JP2009209595A - コンクリート床構造体およびその施工方法 - Google Patents

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則彦 澤邊
Harumi Ono
晴巳 大野
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貴之 藤田
Yoshinori Nakajima
義則 中嶋
Kazuya Koga
一八 古賀
Yuji Hosshin
祐治 法身
Seiki Tanaka
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Abstract

【課題】施工性を改善し、天然石やタイルを仕上げ材に用いた場合にも落下物に対する耐衝撃性を有し、仕上げ面の平坦性が良好で、美観を保つための水洗清掃が可能なコンクリート床構造体を得ることおよびその施工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】コンクリート床の上面に、セルフレベリング材スラリー硬化体層を形成する工程と、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層を形成する工程と、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層の上面に、モルタルを用いて仕上げ材を敷設する工程とをこの順番で含む、コンクリート床構造体の施工方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種建築物のコンクリート床構造体の表面を石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げするコンクリート床構造体の施工方法およびその施工方法により施工されたコンクリート床構造体に関する。
マンションやオフィスなどの建築物の床面を仕上げる場合に、天然石や陶板などのタイルを仕上げ材として用いて、美観や質感に優れた床面に仕上げる工法が採用されることがある。
このような工法として、特許文献1には、磁器タイル、せっ器タイル、半磁器タイル、陶磁器タイル等の構築物仕上げ用のタイル(仕上げ材)を、ポルトランドセメント、アルミナセメント、石膏、ポリマーディスパージョン、骨材および水を主成分とするモルタル組成物を接着用に使用してタイル仕上げするタイル張り工法が開示されている。
また、特許文献2には、床下地上に、Al+Feが15%以上の組成からなるセラミック質のセルフレベリング材を流延硬化せしめた後、ゴムまたは合成樹脂系の接着剤を用いて石材を接着する石材施工方法が開示されている。
一方、引用文献3には、施工の際には、ローラーでの施工でも熟練を要せず且つ作業性が良く、特性的には、角立ち、材料分離および皮張りが起こらずに塗膜の良好な仕上りが得られ、且つ耐水性、接着性、低温時の伸び、耐候性に優れた構造体を与える防水用ポリマーセメント組成物が開示されている。具体的には、このポリマーセメント組成物は、アルミナセメント、エマルジョンおよびフィロケイ酸塩鉱物を含む防水用ポリマーセメント組成物であって、エマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンおよびアクリル系重合体エマルジョンを含むことを特徴とする防水用ポリマーセメント組成物であることが開示されている。
また、引用文献4には、セルフレベリング材として用いることのできる水硬性組成物として、水硬性成分、細骨材、減水剤および増粘剤とを含む自己流動性水硬性組成物であり、水硬性成分100質量部に対して、細骨材を60〜200質量部含み、細骨材100質量%中に平均粒径1〜100μmの微粉細骨材を1〜20質量%含む自己流動性水硬性組成物が開示されている。
特開昭61−261566号公報 特開平1−174766号公報 特開平2004−262748号公報 特開平2006−45025号公報
天然石や陶板などのタイル(仕上げ材)を用いて仕上げられたタイル貼り仕上げコンクリート床構造体のコンクリート床構造体の表面は、美観や質感に優れるという特徴を有する。しかし、その施工過程では、コンクリート床の上面にモルタルや接着剤を用いて仕上げ材を1枚ずつ敷設し、さらに1枚ずつ仕上げ材の水平レベルを調整する必要があり、その施工は容易ではない。
このようなコンクリート床構造体の従来工法の一例を図1aおよび図1bに示す。図1aに示す工法では、コンクリート床11(図1a−1)の上面にセメント、砂および水を練混ぜて調製したモルタル(バサモルタル)12を敷き均し(図1a−2)、モルタル12が未硬化な状態でモルタル表面にセメントペースト13を流し込み(図1a−3)、その上面に石材やタイルなどの仕上げ材14を仮敷設する(図1a−4)。
続いて、各々の仕上げ材14の表面を、1枚づつ個々に木槌などを用いて叩いて、下層のセメントペーストおよびモルタルと一体化させながら水平レベル性を確保する。この作業では、個々の仕上げ材14の表面の水平レベル性を確保するだけでなく、敷設した仕上げ材14の全ての表面について、水平レベル性を確保する必要があるため、作業は非常に煩雑なものとなり、また作業時間も多大なものとなる(図1a−5)。
また、仕上げ材を用いるコンクリート床構造体の工法のもう一つの例を図1bに示す。この図に示す工法の場合、コンクリート床11(図1b−1)の上面にセメント、砂および水を練混ぜて調製したモルタル16を施工して鏝仕上げし(図1b−2)、モルタル16が硬化した状態でモルタル硬化体表面と仕上げ材14の裏面に貼付けモルタル17を付着させ(図1b−3)、仕上げ材14を仮敷設する(図1b−4)。
