JP2009210640A - 赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 親水性表面を有する支持体上に感光層を設けた赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版であって、前記感光層が、ノボラック樹脂を含有する樹脂組成物により形成されたものであり、前記ノボラック樹脂中の単量体と2量体の合計が10質量%以下であることを特徴とする赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版。
【選択図】なし
Description
前述の赤外線領域に発光領域を持つ赤外線レーザを露光光源として使用する、赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版は、バインダー樹脂と光を吸収し熱を発生するIR染料等とを必須成分とする平版印刷版原版である。該赤外線レーザ用平版印刷版原版に前記赤外線レーザを露光すると、ポジ型感光層を有する場合、未露光部(画像部)では該赤外線レーザ用平版印刷版原版中のIR染料等が、前記バインダー樹脂との相互作用により該バインダー樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤として働く。一方、露光部(非画像部)では、前記IR染料等が光を吸収して熱を発生するため、該IR染料等と前記バインダー樹脂との相互作用が弱くなる。したがって現像時には、前記露光部(非画像部)がアルカリ現像液に溶解し、平版印刷版が形成される。
(2)前記感光層が複数層からなることを特徴とする(1)に記載の赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版。
(3)親水性表面を有する支持体上に、ノボラック樹脂を含有する樹脂組成物により形成された感光層を設けた赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版の製造方法であって、前記ノボラック樹脂として単量体と2量体の合計が10質量%以下であるノボラック樹脂を使用することを特徴とする赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版の製造方法。
〔ノボラック樹脂〕
前記赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版に使用するノボラック樹脂は、ノボラック樹脂中の単量体と2量体の合計が10質量%以下である。ここで本発明におけるノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件もしくは中性条件で反応させて得られる高分子化合物をさす。
またこのノボラック樹脂の重量平均分子量は、500〜20,000であることが好ましく、800〜10,000であることが更に好ましい。また数平均分子量は、300〜10,000であることが好ましく、400〜5,000であることが更に好ましい。
本発明の平版印刷版原版の感光層では、既述のノボラック樹脂とは別に高分子化合物を含有してもよい。特に複数の感光層を有する場合、少なくとも1つの感光層は、ノボラック樹脂以外の高分子化合物を含有することが好ましい。以下に高分子化合物の好ましい例を記載するが、特に限定されない。
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)
〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸基(−OPO3H2)
上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有する高分子化合物としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有する高分子化合物の中でも、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基および(4)カルボン酸基を有する高分子化合物が好ましく、特に、(2)スルホンアミド基または(4)カルボン酸基を有する高分子化合物が最も好ましい。
高分子化合物が共重合体である場合は、共重合させる(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有する化合物が共重合体中に3モル%以上含まれているものが好ましく、5モル%以上含まれているものがより好ましい。3モル%未満であると、実質的に溶剤を含まないアルカリ性現像液への溶解性が低下してしまう。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
以上例としてあげた高分子化合物のうち、スルホンアミド基またはカルボン酸基を有する高分子化合物が好適に用いられ、共重合体であることが好ましい。その共重合成分としては、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどが好適に用いられるが、その他前述のモノマー成分を微量含有させてもよい。さらに、N−フェニルマレイミドなどのマレイミドを構成成分とする共重合体も高分子化合物として特に好適に用いられ、その共重合成分としては、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、などが用いられるが、その他前述のモノマー成分を微量含有させてもよい。
本願の感光層には、赤外線吸収剤が用いられる。赤外線吸収剤としては、公知の種々の顔料や染料等が好適に挙げられる。前記顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が挙げられる。
前記顔料は、表面処理をせずに用いてもよく、表面処理をほどこして用いてもよい。該表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。前記表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
また、前記染料としては、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物、Epolight III−178、EpolightIII−130、Epolight III−125、EpolightV−176A等は特に好ましく用いられる。
本発明の平版印刷版原版の感光層は、単層構造、相分離構造、及び重層構造のいずれでもよい。
