JP2009208290A - 木質積層マットの分離・搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】木質積層マットの厚さが厚い場合でも搬送中にその端部を崩すことなく、木質チップの散乱量を低減しながら分離する。
【解決手段】結合剤が混和された細長い木質チップを長さ方向に略揃えて、連続的に供給される搬送板上に積層して、搬送板上に連続した木質積層マットを形成し、その後、搬送板間を前後に分離して、木質積層マットを順次圧縮成形装置へ搬送する、木質積層マットの分離・搬送方法であって、圧縮成形装置の手前で、前方の搬送板(前方板)とそれに連なる搬送板(後方板)の連接部分近傍に分離用部材をそれぞれ接触させ、引き続き、該分離用部材によって木質積層マットの上面を加圧し、次に、前方板の搬送速度を後方板よりも高速にして両者に速度差を生じさせることにより、木質積層マット端部の大きな崩れを抑制しながら木質積層マットを分離することを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法によって提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、木質積層マットの分離・搬送方法に関し、更に詳しくは、木質積層マットの厚さが厚い場合でも搬送中にその端部を崩すことなく分離でき、木質チップの散乱量を低減しながら圧縮成形装置へと搬送して、強度が高い木質系複合材を得ることができる木質積層マットの分離・搬送方法に関する。
木質系複合材を得る方法として、例えば、配列されたリグノセルローズファイバを接着剤で固着させた定寸法用材であって、該リグノセルローズファイバは約6インチ(約15cm)ないし約4フィート(約122cm)の長さ、約0.05インチ(約0.1cm)ないし約0.25インチ(約0.6cm)の幅、及び約0.05インチ(約0.1cm)ないし約0.5インチ(約1.3cm)の厚さを有し、かつ得られた該定寸法用材の強度が、上記リグノセルローズファイバの原木種から切断採取された製材の少なくとも1種のグレイドの強度以上となるような該接着剤の樹脂固形分及び得られた該定寸法用材の密度を有することを特徴とする、上記定寸法用材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
又、板状製品であって、該板状製品は25mm以上の厚さを有し、木ウエハーによって作られた単層パネルから切り出され、該ウエハーは長さ方向を一定の方向に揃えられ、前記単層パネルの大平面内でウエハーを長さ方向に測定したときのパネルの長軸に対する平均偏差は0〜10度の範囲内にあり、前記大平面内に直交し且つ前記パネルの長手方向の小平面内でウエハーを長さ方向に測定したときの平均偏差は0〜5度の範囲内であり、ウエハーはウエハーの木目方向に測定したときの平均長さが200mm以上であり、前記板状製品は、所定間隔離れた一対の切断面によって前記板状製品の幅部を形成し、切断面は板状製品が切り出される前記単層パネルの長軸とほぼ並行であることを特徴とするウエハーボードの板状製品が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献1に記載の定寸法用材や特許文献2記載の板状製品は、いずれも、セルローズファイバや細長い木ウエハーの長さ方向を製品の長さ方向に沿って配列し、必要に応じて結着剤を混合されてマット状に配向積層されてから圧縮又は加熱することによって得られるものであり、高強度である故に木質系構造材として適用可能とされるものである。
上記特許文献1のような定寸法用材や特許文献2のような板状製品のような高強度な木質系構造材を得る場合には、いずれの形状の製品を得るにしても、細長い木質チップに結合剤を混和して、断面が略矩形の長い板状となるようにその長さ方向を揃えて積み重ねて木質積層マットとし、この木質積層マットをコール板(搬送板)に載せ、その搬送板を搬送板に乗せてストックヤードに搬送し、また、ストックヤードから搬出してその重量を測定して、圧縮・加熱圧縮成形装置に移動し、ここで圧縮又は加熱により成形体を得るという、一般的な方法が採用される。
