JP2019147299A - 木質系複合材料の製造方法及び木質ストランドの配向積層装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚さ、幅、長さの異なる木質ストランドを簡易に配向、積層させて木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法及び該木質系複合材料の製造方法に用いられる木質ストランドの配向積層装置を提供する。【解決手段】木質ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程と、前記結合剤を付着させた木質ストランドを、傾斜面上で滑り落として積層する積層体形成工程と、前記積層体を熱圧成形する熱圧成形工程とを有する木質系複合材料の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、厚さ、幅、長さの異なる木質ストランドを簡易に配向、積層させて木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法及び該木質系複合材料の製造方法に用いられる木質ストランドの配向積層装置に関する。
木質材片を、結合剤を用いて結合してなる木質系複合材料の中には、極めて高い機械的強度を有することから、構造材としても使用することができるものが存在する。このような木質系複合材料は、木質材片を、木質材片の繊維方向(異方性材料の高強度方向)と同方向に配向させることにより、その繊維方向の機械的強度を飛躍的に向上させている。
このような木質系複合材料の製造では、まず、木質材片に結合剤を付着した後、この結合剤が付着した木質材片を積層し、積層マットを作製する。得られる木質系複合材料が高い機械的強度を発現するためには、積層マットにおいて木質材片がその繊維方向に充分に配向していることが極めて重要である。
このような木質系複合材料の製造では、まず、木質材片に結合剤を付着した後、この結合剤が付着した木質材片を積層し、積層マットを作製する。得られる木質系複合材料が高い機械的強度を発現するためには、積層マットにおいて木質材片がその繊維方向に充分に配向していることが極めて重要である。
木質材片の配向積層装置としては、結合剤が付着した木質材片を自然落下させ、配向板の間を通過させて配向させる原理を利用した種々の装置が考案されている。例えば、特許文献1〜3には、同軸上で複数枚の円盤を、一定間隔をおいて配置し、円盤を回転させながらその円盤同士の間に結合剤が付着した木質材片を通過させることによって木質材片を配向させる装置が開示されている。
木質材片のなかでも、原木から切削機によって切削する等によって得られた木質ストランドからは、軽量で機械的強度の高い木質系複合材料が得られる。このような木質ストランドは、厚さのばらつきは小さいものの、幅や長さのばらつきが大きく、従来の木質チップの配向に用いていた配向積層装置にそのまま供すると、1軸方向に充分に配向させることができないという問題があった。また、例えば、特許文献1〜3のような複数枚の円盤を回転させる配向積層装置は、構造が複雑になるとともに円盤を通過する際に不要な力を受けて木質ストランドが不必要に細分化されることがあるという問題もあった。
本発明は、厚さ、幅、長さの異なる木質ストランドを簡易に配向、積層させて木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法及び該木質系複合材料の製造方法に用いられる木質ストランドの配向積層装置を提供することを目的とする。
本発明は、木質ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程と、前記結合剤を付着させた木質ストランドを、傾斜面上で滑り落として積層する積層体形成工程と、前記積層体を熱圧成形する熱圧成形工程とを有する木質系複合材料の製造方法である。また、本発明は、該木質系複合材料の製造方法に用いられる木質ストランドの配向積層装置である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、木質ストランドを傾斜させた板から滑り落とすことで厚さ、幅、長さの異なる木質ストランドを簡易に配向、積層させて木質系複合材料を得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書において上記「木質ストランド」とは、木材を細かく削って得た、薄く細長い木片を意味する。
なお、本明細書において上記「木質ストランド」とは、木材を細かく削って得た、薄く細長い木片を意味する。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、まず、木質ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程を行う。
上記木質ストランドとなる原料材の樹種としては、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、パイン、ファー等の針葉樹や、ラワン、ポプラ、アスペン、ファルカタ等の広葉樹が挙げられる。また、これらの森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャン等の森林以外で生産される植物材料も用いることができる。これらの樹種は単独であってもよいし、二種以上を併用してもよい。