単層型感光層としては、例えば特開平7−285275号公報、国際公開97/39894号パンフレット記載の感光層、相分離型感光層としては、例えば特開平11−44956号公報記載の感光層、重層型感光層としては、例えば特開平11−218914号公報、米国特許第6352812B1号、米国特許第6352811B1号、米国特許第6358669B1号、米国特許第6534238B1号、欧州特許第864420B1号明細書記載の感光層として用いることができるが、これらに限定されない。
また、重層構造の場合、少なくとも1つの感光層がノボラック樹脂を含有していれば良く、複数の層がノボラック樹脂を含有していても良い。またこの場合使用するノボラック樹脂は、本願の要件に当てはまっていれば、同一でも異なっていてもよい。
本発明の平版印刷版原版に設けられる層には、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。例えば、感光層の溶解性を調節するために、他のオニウム塩、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物、多官能アミン化合物等、添加するとアルカリ水可溶性高分子(アルカリ可溶性樹脂)の現像液への溶解阻止機能を向上させるいわゆる溶解抑止剤を添加することが好ましく、中でも、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、スルホン酸アルキルエステル等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することが、画像部の現像液への溶解阻止性を制御できる点で好ましい。
o−キノンジアジド化合物以外の添加剤の添加量は、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.1〜1.5質量%である。本発明に係る添加剤と結着剤は、同一層へ含有させることが好ましい。
また、本発明の平版印刷版原版には、感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することができる。また、後述する界面活性剤、画像着色剤、および可塑剤も、本発明のポジ型感光層に使用することができる。
フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類、及びカルボン酸類などが挙げられる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
更に、本発明の平版印刷版原版には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
本発明の平版印刷版原版は、上述の成分を溶剤に溶解した後、支持体上に塗設し乾燥することにより感光層を設けることで作製される。ここで使用する塗布溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタングリコール、ジメチルトリグリコール、フリフリルアルコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、ブチルフェニルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、イソホロン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、炭酸プロピレン、酢酸フェニル、酢酸−sec−ブチル、酢酸シクロヘキシル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−エチル−1−ペンタノール、4−エトキシ−1−ペンタノール、5−メトキシ−1−ヘキサノール、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、3−メチル−3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、メチルセルソルブ(MC)、エチルセルソルブ(EC)、アリルアルコール、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチルカルビトール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、アセトン、メチルプロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、n−ペンタン、2−メチルペンタン、3−エチルペンタン、メチルシクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、クメン、n−アミルベンゼン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルジグリコール(DMDG)、といった溶剤を、単独もしくは2種類以上混合することにより用いられる。なおこれらの(混合)溶剤を用いた感光性組成物溶液において、溶媒中の全固形分の濃度は1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%である。
本発明の平版印刷版原版は、前述の感光性組成物溶液を適当な支持体上に塗布することにより製造することができるが、目的に応じて、後述する保護層、樹脂中間層、バックコート層なども同様にして形成することができる。
塗布、乾燥後に得られる固形分塗布量は、単層の場合0.3〜5.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜3.0g/m2の範囲である。また重層の場合は、上層は0.05〜2.0g/m2、下層は0.3〜5.0g/m2がそれぞれ好ましく、より好ましくは上層は0.1〜1.0g/m2、下層は0.5〜3.0g/m2の範囲である。また上層と下層との塗布量の質量比(上層/下層)は、0.05〜1が好ましく、より好ましくは0.1〜0.8の範囲である。
本発明の平版印刷版原版に使用される支持体としては、親水性表面を有するものであれば特に制限はなく、寸度的に安定な板状物であり、必要な強度、可撓性などの物性を満たすものが好ましい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフイルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネートもしくは蒸着された、紙もしくはプラスチックフイルム等が挙げられる。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mmが好ましく、より好ましくは0.12mm〜0.4mmである。
