JP2009209401A - 溶接熱影響部の靭性と均一伸びに優れた鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接入熱が20kJ/mmであるような大入熱溶接を行った場合は勿論のこと、5kJ/mmであるような入熱量が比較的小さな溶接を行った場合でも、優れたHAZ靭性を発揮することができるとともに、均一伸びが優れた鋼板を提供する。
【解決手段】本発明の鋼板は、化学成分組成を適切に制御すると共に、下記(1)、(2)式を満たし、且つ、残留γの体積分率が2〜10%であり、島状マルテンサイトの平均円相当径が3.0μm以下である。
1.0≦[Ti]/[N]≦2.5 …(1)
但し、[Ti]および[N]は、夫々TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
2.0≦1000×([Ca]+2×[S]+3×[O])≦13.0 …(2)
但し、[Ca],[S]および[O]は、夫々Ca,SおよびOの含有量(質量%)を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築、船舶、海洋構造物等の溶接構造物に適用される鋼板に関するものであり、殊に大入熱溶接したときに熱影響を受ける部位(以下、「HAZ」と呼ぶことがある)の靭性と、均一伸びに優れた鋼板に関するものである。
船舶、建築、海洋構造物等の各分野における構造物は、鋼材を溶接によって接合して構築されるのが一般的であるが、こうした構造物に使用される鋼材には、安全性確保の観点から、鋼材強度は勿論、溶接部の靭性も良好であることが要求される。
近年、溶接構造物の大型化に伴い、構造物の施工効率の向上と施工コストの低減の観点から、溶接施工効率の向上が求められ、溶接入熱の増大が指向されている。特に、溶接入熱が20kJ/mm以上となるような大入熱溶接が実施される傾向がある。
上記のような大入熱溶接を実施するに当たっては、溶接母材(被溶接材としての鋼板)の熱影響を受けるHAZ[溶接金属と母材との界面(ボンド部)よりも母材側数mmの位置]における靭性が問題となる。このHAZは、溶接時に母材が溶融点直下の高温に晒され、金属組織におけるオーステナイト粒が粗大になり易く、しかも溶接入熱の増大によって冷却速度も遅くなるので、粗大組織が形成されやすい。こうしたことが原因して、HAZ靭性が低下しやすいという問題があった。
大入熱溶接法を採用した場合のHAZ靭性劣化を抑制する鋼板として、これまでにも様々なものが提案されており、例えば特許文献1、2には、TiNを鋼板中に微細分散させると共に、MnSを複合析出させてオーステナイト粒の粗大化を抑制することによって、HAZ靭性を改善する技術が提案されている。また特許文献3、4には、Ti酸化物を微細析出させることによって、フェライト変態の核生成サイトとして利用し、溶接ボンド部近傍の靭性を改善する技術が提案されている。
特許文献5には、溶接時の冷却過程でTiN等の上に析出するBNをフェライト変態の核生成サイトとして利用し、HAZ靭性を改善する技術が提案されている。
ところで、固溶Nが多過ぎるとHAZ靭性が劣化することも知られており、HAZ靭性の改善には低N化が図られるのが一般的である(例えば、非特許文献1)。また特許文献6では、固溶Nを徹底的に低減するという観点から、Tiと十分な量のAlを含有させ、更に微細酸化物としてCa酸化物を活用することによって、超大入熱溶接におけるHAZ靭性を向上させる技術も提案されている。
一方、特許文献7には、CaSを活用することによって、大入熱溶接におけるHAZ靭性の改善を図る技術も提案されている。
特開平2-250917号公報 特開平2-254118号公報 特開昭60-245768号公報 特開昭61-79745号公報 特開昭61-253344号公報 特開2001-107177号公報 特開2002-256379号公報 溶接学会論文集、vol.13,No.4,P758-766,(1985年11月発行)
しかしながら、これまで提案されてきた技術ではいずれも、HAZ靭性を根本的に改良し得るに至っておらず、夫々下記のような問題がある。
TiNを鋼中に微細分散させる技術では(前記特許文献1、2、5)、大入熱溶接を行ったときに、溶接ボンド部近傍が高温に長時間加熱されることになるので、TiNが溶解してしまい、結晶粒の粗大化を抑制することができず、良好なHAZ靭性を得ることができないのが実情である。
またTi酸化物を微細析出させる技術では(前記特許文献3、4)、酸化物を鋼中に均一に分散させることが困難であるので、HAZ靭性を良好にすることはできないという問題がある。固溶Nを低減する技術では(前記特許文献6、非特許文献1)、過剰のTiを含有させると固溶Ti量が増加することになって、逆に脆化組織が生成するという問題がある。
