JP2009211823A - 蛍光ランプ装置、蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光管のランプ寿命末期時等の異常昇温による樹脂製部品の溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色を防止または低減し、ランプ寿命末期時の安全性を向上することができる蛍光ランプ装置、蛍光ランプおよび照明装置を提供する。
【解決手段】口金2を有するカバー3と;端部に電極4i,4jを封装した発光管4と;この発光管の端部を固定し支持する一方、カバーに固定されるホルダ5と;カバー内に収容される発光管を点灯する点灯装置7と;を具備する。そして、カバー3とホルダ5の少なくとも一方を熱硬化性樹脂により形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】口金2を有するカバー3と;端部に電極4i,4jを封装した発光管4と;この発光管の端部を固定し支持する一方、カバーに固定されるホルダ5と;カバー内に収容される発光管を点灯する点灯装置7と;を具備する。そして、カバー3とホルダ5の少なくとも一方を熱硬化性樹脂により形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、蛍光ランプ装置やコンパクト形蛍光ランプ等の蛍光ランプおよびこれらランプを具備した照明装置に関する。
一般に、電球形蛍光ランプやコンパクト形蛍光ランプ等の蛍光ランプでは、ランプの寿命末期時に、発光管の電極フィラメントが断線しても放電が継続してしまう異常放電が発生する場合が稀にある。
この場合、発光管の電極封止端部や点灯回路が異常高温に昇温し、発光管を固定しているホルダや点灯回路を収容しているカバー、口金カバー等の熱可塑性樹脂製部材が溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色が発生し、外観を害することが想定される。
これを防止するために、異常放電時の発熱により断線して点灯回路の通電を遮断する温度ヒューズが従来から設けられている。
しかし、従来、カバーや口金カバー等には、主にPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂が使用されることが多いので、ランプ寿命末期時に、温度ヒューズが断線する前に、これら熱可塑性樹脂部材に穴が開く等の溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色、燃焼が発生する虞がある。
そこで、従来の蛍光ランプの中には、発光管の端部を支持する支持部を有し点灯回路を収容するカバーと、口金とをアルミニウム等の金属により形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この蛍光ランプによれば、カバーと口金の耐熱性を向上させることができるので、カバーと口金の溶融変形等を防止することができる。
特許第3972052号公報
しかしながら、このような従来の蛍光ランプでは、発光管の端部を支持する金属製のカバーと口金が高価なアルミニウム製であるので、コスト増を招くうえに、カバーと口金が導電性であるので、発光管の電極と口金ピン等の受電部とを電気的に接続し、カバーと口金内に配線される内部配線がこれらカバーと口金にショートする虞がある。
また、このショートを防止するためにこの内部配線の絶縁性を向上させる必要があり、さらにコスト増を招くという課題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、発光管のランプ寿命末期時等の異常昇温による樹脂製部品の溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色を防止または低減し、ランプ寿命末期時の安全性を向上することができる蛍光ランプ装置、蛍光ランプおよび照明装置を提供することにある
請求項1記載に係る蛍光ランプ装置は、口金を有するカバーと;端部に電極を封装した発光管と;この発光管の端部を固定し支持する一方、カバーに固定されるホルダと;カバー内に収容される発光管を点灯する点灯回路と;を具備し、カバーとホルダの少なくとも一方を熱硬化性樹脂により形成したことを特徴とする。