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に先述したような感光層を設けたものであるが、必要に応じて支持体と感光層との間に下塗り層を設けることができる。この下塗り層を設けることで、支持体と感光層との間の下塗り層が断熱層として機能し、赤外線レーザの露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく使用されることから、高感度化が図れるという利点を有する。また、本発明に係る感光層は、この下塗り層を設ける際にも、露光面或いはその近傍に位置するため、赤外線レーザに対する感度は良好に維持される。
なお、未露光部においては、アルカリ現像液に対して非浸透性である感光層自体が下塗り層の保護層として機能するために、現像安定性が良好になるとともにディスクリミネーションに優れた画像が形成され、且つ、経時的な安定性も確保されるものと考えられ、露光部においては、溶解抑制能が解除された感光層の成分が速やかに現像液に溶解、分散し、さらには、支持体に隣接して存在するこの下塗り層自体がアルカリ可溶性高分子からなるものであるため、現像液に対する溶解性が良好で、例えば、活性の低下した現像液などを用いた場合でも、残膜などが発生することなく速やかに溶解し、現像性の向上にも寄与し、この下塗り層は有用であると考えられる。
さらに下記式で示される構造単位を有する有機高分子化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む下塗り層も好ましい。
さらに、特開2000−108538号公報、特願2002−257484号公報、特願2003−78699号公報、等に記載されているような化合物についても、必要に応じて用いることができる。
また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃が好ましく、より好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分が好ましく、より好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、平版印刷版原版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
本発明の平版印刷版原版は、熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
本発明においては、露光された感光性平版印刷版原版は、実質的に有機溶剤を含まないpH12以上のアルカリ性水溶液で現像されることが好ましい。ここで「実質的に有機溶剤を含まない」とは、環境衛生、安全性、作業性等の観点からみて不都合を生じる程度までは有機溶剤を含有しない、の意味であるが、本発明においては現像液中の有機溶剤の割合が0.5質量%以下であることをいい、好ましくは0.3質量%以下、全く含有しないのが最も好ましい。またpHは12.0以上であるが、より好ましくは12.0〜14.0である。
前記塩基は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの塩基の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。また、本発明においては、前記ノンシリケート現像液として、非還元糖と塩基との併用に代えて、非還元糖のアルカリ金属塩を主成分としたものを用いることもできる。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
特開平9−255744号公報に準じ、以下の方法で合成した。
m−クレゾール13.0kg、p−クレゾール8.6kg、フェノール18.8kg、37%ホルマリン30.1kg、シュウ酸0.4kgを熱交換器、加熱装置及び攪拌装置を有した容量100Lの反応器で100℃で4時間付加縮合反応を行い、常圧にて液温が120℃となるまで脱水した。その後ギア式定量ポンプにて、内部に12段の折り返し羽根を有した静止型ミキサーに1.0kg/分の量で供給し、同時に0.6kg/分の水蒸気も供給し混合した。静止型ミキサーの加熱ジャケットには250℃の加熱オイルを通し、加熱した。液温を50℃に昇温させた後、伝熱面積0.1m2のミストセパレーターを有した薄膜蒸発機に供給した。この時の減圧度は150Torrとした。薄膜蒸発機の加熱温度は200℃とし、約1分間の滞留時間で脱水及び低分子量成分の除去を行った。この後冷却バットに広げ固形のノボラック樹脂を得た。なお得られた樹脂の重量平均分子量と単量体+2量体の量は、高速液体クロマトグラフィー法により測定を行った。
合成例1において、付加縮合反応までは同様に実施したあと、水蒸気混合を実施せず、伝熱面積0.1m2のミストセパレーターを有した薄膜蒸発機に供給した。この時の減圧度は60Torr、薄膜蒸発機の加熱温度は180℃とし、約1分間の滞留時間で脱水及び低分子成分量の除去を行った。それ以外は合成例1と同様に実施し、固形のノボラック型樹脂を得た。
〔実施例1〕
下記組成の塗布液Aを作成した。
<塗布液A>
・合成例1に従って作製したノボラック樹脂(単量体と2量体の含有率5.2重量%) 5.0g
・下記赤外線吸収剤(シアニン染料A) 0.5g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
0.05g
・メチルエチルケトン 50.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 50.0g
塗布液Aで使用するノボラック樹脂を、合成例2に従って作製したノボラック樹脂(単量体と2量体の含有率13.1重量%)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして、サンプルを作成した。80℃で30秒間乾燥させたものをサンプルC、150℃で50秒間乾燥させたものをサンプルDとした。
前述のサンプルA〜D中に含まれる単量体+2量体の含有量を調べ、80℃30秒乾燥と150℃50秒乾燥とで量を比較することで、印刷版としての性能確保に必要な程度に乾燥させたときの飛散量を見積もった。具体的には、各サンプルをアセトンに抽出し、ガスクロマトグラフィーにより単量体+2量体の含有量を定量した。あらかじめ単量体、2量体の検出位置を把握しておき、その検出位置に発生したピーク面積をそのサンプルに含まれる単量体+2量体の量とした。
その結果、実施例1の2つのサンプルでは、[サンプルBの単量体+2量体含有量]/[サンプルAの単量体+2量体含有量]=0.99であったのに対し、比較例1の2つのサンプルでは、[サンプルDの単量体+2量体含有量]/[サンプルCの単量体+2量体含有量]=0.72であった。
〔実施例2〕
表面を脱脂した厚さ0.3mm、大きさ600mm×600mmのJIS−A−1050アルミニウム板に、前記の塗布液Aを、乾膜塗布量が2.5g/m2となるようにワイヤーバーで塗布し、150℃で50秒間乾燥した。このときの乾燥は、ESPEC社製オーブンPH−201を使用し、事前にあらかじめオーブン内側の上部奥に5cm四方の白布を貼り付けておいた。
