JP2009205904A - 冷陰極型電界放出電子銃及びそれを用いた電子線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子線の放出電流量を安定化するために、第1引出し電極に印加する電圧を制御しても、電子線の軌道の変動を抑えることができる電子線装置を提供する。
【解決手段】電子線装置は冷陰極型電界放出電子銃を有する。冷陰極型電界放出電子銃は、冷陰極と第1引出し電極と第2引出し電極とを有する。冷陰極と第1引出し電極の間の距離を、第1引出し電極と第2引出し電極の間の距離と比較して短く設定する。冷陰極から放出される電子線の電流量が減衰したとき、第1引出し電極に印加する電圧を増加する。
【選択図】図1
【解決手段】電子線装置は冷陰極型電界放出電子銃を有する。冷陰極型電界放出電子銃は、冷陰極と第1引出し電極と第2引出し電極とを有する。冷陰極と第1引出し電極の間の距離を、第1引出し電極と第2引出し電極の間の距離と比較して短く設定する。冷陰極から放出される電子線の電流量が減衰したとき、第1引出し電極に印加する電圧を増加する。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷陰極型電界放出電子銃及びそれを用いた電子線装置に関する。
冷陰極型電界放出(CFE)電子銃は高輝度電子銃として透過電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)等の電子線装置に広く使用されている。CFE電子銃は、典型的には、冷陰極、第1引出し電極、第2引出し電極、及び、加速管を有する。第1引出し電極によって冷陰極に強電界を印加すると、冷陰極から電子線が放出する。放出した電子線は、第1引出し電極と第2引出し電極の間に生成される静電レンズによって収束され、加速管によって必要とするエネルギーまで加速される。
冷陰極電子銃は、動作時間と共に電子線の放出量が減衰するという性質を有する。電子線の放出量を安定化するには、第1引出し電極に印加する電圧を増加させるように制御する必要がある。
しかしながら、第1引出し電極に印加する電圧を変化させると、電子線の軌道が変化する。例えば、電子線の収束位置が大きく変化する。そのため、第2引出し電圧及び後段のコンデンサーレンズの励磁を変化させる必要がある。
このように、第1引出し電極に印加する電圧を変化させると、CFE電子銃の光学系の動作条件を制御する必要があり操作が複雑化する。また、第1引出し電極に印加する電圧を変化させると、光学系の軸ずれなどの影響で電子線の照射位置やサイズが変化する場合がある。そのため、冷陰極CFEの安定性と操作性が低下する。
この特性は仮想焦点を形成する場合においても同様である。すなわち第1引出し電極と第2引出し電極の間に生成される静電レンズ作用を小さくして実焦点をつくらず、陰極より高い位置に見かけ上の焦点を作る場合である。
本発明の目的は、電子線の放出電流量を安定化するために、第1引出し電極に印加する電圧を制御しても、電子線の軌道の変動を抑えることができる電子線装置を提供することにある。
本発明による電子線装置は、冷陰極型電界放出電子銃と、該冷陰極型電界放出電子銃からの電子線を収束するコンデンサーレンズと、該コンデンサーレンズからの電子線を試料上に収束させる対物レンズと、を有する。冷陰極型電界放出電子銃は、冷陰極と、中心に孔を有する第1引出し電極と、中心に孔を有する第2引出し電極と、加速管を有する。
本発明によると、冷陰極と第1引出し電極の間の距離を、第1引出し電極と第2引出し電極の間の距離と比較して短く設定する。冷陰極から放出される電子線の電流量が減衰したとき、第1引出し電極に印加する電圧を増加する。
本発明によると、電子線の放出電流量を安定化するために、第1引出し電極に印加する電圧を制御しても、電子線の軌道の変動を抑えることができる。
図1を参照して本発明の電子線装置の例を説明する。本例の電子線装置は、冷陰極型電界放出(CFE)電子銃、コンデンサーレンズ5、及び、ポールピース6を有する。冷陰極型電界放出電子銃は、冷陰極1、第1引出し電極2、第2引出し電極3、及び、加速管4を有する。冷陰極1は尖った先端を有する。第1引出し電極2は、内径D1の孔を有し、第2引出し電極3は、内径D2の孔を有する。ポールピース6によって生成される磁場は対物レンズを構成する。
冷陰極1には、加速電圧電源8から加速電圧V0が印加される。冷陰極1と第1引出し電極2の間には、第1引出し電極電源9から第1引出し電圧V1が印加され、冷陰極1と第2引出し電極3の間には、第2引出し電極電源10から第2引出し電圧V2が印加される。加速管4には、加速電圧電源8からの加速電圧が印加される。第1引出し電極2に印加する第1引出し電圧V1、及び、第2引出し電極3に印加する第2引出し電圧V2は、可変である。
