JP4238152B2 - 感光性組成物 - Google Patents

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本発明は感光性組成物に関するものであり、特にコンピュータ等のデジタル信号から直接製版できるいわゆるダイレクト製版用の赤外線レーザ対応ポジ型平版印刷版原版の感光層として有用な感光性組成物に関する。
従来、コンピュータのデジタルデータから直接製版するシステムとしては、(1)電子写真法によるもの、(2)光重合系の感材をArレーザにより露光した後、加熱するもの、(3)感光性樹脂上に銀塩感材を積層したもの、(4)シルバーマスタータイプのもの、(5)放電破壊やレーザ光によりインク受容性であるシリコーンゴム層を除去するもの等が知られている。
しかしながら(1)の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等処理が煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。(2)の方法では高感度な版材を必要とし、明室での取扱いが難しいという問題がある。(3)、(4)の方法では銀塩を使用するため処理が煩雑になり、コストが高くなる欠点がある。また(5)の方法は比較的完成度の高い方法であるが、版面に残るシリコーン滓の除去に問題点を残している。
一方、近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。コンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。従って、このような露光光源に対し適応性があり、露光部と未露光部との現像液に対する溶解性の差(ディスクリミネーション;以下、溶解ディスクリと称する)が大きい平版印刷版材料への要望が近年高まっている。
そのような平版印刷版材料として、感光層に含有されるアルカリ可溶性樹脂の大部分がノボラック樹脂で形成されている感光性組成物が知られており(例えば、特許文献1、2参照)、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基同士の水素結合、あるいは感光層内に含有されている他添加剤との相互作用等により、未露光部では現像液に対する溶解性が抑制され、露光部では熱により溶解性が増大することで、溶解ディスクリをつけている。しかし実際には、溶解ディスクリの大きさは不十分であり、使用条件による現像安定性(現像ラチチュード)が低いという問題があった。
そこで、溶解ディスクリを広げるため、アルカリ可溶性樹脂として、ノボラック樹脂と、特定の官能基をもつ構造単位を有する樹脂と、を併用した感光性組成物が知られている(例えば、特許文献3参照)。この感光性組成物は、フェノール性水酸基部分と、特定官能基部分との強い相互作用により、感光層内の膜密度を高めることで溶解ディスクリを大幅に向上させている。しかし、該アルカリ可溶性樹脂は、耐薬品性に劣るため、印刷中にインクの付きが悪くなった時に用いるプレートクリーナーに対する耐性が低く、該クリーナーで版面を拭いた時に、感光性組成物が溶出してしまうといった問題があった。
また、耐薬品性の高い感光性組成物として、水素結合を有する非共有電子対結合部位をもつ置換基と、フェノ−ル性水酸基と、を有するポリマーを含有するアルカリ可溶性樹脂が知られているが(例えば、特許文献4参照)、該樹脂を平版印刷版材料に用いることで、耐薬品性は大幅に向上したが、溶解ディスクリが不十分であり、そのため現像安定性が低くなるという問題があった。
国際公開第97/39894号パンフレット 欧州特許出願公開第823327号明細書 特開2000−75485号公報 米国特許第6506536号明細書
本発明の目的は、上記従来の技術の欠点を克服し、露光部と未露光部との溶解ディスクリが大きく、耐薬品性に優れた赤外線レーザ対応ポジ型平版印刷版の感光層として有用な感光性組成物を提供することである。
本発明者は鋭意検討の結果、バインダー樹脂として、耐溶剤性に優れた特殊な置換基を有する樹脂と、ノボラック樹脂とを併用することで、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の感光性組成物は、(A)下記一般式(1)で表される構造単位とフェノール性水酸基とを有する樹脂、(以下、適宜「変性フェノール樹脂」と称する)、(B)赤外線吸収剤、及び、(C)ノボラック樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 0004238152
一般式(1)中、R1は、水素原子、又は任意の置換基を表し、Xは、2価の連結基を表し、R2は、非共有電子対結合部位と水素結合可能な水素原子とを有し、熱的に可逆な2以上の水素結合を形成しうる1価の置換基を表す。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推測される。
本発明の感光性組成物に含まれる変性フェノール樹脂は、その分子の末端基として、非共有電子対結合部位と水素結合可能な水素原子とを有し、熱的に可逆な2以上の水素結合を形成しうる置換基(以下、適宜「特定置換基」と称する)を有するため、これら特定置換基同士が、後に詳述する特徴的な水素結合を形成する。このような感光性組成物を感光層として用いた平版印刷版原版は、耐薬品性に優れるとともに、アルカリ水溶液に対しても高耐性(耐アルカリ性)を発現するものと考えられる。また、この水素結合は、熱的に可逆であることから、画像形成時の露光により容易に解除され、現像により露光部(非画像部)が除去される。
さらに、本発明の感光性組成物は、分子内にフェノール性水酸基を有するノボラック樹脂を併用することで、溶解ディスクリが大幅に向上する。これは、未露光部(画像部)においては、前記特定置換基同士の相互作用に加えて、フェノール性水酸基同士、或いは該フェノール性水酸基と組成物中に共存する溶解抑止能を有する成分とが相互作用を形成し、耐アルカリ性に優れた膜が形成され、一方、露光部(非画像部)においては、前記各相互作用は速やかに解除されてフェノール性水酸基を有する樹脂本来の優れたアルカリ溶解性が発現されるためと考えられる。
本発明によれば、露光部と未露光部との溶解ディスクリが大きく、耐薬品性に優れた赤外線レーザ対応ポジ型平版印刷版の感光層として有用な感光性組成物を得ることができる。
本発明の感光性組成物は、(A)前記一般式(1)で表される構造単位とフェノール性水酸基とを有する樹脂、(変性フェノール樹脂)、(B)赤外線吸収剤、及び、(C)ノボラック樹脂を含有することを特徴とする。
以下、このような感光性組成物に含まれる各成分を順次詳細に説明する。
〔(A)変性フェノール樹脂〕
本発明に用いられる変性フェノール樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位とフェノール性水酸基とを有することを特徴とする。
Figure 0004238152
一般式(1)中、R1は、水素原子、又は任意の置換基を表す。ここで言う任意の置換基とは、後述する「−X−R2」の構造に起因する本発明の効果を損なわない限り、どのような置換基であってもよく、また、1つのベンゼン環に対して複数個存在していてもよい。具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Xは、2価の連結基を表し、好ましくは、下記式からなる群より選ばれる部分構造を、少なくとも1つ有する2価の連結基を表す。ここで「部分構造を少なくとも1つ有する」とは、Xで表される連結基が、(1)下記部分構造のいずれか1つのみからなるものであってもよく、(2)下記部分構造を複数個連結させた連結基であってもよく、或いは、(3)上記(1)又は(2)の連結基と他の炭化水素基等とを連結させた連結基であってもよい。なお、上記(2)においては、複数存在する部分構造のそれぞれが、同種であっても異種であってもよく、連結の順序についても任意である。また、下記部分構造の表記は、連結基の連結方向を規定するものではない。
Figure 0004238152