アルミニウム板への塗布、乾燥を100枚実施した後、オーブンを室温まで冷却し、貼り付けた白布を取り出した。最初と比べて色の変化は確認できなかった。
塗布液Aで使用するノボラック樹脂を、合成例1に準じて作製した、m−クレゾール/p−クレゾール=6/4、重量平均分子量5000、単量体と2量体の含有率8.6重量%のノボラック樹脂に変更し、それ以外は実施例2と同様にして実験を行った。取り出した白布は先ほどと同様、最初と比べ色の変化は確認できなかった。
塗布液Aで使用するノボラック樹脂を、合成例2に従って作製したノボラック樹脂(単量体と2量体の含有率13.1重量%)に変更し、それ以外は実施例2と同様にして、実験を行った。
アルミニウム板への塗布、乾燥を100枚実施した後、オーブンを室温まで冷却し、貼り付けた白布を取り出したところ、最初と比べてわずかに布が黄褐色に着色しており、何らかの成分飛散があったことを示した。
《赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版の作製》
〔実施例4〕
厚さ0.3mmのJIS−A−1050アルミニウム板を用いて、下記に示す工程を経て処理することで支持体を作製した。
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電解液としては、温度43℃、濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)の硫酸を用いた。電流密度は約30A/dm2で行い、最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
このようにして得られた支持体A〜Dには、引き続き下記(k)に示すシリケート処理、および下塗り層の形成を行った。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の1号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理層へ10秒間浸せきすることで、アルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。シリケート付着量は5.5mg/m2であった。
このように処理されたアルミニウム板に、まずワイヤーバーを用いて次の下塗り液1を塗布したあと80℃で20秒間乾燥した。乾燥後の塗布量は0.02g/m2であった。
・下記化合物(カッコの横の数字はモル比を示す。) 0.1g
・メタノール 100.0g
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル=35/35/30(モル比)の共重合体(重量平均分子量6.5万) 4.0g
・塗布液Aで使用した赤外線吸収剤(シアニン染料A) 0.25g
・エチルバイオレットの対アニオンを6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸にした染料 0.15g
・ビスフェノールスルホン 0.3g
・テトラヒドロフタル酸 0.4g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
0.02g
・メチルエチルケトン 60g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
・γ−ブチロラクトン 20g
・合成例1に従って作製したノボラック樹脂(単量体と2量体の含有率5.2質量%) 1.7g
・塗布液Aで使用した赤外線吸収剤(シアニン染料A) 0.15g
・下記化合物Q 0.35g
0.03g
・トリデカフルオロオクチルメタクリレート/2−アダマンチルアクリレート/2−カルボキシエチルメタクリレート=30/50/20、重量平均分子量3万の共重合体
0.1g
・エチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸=35/35/30、重量平均分子量6万の共重合体 0.1g
・メチルエチルケトン 33.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 67.0g
以下の点を除いては、実施例4に準じて実施した。
支持体の作製は、実施例4と同様にした。
下塗り層には下記の下塗り液2を使用した。また乾燥後の塗布量は0.015g/m2であった。
・下記化合物(カッコの横の数字はモル比を示す。) 0.1g
・メタノール 100.0g
・合成例1に準じて作製した、m−クレゾール/p−クレゾール=6/4、重量平均分子量5000、単量体と2量体の含有率4.5質量%のノボラック樹脂
0.5g
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル=35/35/30(モル比)の共重合体(重量平均分子量6.5万) 3.5g
・塗布液Aで使用した赤外線吸収剤(シアニン染料A) 0.25g
・エチルバイオレットの対アニオンを6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸にした染料 0.15g
・ビスフェノールスルホン 0.3g
・テトラヒドロフタル酸 0.4g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
0.02g
・メチルエチルケトン 60g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
・γ−ブチロラクトン 20g
・合成例1に従って作製したノボラック樹脂(単量体と2量体の含有率5.2質量%) 1.7g
・塗布液Aで使用した赤外線吸収剤(シアニン染料A) 0.15g
・塗布液Cで使用した化合物Q 0.35g
・ビスフェノールスルホン 0.05g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
0.03g
・トリデカフルオロオクチルメタクリレート/2−アダマンチルアクリレート/2−カルボキシエチルメタクリレート=30/50/20、重量平均分子量3万の共重合体 0.1g
・エチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸=60/15/25、重量平均分子量5万の共重合体 0.1g
・メチルエチルケトン 33.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 67.0g
以下の点を除いては、実施例4に準じて実施した。
支持体の作製においては、(a)の工程を省略した。
