JP2009203710A - 簡易保管庫の蓋開閉機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保管庫の筺体に水平方向にスライド移動して開閉する蓋部3を鍵Cによって開閉可能とした保管庫の蓋開閉機構であって、鍵部2は鍵Cの回動を上下運動に変える移動部材262を有する上下移動機構が設けられるとともに鍵抜差し可能位置に戻るようなバネが組み込まれたディスクタンバラー錠を用い、移動部材262が前記蓋部3が開けられて移動した際には、該移動部材262の移動経路中に鍵Cが鍵抜差し可能位置に戻ることを阻止する位置に阻止部材を挿入する鍵回動阻止機構を設け、蓋部3を完全に閉じる場合にだけ前記蓋部3が移動する押圧力により前記移動経路中の阻止部材を待機位置に後退させ、鍵抜差し可能位置に戻るようにして、蓋部3が開いている時の鍵部2の鍵に対して鍵抜きを防止する鍵抜防止機構を設ける。
【選択図】図9
Description
従来の簡易保管庫は、例えば、本出願人も意匠登録第1115229号(特許文献1)として提案しているが、図12に示すよおに、保管庫の全体の形状は床頭台Aの引き出しBの中に収まるように、奥に細長い形状で保管庫の筺体イに水平方向にスライド移動して開閉する蓋部dを鍵部eに鍵を差し込んで開閉可能としたものである。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、簡易保管庫の蓋部が開いている場合には、常に鍵部から鍵が抜けないようにした簡易保管庫の蓋開閉機構を提供するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の簡易保管庫の蓋開閉機構において、前記鍵部は鍵の回動を上下運動に変える移動部材を有する上下移動機構が設けられるとともに鍵抜差し可能位置に戻るようなバネが組み込まれたディスクタンバラー錠を用い、前記移動部材が前記蓋部が開けられて移動した際には、該移動部材の移動経路中に鍵が鍵抜差し可能位置に戻ることを阻止する位置に阻止部材を挿入する鍵回動阻止機構を設け、該蓋部を完全に閉じる場合にだけ前記蓋部が移動する押圧力により前記移動経路中の阻止部材を待機位置に後退させ、鍵抜差し可能位置に戻るようにしたことを特徴とする。
また、請求項2の発明の簡易保管庫の蓋開閉機構によれば、鍵部の移動部材の移動経路中に鍵が鍵抜差し可能位置に戻ることを阻止する位置に阻止部材を挿入する阻止機構であるので、既存の簡易保管庫の蓋開閉機構に付加することも可能であり、既存の簡易保管庫を改造することで経費を安価にすることが可能である。
図1(a)に示すように、病院等のベッド近傍には床頭台Aが配置され、その床頭台Aの引き出しBの中には、財布や貴重品等を保管する簡易保管庫1が収納されているが、保管庫1の全体の形状は床頭台Aの引き出しBの中に収まるように、奥に細長い形状で保管庫の筺体12の上側には水平方向に前後方向にスライド移動して開閉する蓋部3が設けられ、筺体12の手前側には鍵部2が設けられている。蓋部3を後方にスライドして簡易保管庫の蓋部3を開くには、図1(b)に示すように、鍵部2の鍵穴21に鍵Cを差し込んで、鍵Cを回動(矢印a)して蓋部3と筺体12側の鍵部2の蓋係止機構4(図9参照)の係止状態を解除して、蓋部3の把持部31を手で奥に移動(矢印d)させて全開する。
図2(a)に示すように、鍵Cを45°程度時計方向(矢印a:角度:X2)に回動して蓋部3を開け、この際、鍵部2はに鍵抜差し可能位置(角度:X1)に戻る(矢印b)ようなバネが組み込まれたディスクタンバラー錠であるので、鍵Cは自動的に抜差し可能位置(角度:X1)に戻るように左方向(矢印b)に回動するが、後述するように鍵回動阻止機構5(図11参照)を設けて、鍵Cが抜差し可能位置(角度:X1)に戻る手前の待機位置である鍵回動位置(角度:X3)で止まるようにし、使用者が把持部31を手前に引き蓋部3を完全に閉じる状態にする場合(図1矢印e)だけ、鍵回動阻止機構の鍵回動を自由にして、鍵抜差し可能位置(角度:X1)に戻るようにし、鍵Cを鍵孔31から抜くことを可能としている。
図3は、本実施例に使用する鍵部2の鍵穴21側からの分解図で、鍵穴21を上面に有するディスクタンバラー錠の内筒22は、筒側面に一列のデスク孔221が、底部222には駆動突起223が設けられ、デスク孔221から先端が出入りするデスク23がバネ24と鍵Cにより移動され、適合した鍵Cを挿入した場合には全てのデスク先端231は内筒22内に引っ込んでシアラインがフラットになり、外筒25内で内筒22が回動可能となる。
一方の外筒25の筒状内壁251には内筒22が挿入され回動するが、鍵Cの抜き差しの際には必ず、鍵C側の凹凸に応じてデスク23がシアラインから突出するので、この突出分を許容する一対の許容溝252が設けられ、この角度位置にデスク孔221が面している場合だけ、すなわち、図2に示すように、鍵Cが抜差し可能位置(角度:X1)にある時だけ鍵Cの抜き差しが可能である。
