JP2009203972A - 酸素噴射式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ損失や不整燃焼などをなくして内燃機関の熱効率を向上させる事であり、排ガス中のNOxの発生をなくす事である。
更には熱効率の高い予混合圧縮着火燃焼の運転領域を拡大することである。
【解決手段】2サイクル機関において酸素供給容器15を備え、この酸素供給容器15からの酸素を噴射する酸素噴射弁29と燃料を噴射する燃料噴射弁28とを備えると共にシリンダー内の既燃ガスを排出する排気弁22を備え、更に燃料噴射弁28から1回目の噴射以降の適当な時期にもう一度燃料を噴射して点火プラグ27の周辺に着火可能な可燃混合気を形成し、かくして点火プラグ27による火花点火燃焼により予混合圧縮着火燃焼を引き起し、かつ機関の運転状態に応じて排気弁22の閉弁時期を可変動弁装置4により変化させて実圧縮比を可変化する様に構成する。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
産業上の利用分野
本発明は酸素ボンベ等の酸素供給容器を備えた内燃機関に係わり、更に詳しくは予め燃料と酸素とを混合させた混合気を形成しておき、これをピストンの圧縮作用により圧縮(自己)着火させる内燃機関に関するものである。
一般に4サイクル内燃機関ではスロットル弁により吸入空気を絞って出力を制御している為、ポンプ損失が大で、熱効率が大幅に悪化する。他方、2サイクル内燃機関ではクランク室圧縮やルーツブロワ駆動に伴なう掃気作用の際の損失やアイドル状態を含む低負荷域での不整燃焼の為に、やはり熱効率が大幅に悪化する。更にこれらの内燃機関ではNOx低減の為に三元触媒やリーン型NOx触媒を使う必要があり、Pt,Pdなどの貴金属を多く使用する為、資源的にも問題があった。これらの問題を解決する為の手法として予め燃料と空気とを混合させて混合気を形成しておき、ピストンの圧縮作用により圧縮(自己)着火させる予混合圧縮着火燃焼法が提唱されており、これによると熱効率は大幅に向上し、確かにNOxの発生も極めて微量になる。しかしこの燃焼方式では投入燃料量が少ない時は失火や燃焼未完結が発生し、投入燃料量が多くなると圧力上昇率が過大となってノックが発生し、この失火発生とノック発生とを回避する限定された領域でしか運転できないと云う欠点がある。
発明が解決しようとする問題点
本発明の目的は、ポンプ損失や不整燃焼などをなくして内燃機関の熱効率を向上させる事であり、排ガス中の有害成分であるNOxの発生をなくす事である。更には熱効率の高い予混合圧縮着火燃焼の運転領域を大幅に拡大する事である。
問題点を解決する為の手段
本発明は上記目的を達成する為、第1の発明ではクランク軸1回転毎に1回の膨張仕事が得られる2サイクル内燃機関において、酸素供給容器を備え、この酸素供給容器からの酸素を噴射する酸素噴射弁と燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えると共にシリンダー内の既燃ガスを排出する排気弁を備え、更に機関の所定の運転領域において燃料噴射弁から1回目の噴射以降の適当な時期にもう一度燃料を噴射して点火プラグ周辺に着火可能な可燃混合気を形成し、かくして前記所定の運転領域において点火プラグによる火花点火燃焼により予混合圧縮着火燃焼を引き起し、かつ機関の運転状態に応じて排気弁の閉弁時期を可変動弁装置により変化させて実圧縮比を可変化する様にした。そして第2の発明では吸気・圧縮・膨張・排気の各行程を有する4サイクル内燃機関において、酸素供給容器を備え、この酸素供給容器からの酸素を噴射する酸素噴射弁と燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えると共にシリンダー内から排気弁を介して排出された既燃ガスを冷却する冷却器を備えて、この冷却器により冷却された既燃ガスを吸入弁を介してシリンダー内に導入する様にし、更に機関の所定の運転領域において燃料噴射弁から1回目の噴射以降の適当な時期にもう一度燃料を噴射して点火プラグ周辺に着火可能な可燃混合気を形成し、かくして前記所定の運転領域において点火プラグによる火花点火燃焼により予混合圧縮着火燃焼を引き起し、かつ機関の運転状態に応じて吸気弁の閉弁時期を可変動弁装置により変化させて実圧縮比を可変化する様にした。
