JP2009209894A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】相対回転位相を保持し易い弁開閉時期制御装置を提供する。
【解決手段】クランク軸と回転する回転部材2と、エンジンのカム軸80と回転する回転部材1と、両回転部材1,2の間に形成され進角室と遅角室とに分けられた流体圧室と、進角室に作動流体を給排する進角流路14a及び遅角室に作動流体を給排する遅角流路14bと、進角流路と遅角流路とを連通し、進角流路14aから遅角流路14bへの流れのみ許す第1連通流路16aと、遅角流路から進角流路へ向かう流れのみ許す第2連通流路16bと、第1連通流路及び第2連通流路の一方のみを開放する状態と、第1連通流路及び第2連通流路の双方を閉鎖する状態との間で切換可能な流路切換機構40とを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のクランク軸と同期回転する駆動側回転部材と、駆動側回転部材に対して同軸上に配置され、内燃機関の弁開閉用のカム軸と同期回転する従動側回転部材と、前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との間に形成され、進角室と遅角室とに分けられた流体圧室とを有するアクチュエータを備え、更に、進角室に対して作動流体を給排する進角流路、及び、遅角室に対して作動流体を給排する遅角流路を備える弁開閉時期制御装置に関する。
この種の弁開閉時期制御装置に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1に記された弁開閉時期制御装置は、両回転部材の軸心を挟んで対向する2つの流体圧室を備え、カム軸と同期回転する従動側回転部材(ロータ)の外周面には、各流体圧室を遅角室と進角室に分割するベーン(仕切り部材)が立設されている。さらに、一方の流体圧室の遅角室側と連通する遅角流路(戻りライン)と、他方の流体圧室の進角室側と連通する進角流路(戻りライン)とを設けている。また、これらの流路とは別に、アクチュエータへ作動流体を供給する補充流路(入口ライン)が、前記一方の流体圧室の進角室側と前記他方の流体圧室の遅角室側との双方に同時に連通するように設けられている。オイルポンプとこれらの3つの流路との間には、ソレノイドによって位置切り替え可能なスプールを備えた流路切換弁が設けられており、この流路切換弁に設けられた3つのポートにはそれぞれ遅角流路、進角流路、補充流路が接続されている。また、補充流路の一部には、遅角流路および進角流路と連通した中間接続部が設けられており、この中間接続部には2つの逆止弁が設けられている。一方の逆止弁は、遅角流路と補充流路との境界に位置し、バネによって補充流路側のシート向きに付勢された第1のボールを備え、他方の逆止弁は、進角流路と補充流路との境界に位置し、バネによって補充流路側のシート向きに付勢された第2のボールを備える。流路切換弁のスプールは、オイルポンプの出力側を遅角流路と補充流路とに同時に連通させる第1位置と、同出力側を進角流路と補充流路とに同時に連通させる第2位置と、同出力側を補充流路のみに連通させる第3位置との間で切り替え可能に構成されている。
この従来技術による弁開閉時期制御装置では、カム軸には運転中の内燃機関の弁から、カム軸を時計方向に変位させようとする回転力と、反時計方向に変位させようとする回転力とが交互に繰り返し加えられる。そこで、例えば流路切換弁が第1位置に操作された状態では、遅角流路および補充流路へのポートのみが開放され、進角流路へのポートは閉鎖される。このため、前記一方の流体圧室の遅角室側にある作動流体は流路切換弁、補充流路を経ていずれかの流体圧室へ戻ることができる。しかし、前記他方の流体圧室の進角室側にある作動流体は流路切換弁に進入することも阻止される。その結果、カム軸が受ける(図の反時計方向)向きのカム反力のみに応じて、ベーン(仕切り部材)は前記一方の流体圧室の遅角室側が狭められる向きに移動操作されるので、カム軸の相対回転位相は反時計方向に制御される。このように、駆動側回転部材に対する従動側回転部材の相対回転位相の制御を、流路切換弁の切り換えに基づいて、しかも、位相制御の駆動力を(オイルポンプではなく)カム反力から得るという構成が得られている。すなわち、アクチュエータへ作動流体を供給するオイルポンプは、飽くまで、初期にアクチュエータなどを作動流体で満たすためと、運転開始後に漏れて不足する作動流体の補充のために設ければ良いので、オイルポンプを小型化できる。
