JP4328172B2 - 感光性組成物およびそれを用いたポジ型平版印刷版原版の製造方法 - Google Patents

感光性組成物およびそれを用いたポジ型平版印刷版原版の製造方法 Download PDF

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本発明は、赤外線の露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する感光性組成物に関し、より詳細には、コンピュータ等のデジタル信号に基づいて赤外線レーザを走査することにより直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能なポジ型平版印刷版原版の記録層として有用な感光性組成物、および、それを用いたポジ型平版印刷版原版の製造方法に関する。
従来、コンピュータのディジタルデータから直接製版するシステムとしては、(1)電子写真法によるもの、(2)Arレーザによる露光と後加熱の組み合わせによる光重合系、(3)感光性樹脂上に銀塩感材を積層したもの、(4)シルバーマスタータイプのもの、(5)放電破壊やレーザ光によりシリコーンゴム層を破壊することによるもの等が知られている。
しかしながら(1)の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等処理が煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。(2)の方法では後加熱工程を要するほか、高感度な版材を要し、明室での取扱いが難しくなる。(3)、(4)の方法では銀塩を使用するため処理が煩雑になり、コストが高くなる欠点がある。また(5)の方法は比較的完成度の高い方法であるが、版面に残るシリコーン滓の除去に問題点を残している。
一方、近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。従来公知のダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版としては、アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂と、光を吸収し熱を発生する赤外線吸収剤等とを必須成分とするものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。このような平版印刷版原版は、未露光部(画像部)において、赤外線吸収剤等がバインダー樹脂との相互作用によりバインダー樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤として働き、露光部(非画像部)においては、発生した熱により赤外線吸収剤等とバインダー樹脂との相互作用が弱まりアルカリ現像液に溶解して平版印刷版を形成する。
しかしながら、このような赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版では、様々な使用条件における未露光部(画像部)の現像液に対する耐溶解性と、露光部(非画像部)の溶解性との間の差が未だ十分とは言えず、使用条件による現像安定性(現像ラチチュード)が低く、高濃度現像液による現像過剰が起きやすいという問題があった。一方で、この現像過剰を抑制する目的で、アルカリ現像液に対して溶解性の低いバインダー樹脂を用いると、露光部の現像性(感度)が低下する傾向があり、現像ラチチュードと感度のトレードオフを脱却するための改良が望まれていた。
そこで、バインダー樹脂として、本願とは異なる特定の範囲に重量平均分子量分布を規定したノボラック樹脂を用いた画像形成材料が知られているが(例えば、特許文献4参照。)、現像ラチチュードの点でなお改良の余地があった。
国際公開第97/39894号パンフレット 欧州特許第823327号明細書 特開平11−218914号公報 特開2000−221676公報
本発明の目的は、高濃度現像液の浸透を抑制し、且つ、露光により優れた現像液溶解性を発現しうる高感度な感光性組成物、すなわち、現像ラチチュードが広く、且つ、高感度な感光性組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、現像ラチチュードが広く、且つ、高感度な感光性組成物を用いたポジ型平版印刷版原版の製造方法を提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、ポジ型感光性組成物におけるアルカリ可溶性のバインダー樹脂として、特定の分子量分布を有するノボラック樹脂を用いることにより上記課題を解決するに至った。
即ち、本発明の感光性組成物は、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミネーションクロマトグラフ(GPC)法により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1000〜50000である範囲のノボラック樹脂(A)と、重量平均分子量(Mw)が500〜8000の範囲であり、かつ下記(b−1)〜(b−4)のいずれかであるノボラック樹脂(B)とを、前記ノボラック樹脂(A)と前記ノボラック樹脂(B)との比が50〜99:1〜50で混合されることにより得られた、重量平均分子量(Mw)の分布が100〜1000、1000〜3000、及び3000〜30000の範囲にあるGPCパターンの面積比が、それぞれ全面積に対して5〜20%、50〜80%および10〜35%であるノボラック樹脂(以下、適宜「特定ノボラック樹脂」と称する)、及び、赤外線吸収剤を含み、赤外レーザによってアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大することを特徴とする。
(b−1)重量平均分子量(Mw)が1500未満で、分散度(Mw/Mn)が1.5以下
(b−2)重量平均分子量(Mw)が1500以上2500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.0以下
(b−3)重量平均分子量(Mw)が2500以上4500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.7以下
(b−4)重量平均分子量(Mw)が4500以上で、分散度(Mw/Mn)が3.5以下
また本発明のポジ型平版印刷版原版は、少なくとも、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミネーションクロマトグラフ(GPC法)により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1000〜50000の範囲であるノボラック樹脂(A)と、重量平均分子量(Mw)が500〜8000の範囲であり、かつ下記(b−1)〜(b−4)のいずれかであるノボラック樹脂(B)とを、前記ノボラック樹脂(A)と前記ノボラック樹脂(B)との比が50〜99:1〜50で混合されることにより得られた、重量平均分子量(Mw)の分布が100〜1000、1000〜3000、及び3000〜30000の範囲にあるGPCパターンの面積比が、それぞれ全面積に対して5〜20%、50〜80%および10〜35%であるノボラック樹脂、赤外線吸収剤、ならびに溶媒を含む記録層塗布液をアルミニウム支持体上に塗布し、乾燥することにより記録層を形成することを特徴とする。
(b−1)重量平均分子量(Mw)が1500未満で、分散度(Mw/Mn)が1.5以下
(b−2)重量平均分子量(Mw)が1500以上2500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.0以下
(b−3)重量平均分子量(Mw)が2500以上4500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.7以下
(b−4)重量平均分子量(Mw)が4500以上で、分散度(Mw/Mn)が3.5以下
本発明の作用は明確ではないが、本発明の感光性組成物は、特定ノボラック樹脂を用いることで、露光部の溶解性を殆ど低下させることなく、未露光部の現像液浸透性を強化する作用を発現するものと推測される。
本発明によれば、高濃度現像液の浸透を抑制し、且つ、露光により優れた現像液溶解性を発現しうる高感度な感光性組成物、すなわち、現像ラチチュードが広く、且つ、高感度な感光性組成物を得ることができる。また本発明によれば、現像ラチチュードが広く、且つ、高感度な感光性組成物を用いたポジ型平版印刷版原版の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性組成物は、特定ノボラック樹脂及び赤外線吸収剤を含有し、赤外線レーザによってアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大することを特徴とする。以下に、該感光性組成物を構成する各成分について順次説明する。