またCaSを活用する技術では(前記特許文献7)、CaSが比較的粗大なものとなって、HAZ靭性を向上させるには至っていない。尚、この技術では、TiNを併用することも考慮されているが、TiNによるフェライト生成能との相乗効果を十分に活用できておらず、大入熱溶接におけるHAZ靭性を改善する効果は十分ではないという問題もある。
ところで、上記のような鋼板では、特に建築構造物や鋼構造物に使用される場合には、耐震性を向上させるという観点から、均一伸びが高いことも要求される。即ち、この均一伸びは、鋼板が破断に至るまでの途中で局部収縮が開始するまでの伸びのことを意味し、鋼板が変形する際の安定性の指標となるものであり、こうしたことから値が高い方が良好な耐震性が得られるとされている。
均一伸びを向上させる手段としては、残留γ(残留オーステナイト)量を増加させることが知られているが(例えば、マルテンサイト変態誘起塑性現象を用いたTRIP鋼板)、残留γを増加させると島状マルテンサイト(MA)も増加して母材靭性が低下することが問題となっていた。こうしたことから、良好な母材靭性を確保しつつ均一伸びを向上させる技術の確立が望まれているのが実状である。
本発明は、こうした従来技術における課題を解決するためになされたものであって、その目的は、溶接入熱量が20kJ/mm以上であるような大入熱溶接を行った場合は勿論のこと、例えば溶接入熱量が5kJ/mm以上であるような入熱量が比較的小さくなるような溶接を行った場合でも優れたHAZ靭性を発揮するとともに、均一伸びが優れた鋼板を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の鋼板とは、C:0.03〜0.150%(質量%の意味。化学成分組成については以下同じ。)、Si:0.50%以下(0%を含む)、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.005%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜0.06%、Ti:0.008〜0.030%、N:0.0050〜0.010%、Ca:0.0010〜0.0035%およびO:0.003%以下(0%を含まない)を夫々含有すると共に、残留γの体積分率が2〜10%であり、且つ島状マルテンサイト(MA)の平均円相当径が3.0μm以下であり、下記(1)、(2)式で規定される関係を夫々満足する点に要旨を有するものである。
1.0≦[Ti]/[N]≦2.5 …(1)
但し、[Ti]および[N]は、夫々TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
2.0≦1000×([Ca]+2×[S]+3×[O])≦13.0 …(2)
但し、[Ca],[S]および[O]は、夫々Ca,SおよびOの含有量(質量%)を示す。
本発明の鋼板には、必要によって、(a)B:0.0035%以下(0%を含まない)、(b)Cu:2.0%以下(0%を含まない)、Ni:2.0%以下(0%を含まない)およびCr:1.50%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)Mo:0.5%以下(0%を含まない)、(d)Nb:0.035%以下(0%を含まない)および/またはV:0.10%以下(0%を含まない)、(e)Mg:0.005%以下(0%を含まない)、(f)Zr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはHf:0.05%以下(0%を含まない)、(g)Co:2.5%以下(0%を含まない)および/またはW:2.5%以下(0%を含まない)、(h)REM:0.010%以下(0%を含まない)、等を含有することも有効であり、これら含有される成分に応じて鋼板の特性を更に改善させることができる。
本発明の鋼板では、HAZ靭性に影響を与える元素について、所定の関係式を満足させつつ化学成分組成を厳密に規定して適正化を図ることによって、良好なHAZ靭性を発揮するとともに、残留γ量と島状マルテンサイト(MA)の粒径を制御することによって、良好な母材靭性を確保しつつ均一伸びを向上させることができるので、各種建築構造物等の素材として極めて有用である。
本発明者らは、まず上記した「優れたHAZ靭性を発揮する」という課題を達成するために、大入熱溶接を行ったときのHAZ靭性に及ぼす要因について様々な角度から研究を重ねた。その結果、鋼板のHAZ靭性は、脆化組織の生成の有無に大きく影響されること、およびこの脆化組織の生成は、高温に加熱された領域におけるオーステナイトの粗大化抑制と、冷却時にフェライト変態を促進する変態核の微細分散により防止できるとの知見が得られた。従来では、これらが不十分であったために、HAZの靭性を安定して良好にすることができなかったものと考えられた。