しかしながら、上記従来技術のような、木質チップの長さ方向を木質積層マットの長さ方向と略一致させた場合には、搬送中に木質積層マットの両端辺部が崩れやすいという問題点がある。例えば、木質積層マットの厚さが約40mm程度以内であれば、搬送中の木質積層マットの両短辺部は少ししか崩れないが、柱形状等の厚みが大きい木質系複合材を得る場合には、木質積層マットの厚さがこれを超える厚さになるので、搬送中に木質積層マットの両短辺部の崩れが大きくなって、成型時に両端部に圧力が掛からず、製材時にカットして廃棄しなければならなくなるという問題点がある。
すなわち、木質チップを長さ方向に略揃えてコール板(搬送板)上に積み重ねて木質積層マットとし、これを圧縮成形装置まで搬送する際、搬送時にコンべアー等の搬送板が左右及び上下方向に揺れ、振動などにより、木質積層マットの製品長さ方向の両側端部にあるチップが崩れてコール板(搬送板)上に木質チップが散在する。
したがって、木質積層マットの厚さが厚い場合でも搬送中にその両辺縁が崩れず、従って全断面に渡って均質な強度を有する木質系複合材を得ることができて、得られた成形体の両端辺部をカットして廃棄する箇所が少なく、木質資源の有効利用が可能な、木質系複合材を効率的に製造しうる木質積層マットの搬送板が要請されていた。
これに応えるため、本出願人は、積層された木質チップの両サイドの全部又は一部分に接触する一対のサイドガイドを設け、積層された木質チップが上記一対のサイドガイド面を摺動しながら移動する木質積層マットの搬送板を開発した(特許文献3参照。)。
また、本出願人は、上記装置を改良して、上記サイドガイドの内側面に先端が該サイドガイドの進行方向端部から延出された弾性を有するシートを設け、木質積層マットをその両側面が該シートに接触された状態で搬送板上を移動させ、上流側サイドガイドに設けられたシートの延出端を、下流側サイドガイドの上流側のシート内側に挿入しつつ上流側サイドガイドと下流側サイドガイドとを接触させ、木質積層マットの両側面をシート面と摺動させながら移動する木質積層マットの搬送方法を開発した(特許文献4参照。)。
ところで、搬送板のサイズは任意であるが、製品の用途、需要量、製造コスト等を考慮し、通常は長さが3〜6メートル位とされており、駆動ローラーやベルトコンベアーの上に、通常、2枚以上の複数枚が隣接されて移動するように構成されている。
圧縮・加熱圧縮を行う成形金型、加熱装置や加圧装置などの大きさは、出来るだけ大きくして、一度に長尺の木質積層マットが製造できるようにすることが望ましいが、通常、一枚の搬送板のサイズに相当する木質積層マットに合わせられる。木質積層マットは、隣接する搬送板上に連続して積層されて搬送されてくるため、木質積層マットは、各搬送板間で一枚毎に分離しなければならない。
従来は、搬送板に載せられて搬送されてくる木質積層マットを分離するのに、図3(b)のように、単に前後の搬送板に速度差を与えるだけで搬送板間を分離していた。そのため、木質チップが相互に引っ張られて、木質積層マットの上部が大きく崩れていた。これを回避しようとすれば、搬送板間に刃物を当てて、切断することも考えられるが、木質積層マット化された木質チップには結合剤が付着しているものの木質チップ同士が接着しているわけではないので、切断の際に力がかかるから、木質チップが散乱しないようにするのは難しい。
特許文献3や特許文献4によれば、分離の際に木質積層マットの側面が大きく崩れることはなくなるが、搬送板の前端、後端付近の大きな崩れを抑制することはできず、それを可能とする分離方法が必要とされていた。
特公昭50−17512号公報 特許第2527761号公報 特開2004−262643号公報 特開2005−205857号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、木質積層マットの厚さが厚い場合でも搬送中にその端部を崩すことなく分離でき、木質チップの散乱量を低減しながら圧縮成形装置へと搬送して、強度が高い木質系複合材を得ることができる木質積層マットの分離・搬送方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、隣接する搬送板(コール板)上に連続して積層された木質チップを搬送板間で前後に分離する際、前方の搬送板の送り速度を後方の搬送板の送り速度よりも速くする前に、木質チップ積層体の特定箇所に分離用部材を接触させた後、木質チップ積層体の上面を加圧すれば、木質チップ積層体の端部が大きく崩れることなく分離