〔特定ノボラック樹脂〕
本発明に用いられる特定ノボラック樹脂は、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミネーションクロマトグラフ(GPC法)により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1000〜50000の範囲であるノボラック樹脂(A)と、重量平均分子量(Mw)が500〜8000の範囲であり、かつ下記(b−1)〜(b−4)のいずれかであるノボラック樹脂(B)とを、前記ノボラック樹脂(A)と前記ノボラック樹脂(B)との比が50〜99:1〜50で混合されることにより得られた、重量平均分子量(Mw)の分布が100〜1000、1000〜3000、及び3000〜30000の範囲にあるGPCパターンの面積比が、それぞれ全面積に対して5〜20%、50〜80%および10〜35%であれば特に制限はなく用いることができるが、より好ましくは、上記面積比が、それぞれ全面積に対して10〜20%、55%〜75%及び15〜30%である。なお、ここでいうGPCパターンの面積比とは、特定ノボラック樹脂の分子量分布を示す。
(b−1)重量平均分子量(Mw)が1500未満で、分散度(Mw/Mn)が1.5以下
(b−2)重量平均分子量(Mw)が1500以上2500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.0以下
(b−3)重量平均分子量(Mw)が2500以上4500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.7以下
(b−4)重量平均分子量(Mw)が4500以上で、分散度(Mw/Mn)が3.5以下
本発明に用いられる特定ノボラック樹脂は、特定の範囲における重量平均分子量の分布が高いことを特徴とする。通常使用される一般的なノボラック樹脂の分子量分布は、例えば、図1に示すようなGPCパターンを有する。本発明に用いられる特定ノボラック樹脂の分子量分布を一例を挙げて説明すれば、例えば、図2に示すようなGPCパターンを有する。図2に明らかなように、本発明に係る特定ノボラック樹脂は、分子量1000〜3000の分子量分布が他分子量の分子分布量と比べて特異的に多いことがわかる。原因は明確ではないが、このようなGPCパターンの形状を有する特定ノボラック樹脂が本発明の効果に寄与するものと考えられる。
このような特定ノボラック樹脂を構成しうるノボラック樹脂としては、フェノールや置換フェノール類、クレゾール、キシレノールなどをアルデヒド類で縮合してなる一般的なノボラック樹脂であれば特に制限なく用いることができる。例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−、m−/p−混合、m−/o−混合およびo−/p−混合のいずれでもよい。)混合ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。また上記ノボラック樹脂の代わりにノボラック樹脂誘導体を用いてもよく、該樹脂誘導体としては上述したノボラック樹脂の誘導体が挙げられ、本発明においては、これらの誘導体もノボラック樹脂に包含されるものとする。
また、該ノボラック樹脂を構成する、最小構成単位は同一の酸性基を有する最小構成単位を2種以上、または異なる酸性基を有する最小構成単位を2種以上縮重合または共重合させたものを用いる
本発明に係る特定ノボラック樹脂を得る方法に特に制限はないが、例えば、特定分子量分画をカットする、合成方法(原材料、合成経路)を選択することで特定分子量の収率を上げる、異なる重量平均分子量をもつ2種以上のノボラック樹脂を混合するなどの方法が挙げられる。中でも、簡便性の観点からは、異なる重量平均分子量をもつ2種類以上のノボラック樹脂を、その混合比を調節して混合する方法が挙げられる
その場合、分子量の分散度(Mw/Mn)が低いノボラック樹脂(以下、分子量集約ノボラックと記す)を用いることが、重量平均分子量分布を制御し易いため、好ましい手法として用いられる。分子量集約ノボラックの分子量の分散度は、該ノボラックの重量平均分子量により異なるが、重量平均分子量が1,500未満の場合は、分散度1.5以下であり、1.4以下好ましい。また、重量平均分子量が1,500以上、2,500未満の場合は、分散度2.0以下であり、1.8以下好ましい。重量平均分子量が2,500以上、4,500未満の場合は、分散度2.7以下であり、2.5以下好ましい。重量平均分子量が4,500以上の場合は、分散度3.5以下であり、3.0以下好ましい。
このとき、分子量分布が狭いもの同士を組み合わせることもできるが、分子量が1000未満や3000を超えるものをある程度含むことを要するため、そのような分子量のものを含む、あまり分散度の低くないもの、分布が広いものを組み合わせることも有効である。
以下に、このような分子量集約ノボラック樹脂の製造方法及び合成例について記載するが本発明はこれに限定されるものではない。
分子量集約ノボラック樹脂の製造方法としては、例えば「新実験化学講座〔19〕高分子化学〔I〕」(1993年、丸善出版)、第300項に記載の如く、フェノール及び置換フェノール類(例えば、クレゾール類など)を溶媒中、酸を触媒として、ホルムアルデヒド水溶液と共に反応させて、フェノールと、置換フェノール成分におけるo−位、m−位またはp−位と、ホルムアルデヒドとを、脱水縮合する。こうして得たノボラック樹脂をアセトンに溶解させたのち、n−ヘキサンを適量加え、数時間放置すると、ノボラック溶液は2層に分離する。分離した溶液の下層のみを濃縮することにより分子量が集約したノボラック樹脂が製造できる。
また、さらに分散度を小さくするためには、フェノール誘導体同士の脱水縮合で得たノボラック樹脂をアセトンで溶解したのち、分子量分画用シリカゲルにかけることにより製造することが可能である。
フェノール及び置換フェノール成分のo−位、m−位またはp−位と、ホルムアルデヒドとの脱水縮合は、フェノール及び置換フェノール成分の総質量として、これを60〜90質量%、好ましくは70〜80質量%になるよう溶媒溶液に溶解し、ホルムアルデヒドをフェノール及び置換フェノール成分の総モル数に対するモル比率が0.2〜2.0、好ましくは0.4〜1.4、特に好ましくは0.6〜1.2になるよう加え、更に、酸触媒をフェノール及び置換フェノール成分の総モル数に対するモル比率が0.01〜0.1、好ましくは0.02〜0.05になるように10℃〜150℃の範囲の温度条件下で加え、その温度範囲に維持しながら数時間撹拌することにより行なうことができる。なお、反応温度は、70℃〜150℃の範囲であることが好ましく、90〜140℃の範囲であることがより好ましい。
用いられる溶媒としては、例えば、水、酢酸、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、エチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、4−メチル−2−ペンタノン、ジオキサン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。
また上記酸触媒としては、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、メチルスルホン酸マグネシウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛等を挙げることができる。
その他、旭有機材料PAPSシリーズなどの分子量集約ノボラックが知られており、これらの分子量集約ノボラック樹脂は、特殊な酸触媒及び溶媒を用いることで合成することが可能である。このような分子量集約ノボラックを用いても、本発明に係る特定ノボラック樹脂を製造することができる。
以下に分子量集約ノボラック樹脂の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004328172
本発明に係る特定ノボラック樹脂は、このような分子量集約ノボラックを含む2種類以上を調節して混合することにより得ることができる。本発明おいては、重量平均分子量(Mw)1,000〜50,000の範囲であるノボラック樹脂(A)と、重量平均分子量(Mw)500〜8,000の範囲の分子量集約ノボラック(ノボラック樹脂(B))とを50〜99:1〜50で混合する重量平均分子量(Mw)1,500〜30,000の範囲のノボラック樹脂(A)と、重量平均分子量(Mw)700〜5,000の範囲の分子量集約ノボラック(ノボラック樹脂(B))とを65〜97:3〜35で混合することがより好ましい。この範囲において、本発明に好適な分子量分布が得られる。