そこで本発明者らは、フェライト生成核の微細分散のために、鋳造時の凝固段階におけるCaS、TiN、およびそれらを核として生成するMnSを有効に活用するという着想の下で更に検討を重ねた。CaS,TiNは単独で存在したり、MnSと複合析出したりして存在するが、それらを微細分散してフェライト生成核を多数分散させるためには、鋼板の化学成分組成を適切に調整した上で、下記(1)式および(2)式の関係を満足することが有効であることを明らかにした。
従来では、固溶Nによる靭性低下のため低N化が図られているのが一般的であるが(前記非特許文献1)、本発明ではCaSを併用することによって、[Ti]/[N]比を低め(積極的に高N化)にした場合に多くなる固溶Nの影響を低減でき、しかもTiN自身も微細分散され、HAZ靭性が改善した点が重要なポイントとなる。こうした観点から下記(1)、(2)式を規定するものであるが、これらの式を規定した理由は下記の通りである。
1.0≦[Ti]/[N]≦2.5 …(1)
但し、[Ti]および[N]は、夫々TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
TiNを微細に分散し、フェライト生成核を多数生成させるためには、TiとNの添加バランスをこの範囲にしておく必要がある。このバランスに調整することによって、CaS、MnS等とのフェライト生成核を増加させることができ、大入熱における良好なHAZ靭性を確保することができる。[Ti]/[N]の値(以下、「P値」と呼ぶ)が2.5を超えるとTiNは粗大化し、1.0未満であればTiN生成量そのものが少なくなる。こうした観点から、上記(1)式を規定した。尚、P値の好ましい下限は1.5であり、好ましい上限は2.3である。
2.0≦1000×([Ca]+2×[S]+3×[O])≦13.0 …(2)
但し、[Ca],[S]および[O]は、夫々Ca,SおよびOの含有量(質量%)を示す。
式(2)は、本発明で規定する化学成分の範囲のもとでは、Ca、SおよびOの順でフェライト生成核を微細に均一分散させる傾向が強いことを示している。[1000×([Ca]+2×[S]+3×[O])]の値(以下、「Q値」と呼ぶ)を2.0〜13.0の範囲に設定することによって、大入熱におけるHAZ靭性確保に有効なフェライト生成核を多数導入することができ、良好なHAZ靭性が得られるのである。Q値が13.0を超えると、フェライト生成核が粗大化し、2.0未満であるとフェライト生成核の量そのものが少なくなる。Q値の好ましい上限は10.0であり、好ましい下限は3.0である。
また、本発明者らは、「良好な母材靭性を確保しつつ、均一伸びを向上させる」という、本発明のもう一つの課題を達成するためには、残留γ(残留オーステナイト)量を制御し、島状マルテンサイト(MA)の平均粒径を一定以下の値にすることが有効であることを明らかにした。
残留γ体積分率が2〜10%でMA平均円相当径が3.0μm以下
上述したように、特に建築構造物や鋼構造物に使用される場合には、耐震性を向上させるという観点から、均一伸びが大きいことが要求される。均一伸びを向上させる手段としては、鋼組織の残留γ量を増加させることが考えられるが、一般的には、残留γ量を増加させると島状マルテンサイト(MA)も粗大化するため、母材靭性が低下する。本発明では、化学成分組成を厳密に制御した上で、後述の実施例に示すような特定の製造方法を採用しているので、島状マルテンサイト(MA)の粗大化を防止しつつ、残留γ量を増加することに成功し、母材靭性と均一伸びを両立させることができる。
全体の組織に対する残留γの体積分率は2%以上、好ましくは2.5%以上、さらに好ましくは3.5%以上である。残留γの体積分率を大きくするほど、均一伸びを向上できる。しかし、残留γの体積分率が大きくなりすぎると、靭性や伸びが低下する。従って残留γの体積分率は10%以下、好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。
なお、残留γ体積分率は以下のように測定した。各鋼板の深さt/4位置(t:板厚)について鏡面研磨した試験片を、X線回折によって、リーベルト法でα−Fe(200)面とγ−Fe(200)面のピーク強度比から理論強度比を計算によって求め、残留γ分率を求めた。X線回折装置は、理学電気製の「RAD−RU300」を使用し、ターゲットはCo、ターゲット出力は40kV、200mAとした。
島状マルテンサイト(MA)の平均円相当径は、3μm以下、好ましくは2.8μm以下、さらに好ましくは2.3μm以下である。島状マルテンサイト(MA)の平均円相当径は小さくするほど母材靭性を向上させることができ、下限を設定する必要はないが、容易に達成できる範囲が望ましく、例えば0.5μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上であってもよい。