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、結合剤が混和された細長い木質チップを長さ方向に略揃えて、連続的に供給される搬送板上に積層して、搬送板上に連続した木質積層マットを形成し、その後、搬送板間を前後に分離して、木質積層マットを順次圧縮成形装置へ搬送する、木質積層マットの分離・搬送方法であって、圧縮成形装置の手前で、前方の搬送板(前方板)とそれに連なる搬送板(後方板)の連接部分近傍に分離用部材をそれぞれ接触させ、引き続き、該分離用部材によって木質積層マットの上面を加圧し、次に、前方板の搬送速度を後方板よりも高速にして両者に速度差を生じさせることにより、木質積層マット端部の大きな崩れを抑制しながら木質積層マットを分離することを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、搬送路には、搬送板の外側両サイドの全部又は一部分に一対のサイドガイドを設けておき、木質チップを、上記一対のサイドガイド面内側に連続的に積層することを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、分離用部材が、略長方形の押さえ板であることを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、押さえ板の長さ(搬送方向)が、15〜30cmであることを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、分離用部材が、搬送板同士の連接部分の端部から20mm以上内側を加圧することを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、木質積層マットの厚さが、130mm以上であることを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、後方板と前方板の搬送速度の速度差が、分離後に15cm/sec以上となることを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第1の発明において、木質積層マットの上面が、分離用部材によって0.05〜0.2kg/cmの圧力で加圧されることを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法が提供される。
本発明は、木質積層マットの分離・搬送方法であって、圧縮成形装置の手前で、前方の搬送板(前方板)とそれに連なる搬送板(後方板)の連接部分近傍に分離用部材をそれぞれ接触させ、引き続き、該分離用部材によって木質積層マットの上面を加圧し、次に、前方板の搬送速度を後方板よりも高速にして両者に速度差を生じさせるので、木質積層マット端部の大きな崩れが抑制され、効率的に木質積層マットを分離できる。これにより木質積層マットから高品質の木質系複合材を比較的容易に製造でき、製造コストを低減できる。
以下、本発明の木質積層マットの分離・搬送方法について、図面を用いて、各項目毎に詳細に説明する。
本発明の木質積層マットの分離・搬送方法は、結合剤が混和された細長い木質チップを長さ方向に略揃えて、連続的に供給される搬送板上に積層して、搬送板上に連続した木質積層マットを形成し、その後、搬送板間を前後に分離して、木質積層マットを順次圧縮成形装置へ搬送する、木質積層マットの分離・搬送方法であって、圧縮成形装置の手前で、前方の搬送板(前方板)とそれに連なる搬送板(後方板)の連接部分近傍に分離用部材をそれぞれ接触させ、引き続き、該分離用部材によって木質積層マットの上面を加圧し、次に、前方板の搬送速度を後方板よりも高速にして両者に速度差を生じさせることにより、木質積層マット端部の大きな崩れを抑制しながら木質積層マットを分離することを特徴とするものである。
本発明において、木質積層マットの分離・搬送は、木質チップを積層する搬送板、木質積層マットを搬送板に載せて運ぶコンベアー、搬送板の外側両サイドの全部に設置された一対のサイドガイド、分離用部材で構成されている搬送装置によって行われる。
木質チップ(木質材片)は、木質積層マットの原料の一つであり、本発明においては、木質チップの樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータ、パイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料をも含めることができる。