この工法の場合も、前記工法(図1aの工法)の場合と同様に、各々の仕上げ材14の表面を、1枚づつ個々に木槌などを用いて叩いて、下層の貼付けモルタル17と一体化させながら水平レベル性を確保する。この作業でも、個々の仕上げ材14の表面の水平レベル性を確保するだけでなく、敷設した仕上げ材14の全ての表面について、水平レベル性を確保する必要があるため、作業は非常に煩雑なものとなり、また作業時間も多大なものとなる(図1b−5)。
また、仕上げ面を形成する天然石やタイルなどの仕上げ材14と、モルタルや接着剤と、コンクリート床11の上面とが、施工不良などによって密実に接合されていないような場合(例えば、天然石やタイルの裏面に空間が残ったような場合)、実供用時にその箇所に落下物があると仕上げ材14が容易に破損してしまい、逆に美観が損なわれてしまうこともある。
さらに、仕上げ材14を用いて仕上げられたコンクリート床構造体の表面が良好な平坦性を有していない場合に、コンクリート床構造体の仕上げ面の美観を維持するために水洗清掃を行うと、コンクリート床構造体の表面の凹部に水溜まりができて、天然石やタイルの目地部分からモルタルや接着剤を介して下地のコンクリート床11に浸透し、天然石やタイルの剥離を誘発することもある。
そこで、本発明は、マンションやオフィスなどのエントランスやロビー等のコンクリート床構造体の表面に、天然石やタイルなどの仕上げ材を用いるコンクリート床構造体の施工方法に関し、天然石やタイルなどの仕上げ材の貼り付け施工性を改善し、天然石やタイルを仕上げ材に用いた場合にも落下物に対する耐衝撃性を有し、仕上げ面の平坦性が良好で、美観を保つための水洗清掃が可能なコンクリート床構造体を得ることおよびその施工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意試行錯誤を繰り返した結果、コンクリート床構造体の表面を天然石仕上げやタイル仕上げする場合に、セルフレベリング材を用いての下地層を形成した後、優れた衝撃応力緩衝性能を有するポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布施工してポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層を形成し、モルタルを用いて天然石やタイルを敷設施工することによって、平坦性に優れた仕上げ面が得られ、落下物などによる衝撃に対する耐衝撃性に優れ、仕上げ面の美観を保持するための水洗清掃が可能な石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げコンクリート床構造体が得られることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、コンクリート床の上面に、セルフレベリング材スラリー硬化体層を形成する工程と、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層を形成する工程と、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層の上面に、モルタルを用いて仕上げ材を敷設する工程とをこの順番で含む、コンクリート床構造体の施工方法である。
さらに、本発明は、コンクリート床の上面に、セルフレベリング材用プライマーを塗布して乾燥させることにより、セルフレベリング材用プライマー層を形成する工程と、セルフレベリング材用プライマー層の上面に、セルフレベリング材と水とを混練して調製したセルフレベリング材スラリーを打設して硬化させることにより、セルフレベリング材スラリー硬化体層を形成する工程と、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマーを塗布して乾燥させることにより、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層を形成する工程と、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層の上面に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布して硬化させることにより、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層を形成する工程と、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層の上面に、モルタルを用いて仕上げ材を敷設する工程とをこの順番で含む、コンクリート床構造体の施工方法である。
本発明の施工方法の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)セルフレベリング材が、ポルトランドセメント、アルミナセメントおよび石膏から選ばれる少なくとも一種以上の水硬性成分と、細骨材とを含む。
(2)ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層が、水硬性組成物とポリマーエマルションとを混練して調製されるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布して硬化させて形成される。
(3)水硬性組成物が、アルミナセメントを含み、ポリマーエマルションが、アクリル樹脂系エマルションおよび/またはエチレン・酢酸ビニル系エマルションである。
(4)仕上げ材が、長方形、正方形またはひし形の石材および/またはタイルであり、仕上げ材の各辺の長さが40〜900mmおよび厚さが5〜30mmである。
また、本発明は、上記の施工方法により得られるコンクリート床構造体である。