島状マルテンサイト(MA)の平均円相当径は以下のように測定した。各鋼板の深さt/4位置(t:板厚)について鏡面研磨した試験片をレペラー腐食し、光学顕微鏡によって組織を観察し、倍率1000倍、50μm角の領域を10箇所撮影し、画像解析装置(Media Cybernetics製:Image-Pro Plus)で処理することによって、各島状マルテンサイト(MA)の円相当径を算出し、その算術平均(相加平均)を求める。
なお、本発明の鋼板の組織は、ベイナイトを主体とする組織、又はフェライトとベイナイトを主体とする組織である。主体とは面積率で70%以上であることをいい、残りの組織には、前述の残留γ(残留オーステナイト)及び島状マルテンサイト(MA)の他、パーライト、マルテンサイト、セメンタイトなどが含まれることがある。
本発明の鋼板では、その特性を発揮させるために、その化学成分組成を適切な範囲に制御することも重要な要件である。上記(1)〜(2)式に関与する元素(Ti,N,Ca,SおよびO)も含め、その範囲限定理由は、次の通りである。
[C:0.03〜0.150%]
Cは鋼板(溶接母材)の強度を確保するために必要な元素であり、所望の強度を確保するためには0.03%以上含有させる必要がある。しかしながら、Cを過剰に含有させると、HAZ靭性が却って低下することになる。こうしたことから、その上限は0.150%とする必要がある。尚、C含有量の好ましい下限は0.05%であり、好ましい上限は0.08%である。
[Si:0.50%以下(0%を含む)]
Siは鋼板の強度を確保するために有効な元素であり、必要により含有される。しかしながら、過剰に含有されると鋼材(母材)に島状マルテンサイト相(MA相)を多量に析出させてHAZ靭性を劣化させる。こうしたことから、その上限を0.50%とした。尚、Si含有量の好ましい下限は0.1%であり、好ましい上限は0.4%である。
[Mn:1.0〜2.0%]
Mnは焼入れ性を向上させて鋼板強度を確保する上で有効な元素であり、こうした効果を発揮させるためには、Mnは1.0%以上含有させる必要がある。しかしながらMnを過剰に含有させると、鋼板のHAZ靭性が劣化するので上限を2.0%とする。Mn含有量の好ましい下限は1.3%であり、好ましい上限は1.8%である。
[P:0.015%以下(0%を含まない)]
Pは不可避的に混入してくる不純物であり、鋼板のおよびHAZの靭性に悪影響を及ぼすのでできるだけ少ない方が好ましい。こうした観点から、Pは0.015%以下に抑制するのが良い。P含有量の好ましい上限は0.01%である。
[S:0.005%以下(0%を含まない)]
Sは、鋳造時の鋼板凝固時に鋼板中にCaSを形成することによって、溶接後にCaS上にMnSを形成させて、HAZ部におけるフェライト形成に有効に働く元素である。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、0.005%よりも過剰に含有されると、母材およびHAZの靭性が劣化する。尚、Sによる上記効果を発揮させるためには、0.0003%以上含有させることが好ましく、また好ましい上限は0.0020%、さらに好ましくは0.0010%である。このSを所定範囲に低減するには、脱硫時間を比較的長く(例えば25分以上)なるようにすればよい。
[Al:0.005〜0.06%]
Alは脱酸剤として有効な元素であると共に、鋼板のミクロ組織微細化による母材靭性向上効果も発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Al含有量は0.005%以上とする必要がある。しかしながら、過剰に含有されると鋼板(母材)に島状マルテンサイト相(MA相)を多量に析出させてHAZ靭性を劣化させる。こうしたことから、その上限を0.06%とした。尚、Al含有量の好ましい下限は0.01%であり(より好ましくは0.02%以上)、好ましい上限は0.04%である。
[Ti:0.008〜0.030%]
Tiは窒化物を形成し、大入熱溶接時に旧オーステナイト粒の粗大化を抑制し、HAZ靭性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Ti含有量は0.008%以上とする必要がある。しかしながら、Tiを過剰に含有させると粗大な介在物を析出させ、却ってHAZ靭性を劣化させるので、その上限を0.030%とする。尚、Ti含有量の好ましい下限は0.01%であり、好ましい上限は0.025%である。
[N:0.0050〜0.010%]
大入熱溶接時のHAZにおいて靭性を高位に確保するためには、旧オーステナイト粒内にTiNを微細析出させて旧オーステナイト粒の粗大化を防止することが有効である。こうした効果を発揮させるためには、N含有量は0.0050%以上とする必要がある。しかしながら、Nの含有量が過剰になって0.010%を超えると粗大なTiNが析出してHAZ靭性が低下する。尚、N含有量の好ましい下限は0.006%であり、好ましい上限は0.009%(より好ましくは0.008%)である。