原料材に利用できる形態としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
上記原料材を木質チップにする加工方法としては、ロータリーカッターによってベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにする方法、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等、適宜状況に応じた方法を用いることができる。
そして、上記のようにして破砕された木質チップは、その厚さが不揃いの場合は、必要に応じて一定範囲の厚さの木質チップに分級されるが、分級方法は、一定範囲の厚さで分級できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、木質チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である。
さらに、木質チップは、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで生産時の木質系複合材の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては、0〜30%である。含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質チップを放置する方法が挙げられる。因みに、50℃のオーブンに24時間放置すると、含水率はほぼ5%程度に保たれる。
木質チップは細長い形状のものである。即ち、樹木の繊維方向が長さ方向と同じ方向とされた木質チップであり、厚さ及び幅は、いずれも1mm以上で上限は特にないが、製造される木質系複合材の厚さの5分の1以下とされることが好ましい。長さは幅又は厚さの大きい方の寸法の5倍以上が好ましく、例えば、最大で70mmとされる。更に、木質積層マットから得られる木質系複合材は、プレス成形後の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
なお、ほぼ長さ方向に揃えるとは、積み重ね後の表面状態を撮像し、細長い木質チップの長軸の長軸方向と基準線の方向とがなす角度を測定し、その平均値を算出して行う。ほぼ一方向に配向した状態とは、この方法により、基準線の方向と木質材辺の長軸方向とがなす角度の平均値が、±30度の範囲内にある状態をいう。
細長い木質チップは、長さ方向に略揃えて、結合剤が混和され連続的に供給される複数枚の搬送板上に積層して、長尺の連続した積層マット状物である木質積層マットとする。
木質材片(チップ)を結合し、木質積層マットとする結合剤としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート(MDI)等、合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独或いは数種類を併用しても良い。また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質チップに噴霧したり、木質チップと撹拌混和して予め木質チップに担持させた状態で配向積層装置に供給され、粉末状の場合は、一般に木質チップと均一に混和した状態で、配向積層装置に供給される。混和装置としては、ドラムブレンダー等が好適に用いられる。
また、結合剤の混和量は、木質チップの密度、形状、表面状態にもよるが、通常は、木質チップの重量に対して、1〜20重量%が好ましい。これ以下だと接着が不十分となり、これ以上だと接着性能的に無駄であるうえ、得られる木質系複合材の外観や釘打ち性能が木質的でなくなる恐れがある。
この搬送工程では、加熱や加圧を行わないので、結合剤が木質チップを強固に固定しておらず、多数の配向された細長い木質チップ同士を、長さ方向、かつ相互に逆方向(左右)に力を加えれば、木質積層マットが薄ければ各々の細長い木質チップ間でズレを生じ、逆方向(左右)の力の中心点付近で左右の細長い木質チップ同士を比較的容易に分離することができる。ところが、木質積層マットの厚さが150mm以上であるような厚いものになると分離しにくい。本発明は、このような厚い木質積層マットの分離に対して好ましく適用される。