上記連結基のより好ましい例としては、アミド、スルホンアミド、ウレア、ウレタン、チオウレア、カルボニル、カルボン酸エステル(−CO−O−)、スルホニル、スルホン酸エステル(−SO2−O−)等を含むものが挙げられ、具体的には、以下に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、下記部分構造の表記は、連結基の連結方向を規定するものではない。
Figure 0004238152
また、R2は、非共有電子対結合部位と水素結合可能な水素原子とを有し、熱的に可逆な2以上の水素結合を形成しうる1価の置換基を表す。
ここで、非共有電子対結合部位とは、後述の水素結合可能な水素原子と水素結合を形成しうる部位を指し、具体的には、=O、=N−、=S、=P−、などが挙げられ、中でも、水素原子とより強い水素結合を形成する観点からは、=O、=N−が好ましい。
また、水素結合可能な水素原子とは、上記非共有電子対結合部位と水素結合しうる活性状態の水素原子を指し、具体的には、窒素原子と共有結合している水素原子、酸素原子と共有結合している水素原子、硫黄原子と共有結合している水素原子、リン原子と共有結合している水素原子、などが挙げられ、中でも、上記非共有電子対結合部位とより強い水素結合を形成する観点からは、窒素原子と共有結合している水素原子、酸素原子と共有結合している水素原子が好ましい。
2の具体的な構造としては、下記一般式(R−1)〜(R−7)に示すような構造を挙げることができる。ここで、R4、R5、R6、R7は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭化水素基を表し、Yは炭化水素連結基を表す。
Figure 0004238152
本発明においては、変性フェノール樹脂を用いて形成された膜中において、主に、上記非共有電子対結合部位と水素結合可能な水素原子とが熱的に可逆な水素結合を形成する。ここで、該水素結合は、同一の置換基中の部位同士で形成されるのではなく、膜中に存在する別の特定置換基との間に形成される。以下、後述する変性フェノール樹脂の具体例(A)の特定置換基を例に挙げて、上記結合を具体的に説明する。
Figure 0004238152
上記反応式1において、非共有電子対結合部位に該当する部位は、(=O)および(=N−)であり、水素結合可能な水素原子に該当する水素原子は、(>N−H)の(−H)である。反応式1の特定置換基は、非共有電子対結合部位と水素結合可能な水素原子とをそれぞれ2つずつ持っているため、水素結合が、計4つ形成される。なお、本発明においては、水素結合が2つ以上形成されればよいので、一つの特定置換基中に、非共有電子対結合部位と水素結合可能な水素原子とをそれぞれ1つ以上有していればよいことになる。
このように、本発明に係る特定置換基は、他の特定置換基との間に2以上の水素結合が形成されるため、分子の回転運動が起こらない安定した相互作用が形成され、優れた耐薬品性の向上効果が得られるものと考えられる。なお、この水素結合は、熱的に可逆であるため、本発明の感光性組成物を平版印刷版原版の感光層として用いた場合、画像形成時のレーザー露光等で容易に解除され、現像により露光部(非画像部)が除去される。
本発明に係る変性フェノール樹脂としては、前記一般式(1)で表される構造単位に加え、分子内にフェノール性水酸基を有するものであればいずれも使用することができる。中でも、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂等に、前記一般式(1)で表される構造単位を導入したものが好ましい。
特に、以下の如き、前記一般式(1)で表される構造単位と、一般式(2)で表される構造単位とから構成される樹脂であることが最も好ましい。
Figure 0004238152
一般式(2)におけるR3はそれぞれ独立して、水素原子、又は任意の置換基を表す。ここで、任意の置換基とは、前記一般式(1)におけるR1と同義であり、また、一つのベンゼン環に対して複数個存在していてもよい。
前記一般式(1)で表される構造単位(構造単位(1))、及び前記一般式(2)で表される構造単位(構造単位(2))の共重合比としては、耐薬品性、及び、感度の観点から、構造単位(1):構造単位(2)が1:99〜95:5の範囲であることが好ましく、2:98〜90:10の範囲であることがより好ましく、3:97〜80:20の範囲であることが最も好ましい。
また、変性フェノール樹脂は、構造単位(1)、構造単位(2)以外の共重合成分を有していてもよい。
以下に、本発明に係る変性フェノール樹脂の構造単位の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004238152
Figure 0004238152
(合成方法)
本発明に係る特定フェノール樹脂の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば、水酸基の一部を特定置換基に置換するためのフェノール樹脂を、溶媒中で、Sn金属を触媒として、イソシアネート基と共に反応(求核付加反応)させて、ウレタン結合を形成することにより製造することができる。
水酸基の一部を特定置換基に置換するためのノボラック型フェノール樹脂のフェノキシドと、イソシアネート基含有化合物との求核付加反応は、以下のように行うことができる。
即ち、水酸基の一部を特定官能基に置換するためのノボラック型フェノール樹脂の総重量を、濃度20〜80質量%(好ましくは30〜70質量%)になるよう溶媒に溶解し、これに当該ノボラック型フェノール樹脂が有する水酸基の総モル数に対して、イソシアネート基含有化合物をそのモル比率が特定官能基に置換したいモル比率になるように加え、更にSn金属を触媒としてイソシアネート基含有化合物のモル数に対するモル比率が0.5〜5.0%(好ましくは1.0〜2.5)になるように10℃〜200℃の範囲の温度条件下で加え、その温度範囲に維持しながら数時間撹拌することにより行うことができる。なお、反応温度は、20℃〜150℃の範囲であることが好ましく、20℃〜100℃の範囲であることがより好ましい。
このとき、上記反応に用いられる溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメトルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルエーテル(DME)、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、中でも、テトラヒドロフラン(THF)を用いることが好ましい。
また、上記Sn金属としては、ジブチルスズジラウレート(dibutyltin dilaurate)を用いることが好ましい。
本発明に係る変性フェノール樹脂は、重量平均分子量が200以上、数平均分子量が200以上のものが好ましい。さらに好ましくは、重量平均分子量が500〜30,000で、数平均分子量が500〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
本発明に係る変性フェノール樹脂の含有量は、感度、及び、形成された皮膜の耐久性の観点から、感光層の全固形分に対して、40〜99質量%であることが好ましく、45〜95質量%であることがさらに好ましく、50〜90質量%であることが最も好ましい。
なお、本発明においては、前記変性フェノール樹脂の1種または2種以上を適宜混合して用いることができる。
〔(B)赤外線吸収剤〕
本発明の感光性組成物に含まれる赤外線吸収剤は、700nm以上、好ましくは750〜1200nmの赤外域に光吸収域を有し、この範囲の波長域の光により、光/熱変換能を発現する物質を指す。具体的には、上記波長域の光を吸収し熱を発生する種々の染料または顔料を用いることができる。
染料としては、市販の染料、例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体、オキソノール染料、ジイモニウム染料、アミニウム染料、クロコニウム染料等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクアリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、フタロシアニン染料、オキソノール染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム染料、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、下記一般式(a)〜一般式(e)で示される染料が光熱変換効率に優れるため好ましく、特に下記一般式(a)で示されるシアニン色素は、本発明の感光性組成物に使用した場合に、アルカリ溶解性樹脂との高い相互作用を与え、且つ、安定性、経済性に優れるため最も好ましい。
