JP2009204664A - 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents

表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 Download PDF

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淳一 山下
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Abstract

【課題】信号供給部のコストと占有面積を下げることにより、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることを可能にする。
【解決手段】画素アレイ部30の複数の画素列を単位として信号線33(31−1,31−2,……)を1本ずつ配線し、当該信号線33を通して複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素、例えば2つの画素20o,20eに対して水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給する一方、書き込み走査回路40および電源供給走査回路50による駆動制御の下に、時系列で供給される映像信号の信号電圧Vsigの2つの画素20o,20eへの書き込み駆動を1フィールド/フレーム周期内で時分割にて行うようにして、1本の信号線33を2つの画素20o,20e間で共通に使用する。
【選択図】図11

Description

本発明は、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器に関し、特に電気光学素子を含む画素が行列状(マトリクス状)に配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を有する電子機器に関する。
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子を含む画素(画素回路)が行列状に配置されてなる平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置としては、画素の発光素子として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子、例えば有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。
有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子が10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力であり、また自発光素子であることから、液晶セルを含む画素ごとに当該液晶セルにて光源(バックライト)からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかも液晶表示装置には必須なバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化および薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるために動画表示時の残像が発生しない。
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式を採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線(即ち、画素数)の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
そのため、近年、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素回路内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ))によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレームの期間に亘って発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
ところで、一般的に、有機EL素子のI−V特性(電流−電圧特性)は、時間が経過すると劣化(いわゆる、経時劣化)することが知られている。有機EL素子を電流駆動するトランジスタ(以下、「駆動トランジスタ」と記述する)としてNチャネル型のTFTを用いた画素回路では、駆動トランジスタのソース側に有機EL素子が接続されることになるために、有機EL素子のI−V特性が経時劣化すると、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsが変化し、その結果、有機EL素子の発光輝度も変化する。
このことについてより具体的に説明する。駆動トランジスタのソース電位は、当該駆動トランジスタと有機EL素子の動作点で決まる。そして、有機EL素子のI−V特性が劣化すると、駆動トランジスタと有機EL素子の動作点が変動してしまうために、駆動トランジスタのゲートに同じ電圧を印加したとしても駆動トランジスタのソース電位が変化する。これにより、駆動トランジスタのソース−ゲート間電圧Vgsが変化するために、当該駆動トランジスタに流れる電流値が変化する。その結果、有機EL素子に流れる電流値も変化するために、有機EL素子の発光輝度が変化することになる。
また、ポリシリコンTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性の経時劣化に加えて、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや、駆動トランジスタのチャネルを構成する半導体薄膜の移動度(以下、「駆動トランジスタの移動度」と記述する)μが経時的に変化したり、製造プロセスのばらつきによって閾値電圧Vthや移動度μが画素ごとに異なったりする(個々のトランジスタ特性にばらつきがある)。
駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが画素ごとに異なると、画素ごとに駆動トランジスタに流れる電流値にばらつきが生じるために、駆動トランジスタのゲートに画素間で同じ電圧を印加しても、有機EL素子の発光輝度に画素間でばらつきが生じ、その結果、画面の一様性(ユニフォーミティ)が損なわれる。
そこで、有機EL素子のI−V特性が経時劣化したり、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが経時変化したりしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つようにするために、有機EL素子の特性変動に対する補償機能、さらには駆動トランジスタの閾値電圧Vthの変動に対する補正(以下、「閾値補正」と記述する)や、駆動トランジスタの移動度μの変動に対する補正(以下、「移動度補正」と記述する)の各補正機能を画素回路の各々に持たせる構成を採っている(例えば、特許文献1参照)。
このように、画素回路の各々に、有機EL素子の特性変動に対する補償機能および駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μの変動に対する補正機能を持たせることで、有機EL素子のI−V特性が経時劣化したり、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが経時変化したりしたとしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つことができる。
特開2006−133542号公報
ところで、有機EL素子等の電気光学素子を含む画素が行列状に配置されてなる表示装置では、一般的に、行列状の画素配列に対して画素列ごとに信号線を配線し、当該信号線を通して各画素(サブ画素/サブピクセル)に映像信号を供給する構成が採られる。この場合、信号供給部(ドライバ)は、画素列ごとに配線された信号線に対応した数の出力段を持つ必要がある。
一方、近年、表示装置の高精細化が進められており、それに比例して画素数が増える傾向にある。そして、画素数が増え、それに伴って信号供給部の出力段数が増加すると、その分だけ信号供給部の回路規模が大きくなるために、信号供給部のコストが上昇する。また、信号供給部の回路規模が大きくなると、表示パネル上における信号供給部が占める面積が増大するために、パネルモジュールの面積も増加し、モバイル機器などの電子機器への搭載が制限されることになる。
そこで、本発明は、信号供給部のコストと占有面積を下げることにより、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることを可能にした表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部を備えた表示装置において、前記画素アレイ部の複数の画素列を単位として信号線を配線し、前記複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素に対して前記信号線を通して映像信号を時系列で供給し、前記信号線を通して時系列で供給される前記映像信号の前記複数の画素への書き込み駆動を時分割にて行うことを特徴としている。
上記構成の表示装置および当該表示装置を有する電子機器において、画素アレイ部の複数の画素列を単位として配線された1本の信号線を、複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素間で共通に使用(共通化)することで、単位となる複数の画素の画素数をxとすると、信号線の本数を画素列数(水平方向の画素数)の1/xに、即ちxは2以上であることから1/2以下に削減できる。これにより、画素に映像信号を供給する信号供給部としては、画素列ごとに信号線を配線する場合の出力段数の1/2以下の回路構成のもので良いことになる。これは、信号供給部の回路規模を、画素列ごとに信号線を配線する場合の1/2以下に低減できることを意味する。
本発明によれば、信号供給部の回路規模を1/2以下に低減できることにより、信号供給部のコストと占有面積を下げることができるために、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[参考例]
先ず、本発明の理解を容易にするために、本発明の前提となるアクティブマトリクス型表示装置について参考例として説明する。この参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置は、本願出願人によって特願2006−141836号明細書にて提案された表示装置である。
図1は、参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置の基本的な構成の概略を示すシステム構成図である。ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子(有機電界発光素子)を画素(画素回路)の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
図1に示すように、参考例に係る有機EL表示装置10は、R(赤)G(緑)B(青)を単位として1画素(1ピクセル)を構成するサブ画素/サブピクセル(以下、便宜上単に「画素」と記述する)20が行列状(マトリクス状)に2次元配置されてなる画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置され、各画素20を駆動する駆動部とを有する構成となっている。画素20を駆動する駆動部としては、例えば、書き込み走査回路40、電源供給走査回路50および水平駆動回路60が設けられている。
画素アレイ部30には、m行n列の画素配列に対して、画素行ごとに走査線31−1〜31−mと電源供給線32−1〜32−mとが配線され、画素列ごとに信号線33−1〜33−nが配線されている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成され、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20は、アモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)または低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合には、書き込み走査回路40、電源供給走査回路50および水平駆動回路60についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル(基板)70上に実装することができる。
書き込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ等によって構成され、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書き込みに際して、走査線31−1〜31−mに順次書き込み信号WS1〜WSmを供給することによって画素アレイ部30の各画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ等によって構成され、書き込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電位Vccpと当該第1電位Vccpよりも低い第2電位Viniで切り替わる電源供給線電位DS1〜DSmを電源供給線32−1〜32−mに供給することにより、画素20の発光/非発光の制御を行なう。すなわち、電源供給線32−1〜32−mの電位DS1〜DSmは、画素20の発光/非発光の制御を行なう発光制御信号としての機能を持っている。また、電源供給走査回路50は、画素20の発光駆動の制御を行なう発光駆動走査回路としての機能を持っている。