木質積層マットの分離は、上記搬送装置において、搬送板、コンベアー、分離用部材の動作を特定の手順で制御することによって行われる。
搬送板は、木質積層マットを載せて搬送板上を移動する長方形の板でありコール板とも呼称されている。ステンレススチール、鉄、アルミニウム等の所定サイズの金属板であり、その上に配向され積層された木質積層マットを搬送移動し、木質積層マットは、搬送板上に載せられ、必要に応じてストックヤードを経由してプレス成形装置のところまで運ばれる。
連続した木質積層マットがその上に形成される搬送路の途上には、木質積層マットに対して前後、左右、上下に振動や圧力がかかる場所があり、木質積層マットの両側面が、移動中に崩れることもある。そのため、図2のように木質積層マットの両側面にサイドガイドを設置することが望ましい。
サイドガイドは、搬送中に木質積層マットの両側面が崩れることを防止する機能を有する。木質積層マットの両側面に接触するサイドガイドの一対の帯状板は、一般的な板であれば特にその材質は限定されない。
一対のサイドガイド板は、それぞれが搬送板の両端面に接して配置されても良く、一対のサイドガイド板の上端部同士を橋架けするように板又は棒等で連結し、前方又は後方から見た形状がトンネル状となるようにして自立可能な形状とされても良い。自立可能な形状とすると、これを搬送板上に載置して、木質積層マットを覆ってその上から木質積層マットの両側面にサイドガイドの一対の板が接触するように被せて使用することができる。いずれの場合でも、移動中に木質積層マットの両側面の崩れが防止できる。
連結されたサイドガイドは、ベルトコンベアーを支持するフレームの側方から支持され、搬送板の移動速度と同調して、同じ方向に同じ速度で移動可能とされていると良い。即ち、木質積層マットを載せた搬送板とサイドガイドとは、搬送板がプレス成形装置の下側加圧盤上に配置された側枠に到達するまでは一体となって移動し、搬送板が側枠の下に挿入されると、側枠に接触して停止するようにされている。又、搬送板の挿入が完全に終了したら、元の配置場所に戻るように移動可能とされていると、次の搬送板をプレス成形装置に移動することが容易になるからである。
サイドガイドの支持方法としては、例えば、サイドガイド支持具を備えたエアシリンダーや油圧シリンダー、あるいはモーター等のサイドガイド駆動装置を搬送板の支持躯体に固定し、サイドガイド支持具にサイドガイドを固定して、搬送板と同調してサイドガイドを動かす方法等が挙げられる。
サイドガイド下端辺や搬送板上面は、使用中に傷が付いたり反ったりして、それぞれ必ずしも直線状態になっているとは限らない。従って、サイドガイドの下端部にゴム等の弾性体を設けて、サイドガイドを移動させる持に、弾性体が変形することで移動をスムースにしたり、搬送板等の表面に傷がつかないようにしても良い。
一対のサイドガイド同士の間隔は、搬送板の進行方向側の間隔が、後側の間隔より1mm〜5mm程度、通常は3mm程度狭くされる場合もある。これは、搬送距離が長すぎて連続したサイドガイドを搬送経路の全長に渡って設けることができない場合等には、サイドガイドを継ぎ足して使用されるが、この時に木質積層マットに接するサイドガイドを次のサイドガイドに入れ替える時に、木質積層マットの両側面が崩れずにスムースに入れ替わることができるようにするためである。
本発明において分離用部材とは、隣接した搬送板上に積層され、搬送されてくる木質積層マットを分離するために使用する部材である。分離用部材は、略長方形の押さえ板であることが好ましい。この押さえ板の長さ(搬送方向)は、チップの大きさや積層量などの条件にもよるが、15cm以上、特に20〜30cmとすることが好ましい。長さが15cmよりも短いと、木質積層マットを押さえる面積が小さくなるので、木質積層マットの端部が崩れやすくなる。
分離用部材の一例として、図4(a)、(b)に支持棒を1本有する押さえ板を示す。支持棒の本数は、1本でもよいが、例えば、その左右にも取り付け3本有する押さえ板としてもよい。押さえ板の支持棒をエアシリンダーや油圧シリンダーと連結し、これをモーターで駆動するように構成することができる。この図には押さえ板が搬送路の上方から降りてくるように設置されているが、これに限らず、押さえ板が搬送路の側面から伸びてくるように設置することもできる。