請求項1に係る蛍光ランプ装置は、カバー内に点灯回路を収容する例えば電球形蛍光ランプである。
また、請求項1以下において、熱硬化性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル系、メラミンフェノール系、メラミン系樹脂等があり、射出成形により成形されたものが寸法自由度が高いので望ましく、具体的には、例えば不飽和ポリエステル系樹脂が望ましい。
しかし、外観部品で白色塗装を施せば、フェノール樹脂やポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂でもよい。また、骨格が熱硬化性樹脂であれば、サンドイッチ構造や熱可塑性樹脂の2色成形でもよい。
さらに、熱硬化性樹脂としては、一部変性した樹脂でも熱硬化性を有する3次元架橋構造を有するものであればよい。
請求項2に係る蛍光ランプ装置は、熱硬化性樹脂製のカバーまたはホルダが射出成形により成形されていることを特徴とする。
請求項3に係る蛍光ランプは、端部に電極を封装した発光管と;この発光管の端部を固定し支持するランプ支持部および発光管の電極に電気的に接続される受電部を有する熱硬化性樹脂製口金と;を具備していることを特徴とする。
なお、請求項3に係る蛍光ランプは、例えば屈曲形等所要形状の発光管の端部を口金に固定し支持させる、いわゆるコンパクト形蛍光ランプ等である。
請求項4に係る蛍光ランプは、口金は、ランプ支持部を有する熱硬化性樹脂製口金カバーと、この口金カバーに嵌合されて一体に結合され発光管の電極に電気的に接続される受電部を有する熱可塑性樹脂製口金本体と、を具備していることを特徴とする。
請求項5に係る蛍光ランプは、熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステルであることを特徴とする。
請求項6に係る照明装置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の蛍光ランプ装置または蛍光ランプと;この蛍光ランプ装置または蛍光ランプの口金が装着される給電ソケットを有する器具本体と;を具備していることを特徴とする。
請求項1に係る蛍光ランプ装置によれば、万一、ランプ寿命末期等において、発光管と点灯回路が異常高温に昇温した場合でも、この発光管を支持するホルダと、点灯回路を収容するカバーの少なくとも一方が耐熱性と耐燃焼性に優れた熱硬化性樹脂製であるので、これらホルダとカバーの少なくとも一方に溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色、燃焼が発生することを防止または低減することができる。このために、ランプ寿命末期時の安全性を向上させることができる。
請求項2に係る蛍光ランプ装置によれば、請求項1に係る発明とほぼ同様の作用効果を奏することができるうえに、熱硬化性樹脂が比較的安価な不飽和ポリエステル系樹脂であるので、コスト増を抑制することができるうえに、射出成形可能である。
請求項3に係る蛍光ランプによれば、万一、ランプ寿命末期時に発光管が異常高温に昇温した場合でも、この発光管を支持するランプ支持部を有する口金が耐熱性と耐燃焼性に優れた熱硬化性樹脂製であるので、この口金の溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色、燃焼を防止または低減することができる。
請求項4に係る蛍光ランプによれば、請求項3に係る発明とほぼ同様の作用効果を奏することができるうえに、口金が、発光管を支持するランプ支持部を有する口金カバーと、この口金カバーに嵌合されて一体に結合され、受電部を有する口金本体との、2パーツから構成される場合でも、ランプ寿命末期時に異常高温に昇温する発光管を支持するランプ支持部を有する口金カバーが熱硬化性樹脂製であるので、この口金カバーの溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色、燃焼を防止または低減することができる。
そして、口金本体が熱可塑性樹脂であるので、靭性に富む。このために、熱硬化性樹脂製であるために耐熱性と耐燃焼性で優れている一方で靭性に乏しく、脆い熱硬化性樹脂製の口金カバーと口金本体が嵌合する際には、口金本体が弾性変形するので、これら口金カバーと口金本体が嵌合する際の破損を防止することができるうえに、嵌合密着度を向上させることができる。