マンションやオフィスなどのエントランスやロビー等のコンクリート床構造体の表面に、天然石やタイルなどの仕上げ材を用いるコンクリート床構造体の施工に際して本発明の施工方法を用いることにより、天然石やタイルなどの仕上げ材の施工性を大幅に改善し、天然石やタイルを仕上げ材に用いた場合にも落下物に対する耐衝撃性を有し、仕上げ面の平坦性が良好で、美観を保つための水洗清掃が可能なコンクリート床構造体を得ることができる。
本発明のコンクリート床構造体は、図2に示すようにセルフレベリング材とポリマーセメント系衝撃応力緩衝材とを用いてコンクリート床11の上面に下地層(セルフレベリング材スラリー硬化体層19およびポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21等)を形成した後に、石材またはタイルなどの仕上げ材14を用いてコンクリート床構造体の表面を仕上げることを特徴とする。以下、本発明のコンクリート床構造体およびその施工方法について、図2(1)〜(5)に基づき実施形態の一例を説明する。
<セルフレベリング材用プライマー層>
本発明の施工方法では、まず図2(2)に示すように、凹凸(小さな凹凸)や微妙な傾斜を有するコンクリート床11の上面に、セルフレベリング材用プライマーを用いてセルフレベリング材用プライマー層18を形成する。セルフレベリング材用プライマー層18を設けることによって、セルフレベリング材スラリーを打設する際に、スラリー中の水分がコンクリート床11に浸透する作用を防止することができ、さらにコンクリート床11とセルフレベリング材スラリー硬化体層19とを強固に接着することができる。
セルフレベリング材用プライマーとしては、アクリル−スチレン共重合樹脂やエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とする市販のプライマーが使用でき、特にアクリル−スチレン共重合樹脂を主成分とするものを好適に使用できる。
また、セルフレベリング材用プライマーとして好ましいものは、アクリル樹脂系エマルションであり、そのアクリル樹脂系エマルションは、(1)メチル(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレートから選ばれる成分9〜35質量%、(2)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート50〜80質量%、および、(3)OH基を有する(メタ)アクリレート5〜10質量%とを含む単量体組成物から得られるものである。アクリル樹脂系エマルションは、上記(1)〜(3)に加えて、さらに(4)COOH基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる成分0.6質量%未満を含む単量体組成物から得られるものであることが好ましい。
プライマーの塗布量は、プライマーに含まれる樹脂固形分として、良好な接着強度を安定して得るために、30〜120g/mを塗布することが好ましく、45〜90g/mを塗布することがさらに好ましい。プライマーの塗布作業は、前記の塗布量を1回の処理で塗布することができ、また、プライマーを2回〜3回の作業で前記の塗布量を塗布することもできる。
プライマー塗布後、温度条件や通風条件に応じて適宜選ばれる乾燥時間によって乾燥することができる。乾燥時間は、通常、夏季には3時間〜8時間、冬季には5時間〜12時間とすることが好ましい。
<セルフレベリング材スラリー硬化体層>
次に、セルフレベリング材用プライマーが乾燥することによってセルフレベリング材用プライマー層18が形成された後、その上面にセルフレベリング材スラリーを打設し硬化させることにより、セルフレベリング材スラリー硬化体層19を形成する。
セルフレベリング材スラリーの調製は、セルフレベリング材を袋物の形態で施工現場に搬入し、施工場所の近傍で現場設置型の混合・混練装置やハンドミキサー等の混合機を用いて、所定量の水とセルフレベリング材とを混合することにより行うことができる。また、施工面積が200mを超えるような大規模な現場では、例えば特開2007−326352号公報の図1に示されるような連続的に所定量の水とセルフレベリング材とを混合して、連続的にセルフレベリング材スラリーを調製できるローリー車を使用することができる。調製されたセルフレベリング材スラリーは、セルフレベリング材用プライマー層18の上面に打設される。
本発明で使用するセルフレベリング材は、特に限定されるものではなく、ポルトランドセメント系、アルミナセメント系、石膏系セルフレベリング材など、市販のセルフレベリング材から適宜選択して用いることができる。例えば、宇部興産株式会社製の「SLフローG」、「床レベラー(登録商標)G」、「クイックセラミックフロー」、「フィニッシュフロー」(登録商標)などのアルミナセメント系のセルフレベリング材を好適に使用することができる。また、引用文献4に開示されているセルフレベリング材を好適に使用することができる。