また、分離用部材の接触位置は、チップの大きさや積層量などの条件にもよるが、搬送板同士の連接部分の端部から20mm以上内側となることが好ましい。搬送板同士の連接部分の端部から20mmよりも外側であると、木質チップが長い場合には分離しにくくなる。実質的に木質積層マットの横幅全体が接触するのが好ましいが、サイドガイドに近すぎるとチップが接触して、傷が生じることがある。
図3(a)に、隣接する2枚の搬送板上に連続して積層された木質チップを搬送板間で前後に分離するときの様子を模式的に示した。本発明では、分離工程において、シーケンス制御が行われ、まず、搬送板が搬送路の分離作業領域にさしかかると、センサーが搬送板を検知して、連接箇所近傍に2つの分離用部材が接近してきて、木質積層マットの上面に接触する。このときは、2つの分離用部材が搬送板の速度と同じ速度でそれぞれ移動している。次に、2つの分離用部材が木質積層マットを加圧しはじめる。その後、後方板よりも前方板の搬送速度のほうを高速にして、両者に速度差が生じるようにする。この速度差によって搬送板の連接箇所近傍に切断力が加わり、木質チップが引き裂かれるが、木質積層マットの端部が大きく崩れることなく分離される。
木質積層マットは、木質チップの大きさや積層量などの条件にもよるが、その上面を0.05〜0.2kg/cmの圧力で加圧することが好ましい。0.05kg/cmよりも小さいと木質積層マットの分離面の崩れが発生し、木質チップの散乱が起り、0.2kg/cmを超えると、分離の抵抗、下部にある搬送装置の負荷が大きくなり好ましくない。
後方板と前方板の搬送速度の速度差は、木質チップの大きさや積層量などの条件にもよるが、15cm/sec以上であり、25〜40cm/secとするとより分離用部材の効果が大きくなり好ましい。速度差が15cm/secよりも小さいと、分離に時間がかかり、また分離に要する距離も伸びるため、装置コストの上昇につながる。速度差が40cm/secよりも大きくなると、分離面が崩れやすくなりデコボコになりやすく、木質チップの散乱量が増えることがあり好ましくない。
こうして分離された木質積層マットは、一枚の搬送板の長さに略等しい長さの木質積層マットとなり、端部が不揃いのまま搬送板によって成形装置に送られる。本発明の分離・搬送方法によって、分離時には木質積層マット端部から木質チップが多量に崩れ落ちることはなくなるが、搬送板上には幾らかの木質チップが散在した状態にある。そのため、加圧盤上に移載した後、木質積層マット周囲のコール板(搬送板)上に散在した木質チップと木質積層マットとが接触して木質積層マットが大きく崩れたり、配向が乱れたりする。
これを回避するには、コール板(搬送板)に載せられその両側面をサイドガイドで保護しながら搬送された木質積層マットの前端部又は後端部の搬送板上に散在している木質チップを除去具で処理する方法(特開2005−280215公報)を適用することが望ましい。
その後、木質積層マットの前端部又は後端部から木質チップが除去された状態で、圧縮成形装置に搬入される。圧縮成形装置は、図1に示した様に、プレス成形装置、成形金型、加圧盤、加熱装置、側枠等を備えており、木質積層マットを圧縮及び加熱して木質系複合材に加工するものである。圧縮成形装置で70℃〜220℃の範囲に加熱した熱板を持つプレス装置によって2分〜7分間の圧縮加熱成形処理を行うことにより、熱圧縮作用及び結合剤による接着作用により木質積層マットの体積が元の体積の80〜30%まで高密度に圧縮成形されて、木質系複合材が得られる。
以下、本発明の実施例、比較例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、木質積層マットを分離するための分離用部材として、長さ(搬送方向)15cm、幅60cm、厚さ2cmの長方形の鉄製押さえ板を準備した。この押さえ板の中心部には、押さえ板に垂直にアルミニウム合金製の押さえ棒(長さ30cm、直径5cm)を取り付け、シリンダーで上下動するように構成した。
これを図1に示す様な搬送板と、木質積層マットから木質系複合材を製造する圧縮成形装置を含む搬送路に設置した。すなわち、分離・搬送板は、搬送板、搬送板を載せて運ぶゴム製コンベアー、搬送路、搬送板の外側両サイドの全部に設置された一対のサイドガイド、分離用部材で構成されている。搬送板の長さ(移動方向)は400cm、幅は70cm、厚さは1cm、材質は鉄製であり、この搬送板5枚を搬送路に装入した。搬送路の側面には、高さ50cm、厚さ1cmのアルミニウム合金(サイドガイド)を取り付けた。