原料材に利用できる形態としては、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の原木や、工場や住宅建築現場で発生する端材や、部材輸送後に廃棄される廃パレット材や、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
なかでも、特に軽量で高強度の木質系複合材料が得られることから、密度0.5g/cm3以下の樹種が好適であり、密度0.4g/cm3以下のもの、例えば、スギ、アスペン、ファルカタ等がより好適である。
上記木質ストランドとなる原料材の樹種としては、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、パイン、ファー等の針葉樹や、ラワン、ポプラ、アスペン、ファルカタ等の広葉樹が挙げられる。また、これらの森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャン等の森林以外で生産される植物材料も用いることができる。これらの樹種は単独であってもよいし、二種以上を併用してもよい。
原料材に利用できる形態としては、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の原木や、工場や住宅建築現場で発生する端材や、部材輸送後に廃棄される廃パレット材や、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
なかでも、特に軽量で高強度の木質系複合材料が得られることから、密度0.5g/cm3以下の樹種が好適であり、密度0.4g/cm3以下のもの、例えば、スギ、アスペン、ファルカタ等がより好適である。
上記原料材を木質ストランドにする加工方法としては、例えば、スライサーでベニア加工したものをロータリーカッターによって短冊状にする方法や、フレーカーの回転刃によって丸太を切削して木質ストランドにする方法等が挙げられる。
上記木質ストランドは、厚さが好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.1〜0.8mmである。また、上記木質ストランドは、繊維方向長さが好ましくは20mm以上、より好ましくは、40〜70mmである。更に、上記木質ストランドは、平均長さ/厚さが好ましくは100〜500、より好ましくは100〜300であり、平均長さ/幅が好ましくは5〜30、より好ましくは10〜20である。厚さ、幅、長さがこの範囲内であれば、厚さ、幅、長さにばらつきがあっても後述する積層体形成工程において木質ストランドを充分に配向させることができ、軽量で機械的強度の高い木質系複合材料を得ることができる。
上記木質ストランドは、含水率が15%以下であることが好ましい。含水率を15%以下、より好ましくは5%以下に調整することにより、生産時の木質系複合材料の品質バラツキを小さくすることができる。
上記木質ストランドの含水率を15%以下に調整する方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質ストランドを放置する方法等が挙げられる。例えば、105℃のオーブン中に24時間放置すると、木質ストランドの含水率はほぼ5%以下になる。
上記木質ストランドの含水率を15%以下に調整する方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質ストランドを放置する方法等が挙げられる。例えば、105℃のオーブン中に24時間放置すると、木質ストランドの含水率はほぼ5%以下になる。
上記結合剤としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の熱硬化型樹脂や熱可塑型樹脂系の接着剤や、天然物成分又は天然物から精製、抽出、変性等によって得られた天然物由来の接着剤等の、合板やパーティクルボード等に用いられる従来公知の木材工業用接着剤が挙げられる。これらの結合剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記天然物由来の接着剤としては、具体的には例えば、ゼラチン、カゼイングルー、大豆グルー、にかわ、アルブミン等のタンパク質系接着剤や、でんぷん、デキストリン、米糊、グルコマンナンなどのデンプン系接着剤や、キチン・キトサン等の動物系接着剤や、セルロース系接着剤、リグニン系接着剤、タンニン系接着剤等が挙げられる。
上記結合剤は、木質ストランドに対し1〜20重量%の範囲で付着させることが好ましい。上記結合剤の付着量が1重量%未満であると、接着が不充分となり、20重量%を超えて付着させても材料コストが嵩む割に接着性能が上がらず、かえって釘打ち性能が低下したり、外観が木質的でなくなったりする等の問題が生じる。
上記木質ストランドに結合剤を付着させる方法としては、例えば、上記結合剤が液状である場合には、上記木質ストランドに噴霧する方法や、上記木質ストランドと撹拌混合して予め木質ストランドに担持させた状態でフォーミング機に供給する方法等が挙げられる。また、上記結合剤が粉末状である場合には、上記木質ストランドと攪拌混合して予め木質ストランドに担持させた状態でフォーミング機に供給する方法等が挙げられる。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、結合剤付着工程に先立って、木質ストランドに加熱により硬化するフラン系化合物を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る薬剤処理工程を行ってもよい。