特開平6−346707号公報(段落番号0039、図19)
ところで、特許文献1に記された弁開閉時期制御装置では、例えば流路切換弁が第1位置に操作され、カム軸が(図19の反時計方向に)次第に相対回転し始める際に、もしも前記一方の流体圧室の遅角室側から排出される作動流体が、流路切換弁および補充流路を経て、前記一方の流体圧室の進角室のみに戻るのであれば、相対回転位相すなわち弁開閉時期の制御は迅速に進められる。しかし、特許文献1の構成では補充流路は、前記一方の流体圧室の進角室と同時に前記他方の流体圧室の遅角室とも同等に連通接続されているために、弁開閉時期の制御を十分迅速に進めることができず、弁開閉時期制御のレスポンスを十分に高めることが困難であった。
また、特許文献1は、流路切換弁を補充流路のポートのみが開放される第3位置に操作すれば、駆動側回転部材に対する従動側回転部材の相対回転位相が選択位置に保持される構成として記載されている。しかし、オイルポンプによる作動流体の供給圧力が或るレベルを超えると、逆止弁のボールがバネ力に抗して補充流路側のシートから浮き上がるために、2つの逆止弁を介して、進角流路と遅角流路との間で作動流体が移動可能な状況が生じる虞があり、両回転部材どうしの相対回転位相を所定位置に確実に保持することが困難となるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術による弁開閉時期制御装置の持つ欠点に鑑み、弁開閉時期制御のレスポンスを高め易い弁開閉時期制御装置を提供すること、および、オイルポンプによる作動流体の供給圧力と無関係に両回転部材どうしの相対回転位相を所定位置に確実に保持し易い弁開閉時期制御装置を提供することにある。
本発明の第1の特徴構成による弁開閉時期制御装置は、
内燃機関のクランク軸と同期回転する駆動側回転部材と、
前記駆動側回転部材に対して同軸上に配置され、内燃機関の弁開閉用のカム軸と同期回転する従動側回転部材と、
前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との間に形成され、進角室と遅角室とに分けられた流体圧室と、を有するアクチュエータを備え、更に、
前記進角室に対して作動流体を給排する進角流路、及び、前記遅角室に対して作動流体を給排する遅角流路と、
前記進角流路から前記遅角流路へ向かう流れのみを許すように前記進角流路と前記遅角流路とを連通させる第1連通流路と、
前記遅角流路から前記進角流路へ向かう流れのみを許すように前記進角流路と前記遅角流路とを連通させる第2連通流路と、
前記第1連通流路及び前記第2連通流路のいずれか一方のみを開放する状態と、前記第1連通流路及び前記第2連通流路の双方を閉鎖する状態との間で切換可能な流路切換機構と、を備える点にある。
したがって、本発明の第1の特徴構成による弁開閉時期制御装置では、
流路切換機構によって例えば第1連通流路のみを開放すれば、第1連通流路を介した進角流路から遅角流路へ向かう作動流体の流れのみが許されるため、内燃機関の弁からカム軸が受けるカム反力に基づいて、進角室からの作動流体排出が実現され、駆動側回転部材に対する従動側回転部材の相対回転位相が遅角側へ制御される。同様に、第2連通流路のみを開放すれば、遅角側への制御が可能となる。また、第1連通流路及び第2連通流路の双方を閉鎖すると、相対回転位相の保持が可能となる。
さらに、例えば連通流路における流れを第2方向のみに制限することで、進角室側に作動流体を送り込み、相対回転位相を進角側へ制御しようとする場合、カム反力ではなくオイルポンプによる作動油供給圧によってアクチュエータが駆動される構成では、遅角室側から排出される作動流体は、ドレン流路、オイルパン、オイルポンプ介して進角室側に進入することになる。しかし、本発明の第1の特徴構成では、逆止弁を備えた連通流路という抵抗の少ない最短距離を介して進角室側への流れに合流するので、進角側への迅速な制御が可能となる。
同様に、流路切換機構によって例えば第1連通流路のみを開放すれば、進角室側から排出された作動流体は、第1連通流路を介して、確実に遅角室側へと流れ込む。すなわち、特許文献1に記された構成のように、進角室側から排出された作動流体が他の流体圧室などの進角室側に進入する虞がないため、進角側弁開閉時期の制御が迅速に進み、レスポンスの高い弁開閉時期制御装置が提供される。