[Ca:0.0010〜0.0035%]
Caは硫化物の形態を制御してHAZ靭性の向上に寄与する元素である。こうした効果を発揮させるためには、0.0010%以上含有させる必要があるが、0.0035%を超えて過剰に含有させてもHAZ靭性が却って劣化する。尚、Ca含有量の好ましい下限は0.0015%以上(より好ましくは0.0020%以上)であり、好ましい上限は0.0030%である。
[O:0.003%以下(0%を含まない)]
Oは、不可避的不純物として含有されるが、鋼中では酸化物として存在する。しかしながら、その含有量が0.003%を超えると粗大なCaOが生成してHAZ靭性が劣化する。こうしたことから、O含有量の上限を0.0030%とする。O含有量の好ましい上限は0.0020%(より好ましくは0.0015%)である。
本発明の鋼板において、上記成分の他の残部は、Feおよび不可避的不純物(例えば、Sb,Se,Te等)からなるものであるが、その特性を阻害しない程度の微量成分(許容成分)も含み得るものであり、こうした鋼板も本発明の範囲に含まれるものである。また必要によって、(a)B:0.0035%以下(0%を含まない)(b)Cu:2.0%以下(0%を含まない)、Ni:2.0%以下(0%を含まない)およびCr:1.50%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)Mo:0.5%以下(0%を含まない)、(d)Nb:0.035%以下(0%を含まない)および/またはV:0.10%以下(0%を含まない)、(e)Mg:0.005%以下(0%を含まない)、(f)Zr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはHf:0.05%以下(0%を含まない)、(g)Co:2.5%以下(0%を含まない)および/またはW:2.5%以下(0%を含まない)、(h)REM:0.010%以下(0%を含まない)、等を含有することも有効である。これらの成分を含有させるときの範囲限定理由は、次の通りである。
[B:0.0035%以下(0%を含まない)]
Bは大入熱溶接のボンド部付近ではBNを核とした粒内フェライトを生成させると共に、固溶Nの固定作用も有し、HAZ靭性改善に有効な元素であり、必要によって含有される。しかしながら、Bの含有量が過剰になるとボンド部の組織が粗大ベイナイト組織となるため逆にHAZ靭性を劣化させてしまう。こうしたことから、Bを含有させるときには、その上限を0.0035%とするのがよい。好ましい範囲は、0.0010〜0.0025%とする。
[Cu:2.0%以下(0%を含まない)、Ni:2.0%以下(0%を含まない)およびCr:1.50%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上]
Cu、NiおよびCrは、いずれも焼入れ性を高めて強度を向上させるのに有効な元素であり、必要によって含有される。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、HAZ靭性が却って低下するのでCuおよびNiについては2.0%以下(より好ましくは1%以下)、Crについては1.50%以下(より好ましくは1%以下)とするのがよい。上記効果を発揮させるための好ましい下限は、いずれも0.20%(より好ましくは0.40%)である。
[Mo:0.5%以下(0%を含まない)]
Moは焼入れ性を向上させ強度確保に有効であり、焼戻し脆性を防止するために適宜利用される。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、Mo含有量が過剰になるとHAZ靭性が劣化するので、0.5%以下とするのが好ましい。より好ましくは、0.3%以下とするのが良い。
[Nb:0.035%以下(0%を含まない)および/またはV:0.10%以下(0%を含まない)]
NbおよびVは焼入れ性を向上させて母材強度を向上させる効果を発揮する。またVは焼戻し軟化抵抗を高くする効果もある。しかしながら、多量に含有されるとHAZ靭性が劣化するため、Nbで0.035%以下(より好ましくは0.030%以下)、Vで0.10%以下(より好ましくは0.05%以下)とするのが良い。尚、これらの効果を有効に発揮させるための含有量は、Nbで0.005%以上、Vで0.01%以上である。
[Mg:0.005%以下(0%を含まない)]
Mgは、MgOを形成して、HAZにおけるオーステナイト粒の粗大化を抑制することによって、HAZ靭性を向上させる効果を有するため、必要によって含有される。しかしながらMgの含有量が過剰になると、介在物が粗大化してHAZ靭性が劣化するため、0.005%以下(より好ましくは0.0035%以下)にするのが良い。
[Zr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはHf:0.05%以下(0%を含まない)]