水平駆動回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)Vsigとオフセット電圧Vofsのいずれか一方を適宜選択し、信号線33−1〜33−nを介して画素アレイ部30の各画素20に対して例えば行単位で書き込む。すなわち、水平駆動回路60は、映像信号の信号電圧Vsigを行(ライン)単位で書き込む線順次書き込みの駆動形態を採る信号供給部である。
ここで、オフセット電圧Vofsは、映像信号の信号電圧Vsigの基準となる基準電圧(例えば、黒レベルに相当する電圧)である。また、第2電位Viniは、オフセット電圧Vofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をVthとするときVofs−Vthよりも低い電位、好ましくはVofs−Vthよりも十分に低い電位に設定される。
(画素回路)
図2は、参考例に係る有機EL表示装置10における画素(画素回路)20の具体的な構成例を示す回路図である。
図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子21を発光素子として有し、当該有機EL素子21に加えて、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23および保持容量24を有する画素構成となっている。
ここで、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いている。ただし、ここでの駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。駆動トランジスタ22は、ソース電極が有機EL素子21のアノード電極に接続され、ドレイン電極が電源供給線32(32−1〜32−m)に接続されている。
書き込みトランジスタ23は、ゲート電極が走査線31(31−1〜31−m)に接続され、一方の電極(ソース電極/ドレイン電極)が信号線33(33−1〜33−n)に接続され、他方の電極(ドレイン電極/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。
保持容量24は、一方の電極が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他方の電極が駆動トランジスタ22のソース電極(有機EL素子21のアノード電極)に接続されている。なお、有機EL素子21のアノード電極と固定電位の間に補助容量を接続して有機EL素子21のEL容量の容量不足分を補う構成を採る場合もある。
上記構成の画素20において、書き込みトランジスタ23は、書き込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加される書き込み信号WSに応答して導通状態となることにより、信号線33を通して水平駆動回路60から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigまたはオフセット電圧Vofsをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書き込まれた信号電圧Vsigまたはオフセット電圧Vofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電位Vccpにあるときに、電源供給線32から電流の供給を受けて、保持容量24に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
(画素構造)
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、画素20は、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23等の画素回路が形成されたガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204が順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。
有機EL素子21は、上記ウインド絶縁膜204の凹部204Aの底部に形成された金属等からなるアノード電極205と、当該アノード電極205上に形成された有機層(電子輸送層、発光層、ホール輸送層/ホール注入層)206と、当該有機層206上に全画素共通に形成された透明導電膜等からなるカソード電極207とから構成されている。
この有機EL素子21において、有機層206は、アノード電極205上にホール輸送層/ホール注入層2061、発光層2062、電子輸送層2063および電子注入層(図示せず)が順次堆積されることによって形成される。そして、図2の駆動トランジスタ22による電流駆動の下に、駆動トランジスタ22からアノード電極205を通して有機層206に電流が流れることで、当該有機層206内の発光層2062において電子と正孔が再結合する際に発光するようになっている。
図3に示すように、画素回路が形成されたガラス基板201上に、絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204を介して有機EL素子21が画素単位で形成された後は、パッシベーション膜208を介して封止基板209が接着剤210によって接合され、当該封止基板209によって有機EL素子21が封止されることにより、表示パネル70が形成される。
(参考例に係る有機EL表示装置の回路動作)
次に、参考例に係る有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に、図5および図6の動作説明図を用いて説明する。なお、図5および図6の動作説明図では、図面の簡略化のために、書き込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。有機EL素子21のEL容量25についても図示している。
図4のタイミング波形図においては、時間軸を共通にして、1H(Hは水平期間)における走査線31(31−1〜31−m)の電位(書き込み信号)WSの変化、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSの変化、信号線33(33−1〜33−n)の電位(Vofs/Vsig)の変化、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を表している。
<発光期間>
図4のタイミングチャートにおいて、時刻t1以前は有機EL素子21が発光状態にある(発光期間)。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが第1電位Vccpにあり、また、書き込みトランジスタ23が非導通状態にある。このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、図5(A)に示すように、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して当該駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
<閾値補正準備期間>
そして、時刻t1になると、線順次走査の新しいフィールドに入り、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが第1電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpから、信号線33のオフセット電圧Vofs−Vthよりも十分に低い第2電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
ここで、有機EL素子21の閾値電圧をVel、共通電源供給線34の電位をVcathとするとき、低電位ViniをVini<Vel+Vcathとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが低電位Viniにほぼ等しくなるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
次に、時刻t2で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、図5(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、水平駆動回路60から信号線33に対してオフセット電圧Vofsが供給されているために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがオフセット電圧Vofsになる。また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、オフセット電圧Vofsよりも十分に低い電位Viniにある。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。ここで、Vofs−Viniが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthよりも大きくないと、後述する閾値補正動作を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthなる電位関係に設定する必要がある。このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgをオフセット電圧Vofsに、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ固定して(確定させて)初期化する動作が閾値補正準備の動作である。
<閾値補正期間>
次に、時刻t3で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束し、当該閾値電圧Vthに相当する電圧が保持容量24に保持される。
ここでは、便宜上、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束したゲート−ソース間電圧Vgsを検出して当該閾値電圧Vthに相当する電圧を保持容量24に保持する期間を閾値補正期間と呼んでいる。なお、この閾値補正期間において、電流が専ら保持容量24側に流れ、有機EL素子21側には流れないようにするために、有機EL素子21がカットオフ状態となるように共通電源供給線34の電位Vcathを設定しておくこととする。
次に、時刻t4で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(A)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になるが、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに等しいために、当該駆動トランジスタ22はカットオフ状態にある。したがって、駆動トランジスタ22にドレイン−ソース間電流Idsは流れない。
<書き込み期間/移動度補正期間>
次に、時刻t5で、図6(B)に示すように、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t6で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書き込みトランジスタ23による信号電圧Vsigの書き込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigとなる。そして、映像信号の信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量24に保持された閾値電圧Vthに相当する電圧と相殺されることによって閾値補正が行われる。閾値補正の原理については後述する。
このとき、有機EL素子21は始め逆バイアス状態にあることによってカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にある。有機EL素子21は逆バイアス状態にあるときは容量性を示す。したがって、映像信号の信号電圧Vsigに応じて電源供給線32から駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)は有機EL素子21のEL容量25に流れ込み、当該EL容量25の充電が開始される。
このEL容量25の充電により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが時間の経過と共に上昇していく。このとき既に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthのばらつきは補正されており、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは当該駆動トランジスタ22の移動度μに依存したものとなる。
ここで、書込みゲイン(映像信号の信号電圧Vsigに対する保持容量24の保持電圧Vgsの比率)が1(理想値)であると仮定すると、駆動トランジスタ22のソース電位VsがVofs−Vth+ΔVの電位まで上昇することで、駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVとなる。
すなわち、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVは、保持容量24に保持された電圧(Vsig−Vofs+Vth)から差し引かれるように、換言すれば、保持容量24の充電電荷を放電するように作用し、負帰還がかけられたことになる。したがって、ソース電位Vsの上昇分ΔVは負帰還の帰還量となる。
このように、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsを当該駆動トランジスタ22のゲート入力に、即ちゲート‐ソース間電圧Vgsに負帰還することにより、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消す、即ち移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正が行われる。