また、流路切換機構によって第1連通流路及び第2連通流路の双方を同時に遮断した状態では、第1または第2連通流路を介した作動流体の流れが一切遮断されるので、進角流路と遅角流路との間での作動流体の移動が全く不可能となる。すなわち、特許文献1に記された構成のように逆止弁を介して進角流路と遅角流路との間で作動流体が移動可能な状況などが生じる虞がなないため、相対回転位相を確実に保持可能となった。
本発明の他の特徴構成は、前記第1連通流路に、前記遅角流路へ向かう作動流体の流れのみを許す第1逆止弁が設けられており、且つ、前記第2連通流路に、前記進角流路へ向かう作動流体の流れのみを許す第2逆止弁が設けられており、
前記流路切換機構は、作動流体の流れ方向に関して、前記第1連通流路の前記第1逆止弁より下流側の第1制御部位を開放し、且つ、前記第2連通流路の前記第2逆止弁より下流側の第2制御部位を閉鎖する第1位置と、前記第1制御部位を閉鎖し、且つ、前記第2制御部位を開放する第2位置と、両制御部位を閉鎖する第3位置との間で切換可能な流路切換弁を含む点にある。
本構成であれば、流路切換弁を第1位置に切り換えれば、進角室側から遅角室側への作動流体の実質的な移動が実現されるので両回転部材の相対回転位相を遅角側へ変位させる制御が行われ、他方、第2位置に切り換えれば進角側へ変位させる制御が行われる。その結果、第1及び第2の連通流路の各々に一つの逆止弁を設けるだけで済ますことができるという利点も生じる。
本発明の他の特徴構成は、前記アクチュエータに作動流体としての作動油を補給可能な給油機構として、オイルポンプの出力部に接続された1本の補給流路と、前記補給流路から一方に分岐して前記第1連通流路の前記第1逆止弁と前記流路切換弁との中間部位に接続された第1分岐流路と、前記補給流路から他方に分岐して前記第2連通流路の前記第2逆止弁と前記流路切換弁との中間部位に接続された第2分岐流路とが設けられている点にある。
本構成であれば、流路切換弁が第1位置であれば、オイルポンプから送り出される作動油が、第1連通流路と流路切換弁を経て遅角流路へと供給される。同様に、流路切換弁が第2位置であれば、オイルポンプから送り出される作動油が、第2連通流路と流路切換弁を経て進角流路へと供給される。その結果、オイルポンプによってアクチュエータに作動油が適宜補充されるので、アクチュエータその他の可動部などから作動流体の漏れが生じる場合も弁開閉時期制御装置としての機能を継続できる。
本発明の他の特徴構成は、前記補給流路の前記オイルポンプよりも下流側に前記オイルポンプに向かう作動油の流れを規制する第3逆止弁が設けられている点にある。
本構成であれば、補給流路をオイルポンプへと向かう作動流体の流れが第3逆止弁によって規制されているので、カム反力に基づいて、第1連通流路または第2連通流路から、進角流路または遅角流路へ送り出されるべき作動油の一部がオイルポンプ側に抜けて、相対回転位相の制御効率に影響が及ぶ虞が抑制されている。
本発明の他の特徴構成は、前記第1逆止弁および前記第2逆止弁が、第1および第2連通流路を流れる作動油から与えられる圧力によって遮断位置から開放位置に変位操作される弁体を備え、前記弁体の変位の向きが前記クランク軸に沿った姿勢で配置されている点にある。
本構成であれば、内燃機関の特に始動時や停止時における揺れはクランク軸に沿った向きの成分が比較的小さくなるので、このように弁体の変位の向きをクランク軸に沿った姿勢で配置することで、弁体が内燃機関の揺れの影響を余り受けず、第1および第2連通流路を流れる作動油の圧力によって円滑に操作される。また、逆止弁による遮断効果を高めるために、弁体を遮断位置に向けて付勢する付勢バネを設ける場合も、弁体の変位の向きをクランク軸に沿った姿勢で配置しておけば、より付勢力が弱めのバネでも十分に遮断効果を高めることができる。
以下に本発明による最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は車両などのエンジンに用いられる弁開閉時期制御装置100の概略構成を示す。
弁開閉時期制御装置100は、ロータ1(従動側回転部材)、及び、ロータ1と相対回転可能なハウジング2(駆動側回転部材)からなるアクチュエータ90を有する。ロータ1は、エンジンのカム軸80に固定されている。ハウジング2の外周にはスプロケット部2aが形成されており、ハウジング2は、このスプロケット部2aに巻き掛けられたタイミングベルトを介してクランク軸(不図示)によって回転駆動される。
尚、カム軸80は運転中のエンジンの弁(排気弁または吸気弁)から、ロータ1をハウジング2に対して遅角側に相対回転させる第1カム反力と、ロータ1をハウジング2に対して進角側に相対回転させる逆の第2カム反力とを短い周期で交互に受け続けている。