また、口金本体に受電ピンを打ち込む場合には、この口金本体が靭性に富む熱可塑性樹脂であるので、口金本体の破損を防止することができる。なお、金型内に予め受電ピンを配設して口金本体をモールド成形することもできる。
請求項5に係る蛍光ランプによれば、熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステルであるので、請求項2に係る発明とほぼ同様にコスト増を抑制し、射出成形可能である。
請求項6に係る照明装置によれば、請求項1ないし6のいずれか一記載の蛍光ランプ装置または蛍光ランプを具備しているので、これら蛍光ランプ装置と蛍光ランプとほぼ同一の作用効果を奏することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、複数の添付図面中、同一または相当部分には、同一符号を付している。
図1は本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプの一部を縦断面で示す正面図である。
図1に示すように蛍光ランプの一例である電球形蛍光ランプ1は、その高さ方向(管軸方向)の一端(図1では下端)に口金2を有するカバー3、このカバー3の他端(図1では上端)側で支持された発光管4、この発光管4の一端側を支持する一方、カバー3に取り付けられたホルダ5、発光管4を覆うとともに一端側でホルダ5の周囲も覆ってカバー3に取り付けられたグローブ6、口金2およびカバー3の内側に収納された点灯回路であるインバータ点灯装置7を備えている。そして、電球形蛍光ランプ1は、定格電力が例えば40Wタイプ、60Wタイプ、100Wタイプの白熱電球などのJIS C 7501に定義される一般照明用電球に近い寸法と外観に形成されている。
口金2は、エジソンタイプのE26形などで、ねじ山を備えた筒状のシェル2a、このシェル2aの図中下端側の下部に絶縁部2bを介して設けられたアイレット2cを備えている。シェル2aは、その他端側をカバー3の一端部外面に外嵌して接着剤またはかしめなどにより固定されている。
カバー3は、例えば不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂の射出成形等により図1中下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部と円筒状部を一体に連成したカバー本体3aを具備している。この不飽和ポリエステル系樹脂の主な成分は例えば不飽和ポリエステル20〜30質量%、ガラス繊維15〜25質量%、充填材40〜60質量%、その他、ステアリン酸亜鉛等の離型剤等から構成されている。
そして、カバー3は、カバー本体3aの他端側(図1中上端側)に、取付端部である環状の開口取付端部3bが形成している。この取付端部3b内には、カバー本体3aの円錐台状部と円筒部との連結部内側の環状凸状段部3c上にて、ホルダ5の下部円筒状開口端を載置し固着している。
ホルダ5は、例えばカバー3と同様の不飽和ポリエステル系等の熱硬化性樹脂の射出成形等により有蓋円筒状に形成され、その蓋部をなす円板状の基板部5aの図中下面周縁部に、一端(図1では下端)側に突出する円筒状の円筒部5bを一体に連成し、この円筒部5bの図1中開口下端を、カバー本体3aの凸状段部3c上に係合させて固着している。
ホルダ5は、基板部5a上に、発光管4の一対の電極封止端部4a,4bを載置させて支持する支持凹部と、これら電極封止端部4a,4b同士の間隙内に突出して、その径方向のずれを規制する筒状突部5cを突設している。基板部5aは、その筒状突部5cの外側にて、挿通孔5d,5eをそれぞれ形成し、これら挿通孔5d,5eには、発光管4の一対の電極封止端部4a,4bからその外方へ突出する細管4cと図示しないアウタワイヤをそれぞれ挿通させるようになっている。
グローブ6は、透明または光拡散性を有するガラスや合成樹脂などの材質により、白熱電球などの一般照明用電球のガラス球の形状に近い滑らかな曲面状に形成されている。すなわち、グローブ6は、ほぼ球状に形成された球状部6aの図1中下端部に、この球状部6aの直径よりも小径に漸次縮径されたほぼ円筒状の縮径部6bを一体に連成しており、球状部6aはグローブ6の最大径を示す最大径部6cを有する。縮径部6bは、グローブ6の一端部(図1中下端部)に開口端部6dが形成され、この開口端部6dの縁部がカバー3の開口取付端部3bの内側に嵌合されて例えば熱硬化性シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤により接着固定されている。