より具体的には、映像信号の信号電圧Vsigが高いほどドレイン−ソース間電流Idsが大きくなるために、負帰還の帰還量(補正量)ΔVの絶対値も大きくなる。したがって、発光輝度レベルに応じた移動度補正が行われる。また、映像信号の信号電圧Vsigを一定とした場合、駆動トランジスタ22の移動度μが大きいほど負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなるために、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことができる。移動度補正の原理については後述する。
<発光期間>
次に、時刻t7で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は信号線33から切り離されてフローティング状態になる。
ここで、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態にあるときは、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間に保持容量24が接続されていることにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変動すると、当該ソース電位Vsの変動に連動して(追従して)駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも変動する。これが保持容量24によるブートストラップ動作である。
駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になり、それと同時に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ始めることにより、有機EL素子21のアノード電位は、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じて上昇する。
有機EL素子21のアノード電位の上昇は、即ち駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇すると、保持容量24のブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも連動して上昇する。
このとき、ブートストラップゲインが1(理想値)であると仮定した場合、ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVで一定に保持される。そして、時刻t8で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigからオフセット電圧Vofsに切り替わる。
(閾値補正の原理)
ここで、駆動トランジスタ22の閾値補正の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
図7に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの特性を示す。
この特性図に示すように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに対する補正を行わないと、閾値電圧VthがVth1のとき、ゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds1になる。
これに対して、閾値電圧VthがVth2(Vth2>Vth1)のとき、同じゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds2(Ids2<Ids)になる。すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが変動すると、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定であってもドレイン−ソース間電流Idsが変動する。
一方、上記構成の画素(画素回路)20では、先述したように、発光時の駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsがVsig−Vofs+Vth−ΔVであるために、これを式(1)に代入すると、ドレイン−ソース間電流Idsは、
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
で表される。
すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しない。その結果、駆動トランジスタ22の製造プロセスのばらつきや経時変化により、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが画素ごとに変動しても、ドレイン−ソース間電流Idsが変動しないために、有機EL素子21の発光輝度を一定に保つことができる。
(移動度補正の原理)
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
画素Aと画素Bで移動度μにばらつきがある状態で、例えば両画素A,Bに同レベルの映像信号の信号電圧Vsigを書き込んだ場合に、何ら移動度μの補正を行わないと、移動度μの大きい画素Aに流れるドレイン−ソース間電流Ids1′と移動度μの小さい画素Bに流れるドレイン−ソース間電流Ids2′との間には大きな差が生じてしまう。このように、移動度μの画素ごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素間で大きな差が生じると、画面のユニフォーミティが損なわれることになる。
ここで、先述した式(1)のトランジスタ特性式から明らかなように、移動度μが大きいとドレイン−ソース間電流Idsが大きくなる。したがって、負帰還における帰還量ΔVは移動度μが大きくなるほど大きくなる。図8に示すように、移動度μの大きな画素Aの帰還量ΔV1は、移動度の小さな画素Vの帰還量ΔV2に比べて大きい。
そこで、移動度補正動作によって駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを映像信号の信号電圧Vsig側に負帰還させることにより、移動度μが大きいほど負帰還が大きくかかることになるために、移動度μの画素ごとのばらつきを抑制することができる。
具体的には、移動度μの大きな画素Aで帰還量ΔV1の補正をかけると、ドレイン−ソース間電流IdsはIds1′からIds1まで大きく下降する。一方、移動度μの小さな画素Bの帰還量ΔV2は小さいために、ドレイン−ソース間電流IdsはIds2′からIds2までの下降となり、それ程大きく下降しない。結果的に、画素Aのドレイン−ソース間電流Ids1と画素Bのドレイン−ソース間電流Ids2とはほぼ等しくなるために、移動度μの画素ごとのばらつきが補正される。
以上をまとめると、移動度μの異なる画素Aと画素Bがあった場合、移動度μの大きい画素Aの帰還量ΔV1は移動度μの小さい画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きくなる。つまり、移動度μが大きい画素ほど帰還量ΔVが大きく、ドレイン−ソース間電流Idsの減少量が大きくなる。
したがって、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを映像信号の信号電圧Vsig側に負帰還させることにより、移動度μの異なる画素のドレイン−ソース間電流Idsの電流値が均一化される。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。
ここで、図2に示した画素(画素回路)20において、閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電位(サンプリング電位)Vsigと駆動トランジスタ22のドレイン・ソース間電流Idsとの関係について図9を用いて説明する。
図9において、(A)は閾値補正および移動度補正を共に行わない場合、(B)は移動度補正を行わず、閾値補正のみを行った場合、(C)は閾値補正および移動度補正を共に行った場合をそれぞれ示している。図9(A)に示すように、閾値補正および移動度補正を共に行わない場合には、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因してドレイン・ソース間電流Idsに画素A,B間で大きな差が生じることになる。
これに対して、閾値補正のみを行った場合は、図9(B)に示すように、当該閾値補正によってドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをある程度低減できるものの、移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差は残る。
そして、閾値補正および移動度補正を共に行うことにより、図9(C)に示すように、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差をほぼ無くすことができるために、どの階調においても有機EL素子21の輝度ばらつきは発生せず、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、図2に示した画素20は、閾値補正および移動度補正の各補正機能に加えて、先述したブートストラップ機能を備えていることで、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、有機EL素子21のI−V特性が経時変化し、これに伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化したとしても、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電位Vgsが一定に維持されるため、有機EL素子21に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子21の発光輝度も一定に保たれるために、有機EL素子21のI−V特性が経時変化しても、それに伴う輝度劣化のない画像表示を実現できる。
以上説明したことから明らかなように、参考例に係る有機EL表示装置10は、サブピクセルとなる画素20が、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の2つのトランジスタを有する画素構成にて、これらトランジスタに加えて数個のトランジスタを有する画素構成の特許文献1記載の有機EL表示装置と同等に、有機EL素子21の特性変動に対する補償機能や、閾値補正および移動度補正の各補正機能を実現できるとともに、画素20の構成素子が少ない分だけ画素サイズを微細化でき、表示装置の高精細化を図ることができる。
《本発明の特徴部分》
本発明は、以上説明した駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の2つのトランジスタを有する画素構成を持つ参考例に係る有機EL表示装置10や、特許文献1記載の有機EL表示装置等のように、さらに多くのトランジスタを有する画素構成を持つ有機EL表示装置に対して適用される。
そして、これら有機EL表示装置において、画素アレイ部30の複数の画素列を単位として信号線33を配線し、当該信号線33を通して複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素20に対して信号供給部である水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給することを特徴としている。
このように、画素アレイ部30の複数の画素列を単位として配線された1本の信号線33を、複数の画素間で共用化(共通化)することにより、単位となる複数の画素の画素数をxとすると、信号線33の本数を画素列数(水平方向の画素数)の1/xに、即ちxは2以上であることから、1/2以下に削減できる。
これにより、水平駆動回路(信号供給部)60としては、画素列ごとに信号線33を配線する場合の出力段数の1/2以下の回路構成のもので良いことになる。これは、水平駆動回路60の回路規模を、画素列ごとに信号線33を配線する場合の1/2以下に低減できることを意味する。その結果、水平駆動回路60のコストと占有面積を下げることができるために、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることが可能になる。
[第1実施形態]
図10は、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置10Aの構成の概略を示すシステム構成図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図10に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置10Aは、画素アレイ部30の複数の画素列、例えば隣り合う2つの画素列を単位として信号線33(31−1,31−2,……)を1本ずつ配線し、当該信号線33を通して2つの画素列に属する同一画素行の2つの画素20に対して水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給するようにしている。
本実施形態に係る有機EL表示装置10Aはさらに、1つの画素行につき電源供給線32を1本ずつ配線し、走査線31を単位となる2つの画素20に対応して2本ずつ配線した構成を採っている。2つの画素列に属する2つの画素20は、奇数画素列に属する画素(以下、「奇数画素」と呼ぶ)20oと偶数画素列に属する画素(以下、「偶数画素」と呼ぶ)20eであるため、2本の走査線31の一方が、奇数画素用の走査線31o(31−1o〜31−mo)となり、他方が偶数画素用の走査線31e(31−1e〜31−me)となる。
ここで、書き込み走査回路40は、2本の走査線31o,31eに対して1/2F(Fは1画面表示期間、即ちフィールド/フレーム)周期で交互に(時分割にて)書き込み信号WSo,WSeを出力する。因みに、先述した参考例では、書き込み走査回路40から1本の走査線31に対して1F周期で書き込み信号WSが出力される。