上記薬剤処理工程を行うことで木質ストランド同士の接着をより強固なものとすることができる。上記フラン系化合物としては、例えば、例えば、2,3−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−5−メチルフラン、フルフリルアルコール、1−(2−フリル)エタノール、2−アミノ−1−(2−フリル)エタノール等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、下記一般式(1)で表されるフラン系化合物が好ましく、フルフリルアルコールであることがより好ましい。なお、一般式(1)で表されるフラン系化合物は下記一般式(2)で表される樹脂の繰り返し単位を構成するものである。
上記薬剤処理工程を行うことで木質ストランド同士の接着をより強固なものとすることができる。上記フラン系化合物としては、例えば、例えば、2,3−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−5−メチルフラン、フルフリルアルコール、1−(2−フリル)エタノール、2−アミノ−1−(2−フリル)エタノール等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、下記一般式(1)で表されるフラン系化合物が好ましく、フルフリルアルコールであることがより好ましい。なお、一般式(1)で表されるフラン系化合物は下記一般式(2)で表される樹脂の繰り返し単位を構成するものである。
式(1)におけるR1およびR2は各々独立に、水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の有機基を示す。R1とR2とは連結して環構造を形成していてもよい。
式(2)におけるR1およびR2は各々独立に、水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の有機基を示す。R1とR2とは連結して環構造を形成していてもよい。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、次いで、上記結合剤を付着させた木質ストランドを、傾斜面上で滑り落とすことにより長さ方向に略平行に配向させて積層する積層体形成工程を行う。
木質ストランドを上方から傾斜面に落下させ傾斜面上を滑らせながら下方へ輸送することで木質ストランドを略平行に配向させることができる。略平行に配向した木質ストランドは、傾斜面下部より落下し、積層されて積層体となる。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、傾斜面から滑り落とすだけで木質ストランドを配向積層できる。そのため、従来の複数の回転する円盤の間を通す方法と比べて格段に簡易に木質ストランドを配向積層することができる。また、木質ストランドに不要な力がかからないため木質ストランドが不必要に細分化することもない。
なお、本明細書において、上記「略平行」とは、ある木質ストランドの長さ方向(長手方向)と別の木質ストランドの長さ方向との角度が24°以内である木質ストランドが、積層体の全体の8割以上を占めている状態のことを意味し、略平行に揃うことを「配向する」ともいう。
木質ストランドを上方から傾斜面に落下させ傾斜面上を滑らせながら下方へ輸送することで木質ストランドを略平行に配向させることができる。略平行に配向した木質ストランドは、傾斜面下部より落下し、積層されて積層体となる。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、傾斜面から滑り落とすだけで木質ストランドを配向積層できる。そのため、従来の複数の回転する円盤の間を通す方法と比べて格段に簡易に木質ストランドを配向積層することができる。また、木質ストランドに不要な力がかからないため木質ストランドが不必要に細分化することもない。
なお、本明細書において、上記「略平行」とは、ある木質ストランドの長さ方向(長手方向)と別の木質ストランドの長さ方向との角度が24°以内である木質ストランドが、積層体の全体の8割以上を占めている状態のことを意味し、略平行に揃うことを「配向する」ともいう。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、次いで、上記積層体を熱圧成形する熱圧成形工程を行う。
上記積層体を、加熱圧縮することにより、木質系複合材料を製造することができる。当該木質系複合材料は板状のマットの形状であり、以下積層マットと称す。本発明の木質系複合材料の製造方法を用いれば、原木から切削機によって切削して得られた木質ストランドを簡易かつ充分に配向させることができるため、軽量で機械的強度の高い木質系複合材料を低コストで得ることができる。なお、本発明において、積層とは、複数の木質ストランドを不連続に積み重ねた状態の層構造、又は、一続きの連続したシート状の木質ストランドを積層させた層構造の両方を意図する。