冷陰極1に第1引き出し電圧V1を印加することによって、冷陰極1から電子線が放出される。電子線は、第1引出し電極2と第2引出し電極3の間に生成される静電レンズによって収束される。収束された電子線は、加速管4によって、最終的に200kV程度のエネルギーまで加速される。この電子線は、コンデンサーレンズ5によって収束され、ポールピース6によって生成される対物レンズによって収束され、試料7上に焦点を結ぶ。
このとき、加速された電子線の見かけ上の光源の位置、即ち、仮想焦点11は、冷陰極1の上部に配置される。この仮想焦点11の位置は、第1引出し電極2と第2引出し電極3によって生成される静電レンズの収束作用による影響を受ける。
冷陰極型電子銃では、冷陰極1から放出される電子線の電流量が経時変化する。即ち、電子線の電流量は時間と共に減衰する。従って、電子線の電流量を一定に保持するために、第1引出し電圧V1を増加させる必要がある。第1引出し電圧V1を増加させると、静電レンズの収束作用が変化し、仮想焦点11の位置が変化する。従来のCFE電子銃では、仮想焦点の位置の変化を抑えるため、第1引出し電圧V1を増加させると同時に、第2引出し電圧V2を、第1引出し電圧V1に対応して変化させる必要があった。更に、コンデンサーレンズ5の励磁を変化させる必要があり、制御が煩雑であった。
本例のCFE電子銃では、冷陰極1と第1引出し電極2の間の距離L1を比較的小さくする。更に、第1引出し電極2と第2引出し電極3の間の距離L2を比較的大きくする。従って、冷陰極1と第1引出し電極2の間の距離L1に対する第1引出し電極2と第2引出し電極3の間の距離L2の比が大きくなる。例えば、距離L1に対する距離L2の比を、1から5にする。好ましくは2から5にする。それによって、第1引出し電圧V1を増加させても、仮想焦点11の位置が殆ど変化しない。
先ず、冷陰極1と第1引出し電極2の間の距離L1を比較的小さくする意味を説明する。CFE電子銃からの電子線の電流量は、冷陰極の先端近傍の電界強度に依存する。この電界強度は、冷陰極の先端の曲率半径と第1引出し電圧によって大きく変化する。しかしながら、冷陰極と第1引出し電極の距離を変化させても、冷陰極の先端近傍の電界強度の変化は小さい。即ち、冷陰極と第1引出し電極の距離を変化させても、CFE電子銃からの電子線の電流量は大きく変化しない。
そこで本例のCFE電子銃では、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を小さくし、更に、仮想焦点の位置が冷陰極より高い位置に形成されるように第2引出し電圧を制御する。それによって、第1引出し電圧を変化させても、仮想焦点の位置が殆ど変動しない。これについては後に詳細に説明する。
次に、第1引出し電極2と第2引出し電極3の間の距離L2を比較的大きくする意味を説明する。第1引出し電極と第2引出し電極によって生成される静電レンズの収束作用は、2つの引出し電極の間の距離L2によって変化する。2つの引出し電極の間の距離L2を大きくすると、静電レンズの収束作用が低下して静電レンズの倍率が低下する。しかしながら、静電レンズの収束作用が低下すると、第1引出し電圧を変化させても、仮想焦点の位置が殆ど変動しない。従って電子線の開き角が許容範囲内にあるように、第1引出し電極と第2引出し電極間の距離L2を大きくする。それによって、第1引出し電圧を変化させても、電子銃の安定性を確保することができる。
本例のCFE電子銃では、第2引出し電極の孔径を比較的大きくする。それによって、2つの引出し電極の間の距離L2を比較的大きくする場合と同様な効果が得られる。即ち、2つの引出し電極の間に生成される静電レンズの収束作用は低減する。従って、静電レンズの倍率が低下する。しかしながら、第1引出し電圧を変化させても、仮想焦点の位置は殆ど変化しない。
本発明によると、冷陰極1と第1引出し電極2の間の距離L1を比較的小さくする構成によって所望の効果が得られるが、更に、第1引出し電極2と第2引出し電極3の間の距離L2を比較的大きくする構成を組合せてよい。更に、冷陰極1と第1引出し電極2の間の距離L1を比較的小さくする構成と、第2引出し電極の孔径を比較的大きくする構成を組合せてもよく、又は、これらの3つの構成を組合せてもよい。
本例のCFE電子銃では、第1引出し電圧V1を増加させるとき、第2引出し電圧V2は一定でもよい。しかしながら、第2引出し電圧を、第1引出し電圧と共に増加させてもよい。例えば、第1引出し電圧に対する第2引出し電圧の比が一定になるように、第2引出し電圧を制御してもよい。