図2に示すように、ハウジング2の内周側には複数の凹部5aが形成されている。これらの凹部5aは、ロータ1の外周面と共に、後述する制御用のオイルを受け入れる流体圧室10を構成している。また、ロータ1の外周面には、複数の板状のベーン12が設けられており、流体圧室10はベーン12によって進角室10aと遅角室10bとに仕切られている。
ロータ1には、各進角室10aと連通する内部進角油路1aと、各遅角室10bと連通する内部遅角油路1bとが径方向に貫通形成されている。尚、各内部進角油路1aどうしと各内部遅角油路1bどうしとは、それぞれロータ1の中心側に位置するカム軸80の内部で、各1本の進角油路14a及び遅角油路14bと合流している。
進角油路14aと遅角油路14bとの各基端部(アクチュエータ90から離間した端部)どうしは、互いに概して平行に延びた2本の連通油路(第1連通油路16aおよび第2連通油路16b)によって互いに連通接続されている。進角油路14a、遅角油路14bおよび第1、第2連通油路16a,16bはアクチュエータ90を駆動操作する作動流体である作動油によって満たされている。
第1連通油路16aには作動油の流れを一方向(図では左から右への向き)に規制する第1逆止弁17a(流路切換機構)が配置されている。
同様に、第2連通油路16bには作動油の流れを逆の一方向(図では右から左への向き)に規制する第2逆止弁17b(流路切換機構)が配置されている。
また、第1連通油路16a及び第2連通油路16bの途中には、第1連通流路16aのみを開放する第1状態と、第2連通流路16bのみを開放する第2状態と、第1連通流路16a及び第2連通流路16bの双方を閉鎖する第3状態との間で切換可能な流路切換弁40が配置されている。
流路切換弁40は、車両のECUから送られる信号に基づいて作動するソレノイド40aによって図の上下方向に操作されるスプール40bを備える。スプール40bはバネ40cによって図1の上向きに付勢されている。
図1は、ソレノイド40aに通電が行われず、スプール40bがバネ40cの付勢力によって最も上寄りの第1位置にある状態を示す。この第1位置では、第1連通油路16aのみが開放されている。
この状態では、第1連通油路16aを介して進角油路14aから遅角油路14bへと向かう作動油の流れのみが許されるため、エンジンの弁からカム軸が受けるカム反力に基づいて、進角室10aからの作動油排出と、遅角室10bへの作動油進入が実現される。その結果、アクチュエータ90の相対回転位相が遅角側に制御される。
図3は、ソレノイド40aに最大電流が通電され、スプール40bがバネ40cの付勢力に抗して最も下寄りの第2位置にある状態を示す。この第2位置では、第2連通油路16bのみが開放されている。
この状態では、第2連通油路16bを介して遅角油路14bから進角油路14aへと向かう作動油の流れのみが許されるため、エンジンの弁からカム軸が受けるカム反力に基づいて、遅角室10bからの作動油排出と、進角室10aへの作動油進入が実現される。その結果、アクチュエータ90の相対回転位相が進角側に制御される。
図4は、ソレノイド40aに中間レベルの電流が通電され、スプール40bが図1と図3の中間の第3位置にある状態を示す。この第2位置では、逆止弁17の下流側はスプール40bによって第1連通油路16aと第2連通油路16bの双方が遮断されている。
この状態では、進角油路14aから遅角油路14bへと向かう作動油の流れも、遅角油路14bから進角油路14aへと向かう作動油の流れも遮断されるため、エンジンの弁からカム軸がカム反力を受けても、アクチュエータ90は動かず、相対回転位相の保持が可能となる。
以上の流路切り換え機能を果たすために、流路切換弁40は、第1連通油路16aにおける第1逆止弁17aの下流側、且つ、第2連通油路16bにおける第2逆止弁17bの下流側に当たる位置に配置されている。
以上に説明した、流路切換機構によるアクチュエータ90の制御は、アクチュエータ90内と進角油路14aと遅角油路14b、及び、第1と第2連通油路16a,16bに作動油が満たされていれば滞りなく実現される。しかし、エンジン初回運転時に際してアクチュエータ90などに作動油を満たすため、及び、運転中に各駆動部材の境界部などから抜け落ちる作動油の補充の目的で、アクチュエータ90に作動油を供給可能なオイルポンプ20が設けられている。