上記積層体を、加熱圧縮することにより、木質系複合材料を製造することができる。当該木質系複合材料は板状のマットの形状であり、以下積層マットと称す。本発明の木質系複合材料の製造方法を用いれば、原木から切削機によって切削して得られた木質ストランドを簡易かつ充分に配向させることができるため、軽量で機械的強度の高い木質系複合材料を低コストで得ることができる。なお、本発明において、積層とは、複数の木質ストランドを不連続に積み重ねた状態の層構造、又は、一続きの連続したシート状の木質ストランドを積層させた層構造の両方を意図する。
このような本発明の木質系複合材料の製造に用いられる、木質ストランドを供給する供給部と、上記供給部から供給された木質ストランドが滑り落ちる傾斜面を備える配向部と、上記配向部にて配向した木質ストランドを積層して搬送する搬送部とを有する木質ストランドの配向積層装置もまた、本発明の1つである。
本発明の木質ストランドの配向積層装置は、木質ストランドを供給する供給部を有する。
上記供給部は木質ストランドを散布することによって配向部全体に木質ストランドを供給する役割を果たすものが好ましい。木質ストランドを散布することにより、木質ストランドを上記配向部全体に分散させることができる。
上記供給部は木質ストランドを散布することによって配向部全体に木質ストランドを供給する役割を果たすものが好ましい。木質ストランドを散布することにより、木質ストランドを上記配向部全体に分散させることができる。
木質ストランドを散布する方法としては、例えば、複数の突起を有するロール体により一定量の木質ストランドを掻き飛ばす方法、風力を利用して木質ストランドを吹き飛ばす方法等が挙げられる。
本発明の木質ストランドの配向積層装置は、上記供給部から供給された木質ストランドが滑り落ちる傾斜面を備える配向部を有する。
上記配向部は、供給部から供給された木質ストランドを搬送部まで輸送しながら木質ストランドを略平行に揃える役割を果たす。上記配向部は、木質ストランドが滑り落ちることにより該木質ストランドを長さ方向に略平行に配向させる傾斜面を有する。傾斜面を有する構造体としては、板状の傾斜板が好ましいが、その他、傾斜面を有する三角柱等の構造体でもよい(以下、板状の傾斜板や傾斜面を有する三角柱等の構造体も含めて単に傾斜板という)。上記供給部から供給された木質ストランドは、傾斜板を滑り落ちることで長さ方向に略平行に配向する。上記傾斜板は上部が供給部の終端部の下となるように配置されていることが好ましい。
上記配向部は、供給部から供給された木質ストランドを搬送部まで輸送しながら木質ストランドを略平行に揃える役割を果たす。上記配向部は、木質ストランドが滑り落ちることにより該木質ストランドを長さ方向に略平行に配向させる傾斜面を有する。傾斜面を有する構造体としては、板状の傾斜板が好ましいが、その他、傾斜面を有する三角柱等の構造体でもよい(以下、板状の傾斜板や傾斜面を有する三角柱等の構造体も含めて単に傾斜板という)。上記供給部から供給された木質ストランドは、傾斜板を滑り落ちることで長さ方向に略平行に配向する。上記傾斜板は上部が供給部の終端部の下となるように配置されていることが好ましい。
上記配向部は上記傾斜板に加えて飛散防止板を有していることが好ましい。上記配向部が飛散防止板を有することによって、滑り落ちた木質ストランドが勢いよく飛び出すことによる配向の乱れを防止できる。また、飛散防止板があることによって、木質ストランドは傾斜板と飛散防止板の間の開口部から後述する搬送部の真下へ落下することになるため、木質ストランドをより確実に配向積層させることができる。上記飛散防止板は上記傾斜板に対してV字となるように配置されていることが好ましい。
上記傾斜板は、傾斜している辺の長さが80cm以上であればよく、100cm以上であることが更に好ましい。また、上限値は200cm以下であればよく、150cmであることが更に好ましい。上記傾斜板の傾斜している辺の長さが上記範囲であることで、木質ストランドをより確実に略平行とすることができる。
上記傾斜板は、水平面に対する角度が30°以上であればよく、35°以上であることが更に好ましい。また、傾斜板は、水平面に対する角度が60°以下であればよく、55°以下であることが更に好ましい。上記傾斜板の傾斜している辺の長さに加えて、傾斜板の角度が上記範囲であることによって、より確実に木質ストランドを略平行とすることができる。
上記飛散防止板は、傾斜している辺の長さが15cm以上であればよく、30cmであることが更に好ましい。上記傾斜板の傾斜している辺の長さが上記範囲であることで、木質ストランドをより確実に略平行とすることができるとともに、木質ストランドが飛び出してしまうことをより防止できる。
上記傾斜板の最下部と上記飛散防止板の最下部からなる開口部は木質ストランドの長さより大きいことが好ましい。上記開口部の幅が木質ストランドの長さよりも大きいことで、木質ストランドの詰まりを防止することができる。
本発明の木質ストランドの配向積層装置は、上記配向部にて配向した木質ストランドを積層して搬送する搬送部を有する。
木質ストランドは上記配向部によって略平行に揃えられているため、上記搬送部上に配向した状態で積層され、搬送される。上記搬送部の搬送手段としては、例えば、ベルトコンベアやコンベア上に設置したコール板等が挙げられる。
木質ストランドは上記配向部によって略平行に揃えられているため、上記搬送部上に配向した状態で積層され、搬送される。上記搬送部の搬送手段としては、例えば、ベルトコンベアやコンベア上に設置したコール板等が挙げられる。