セルフレベリング材の具体的な組成は、水硬性成分、細骨材、減水剤および増粘剤とを含み、水硬性成分100質量部に対して、細骨材を60〜200質量部含み、細骨材100質量%中に平均粒径1〜100μmの微粉細骨材を1〜20質量%含むことが好ましい。また、このときの水硬性成分が、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏および高炉スラグを含み、アルミナセメント100質量部、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部および高炉スラグ50〜350質量部の組成であることが好ましい。セルフレベリング材中の細骨材は粒径2mm以下の硅砂を主成分とし、平均粒径1〜100μmの微粉細骨材は、硅石粉、寒水石およびフライアッシュから選ばれる成分を含むことが好ましい。セルフレベリング材は、さらに凝結調整剤を含むことが好ましい。水硬性成分100質量部に対して、減水剤0.01〜0.2質量部および増粘剤0.05〜0.5質量部含むことが好ましい。セルフレベリング材がこのような組成であると、セルフレベリング材として要求される流動性および流動保持性が向上し、硬化時間の目安となるスラリー表面の水分が乾くまでの時間が1〜2時間程度でも硬化時に骨材分離がなく、硬化体表面の平滑性に優れた特性を有する組成物であり、従来にない美観に優れたセルフレベリング材を提供することができる。さらにこのセルフレベリング材は、幅広い温度範囲で使用することができ、40℃の高温下でも優れた効果を有する。
セルフレベリング材を所定量の水と混合・攪拌することによって、セルフレベリング性(自己流動性)を有するスラリーを製造する。水の添加量は、セルフレベリング材100質量部に対し、好ましくは10〜40質量部、さらに好ましくは14〜34質量部、より好ましくは18〜30質量部、特に好ましくは22〜28質量部の範囲で添加して用いることが好ましい。
セルフレベリング材は、水と混合して調製したセルフレベリング性(自己流動性)を有するスラリーのフロー値が、好ましくは190〜270mm、さらに好ましくは200〜260mm、特に好ましくは210〜250mmに調整されていることが、施工の容易さおよび平滑性の高い硬化体表面を得られやすいという理由により好ましい。なお、フロー値は、JASS・15M−103に準拠して測定するものである。すなわち、厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き、練り混ぜたコンクリート組成物を充填した後、パイプを引き上げる。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とする。
<ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層>
セルフレベリング材スラリー硬化体層19を形成した後、図2(3)に示すようにセルフレベリング材スラリー硬化体層19の上面にポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマーを塗布し乾燥させ、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層20を形成する。
ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層20を形成することにより、その上にポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布施工した際に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材中の水分がセルフレベリング材スラリー硬化体層19に浸透する作用を防止することができ、セルフレベリング材スラリー硬化体層19とポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21とを強固に接着することができる。本発明で用いるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマーとしては、アクリル重合樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、または、エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とする市販のプライマーが使用でき、特にアクリル−スチレン共重合樹脂を主成分とするものを好適に使用できる。
また、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマーとして好ましいものは、アクリル樹脂系エマルションである。特にポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマーとして特に好ましいアクリル樹脂系エマルション(本明細書では、「AS原液(SP)」という)は、(1)メチル(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレートから選ばれる成分9〜35質量%、(2)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート50〜80質量%、および、(3)OH基を有する(メタ)アクリレート5〜10質量%とを含む単量体組成物から得られるものである。アクリル樹脂系エマルションは、上記(1)〜(3)に加えて、さらに(4)COOH基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる成分0.6質量%未満を含む単量体組成物から得られるものであることが好ましい。
<ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層>
次に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層20の上面にポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を施工して、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21を設ける。ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21は、優れた弾性効果を有し、石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げを行った床面に落下物があった場合の衝撃応力吸収層としての役割を果たす。また、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21は、防水性能も併せ持つため、美観を保つための水洗清掃が可能な石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げの床構造体を得ることができる。