図1(イ)は本発明による酸素噴射式内燃機関(2サイクル機関)の一実施例で、ここでは多気筒機関とし、その1断面を図1(ロ)に、図1(ロ)を上方から見て図1(ハ)に排気弁22、点火プラグ27、燃料噴射弁28、酸素噴射弁29などのレイアウトを示す。1は酸素噴射式内燃機関(本体)である。酸素供給容器15(例えば350気圧、更には700気圧程度に圧縮された酸素が充填された酸素ボンベから成る)からの酸素はプレッシャーレギュレーター16によって一定圧力に調整された後にサージタンク17に到り、更に酸素噴射弁29からシリンダー内に噴射される。サージタンク17には圧力センサー18が取り付けられ、酸素噴射弁29へ供給する酸素圧力を検出する手段として用いられる。シリンダーヘッドには排気弁22(ポペット弁)、シリンダー内に燃料を噴射する燃料噴射弁28、酸素を噴射する酸素噴射弁29、燃焼室20内に形成された混合気に火花点火する点火プラグ27が備えられ、排気弁22はカム軸24に形成されたカム25により例えばピボット式ロッカーアーム26を介して駆動される。ピストン19の下降行程では燃焼室20内の高圧燃焼ガスによりピストン19は膨張仕事を行ない、下死点前の所定のクランク角度で排気弁22が開き(排気ブローダウン)、下死点後の所定のクランク角度で排気弁22が閉じる様になっている(多量の既燃ガスがシリンダー内に閉じ込められる)。燃料噴射弁28からの燃料噴射及び酸素噴射弁29からの酸素噴射はピストン19の上昇行程中の適当な時期に行なわれ、各々の噴射開始時期は排気弁22が閉じる前が閉じた後とするが、前者の場合は排気通路23への素通りがない様にする(酸素噴射弁29の噴射開始時期が排気弁22の閉じる前の場合は、酸素噴射によりシリンダー内掃気が行なわれる事になる)。燃料及び酸素が噴射された後のシリンダー内ガス組成は、従来の2サイクル機関において燃料と空気との混合気をシリンダー内に導入して掃気しておき、この中の窒素を既燃ガスで置き換えたガス組成と同じであり、燃料噴射弁28から噴射された燃料との混合気はピストン19の上昇行程による圧縮作用を受け、上死点又はそれより若干手前で着火・燃焼する。この場合、混合気の着火は圧縮(自己)着火か又は点火プラグ27による火花点火となる(エンジン負荷、回転速度等の運転条件により異なる)。かくしてクランク軸1回転毎に1回の膨張仕事が得られる。4は開弁期間は変えずに排気弁22の開閉時期を変化させる公知のバルブタイミング可変装置(可変動弁装置)で、ハウジング6とローター7とから成り、ハウジング6はプーリー5(又はスプロケット)とボルトにより結合・一体化されており、ローター7はカム軸24とボルトにより結合・一体化され、プーリー5はクランク軸2によりベルト3(又はチェーン)を介して回転比1/1で駆動される。ハウジング6及びローター7により進角室8と遅角室9とが形成され、油圧制御弁10からの作動油が供給される。油圧制御弁10は図示しない油圧ポンプからの油圧が供給され、後述する電子制御ユニット(以後ECU)14からの出力信号により軸方向への移動量が電磁ソレノイドにより駆動制御されるプランジャー11とスプール弁12とバネ13とを有しており、バネ13の反発力とプランジャー11の押圧力とが均衡する位置でスプール弁12が位置決めされる様になっている。ECU14には所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサーからの信号、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサーからの信号が入力され、ECU14はカム角センサーから出力される回転角パルスとクランク角センサーから出力されるクランク角パルスとの間の出力位相差に基づきカム位相角を検出する事ができる。ECU14はローター7の、即ちカム軸24のクランク軸2に対する位相角が目標値となる様に油圧制御弁10に制御信号を出力する。そしてECU14は検出したカム位相角をフィードバック信号として取り込み、その制御上の目標位相角との間の偏差に応じて油圧制御弁10の駆動デューティ比率をフィードバック制御する。油圧制御弁10はECU14から指示されるデューティ比率に応じて電磁ソレノイドを駆動し、進角室8、遅角室9に対する油圧の給排を調整してカム軸24を目標位相角まで進角又は遅角、或いは中立に保持する(任意のカム位相角に固定)。ECU14はROM、RAM、CPU、入力ポート、出力ポート等から成るマイクロコンピューターを中心として構成され、これらは双方向性バスによって相互に接続されている。ECU14にはエンジンの運転状態の把握に必要なパラメーター用の各種センサー、例えば所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサー、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサー、アクセル開度を検出するアクセルセンサー、エンジン冷却水温を検出する水温センサー、大気圧センサー、サージタンク17内の酸素圧力を検出する圧力センサー18、排ガス中の酸素濃度を検出するOセンサー、ノックセンサー等からの各出力信号が対応するA/Dコンバーターを介して入力ポートに送信される。尚、エンジン回転速度は前記クランク角センサーからの出力信号により知る事ができる。