ZrおよびHfは、Tiと同様、Nと窒化物を形成し、溶接時におけるHAZのオーステナイト粒を微細化し、HAZ靭性改善に有効な元素である。しかし、過剰に含有されるとHAZ靭性を却って低下させる。このため、これらの元素を含有するときには、Zrは0.1%以下、Hfは0.05%以下とする。
[Co:2.5%以下(0%を含まない)および/またはW:2.5%以下(0%を含まない)]
CoおよびWは、焼入れ性を向上させ母材強度を高める効果を有するので、必要により含有される。しかし、過剰に含有するとHAZ靭性が劣化するため、上限をいずれも2.5%以下とする。
[REM:0.010%以下(0%を含まない)]
REM(希土類元素)は、鋼材中に不可避的に混入してくる介在物(酸化物や硫化物等)の形状を微細化・球状化することによって、HAZの靭性向上に寄与する元素であり、必要によって含有される。こうした効果は、その含有量が増加するにつれて増大するが、REMの含有量が過剰になると、介在物が粗大化してHAZ靭性が劣化するため、0.010%以下に抑えることが好ましい。尚、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLuまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味である。
本発明の鋼板を製造するためには、鋼板の化学成分を適切に調整した上で、P値、およびQ値の要件を満たす鋼を、通常の溶製法によって溶製し、この溶鋼を冷却してスラブとする。その後、加熱及び熱間圧延した後、所定の方法で焼入れする必要がある。なお、焼入れした鋼板は、必要により、焼戻ししてもよい。
まず、溶鋼の冷却について、1500℃から1100℃までを0.1〜2.0℃/秒の冷却速度で冷却してスラブを形成する。このような通常の条件で冷却してもTiNを十分に小さくできるが、より微細なTiNを形成させるために、鋳造機の冷却水量や冷却方法を変更して、凝固時の冷却速度を向上させることが好ましい。
次に、熱間圧延の加熱および仕上げ温度は、通常の範囲から選択できる。加熱温度は例えば950〜1250℃程度の範囲から設定でき、仕上げ温度は、例えば750〜950℃程度の範囲から設定できる。
そして、本発明の製造工程で最も重要なのは、熱間圧延後の焼入れ方法である。この焼入れは、島状マルテンサイトの粗大化を防止しつつ、残留オーステナイトを増加させるために実施する。焼入れ方法は、大きく2種類(焼入れ法A、焼入れ法B)に分けられる。焼入れ法Aは、熱間圧延した鋼板を、直接、またはオフラインなどで再加熱した後、第1の焼入れを行い、再び加熱して第2の焼入れを行い、焼戻しする方法である。焼入れ法Bは、熱間圧延した鋼板を、直接、またはオフラインなどで再加熱した後、途中まで加速冷却(第1の加速冷却という)し、一旦冷却を緩めた後、再度加速冷却(第2の加速冷却という)する方法である。焼入れ法A及び焼入れ法Bの詳細条件は、以下の通りである。
[焼入れ法A]
焼入れ法Aにおける第1の焼入れでは、冷却開始温度は、750℃以上、好ましくは800℃以上、さらに好ましくは850℃以上である。冷却開始温度が低すぎると、焼きが十分に入らない。第1の焼入れの冷却停止温度は、通常の焼入れと同様であり、例えば200℃以下である。
第2の焼入れにおける冷却開始温度は、850℃以下、好ましくは800℃以下、さらに好ましくは770℃以下であって、フェライト−オーステナイトの2相になる温度以上(例えば、700℃以上)である。冷却開始温度が高すぎると、残留オーステナイトが粗大化する。一方、冷却開始温度が低すぎると、2相域からの焼入れにならず、残留オーステナイトが不足し、均一伸びが低下する。第2の焼入れの冷却停止温度は、例えば、200℃以下である。
第1の焼入れ及び第2の焼入れのいずれにおいても、冷却速度は通常の焼入れと同様であり、例えば、1℃/秒以上、好ましくは3℃/秒以上、さらに好ましくは5℃/秒以上である。
この焼入れ法Aでは、第2の焼入れの再加熱温度も重要である。再加熱温度は、例えば700〜900℃程度である。再加熱温度が低すぎると、冷却開始温度が低くなり過ぎる。また再加熱温度が高すぎると、冷却開始までに時間がかかり過ぎ、残留オーステナイトが不足する。保持時間については、15分以上とする。
焼戻し条件は、通常の範囲で設定でき、例えば、400〜600℃で10〜30分間保持してから冷却する。
[焼入れ法B]
焼入れ法Bにおける第1の加速冷却では、冷却開始温度は、900℃以下(好ましくは850℃以下、さらに好ましくは800℃以下)、700℃以上(好ましくは750℃以上、さらに好ましくは800℃以上)である。第1の加速冷却における冷却停止温度は、750℃以下(好ましくは700℃以下、さらに好ましくは650℃以下)、550℃以上(好ましくは600℃以上)である。冷却停止温度が高すぎると、残留オーステナイトが不足する。一方、冷却停止温度が低すぎる場合も、残留オーステナイトが不足する。