本発明で用いるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材としては、水硬性組成物とポリマーエマルションとを混練して調製するもの、あるいは、水硬性組成物、再乳化樹脂粉末および水を混練して調製するものであれば、特に限定されることなく用いることができる。特に、水硬性組成物とポリマーエマルションとを混練して調製する宇部興産株式会社製の「アクアシャッター(登録商標)」、「アクアシャッター(登録商標)AC」および「アクアシャッター(登録商標)SP」などを好適に用いることができる。
また、本発明で用いるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材は、水硬性組成物とポリマーエマルションとを混練して調製されるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材であって、水硬性組成物が、アルミナセメントを含み、ポリマーエマルションが、アクリル系重合体エマルションのようなアクリル樹脂系エマルションおよび/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションのようなエチレン・酢酸ビニル系エマルションであることが好ましい。
また、本発明で用いるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材としては、具体的には、所定の組成のアルミナセメントとポリマー組成物とを含む組成物(本明細書では、「AS混和材(SP・水硬性組成物)、AS原液(SP)」という)を好適に使用することができる。「AS混和材(SP・水硬性組成物)、AS原液(SP)」とは、アルミナセメントおよびエマルションを含むポリマーセメント組成物であって、エマルションは、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションおよびアクリル系重合体エマルションを含有し、エチレン−酢酸ビニル共重合エマルションの固形分100質量部に対しアクリル系重合体エマルションの固形分を1〜30質量部の割合で含むポリマーセメント組成物である。
また、上記のポリマーセメント組成物は、エマルションの固形分100質量部に対し、アルミナセメント20〜80質量部を含むことがさらに好ましい。また、上記のポリマーセメント組成物は、エマルションの固形分100質量部に対し、アルミナセメント20〜80質量部および珪砂20〜240質量部を含むことがさらに好ましい。また、上記のポリマーセメント組成物中のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルションは、ポリビニルアルコールを保護コロイドとしたエチレン酢酸ビニル共重合エマルションであることがさらに好ましい。
ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材が上記のような組成であると、硬化後に得られるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層はタックの低減された、優れた弾性を有し、また防水性も有するものとなる。
ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材の製造法の一例としては、攪拌容器にエマルションを所定量計量し、攪拌機でエマルションを攪拌しながら所定量の水硬性組成物を添加し、数分間攪拌・混合して、さらに必要に応じて水を添加し、所定の粘度を有するスラリー状の組成物を製造することができる。
また、水硬性組成物と再乳化樹脂粉末とを予め所定量計量して均一に混合したプレミックス粉体を用いる場合、攪拌容器に所定量の混練水を計量し、攪拌機で水を攪拌しながら所定量のプレミックス粉体を添加し、数分間攪拌・混合して、所定の粘度を有するスラリー状の組成物を製造することができる。
本発明で用いるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材は、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層20の上面に、吹き付け、鏝塗り、ローラー塗工の塗布方法により施工することにより、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21を形成することができる。
ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材が乾燥した後に更に同じ操作を繰り返し、複数層のポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21を形成させて、防水性能および衝撃吸収性能がより高い構造体を得ることができ、防水性能もさらに良好なものとなる。
また、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布した後に、ガラス繊維クロスや合成繊維クロスを敷設し、更に同じ操作を繰り返し、複合構造を有するポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21を形成させて、防水性能がより高く、機械的強度が高い構造体を得ることができる。