又、出力ポートは燃料噴射弁28、酸素噴射弁29、点火プラグ27、プレッシャーレギュレーター16、油圧制御弁10等と各々対応する駆動回路を介して接続され、各々の制御信号を送信する。ROMには燃料噴射弁28や酸素噴射弁29の噴射量や噴射時期を決定する為の制御ルーチン、点火プラグ27への通電を制御する為の制御ルーチン等のエンジンを制御する為の制御ルーチンやそれらに用いられる制御値を含むマップが記憶されている。RAMには上記センサーからの出力信号やCPUの演算結果等(例えばエンジン回転速度等)が記憶されている。RAMに記憶されている各種データはエンジン回転速度センサーが信号を出力する度に最新のデータに書き換えられる。CPUはROMに記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し、燃料や酸素の噴射制御、点火時期制御等を実行する。
本発明では可変動弁装置4により予混合圧縮着火燃焼の運転領域が従来より大幅に拡大できるが、ECU14はエンジン負荷、回転速度などの運転条件により図3に示す点火プラグ27による火花点火燃焼と予混合圧縮着火燃焼とを切り換える様にしている。点火プラグ27による火花点火燃焼は従来通りなので説明は省略し、予混合圧縮着火燃焼について説明する。図2はエンジン各運転状態における排気弁22の開閉時期変化を示す図であり、エンジンアイドル状態では図2(イ)の如く排気弁22の開弁時期、閉弁時期を下死点を中心に左右対称とし、実圧縮比(排気弁閉時での圧縮)及び実膨張比(排気弁開時での膨張比)を各々14程度とする。本発明では通常の2サイクル機関の様な掃気は行わないから、排気弁閉時でシリンダー内に多量の高温既燃ガスが閉じこめられる(燃料の燃焼に必要なものは酸素だけであるから、その必要分を酸素噴射弁29から噴射すれば良い)。これにより圧縮端温度(圧縮上死点でのガス温度)が大幅に高まり、かつ排気弁閉時から圧縮上死点までの期間が短かく、シリンダー壁面への熱伝達損失が殆どないから、圧縮端温度は飛躍的に高まる。その上、実圧縮比は14程度と高圧縮比であるから、燃料が圧縮(自己)着火を起す温度(ガソリンの場合ではほぼ1000°k)には十分に達し、かくして予混合圧縮着火燃焼を行なう事ができる。使用燃料によってはこれでも圧縮(自己)着火が起らない事も考えられ、その場合は排気絞り弁30による排気絞りを行なう。即ち、図1(ハ)の如く排気通路23に備えられた排気絞り弁30により排気絞りを行なうと、排気弁22の開弁直後の排気ブローダウンが緩やかに行なわれ(排ガスの温度低下が抑えられる)、排気弁22の閉弁時にシリンダー内に閉じ込められる既燃ガス量が増すので、圧縮端温度が上昇し、予混合圧縮着火燃焼が起り易くなるのである。排気絞り弁30はエンジン負荷、回転速度、冷却水温等によってその開度が最適制御されるが、これは電動アクチュエーター(モーター)31によって為され、ECU14は予め与えられた所定の特性に基づいて排気絞り弁30の開度を演算し、電動アクチュエーター31の回転角を制御する。
尚、この排気絞りはエンジン冷態時にも行なう様にすると良い。
エンジン低負荷域では燃料噴射量が増して排ガス温度も高まるから(依然として多量の高温既燃ガスが閉じ込められる)、図2(ロ)の如く実圧縮比を12程度としても予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる。この時、実膨張比は15.5位となり、実圧縮比より大であるから、熱効率向上に寄与する。エンジン低負荷域でもエンジン回転速度が高くなるほど、燃料の圧縮(自己)着火の発現が相対的に遅れるから、実圧縮比は高くなる様に制御される。エンジン中負荷域では燃料噴射量が多くなり、排ガス温度も一段と高まるから(依然として多量の高温既燃ガスがシリンダー内に閉じ込められる)、図2(ハ)の如く排気弁22の閉弁時期を遅らせて実圧縮比を10程度としても、予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる。この時、実膨張比は16.4位となって高膨張比化するから、熱効率向上に大きく貢献する。エンジン中負荷域でも低負荷域と同様にエンジン回転速度が高くなる程、実圧縮比は高くなる様に制御される。エンジン高負荷域では燃料噴射量が更に多くなり、排ガス温度も高温となるから(しかも多量の高温既燃ガスがシリンダー内に閉じ込められる)、ノック回避の為に図2(ニ)の如く実圧縮比を6〜7程度としても予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる(この時、実膨張比は17位となる)。一般に予混合圧縮着火燃焼では高負荷域ではノックの発生により運転不能となるが、本発明では実膨張比が17位と大で(排ガス温度が低下する)ある一方、実圧縮比は6〜7程度と低いので(しかも多量の既燃ガスが内部EGRとして閉じ込められている)、ノックは起らない。