Figure 0004238152
一般式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子又は、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
Figure 0004238152
前記式中、Xa-は、後述するZa-と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合には、Za-は必要ない。好ましいZa-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、以下に例示するものの他、特開2001−133969明細書の段落番号[0017]〜[0019]、特開2002−40638明細書の段落番号[0012]〜[0038]、特開2002−23360明細書の段落番号[0012]〜[0023]に記載されたものを挙げることができる。
Figure 0004238152
Figure 0004238152
Figure 0004238152
Figure 0004238152
前記一般式(b)中、Lは共役炭素原子数7以上のメチン鎖を表し、該メチン鎖は置換基を有していてもよく、置換基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。Zb+は対カチオンを示す。好ましい対カチオンとしては、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、アルカリ金属カチオン(Na+、K+、Li+)などが挙げられる。R9〜R14及びR15〜R20は互いに独立に水素原子又はハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基から選択される置換基、或いは、これらを2つ若しくは3つ組合せた置換基を表し、互いに結合して環構造を形成していてもよい。ここで、前記一般式(b)中、Lが共役炭素原子数7のメチン鎖を表すもの、及び、R9〜R14及びR15〜R20がすべて水素原子を表すものが入手の容易性と効果の観点から好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(b)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004238152
Figure 0004238152
前記一般式(c)中、Y3及びY4は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子を表す。Mは、共役炭素数5以上のメチン鎖を表す。R21〜R24及びR25〜R28は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基を表す。また、式中Za-は対アニオンを表し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(c)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004238152
Figure 0004238152
前記一般式(d)中、R29ないしR31は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。R33及びR34は各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、又はハロゲン原子を示す。n及びmは各々独立に0ないし4の整数を示す。R29とR30、又はR31とR32はそれぞれ結合して環を形成してもよく、またR29及び/又はR30はR33と、またR31及び/又はR32はR34と結合して環を形成しても良く、さらに、R33或いはR34が複数存在する場合に、R33同士あるいはR34同士は互いに結合して環を形成してもよい。X2及びX3は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、X2及びX3の少なくとも一方は水素原子又はアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基又はペンタメチン基であり、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。Zc-は対アニオンを示し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(d)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004238152
Figure 0004238152
前記一般式(e)中、R35〜R50はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示す。Mは2つの水素原子若しくは金属原子、ハロメタル基、オキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表のIA、IIA、IIIB、IVB族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(e)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004238152
前記顔料としては、市販の顔料またはカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)および「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
前記顔料の種類としては、例えば、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラックを用いることができる。
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート)を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると感光層の均一性の点で好ましくない。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの顔料もしくは染料は、本発明の感光性組成物により形成される膜の均一性、耐久性、及び感度の観点から、感光性組成物の全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは0.1〜10質量%の割合で添加することができる。
〔(C)ノボラック樹脂〕
本発明の感光性組成物に含まれるノボラック樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−、m−/p−混合、m−/o−混合およびo−/p−混合のいずれでもよい。)混合ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またノボラック樹脂の代わりにノボラック樹脂誘導体を用いてもよく、これについては上述したノボラック樹脂の誘導体が挙げられる。
このようなノボラック樹脂を併用することで、未露光部におけるフェノール性水酸基に起因する溶解抑止能と、露光部における優れたアルカリ溶解性の機能により、溶解ディスクリが大幅に向上するものと考えられる。
これらのノボラック樹脂としては、重量平均分子量が1,500以上、数平均分子量が300以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が3,000〜300,000で、数平均分子量が500〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。また、本発明においてノボラック樹脂がフェノールノボラック樹脂である場合には、重量平均分子量が500〜20,000であり、数平均分子量が200〜10,000のものが好ましい。