電源供給走査回路50は、有機EL素子21o,21eの発光期間を制御するための電源供給線32の電位DSの高電位Vccpから低電位Viniへの切り替えと、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正の各動作を行うための低電位Viniから高電位Vccpへの切り替えを1/2F周期で行う。因みに、先述した参考例では、これらの切り替えは1F周期で行われる。
書き込み走査回路40および電源供給走査回路50の上記の各動作により、閾値補正準備、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正の一連の動作が、1F期間内において奇数画素20oと偶数画素20eで交互に(時分割にて)行われることになる。すなわち、書き込み走査回路40と電源供給走査回路50は、1本の信号線33を通して時系列で供給される映像信号の信号電圧Vsigの複数の画素への書き込み駆動を時分割にて行う書き込み駆動部としての機能を持っている。
このように、画素アレイ部30の複数の画素列を単位として信号線33(31−1,31−2,……)を1本ずつ配線し、当該信号線33を通して複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素、例えば2つの画素20o,20eに対して水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給することにより、1本の信号線33を2つの画素20o,20e間で共通化できるために、信号線33を画素列ごとに配線する場合に比べて信号線33の本数を半分に削減できる。
これにより、シグナルドライバである水平駆動回路60としては、画素列ごとに信号線33を配線する場合の出力段数の1/2の回路構成のもので良いことになる。これは、水平駆動回路60の回路規模を、画素列ごとに信号線33を配線する場合の1/2に低減できることを意味する。したがって、水平駆動回路60の回路規模を1/2以下に低減できることにより、水平駆動回路60のコストと占有面積を下げることができるために、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることが可能になる。
なお、本実施形態では、同一画素行の単位となる画素数を2つとしたが、2つに限られるものではない。ここで、単位となる画素数をxとした場合、1つの画素行につき走査線31をx本ずつ配線し、これらx本の走査線31に対して書き込み走査回路40から1/xフィールド周期で時分割にて書き込み信号WSを出力するとともに、電源供給走査回路50による電源供給線32の電位DSの切り替えを1/xフィールド周期で行うようにすればよい。この場合、水平駆動回路60の回路規模を1/xに低減できることになる。
また、本実施形態では、1つの画素行につき電源供給線32を1本ずつ配線し、電源供給線32の電位DSを同一画素行の複数の画素間で共通に用いる構成を採っているが、1つの画素行につき電源供給線32を複数の画素に対応した本数だけ配線して電源供給線32の電位DSを同一画素行の複数の画素ごとに用いる構成を採ることも可能である。
ただし、1つの画素行につき電源供給線32を1本ずつ配線し、電源供給線32の電位DSを同一画素行の複数の画素間で共通に用いる構成を採った方が、電源供給線32の配線数が少なくて済むために表示パネル70上における配線構造を簡略化できるとともに、電源供給走査回路50の回路構成を簡略化できる利点がある。
(実施例1)
図11は、第1実施形態に係る有機EL表示装置10Aにおけるある画素行の隣り合う2つの画素20o,20eの実施例1に係る画素構成を示す回路図であり、図中、図10と同等部分には同一符号を付して示している。実施例1に係る画素構成は、先述した参考例に係る画素構成、即ち駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の2つのトランジスタ(Tr)を有する2Trの画素構成となっている。
奇数画素20oは、有機EL素子21o、駆動トランジスタ22o、書き込みトランジスタ23oおよび保持容量24oを有し、駆動トランジスタ22oのドレイン電極が電源供給線32に接続され、書き込みトランジスタ23oのゲート電極が奇数画素用の走査線31oに接続された構成となっている。
偶数画素20eも、奇数画素20oと同じように、有機EL素子21e、駆動トランジスタ22e、書き込みトランジスタ23eおよび保持容量24eを有し、駆動トランジスタ22eのドレイン電極が電源供給線32に接続され、書き込みトランジスタ23eのゲート電極が偶数画素用の走査線31eに接続された構成となっている。
続いて、実施例1に係る画素構成を持つ第1実施形態に係る有機EL表示装置10Aの回路動作について、図12のタイミング波形図を用いて説明する。
図12には、1F(Fはフィールド/フレーム)期間における信号線33の電位(Vofs/Vsig)の変化、2本の走査線31o,31eの電位(書き込み信号)WSo,WSeの変化、電源供給線32の電位DSの変化、奇数画素20oおよび偶数画素20eの駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を表している。
なお、画素20o,20e個々における閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各具体的な動作については、先述した参考例に係る有機EL表示装置10の回路動作の場合と基本的に同じである。
先ず、1F期間の前半のフィールドでは、奇数画素20oの非発光状態において、時刻t11で奇数画素用の走査線31oの電位WSoが低電位側から高電位側に遷移する。時刻t11は、図4のタイミング波形図における時刻t2に相当する。このとき、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsの状態にあり、当該オフセット電圧Vofsが書き込みトランジスタ23oによって駆動トランジスタ22oのゲート電極に書き込まれる。
次に、時刻t12で電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わることで、奇数画素20oについて閾値補正動作が開始される。時刻t12は、図4のタイミング波形図における時刻t3に相当する。この奇数画素20oについての閾値補正動作は、時刻t12から走査線31oの電位WSoが高電位側から低電位側に遷移する時刻t13までの期間(閾値補正期間)で行われる。
次に、時刻t14で水平駆動回路60から信号線33に対して映像信号の信号電圧Vsigが供給され、次いで、時刻t15で走査線31oの電位WSoが再び低電位側から高電位側に遷移することにより、書き込みトランジスタ23oによって映像信号の信号電圧Vsigが駆動トランジスタ22oのゲート電極に書き込まれる。時刻t14,t15は、図4のタイミング波形図における時刻t5,t6に相当する。
この書き込まれた信号電圧Vsigは、保持容量24oに保持される。また、信号書き込みと同時に移動度補正が行われる。次に、時刻t16で走査線31oの電位WSoが高電位側から低電位側に遷移し、奇数画素20o側の有機EL素子21oが順バイアス状態になると、当該有機EL素子21oの発光期間に入る。
有機EL素子21oの発光期間は、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpから低電位Viniに切り替わるまでの期間となる。すなわち、有機EL素子21oの発光期間は、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpにある期間(即ち、アクティブ状態にあるパルス幅)によって決まる。
以上により、奇数画素20oに対する一連の動作、即ち閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各動作が終了する。そして、その1/2F期間後に、奇数画素20oに対する一連の動作と同様の動作を偶数画素20eに対して行うことにより、偶数画素20e側の有機EL素子21eが発光状態となる。
すなわち、1F期間の後半のフィールドにおいては、時刻t21で偶数画素用の走査線31eの電位WSeが低電位側から高電位側に遷移する。時刻t21は、図4のタイミング波形図における時刻t2に相当する。このとき、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsの状態にあり、当該オフセット電圧Vofsが書き込みトランジスタ23eによって駆動トランジスタ22eのゲート電極に書き込まれる。
次に、時刻t22で電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わることで、偶数画素20eについて閾値補正動作が開始される。時刻t22は、図4のタイミング波形図における時刻t3に相当する。この偶数画素20eについての閾値補正動作は、時刻t22から走査線31eの電位WSeが高電位側から低電位側に遷移する時刻t23までの期間で行われる。
このとき、奇数画素20oの保持容量24oが、映像信号の信号電圧Vsigを保持した状態を継続していることから、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わることで、奇数画素20oの有機EL素子21oが再び発光状態になる。これにより、奇数画素20oの有機EL素子21oの発光期間は、1/2F以上、1Fに近い発光期間となる。
次に、時刻t24で水平駆動回路60から信号線33に対して映像信号の信号電圧Vsigが供給され、次いで、時刻t25で走査線31eの電位WSeが再び低電位側から高電位側に遷移することにより、書き込みトランジスタ23eによって映像信号の信号電圧Vsigが駆動トランジスタ22eのゲート電極に書き込まれる。時刻t24,t25は、図4のタイミング波形図における時刻t5,t6に相当する。
この書き込まれた信号電圧Vsigは、保持容量24eに保持される。また、信号書き込みと同時に移動度補正が行われる。次に、時刻t26で走査線31eの電位WSeが高電位側から低電位側に遷移し、偶数画素20e側の有機EL素子21eが順バイアス状態になると、当該有機EL素子21eの発光期間に入る。
有機EL素子21eの発光期間は、有機EL素子21oの発光期間と同様に、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpから低電位Viniに切り替わるまでの期間となる。そして、奇数画素20o側と同様の動作原理により、偶数画素20eの有機EL素子21eの発光期間も、1/2F以上、1Fに近い発光期間となる。
以上により、偶数画素20eに対する一連の動作、即ち閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各動作が終了する。
上述したように、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の2つのトランジスタを有する画素構成の有機EL表示装置10Aにおいて、1つの画素行につき電源供給線32を1本ずつ配線し、かつ走査線31を単位となる2つの画素、即ち奇数画素20oと偶数画素20eに対応して2本ずつ配線し、2本の走査線31o,31eに対して書き込み走査回路40から書き込み信号WSo,WSeを1/2F周期で交互に出力するとともに、電源供給走査回路50による電源供給線32の電位DSの切り替えを1/2F周期で行うことにより、同一画素行において隣り合う奇数画素20oと偶数画素20e間で1本の信号線33を共通に使用(共通化)し、2つの画素20o,20eの駆動を時分割にて行うことができる。
なお、本実施例1では、2つの画素20o,20eの一方側について閾値補正準備および閾値補正を行うときは、他方側については閾値補正準備および閾値補正を行わない駆動法を採ったが、実施例1の変形例として、他方側についても閾値補正準備および閾値補正を行う駆動法を採ることも可能である。
具体的には、図13のタイミング波形図に示すように、例えば奇数画素20oについて発光駆動を行なった後、時刻t21で偶数画素20e側の走査線31eの電位WSeを低電位側から高電位側に遷移させるときに同時に、奇数画素20o側の走査線31oの電位WSoについても低電位側から高電位側に遷移させることで、両画素20o,20eが共に閾値補正準備および閾値補正の各動作を行う。
その後、時刻t25で偶数画素20e側の走査線31eの電位WSeを再度低電位側から高電位側に遷移させることで、信号書き込みと移動度補正を行う。これにより、偶数画素20e側の有機EL素子21oが発光する。一方、奇数画素20o側の走査線31oの電位WSoは低電位の状態にあり、信号書き込みが行われないために、駆動トランジスタ22oのカットオフ状態が保持され、当該駆動トランジスタ22oには電流が流れない。したがって、奇数画素20o側の有機EL素子21oは非発光状態となる。
この変形例に係る駆動法を採り、駆動トランジスタ22o,22eを交互にカットオフさせるようにした場合でも、実施例1に係る駆動法を採った場合と同様の作用効果を得ることができる。ただし、変形例に係る駆動法を採った場合には、有機EL素子21o,21eの発光期間が1/2フィールド期間以下になるが、実施例1に係る駆動法を採った場合には、有機EL素子21o,21eの発光期間を1/2フィールド期間以上に設定できる利点がある。
(実施例2)
図14は、第1実施形態に係る有機EL表示装置10Aにおけるある画素行の隣り合う2つの画素20o,20eの実施例2に係る画素構成を示す回路図であり、図中、図11と同等部分には同一符号を付して示している。実施例2に係る画素構成は、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23に加えて、3つのスイッチングトランジスタ25〜27を有する5Trの画素構成となっている。
ここでは、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ26,27としてNチャネル型のTFTが用いられ、スイッチングトランジスタ25としてPチャネル型のTFTが用いられている。ただし、ここでの駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ25〜27の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