本発明におけるノボラック樹脂またはその誘導体としては、重量平均分子量は1,000〜50,000の範囲にあることが好ましく、2,000〜30,000の範囲にあることがより好ましい。
本発明の感光性組成物中における特定ノボラック樹脂の含有量は、感度および形成された皮膜の耐久性の観点から、固形分で、40〜99質量%が好ましく、45〜95質量%がさらに好ましく、50〜90質量%が最も好ましい。
また、上記ノボラック樹脂と同様にして、特定のGCPパターン(分子量分布)を有するノボラック樹脂誘導体を調製することができる。
〔赤外線吸収剤〕
本発明に使用される赤外線吸収剤とは、波長700nm以上、好ましくは波長750〜1200nmの赤外域に光吸収域を有し、この範囲の波長域の光により、光/熱変換能を発現する物質を指す。具体的には、上記波長域の光を吸収し熱を発生する種々の染料または顔料を用いることができる。
染料としては、市販の染料、例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体、オキソノール染料、ジイモニウム染料、アミニウム染料、クロコニウム染料等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクアリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、フタロシアニン染料、オキソノール染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム染料、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、下記一般式(a)〜一般式(e)で示される染料が光熱変換効率に優れるため好ましく、特に下記一般式(a)で示されるシアニン色素は、本発明の感光性組成物で使用した場合に、アルカリ溶解性樹脂との高い相互作用を与え、且つ、安定性、経済性に優れるため最も好ましい。
Figure 0004328172
一般式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子又は、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
Figure 0004328172
前記式中、Xa-は、後述するZa-と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光性組成物の保存安定性の観点からは、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素がその構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合は、Za-は必要ない。好ましいZa-は、感光性組成物の保存安定性の観点から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、以下に例示するものの他、特開2001−133969明細書の段落番号[0017]〜[0019]、特開2002−40638明細書の段落番号[0012]〜[0038]、特開2002−23360明細書の段落番号[0012]〜[0023]に記載されたものを挙げることができる。
Figure 0004328172
Figure 0004328172
Figure 0004328172
Figure 0004328172
前記一般式(b)中、Lは共役炭素原子数7以上のメチン鎖を表し、該メチン鎖は置換基を有していてもよく、置換基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。Zb+は対カチオンを示す。好ましい対カチオンとしては、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、アルカリ金属カチオン(Na+、K+、Li+)などが挙げられる。R9〜R14及びR15〜R20は互いに独立に水素原子又はハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基から選択される置換基、或いは、これらを2つ若しくは3つ組合せた置換基を表し、互いに結合して環構造を形成していてもよい。ここで、前記一般式(b)中、Lが共役炭素原子数7のメチン鎖を表すもの、及び、R9〜R14及びR15〜R20がすべて水素原子を表すものが入手の容易性と効果の観点から好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(b)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004328172
Figure 0004328172
前記一般式(c)中、Y3及びY4は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子を表す。Mは、共役炭素数5以上のメチン鎖を表す。R21〜R24及びR25〜R28は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基を表す。また、式中Za-は対アニオンを表し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(c)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004328172
Figure 0004328172
前記一般式(d)中、R29ないしR32は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。R33及びR34は各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、又はハロゲン原子を示す。n及びmは各々独立に0ないし4の整数を示す。R29とR30、又はR31とR32はそれぞれ結合して環を形成してもよく、またR29及び/又はR30はR33と、またR31及び/又はR32はR34と結合して環を形成しても良く、さらに、R33或いはR34が複数存在する場合に、R33同士あるいはR34同士は互いに結合して環を形成してもよい。X2及びX3は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、X2及びX3の少なくとも一方は水素原子又はアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基又はペンタメチン基であり、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。Zc-は対アニオンを示し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(d)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004328172
Figure 0004328172
前記一般式(e)中、R35〜R50はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示す。Mは2つの水素原子若しくは金属原子、ハロメタル基、オキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表のIA、IIA、IIIB、IVB族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(e)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0004328172
前記顔料としては、市販の顔料またはカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)および「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
前記顔料の種類としては、例えば、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラックを用いることができる。
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート)を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は、感光性組成物中における顔料の優れた分散安定性、及び、該感光性組成物を平版印刷版原版の記録層として使用した場合の記録層の均一性の観点から、0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの顔料もしくは染料は、感度、及び、該感光性組成物を平版印刷版原版の記録層として使用した場合の記録層の均一性、耐久性の観点から、感光性組成物全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは0.1〜10質量%の割合で添加することができる。