なお第1の加速冷却の冷却速度は、通常の焼入れの冷却速度と同等であり、例えば1℃/秒以上、好ましくは3℃/秒以上、さらに好ましくは5℃/秒以上である。冷却速度が遅すぎると、実質的に第1の加速冷却を行わなかったことになり、未変態オーステナイトへのC濃化が多くなりすぎ、パーライトやセメンタイトに変態してしまうため、残留オーステナイトが不足する。
第1の加速冷却終了後、第2の加速冷却開始までの間は、等温保持してもよく、緩やかに冷却(例えば、冷却速度1℃/秒未満(空冷など))してもよい。第1の加速冷却終了後、第2の加速冷却開始までの時間(以下、インターバルという)は、例えば、20〜130秒程度、好ましくは30〜100秒程度、さらに好ましくは40〜80秒程度である。インターバルが短すぎると、フェライトが少なすぎて未変態オーステナイトへのC濃化が十分でなく、残留オーステナイトが不足する。また逆に、インターバルが長すぎると、未変態オーステナイトへのC濃化が多くなりすぎ、パーライトやセメンタイトに変態してしまうため、残留オーステナイトが不足する。
第2の加速冷却の開始温度は、700℃以下(好ましくは、650℃以下、さらに好ましくは630℃以下)、550℃以上(好ましくは600℃以上、さらに好ましくは620℃以上)である。また第2の加速冷却における冷却停止温度は、400℃以下、好ましくは300℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。冷却停止温度が高すぎると、実質的に第2の加速冷却を行わなかったことになり、残留オーステナイトが不足する。第2の加速冷却の冷却速度は、第1の加速冷却と同様である。
なお、焼入れ法Bでは、第2の加速冷却終了後、焼戻ししてもよい。焼戻し条件は、焼入れ法Aと同様である。
尚、本発明で対象とする鋼板は、基本的には板厚が20mm以上の厚鋼板を想定したものであるが、それ以下の板厚においても同等の特性を有するものとなり、本発明の対象に含まれるものである。また、本発明の鋼板を溶接するときの入熱量は20kJ/mm以上を想定したものであり、こうした大熱量で溶接を行ったときに良好なHAZ靭性を示すものとなるが、こうした入熱量に限らず、例えば5kJ/mm以上となる入熱量であっても良好なHAZ靭性を示すものとなる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変形することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
下記表1〜3に示す組成の鋼を、通常の溶製法によって溶製し、この溶鋼を、1500℃から1100℃までを、0.1〜2.0℃/分の冷却速度で冷却してスラブを得た(スラブ厚=270mm)。その後、このスラブを表4、5に示す熱間圧延、及び焼入れをすることによって、厚さ60mmの鋼板を得た。なお、表4は、焼入れ法Aの条件を示すものであり、表5は、焼入れ法Bの条件を示すものである。尚、表1においてREMはLaを50%程度とCeを25%程度含有するミッシュメタルの形態で添加した。また表1〜3中「-」は元素を添加していないことを示している。尚、表1〜3には、本発明で規定するP値([Ti]/[N])、Q値[1000×([Ca]+2×[S]+3×[O])]についても示した。
Figure 2009209401
Figure 2009209401
Figure 2009209401
Figure 2009209401
Figure 2009209401
こうして得られた各種鋼板について、下記の方法で引張特性を測定すると共に、下記の条件にて溶接を行い、溶接部を作成した。
[鋼板の引張強さ、均一伸び]
鋼板の深さt/4位置(t:板厚)からJIS Z 2201 4号試験片を採取し、JIS Z 2241の要領で引張り試験を行ない、引張強度(TS)、および全伸び(EL)を測定した。なお本発明の系では、均一伸びは全伸びの約50%程度の値であるため、試験例では全伸びで評価した。本発明では、引張強度TS:440MPa以上、全伸びEL:20%以上であれば、それぞれ引張強度に優れ、均一伸びに優れると評価した。
[母材靭性]
深さt/4位置(t:板厚)で、試験片の長手方向が鋼板の圧延方向(L方向となる様に、JIS Z 2242に規定するVノッチ標準試験片(サイズ:10mm×10mm×55mm)を採取し、−5℃でシャルピー衝撃試験を行い、−5℃におけるVシャルピー衝撃値(vE-5)を測定した。
[HAZ靭性試験]
エレクトロスラグ溶接(30kJ/mm)を行ったときの熱サイクルを模擬したHAZ靭性評価法として、加熱温度:1400℃で30秒保持、その後冷却が800〜500℃の冷却時間(Tc):500秒の熱サイクルで各供試鋼板を熱処理した後、温度−15℃におけるシャルピー吸収エネルギー(Vノッチ)を測定した。なお試験片としては、深さt/4位置(t:板厚)からシャルピー衝撃試験片(JIS Z 2202、サイズ10mm×10mm×55mmの棒状)を採取し、中央部片面に深さ;2mmのVノッチを形成したものを使用した。このときVシャルピー衝撃値(vE-15)が150J以上を合格とした。