奇数画素20oにおいて、スイッチングトランジスタ25oは、ソース電極が第1電位(高電位)Vccpの電源線に接続され、ドレイン電極が駆動トランジスタ22のドレイン電極に接続され、ゲート電極が発光制御線(実施例1の電源供給線に相当)32に接続されている。
スイッチングトランジスタ26oは、ドレイン電極が書き込みトランジスタ23の他方の電極(駆動トランジスタ22のゲート電極)に接続され、ソース電極がオフセット電圧Vofsの電源線に接続され、ゲート電極が第一補正用走査線35に接続されている。
スイッチングトランジスタ27oは、ドレイン電極が駆動トランジスタ22のソース電極(有機EL素子21のアノード電極)に接続され、ソース電極が第2電位(低電位)Viniの電源線に接続され、ゲート電極が第二補正用走査線34に接続されている。
偶数画素20eにおいても、スイッチングトランジスタ25e〜27eは、基本的に、スイッチングトランジスタ25o〜27oと同じ接続関係となっている。また、書き込みトランジスタ23o,23eについては、実施例1の場合と同様に、各ゲート電極が2本の走査線31o,31oにそれぞれ接続されている。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素20o,20eにおいて、スイッチングトランジスタ25o〜27o,25e〜27eは次のような作用をなす。
すなわち、スイッチングトランジスタ25o,25eは、発光駆動走査回路50′から発光制御線32を通して与えられる発光制御信号DSによる制御の下に、第1電位Vccpから駆動トランジスタ22に対して選択的に電流を供給することにより、有機EL素子21o,21eの発光/非発光の制御を行なう。
スイッチングトランジスタ26o,26eは、第一補正走査回路80から第一補正用走査線35を通して与えられる第一補正用走査信号AZ1による制御の下に、閾値補正動作を開始する前に、オフセット電圧Vofsを駆動トランジスタ22o,22eのゲート電極に印加することにより、駆動トランジスタ22o,22eのゲート電位Vgを映像信号の信号電圧Vsigの基準となるオフセット電圧Vofsに初期化する。
スイッチングトランジスタ27o,27eは、第二補正走査回路90から第二補正用走査線36を通して与えられる第二補正用走査信号AZ2による制御の下に、閾値補正動作を開始する前に、第2電位Viniを駆動トランジスタ22o,22eのソース電極に印加することにより、駆動トランジスタ22o,22eのソース電位Vsを第2電位Viniに初期化する。
ここで、画素20o,20eの正常な動作を保証するための条件として、第2電位Viniは、オフセット電圧Vofsから駆動トランジスタ22o,22eの閾値電圧Vthを差し引いた電位よりも低くなるように設定されている。すなわち、Vini<Vofs−Vthのレベル関係となっている。
また、有機EL素子21o,21eのカソード電位Vcathに有機EL素子21o,21eの閾値電圧Vthelを加えたレベルは、オフセット電圧Vofsから駆動トランジスタ22o,22eの閾値電圧Vthを差し引いたレベルよりも高くなるように設定されている。すなわち、Vcath+Vthel>Vofs−Vth(>Vini)のレベル関係となっている。
図15に、5Trの画素構成の場合の基本的な動作のタイミング関係を示す。このタイミング波形図は、図4に示した2Trの画素構成の場合のタイミング波形図に対応している。閾値補正および移動度補正の各原理は、基本的に、2Trの画素構成の場合と同じである。したがって、ここでは、5Trの画素構成における閾値補正および移動度補正の各動作の詳細については省略する。
かかる5Trの画素構成の有機EL表示装置10Aにおいても、1つの画素行につき発光制御線32を1本ずつ配線し、かつ走査線31を単位となる2つの画素、即ち奇数画素20oと偶数画素20eに対応して2本ずつ配線し、2本の走査線31o,31eに対して書き込み走査回路40から走査信号WSo,WSeを1/2F周期で交互に出力するとともに、発光駆動走査回路50′による発光駆動を1/2F周期で行うことにより、同一画素行において隣り合う奇数画素20oと偶数画素20e間で1本の信号線33を共通に使用し、2つの画素20o,20eの駆動を時分割にて行うことができる。
[第2実施形態]
図16は、本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置10Bの構成の概略を示すシステム構成図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図16に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置10Bは、画素アレイ部30の複数の画素列、例えば隣り合う2つの画素列を単位として信号線33(31−1,31−2,……)を1本ずつ配線し、当該信号線33を通して2つの画素列に属する同一画素行の2つの画素20に対して水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給するようにしている。
本実施形態に係る有機EL表示装置10Bはさらに、1つの画素行につき走査線31を1本ずつ配線し、電源供給線32を単位となる2つの画素20に対応して2本ずつ配線した構成を採っている。2つの画素20は、奇数画素20oと偶数画素20eであるため、2本の電源供給線32の一方が、奇数画素用の電源供給線32o(32−1o〜32−mo)となり、他方が偶数画素用の電源供給線32e(32−1e〜32−me)となる。
ここで、書き込み走査回路40は、1本の走査線31に対して1/2F周期で書き込み信号WSを出力する。因みに、先述した参考例では、書き込み走査回路40から1本の走査線31に対して1F周期で書き込み信号WSが出力される。
電源供給走査回路50は、有機EL素子21o,21eの発光期間を制御するための電源供給線32o,32eの電位DSo,DSeの高電位Vccpから低電位Viniへの切り替えと、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正の各動作を行うための低電位Viniから高電位Vccpへの切り替えを行う訳であるが、これらの切り替えを2つの画素20o,20eに対して1/2F周期で交互に(時分割にて)行う。因みに、先述した参考例では、これらの切り替えは1つの画素20に対して1F周期で行われる。
書き込み走査回路40および電源供給走査回路50の上記の各動作により、閾値補正準備、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正の一連の動作が、1F期間内において奇数画素20oと偶数画素20eで交互に(時分割にて)行われることになる。すなわち、書き込み走査回路40と電源供給走査回路50は、1本の信号線33を通して時系列で供給される映像信号の信号電圧Vsigの複数の画素への書き込み駆動を時分割にて行う書き込み駆動部としての機能を持っている。
このように、画素アレイ部30の複数の画素列を単位として信号線33(31−1,31−2,……)を1本ずつ配線し、当該信号線33を通して複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素、例えば2つの画素20o,20eに対して水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給することにより、1本の信号線33を2つの画素20o,20e間で共通化できるために、信号線33を画素列ごとに配線する場合に比べて信号線33の本数を半分に削減できる。
これにより、シグナルドライバである水平駆動回路60としては、画素列ごとに信号線33を配線する場合の出力段数の1/2の回路構成のもので良いことになる。これは、水平駆動回路60の回路規模を、画素列ごとに信号線33を配線する場合の1/2に低減できることを意味する。したがって、水平駆動回路60の回路規模を1/2以下に低減できることにより、水平駆動回路60のコストと占有面積を下げることができるために、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることが可能になる。
なお、本実施形態では、同一画素行の単位となる画素数を2つとしたが、2つに限られるものではないことは第1実施形態の場合と同様である。そして、単位となる画素数をxとした場合、1つの画素行につき電源供給線32をx本ずつ配線し、電源供給走査回路50による電源供給線32の電位DSの切り替えを1/xフィールド周期で行うようにすることで、水平駆動回路60の回路規模を1/xに低減できることになる。
また、本実施形態では、1つの画素行につき走査線31を1本ずつ配線し、書き込み信号WSを同一画素行の複数の画素間で共通に用いる構成を採っているが、1つの画素行につき走査線31を複数の画素に対応した本数だけ配線して書き込み信号WSを同一画素行の複数の画素ごとに用いる構成を採ることも可能である。
ただし、1つの画素行につき走査線31を1本ずつ配線し、書き込み信号WSを同一画素行の複数の画素間で共通に用いる構成を採った方が、走査線31の配線数が少なくて済むために表示パネル70上における配線構造を簡略化できるとともに、電源供給走査回路50の回路構成を簡略化できる利点がある。
(実施例1)
図17は、第2実施形態に係る有機EL表示装置10Bにおけるある画素行の隣り合う2つの画素20o,20eの実施例1に係る画素構成を示す回路図であり、図中、図16と同等部分には同一符号を付して示している。
奇数画素20oは、有機EL素子21o、駆動トランジスタ22o、書き込みトランジスタ23および保持容量24oを有し、駆動トランジスタ22oのドレイン電極が奇数画素用の電源供給線32oに接続され、書き込みトランジスタ23のゲート電極が走査線31に接続された構成となっている。奇数画素20oの書き込みトランジスタ23は、偶数画素20eの書き込みトランジスタとして兼用される。
偶数画素20eは、有機EL素子21e、駆動トランジスタ22eおよび保持容量24eを有し、駆動トランジスタ22eのドレイン電極が偶数画素用の電源供給線32eに接続された構成となっている。偶数画素20eは、書き込みトランジスタを持たないことから、駆動トランジスタ22eのゲート電極は、奇数画素20oの書き込みトランジスタ23の出力側の電極に接続されている。
なお、本実施例1では、奇数画素20o側に書き込みトランジスタ23を設けて、当該書き込みトランジスタを偶数画素20eの書き込みトランジスタとして兼用する構成を採っているが、偶数画素20e側に書き込みトランジスタ23を設けて、当該書き込みトランジスタを奇数画素20oの書き込みトランジスタとして兼用する構成を採ることも可能である。
続いて、実施例1に係る画素構成を持つ第2実施形態に係る有機EL表示装置10Bの回路動作について、図18のタイミング波形図を用いて説明する。
図18には、1Fにおける信号線33の電位(Vofs/Vsig)の変化、走査線31の電位(書き込み信号)WSの変化、2本の電源供給線32o,32eの電位DSo,DSeの変化、奇数画素20oおよび偶数画素20eの駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を表している。
なお、画素20o,20e個々における閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各具体的な動作については、先述した参考例に係る有機EL表示装置10の回路動作の場合と基本的に同じである。
先ず、1F期間の前半のフィールドにおいて、時刻t31で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移する。時刻t31は、図4のタイミング波形図における時刻t2に相当する。このとき、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsの状態にあり、当該オフセット電圧Vofsが書き込みトランジスタ23によって2つの画素20o,20eの駆動トランジスタ22o,22eの各ゲート電極に書き込まれる。
次に、時刻t32で奇数画素用の電源供給線32oの電位DSoが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わることで、奇数画素20o側について閾値補正動作が開始される。時刻t32は、図4のタイミング波形図における時刻t3に相当する。この奇数画素20oについての閾値補正動作は、時刻t32から走査線31の電位WSが高電位側から低電位側に遷移する時刻t33までの期間(閾値補正期間)で行われる。
次に、時刻t34で水平駆動回路60から信号線33に対して映像信号の信号電圧Vsigが供給され、次いで、時刻t35で走査線31の電位WSが再び低電位側から高電位側に遷移することにより、書き込みトランジスタ23によって映像信号の信号電圧Vsigが2つの画素20o,20eの駆動トランジスタ22o,22eの各ゲート電極に書き込まれる。時刻t34,t35は、図4のタイミング波形図における時刻t5,t6に相当する。
この書き込まれた信号電圧Vsigは、保持容量24o,24eに保持される。また、奇数画素20o側については信号書き込みと同時に移動度補正が行われる。なお、偶数画素20e側については、偶数画素用の電源供給線32eの電位DSeが低電位Viniの状態にあるために移動度補正は行われない。
次に、時刻t36で走査線31の電位WSが高電位側から低電位側に遷移し、奇数画素20o側の有機EL素子21oが順バイアス状態となると、当該有機EL素子21oが発光を開始する。
有機EL素子21oの発光期間は、奇数画素用の電源供給線32oの電位DSoが高電位Vccpから低電位Viniに切り替わるまでの期間となる。すなわち、有機EL素子21oの発光期間は、電源供給線32oの電位DSoが高電位Vccpにある期間(即ち、アクティブ状態にあるパルス幅)によって決まる。
このとき、偶数画素20e側については、駆動トランジスタ22eのゲート電極にはオフセット電圧Vofsが、次いで映像信号の信号電圧Vsigが順に書き込まれるが、偶数画素用の電源供給線32eの電位DSeが低電位Viniの状態にあるために、駆動トランジスタ22eには電流が流れない。したがって、有機EL素子21eは非発光状態のままである。