〔その他の成分〕
本発明の感光性組成物には、更に必要に応じて種々の添加剤を添加することができる。
(その他の水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂)
本発明においては、前記特定ノボラック樹脂がバインダーとして必須であるが、その他の水不溶性且つアルカリ可溶性の樹脂を併用することもできる。そのような樹脂としては、例えば、レゾール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性水酸基を有するアクリル樹脂、特開平2−866号公報に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル樹脂、ウレタン系樹脂が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、例えば、特開昭63−124047号公報、特開昭63−261350号公報、特開昭63−287942号公報、特開昭63−287943号公報、特開昭63−287944号公報、特開昭63−287946号公報、特開昭63−287947号公報、特開昭63−287948号公報、特開昭63−287949号公報、特開平1−134354号公報および特開平1−255854号公報に記載されているものが好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。その他の水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂の添加量は、前記特定ノボラック樹脂の特性に起因して得られる本発明の効果の観点から、感光性組成物の全固形分中、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。
(溶解抑止剤)
本発明の感光性組成物には、そのインヒビション(溶解抑制能)を高める目的で、溶解抑止剤を含有させることが好ましい。特に、前記赤外線吸収剤として溶解抑止能を有しないものを使用する場合には、この溶解抑止剤は該感光性組成物の耐アルカリ性を維持するための重要成分となりうる。
本発明に用いられる溶解抑止剤としては、前記特定ノボラック樹脂又はその他の水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と相互作用を形成し、感光性組成物の現像液に対する溶解性を実質的に低下させ、且つ、露光により該相互作用が弱まり、現像液に対して可溶となり得るものであれば特に限定はされない。具体的には、オニウム塩、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物、多官能アミン化合物等が挙げられ、中でも、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、スルホン酸アルキルエステル等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質が好ましい。
本発明において用いられるオニウム塩として、好適なものとしては、例えばS.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140140号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第5,041,358号、同第4,491,628号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同5,041,358号、同4,491,628号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等があげられる。
これらのオニウム塩の中でも、溶解阻止能や熱分解性の観点から、ジアゾニウム塩及び4級アンモニウム塩が特に好ましい。特に、ジアゾニウム塩としては、特開平5−158230号公報に記載の一般式(I)で示されるジアゾニウム塩や特開平11−143064号公報に記載の一般式(1)で示されるジアゾニウム塩が好ましく、可視光領域の吸収波長が小さい特開平11−143064号公報に記載の一般式(1)で示されるジアゾニウム塩が最も好ましい。また4級アンモニウム塩としては、特開2002−229186号公報に記載〔化5〕〔化6〕中の(1)〜(10)に示される4級アンモニウム塩が好ましい。
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により結着剤の溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものをあげることができる。
分解性溶解抑止剤であるオニウム塩、及び/または、o−キノンジアジド化合物の添加量は好ましくは感光性組成物の全固形分に対し、1〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%、特に好ましくは1〜2質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
o−キノンジアジド化合物以外の添加剤の添加量は、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.1〜1.5質量%である。本発明に係る添加剤と結着剤は、同一層へ含有させることが好ましい。
また、分解性を有さない溶解抑止剤を併用してもよく、好ましい溶解抑止剤としては、特開平10−268512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等、同じく特開平11−190903号公報に詳細に記載されているラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有し着色剤を兼ねた酸発色性色素、同じく特開2000−105454号公報に詳細に記載されている非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
(その他の添加剤)
本発明の感光性組成物には、感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を使用することができる。また、後述する界面活性剤、画像着色剤、および可塑剤も使用することができる。
環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。
フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類、及びカルボン酸類などが挙げられる。
上記の環状酸無水物、フェノール類、及び有機酸類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
また、これら以外にも、エポキシ化合物、ビニルエーテル類、更には特開平8−276558号公報に記載のヒドロキシメチル基を有するフェノール化合物、アルコキシメチル基を有するフェノール化合物及び本発明者らが先に提案した特開平11−160860号公報に記載のアルカリ溶解抑制作用を有する架橋性化合物等を目的に応じて適宜添加することができる。
また、本発明の感光性組成物には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開平11−288093号公報に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224,DBE−621,DBE−712,DBP−732,DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることが出来る。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
また、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。これらの染料は、感光性組成物全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で添加することができる。
更に、本発明の感光性組成物には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
〔平版印刷版原版への応用〕