また、グローブ6は、その肉厚を、例えば1.5mmに形成し、さらに、グローブ6の最大径部6cの外径を、口金2の外径φ3(26mm)の2.0〜2.5倍の55〜60mmに形成し、グローブ6の最大径部6cを発光管4の最大径部4kに略一致させている。さらに、グローブ6は、その縮径部6bの外径を、口金2の外径φ3の1.0〜1.5倍の26〜39mmに形成している。但し、口金2としては、その外径が17mmのものを使用してもよい。
そして、グローブ6は、発光管4の中心軸Oと同軸のグローブ6の中心軸上で、図6中、左半部6X1と右半部6X2とに縦割りで分割されている(図示は省略)。
すなわち、このグローブ6が、例えば非分割の一体から形成されている場合には、発光管4の最大外径部4kの外径の方がグローブ6の開口端部6dよりも大きいので、この開口端部6dからグローブ6内に発光管4を挿入できない。
しかし、このグローブ6はその中心軸O上で左,右半部6X1,6X2とに分割されているので、発光管4をホルダ5上にそれぞれ立設した後、この発光管4の外側を、その側方からグローブ6の左,右半部6X1,6X2によりそれぞれ被せ、これら左,右半部6X1,6X2を一体に突き合わせた状態でカバー3に取り付けることができる。
この後、グローブ6の外面に、所要形状の図示省略した袋状の熱収縮フィルムを被せ、この熱収縮フィルムを熱収縮させることにより、グローブ6の左,右半部6X,6X2同士を一体に結合させることができる。
なお、グローブ6は横方向(水平方向)に2分割してもよい。この場合は、図1中、破線で示すように発光管4の最大外径部4kの中心線Oaを水平分割線として図1中、上下方向に2分割6Y1,6Y2してもよい。これによれば、水平分割線が発光管4の最大外径部4kの中心線Oaであるので、上下一対のグローブ6Y1,6Y2により発光管4の全体を被覆することができる。また、これらグローブ6の縦方向および横方向の分割線部を超音波溶着または振動固着により固着してもよい。
発光管4は、その図1中上部の螺旋形部4eと、同下部(バルブ端部)の一対の直状部4f,4fとを有し、これらを一体に連成している。
螺旋形部4eは、外径が例えば8.5mmの直状円管状のガラスバルブ4gをほぼ等分の2つ折りに折曲し、その等分位置の折返し部4hを頂端として図示しない金型に巻き付けて2重螺旋形にモールド成形することにより形成される。
ガラスバルブ4gは、その内面に、希土類金属酸化物等からなる蛍光体膜をほぼ全長に亘って形成し、軸方向両端部には、一対の電極4i,4jをそれぞれ封装して電極封止端部4a,4bをそれぞれ形成している。
一対の電極4i,4jは、例えばタングステン製のコイル電極が使用されており、例えばビーズガラスにより仮止めされた状態でガラスバルブ4gの両端部に封着されている。
ガラスバルブ4g内には、アルゴンやクリプトンガス等の放電媒体が封入されており、一対の電極封止端部4a,4bの底部外面には、その内部に連通する細管4cが突設されている。細管4c内には水銀またはアマルガムが収容されている。
螺旋形部4eは、グローブ6の最大径部6cを有する頂端6d側の球状部6a内に収容され、その螺旋径を、グローブ6の球状部6aの内面形状に対応して頂端の折返し部4hから最大径部6cに向けて漸次拡径して行き、グローブ6の最大径部6cで螺旋径を最大とし、さらに、グローブ6の球状部6a下半部の縮径に対応して螺旋径を漸次縮径して行って直状部4fの図1中上端部に一体に連成されている。
直状部4fは螺旋形部4eの一対の螺旋終端部において、一対の電極封止端部4a,4b側のガラスバルブ4gの図1中下部を、グローブ6の円筒状部6bの軸方向下方に向けてほぼ直角に折曲し、直状の一対の電極封止端部4a,4bをほぼ平行に並設してホルダ5の支持用凹部内に挿入している。なお、直状部4fは、ガラスバルブ4gを螺旋形部4eの旋回方向に合わせるように若干湾曲させて螺旋状に形成してもよいが、その場合は、螺旋形部4eを形成するための金型が抜かれているので手で曲げ加工を行うか簡易的な金型を用いて旋回されるので、その螺旋ピッチが螺旋形部4eよりも疎ピッチとなり、全体として疎ピッチ部として形成される。