しかし、この予混合圧縮着火燃焼はエンジン高負荷域でも比較的前段階までで、それ以上の負荷域ではノックの発生は避けられず、従って通常の点火プラグによる火花点火燃焼に切り換える(ECU14は図3を参照して切り換える)。この運転領域では実圧縮比は10程度(実膨張比は16.4位)とするが(多量の既燃ガスが内部EGRとして閉じ込められているから、ノック抑止効果によりノックの発生はない)、燃料噴射量、酸素噴射量も多く燃焼は良好で、不整燃焼は起らない。以上の如く可変動弁装置4により排気弁22の開閉時期を変化させる事により実圧縮比、実膨張比をエンジンの運転状態に応じて適正に制御し、排ガス温度、圧縮端温度を適正制御しつつ予混合圧縮着火燃焼を行なわせると共に、ノックの発生を抑止しているのである。エンジン始動時は点火プラグ27による火花点火燃焼にて行なうが、エンジン冷態時は予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事は困難と考えられる。そこで図1(ロ)、(ハ)において、燃料噴射弁28から一回目の燃料噴射以降に、例えば上死点付近の適当な時期にもう一度燃料を噴射(少量噴射)して、点火プラグ27の周辺に着火可能な可燃混合気を形成する様にするのである。この場合、一回目の燃料噴射は排気弁22の閉弁直後に行なう。即ち、ピストン19が上死点に近づくとスキッシュ流により燃焼室20には矢印の如く回る渦流が形成されるから、燃焼室20の壁面21と平行に燃料を噴射すれば(矢印Fの方向に噴射)点火プラグ27の周辺に可燃混合気が形成され、点火プラグによる火花点火燃焼が可能となり、燃焼室20内に圧力上昇、温度上昇が引き起され、これが引き金となって予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができるのである(この場合、酸素噴射の際は若干過剰の酸素を噴射しておく事は言うまでもない――こうしても排気弁閉時にこの過剰に噴射された酸素がかなりシリンダー内に閉じ込められて回収されるから、結果的に酸素消費量は殆ど増える事はない。以上は図4の場合も同様である)。
使用燃料によってはエンジン冷態時にはこれでも予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事が困難な場合も考えられ、その場合は図2(ホ)の如く排気弁22の開閉時期を進めて(早めて)、例えばアイドル状態では実圧縮比を16程度と高圧縮比化する事が望ましい(実膨張比は11位となる)。こうすると実膨張比は11位と低膨張比であるから、シリンダー内に閉じ込められる排ガスは高温であり、実圧縮比は16程度と高圧縮比なので、その相乗効果により圧縮端温度は十分に高まり、予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる。
エンジン冷態時でも負荷の上昇に従って実圧縮比は低下させる事は言うまでもない。以上の様な点火プラグ27による火花点火燃焼を引き金として予混合圧縮着火燃焼を行なわせる手法はエンジン暖機後のアイドル状態に適用する事もできる。更にはエンジン高負荷域においても適用可能で、点火プラグ27による火花点火燃焼を膨張行程(初期)に行なわせる様にすれば、予混合圧縮着火燃焼を行なわせてもノックの発生が避けられる為、予混合圧縮着火燃焼の運転領域をより高負荷側へ拡大する事ができる。以上の考えを更に進めて前記手法をエンジンの全運転域に適用する事も可能である。又、この手法は点火プラグの点火時期により燃焼を制御できる利点があると共に、NUxの発生が全くない特長もある(空気を作動流体とする従来の方法ではNOxが増加する欠点があり、実際は実用化する上で問題がある)。
図4(イ)は本発明によるもう1つの酸素噴射式内燃機関を示し、4サイクル式であり、その1断面を図4(ロ)に、図4(ロ)を上方から見て図4(ハ)に排気弁44、吸気弁48、点火プラグ27′、燃料噴射弁28′、酸素噴射弁29′などのレイアウトを示す。15は酸素供給容器、16はプレッシャーレギュレーター、17はサージタンク、10′は油圧制御弁、14′はECU、4′は可変動弁装置で、これらは図1で説明した通りなので、省略する。但し、4サイクル式であるから、可変動弁装置4′はクランク軸2′の回転の1/2に減速して駆動される。排気弁44はカム軸45に形成されたカム46により駆動され、吸気弁48は同じくカム軸45に形成された図示しないカムによりロッカーアーム47を介して駆動される。排気行程(ピストンは上昇)では排気弁44は開いており、シリンダー内の既燃ガスは排出通路32(各気筒毎に備えられる)、連絡通路37(各気筒に共通)を介してサージタンク42の方へ流れ、少量の部分が放出通路34の方へ流れる様になっている(大気中放出)。