具体的には、オイルパン30内の作動油に起点を有する1本の補給流路18が設けられ、この補給流路18の一部にオイルポンプ20が介装されている。オイルポンプ20の出力部から延びた補給流路18の下流側端部は、第1連通油路16aに連通接続される第1分岐流路19aと、第2連通油路16bに連通接続される第2分岐流路19bとに分岐状に接続されている。第1分岐流路19aは第1連通油路16aにおける第1逆止弁17aと流路切換弁40との間の位置に接続されており、第2分岐流路19bは第2分岐流路19bにおける第2逆止弁17bと流路切換弁40との間の位置に接続されている。
補給流路18のオイルポンプ20よりも下流側には、オイルポンプ20に向かう作動油の流れを規制する第3逆止弁21が設けられている。
オイルポンプ20をアクチュエータ90の相対回転位相と無関係に連続的に運転した場合、流路切換弁40が第1位置の時(図1の状態)には、オイルポンプ20から送り出された作動油は、第1分岐流路19a、第1連通油路16aの一部及び流路切換弁40を経た後、遅角油路14bを介してアクチュエータ90に到達可能となる。
流路切換弁40が第2位置の時(図3の状態)には、オイルポンプ20から送り出された作動油は、第2分岐流路19b、第2連通油路16bの一部及び流路切換弁40を経た後、進角油路14aを介してアクチュエータ90に到達可能となる。
流路切換弁40が第3位置の時(図4の状態)には、オイルポンプ20から送り出された作動油は、第1逆止弁17aおよび第2逆止弁17bによって阻まれて、遅角油路14bと進角油路14aのいずれにも進入できずアクチュエータ90に達しないが、アクチュエータ90の相対回転位相の維持に影響を及ぼすことはない。
この弁開閉時期制御装置100では、アクチュエータ90の作動に際して、進角室10aから排出された作動油は、オイルパン30などを介さず、第2連通油路16bという最短距離を経て遅角室10bに戻る。同様に、遅角室10bから排出された作動油は、オイルパン30などを介さず、第1連通油路16aという最短距離を経て進角室10aに戻る。したがって、進角室10aや遅角室10bから排出された作動油を一旦オイルパン30などに戻すためのドレン油路は不要なため設けられていない。
図5(a)と図5(b)は、図1から4に示された弁開閉時期制御装置100を実施するための具体的な構造の例を示す。ここでは、単一ブロック状の流路形成部材50が用いられている。流路形成部材50の一側面には小径の円柱状突起部50aが一体形成されている。円柱状突起部50aには進角油路14aと遅角油路14bとが形成されている。
他方、ロータ1の中心付近には、内部進角油路1aおよび内部遅角油路1bと連通する有底円筒状の空洞1vが形成してあり、この空洞1vの内周面に、流路形成部材50の円柱状突起部50aが相対回転自在に内嵌状に係合されている。円柱状突起部50aと空洞1vの内周面との間には一対のシール部材51が、円柱状突起部50aの側面に開口した遅角油路14bの端部を間に挟むように介装されている。
さらに、流路形成部材50の内部には、流路切換弁40のスプール40bを摺動自在に支持する弁支持孔50H、弁支持孔50Hと連通するように形成された、第1分岐流路19aと第2分岐流路19b、及び、第1連通流路16aと第2連通油路16bが形成されている。流路形成部材50の内部には、さらに、第1分岐流路19a及び第2分岐流路19bと接続された補給流路18及び第3逆止弁21、第1分岐流路19a及び第2分岐流路19bの各々に介装された第1逆止弁17a及び第2逆止弁17bなども配置されている。
特に、第1逆止弁17aおよび第2逆止弁17bについては、第1および第2連通流路16a,16bを流れる作動油から与えられる圧力によって遮断位置から開放位置に変位操作されるボール弁体の変位の向きがクランク軸に沿った姿勢で配置されている。
図5(a)は、図1に対応する状態、すなわち、スプール40bが最も上寄りの第1位置にあり、アクチュエータ80の相対回転位相をより遅角側に変位させようとしている状態を示す。図5(b)は、図3に対応する状態、すなわち、スプール40bが最も下寄りの第2位置にあり、アクチュエータ80の相対回転位相をより進角側に変位させようとしている状態を示す。
〔別実施形態〕
〈1〉図6のように、流路形成部材50のオイルポンプ20を併設させた構成とすることが可能である。この形態では、流路形成部材50の下面に作動油を貯留する貯油槽52が一体的に設けられ、貯油槽52の内面の一部に、オイルポンプ20を備えた補給流路18の始点が配置されている。貯油槽52の上面には、弁支持孔50Hの下端と連通する開口部が形成されていて、流路切換弁40のスプール40bの外周を介して漏れ出た作動油が回収されるようになっている。