本発明では、石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げのコンクリート床構造体の表面に、落下物があった場合に、仕上げ材14である天然石や人工石、あるいはタイルなどの仕上げ材14にひび割れなどが発生し難いようにポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21を設ける。落下物による衝撃応力を適切に吸収するために、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21の厚さが、好ましくは0.1〜2mmの範囲、さらに好ましくは0.2〜1mmの範囲、特に好ましくは0.3〜0.7mmの範囲になるようにポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21を設ける。ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21の厚さが前記範囲の下限値より厚いと、衝撃吸収性が充分なため好ましく、前記範囲の上限値より薄いと仕上げ材14に衝撃応力ではなく曲げ応力が負荷された場合でも変形量がそれほど大きくないことから好ましい。
<仕上げ材>
次に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21が乾燥した後、図2(4)に示すように貼付けモルタル17を用いて、石材またはタイルなどの仕上げ材14をポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21の上面に敷設する。そして、図2(5)のように仕上げ材14の水平レベル性を微調整することで仕上げ材14の敷設作業が終了する。
仕上げ材14を敷設する場合、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21の上面に、ほぼ均一に2〜10mmの厚さに貼付けモルタル17を塗布し、仕上げ材14を敷設するか、もしくは、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21の上面と、仕上げ材14の裏面との両方にほぼ均一に1〜5mmの厚さに貼付けモルタル17を塗布し、仕上げ材14を敷設することができる。特に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21の上面と、仕上げ材14の裏面との両方に塗布する場合は、石材またはタイルの裏面に空隙が残りにくく、落下物による破損を回避できることから好ましい。
本発明で用いる貼付けモルタル17は、特に限定されるものではなく、一般に市販されている石材貼付け施工用モルタルやタイル貼付け施工用モルタル、または石材やタイル貼付け用ポリマーセメントモルタルなどから適宜選択して用いることができ、特にポリマーセメントモルタルを好適に用いることができる。
本発明では、仕上げ材14を敷設する下地層が、既に優れた水平レベル性を有していることから、仕上げ材14を敷設する作業では、仕上げ材14を仮敷設した後、各仕上げ材14の水平レベル性を確保する微調整のみに集中できる。したがって、本発明の施工方法により、水平レベル調整に係る煩雑な作業が解消されながらも、仕上げ材14敷設面全体に優れた水平レベル性を容易に確保することが可能となる。
また、本発明では、仕上げ材14を敷設する下地層が、既に優れた水平レベル性を有していることから、仕上げ材14を敷設する作業では、従来と比較してはるかに少ない貼付けモルタル17を用いて、仕上げ材14を敷設することができる。
貼付けモルタル17の硬化体層の厚さは、好ましくは1〜10mmの範囲、さらに好ましくは1.2〜5mmの範囲、特に好ましくは1.5〜3mmの範囲となることが好ましい。貼付けモルタル17の硬化体層の厚さが前記範囲の下限値より大きい場合、仕上げ材14の接着固定が均一になり易く、前記範囲の上限値より小さい場合には落下物の衝撃応力を下層のポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21に伝達し易くなることから好ましい。
本発明では、コンクリート床構造体の表面の仕上げ材14として、石材および/またはタイルを用いることができる。
石材としては特に限定されるものではなく、大理石や花崗岩等の天然石を各辺の長さが40〜900mm、すなわち縦の長さが40〜900mm、横の長さが40〜900mmであって、石板の厚さが5〜30mmに切断した長方形、正方形またはひし形の板状の石材を適宜選択して用いることができる。
タイルについても特にその製法や種類について限定されるものではなく、長方形、正方形またはひし形の陶磁器タイルや陶板などを好適に使用することができる。タイルの寸法については、各辺の長さが40〜900mm、すなわち縦の長さが40〜900mm、横の長さが40〜900mmであって、タイルの厚さが5〜30mmのものを適宜選択して用いることができる。
また、本発明では、仕上げ材14の敷設を終了し、貼付けモルタル17が硬化した後、目地モルタルなどの各種目地材を用いて、仕上げ材14の隙間を充填して仕上げることが好ましい。