これらのノボラック樹脂の添加量は、耐薬品性および溶解ディスクリの観点から、先述した変性フェノール性樹脂に対して1〜99質量%の割合で添加することが好ましく、5〜95質量%の割合で添加することがより好ましく、10〜90質量%の割合で添加することが特に好ましい。
また、本発明においては、バインダー樹脂として、上述した(A)変性フェノール樹脂及び(C)ノボラック樹脂以外の水不溶性かつアルカリ可溶性の樹脂を併用してもよい。
〔その他の成分〕
本発明の感光性組成物には、更に必要に応じて以下に挙げるような種々の添加剤を添加することができる。
本発明の感光性組成物は、主として平版印刷版の感光層として使用されるが、その場合、平版印刷版を作製する際に、露光・現像後の後加熱処理(バーニング処理)を行うことが好ましい。このバーニング処理を行うことで、前記変性フェノール樹脂の酸化を伴った熱架橋により、3次元的な網目構造が形成され、平版印刷版の耐刷性が向上するものと思われる。したがって、熱架橋効率を上げるため、熱の作用により変性フェノール樹脂との間で架橋構造を形成し得る化合物(熱架橋性化合物)を添加することが好ましい。
本発明に用いられる熱架橋性化合物としては、通常150℃〜300℃に加熱することにより変性フェノール樹脂を架橋しうる化合物が好ましい。より好ましい熱架橋性化合物としては、熱架橋性を有する含窒素化合物、特開平6−282067号公報等に記載されているようなフェノール誘導体、特開昭61−217034号公報に記載されているようなレゾール樹脂、特公昭44−23405号公報等に記載されているようなヘキサメチレンテトラミン類、等が挙げられる。この中でも、熱架橋性を有する含窒素化合物、特にアミノ基を含有する化合物が好ましく、具体例としては、官能基としてメチロール基、そのアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、アセトキシメチル基等を少なくとも二個以上有するアミノ化合物が挙げられる。さらに、構造中に複素環構造、特に含窒素複素環構造を有するものが好ましく、下記一般式(4)で示されるメラミン骨格を有する化合物が最も好ましい。
Figure 0004238152
一般式(4)中、R6〜R11は、各々独立して−CH2OZを表し、Zは水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはアシル基を表す。
なお、一般式(4)の化合物の中でも、Zが水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましく、更にアルコキシ化率(R6〜R11で示される−CH2OZの合計に対する−CH2OZのZが炭素数1〜4のアルキル基である割合(モル比))が70%以上、好ましくは80%〜100%であるのが有利である。また、更にZが水素原子又はメチル基であり、メトキシ化率(−CH2OZの合計に対する−CH2OZのZがメチル基である割合(モル比)が80%〜100%であるのが特に有利である。
該アミノ化合物としては、具体的には、メラミン誘導体、例えばメトキシメチル化メラミン〔三井サイテック(株)(元、三井サイアナミッド(株))製サイメル300シリーズ(1)等〕、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック(株)製サイメル1100シリーズ(2)等)〕、グリコールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル樹脂(三井サイテック(株)製サイメル1100シリーズ(3)等)〕、その他尿素樹脂誘導体が挙げられる。これらの内、メラミン誘導体が特に好ましい。
本発明に係る感光性組成物への熱架橋性化合物の添加量としては、感度、形成された皮膜の均一性、及び、形成された皮膜の耐久性の観点から、感光性組成物の全固形分に対して、50質量%以下であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、2〜20質量%であることが特に好ましい。
また、感光性組成物の溶解性を調節するために、オニウム塩、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物、多官能アミン化合物等、添加するとアルカリ水可溶性高分子(アルカリ可溶性樹脂)の現像液への溶解阻止機能を向上させるいわゆる溶解抑止剤を添加することが好ましく、中でも、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、スルホン酸アルキルエステル等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することが、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る点で好ましい。
本発明において用いられるオニウム塩として、好適なものとしては、例えばS.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140140号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第5,041,358号、同第4,491,628号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同5,041,358号、同4,491,628号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等があげられる。
これらのオニウム塩の中でも、溶解阻止能や熱分解性の観点から、ジアゾニウム塩及び4級アンモニウム塩が特に好ましい。特に、ジアゾニウム塩としては、特開平5−158230号公報に記載の一般式(I)で示されるジアゾニウム塩や特開平11−143064号公報に記載の一般式(1)で示されるジアゾニウム塩が好ましく、可視光領域の吸収波長が小さい特開平11−143064号公報に記載の一般式(1)で示されるジアゾニウム塩が最も好ましい。また4級アンモニウム塩としては、特開2002−229186号公報に記載[化5]、[化6]中の(1)〜(10)に示される4級アンモニウム塩が好ましい。
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により結着剤の溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものをあげることができる。
分解性溶解抑止剤であるオニウム塩、及び/または、o−キノンジアジド化合物の添加量は、感光性組成物の全固形分に対し、好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%、特に好ましくは1〜2質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
o−キノンジアジド化合物以外の溶解抑止剤の添加量は、感光性組成物の全固形分に対し、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.1〜1.5質量%である。本発明に係る添加剤と結着剤は、同一層へ含有させることが好ましい。
また、分解性を有さない溶解抑止剤を併用してもよく、そのような溶解抑止剤として好ましいものとしては、特開平10−268512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等、同じく特開平11−190903号公報に詳細に記載されているラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有し着色剤を兼ねた酸発色性色素、同じく特開2000−105454号公報に詳細に記載されている非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
また、感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加することもできる。さらに、界面活性剤、画像着色剤、および可塑剤も使用することができる。