本発明の感光性組成物は、前記各成分(添加剤を含む全固形分)を溶媒に溶かして記録層塗布液とし、適当な支持体上に塗布することで平版印刷版原版を製造することができる。さらに、目的に応じて、保護層、下塗り層、バックコート層などを設けてもよく、これらは、記録層と同様の方法により設けることができる。
また、本発明に係る平版印刷版原版の記録層は、重層構造であってもよく、その場合、本発明の感光性組成物を、重層型記録層の最上層を形成する感光性組成物として用いることができる。例えば、該感光性組成物を特開平11−218914号公報記載の上層の代替感光層として用いたもの等が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(塗布溶剤及び塗布方法)
上記記録層塗布液を調整する際に使用される溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。溶媒中の前記成分の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般に、乾燥後の塗膜量が0.5〜5.0mg/m2となる量が好ましく、0.6〜2.0mg/m2となる量がより好ましい。
このような記録層塗布液を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光膜の皮膜特性は低下する。
また、記録層塗布液中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、記録層全固形分中0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
(支持体)
本発明に係る平版印刷版原版に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、必要な強度、可撓性などの物性を満たすものであれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフイルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフイルム等が挙げられる。
本発明に適用し得る支持体としては、ポリエステルフイルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフイルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組合せた方法も利用することができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
(下塗層)
本発明に係る平版印刷版原版は、必要に応じて支持体と記録層との間に下塗層を設けることができる。この下塗層を設けることで、支持体と記録層との間の下塗層が断熱層として機能し、赤外線レーザの露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく使用されることから、高感度化が図れるという利点を有する。また、本発明に係る記録層は、この下塗層を設ける際にも、露光面或いはその近傍に位置するため、赤外線レーザに対する感度は良好に維持される。
なお、未露光部においては、アルカリ現像液に対して非浸透性である記録層自体が下塗層の保護層として機能するために、現像安定性が良好になるとともにディスクリミネーションに優れた画像が形成され、且つ、経時的な安定性も確保されるものと考えられ、露光部においては、溶解抑制能が解除された記録層の成分が速やかに現像液に溶解、分散し、さらには、支持体に隣接して存在するこの下塗層自体がアルカリ可溶性高分子からなるものであるため、現像液に対する溶解性が良好で、例えば、活性の低下した現像液などを用いた場合でも、残膜などが発生することなく速やかに溶解し、現像性の向上にも寄与し、この下塗層は有用であると考えられる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
さらに下記式で示される構造単位を有する有機高分子化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む下塗層も好ましい。
Figure 0004328172
11は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、R12及びR13はそれぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、−OR14、−COOR15、−CONHR16、−COR17若しくは−CNを表すか、又はR12及びR13が結合して環を形成してもよく、R14〜R17はそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基を表し、Xは水素原子、金属原子、NR18192021を表し、R18〜R21はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基若しくは置換アリール基を表すか、又はR18及びR19が結合して環を形成してもよく、mは1〜3の整数を表す。
また、本発明における好適な下塗層成分として、特開2000−241962号公報に記載の酸基を有する構成成分とオニウム基を有する構成成分とを有する高分子化合物を挙げることができる。具体的には、酸基を有するモノマーとオニウム基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。酸基として好ましいのは酸解離指数(pKa)が7以上の酸基であり、より好ましくは−COOH、−SO3H、−OSO3H、−PO32、−OPO32、−CONHSO2 -、または、−SO2NHSO2 -であり、特に好ましくは−COOHである。酸基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、上記酸基を有するスチレンなどが挙げられる。オニウム塩として好ましいのは、周期表V族あるいは第VI族の原子からなるオニウム基であり、より好ましくは窒素原子、リン原子あるいは硫黄原子から成るオニウム塩であり、特に好ましくは窒素原子から成るオニウム塩である。オニウム塩を有するモノマーの具体例としては、側鎖にアンモニウム基を有するメタクリレート、メタクリルアミド、第4級アンモニウム基などのオニウム基を含む置換基などのオニウム基を含む置換基を有するスチレン等が挙げられる。
さらに、特開2000−108538号公報、特願2002−257484号公報、特願2003−78699号公報、等に記載されているような化合物についても、必要に応じて用いることができる。
これらの下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、画像記録材料の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
(露光)
本発明に係る平版印刷版原版は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
レーザの出力は100mW以上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましく、記録材料に照射されるエネルギーは10〜500mJ/cm2であることが好ましい。
(現像)
本発明に係る平版印刷版原版に適用することのできる現像液は、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液(以下、補充液も含めて現像液と呼ぶ)には、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のアルカリ水溶液の内、本発明による効果が発揮される現像液は、一つは塩基としてケイ酸アルカリを含有した、又は塩基にケイ素化合物を混ぜてケイ酸アルカリとしたものを含有した、所謂「シリケート現像液」と呼ばれるpH12以上の水溶液で、もう一つのより好ましい現像液は、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖(緩衝作用を有する有機化合物)と塩基とを含有したいわゆる「ノンシリケート現像液」である。
前者においては、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す)と濃度によって現像性の調節が可能であり、例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような、SiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の含有量が1〜4質量%のケイ酸ナトリウムの水溶液や、特公昭57−7427号公報に記載されているような、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1〜4質量%であり、かつ該現像液がその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有している、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が好適に用いられる。