下塗り層には下記の下塗り液3を使用した。
・下記化合物(カッコの横の数字はモル比を示す。) 0.1g
・メタノール 100.0g
・合成例1に準じて作製した、2、3−キシレノール/m−クレゾール/p−クレゾール=1/5/4、重量平均分子量7000、単量体と2量体の含有率3.8質量%のノボラック樹脂 0.5g
・合成例1に従って作製したノボラック樹脂(単量体と2量体の含有率5.2質量%) 1.0g
・N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル=35/35/30(モル比)の共重合体(重量平均分子量6.5万) 2.5g
・塗布液Aで使用した赤外線吸収剤(シアニン染料A) 0.25g
・クリスタルバイオレットの対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸にした染料
0.15g
・ビスフェノールスルホン 0.3g
・テトラヒドロフタル酸 0.4g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
0.02g
・メチルエチルケトン 60g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
・γ−ブチロラクトン 20g
・合成例1に準じて作製した、2、3−キシレノール/m−クレゾール/p−クレゾール=1/5/4、重量平均分子量7000、単量体と2量体の含有率3.8質量%のノボラック樹脂 1.0g
・合成例1に従って作製したノボラック樹脂(単量体と2量体の含有率5.2質量%) 0.7g
・塗布液Aで使用した赤外線吸収剤(シアニン染料A) 0.15g
・塗布液Cで使用した化合物Q 0.35g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
0.03g
・トリデカフルオロオクチルメタクリレート/2−アダマンチルアクリレート/2−カルボキシエチルメタクリレート=30/50/20、重量平均分子量3万の共重合体 0.1g
・エチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸=60/15/25、重量平均分子量5万の共重合体 0.1g
・メチルエチルケトン 33.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 67.0g
塗布液Cで使用するノボラック樹脂を、m−クレゾール/p−クレゾール/フェノール=3/2/5、重量平均分子量6000、単量体と2量体の含有率13.1質量%のノボラック樹脂に変更し、それ以外は実施例4と同様にした。
このようにして、比較例3の赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版を得た。
[現像性の評価]
得られた赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetterにて、露光エネルギー150mJ/cm2でテストパターンを画像状に描き込みを行った。その後、富士フイルム(株)製PSプロセッサーLP−940Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間12秒で現像し、評価用サンプルを得た。このとき現像液としては、富士フイルム(株)製現像液DT−2Rと水道水とを1:6.5の比率で混合した液に炭酸ガスを吹き込んだ液を使用した。またガム液としては、富士フイルム(株)製ガム液FG−1と水道水とを1:1の比率で混合し希釈したものを使用した。
現像液の電導度を58mS/cmから42mS/cmまで2mS/cm間隔で変化させ、得られたサンプルの非画像部をルーペで観察し、ポツ状の残膜が発生しはじめる電導度を数値で示した。その結果、いずれの平版印刷版も44mSでポツ上の残膜が発生した。
このことから、本発明記載の単量体、2量体の含有率が低いノボラック樹脂を使用して作成した平版印刷版は、従来の印刷版と同等の現像性を得ることが可能である。
得られた実施例6の赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetterにて、露光エネルギー150mJ/cm2でテストパターンを画像状に描き込みを行った。その後、富士フイルム(株)製PSプロセッサーLP−940Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間12秒で現像し、評価用サンプルを得た。このとき現像液としては、富士フイルム(株)製現像液DT−2と水道水とを1:8の比率で混合した液を使用した。またガム液としては、富士フイルム(株)製ガム液FG−1と水道水とを1:1の比率で混合し希釈したものを使用した。
得られた印刷版を水洗しガムを落とした後、富士フイルム(株)製整面液BC−3をスポンジにしみこませ版面をこすり、自然乾燥した。さらにWisconsin社製搬送型バーニング装置を用い、260℃で10分間バーニング処理した。さらに前述の富士フイルム(株)製PSプロセッサーLP−940Hにリエントリーで通し、ガムを塗布した。
このようにして得た平版印刷版を、小森印刷機(株)製の印刷機リスロン25に取り付け、大日本インキ(株)社製ヴァリウス墨インキと、富士フイルム(株)製エッチ液IF−102を4%に希釈した液を湿し水として用い、印刷を開始した。20万枚印刷しても良好な印刷物が得られ、多数枚の印刷に適していることを確認した。
Claims (3)
- 親水性表面を有する支持体上に、ノボラック樹脂を含有する樹脂組成物により形成された感光層を設けた赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版であって、前記ノボラック樹脂として単量体と2量体の合計が10質量%以下であるノボラック樹脂を使用することを特徴とする赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版。
- 前記感光層が複数層からなることを特徴とする請求項1に記載の赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版。
- 親水性表面を有する支持体上に、ノボラック樹脂を含有する樹脂組成物により形成された感光層を設けた赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版の製造方法であって、前記ノボラック樹脂として単量体と2量体の合計が10質量%以下であるノボラック樹脂を使用することを特徴とする赤外線レーザ用感光性平版印刷版原版の製造方法。
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