以上により、奇数画素20oに対する一連の動作、即ち閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各動作が終了する。そして、その1/2F期間後に、奇数画素20oに対する一連の動作と同様の動作を偶数画素20eに対して行うことにより、偶数画素20e側の有機EL素子21eが発光状態となる。
すなわち、1F期間の後半のフィールドにおいては、時刻t41で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移する。時刻t41は、図4のタイミング波形図における時刻t2に相当する。このとき、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsの状態にあり、当該オフセット電圧Vofsが書き込みトランジスタ23によって駆動トランジスタ22o,22eの各ゲート電極に書き込まれる。
次に、時刻t42で偶数画素用の電源供給線32eの電位DSeが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わることで、偶数画素20e側について閾値補正動作が開始される。時刻t42は、図4のタイミング波形図における時刻t3に相当する。この偶数画素20eについての閾値補正動作は、時刻t42から走査線31の電位WSが高電位側から低電位側に遷移する時刻t43までの期間で行われる。
次に、時刻t44で水平駆動回路60から信号線33に対して映像信号の信号電圧Vsigが供給され、次いで、時刻t45で走査線31の電位WSが再び低電位側から高電位側に遷移することにより、書き込みトランジスタ23によって映像信号の信号電圧Vsigが駆動トランジスタ22o,22eの各ゲート電極に書き込まれる。時刻t44,t45は、図4のタイミング波形図における時刻t5,t6に相当する。
この書き込まれた信号電圧Vsigは、保持容量24o,24eに保持される。また、偶数画素20e側については信号書き込みと同時に移動度補正が行われる。なお、奇数画素20o側については、奇数画素用の電源供給線32oの電位DSoが低電位Viniの状態にあるために移動度補正は行われない。
次に、時刻t46で走査線31の電位WSが高電位側から低電位側に遷移し、偶数画素20e側の有機EL素子21eが順バイアス状態になると、当該有機EL素子21eの発光期間に入る。有機EL素子21eの発光期間は、有機EL素子21oの発光期間と同様に、偶数画素用の電源供給線32oの電位DSoが高電位Vccpから低電位Viniに切り替わるまでの期間となる。
このとき、奇数画素20o側については、駆動トランジスタ22oのゲート電極にはオフセット電圧Vofsが、次いで映像信号の信号電圧Vsigが順に書き込まれるが、奇数画素用の電源供給線32oの電位DSoが低電位Viniの状態にあるために、駆動トランジスタ22oには電流が流れない。したがって、有機EL素子21oは非発光状態のままである。
以上により、偶数画素20eに対する一連の動作、即ち閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各動作が終了する。
上述したように、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の2つのトランジスタを有する画素構成の有機EL表示装置10Bにおいて、1つの画素行につき走査線31を1本ずつ配線し、かつ電源供給線32を単位となる2つの画素、即ち奇数画素20oと偶数画素20eに対応して2本ずつ配線し、1本の走査線31に対して書き込み走査回路40から書き込み信号WSを1/2F周期で出力するとともに、電源供給走査回路50による2本の電源供給線32o,32eの電位DSo,DSeの切り替えを1/2F周期で交互に行うことにより、同一画素行において隣り合う奇数画素20oと偶数画素20e間で1本の信号線33を共通に使用(共通化)し、2つの画素20o,20eの駆動を時分割にて行うことができる。
また、本実施例1に係る画素構成においては、書き込みトランジスタ23を2つの画素20o,20e間でオフセット電圧Vofsおよび映像信号の信号電圧Vsigの書き込みに兼用していることにより、トランジスタ数が2つの画素20o,20eで3トランジスタとなるために、2つの画素20o,20eで4トランジスタとなる第1実施形態の実施例1に比べて、2画素につきトランジスタを1個削減できる。これにより、画素20個々の微細化を図ることができるために、表示装置の高精細化に有利となる。
(実施例2)
図19は、第2実施形態に係る有機EL表示装置10Bにおけるある画素行の隣り合う2つの画素20o,20eの実施例2に係る画素構成を示す回路図であり、図中、図17と同等部分には同一符号を付して示している。
ここでは、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ26,27としてNチャネル型のTFTが用いられ、スイッチングトランジスタ25としてPチャネル型のTFTが用いられている。ただし、ここでの駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ25〜27の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
2つの画素20o,20eにおいて、スイッチングトランジスタ26o,26eとスイッチングトランジスタ27o,27eは、第1実施形態の実施例2に係る2つの画素20o,20eと同様の接続関係となっている。なお、スイッチングトランジスタ25o,25eの各ゲート電極は、2本の発光制御線32o,32eにそれぞれ接続されている。また、書き込みトランジスタ23については、実施例1の場合と同様に、例えば奇数画素20oに設けられて、偶数画素20eの書き込みトランジスタとして兼用される。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素20o,20eにおけるスイッチングトランジスタ25o〜27o,25e〜27eの各作用については、第1実施形態の実施例2に係る奇数画素20o,20eの場合と同様である。
かかる5Trの画素構成の有機EL表示装置10Bにおいても、1つの画素行につき走査線21を1本ずつ配線し、かつ発光制御線32を単位となる2つの画素、即ち奇数画素20oと偶数画素20eに対応して2本ずつ配線し、1本の走査線31に対して書き込み走査回路40から書き込み信号WSを1/2F周期で出力するとともに、発光駆動走査回路50′による2つの画素20o,20eに対する発光駆動を1/2F周期で交互に行うことにより、同一画素行において隣り合う奇数画素20oと偶数画素20e間で1本の信号線33を共通に使用し、2つの画素20o,20eの駆動を時分割にて行うことができる。
また、本実施例2に係る画素構成においては、書き込みトランジスタ23を2つの画素20o,20e間で映像信号の信号電圧Vsigの書き込みに兼用していることにより、トランジスタ数が2つの画素20o,20eで9トランジスタとなるために、2つの画素20o,20eで10トランジスタとなる第1実施形態の実施例2に比べて、2画素につきトランジスタを1個削減できる。これにより、画素20個々の微細化を図ることができるために、表示装置の高精細化に有利となる。
[第3実施形態]
図20は、本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置10Cの構成の概略を示すシステム構成図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図20に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置10Cは、画素アレイ部30の複数の画素列、例えば隣り合う2つの画素列を単位として信号線33(…,31−i−1,31−i,31−i+1,…)を配線し、当該信号線33を通して2つの画素列に属する同一画素行の2つの画素20に対して水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給するようにしている。
本実施形態に係る有機EL表示装置10Cはさらに、1つの画素行につき走査線31および電源供給線32を1本ずつ配線し、電源供給線32については複数の画素行間、例えば上下の2つの画素行間で共用する構成を採っている。ただし、上下2つの画素行において、全ての画素20について電源供給線32を共用するのではなく、例えば隣接する画素列に属し、斜め対角方向の位置関係にある2つの画素を組として1本の電源供給線32を共通化する。
具体的には、図20において、例えばj行目の電源供給線32−jの場合を例に挙げると、j行目の画素行における信号線33−i−1に繋がるR画素についてはその右下に位置しかつ信号線33−i−1に繋がるj+1行目のG画素と、信号線33−iに繋がるB画素についてはその右下に位置しかつ信号線33−iに繋がるj+1行目のR画素と、信号線33−i+1に繋がるG画素についてその右下に位置しかつ信号線33−i+1に繋がるj+1行目のB画素と、……という具合に上下の2つの画素行j,j+1における斜め対角方向の位置関係にある2画素間でj行目の電源供給線32−jを共通化する。
j行目の画素行における信号線33−i−1に繋がるG画素についてはその左上に位置しかつ信号線33−i−1に繋がるj−1行目のR画素と、信号線33−iに繋がるR画素についてはその左上に位置しかつ信号線33−iに繋がるj−1行目のB画素と、信号線33−i+1に繋がるB画素についてはその左上に位置しかつ信号線33−i+1に繋がるj−1行目のG画素と、……という具合に上下の2つの画素行j−1,jにおける斜め対角方向の位置関係にある2画素間でj−1行目の電源供給線32−j−1を共通化する。
ここで、書き込み走査回路40は、1本の走査線31に対して1/2F周期で書き込み信号WSを出力する。因みに、先述した参考例では、書き込み走査回路40から1本の走査線31に対して1F周期で書き込み信号WSが出力される。
なお、本実施形態では、例えば、上下の2つの画素行j,j+1間においてj行目の電源供給線32−jを共通化し、その電位DSjを上下の画素行j,j+1間で共通に使用するようにしていることから、組となる斜め対角方向の2画素間で閾値補正動作を同時に行う必要があり、そのため、上下の画素行j,j+1の書き込み信号WSj,WSj+1の各閾値補正期間が同じタイミングとなっている。
一方で、上下の画素行j,j+1で組となる、斜め対角方向の位置関係にある2つの画素では異なる信号電圧Vsigを書き込まれなければならないために、書き込み信号WSj,WSj+1の各信号書き込み期間(移動度補正期間)については、上下の画素行j,j+1間でタイミング関係をずらしている(シフトしている)。書き込み信号WSj,WSj+1のタイミング関係の詳細については後述する。
電源供給走査回路50は、有機EL素子21o,21eの発光期間を制御するための電源供給線32の電位DSの高電位Vccpから低電位Viniへの切り替えと、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正の各動作を行うための低電位Viniから高電位Vccpへの切り替えを行う訳であるが、これらの切り替えを斜め対角方向の位置関係にある2つの画素20o,20eに対して1/2F周期で交互に(時分割にて)行う。因みに、先述した参考例では、これらの切り替えは1つの画素20に対して1F周期で行われる。
書き込み走査回路40および電源供給走査回路50の上記の各動作により、閾値補正準備、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正の一連の動作が、1F期間内において奇数画素20oと偶数画素20eで交互に(時分割にて)行われることになる。すなわち、書き込み走査回路40と電源供給走査回路50は、1本の信号線33を通して時系列で供給される映像信号の信号電圧Vsigの複数の画素への書き込み駆動を時分割にて行う書き込み駆動部としての機能を持っている。
このように、画素アレイ部30の複数の画素列を単位として信号線33(…,31−i−1,31−i,31−i+1,…)を1本ずつ配線し、当該信号線33を通して複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素、例えば2つの画素20o,20eに対して水平駆動回路60から映像信号の信号電圧Vsigを時系列で供給することにより、1本の信号線33を2つの画素20o,20e間で共通化し、信号線33を画素列ごとに配線する場合に比べて半分に削減できる。
これにより、シグナルドライバである水平駆動回路60としては、画素列ごとに信号線33を配線する場合の出力段数の1/2の回路構成のもので良いことになる。これは、水平駆動回路60の回路規模を、画素列ごとに信号線33を配線する場合の1/2に低減できることを意味する。したがって、水平駆動回路60の回路規模を1/2以下に低減できることにより、水平駆動回路60のコストと占有面積を下げることができるために、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、電源供給線32を画素行ごとに1本ずつ配線し、1本の画素供給線32を複数の画素行間、例えば上下の2つの画素行間で共用する構成を採っていることにより、電源供給線32を画素行ごとに単位となる2つの画素20に対応して2本ずつ配線する構成を採る第2実施形態に比べて、電源供給線32の配線数が少なくて済むために表示パネル70上における配線構造を簡略化できるとともに、電源供給走査回路50の回路構成を簡略化できる利点がある。
さらに、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正を行うために書き込み信号WSがアクティブ(高電位)になる期間が、第1,第2実施形態では1/2H(Hは行走査期間)となるのに対して、本実施形態では、上下の2つの画素行j,j+1間で1本の電源供給線32を兼用し、当該電源供給線32を通して1F周期で与えられる電位DSを交互に用いるようにしていることで、上下の画素行j,j+1の書き込み信号WSj,WSj+1がアクティブになる期間として2倍程度、即ち1H期間程度確保することができるために、閾値補正期間や移動度補正期間として十分な時間を確保でき、時間マージンの面からも表示装置の高精細化に有利となる。