また、入熱量が5kJ/mm相当の溶接を模擬した熱処理(加熱温度:1400℃で5秒保持、Tc=120秒)の後、上記と同様にしてVシャルピー衝撃値(vE-15)を測定した。
これらの結果を、表6、7に示す。
Figure 2009209401
Figure 2009209401
これらの結果から、次のように考察できる。まず試験No.1〜43は、本発明で規定する要件を満足するものであり、鋼板(母材)の強度は目標を満足し、HAZ靭性も目標平均200J以上を十分満足するものである。またこれらは、入熱量が5kJ/mmのような溶接条件においても、十分なHAZ靭性を示していることが分かる。
これに対して、試験No.44〜78は、本発明で規定するいずれかの要件を欠くものであり、いずれかの特性が劣化している。このうち試験No.44〜60は、化学成分組成が本発明で規定する範囲を外れるものであり(試験No.57はP値も大きい)、試験No.61、69は、化学成分組成は満足するがP値が本発明で規定する範囲を外れるものである。試験No.62〜68は、化学成分組成は満足するがQ値が本発明で規定する範囲を外れるものである。No.70〜78は、本発明鋼の製造方法の範囲を外れる例であり、残留γ体積分率、MA平均円相当径の少なくとも一方において、本発明の要件を欠くものである。No.70〜78は残留γ量が少ないため、均一伸びにおいて劣っており、No.76については島状マルテンサイト(MA)が粗大なために、母材靭性においても劣った結果となっている。

Claims (9)

  1. C:0.03〜0.150%(質量%の意味。化学成分組成については以下同じ。)、
    Si:0.50%以下(0%を含む)、
    Mn:1.0〜2.0%、
    P:0.015%以下(0%を含まない)、
    S:0.005%以下(0%を含まない)、
    Al:0.005〜0.06%、
    Ti:0.008〜0.030%、
    N:0.0050〜0.010%、
    Ca:0.0010〜0.0035%、
    O:0.003%以下(0%を含まない)
    を夫々含有すると共に、
    残留γの体積分率が2〜10%であり、且つ島状マルテンサイト(MA)の平均円相当径が3.0μm以下であり、
    下記(1)、(2)式で規定される関係を夫々満足することを特徴とする溶接熱影響部の靭性と均一伸びに優れた鋼板。
    1.0≦[Ti]/[N]≦2.5 …(1)
    但し、[Ti]および[N]は、夫々TiおよびNの含有量(質量%)を示す。
    2.0≦1000×([Ca]+2×[S]+3×[O])≦13.0 …(2)
    但し、[Ca],[S]および[O]は、夫々Ca,SおよびOの含有量(質量%)を示す。
  2. B:0.0035%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1に記載の鋼板。
  3. Cu:2.0%以下(0%を含まない)、Ni:2.0%以下(0%を含まない)およびCr:1.50%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有するものである請求項1または2に記載の鋼板。
  4. Mo:0.5%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板。
  5. Nb:0.035%以下(0%を含まない)および/またはV:0.10%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の鋼板。
  6. Mg:0.005%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の鋼板。
  7. Zr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはHf:0.05%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜6のいずれかに記載の鋼板。
  8. Co:2.5%以下(0%を含まない)および/またはW:2.5%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜7のいずれかに記載の鋼板。
  9. REM:0.010%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜8のいずれかに記載の鋼板。
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