環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4'−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4',4"−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4',3",4"−テトラヒドロキシ−3,5,3',5'−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類、及びカルボン酸類などが挙げられる。
上記の環状酸無水物、フェノール類、及び有機酸類の感光性組成物全固形分に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
また、これら以外にも、エポキシ化合物、ビニルエーテル類、更には特開平8−276558号公報に記載のヒドロキシメチル基を有するフェノール化合物、アルコキシメチル基を有するフェノール化合物及び本発明者らが先に提案した特開平11−160860号公報に記載のアルカリ溶解抑制作用を有する架橋性化合物等を目的に応じて適宜添加することができる。
また、本発明の感光性組成物には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開平11−288093号公報に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224,DBE−621,DBE−712,DBP−732,DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることが出来る。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の感光性組成物全固形分に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
また、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。具体的にはオイルイエロ−#101、オイルイエロ−#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。これらの染料は、感光性組成物全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で添加することができる。
更に、本発明の感光性組成物には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
〔平版印刷版原版への応用〕
本発明においては、前記感光性組成物を、平版印刷版原版の感光層として適用することが好ましい。本発明に係る平版印刷版原版は、前記各成分を溶媒に溶かして、感光層塗布液とし、適当な支持体上に塗布することにより作製することができる。また、目的に応じて、後述する保護層、下塗層、バックコート層なども同様にして形成することができる。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。
感光層塗布液中の前記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般に、乾燥後の塗膜量が0.5〜5.0mg/m2となる量が好ましく、0.6〜2.0mg/m2となる量がより好ましい。
感光層塗布液を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光膜の皮膜特性は低下する。
また本発明における感光層塗布液中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、感光層全固形分中0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
(支持体)
本発明に係る平版印刷版原版に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、必要な強度、可撓性などの物性を満たすものであれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフイルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフイルム等が挙げられる。
中でも、ポリエステルフイルム又はアルミニウム板が好ましく、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフイルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組合せた方法も利用することができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
(下塗層)
本発明に係る平版印刷版原版は、支持体上に前記感光層を設けたものであるが、必要に応じて支持体と下層との間に下塗層を設けることができる。この下塗層を設けることで、支持体と感光層との間の下塗層が断熱層として機能し、赤外線レーザの露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく使用されることから、高感度化が図れるという利点を有する。また、本発明に係る感光層は、この下塗層を設ける際にも、露光面或いはその近傍に位置するため、赤外線レーザに対する感度は良好に維持される。
なお、未露光部においては、アルカリ現像液に対して非浸透性である感光層自体が下塗層の保護層として機能するために、現像安定性が良好になるとともにディスクリミネーションに優れた画像が形成され、且つ、経時的な安定性も確保されるものと考えられ、露光部においては、溶解抑制能が解除された感光層の成分が速やかに現像液に溶解、分散し、さらには、支持体に隣接して存在するこの下塗層自体がアルカリ可溶性高分子からなるものであるため、現像液に対する溶解性が良好で、例えば、活性の低下した現像液などを用いた場合でも、残膜などが発生することなく速やかに溶解し、現像性の向上にも寄与し、この下塗層は有用であると考えられる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
さらに下記一般式(5)で示される構造単位を有する有機高分子化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む下塗層も好ましい。
Figure 0004238152
一般式(5)中、R6は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、−COR12若しくは−CNを表すか、又はR7及びR8が結合して環を形成してもよく、R9〜R12はそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基を表し、Xは水素原子、金属原子、NR13141516を表し、R13〜R16はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基若しくは置換アリール基を表すか、又はR19及びR20が結合して環を形成してもよく、mは1〜3の整数を表す。
また、本発明における好適な下塗層成分として、特開2000−241962号公報に記載の酸基を有する構成成分とオニウム基を有する構成成分とを有する高分子化合物を挙げることができる。具体的には、酸基を有するモノマーとオニウム基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。酸基として好ましいのは酸解離指数(pKa)が7以上の酸基であり、より好ましくは−COOH、−SO3H、−OSO3H、−PO32、−OPO32、−CONHSO2−、または−SO2NHSO2−であり、特に好ましくは−COOHである。酸基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、上記酸基を有するスチレンなどが挙げられる。オニウム塩として好ましいのは、周期表V族あるいは第VI族の原子からなるオニウム基であり、より好ましくは窒素原子、リン原子あるいは硫黄原子から成るオニウム塩であり、特に好ましくは窒素原子から成るオニウム塩である。オニウム塩を有するモノマーの具体例としては、側鎖にアンモニウム基を有するメタクリレート、メタクリルアミド、第4級アンモニウム基などのオニウム基を含む置換基などのオニウム基を含む置換基を有するスチレン等が挙げられる。