続く吸気行程(ピストンは下降)では排気弁44は閉じ、吸気弁48が開いて、サージンク33、連絡通路37を介してサージタンク42に導入された既燃ガスが吸入通路43(各気筒毎に備えられる)、吸気弁48を介してシリンダー内に吸入され、圧縮行程(ピストンは上昇)では吸気弁48も閉じてシリンダー内に閉じ込められた既燃ガスがピストンによって圧縮され、上死点又はそれより若干手前で内部の混合気が着火・燃焼する。この場合、混合気の着火は圧縮(自己)着火か又は点火プラグ27′による火花点火となる(エンジン負荷、回転速度時の運転条件により異なる)。この後は膨張行程(ピストンは下降)に移り、燃焼室20′内の高温・高圧の燃焼ガスが膨張し、かくしてクランク軸2回転毎に1回の膨張仕事が得られる。燃料噴射弁28′からの燃料噴射は圧縮行程中とするか、吸気行程中としても良い(後者の場合は燃料噴射弁28′を吸入通路43に備える事ができる)。酸素噴射弁29′からの酸素噴射についても同様とし、これらの燃料噴射及び酸素噴射によって混合気が形成されるのである。冷却器36は排出通路32、サージタンク33からの既燃ガスが通る多数のパイプを有し、それらの周囲をクーラントが取り囲む構造で、この既燃ガスをクーラントとの熱交換により冷却して吸入通路43の方へ送る為のもので、冷却器36をバイパスするバイパス通路38及び制御弁39(冷却器36の入口部35に備えられている)、制御弁40が備えられ、制御弁39、40の開度を調整する事によって吸入通路43、吸気弁48を介してシリンダー内に吸入される既燃ガスの温度を制御する様になっている。即ち、制御弁39、40は例えばリンク機構により互いに連結されており、制御弁39の開度を大として制御40の開度を小とする程、吸入通路43からシリンダー内に吸入される既燃ガスの温度は低下する。ECU14′は予め与えられた特性に基づいて制御弁40の開度を演算し、電動アクチュエーター41の回転角を制御する。これにより制御弁40、39の開度はエンジン負荷、回転速度、冷却水温等によって最適制御される。既に述べたが本発明では次の理由により予混合圧縮着火燃焼の運転領域を大幅に拡大する事ができる。即ち、本発明では吸気弁48の閉弁時に多量の高温既燃ガスが内部EGRとしてシリンダー内に閉じ込められること、従来の様に冷たい空気を吸入しない事によるシリンダー内ガス冷却がないこと、更には実圧縮比を自在に可変化(必要なだけ高める)できることなどから圧縮端温度が大幅に高まり、燃料の(自己)着火温度に到達させる事ができる。この為、エンジンアイドル状態や低負荷域では吸気弁48、排気弁44の開閉時期を図5(イ)、(ロ)の如く制御して実圧縮比(吸気弁48の閉弁時での圧縮比)を高めると共に(例えば実圧縮比を14、12とするなど)、制御弁39を全閉(又はほぼ全閉)、制御弁40を全開(又はほぼ全開)として吸入通路43からシリンダーに吸入される既燃ガスを冷却しない様にできるから、圧縮端温度が十分に高まり、予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる。
エンジン中負荷域や高負荷域では吸気弁48、排気弁44の開閉時期を図5(ハ)の如く制御して実膨張比(排気弁44の開弁時での膨張比)を例えば16.4〜17位と高め(これは排ガス温度低下につながる)、実圧縮比を低くするので(10又はそれ以下、例えば7位に下げる――高膨張比化により大幅に熱効率が向上する)、圧縮端温度は適正に保たれ、予混合圧縮着火燃焼を行なわせると共に、従来では発生したノックを回避する事ができる。エンジン低・中・高負荷域でも回転速度が高い領域ほど燃料の自己着火の発現が遅れるから、吸気弁48、排気弁44の開閉時期を制御して実圧縮比を高める様にする。制御弁40はエンジン負荷の増大に従って閉じる様に制御し(制御弁39は逆に開く様に制御)、高負荷域では全閉とする(制御弁39は全開)。この予混合圧縮着火燃焼はエンジン高負荷域でも前段階までで、それ以上の負荷域ではノックの発生の為、通常の点火プラグによる火花点火燃焼に切り換える(ECU14′は図3を参照して切り換える)、この領域では燃焼条件は良好であり、点火プラグによる着火・燃焼に何ら問題はない。
エンジン始動時は点火プラグ27′による火花点火燃焼にて行なうが、エンジン冷態時は予混合圧縮着火燃焼は困難と考えられる。そこで図4(ロ)、(ハ)の如く燃料噴射弁28′から1回目の燃料噴射以降に、例えば上死点付近の適当な時期にもう一度燃料を(少量)噴射して、点火プラグ27′の周辺に着火可能な可燃混合気を形成する様にするのである(これは既に図1で説明したので、省略する)。かくしてこの点火プラグ27′による火花点火燃焼が引き金となって予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる。この場合も図5(ニ)の如く吸気弁48、排気弁44の開閉時期を進めて(早めて)、例えばアイドル状態では実圧縮比を16程度と高圧縮比化して(実膨張比は11位となる)より予混合圧縮着火燃焼を確実に行なわせる様にしても良い(これも既に図1で説明した)。又、以上の点火プラグ27′による火花点火燃焼を引き金として予混合圧縮着火燃焼を行なわせる手法は、エンジン暖機後のアイドル状態にも、更には高負荷域にも(更に進めて全運転域にも)適用して予混合圧縮着火燃焼の運転領域を拡大する事ができる(これも既に説明した)。
