に撮像素子に投影される塵埃像のサイズを導出する方法を説明するための図である。 カバーガラスの表面位置での光の透過率の分布を導出する方法を説明するための図である。 撮影光学系の光軸を通るX−Z断面をみた場合において、撮影時における画素位置と光透過率との関係を示す図である。 水平方向に延びる或る画素列に属する10個の画素G1〜G10について、カバーガラスが初期位置に位置するときの光透過率の分布の一例を示す図である。 (a)は、撮像素子の露光動作中にカバーガラスを所定の方向に移動させて得た撮影画像の一例を示すものであり、(b)は、記憶部に記憶している塵埃像の一例を示すものである。 撮影時におけるカバーガラスの移動量を塵埃の付着状態(塵埃の量を含む)に応じて変化させる場合の光透過率の算出方法を説明するための図である。 加振機構に出力する駆動信号を一定のままで、圧電素子の積層方向における振動の振幅より大きな振幅値でカバーガラスを振動させるための構造の一例を示す図である。 カバーガラスの駆動や加振を行う構成の他の形態の一例を示す図である。 偏心カムの回転動作に応じたカバーガラスの移動の状態を示す図である。 カバーガラスに光を照射する発光部や該発光部からの光を拡散させるレンズの他の配設形態を示す図である。 発光部やレンズをレンズマウントの背後の左右2箇所に設けた構成及び光軸方向における塵埃の位置の検出方法を説明するための図である。
符号の説明
1 デジタルカメラ
1A カメラ本体
2 交換レンズ(レンズユニット)
6a 塵埃除去ボタン
19 撮像ユニット
20 撮像素子
21 パッケージ
22 カバーガラス
23 加振機構
24 圧接部材
26 捕捉部材
38 撮影光学系
56 塵埃除去部
57 補助光照射部
58 発光部
59 レンズ
60 小ミラー
61 光透過率算出部
62 塵埃サイズ検出部
63 塵埃除去制御部
64 復元処理部
65 記憶部

Claims (8)

  1. 被写体の光像を結像する撮影光学系と前記撮影光学系の結像面上に撮像面が配置された撮像素子との間の光路上に配設された塵埃付着対象体に付着した塵埃を除去するための塵埃除去装置であって、
    前記塵埃付着対象体は、所定の方向に変位可能に構成されており、
    所定の部材を用いて前記塵埃付着対象体に対し前記所定の方向の衝撃を加える衝撃付与手段を備えることを特徴とする塵埃除去装置。
  2. 前記衝撃付与手段は、
    駆動信号が印加されることにより伸縮する電気機械変換素子と、
    前記電気機械変換素子にパルス状の駆動信号を出力する駆動信号出力手段とを備え、
    前記駆動信号出力手段により印加されたパルス状の駆動信号により発生する前記電気機械変換素子の伸縮動作を前記衝撃として前記塵埃付着対象体に伝達することを特徴とする請求項1に記載の塵埃除去装置。
  3. 前記衝撃付与手段は、
    前記塵埃付着対象体と当接する当接部材と、
    前記塵埃付着対象体を前記当接部材に付勢する付勢手段とを備え、
    前記当接部材の形状又は変位を利用して前記塵埃付着対象体に対し前記所定の方向の衝撃を発生させることを特徴とする請求項1に記載の塵埃除去装置。
  4. 前記衝撃付与手段に動作を開始させる指示を入力するための入力操作手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の塵埃除去装置。
  5. 前記撮像素子の撮像動作により得られる画像を用いて塵埃付着対象体上の塵埃の有無を検知する検知手段と、
    前記検知手段により塵埃付着対象体上の塵埃の存在が検知されると、前記衝撃付与手段に動作を開始させる制御手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の塵埃除去装置。
  6. 被写体の光像を結像する撮影光学系を備えたレンズユニットと、
    前記撮影光学系の結像面上に撮像面が配置された撮像素子を備えた装置本体とを備え、
    前記レンズユニットが前記装置本体に対して着脱可能に構成された撮像装置であって、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の塵埃除去装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
  7. 被写体の光像を結像する撮影光学系を備えたレンズユニットと、
    前記撮影光学系の結像面上に撮像面が配置された撮像素子、前記撮像素子を収納するパッケージ、及び前記撮像素子と前記撮影光学系との間の光路上に配設され、所定の方向に変位可能に前記パッケージに支持されたカバーガラスを備えてなる撮像ユニットを有する装置本体とを備え、
    前記レンズユニットが前記装置本体に対して着脱可能に構成された撮像装置であって、
    前記塵埃付着対象体は、前記カバーガラスであり、請求項1ないし5のいずれかに記載の塵埃除去装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
  8. 前記塵埃付着対象体の表面に、該表面への塵埃の付着力を低減させるための塵埃付着防止用コーティング層が形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の撮像装置。
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