さらに、特開2000−108538号公報、特願2002−257484号公報、特願2003−78699号公報、等に記載されているような化合物についても、必要に応じて用いることができる。
これらの下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、感光層の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
〔露光〕
本発明に係る平版印刷版原版は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
レーザの出力は100mW以上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましく、記録材料に照射されるエネルギーは10〜500mJ/cm2であることが好ましい。
〔現像〕
本発明に係る平版印刷版原版に適用することのできる現像液は、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液(以下、補充液も含めて現像液と呼ぶ)には、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のアルカリ水溶液の内、本発明による効果が発揮される現像液は、一つは塩基としてケイ酸アルカリを含有した、又は塩基にケイ素化合物を混ぜてケイ酸アルカリとしたものを含有した、所謂「シリケート現像液」と呼ばれるpH12以上の水溶液で、もう一つのより好ましい現像液は、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖(緩衝作用を有する有機化合物)と塩基とを含有したいわゆる「ノンシリケート現像液」である。
前者においては、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す)と濃度によって現像性の調節が可能であり、例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような、SiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の含有量が1〜4質量%のケイ酸ナトリウムの水溶液や、特公昭57−7427号公報に記載されているような、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1〜4質量%であり、かつ該現像液がその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有している、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が好適に用いられる。
また、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖と塩基とを含有したいわゆる「ノンシリケート現像液」が、本発明に係る平版印刷版原版の現像に適用するのには一層好ましい。この現像液を用いて、平版印刷版原版の現像処理を行うと、感光層の表面を劣化させることがなく、かつ感光層の着肉性を良好な状態に維持することができる。また、平版印刷版原版は、一般には現像ラチチュードが狭く、現像液pHによる画線幅等の変化が大きいが、ノンシリケート現像液にはpHの変動を抑える緩衝性を有する非還元糖が含まれているため、シリケートを含む現像処理液を用いた場合に比べて有利である。更に、非還元糖は、シリケートに比べて液活性度を制御するための電導度センサーやpHセンサー等を汚染し難いため、この点でも、ノンシリケート現像液は有利である。また、ディスクリミネーション向上効果が顕著である。これは、本発明において重要な現像液との接触(浸透)がマイルドとなり、露光部及び未露光部の差が出やすくなっているためと推定される。
前記非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体、及び糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明において好適に用いることができる。なお、本発明においては、特開平8−305039号公報に記載された非還元糖を好適に使用することができる。
前記トレハロース型少糖類としては、例えば、サッカロース、トレハロース等が挙げられる。前記配糖体としては、例えば、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体等が挙げられる。前記糖アルコールとしては、例えば、D,Lーアラビット、リビット、キシリット、D,Lーソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、アロズルシット等が挙げられる。更に、二糖類のマルトースに水素添加したマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)等が好適に挙げられる。これらの非還元糖の中でも、トレハロース型少糖類、糖アルコールが好ましく、その中でも、D−ソルビット、サッカロース、還元水あめ、等が適度なpH領域に緩衝作用があり、低価格である点で好ましい。
これらの非還元糖は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。前記非還元糖の前記ノンシリケート現像液中における含有量としては、十分な緩衝作用を発現し、且つ、高濃縮化および低コストの実現の観点から、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
また、前記非還元糖と組み合わせて用いられる塩基としては、従来より公知のアルカリ剤、例えば、無機アルカリ剤、有機アルカリ剤等が挙げられる。無機アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等が挙げられる。
有機アルカリ剤としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等が挙げられる。
前記塩基は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの塩基の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。また、本発明においては、前記ノンシリケート現像液として、非還元糖と塩基との併用に代えて、非還元糖のアルカリ金属塩を主成分としたものを用いることもできる。
また、前記ノンシリケート現像液に、前記非還元糖以外の弱酸と強塩基とからなるアルカリ性緩衝液を併用することができる。前記弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましく、例えば、Pergmon Press 社発行のIonization Constants of Organic Acidsin Aqueous Solution 等に記載されているものから選択できる。
具体的には、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール−1、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール等のアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(、ピリジン−4−アルデヒド(等のアルデヒド類、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、カテコール、没食子酸、スルホサリチル酸、3,4−ジヒドロキシスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール、o−、m−,p−クレゾール、レゾルソノール等のフェノール性水酸基を有する化合物、アセトキシム、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、ジメチルグリオキシム、エタンジアミドジオキシム、アセトフェノンオキシム等のオキシム類、アデノシン、イノシン、グアニン、シトシン、ヒポキサンチン、キサンチン等の核酸関連物質、その他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸、ベンズイミダゾール、バルビツル酸等が好適に挙げられる。