ところで本発明では吸気弁48や排気弁44、22の開閉時期を変化させて実圧縮比や実膨張比を可変化しているが、図1に示したものの他に多くの公知の可変動弁装置を用いる事ができる。例えば特開平8−177434号公報にはヘリカルスプラインを軸方向に移動させてカム位相角を変えるものが開示され、電磁式又は電動式にカム位相角を変えるものが特開2001−164951号公報、特開2003−278514号公報、特開2007−100681号公報に開示されている。
これらはいずれも開弁期間は変えずに開閉時期を変えるものである。更には立体カム(平面カムを多段に並べたものも含む)を用い、これを油圧式又は電磁式アクチュエーターによりECU14(14′)からの制御信号によって軸方向にスライドさせる方法(公知)も考えられる。図6(イ)は電磁式可変動弁装置を示すもので、ハウジング49にはリング状に形成された電磁石51、52が弁軸と一体となったプランジャー50を挟んで対向した状態で配置されている。電磁石51、52の中空部にはバネ53、54がプランジャー50を挟んで取り付けられ、この為、排気弁22はバネ53、54の力のバランスによって弁リフトの中間位置に静止する。電磁石51が磁励されるとプランジャー50が上方へ引き付けられて排気弁22は閉弁し、電磁石52が磁励されるとプランジャー50が下方へ引き付けられて排気弁22は開弁する。
ドライバー55は排気弁22の開閉時期を指定するECU14からの制御信号に応じて電磁石51、52に交互に励磁電流を供給する。これによって排気弁22の開弁時期や閉弁時期を互いに独立的に設定できるから、自由度が増す。
次に図4に示す本発明では吸気弁48及び排気弁44の開閉時期を互いに独立的に設定できる様にすると、実圧縮比と実膨張比とを互いに独立的に可変化できるので、自由度が増して効果が大きい。これは既に述べた立体カムや図6(イ)の電磁式可変動弁装置により可能である。図6(ロ)は図4の可変動弁装置4′を用いた実施例を示す。即ち図6(ロ)において排気弁44はカム軸45Aで、吸気弁48はカム軸45Bで各々駆動され、排気弁44、吸気弁48は可変動弁装置4′A、4′Bにより各々の開閉時期を互いに独立的に設定できる様に構成され。これにより実膨張比、実圧縮比を互いに独立的に可変化できる様になる。10′A、10′Bは各々の可変動弁装置4′A、4′Bへ油圧を供給する油圧制御弁である。以上は図1にも適用される(図1(ハ)で上側の排気弁22を可変動弁装置4′Aによりその閉弁時期を制御すれば実圧縮比が可変化し、下側の排気弁22を可変動弁装置4′Bによりその開弁時期を制御すれば実膨張比が可変化する)。
図1に示す本発明において高負荷域や予混合圧縮着火燃焼から火花点火燃焼に切り換えられた運転領域を考えると、排気弁閉時にシリンダー内に閉じ込められた既燃ガスの温度が高い為、燃焼時のガス温度が高温となり、冷却損失が増大すると予想される。そこで第1の方法としてこの様な運転領域では図7(イ)に示す様に排気通路23からの既燃ガスを冷却器58で十分に冷却し、これをブロワ(ルーツ式、ファン式)57により導入弁56(排気弁22が開いて、シリンダー内圧力が十分に低下してから開弁する)を介して再びシリンダー内へ導入し、シリンダー内を全部又は部分的に掃気して圧縮始めのガス温度を下げる事が考えられる。ブロワ57はクランク軸により直接駆動するか、電動式とし、後者を採用すればON・OFF制御(不要時は停止させる)や回転速度制御(流量制御)が容易である利点がある。第2の方法としては図7(ロ)に示す様にシリンダー内から排出された排ガスを冷却器59により十分に冷却し(100℃以下に)、この冷却によって凝縮した水を集めて水ポンプ60により図示しない水噴射弁に導びいてシリンダー内に噴射し、その気化熱によりシリンダー内ガス温度を下げる方法がある。この方法は水素を燃料とする水素エンジンに適しており、前記水噴射弁の噴射時期、噴射量はECU14からの制御信号によって決定される(この方法は必要があれば図4に示す本発明にも適用され、冷却器36を利用する事によって容易に実施できる)。