また、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖と塩基とを含有したいわゆる「ノンシリケート現像液」が、本発明に係る平版印刷版原版の現像に適用するのには一層好ましい。この現像液を用いて、平版印刷版原版の現像処理を行うと、記録層の表面を劣化させることがなく、かつ記録層の着肉性を良好な状態に維持することができる。また、平版印刷版原版は、一般には現像ラチチュードが狭く、現像液pHによる画線幅等の変化が大きいが、ノンシリケート現像液にはpHの変動を抑える緩衝性を有する非還元糖が含まれているため、シリケートを含む現像処理液を用いた場合に比べて有利である。更に、非還元糖は、シリケートに比べて液活性度を制御するための電導度センサーやpHセンサー等を汚染し難いため、この点でも、ノンシリケート現像液は有利である。また、ディスクリミネーション向上効果が顕著である。これは、本発明において重要な現像液との接触(浸透)がマイルドとなり、露光部及び未露光部の差が出やすくなっているためと推定される。
前記非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体、及び糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明において好適に用いることができる。なお、本発明においては、特開平8−305039号公報に記載された非還元糖を好適に使用することができる。
前記トレハロース型少糖類としては、例えば、サッカロース、トレハロース等が挙げられる。前記配糖体としては、例えば、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体等が挙げられる。前記糖アルコールとしては、例えば、D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、アロズルシット等が挙げられる。更に、二糖類のマルトースに水素添加したマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)等が好適に挙げられる。これらの非還元糖の中でも、トレハロース型少糖類、糖アルコールが好ましく、その中でも、D−ソルビット、サッカロース、還元水あめ、等が適度なpH領域に緩衝作用があり、低価格である点で好ましい。
これらの非還元糖は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。前記非還元糖の前記ノンシリケート現像液中における含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると十分な緩衝作用が得られなくなる傾向があり、30質量%を越えると高濃縮化し難く、また原価も高くなる傾向がある。
また、前記非還元糖と組み合わせて用いられる塩基としては、従来より公知のアルカリ剤、例えば、無機アルカリ剤、有機アルカリ剤等が挙げられる。無機アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等が挙げられる。
有機アルカリ剤としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等が挙げられる。
前記塩基は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの塩基の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。また、本発明においては、前記ノンシリケート現像液として、非還元糖と塩基との併用に代えて、非還元糖のアルカリ金属塩を主成分としたものを用いることもできる。
また、前記ノンシリケート現像液に、前記非還元糖以外の弱酸と強塩基とからなるアルカリ性緩衝液を併用することができる。前記弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましく、例えば、Pergmon Press 社発行のIonization Constants of Organic Acidsin Aqueous Solution 等に記載されているものから選択できる。
具体的には、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノ−ル−1、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール等のアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(、ピリジン−4−アルデヒド(等のアルデヒド類、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、カテコール、没食子酸、スルホサリチル酸、3,4−ジヒドロキシスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール、o−、m−,p−クレゾール、レゾルソノール等のフェノール性水酸基を有する化合物、アセトキシム、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、ジメチルグリオキシム、エタンジアミドジオキシム、アセトフェノンオキシム等のオキシム類、アデノシン、イノシン、グアニン、シトシン、ヒポキサンチン、キサンチン等の核酸関連物質、その他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸、ベンズイミダゾール、バルビツル酸等が好適に挙げられる。
前記現像液及び補充液には、現像性の促進や抑制、現像カスの分散または、印刷版画像部の親インキ性を高める目的で、必要に応じて、種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。前記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が好ましい。更に、前記現像液及び補充液には、必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤等を加えることができる。
前記現像液及び補充液を用いて現像処理された平版印刷版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液などの処理を種々組み合わせて後処理される。
更に自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量のPS版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤があげられる。更に現像液及び補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
上記現像液及び補充液を用いて現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明に係る平版印刷版原版の後処理としては、これらの処理を種々組合せて用いることができる。
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽及びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
本発明に係る平版印刷版原版においては、画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フイルムのフイルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行なわれる。このような消去は、例えば特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行う方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力平版印刷版としたい場合には、所望によりバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥質量)が適当である。整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、本発明を実施例に従って説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050アルミニウム板を用いて、下記に示す工程を経て処理することで支持体を作製した。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