前記現像液及び補充液には、現像性の促進や抑制、現像カスの分散または、印刷版画像部の親インキ性を高める目的で、必要に応じて、種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。前記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が好ましい。更に、前記現像液及び補充液には、必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤等を加えることができる。
前記現像液及び補充液を用いて現像処理された平版印刷版原版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。前記平版印刷版原版を印刷版として使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
更に自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量のPS版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤があげられる。更に現像液及び補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
上記現像液及び補充液を用いて現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明に係る平版印刷版原版の後処理としては、これらの処理を種々組合せて用いることができる。
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽及びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
本発明に係る平版印刷版原版においては、画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フイルムのフイルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行なわれる。このような消去は、例えば特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行う方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷性平版印刷版としたい場合には、所望によりバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿を用いて整面液を平版印刷版上に塗布する方法や、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターを用いて塗布する方法などが挙げられる。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることにより、さらに好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥質量)が適当である。整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができる。但し、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、本発明を実施例に従って説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050アルミニウム板を用いて、下記に示す工程を経て処理することで支持体を作製した。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
<支持体A>
上記(a)〜(j)の各工程を順に行い(e)工程におけるエッチング量は3.4g/m2となるようにして支持体Aを作製した。
<支持体B>
上記工程のうち(g)(h)(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体Bを作製した。
<支持体C>
上記工程のうち(a)及び(g)(h)(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体Cを作製した。
<支持体D>
上記工程のうち(a)及び(d)(e)(f)の工程を省略した以外は各工程を順に行い、(g)工程における電気量の総和が450C/dm2となるようにして支持体Dを作製した。
上記によって得られた支持体A、B、C、Dには、引き続き下記の親水処理、下塗り処理を行った。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体A〜Dを温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は3.6mg/m2であった。
(下塗り処理)
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は15mg/m2であった。
<下塗り液>
・下記高分子化合物I 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
Figure 0004238152
(感光層の形成)
次に、上記で得られた下塗層付き支持体Aに、下記組成の感光層塗布液Aをワイヤーバーで塗布した後、乾燥装置にて140℃で70秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.4g/m2とした実施例1のポジ型平版印刷版原版を得た。
<感光層塗布液A>
・変性フェノール樹脂A(下記構造、重量平均分子量4,000) 1.50g
・m−クレゾール/p−クレゾール(60/40)ノボラック樹脂 0.50g
(重量平均分子量:5,000)
・シアニン染料X(下記構造) 0.10g
・エチルバイオレット−6−ナフタレンスルホン酸 0.015g
・フッ素系界面活性剤 0.06g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 20.0g
・メチルアルコール 10.0g
Figure 0004238152
Figure 0004238152
〔実施例2〕
実施例1において、支持体Aの代わりに支持体Bを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例2の平版印刷版原版を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、支持体Aの代わりに支持体Cを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例3の平版印刷版原版を得た。
〔実施例4〕
実施例1において、支持体Aの代わりに支持体Dを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例4の平版印刷版原版を得た。
〔実施例5〕
実施例1において、下塗液に含まれる高分子化合物Iの代わりに下記高分子化合物IIを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例5の平版印刷版原版を得た。
Figure 0004238152
〔実施例6〕
実施例1において、変性フェノール樹脂Aの代わりに、下記構造の変性フェノール樹脂B(重量平均分子量:3,000)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例6の平版印刷版原版を得た。
Figure 0004238152
〔実施例7〕
実施例1において、変性フェノール樹脂Aの代わりに、下記構造の変性フェノール樹脂C(重量平均分子量:3,000)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例7の平版印刷版原版を得た。
Figure 0004238152
〔実施例8〕
実施例1において、m−クレゾール/p−クレゾール(60/40)ノボラック樹脂(重量平均分子量:5,000)の代わりに、フェノール/m−クレゾール(70/30)ノボラック樹脂(重量平均分子量:8,000)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例8の平版印刷版原版を得た。