次いで、杉の丸太を割り箸状に切断した平均厚み6mm、平均長さ50mm、平均幅10mmの木質チップを用意した。上記搬送路で、この木質チップ90質量部に結合剤(ポリウレタン系接着剤)10質量部を混和し、細長い木質チップを長さ方向に略揃えて、連続的に供給される5枚の搬送板上に平均130mmの高さに積層して、搬送板上に連続した木質積層マットを形成した。
その後、圧縮成形装置の手前で、前方の搬送板(前方板)とそれに連なる搬送板(後方板)の連接部分の端部から80mm内側に上記の押さえ板をそれぞれ接触させ、引き続き、図3(a)に示すように、押さえ板によって木質積層マットの上面を0.05kgf/cmの圧力で加圧し、次に、後方板の搬送速度1cm/secに対して、前方板の搬送速度を21cm/secにして両者に速度差を生じさせた。容易に木質積層マットを分離することができ、このとき木質積層マット端部の崩れ(木質チップ散在量)を0.4kg程度にとどめることができた。
(比較例1)
押さえ板を含む分離用部材を使用しなかった以外は、実施例1と同様な実験を行った。
図3(b)に示すように、木質積層マット端部に大きな崩れが発生し、分離の際に1.3kgの木質チップが散乱した。
木質積層マットを製造する搬送板と、木質積層マットから木質系複合材を製造する圧縮成形装置(側面)のラインを示す説明図である。 サイドガイドを備えた分離・搬送板の断面を示す説明図である。 (a)本発明の方法により、木質積層マット端部を分離した様子を示す説明図である。(b)従来の方法で、木質積層マット端部を分離した様子を示す説明図である。 (a)本発明に用いられる分離用部材(押さえ板)の側面図である。(b)その分離用部材(押さえ板)の平面図である。
符号の説明
1 分離・搬送板
2 圧縮成形装置
3 計量兼挿入装置
4 プレス成形装置
5 リフト
6 成形金型
7 加圧盤
8 ローラー
9 搬送板
10 ゴム製コンベアー
11 サイドガイド
12 原料供給装置
13 結合剤
14 木質チップ
15 木質積層マット
16 サイドシート
17 押さえ板
18 加圧棒
19 崩落した木質チップ

Claims (8)

  1. 結合剤が混和された細長い木質チップを長さ方向に略揃えて、連続的に供給される搬送板上に積層して、搬送板上に連続した木質積層マットを形成し、その後、搬送板間を前後に分離して、木質積層マットを順次圧縮成形装置へ搬送する、木質積層マットの分離・搬送方法であって、
    圧縮成形装置の手前で、前方の搬送板(前方板)とそれに連なる搬送板(後方板)の連接部分近傍に分離用部材をそれぞれ接近させ、引き続き、該分離用部材によって木質積層マットの上面を加圧し、次に、前方板の搬送速度を後方板よりも高速にして両者に速度差を生じさせることにより、木質積層マット端部の大きな崩れを抑制しながら木質積層マットを分離することを特徴とする木質積層マットの分離・搬送方法。
  2. 搬送路には、搬送板の外側両サイドの全部又は一部分に一対のサイドガイドを設けておき、木質チップを、上記一対のサイドガイド面内側に連続的に積層することを特徴とする請求項1に記載の木質積層マットの分離・搬送方法。
  3. 分離用部材が、略長方形の押さえ板であることを特徴とする請求項1に記載の木質積層マットの分離・搬送方法。
  4. 押さえ板の長さ(搬送方向)が、15〜30cmであることを特徴とする請求項3に記載の木質積層マットの分離・搬送方法。
  5. 分離用部材が、搬送板同士の連接部分の端部から20mm以上内側を加圧することを特徴とする請求項1に記載の木質積層マットの分離・搬送方法。
  6. 木質積層マットの厚さが、130mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の木質積層マットの分離・搬送方法。
  7. 後方板と前方板の搬送速度の速度差が、分離後に15cm/sec以上となることを特徴とする請求項1に記載の木質積層マットの分離・搬送方法。
  8. 木質積層マットの上面が、分離用部材によって0.05〜0.2kg/cmの圧力で加圧されることを特徴とする請求項1に記載の木質積層マットの分離・搬送方法。
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