<支持体A>
上記(a)〜(j)の各工程を順に行い、(e)工程におけるエッチング量を3.4g/m2となるようにして支持体Aを作製した。
<支持体B>
上記全工程のうち、(g)、(h)及び(i)の工程を省略した以外は、各工程を順に行い、支持体Bを作製した。
<支持体C>
上記全工程のうち、(a)、(g)、(h)及び(i)の工程を省略した以外は、各工程を順に行い、支持体Cを作製した。
<支持体D>
上記全工程のうち、(a)、(d)、(e)及び(f)の工程を省略した以外は、各工程を順に行い、(g)工程における電気量の総和が450C/dm2となるようにして、支持体Dを作製した。
上記によって得られた支持体A、B、C、Dには、引き続き下記の親水処理、下塗り処理を行った。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は3.6mg/m2であった。
(下塗り処理)
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥して下塗り層を設けた。乾燥後の被覆量は15mg/m2であった。
<下塗り液>
・下記高分子化合物(I又はII;表2に記載の種類) 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
Figure 0004328172
〔実施例1〜10〕
(記録層の形成)
上記で得られた下塗り層付き支持体A〜Dに、下記組成の記録層塗布液1をウエット塗布量が7.5cc/m2になるようにワイヤーバーで塗布を行い、140℃で70秒間の乾燥を行い、乾燥後の総塗布量を1.4g/m2として、実施例1〜10のポジ型平版印刷版原版を得た。
<記録層塗布液1>
・第一のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 0.518g
・第二のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 1.554g
・シアニン染料A(下記構造) 0.052g
・化合物B(下記構造) 0.030g
・化合物C(下記構造) 0.015g
・化合物D(下記構造) 0.030g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.100g
・ビス−p−ヒドロキシフェニルスルホン 0.050g
・メチルエチルケトン 25.30g
Figure 0004328172
〔実施例11〕
記録層塗布液1において、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂を、以下のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例11のポジ型平版印刷版原版を得た。
・第一のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 0.207g
・第二のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 1.865g
〔比較例1〕
記録層塗布液1において、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂を、表2に記載のノボラック樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のポジ型平版印刷版原版を得た。
〔比較例2〕
記録層塗布液1において、第一のノボラック樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2のポジ型平版印刷版原版を得た。
〔比較例3〕
記録層塗布液1において、第二のノボラック樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例3のポジ型平版印刷版原版を得た。
〔比較例4〕
厚さ0.3mmのアルミニウム板を5質量%水酸化ナトリウム水溶液中で65℃で一分間脱脂処理を行なった後水洗し、0.5mol塩酸水溶液で25℃、電流密度60A/dm2の条件下で30分間電解エッチング処理を行った。次いで5質量%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処理を施した後、20質量%硫酸水溶液中で温度20℃、電流密度3A/dm2の条件下で1分間陽極酸化処理を行った。更に水洗し、続いて80℃の酢酸アンモニウム1%水溶液で30秒間浸漬し、水洗後80℃で3分間乾燥した。更に85℃のカルボキシメチルセルロース0.1%水溶液に30分間浸漬した後、80℃で5分間乾燥し、支持体を作製した。
該支持体の砂目上に、下記組成の記録層塗布液2を、乾燥質量が1.6g/cm2になるように塗布し、95℃の気流下で90秒間乾燥し、比較例4のポジ型平版印刷版原版を得た。
<記録層用塗布液2>
・第一のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 0.972g
・第二のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 1.457g
・シアニン染料B(下記構造) 0.101g
・プロピレングリコール 17.71g
・メチルエチルケトン 7.59g
Figure 0004328172
〔実施例12〜21〕
実施例1〜10と同様の方法にて得られた下塗り層付き支持体A〜Dに、下記組成の記録層塗布液3(第1層用)を、ワイヤーバーで塗布したのち、150℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.85g/m2とした。
得られた第1層付き支持体に、下記組成の記録層塗布液4(第2層用)をワイヤーバーで塗布した。塗布後145℃70秒間の乾燥を行ない、総塗布量を1.1g/m2として実施例12〜21のポジ型平版印刷版原版を得た。
<記録層塗布液3(第1層用)>
・N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/
アクリロニトリル/メタクリル酸メチル
(モル比36:34:30、重量平均分子量50,000) 2.13g
・シアニン染料A(前記構造) 0.134g
・ビス−p−ヒドロキシフェニルスルホン 0.126g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.19g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・2−メトキシ−4−(N−フェニルアミノ)
ベンゼンジアゾニウム・ヘキサフルオロホスフェート 0.032g
・エチルバイオレット6−ナフタレンスルホン酸 0.078g
・フッ素系界面活性剤
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製) 0.023g
・γ−ブチロラクトン 13.16g
・メチルエチルケトン 25.39g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.95g
<記録層塗布液4(第2層用)>
・第一のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 0.088g
・第二のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 0.263g
・シアニン染料A(前記構造) 0.029g
・ポリマーP/MEK30%溶液(下記構造) 0.14g
・4級アンモニウム塩(下記構造) 0.004g
・フッ素系界面活性剤
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製) 0.004g
・フッ素系界面活性剤
(メガファックF−781、大日本インキ化学工業(株)製) 0.001g
・メチルエチルケトン 2.63g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.27g
Figure 0004328172
〔実施例22〕
記録層塗布液4において、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂を、以下のものに変更した以外は、実施例12と同様にして、実施例22のポジ型平版印刷版原版を得た。
・第一のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 0.035g
・第二のノボラック樹脂(表2に記載の種類) 0.315g
〔比較例5〕