〔実施例9〕
実施例1において、m−クレゾール/p−クレゾール(60/40)ノボラック樹脂(重量平均分子量:5,000)の代わりに、o−クレゾール/p−クレゾール(50/50)ノボラック樹脂(重量平均分子量:3,000)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って実施例9の平版印刷版原版を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、感光層塗布液Aの代わりに、下記組成の感光層塗布液Bを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って比較例1の平版印刷版原版を得た。
<感光層塗布液B>
・m−クレゾール/p−クレゾール(60/40)ノボラック樹脂 2.50g
(重量平均分子量:5,000)
・シアニン染料X(前記構造) 0.10g
・エチルバイオレット−6−ナフタレンスルホン酸 0.015g
・フッ素系界面活性剤 0.06g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 20.0g
・メチルアルコール 10.0g
〔比較例2〕
実施例1において、感光層塗布液Aの代わりに、下記組成の感光層塗布液Cを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って比較例2の平版印刷版原版を得た。
<感光層塗布液C>
・樹脂M(下記構造、重量平均分子量:4,000) 1.50g
・シアニン染料Y(下記構造) 0.10g
・着色剤 0.015g
(AIZENSPILONBLUEC−RH、保土ヶ谷化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤 0.06g
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 15.0g
・メチルアルコール 7.0g
Figure 0004238152
Figure 0004238152
〔比較例3〕
実施例1において、感光層塗布液Aの代わりに、下記組成の感光層塗布液Dを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って比較例3の平版印刷版原版を得た。
<感光層塗布液D>
・樹脂M(前記構造、重量平均分子量:4,000) 1.50g
・m−クレゾールノボラック(重量平均分子量:3,000) 1.00g
・シアニン染料Y(前記構造) 0.10g
・着色剤 0.015g
(AIZENSPILONBLUEC−RH、保土ヶ谷化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤 0.06g
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 20.0g
・メチルアルコール 10.0g
〔比較例4〕
実施例1において、感光層塗布液Aの代わりに、下記組成の感光層塗布液Eを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って比較例4の平版印刷版原版を得た。
<感光層塗布液E>
・変性フェノール性樹脂A 2.50g
・シアニン染料X 0.10g
・エチルバイオレット6−ナフタレンスルホン酸 0.015g
・フッ素系界面活性剤 0.06g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 20.0g
・メチルアルコール 10.0g
〔平版印刷版原版の評価〕
(現像ラチチュード)
得られた実施例1〜9、及び比較例1〜4のポジ型平版印刷版原版をCreo社製Trendsetter800にて、ビーム強度10.0W、ドラム回転速度250rpmの条件でテストパターンの画像状に描き込み(露光)を行った。
次に、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2Rの水希釈(1:9)にて、電導度が37mS/cmになるまで炭酸ガスを吹き込んだ液及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG−1の水希釈(1:1)液を仕込んだ、富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP−940Hを用い、液温を30度に保って現像時間12秒で現像した。その後、現像液にDT−2Rの水希釈(1:9)液を適量加え、電導度を39mS/cmに調整し、先ほどと同じくテストパターンを画像状に描き込んだ平版印刷版原版を現像した。更に同方法で電導度を2mS/cm上げ、画像の現像による膜減りが顕著に観察されるまでこの作業を続けた。
これら現像後の実施例及び比較例の版において、各電導度で現像した版を、現像不良の非画像部残膜に起因する汚れや着色がないかを50倍のルーペで確認し、良好に現像が行えた現像液の電導度を決定した。次に、実質上耐刷に影響を及ぼさない程度に現像膜減りが維持される限界の電導度、具体的には、現像前のベタ部の画像濃度をGRETAG反射濃度計D196(GretagMacbeth社製)で測定して、この画像濃度から0.10以上少ない画像濃度となるベタ部が形成された現像液の電導度を決定した。
良好に現像が行えた現像液の電導度と現像膜減りしない限界の電導度との幅を現像ラチチュードとした。この数値が大きいほど現像ラチチュードが広いことを表す。結果を表1に記す。
(耐薬品性)
得られた実施例1〜9及び比較例1〜4のポジ型平版印刷版原版の未露光部にクリーナー液(富士写真フイルム(株)製:「プレートクリーナーCL2」)を滴下し、1分後の滴下部の濃度変化を目視により比較した。結果を表1に記す。ここで、○は滴下前後の濃度差が無かったものを示し、×は滴下前後で明確な濃度差がみられたものを示す。
(バーニング耐刷性)
得られた実施例1〜9及び比較例1〜4のポジ型平版印刷版原版をCreo社製Trendsetter3244にて、ビーム強度10.0W、ドラム回転速度250rpmの条件でテストパターンの画像状に描き込み(露光)を行い、上記の条件で露光した平版印刷版原版を、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(希釈して、電導度43mS/cmとしたもの)及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2W(1:1で希釈したもの)を仕込んだ、富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP−940Hを用い、液温を30℃に保ち現像時間12秒で現像した。その後、富士写真フイルム株式会社製バーニング整面液BC−7で版面をふき、バーニング装置BP−1300を用いて、230℃で3分間処理し、ハイデルKOR−D機で印刷した。印刷により正常な印刷物が得られた枚数を表1に記す。
Figure 0004238152
以上、本発明の感光性組成物を感光層に用いた実施例1〜9の平版印刷版原版は、溶解ディスクリが大きく(現像ラチチュードが広く)、また、耐薬品性、及びバーニング耐刷性にも優れた平版印刷版原版であることが分かった。
一方、変性フェノール性樹脂を用いなかった比較例1〜3は、耐薬品性に問題があり、溶解ディスクリも実施例と比べ劣っていた。また、変性フェノール樹脂のみを用い、ノボラック樹脂を併用しなかった比較例4は、耐薬品性に問題はないものの、溶解ディスクリが著しく低下していることが確認された。

Claims (1)

  1. (A)下記一般式(1)で表される構造単位とフェノール性水酸基とを有する樹脂、(B)赤外線吸収剤、及び、(C)ノボラック樹脂を含有する感光性組成物。
    Figure 0004238152
    (一般式(1)中、R1は、水素原子、又は任意の置換基を表し、Xは、2価の連結基を表し、R2は、非共有電子対結合部位と水素結合可能な水素原子とを有し、熱的に可逆な2以上の水素結合を形成しうる1価の置換基を表す。)
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