なお、本実施形態では、同一画素行の単位となる画素数を2つとしたが、2つに限られるものではないことは第1実施形態の場合と同様である。そして、単位となる画素数をxとした場合、電源供給走査回路50による電源供給線32の電位DSの切り替えを1/xフィールド周期で行うようにすることで、水平駆動回路60の回路規模を1/xに低減できることになる。
また、本実施形態では、1つの画素行につき走査線31を1本ずつ配線し、書き込み信号WSを同一画素行の複数の画素間で共通に用いる構成を採っているが、1つの画素行につき走査線31を複数の画素に対応した本数だけ配線して書き込み信号WSを同一画素行の複数の画素ごとに用いる構成を採ることも可能である。
ただし、1つの画素行につき走査線31を1本ずつ配線し、書き込み信号WSを同一画素行の複数の画素間で共通に用いる構成を採った方が、走査線31の配線数が少なくて済むために表示パネル70上における配線構造を簡略化できるとともに、電源供給走査回路50の回路構成を簡略化できる利点がある。
(実施例1)
図21は、第3実施形態に係る有機EL表示装置10Cにおけるある上下2つの画素行(j,j+1)および左右2つの画素列(i,i+1)の計4つの画素20の実施例1に係る画素構成を示す回路図であり、図中、図20と同等部分には同一符号を付して示している。
先ず、j行目の画素行の隣り合う2つの画素20o,20eについて説明する。奇数画素20oは、有機EL素子21o、駆動トランジスタ22oおよび保持容量24oを有し、駆動トランジスタ22oのドレイン電極がj行目の電源供給線32−jに接続された構成となっている。奇数画素20oは、書き込みトランジスタを持たないことから、駆動トランジスタ22oのゲート電極は、偶数画素20eの書き込みトランジスタ23の出力側の電極に接続されている。
偶数画素20eは、有機EL素子21e、駆動トランジスタ22e、書き込みトランジスタ23および保持容量24eを有し、駆動トランジスタ22eのドレイン電極がj+1行目の電源供給線32−j+1に接続された構成となっている。偶数画素20eの書き込みトランジスタ23は、奇数画素20oの書き込みトランジスタとして兼用される。
続いて、j+1行目の画素行の隣り合う2つの画素20o,20eについて説明する。奇数画素20oは、有機EL素子21o、駆動トランジスタ22oおよび保持容量24oを有し、駆動トランジスタ22oのドレイン電極がj+1行目の電源供給線32−j+1に接続された構成となっている。奇数画素20oは、書き込みトランジスタを持たないことから、駆動トランジスタ22oのゲート電極は、偶数画素20eの書き込みトランジスタ23の出力側の電極に接続されている。
偶数画素20eは、有機EL素子21e、駆動トランジスタ22e、書き込みトランジスタ23および保持容量24eを有し、駆動トランジスタ22eのドレイン電極がj行目の電源供給線32−jに接続された構成となっている。偶数画素20eの書き込みトランジスタ23は、奇数画素20oの書き込みトランジスタとして兼用される。
なお、本実施例1では、各画素行の偶数画素20e側に書き込みトランジスタ23を設けて、当該書き込みトランジスタを奇数画素20oの書き込みトランジスタとして兼用する構成を採っているが、各画素行の奇数画素20o側に書き込みトランジスタ23を設けて、当該書き込みトランジスタを偶数画素20eの書き込みトランジスタとして兼用する構成を採ることも可能である。
続いて、実施例1に係る画素構成を持つ第3実施形態に係る有機EL表示装置10Cにおいて、j行目の電源供給線32−iについてj行目の画素行とj+1行目の画素行で共通化したときの画素行jの奇数画素20oと画素行j+1の偶数画素20eの回路動作について、図22のタイミング波形図を用いて説明する。
図22には、1Fにおける信号線33の電位(Vofs/Vsig)の変化、走査線31−j,31−j+1の各電位(書き込み信号)WSj,WSj+1の変化、電源供給線32−jの電位DSjの変化、j行目の奇数画素20oおよびj+1行目の偶数画素20eの駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を表している。
なお、画素20o,20e個々における閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各具体的な動作については、先述した参考例に係る有機EL表示装置10の回路動作の場合と基本的に同じである。
先ず、1F期間の前半のフィールドでは、画素行jの奇数画素20oの非発光状態において、時刻t51で走査線31−j,31−j+1の各電位WSj,WSj+1が同時に低電位側から高電位側に遷移する。このとき、信号線33−iの電位がオフセット電圧Vofsの状態にあり、当該オフセット電圧Vofsが書き込みトランジスタ23によってj行目およびj+1行目の駆動トランジスタ22o,22eの各ゲート電極に書き込まれる。
次に、時刻t52で電源供給線32−jの電位DSjが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わることで、画素行jの奇数画素20o側について閾値補正動作が開始される。このとき同時に、画素行j+1の偶数画素20e側についても閾値補正動作が開始される。この閾値補正動作は、時刻t53で終了する。
次に、時刻t54で水平駆動回路60から信号線33−iに対して映像信号の信号電圧Vsigが供給され、次いで、時刻t55で走査線31−jの電位WSjが再び低電位側から高電位側に遷移することにより、画素行jにおいて、書き込みトランジスタ23によって映像信号の信号電圧Vsigが駆動トランジスタ22o,22eの各ゲート電極に書き込まれる。
この書き込まれた信号電圧Vsigは、同一画素行jの2つの画素20o,20eの各保持容量24o,24eに保持される。このとき、奇数画素20o側については、電源供給線32−jの電位DSjが高電位Vccpの状態にあるために、信号書き込みと同時に移動度補正が行われる。
なお、偶数画素20e側については、電源供給線32−j−1の電位DSj−1が低電位Viniの状態にあるために移動度補正は行われない。
そして、時刻t56で走査線31−jの電位WSjが高電位側から低電位側に遷移し、奇数画素20o側の有機EL素子21oが順バイアス状態になると、当該有機EL素子21oが発光する。画素行jの有機EL素子21oの発光時間は、時刻t56から電源供給線32−jの電位DSjが低電位Viniに遷移する時刻t59までの時間となる。
時刻t56では、水平駆動回路60から信号線33−iに対して、次の画素行j+1についての映像信号の信号電圧Vsigが供給される。その後、時刻t57で走査線31−j+1の電位WSj+1が再び低電位側から高電位側に遷移することにより、画素行j+1において、書き込みトランジスタ23によって映像信号の信号電圧Vsigが駆動トランジスタ22o,22eの各ゲート電極に書き込まれる。
この書き込まれた信号電圧Vsigは、同一画素行j+1の2つの画素20o,20eの各保持容量24o,24eに保持される。このとき、偶数画素20e側については、電源供給線32−jの電位DSjが高電位Viniの状態にあるために、信号書き込みと同時に移動度補正が行われる。
なお、奇数画素20o側については、電源供給線32−j+1の電位DSj+1が低電位Viniの状態にあるために移動度補正は行われない。
そして、時刻t58で走査線31−j+1の電位WSj+1が高電位側から低電位側に遷移し、偶数画素20e側の有機EL素子21eが順バイアス状態になると、当該有機EL素子21eが発光する。画素行j+1の有機EL素子21oの発光時間は、時刻t58から時刻t59までの時間となる。
ここで、上段の画素行jの有機EL素子21oと下段の画素行j+1の有機EL素子21eの間で発光時間が多少ずれるが、このずれは数μsecのオーダーであり、視認されるレベルではないために、視覚上問題になることはない。
なお、図22のタイミング波形図において、信号書き込み&移動度補正期間1は、上段の画素行(本例では、画素行j)の奇数画素20oの信号書き込み&移動度補正期間であり、信号書き込み&移動度補正期間2は、下段の画素行(本例では、画素行j+1)の偶数画素20eの信号書き込み&移動度補正期間である。
以上により、上段の画素行の奇数画素20oおよび下段の画素行の偶数画素20eに対する一連の動作、即ち閾値補正準備、閾値補正、信号書き込み&移動度補正および発光の各動作が終了する。そして、その1/2F期間後に、上段の画素行の奇数画素20oおよび下段の画素行の偶数画素20eに対する一連の動作と同様の動作を、上段の画素行の偶数画素20eおよび下段の画素行の奇数画素20oに対して行うことにより、これら画素20o,20eの各有機EL素子21o,21eが発光状態となる。
上述したように、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の2つのトランジスタを有する画素構成の有機EL表示装置10Cにおいて、1つの画素行につき走査線31および電源供給線32を1本ずつ配線し、電源供給線32については上下の画素行間で交互に使用するとともに、1本の走査線31に対して書き込み走査回路40から書き込み信号WSを1/2F周期で出力し、電源供給走査回路50による電源供給線32の電位DSの切り替えを1F周期で行うことにより、同一画素行において隣り合う奇数画素20oと偶数画素20e間で1本の信号線33を共通に使用(共通化)し、2つの画素20o,20eの駆動を時分割にて行うことができる。
また、本実施例1に係る画素構成においては、書き込みトランジスタ23を2つの画素20o,20e間でオフセット電圧Vofsおよび映像信号の信号電圧Vsigの書き込みに兼用していることにより、トランジスタ数が2つの画素20o,20eで3トランジスタとなるために、2つの画素20o,20eで4トランジスタとなる第1実施形態の実施例1に比べて、2画素につきトランジスタを1個削減できる。これにより、画素20個々の微細化を図ることができるために、表示装置の高精細化に有利となる。
(実施例2)
図23は、第3実施形態に係る有機EL表示装置10Cにおけるある上下2つの画素行(j,j+1)および左右2つの画素列(i,i+1)の計4つの画素20の実施例1に係る画素構成を示す回路図であり、図中、図21と同等部分には同一符号を付して示している。
ここでは、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ26,27としてNチャネル型のTFTが用いられ、スイッチングトランジスタ25としてPチャネル型のTFTが用いられている。ただし、ここでの駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ25〜27の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
上下2つの画素行j,j+1の各2つの画素20o,20eにおいて、スイッチングトランジスタ26o,26eとスイッチングトランジスタ27o,27eは、第1実施形態の実施例2に係る2つの画素20o,20eと同様の接続関係となっている。
なお、画素行jにおいて、奇数画素20oのスイッチングトランジスタ25oのゲート電極は自段の画素行jの発光制御線32−jに接続され、偶数画素20eのスイッチングトランジスタ25eのゲート電極は、前段の画素行j−1の発光制御線32−j−1に接続されている。書き込みトランジスタ23については、実施例1と同様に、例えば奇数画素20oに設けられて、偶数画素20eの書き込みトランジスタとして兼用される。
また、画素行j+1において、奇数画素20oのスイッチングトランジスタ25oのゲート電極は自段の画素行j+1の発光制御線32−j+1に接続され、偶数画素20eのスイッチングトランジスタ25eのゲート電極は、前段の画素行jの発光制御線32−jに接続されている。書き込みトランジスタ23については、画素行jと同様に、例えば奇数画素20oに設けられて、偶数画素20eの書き込みトランジスタとして兼用される。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる上下2つの画素行j,j+1の各2つの画素20o,20eにおけるスイッチングトランジスタ25o〜27o,25e〜27eの各作用については、第1実施形態の実施例2に係る奇数画素20o,20eの場合と同様である。
かかる5Trの画素構成の有機EL表示装置10Bにおいても、1つの画素行につき走査線31および電源供給線32を1本ずつ配線し、電源供給線32については上下の画素行間で交互に使用するとともに、1本の走査線31に対して書き込み走査回路40から書き込み信号WSを1/2F周期で出力し、電源供給走査回路50による電源供給線32の電位DSの切り替えを1F周期で行うことにより、同一画素行において隣り合う奇数画素20oと偶数画素20e間で1本の信号線33を共通に使用し、2つの画素20o,20eの駆動を時分割にて行うことができる。
また、本実施例2に係る画素構成においては、書き込みトランジスタ23を2つの画素20o,20e間で映像信号の信号電圧Vsigの書き込みに兼用していることにより、トランジスタ数が2つの画素20o,20eで9トランジスタとなるために、2つの画素20o,20eで10トランジスタとなる第1実施形態の実施例2に比べて、2画素につきトランジスタを1個削減できる。これにより、画素20個々の微細化を図ることができるために、表示装置の高精細化に有利となる。
なお、上記実施形態に係る有機EL表示装置10Cでは、行列状の画素配列において、斜め対角方向に位置する2つの画素間で、即ち上段の奇数画素20oと下段の偶数画素20eの間で電源供給線(発光制御線)32を共通化するとしたが(図20参照)、図24に示すように、同じ画素列に属し、上下の位置関係にある2つの画素間で電源供給線(発光制御線)32を共通化した有機EL表示装置10C′とすることも可能である。