インバータ点灯装置7は、点灯回路パターンを形成した縦基板7aの左右両側縁部を口金2内面の一対の縦溝内に嵌入して固定している。すなわち、口金2は、その内面に、その直径方向で対向する一対の縦溝を口金2の軸方向に形成し、この縦溝内に縦基板7aの幅方向両側縁部を嵌入させて固定している。縦基板7aは片面または両面基板に構成され、その実装面には、電解コンデンサ等のリード部品やトランジスタ等のチップ部品等の点灯回路部品である複数の電子部品7b,7b,…が実装されている。
このように構成された電球形蛍光ランプ1の具体的構成の一例は、次の通りである。すなわち、発光管4の発光管最大外径(螺旋外径)が54mm、発光管4の高さが64±1mm、発光管4の最大径部4kの水平中心軸Oaから一対の電極封止端部4a,4bの外面までの高さが約40mmである。一対の電極4i,4j同士間の放電路長は360〜610mmであり、ガラスバルブ4gのバルブ径に応じて相違する。例えばガラスバルブ4gの径(バルブ径)が8mmのとき、放電路長が476mm、バルブ径が9mmのとき、放電路長が374mmである。また、口金2の外径φ3が26mmであり、発光管4の直状部4f,4f間の最大幅w1(30.5mm)は、口金2の外径φ3の約1.17倍である。したがって、この電球形蛍光ランプ1によれば、一般照明用電球近似の外観を得ることができる。
本実施形態の電球形蛍光ランプ1は、発光管4を支持するホルダ5と、点灯装置7を収容するカバー3の両者が共に耐熱性と耐燃焼性に優れた熱硬化性樹脂製であるので、万一、ランプ寿命末期時等において、発光管4と点灯装置7が異常高温に昇温した場合でも、これらホルダ5とカバー3の両者に溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色、燃焼が発生することを防止または低減することができる。このために、ランプ寿命末期時の安全性を向上させることができる。
また、熱硬化性樹脂製のカバー3またはホルダ5が射出成形により成形されるので、これらカバー3またはホルダ5の寸法自由度が高くなり、使用できる熱硬化性樹脂の範囲(種類)も拡大させることができる。例えば、熱硬化性樹脂として、外観部品で白色塗装を施せば、フェノール樹脂やポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂を使用することができる。また、骨格が熱硬化性樹脂であれば、サンドイッチ構造や熱可塑性樹脂の2色成形でもよい。さらに、射出成形ではない注型などのシリコーン系やエポキシ系樹脂でもよい。
さらにまた、熱硬化性樹脂としては、一部変性した樹脂でも熱硬化性を有する3次元架橋構造を有するものであればよい。なお、この実施形態では、カバー3とホルダ5の両者を熱硬化性樹脂により形成する場合について説明したが、このカバー3とホルダ5の少なくとも一方を熱硬化性樹脂により形成すればよい。
図2は本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプ1Aの要部拡大縦断面図である。この蛍光ランプ1Aは、上記図1で示す蛍光ランプ1において、そのカバー3と口金2が相互に嵌合する嵌合部eに、相互に連通する貫通孔3d,2dをそれぞれ穿設し、これら貫通孔3d,2dによりカバー3に口金2を固定した点に主な特徴を有する。
すなわち、図3に示すように口金2が外嵌されるカバー3の嵌合部3eに、円形等所要形状かつ所要大の複数の貫通孔3d,3d,…を周方向に所要のピッチで予め穿設しておく。
次に、このカバー3の嵌合部3e外面に嵌合する口金2の嵌合部2eの外面に、カバー3の各貫通孔3dに一致する箇所において、ポンチやかしめ具等の穴開け棒状具をカバー3の各貫通孔3d内へそれぞれ強く押し込むことにより、図3(B)に示すように、口金2の嵌合部2eに貫通孔2dをそれぞれ穿設すると共に、この口金2の各貫通孔2dの開口周縁部をカバー3の各貫通孔3d内へほぼ直角に突出させる。
これにより、カバー3と口金2との結合度を増強させることができると共に、これらカバー3と口金2の各貫通孔3d,2dを介して口金2とカバー3の内方に収容されている点灯装置7の収容空間が外部と連通する。