本発明のCFE電子銃では、2つの引出し電極によって生成される静電レンズの収束作用が抑制される。そのため、本発明のCFE電子銃では、従来のCFE電子銃と比較して球面収差係数および色収差係数が低いという特徴を有する。本発明のCFE電子銃では、物点換算の球面収差係数と色収差係数は、従来のCFE電子銃と比較してそれぞれ1/2と2/3程度に改善される。
本発明のCFE電子銃では、後段のコンデンサーレンズの励磁を変化させることなく電子線の電流量を制御することができる。従って、電子銃の安定性と操作性の向上を実現することが可能となる。
本発明によると、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を小さくし、第1引出し電極2と第2引出し電極3の間の距離L2を比較的大きくする。そのために、冷陰極と第2引出し電極3の位置を変化させずに、第1引出し電極の位置のみを変化させてもよい。しかしながら、冷陰極1と第1引出し電極2と第2引出し電極3の少なくとも1つの位置を変化させてもよい。
図2は、冷陰極型電子銃の放出電流の経時変化の一例を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は冷陰極から放出される電子線の電流量(μA)である。冷陰極型電子銃は、冷陰極の周辺のガス分子の影響によって電子線の放出量が時間の経過と共に減衰するという性質を有する。電子線放出量の減衰の速度は冷陰極周辺のガス分子量に依存する。従って、冷陰極型電子銃では、放出電流を一定に保持するために、第1引出し電極の電圧を調整する必要がある。
図3は、第1引出し電圧と冷陰極から放出される電子線の電流量の関係の一例を示すグラフであり、横軸は第1引出し電圧(kV)、縦軸は冷陰極から放出される電子線の電流量(μA)である。冷陰極電子銃では、第1引出し電圧を2.5kVから3.5kVの範囲で増加させると、電子線の電流量が増加する。
図4は、従来のCFE電子銃の第1引出し電圧と仮想焦点の位置の関係の一例を示すグラフであり、横軸は第1引出し電圧(kV)、縦軸は焦点の位置(mm)である。焦点の位置は、コンデンサーレンズ5の上側レンズの中央を原点とし、原点から仮想焦点11までの距離である。冷陰極の上方に仮想焦点が配置されている場合に焦点距離を正とし、冷陰極の下方に実焦点が配置されている場合に焦点距離を負とする。冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1は11mm、2つの引出し電極の間の距離L2は17mmである。第2引出し電極3の孔径D2は6mmである。
第1引出し電圧を約2.9kVから3.5kVの範囲で増加させると、仮想焦点の位置が下降することが判る。第1引出し電圧を減少させると、仮想焦点の位置が上昇する。第1引出し電圧を、約2.9kVより下げると、仮想焦点は発散する。第1引出し電圧を、所定の値より下げると、仮想焦点ではなく冷陰極の下方に実焦点を形成する。このように焦点の位置は、第1引出し電圧を変化させると、大きく変動する。
図5は、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を比較的小さくした場合の、第1引出し電圧と仮想焦点の位置の関係を示すグラフであり、横軸は第1引出し電圧(kV)、縦軸は焦点の位置(mm)である。ここでは、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1が4mmの場合、6mmの場合、8mmの場合の3つの場合について、第1引出し電圧と仮想焦点の位置の関係を求めた。即ち、3つの場合のいずれも、距離L1は、従来のCFE電子銃の場合(L1=11mm)より小さい。他の寸法は、従来のCFE電子銃と同一である。即ち、2つの引出し電極の間の距離L2は17mm、第2引出し電極3の孔径D2は6mmである。
冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を比較的小さくすると、仮想焦点の位置の変動量は、図4の従来のCFE電子銃と比較して非常に小さくなる。更に、距離L1を比較的小さくすると、冷陰極型電界放出電子銃の動作領域において、仮想焦点の位置はほぼ一定となる。即ち、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を従来のCFE電子銃の場合より小さくすると、仮想焦点の位置の変動量は小さくなり、且つ、ほぼ一定となることが判る。