上記搬送部は、配向部に対して一定速度で前後に往復移動することで、配向部から落下してきた木質ストランドを積層マットの形状に成形するものが好ましい。また、その際上記搬送部は、配向積層した木質ストランドと配向部の下端が干渉することを防ぐために、搬送部の前端又は後端まで到達すると、木質ストランドの配向が乱れない距離まで下方向に移動し、積層した木質ストランドと配向部下端との距離を一定に保つことが好ましい。上記積層した木質ストランドと配向部下端との距離としては60mm以上100mm以下であることが好ましい。上記範囲の距離を保つことで積層した木質ストランドと配向部下端との干渉をより確実に防ぐことができるとともに、より確実に木質ストランドを配向積層させることができる。
本発明によれば、厚さ、幅、長さの異なる木質ストランドを簡易に配向、積層させて木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法及び該木質系複合材料の製造方法に用いられる木質ストランドの配向積層装置を提供することができる。
以下に図面を用いて本発明の木質ストランドの配向積層装置を更に詳しく説明するが、本発明は、これら図面に示した実施形態のみに限定されない。
図1は、本発明の木質ストランドの配向積層装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1の木質ストランドの配向積層装置の側面図である。
図1及び図2に示したように、本発明の木質ストランドの配向積層装置は、供給部1と、配向部2と、搬送部3とを有し、供給部1から配向部2へと供給された木質ストランド4は、搬送部3へ配向した状態で落下し、搬送部3が配向部2に対して前後に反復移動することで積層体5が形成される。
図1及び図2に示したように、本発明の木質ストランドの配向積層装置は、供給部1と、配向部2と、搬送部3とを有し、供給部1から配向部2へと供給された木質ストランド4は、搬送部3へ配向した状態で落下し、搬送部3が配向部2に対して前後に反復移動することで積層体5が形成される。
供給部1は、上記薬剤処理工程及び上記結合体付着工程を経た木質ストランドを配向部に供給する部位であり、図1、2では供給装置の例として複数の突起を有するロール体により木質ストランドを掻き飛ばす方法を用いている。供給部1は、複数の突起を有する2つのロール体からなり、複数の突起を有する2つのロール体が高速回転することによって、木質ストランド4が掻き飛ばされ、供給部1から配向部2に木質ストランド4が分散して供給される。
配向部2は、供給部1の終端部の下に配置されており、傾斜板21と傾斜板21に対してV字となるように配置された飛散防止板22を有する。供給部1より供給された木質ストランド4は、傾斜板21を滑り落ちながら配向し、傾斜板21の下部と飛散防止板22の下部との開口部から落下して、搬送部3上に配向積層される。また、供給部1から勢いよく飛び出してしまった木質ストランドや傾斜板21を勢いよく滑り落ちてしまった木質ストランドは、飛散防止板22によって止められ、飛散防止板22を滑り落ちて搬送部3上に配向積層される。この際、傾斜板21の水平面に対する角度が30°以上、60°以下であるとより確実に木質ストランドを略平行に配向させることができる。また、傾斜板21の下部と飛散防止板22の下部との開口部が木質ストランドの長さよりも大きくなっていると、木質ストランド4の詰まりを防ぐことができる。
搬送部3は、配向部2を配向しながら滑り落ちた木質ストランドを積層して積層体5を形成する。搬送部3は、図1、2に示すように搬送部3の前端から後端までの間を往復移動するようになっており、この運動よって配向部2から落下した木質ストランドを積層マットの形状に成形している。また、搬送部3は、配向部の下端と積層体が干渉することを防ぐために、前端又は後端まで移動した際、配向部2に対して下方向へ移動して積層体と配向部の下端との距離を60mm以上100mm以下の範囲で一定に保つようになっている。なお、図1及び図2では、搬送部4における搬送手段をベルトコンベアとしている。
本発明によれば、厚さ、幅、長さの異なる木質ストランドを簡易に配向、積層させて木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法及び該木質系複合材料の製造方法に用いられる木質ストランドの配向積層装置を提供することができる。
1 供給部
2 配向部
21傾斜板
22飛散防止板
3 搬送部
4 木質ストランド
5 積層体
2 配向部
21傾斜板
22飛散防止板
3 搬送部
4 木質ストランド
5 積層体
Claims (2)
- 木質ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程と、
前記結合剤を付着させた木質ストランドを、傾斜面上で滑り落として積層する積層体形成工程と、
前記積層体を熱圧成形する熱圧成形工程とを有する
ことを特徴とする木質系複合材料の製造方法。 - 木質ストランドを供給する供給部と、前記供給部から供給された木質ストランドが滑り落ちる傾斜面を備える配向部と、前記配向部にて配向した木質ストランドを積層して搬送する搬送部とを有する木質ストランドの配向積層装置。
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