より具体的には、ある2つの画素行j,j+1間においては、同じ画素列に属し、上下に位置する2つの奇数画素20o,20o間で電源供給線32を共通化し、1行ずれた次の2つの画素行j+1,j+2間においては、同じ画素列に属し、上下に位置する2つの偶数画素20e,20e間で電源供給線32を共通化する。このように、上下に位置する2つの画素間で電源供給線32を共通化する構成を採った場合にも、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
ただし、行列状の画素配列において、斜め対角方向に位置する2つの画素間で電源供給線32を共通化する構成を採る場合には、画素行ごとに発光する画素20が1画素ずれたいわゆる入れ子の状態になるために、上下に位置する2つの画素間で電源供給線32を共通化する場合に比べてフリッカーなどの発生を抑制できる利点がある。
[応用例]
以上説明した第1,第2,第3実施形態では、水平駆動回路60の各出力と信号線31(…,33−i−1,33−i,33−i+1,…)とを1対1の関係で接続する構成の有機EL表示装置10に適用した場合を例に挙げて説明したが、信号線31(…,33−i−1,33−i,33−i+1,…)を水平駆動回路60の各出力に対して複数本を単位(組)として割り当て、この複数本の信号線を時分割にて順次選択する一方、その選択した信号線に対して水平駆動回路60の各出力ごとに時系列で出力される映像信号の信号電圧Vsigを時分割で振り分けて供給することによって各信号線を駆動する、いわゆるセレクタ駆動方式(時分割駆動方式)を採る有機EL表示装置にも適用可能である。
より具体的には、第3実施形態の場合を例に挙げると、図25に示すように、水平駆動回路60の各出力に対して例えば3本の信号線を単位として割り当て、水平駆動回路60のある出力線61と3本の信号線33−i−1,33−i,33−i+1との間にセレクタスイッチSW1,SW2,SW3を配置し、水平駆動回路60から出力線61を通して時系列で出力される映像信号の信号電圧Vsig1,Vsig2,Vsig3に同期してセレクタスイッチSW1,SW2,SW3を時分割にて選択駆動する。
ここでは、第3実施形態の場合を例に挙げて説明したが、第1,第2実施形態の場合にも、同様のことが言える。
このように、セレクタ駆動方式(時分割駆動方式)を採る有機EL表示装置に対して、第1,第2,第3実施形態の概念を用いることにより、時分割数を例えば3とした場合には、水平駆動回路60の出力段数を第1,第2,第3実施形態の場合のさらに1/3に削減でき、水平駆動回路60のコストと占有面積をさらに下げることができるために、パネルモジュールのさらなる低コスト化および小型化を図ることができる。
[変形例]
上記実施形態では、画素20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、電気光学素子を含む画素が行列状に配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置全般に対して適用可能である。
[適用例]
以上説明した本発明による表示装置は、一例として、図26〜図30に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
このように、あらゆる分野の電子機器の表示装置として本発明による表示装置を用いることにより、先述した第1,第2,第3実施形態の説明から明らかなように、本発明による表示装置は、パネルモジュールの低コスト化および小型化を図ることができるために、各種の電子機器において、機器の低コスト化および小型化に寄与でき、特にモバイル機器などの小型の電子機器への搭載が容易になる利点がある。
なお、本発明による表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。尚、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以下に、本発明が適用される電子機器の具体例について説明する。
図26は、本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。本適用例に係るテレビテレビジョンセットは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明による表示装置を用いることにより作成される。
図27は、本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図28は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図29は、本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図30は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
参考例に係る有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 参考例に係る有機EL表示装置における画素(画素回路)の具体的な構成例を示す回路図である。 画素の断面構造の一例を示す断面図である。 参考例に係る有機EL表示装置の基本的な動作説明に供するタイミング波形図である。 参考例に係る有機EL表示装置の回路動作の説明図(その1)である。 参考例に係る有機EL表示装置の回路動作の説明図(その2)である。 駆動トランジスタの閾値電圧Vthのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 駆動トランジスタの移動度μのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電圧Vsigと駆動トランジスタのドレイン・ソース間電流Idsとの関係の説明に供する特性図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 第1実施形態に係る有機EL表示装置におけるある画素行の隣り合う2つの画素の実施例1に係る画素構成を示す回路図である。 実施例1に係る画素構成を持つ第1実施形態に係る有機EL表示装置の動作説明に供するタイミング波形図である。 実施例1の変形例に係るタイミング関係を示すタイミング波形図である。 第1実施形態に係る有機EL表示装置におけるある画素行の隣り合う2つの画素の実施例2に係る画素構成を示す回路図である。 5Trの画素構成の場合の基本的な動作説明に供するタイミング波形図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 第2実施形態に係る有機EL表示装置におけるある画素行の隣り合う2つの画素の実施例1に係る画素構成を示す回路図である。 実施例1に係る画素構成を持つ第2実施形態に係る有機EL表示装置の動作説明に供するタイミング波形図である。 第2実施形態に係る有機EL表示装置におけるある画素行の隣り合う2つの画素の実施例2に係る画素構成を示す回路図である。 本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 第3実施形態に係る有機EL表示装置におけるある上下2つの画素行および左右2つの画素列の計4つの画素の実施例1に係る画素構成を示す回路図である。 実施例1に係る画素構成を持つ第3実施形態に係る有機EL表示装置の動作説明に供するタイミング波形図である。 第3実施形態に係る有機EL表示装置におけるある上下2つの画素行および左右2つの画素列の計4つの画素の実施例2に係る画素構成を示す回路図である。 上下に位置する2つの画素間で電源供給線を共通化した有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 セレクタ駆動方式(時分割駆動方式)を採る有機EL表示装置に適用した場合の構成例を示す回路図である。 本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。 本発明が適用される携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C,10C′…有機EL表示装置、20…画素(サブピクセル)、21,21i,21i+1…有機EL素子、22…駆動トランジスタ、23…書き込みトランジスタ、24…保持容量、25…EL容量、26…補助容量、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…電源供給線(発光制御線)、33(33−1〜33−n)…信号線、34…共通電源供給線、35…第一補正用走査線、36…第二補正用走査線、40…書き込み走査回路、50…電源供給走査回路、50′…発光駆動走査回路、60…水平駆動回路、70…表示パネル、80…第一補正走査回路、90…第二補正走査回路

Claims (12)

  1. 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
    前記画素アレイ部の複数の画素列を単位として配線された信号線と、
    前記複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素に対して前記信号線を通して映像信号を時系列で供給する信号供給部と、
    前記信号線を通して時系列で供給される前記映像信号の前記複数の画素への書き込み駆動を1画面表示周期内で時分割にて行う書き込み駆動部と
    を備えたことを特徴する表示装置。
  2. 前記画素アレイ部の画素行ごとに前記複数の画素に対応する本数ずつ配線され、前記書き込みトランジスタを駆動する書き込み信号を前記複数の画素の各々に伝送する複数の走査線と、
    前記画素アレイ部の画素行ごとに1本ずつ配線され、前記電気光学素子の発光/非発光を制御する発光制御信号を前記複数の画素に伝送する発光制御線とを有し、
    前記書き込み駆動部は、
    前記書き込み信号を前記複数の走査線の各々を通して前記複数の画素に対して時分割にて順番に供給する書き込み走査回路と、
    前記書き込み走査回路による走査に同期して、前記発光制御信号を前記1本の発光制御線を通して前記複数の画素の各々に対して共通に供給する発光駆動走査回路とからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記画素アレイ部の画素行ごとに1本ずつ配線され、前記書き込みトランジスタを駆動する書き込み信号を前記複数の画素に伝送する走査線と、
    前記画素アレイ部の画素行ごとに前記複数の画素に対応する本数ずつ配線され、前記電気光学素子の発光/非発光を制御する発光制御信号を前記複数の画素の各々に伝送する複数の発光制御線とを有し、
    前記書き込み駆動部は、
    前記書き込み信号を前記1本の走査線を通して前記複数の画素に対して共通に供給する書き込み走査回路と、
    前記書き込み走査回路による走査に同期して、前記発光制御信号を前記複数の発光制御線の各々を通して前記複数の画素の各々に対して供給する発光駆動走査回路とからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記書き込みトランジスタは、前記複数の画素に対して共通に設けられ、前記1本の走査線を通して供給される前記書き込み信号に基づいて前記映像信号を前記複数の画素に書き込む
    ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
  5. 前記画素アレイ部の画素行ごとに1本ずつ配線され、前記電気光学素子の発光/非発光を制御する発光制御信号を前記複数の画素の各々に伝送する発光制御線を有し、
    前記発光制御線を上下の画素行の特定の位置関係にある2つの画素間で共通に使用する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  6. 前記2つの画素は、隣接する画素列に属する位置関係にある
    ことを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  7. 前記2つの画素は、同じ画素列に属する位置関係にある
    ことを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  8. 前記駆動トランジスタの閾値電圧の画素ごとのばらつきを補正する閾値補正動作を、前記2つの画素間で同時に行う
    ことを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  9. 前記書き込みトランジスタによる前記映像信号の書き込み動作および前記駆動トランジスタの移動度の画素ごとのばらつきを補正する移動度補正動作を、前記2つの画素間で順番に行う
    ことを特徴とする請求項8記載の表示装置。
  10. 前記信号供給部は、前記信号線について複数本を単位とし、当該単位となる複数本の信号線に対して前記映像信号を時分割にて選択的に供給する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  11. 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部を備えた表示装置において、
    前記画素アレイ部の複数の画素列を単位として信号線を配線し、
    前記複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素に対して前記信号線を通して映像信号を時系列で供給し、
    前記信号線を通して時系列で供給される前記映像信号の前記複数の画素への書き込み駆動を時分割にて行う
    ことを特徴する表示装置の駆動方法。
  12. 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
    前記画素アレイ部の複数の画素列を単位として配線された信号線と、
    前記複数の画素列に属する同一画素行の複数の画素に対して前記信号線を通して映像信号を時系列で供給する信号供給部と、
    前記信号線を通して時系列で供給される前記映像信号の前記複数の画素への書き込み駆動を時分割にて行う書き込み駆動部と
    を備えた表示装置を有することを特徴とする電子機器。
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