3本の曲線を比較すると、即ち、距離L1が4mmの場合、6mmの場合、及び、8mmの場合を比較すると、距離L1が小さいほうが、仮想焦点の位置の変動量は小さいことが判る。引出し電極に電子線が入射することによって、ガス分子は影響を受ける。安定したエミッション特性を得るには、冷陰極と第1引出し電極の間の距離が小さ過ぎるの好ましくない。そこで、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1は4〜8mmが好適である。
この結果から、本発明のCFE電子銃では、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を、従来のCFE電子銃と比較して小さくする。例えば、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を4〜8mmとする。
図6は、2つの引出し電極の間の距離L2を変化させた場合の、第1引出し電圧と仮想焦点の位置の関係を示すグラフであり、横軸は第1引出し電圧(kV)、縦軸は焦点の位置(mm)である。ここでは、2つの引出し電極の間の距離L2が12mmの場合と19mmの場合の2つの場合について、第1引出し電圧と仮想焦点の位置の関係を求めた。即ち、2つの引出し電極の間の距離L2が、従来のCFE電子銃の場合(L2=17mm)より小さい場合と大きい場合である。尚、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1は6mmであり、第2引出し電極3の孔径D2は6mmである。即ち、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を比較的小さくして、2つの引出し電極の間の距離L2を変化させた。
本例では、仮想焦点の位置の変動量は、図4の従来のCFE電子銃と比較して非常に小さい。即ち、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を小さくすると、2つの引出し電極の間の距離L2を大きくしても小さくしても、仮想焦点の位置の変動量は小さくなる。
更に、図6から判ることは、第1引出し電圧を増加させると、仮想焦点の位置が下降する。距離L2が12mmの場合と19mmの場合を比較すると、距離L2が大きいほうが、仮想焦点の位置の変動量は小さい。
図7は、第2引出し電極の孔径D2を変化させた場合の、第1引出し電圧と仮想焦点の位置の関係を示すグラフであり、横軸は第1引出し電圧(kV)、縦軸は焦点の位置(mm)である。ここでは、第2引出し電極の孔径D2が6mmの場合と12mmの場合の2つの場合について、第1引出し電圧と仮想焦点の位置の関係を求めた。即ち、第2引出し電極の孔径D2が、従来のCFE電子銃の場合(D2=6mm)と等しい場合とそれより大きい場合である。尚、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1は6mmであり、2つの引出し電極の間の距離L2は17mmである。即ち、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を比較的小さくして、第2引出し電極の孔径D2を変化させた。
本例では、仮想焦点の位置の変動量は、図4の従来のCFE電子銃と比較して非常に小さい。即ち、冷陰極と第1引出し電極の間の距離L1を小さくし、更に、第2引出し電極の孔径D2を大きくすると、仮想焦点の位置の変動量は小さくなり、且つ、ほぼ一定となる。
この結果から、本発明のCFE電子銃では、第2引出し電極の孔径D2を、従来のCFE電子銃と比較して大きくする。例えば、第2引出し電極の孔径D2を10〜15mmとする。
図8を参照して、本発明のCFE電子銃における電子線の電流量の自動制御の方法の例を説明する。ステップS101にて、冷陰極から放出される電子線の電流量を設定する。ステップS102にて、第1引出し電極に第1引出し電圧V1を印加する。ステップS103にて、冷陰極から放出される電子線の電流量をモニタする。ステップS104にて、電子線の電流量が減衰しているか否かを判定する。電子線の電流量が減衰していると判定した場合には、ステップS105に進む。ステップS105にて、第1引出し電極に第1引出し電圧V1を増加させる。再び、ステップS103に戻る。ステップS104にて、電子線の電流量が減衰していないと判定した場合には、この処理を終わる。