図1に示す本発明においては予混合圧縮着火燃焼が起り難いのはエンジン冷態時であり(使用燃料によってはエンジン暖機後のアイドル状態でも起り難い事がある)、図1の場合では点火プラグ27による火花点火燃焼を引き金として予混合圧縮着火燃焼を行なわせていたが、燃料噴射弁28及び酸素噴射弁29から例えば上死点付近の適当な時期に各々混合させる如く噴射して(図1(ロ)の矢印Fの方向に噴射)、点火プラグ27の周辺に着火可能な可燃混合気を形成し、点火プラグ27による火花点火燃焼(成層燃焼)とする対処法も考えられる(燃料及び酸素の噴射は上死点付近であり、エンジン冷態時などでは予混合圧縮着火燃焼は行なわない)。図8に点火プラグ27、燃料噴射弁28、酸素噴射弁29等のレイアウトを示す。エンジン暖機後は図1と同様に予混合圧縮着火燃焼を行なわせる。エンジン冷態時でも、負荷が高まり圧縮端温度が十分に高まる運転領域では予混合圧縮着火燃焼を行なわせる様に制御する事は言うまでもない。以上は図4に示す本発明にも適用される。
次に図1に示す本発明において使用燃料が水素の場合を考えると、水素は超希薄混合気でも点火・燃焼が可能であるから(空気過剰率が10でも可)、どの運転領域でも点火プラグ27による火花点火燃焼を行なわせる事ができ、予混合圧縮着火燃焼に頼る必要はない(又、水素は予混合圧縮着火燃焼が困難な燃料でもある故)。但し、希薄混合気の燃焼であるので、燃焼速度が遅く、熱効率を向上させる上で問題がある。
これに対処するには図9(イ)、(ロ)に示す如く(図9(ロ)は図9(イ)を上方から見て点火プラグ27、燃焼噴射弁28、酸素噴射弁29等のレイアウトを示す部分図である)点火プラグ27を複数個(図では3個)備える事が考えられる。この場合、燃焼20″はピストン頂面に広く浅皿形として形成してある。更には図9(ハ)に示す如く点火プラグ27により点火された燃焼ガスが覆い金61に形成された複数の噴口62から燃焼室に噴出する様にする事も考えられる。噴口62から噴出する火炎の噴流はエネルギーが大で、複数の火炎の噴流であるので、四方・八方へ瞬時に燃え広がる。もちろん図9(ハ)の構造を図9(ロ)の点火プラグ27の各々に適用する事も可能である。燃料噴射弁28、酸素噴射弁29からの燃料噴射や酸素噴射は排気弁22の閉弁後に行なわれる。実圧縮比は予混合圧縮着火燃焼は行なわないから、図1の場合よりは低く(例えば低負荷域では10程度)、負荷が増すに従って低圧縮比化してゆく様に制御される。
尚、図7で述べた様に排気弁22の閉弁時でのシリンダー内ガス温度を低下させる手法を採用する事が望ましい。以上は図4にも適用される。
本発明における酸素供給容器15には予め350気圧(又は700気圧)程度の酸素を充填しておくのが一般的であるが、図10の如く酸素濃度富化装置63により空気中の酸素を濃化して圧縮機65により圧縮し、これを酸素供給容器15へ送り込む様にしても良い。この場合、できる限り酸素濃度を高めて窒素含有率を少なくする事が必要である。酸素濃度富化装置63は酸素透過膜64(例えばシリコン系ゴム膜、ポリブタジエンなどを材質とする)を有し、圧力差を与えて酸素と窒素との溶解速度の差により酸素を多く透過させるものである。この他、合成ゼオライトに窒素を吸着させる窒素吸着法による酸素濃度富化装置も考えられる。
発明の効果
本発明による酸素噴射式内燃機関では排気弁22の閉弁時に(図4では吸気弁48の閉弁時に)高温の既燃ガスが多量にシリンダー内に閉じ込められること、冷たい空気により掃気を行なわないのでシリンダー内ガス冷却がないこと(図4では冷たい空気を吸入しないこと)、実圧縮比を自在に可変化(必要なだけ高めること)できることなどの理由から予混合圧縮着火燃焼を容易に引き起す事ができる(従来では困難であったエンジンアイドル状態でも可能)。
更にエンジン冷態時には点火プラグ27(27′)周辺に可燃混合気を形成する事によって火花点火燃焼を行なわせ、これを引き金として圧縮上死点付近における燃焼室内のガス圧力・温度を高めるので、エンジン冷態時でも予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる(従来は到底不可能)。
又、エンジン高負荷域では実圧縮比を下げる(実膨張比の方は高くなり、これは排ガス温度の低下につながり、好ましい循環を生む)ので、予混合圧縮着火燃焼域におけるノックを回避する事ができ、予混合圧縮着火燃焼域を高負荷側に拡大する効果を生む。そしてエンジン回転速度が高まる程、実圧縮比を高くして燃料の自己着火の発現の遅れを防ぐので、これも予混合圧縮着火燃焼域を拡大する効果を生む。以上の様に本発明によれば予混合圧縮着火燃焼の運転領域を大幅に拡大する事ができる。この予混合圧縮着火燃焼は超希薄混合気でも燃焼可能な燃焼速度の大きい低温急速燃焼法である。従って、冷却損失が少なく、スロットル弁により吸気を絞って出力を制御する必要がない為、即ち燃料噴射量により出力制御が可能で、ポンプ損失がなくなり、熱効率の大幅向上が可能である。かつ2サイクル機関特有のアイドル時や低負荷域における不整燃焼も起らず、クランク室圧縮やルーツブロワなどの駆動々力も0なので(空気によりシリンダー内を掃気しなくても酸素は酸素噴射弁29(29′)から供給される)、熱効率の更なる向上が可能である。