このために、ランプ寿命末期時等において、点灯装置7が異常高温に昇温し、カバー3内の圧力が上昇した場合には、これら口金2とカバー3の貫通孔2d,3d,…を介して放熱し、圧力を逃がすことができる。その結果、安全性を一層向上させることができる。
図4は本発明の第3の実施形態に係るコンパクト形蛍光ランプ1Bの外観正面図、図5(A)は、このコンパクト形蛍光ランプ1Bを倒立させたときの下部斜視図、図5(B)は口金カバーの斜視図である。
図4に示すようにコンパクト形蛍光ランプ1Bは、例えば定格42W,3Uタイプの発光管11と、この発光管11の端部を固定して支持するGX24等の口金12と、を具備している。
発光管11は例えば3本のU字形のガラスバルブを連結して1本の蛇行放電路を形成している。これらガラスバルブは、その内面に例えば希土類金属酸化物等からなる蛍光体膜をほぼ全長に亘って形成し、軸方向両端部には、図示しない一対の電極をそれぞれ封装して電極封止端部をそれぞれ形成している。
また、ガラスバルブ内には、アルゴンやクリプトンガス等の放電媒体が封入されており、一対の電極封止端部の外面には、その内部に連通する細管が突設されている。細管内には水銀またはアマルガムが収容されている。
そして、図5(A),(B)に示すように、口金12は、熱硬化性樹脂製の有底多角筒状の口金カバー13と、この口金カバー13内にほぼ全体が嵌入される熱可塑性樹脂製の多角柱状の口金本体14の2パーツから構成されている。熱硬化性樹脂としては図1で示すカバー3とホルダ5と同様に不飽和ポリエステル系樹脂等を使用することができる。また、口金本体14の熱可塑性樹脂としてはガラスを、例えば15〜20質量%混入したPBTを使用する。
図5(B)に示すように、口金カバー13は、その底面13aに、発光管の軸方向端部を嵌入させて固定するための、例えば円形等所要形状の複数の取付孔13b,13b,…を中心O回りに所要のピッチを置いて形成している。これら取付孔13b,13b,…内には発光管11の電極封止端部を含む複数の端部が挿入され、その端部外周と各取付孔13b,13b,…の内周面の間隙には、例えば付加反応型の熱硬化性樹脂が充填され、固着される。
また、底面13aは、その肉厚が例えば2mm以上であり、その裏面(図5(B)では上面)には、中心Oから遠心方向へ放射状に延在する放射状リブ13cを一体に形成して底面13aの強度を補強している。
このように構成される口金カバー13の具体的な一例としては、FHT42用で発光管11の外径が12.5mmである場合、底面13aの肉厚2.30mm、各取付孔13bの直径13.5mm、放射状リブ13cの高さ6.46mmである。また、多角形状の側壁13eは、その肉厚を、底面13aから開口端に向けて漸次薄くなるように先細に形成している。すなわち、側壁13eは、発光管11の取付端部を固定する底面13a近傍の肉厚を厚くして機械強度を増強する一方、口金本体14と嵌合する際に、その嵌合始端となる側壁13eの開口端側の肉厚を薄くすることにより、弾性変形量の増大を図り、口金本体14との嵌合の容易性を向上させると共に、嵌合時の破損の防止を図っている。
図5(A)に示すように、口金本体14は、PBTやPET等の熱可塑性樹脂により、口金カバー13内に嵌入される多角柱状の嵌合部14aと、この嵌合部14aの外面(図5(A)では上端面)中央部にて同心状に突設された矩形柱状の突部14bとを一体に形成し、突部14b上には、受電部の一例である複数の口金ピン15,15,…を立設している。熱可塑性樹脂としてPBTを使用する場合は、これにガラス繊維を15〜20質量%含有してもよい。
各口金ピン15は、口金本体14と口金カバー13内を通すように配線された図示しない内部配線を介して発光管11の一対の電極にそれぞれ電気的に接続されている。
コンパクト形蛍光ランプ1Bは、このように構成されているので、万一、ランプ寿命末期時に発光管11が異常高温に昇温した場合でも、この発光管を支持する口金カバー13が耐熱性と耐燃焼性に優れた熱硬化性樹脂製であるので、この口金カバー13の溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色、燃焼を防止または低減することができる。
また、口金本体14が熱可塑性樹脂であるので、靭性に富む。このために、熱硬化性樹脂製であるために耐熱性と耐燃焼性で優れている一方で靭性に乏しく、脆い熱硬化性樹脂製の口金カバー13と口金本体14が嵌合する際には、口金本体が弾性変形するので、これら口金カバー13と口金本体14が嵌合する際の破損を防止することができるうえに、嵌合密着度を向上させることができる。