以上述べたように、本発明の施工方法によれば、通常、多種多様の凹凸や傾斜を有するコンクリート床11の上面に、セルフレベリング材スラリーを施工・硬化させ、さらにポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布施工することで、水平レベル性および衝撃吸収性に優れ、防水性をも有する下地層を容易に形成することができる。下地層の上面にモルタルを使用して、石材またはタイル等の仕上げ材14を敷設することによって、石材やタイルの平坦性を容易に調整することができ、石材やタイルがモルタルを介して下地層と密に接合したコンクリート床構造体を得ることができる。その結果、仕上げ材14である石材やタイルの裏面に、施工不備による空間(空隙部)が形成されることを回避でき、さらにコンクリート床11と仕上げ材14との間の層に適正な弾性を有する衝撃応力吸収層(ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21)を有することから、仕上げ材の上に落下物があった場合にもその衝撃に耐えるコンクリート床構造体を得ることができる。
また、石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げを行う際の下地層であるセルフレベリング材スラリー硬化体層19の上面に形成した、優れた衝撃応力吸収性を有するポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層21は、良好な防水性も有していることから、石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げのコンクリート床構造体の表面を水洗清掃することができ、床仕上げ面の美観を恒常的に保つことができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
(1)コンクリート床構造体の評価:
コンクリート床下地にセルフレベリング材スラリーを施工し、さらにポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布施工し、貼付けモルタルを用いて陶磁器タイルを敷設して調製したコンクリート床構造体について、付着強さ試験と床衝撃力試験を行った。
・付着強さ試験:
タイル貼り仕上げ後28日間養生したコンクリート床構造体の表面に、2液形エポキシ樹脂接着剤を塗布し、上部引張り用鋼製ジグ(接着面:40mm×40mm)を静かに載せてすりつけるようにして接着し、その上に質量1kgのおもりを載せて24時間静置する。次に、試験体に接着した上部引張り用鋼製ジグの周囲にコンクリート床に達するまで切り込みを入れた後、引張り試験機を用いて鉛直方向に、荷重速度2mm/分で引張り力を加えて最大引張荷重Tを測定する。付着強さは以下の式により求め、測定値3点の平均値として示す。
Figure 2009209595
・床衝撃力試験 :
タイル貼り仕上げしたコンクリート床構造体のタイル面の図3に示すa〜eの5箇所に、1kgの茄子型錘を高さ50cmから落下させて、タイルの浮き・割れの発生を確認する。割れの確認は、まず目視によって行い、判定できない場合にはマークテック社の染色浸透探傷剤(「UP−ST」:浸透液、「UR−ST」:洗浄液、「UD−ST」:現像液)を使用する。判定基準は以下のとおりとした。
異常なし:○、軽微な傷・割れ:△、放射状の割れ・浮き:×
(2)使用材料
・セルフレベリング材用プライマー: 宇部興産株式会社製、「UプライマーQ」。
・セルフレベリング材: 宇部興産株式会社製、「SLフローG」。
・ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー:
(a)アクリル樹脂系エマルション(「AS原液(AC)」、宇部興産株式会社製)。
(b)変性エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系エマルション(「AS原液(SP)」、宇部興産株式会社製)。
・ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材:
(a)宇部興産株式会社製、「アクアシャッター(登録商標)AC」[AS混和材(AC・水硬性組成物)、AS原液(AC)]。
(b)宇部興産株式会社製、「アクアシャッター(登録商標)SP」[AS混和材(SP・水硬性組成物)、AS原液(SP)]。
・貼付けモルタル: 日本化成株式会社製、NSタイルセメント、T−3。
<実施例1〜3>
1m×1mのコンクリート床3箇所にセルフレベリング材用プライマーを塗布し、24時間乾燥した。
次に、セルフレベリング材(宇部興産株式会社製、「SLフローG」)25kgに水6.5kgを加え、ハンドミキサーを用いて混練してセルフレベリング材スラリーを調製した。セルフレベリング材用プライマーを塗布・乾燥したプライマー層(1m×1m)の上面に、セルフレベリング材スラリーを施工厚さ(目標厚さ=15mm)に偏りを生じないように流し込み施工して硬化させた。同様にしてセルフレベリング材スラリーをさらに2回調製して、セルフレベリング材用プライマーを塗布・乾燥したプライマー層の上面(2箇所)に、前記スラリーを流し込み施工して硬化させた。
セルフレベリング材スラリーを施工して1日後、セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面にポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用のプライマーを塗布して乾燥した。
セルフレベリング材スラリー硬化体の上面の衝撃応力緩衝材用プライマーが乾燥した後、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材のスラリーを調製して、左官鏝を用いて均一に0.5±0.1mmの厚さに塗布施工した。