更には実圧縮比に対して実膨張比を大として高膨張比化できるので(従来ではこの様にすると出力低下となるが、本発明では必要なだけ酸素と燃料を噴射すれば良いから、出力低下は起らない)、熱効率の向上幅は非常に大となる。本発明では空気を作動流体としないから、NOxの発生は完全に0であり、高価な三元触媒やリーン型NOx触媒が不要で、Pt、Pdなどの貴金属資源問題も生じない。排ガス中の他の有害成分であるHC、COは酸化触媒により浄化が可能で、特に図4に示す本発明では冷却器36の冷却作用により排ガスの体積縮小が起り、排出道路32から排出された排ガスの全部又は殆どを吸入通路43からシリンダー内に再吸入して回収でき、その為に排ガス中のHC、COの全部又は殆どを再燃焼させる事ができるので、場合によってはこの酸化触媒さえも不要とする事ができる(図1の2サイクル機関においても排気弁閉時には多量の排ガスをシリンダー内に閉じ込めてHC、COを再燃焼できる為、排出HC、COは元来少ない)。
本発明による酸素噴射式内燃機関の図。 排気弁の開閉時期変化を示す図。 予混合圧縮着火燃焼の運転領域を示す図。 本発明による酸素噴射式内燃機関(4サイクル式)の図。 吸気弁、排気弁の開閉時期変化を示す図(4サイクル機関であるから、クランク軸2回転に1回の開閉動作を繰り返す)。 可変動弁装置を示す図。 本発明による酸素噴射式内燃機関の各種実施例の図。 点火プラグ、燃料噴射弁、酸素噴射弁などのレイアウトを示す図。 水素を使用燃料とする内燃機関を示す図。 酸素濃度富化装置を示す図。
符号の説明
1は酸素噴射式内燃機関本体、2・2′はクランク軸、3はベルト(チェーン)、4・4′・4′A・4′Bは可変動弁装置、5はプーリー(スプロケット)、6はハウジング、7はローター、8は進角室、9は遅角室、10・10′・10′A・10′Bは油圧制御弁、11はプランジャー、12はスプール弁、13はバネ、14・14′はECU、15は酸素供給容器、16はプレッシャーレギュレーター、17はサージタンク、18は圧力センサー、19はピストン、20・20′・20″は燃焼室、21は燃焼室の壁、22は排気弁、23は排気通路、24・45はカム軸、25・46はカム、26・47はロッカーアーム、27・27′は点火プラグ、28・28′は燃料噴射弁、29・29′は酸素噴射弁、30は排気制御弁、31は電動アクチュエーター、32は排出通路、33・42はサージタンク、34は放出通路、35は入口部、36は冷却器、37は連絡通路、38はバイパス通路、39・40は制御弁、41は電動アクチュエーター、43は吸入通路、44は排気弁、48は吸気弁、49はハウジング、50はプランジャー、51・52は電磁石、53・54はバネ、55はドライバー、56は導入弁、57はブロワ、58は冷却器、59は冷却器、60は水ポンプ、61は覆い金、62は噴口、64は酸素透過膜、65は圧縮機、63は酸素濃度富化装置である。

Claims (2)

  1. クランク軸1回転毎に1回の膨張仕事が得られる2サイクル内燃機関において、酸素供給容器を備え、この酸素供給容器からの酸素を噴射する酸素噴射弁と燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えると共にシリンダー内の既燃ガスを排出する排気弁を備え、更に機関の所定の運転領域において燃料噴射弁から1回目の噴射以降の適当な時期にもう一度燃料を噴射して点火プラグ周辺に着火可能な可燃混合気を形成し、かくして前記機関の所定の運転領域において点火プラグによる火花点火燃焼により予混合圧縮着火燃焼を引き起し、かつ機関の運転状態に応じて前記排気弁の閉弁時期を可変動弁装置により変化させて実圧縮比を可変化する様にした事を特徴とする酸素噴射式内燃機関。
  2. 作動流体の吸気・圧縮・膨張・排気の各行程を有する4サイクル内燃機関において、酸素供給容器を備え、この酸素供給容器からの酸素を噴射する酸素噴射弁と燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えると共にシリンダー内から排気弁を介して排出された既燃ガスを冷却する冷却器を備えて、この冷却器により冷却された既燃ガスを吸入弁を介してシリンダー内に導入する様にし、更に機関の所定の運転領域において燃料噴射弁から1回目の噴射以降の適当な時期にもう一度燃料を噴射して点火プラグ周辺に着火可能な可燃混合気を形成し、かくして前記機関の所定の運転領域において点火プラグによる火花点火燃焼により予混合圧縮着火燃焼を引き起し、かつ機関の運転状態に応じて前記吸気弁の閉弁時期を可変動弁装置により変化させて実圧縮比を可変化する様にした事を特徴とする酸素噴射式内燃機関。
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