図9は、本発明のCFE電子銃におけると制御画面の例を示す。制御画面900は、電子線の電流量(μA)を設定するためのフィールド901、第1引出し電圧の最大値を設定するためのフィールド902、第1引出し電圧の最小値を設定するためのフィールド903、第2の引出し電圧の設定モードを選択するためのボタン904、比率を設定するためのフィールド905、及び、時間ステップを設定するためのフィールド906を有する。ボタン904は、第1引出し電圧に対する第2引出し電圧の比率を設定するか、又は、第2引出し電圧の値を設定することができる。比率を設定する場合には、フィールド905にて比率を設定することができる。
以上本発明の例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者により容易に理解されよう。
1…冷陰極、2…第1引出し電極、3…第2引出し電極、4…加速管、5…コンデンサーレンズ、6…ポールピース、7…試料、8…加速電源、9…第1引出し電極用電源、10…第2引出し電極用電源、11…電子線の仮想焦点
Claims (12)
- 冷陰極型電界放出電子銃と、該冷陰極型電界放出電子銃からの電子線を収束するコンデンサーレンズと、該コンデンサーレンズからの電子線を試料上に収束させる対物レンズと、を有する電子線装置において、
前記冷陰極型電界放出電子銃は、冷陰極と、中心に孔を有する第1引出し電極と、中心に孔を有する第2引出し電極と、加速管を有し、
前記冷陰極と前記第1引出し電極の間の距離を、前記第1引出し電極と前記第2引出し電極の間の距離と比較して短く設定し、前記冷陰極から放出される電子線の電流量が減衰したとき、前記第1引出し電極に印加する電圧を増加するように構成されている電子線装置。 - 請求項1記載の電子線装置において、前記冷陰極から放出される電子線によって生成される仮想焦点の位置は、前記冷陰極の光軸上にて前記電子線の進行方向とは反対側の位置にあることを特徴とする電子線装置。
- 請求項1記載の電子線装置において、前記冷陰極と前記第1引出し電極の間の距離L1と、前記第1引出し電極と前記第2引出し電極の間の距離L2の比が1から1/5であることを特徴とする電子線装置。
- 請求項1記載の電子線装置において、前記冷陰極と前記第1引出し電極の間の距離L1は4〜8mmであることを特徴とする電子線装置。
- 請求項1記載の電子線装置において、前記第1引出し電極に印加する電圧を増加させるとき、前記第2引出し電極に印加する電圧は一定であることを特徴とする電子線装置。
- 請求項1記載の電子線装置において、前記第1引出し電極に印加する電圧を増加させるとき、前記第2引出し電極に印加する電圧も増加させることを特徴とする電子線装置。
- 請求項1記載の電子線装置において、前記第1引出し電極に印加する電圧を増加させるとき、前記第1引出し電極に印加する電圧に対する前記第2引出し電極に印加する電圧の比が一定となるように、前記第2引出し電極に印加する電圧を増加させることを特徴とする電子線装置。
- 請求項1記載の電子線装置において、前記第2引出し電極の孔の内径は、前記第1引出し電極の孔の内径より大きいことを特徴とする電子線装置。
- 請求項1記載の電子線装置において、前記第2引出し電極の孔の内径は、10〜15mmであることを特徴とする電子線装置。
- 先端が尖った冷陰極と、前記冷陰極の光軸に沿って配置され中心に孔を有する第1引出し電極と、前記冷陰極の光軸に沿って配置され中心に孔を有する第2引出し電極と、前記冷陰極と前記第1引出し電極の間に可変の第1引出し電圧を印加する第1引出し電極電源と、前記冷陰極と前記第2引出し電極の間に可変の第2引出し電圧を印加する第2引出し電極電源と、前記冷陰極に加速電圧を印加する加速電圧電源と、加速管とを有する冷陰極型電界放出電子銃において、
前記冷陰極と前記第1引出し電極の間の距離を、前記第1引出し電極と前記第2引出し電極の間の距離と比較して短く設定し、前記冷陰極から放出される電子線の電流量が減衰したとき、前記第1引出し電圧を増加するように構成されている冷陰極型電界放出電子銃。 - 請求項10記載の冷陰極型電界放出電子銃において、前記冷陰極から放出される電子線によって生成される仮想焦点の位置は、前記冷陰極の光軸上にて、前記電子線の進行方向とは反対側の位置にあることを特徴とする冷陰極型電界放出電子銃。
- 請求項10記載の冷陰極型電界放出電子銃において、前記冷陰極と前記第1引出し電極の間の距離L1と、前記第1引出し電極と前記第2引出し電極の間の距離L2の比が1から1/5であることを特徴とする冷陰極型電界放出電子銃。
Priority Applications (3)
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