また、口金本体14に口金ピン15,15,…を打ち込む場合には、この口金本体14が靭性に富む熱可塑性樹脂であるので、口金本体の破損を防止することができる。なお、金型内に予め口金ピン15,15,…を配設して口金本体14をモールド成形してもよい。
さらに、口金カバー13の底面13aに発光管11の端部を固着する接着剤が熱硬化性樹脂製シリコーン樹脂であるので、このシリコーン樹脂を高温加熱することにより、その硬化時間を短縮することができる。
しかも、口金カバー13が耐熱性と耐燃焼性に優れた熱硬化性樹脂製であるので、熱硬化性樹脂製シリコーン樹脂を高温加熱しても、これら口金カバー13の熱劣化や変色することを防止または低減することができる。
図6は本発明の第4の実施形態に係る照明装置21の概略構成図である。この照明装置21は、例えばダウンライト等の照明装置であり、照明器具本体22を有する。この照明器具本体22内にはソケット23および反射体24が取り付けられ、ソケット23には上記電球形蛍光ランプ1の口金2がねじ込みにより装着される。
この照明装置21によれば、上記電球形蛍光ランプ1と同様、その寿命末期時に、万一、異常高温に昇温してもこの電球形蛍光ランプ1のカバー3とホルダ5の溶融変形や溶融滴下、熱劣化変色、燃焼を防止または低減することができる。これにより、ランプ寿命末期時の安全性を向上させることができる。すなわち、上記電球形蛍光ランプ1とほぼ同様の作用効果を奏することができる。なお、この電球形蛍光ランプ1は図4で示すコンパクト形蛍光ランプ1Bに代えてもよい。この場合も、図4で示すコンパクト形蛍光ランプ1Bとほぼ同様の作用効果を奏することができる。
1,1A…電球形蛍光ランプ、1B…コンパクト形蛍光ランプ、2…口金、2d…口金の貫通孔、2e…口金の嵌合部、3…カバー、3a…カバー本体、3b…カバーの開口取付端部、3d…カバーの貫通孔、4…発光管、4g…ガラスバルブ、4a,4b…一対の電極封止端部、4h…折返し部、4e…発光管の螺旋形部、4f…発光管の直状部、4i…発光管の最大外径部、5…ホルダ、5a…ホルダの基板部、5c…ホルダの筒状支持部、5d,5e…ホルダの取付孔、6…グローブ、6a…グローブの開口端部、6b…グローブの縮径部、6X1…分割用グローブの左半部、6X2…分割用グローブの右半部、7…点灯装置、7a…点灯装置の縦基板、7b…点灯装置の電子部品、11…発光管、12…口金、13…口金カバー、14…口金本体、15…口金ピン、21…照明装置、22…照明器具本体。
Claims (6)
- 口金を有するカバーと;
端部に電極を封装した発光管と;
この発光管の端部を固定し支持する一方、カバーに固定されるホルダと;
カバー内に収容される発光管を点灯する点灯回路と;
を具備し、カバーとホルダの少なくとも一方を熱硬化性樹脂により形成したことを特徴とする蛍光ランプ装置。 - 熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ装置。
- 端部に電極を封装した発光管と;
この発光管の端部を固定し支持するランプ支持部および発光管の電極に電気的に接続される受電部を有する熱硬化性樹脂製口金と;
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。 - 口金は、ランプ支持部を有する熱硬化性樹脂製口金カバーと、この口金カバーに嵌合されて一体に結合され発光管の電極に電気的に接続される受電部を有する熱可塑性樹脂製口金本体と、
を具備していることを特徴とする請求項4記載の蛍光ランプ。 - 熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステルであることを特徴とする請求項4記載の蛍光ランプ。
- 請求項1ないし5のいずれか一記載の蛍光ランプ装置または蛍光ランプと;
この蛍光ランプ装置または蛍光ランプの口金が装着される給電ソケットを有する器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
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