カム軸80の外周とハウジング2のスプロケット部2aの内周面との間にはオイルシール53が介装されている。同様に、流路形成部材50の側面とハウジング2との間にも第2のオイルシール54が介装されている。第2のオイルシール54は、スプロケット部2aに巻回されているタイミングチェーンを覆うチェーンカバー55と、ハウジング2の先端から突出したボス部との間隙を封止する役目も兼ねている。
本発明による弁開閉時期制御装置の構成を示す一部破断側面図 図1の弁開閉時期制御装置の一部破断正面図 図1の弁開閉時期制御装置の別の状態を示す一部破断側面図 図1の弁開閉時期制御装置のさらに別の状態を示す一部破断側面図 弁開閉時期制御装置の具体的な構成を示す要部の破断側面図 別の実施形態を示す一部破断側面図
符号の説明
1ロータ(従動側回転部材)
1a 内部進角油路
1b 内部遅角油路
2 ハウジング(駆動側回転部材)
5a 凹部
10 流体圧室
10a 進角室
10b 遅角室
12 ベーン
14a 進角油路
14b 遅角油路
16a 第1連通油路
16b 第2連通油路
17a 第1逆止弁(流路切換機構)
17b 第2逆止弁(流路切換機構)
18 給油路
20 オイルポンプ
21 第3逆止弁
40 流路切換弁(流路切換機構)
40b スプール
80 カム軸
90 アクチュエータ
100 弁開閉時期制御装置

Claims (5)

  1. 内燃機関のクランク軸と同期回転する駆動側回転部材と、
    前記駆動側回転部材に対して同軸上に配置され、内燃機関の弁開閉用のカム軸と同期回転する従動側回転部材と、
    前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との間に形成され、進角室と遅角室とに分けられた流体圧室と、を有するアクチュエータを備え、更に、
    前記進角室に対して作動流体を給排する進角流路、及び、前記遅角室に対して作動流体を給排する遅角流路と、
    前記進角流路から前記遅角流路へ向かう流れのみを許すように前記進角流路と前記遅角流路とを連通させる第1連通流路と、
    前記遅角流路から前記進角流路へ向かう流れのみを許すように前記進角流路と前記遅角流路とを連通させる第2連通流路と、
    前記第1連通流路及び前記第2連通流路のいずれか一方のみを開放する状態と、前記第1連通流路及び前記第2連通流路の双方を閉鎖する状態との間で切換可能な流路切換機構と、を備える弁開閉時期制御装置。
  2. 前記第1連通流路に、前記遅角流路へ向かう作動流体の流れのみを許す第1逆止弁が設けられており、且つ、前記第2連通流路に、前記進角流路へ向かう作動流体の流れのみを許す第2逆止弁が設けられており、
    前記流路切換機構は、作動流体の流れ方向に関して、前記第1連通流路の前記第1逆止弁より下流側の第1制御部位を開放し、且つ、前記第2連通流路の前記第2逆止弁より下流側の第2制御部位を閉鎖する第1位置と、前記第1制御部位を閉鎖し、且つ、前記第2制御部位を開放する第2位置と、両制御部位を閉鎖する第3位置との間で切換可能な流路切換弁を含む請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記アクチュエータに作動流体としての作動油を補給可能な給油機構として、オイルポンプの出力部に接続された1本の補給流路と、前記補給流路から一方に分岐して前記第1連通流路の前記第1逆止弁と前記流路切換弁との中間部位に接続された第1分岐流路と、前記補給流路から他方に分岐して前記第2連通流路の前記第2逆止弁と前記流路切換弁との中間部位に接続された第2分岐流路とが設けられている請求項2に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 前記補給流路の前記オイルポンプよりも下流側に前記オイルポンプに向かう作動流体の流れを規制する第3逆止弁が設けられている請求項3に記載の弁開閉時期制御装置。
  5. 前記第1逆止弁および前記第2逆止弁が、第1および第2連通流路を流れる作動油から与えられる圧力によって遮断位置から開放位置に変位操作される弁体を備え、前記弁体の変位の向きが前記クランク軸に沿った姿勢で配置されている請求項2から4のいずれか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
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