衝撃応力緩衝材スラリーは、アクアシャッター(登録商標)ACの場合、AS混和材(AC・水硬性組成物)18kgとAS原液(AC)18kgとを容器に入れてハンドミキサーを用いて混練することによって、調製した。また、アクアシャッター(登録商標)SPの場合、AS混和材(SP・水硬性組成物)13kgとAS原液(SP)18kgとを容器に入れてハンドミキサーを用いて混練することによって、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材スラリーを調製した。2種類のポリマーセメント系衝撃応力緩衝材の塗布量を、表1に示す。
ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材が乾燥した後、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を施工したコンクリート下地上面と、縦×横×厚さが400mm×400mm×8mmの陶磁器タイルの裏面とに、それぞれほぼ均一な厚さ(約3mm厚さ)に貼付けモルタルを塗布し、下地上面に陶磁器タイルを敷設してタイルの水平レベル性を調整し、28日間養生してコンクリート床構造体の試験体を調製した。このとき、下地層が、既に優れた水平レベル性を有していたため、陶磁器タイルの水平レベル性の調整は、極微調整を行うだけで良好な水平レベル性が得られた。すなわち、従来の施工方法のような、水平レベル調整に係る煩雑な作業は不要だった。
タイル仕上げコンクリート床構造体について、付着強さ試験と床衝撃力試験を行った結果を表1に示す。この表から明らかなように、本発明の石貼り仕上げまたはタイル貼り仕上げするコンクリート床構造体は、付着強さ試験および床衝撃力試験について共に良好な結果を得た。
Figure 2009209595
従来工法のタイル貼り仕上げコンクリート床構造体の断面を模式的に示す部分断面図(a、b)である。 本発明のタイル貼り仕上げコンクリート床構造体の断面を模式的に示す部分断面図である。 床衝撃力試験でタイル貼り仕上げしたコンクリート床構造体のタイル面に茄子型錘を落下させる箇所を模式的に示す上面図である。
符号の説明
11 : コンクリート床
12 : モルタル(バサモルタル)
13 : セメントペースト
14 : 仕上げ材
15 : 木槌
16 : モルタル
17 : 貼付けモルタル
18 : セルフレベリング材用プライマー層
19 : セルフレベリング材スラリー硬化体層
20 : ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層
21 : ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層

Claims (7)

  1. コンクリート床の上面に、セルフレベリング材スラリー硬化体層を形成する工程と、
    セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層を形成する工程と、
    ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層の上面に、モルタルを用いて仕上げ材を敷設する工程と
    をこの順番で含む、コンクリート床構造体の施工方法。
  2. コンクリート床の上面に、セルフレベリング材用プライマーを塗布して乾燥させることにより、セルフレベリング材用プライマー層を形成する工程と、
    セルフレベリング材用プライマー層の上面に、セルフレベリング材と水とを混練して調製したセルフレベリング材スラリーを打設して硬化させることにより、セルフレベリング材スラリー硬化体層を形成する工程と、
    セルフレベリング材スラリー硬化体層の上面に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマーを塗布して乾燥させることにより、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層を形成する工程と、
    ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材用プライマー層の上面に、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布して硬化させることにより、ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層を形成する工程と、
    ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層の上面に、モルタルを用いて仕上げ材を敷設する工程と
    をこの順番で含む、コンクリート床構造体の施工方法。
  3. セルフレベリング材が、ポルトランドセメント、アルミナセメントおよび石膏から選ばれる少なくとも一種以上の水硬性成分と、細骨材とを含む、請求項1または2記載の施工方法。
  4. ポリマーセメント系衝撃応力緩衝材層が、水硬性組成物とポリマーエマルションとを混練して調製されるポリマーセメント系衝撃応力緩衝材を塗布して硬化させて形成される、請求項1〜3のいずれか1項記載の施工方法。
  5. 水硬性組成物が、アルミナセメントを含み、ポリマーエマルションが、アクリル樹脂系エマルションおよび/またはエチレン・酢酸ビニル系エマルションである、請求項4記載の施工方法。
  6. 仕上げ材が、長方形、正方形またはひし形の石材および/またはタイルであり、仕上げ材の各辺の長さが40〜900mmおよび厚さが5〜30mmである、請求項1〜5のいずれか1項記載の施工方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の施工方法により得られるコンクリート床構造体。
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