記録層塗布液4において、第一のノボラック樹脂及び第二のノボラック樹脂を、表2に記載のノボラック樹脂に変更した以外は、実施例12と同様にして、比較例5のポジ型平版印刷版原版を得た。
〔比較例6〕
記録層塗布液4において、第一のノボラック樹脂を用いなかった以外は、実施例12と同様にして、比較例6のポジ型平版印刷版原版を得た。
〔比較例7〕
記録層塗布液4において、第二のノボラック樹脂を用いなかった以外は、実施例12と同様にして、比較例7のポジ型平版印刷版原版を得た。
Figure 0004328172
〔平版印刷版原版の評価〕
次に、実施例1〜22及び比較例1〜7のポジ型平版印刷版原版の性能評価を行った。なお、評価試験は前記記録層の塗布後、25℃で14日間保存したものについて行った。
(特定ノボラック樹脂のGPCパターン面積比)
特定ノボラック樹脂の重量平均分子量分布を示すGPCパターンは、東ソー製カラム(GMHXL 2本)、流量1ml/min、溶出溶媒テトラヒドロフランを用いて測定し、測定後の曲線から、各重量平均分子量範囲にあるGPCパターンの面積比(全面積に対する%)を算出した。結果を表3、表4に記す。
(感度)
得られた実施例1〜22及び比較例1〜7のポジ型平版印刷版原版をCreo社製Trendsetter800にて、ドラム回転速度250rpmとし、ビーム強度を5Wから15Wまで段階的に変えて、テストパターンを画像状に書き込みを行った。その後、実施例1〜11、比較例1〜4については、富士写真フイルム(株)製現像液LH−DRSに炭酸ガスを吹き込み電導度が70mS/cmとなった液を用いて、液温28℃に保ち現像時間26秒で現像し、実施例12〜22、比較例5〜7については、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2の水希釈液(1:8)により電導度が45mS/cmとなった液を用いて、液温30℃に保ち現像時間12秒で現像した。この現像液で非画像部が現像できる最小ビーム強度(W)を測定し、感度とした。この数値が小さいほど高感度であることを示す。結果を表3、表4に記す。
(現像ラチチュード)
得られた実施例1〜22及び比較例1〜7のポジ型平版印刷版原版をCreo社製Trendsetter800にて、ビーム強度10.0W、ドラム回転速度250rpmの条件でテストパターンの画像状に描き込み(露光)を行った。
次に、実施例1〜11、比較例1〜4については、富士写真フイルム(株)製現像液LH−DRSに電導度が78mS/cmになるまで炭酸ガスを吹き込んだ液を用い、富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2Wの水希釈(1:1)液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、液温を28℃に保って現像時間26秒で現像した。その後、炭酸ガスを適量吹き込み、電導度を76mS/cmに調整し、先ほどと同じくテストパターンを画像状に描き込んだ平版印刷版原版を現像した。更に電導度を2mS/cmずつ下げ、現像不良の非画像部残膜に起因する汚れが顕著に観察されるまでこの作業を続けた。
また、実施例12〜22、比較例5〜7については、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2Rの水希釈(1:5)にて、電導度が37mS/cmになるまで炭酸ガスを吹き込んだ液及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG−1の水希釈(1:1)液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、液温を30度に保って現像時間12秒で現像した。その後、現像液にDT−2Rの水希釈(1:5)液を適量加え、電導度を39mS/cmに調整し、先ほどと同じくテストパターンを画像状に描き込んだ平版印刷版原版を現像した。更に電導度を2mS/cmずつ上げ、画像の現像による膜減りが顕著に観察されるまでこの作業を続けた。
これら現像後の実施例及び比較例の版において、各電導度で現像した版を、現像不良の非画像部残膜に起因する汚れや着色がないかを50倍のルーペで確認し、良好に現像が行われた現像液の電導度を決定した。次に、実質上耐刷に影響を及ぼさない程度に現像膜減りが維持される限界の電導度、具体的には、現像前のベタ部の画像濃度をGRETAG反射濃度計D196(GretagMacbeth社製)で測定して、この画像濃度から0.10以上少ない画像濃度となるベタ部が形成された現像液の電導度を決定した。
良好に現像が行えた現像液の電導度と実質上耐刷に影響を及ぼさない程度に現像膜減りが維持される限界の電導度の幅を現像ラチチュードとした。この幅が大きい程、現像ラチチュードに優れることを示す。結果を表3、表4に記す。
Figure 0004328172
Figure 0004328172
以上、特定ノボラック樹脂のGPCパターンの面積比が本発明の範囲にある実施例1〜22の平版印刷版原版は、記録層が単層であっても重層型であっても、未露光部の耐現像性に優れる一方、露光部においては優れた現像液溶解性を発現し、高感度な画像形成が達成されることがわかった。
従来の感光性組成物に用いられる、一般的なノボラック樹脂のGCPパターンの一例である。 本発明の感光性組成物に用いられる、特定ノボラック樹脂のGCPターンの一例である。

Claims (2)

  1. 単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミネーションクロマトグラフ(GPC)法により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1000〜50000の範囲であるノボラック樹脂(A)と、重量平均分子量(Mw)が500〜8000の範囲であり、かつ下記(b−1)〜(b−4)のいずれかであるノボラック樹脂(B)とを、前記ノボラック樹脂(A)と前記ノボラック樹脂(B)との比が50〜99:1〜50で混合されることにより得られた、重量平均分子量(Mw)の分布が100〜1000、1000〜3000、及び3000〜30000の範囲にあるGPCパターンの面積比が、それぞれ全面積に対して5〜20%、50〜80%および10〜35%であるノボラック樹脂、及び、赤外線吸収剤を含み、赤外レーザによってアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大することを特徴とする感光性組成物。
    (b−1)重量平均分子量(Mw)が1500未満で、分散度(Mw/Mn)が1.5以下
    (b−2)重量平均分子量(Mw)が1500以上2500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.0以下
    (b−3)重量平均分子量(Mw)が2500以上4500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.7以下
    (b−4)重量平均分子量(Mw)が4500以上で、分散度(Mw/Mn)が3.5以下
  2. 少なくとも、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミネーションクロマトグラフ(GPC法)により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1000〜50000の範囲であるノボラック樹脂(A)と、重量平均分子量(Mw)が500〜8000の範囲であり、かつ下記(b−1)〜(b−4)のいずれかであるノボラック樹脂(B)とを、前記ノボラック樹脂(A)と前記ノボラック樹脂(B)との比が50〜99:1〜50で混合されることにより得られた、重量平均分子量(Mw)の分布が100〜1000、1000〜3000、及び3000〜30000の範囲にあるGPCパターンの面積比が、それぞれ全面積に対して5〜20%、50〜80%および10〜35%であるノボラック樹脂、赤外線吸収剤、ならびに溶媒を含む記録層塗布液をアルミニウム支持体上に塗布し、乾燥することにより記録層を形成することを特徴とするポジ型平版印刷版原版の製造方法。
    (b−1)重量平均分子量(Mw)が1500未満で、分散度(Mw/Mn)が1.5以下
    (b−2)重量平均分子量(Mw)が1500以上2500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.0以下
    (b−3)重量平均分子量(Mw)が2500以上4500未満で、分散度(Mw/Mn)が2.7以下
    (b−4)重量平均分子量(Mw)が4500以上で、分散度(Mw/Mn)が3.5以下
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