このことは、図2(a)において、鍵Cが抜差し可能位置(角度:X1)から回動(矢印b,c)して鍵回動位置(角度:X2),(角度:X3)にある時は、鍵Cを抜く時に鍵部2の鍵Cの上下移動によりデスク23がシアラインから突出しようにも、外筒25の筒状内壁251に阻まれて突出することができず、結果として、許容溝252に面した抜差し可能位置(角度:X1)以外の角度位置のX2,X3では鍵Cを抜くことはできない。
この外筒25の底部253に設けられた上下移動機構26の構成を図4から図7で更に説明すると、図4に示すように、左から支点2611を有するカム部材261、支点2611の係合切欠部2621と上下方向スライド突起2622及び内筒22の軸と平行に延びるカム棒2623を有する移動部材(ラッチ)262、鍵抜差し可能位置に戻すバネ部材263、上下方向(矢印f)の移動規制長孔2641を設けた鍵部裏蓋264からなっている。
また、図5に示すように、移動部材(ラッチ)262はの下端側面2624にはバネ部材263の一端2631が当接し、このバネ部材263の他端2632が底部253の底部内壁2532に当接していて、常に移動部材(ラッチ)262を押し上げるように作用している。
したがって、図5は鍵Cが抜差し可能位置の角度:X1の位置にある状態で、移動部材262の先端部262aが最も突出した位置(図3(b):Y1)にある状態であり、図8は鍵Cを回動して角度:X2の位置にある状態で、移動部材262の先端部262aが後退した位置(矢印g)(図3(b):Y2)にある状態である。
蓋係止機構4は、図9(a)に示すように、左右方向に移動する係止部材41と常に左側に引っ張るコイルバネ42と、蓋部3の把持部31側の先端縁部32に設けられた第1の切欠長孔321と、筺体12側の両側に設けた一対の蓋移動バネ13が設けられ、この蓋移動バネ13は一端は筺体12に固定されているが、他端は蓋部3を所定距離だけ押し出す(矢印h)だけで固定されておらず自由端である。
前記蓋移動バネ13を設けたことにより、このバネ13の押出力を適宜設定することにより、蓋部3が自然に開くので、高齢者や躰の弱った患者であっても、蓋部3が開放状態であるこを確実に認識することができる。
前記係止部材41は、上部先端には鉤状部411が設けられ、鉤状部411の突端は斜行面4111を有しており、係止部材41の鉤状部411の下側の基部は左右に一対の移動長孔412が設けられ、移動長孔412には筺体12に設けた一対の支柱14が左右動自在に嵌合されており、中央部に一方の側面を斜行させたカム面4131を有するカム孔413が設けられ、係止部材41の左端には常に左側に引っ張るコイルバネ42の一端421が設けられ、コイルバネ42の他端422は筺体12側の固定部材15に係止され、係止部材41は常に左側に引っ張られ(矢印i)るようにしてある。
蓋部3が閉まった状態(図9(a))から、鍵Cを回動して蓋部3を開けた状態(図9(b))になる動作を説明するが、図9(a)の状態において、鍵C及び鍵部2を回動すると、図9(b)の下側に示す状態のように、カム孔413にカム棒2623が嵌合しているが、移動部材(ラッチ)262のカム棒2623が下方(矢印j)に移動し、これに伴ってカム棒2623はカム孔413の斜行するカム面4131に当接し、斜行カム面4131に沿って係止部材41は右方向(矢印k)に移動する。
こうして、蓋係止機構4の係止部材41が右方向(矢印k)に移動すると、鉤状部411は、蓋部3の第1の切欠長孔321内を右方向に移動して、切欠長孔321から外れることになり、この際、筺体12側の両側に設けた一対の蓋移動バネ13が作用して、蓋部3を所定距離を押し出し(矢印h)、図9(b)の上側に示すように、蓋部3を開いた状態に維持する。
前述の図2(b)において、蓋部3を開ける場合は、鍵Cを抜差し可能位置(角度:X1)から鍵Cを鍵回動位置(角度:X2)まで回動させ、図9で説明したように、蓋部3の切欠長孔321から蓋係止機構4の鉤状部411を外すが、鍵C自体はバネ部材263によって抜差し可能位置(角度:X1)まで戻ろうとする。この鍵Cが抜差し可能位置(角度:X1)に戻らないようにすれば、鍵Cを鍵穴21から抜くことはできない。
したがって、前記移動部材262が蓋部3が開けられて移動した際には、移動部材262の移動経路中に鍵Cが鍵抜差し可能位置(角度:X1)、すなわち、図2において、移動部材262の先端262aがY1の位置に戻ることを阻止する鍵回動阻止機構5を設ければよい。
更に、図11(b)に示すように、基部51の右端はコの字状に折り返し、上部に阻止部材54を形成してある。この阻止部材54は、移動部材262がY2の位置まで下降した際には移動部材262の移動経路内に進入できる形状であり、移動部材262が復帰する際には、移動部材262の先端の下側には移動部材(ラッチ)262の先端部262aに当たって移動を阻止する平坦な先端平坦部541が設けられており、
したがって、蓋部3が完全に閉まらない限り、移動部材262はY1の位置まで復帰できず、鍵Cの位置も鍵回動位置(角度:X3)で止まり、鍵Cは抜差し可能位置(角度:X1)に戻らず、鍵Cを鍵穴21から抜くことはできない。
このように、蓋部3が完全に閉まっていない限りは、使用者が簡易保管庫1から鍵Cを抜くことを防ぐ鍵抜防止機構を構成している。
また、鍵部の移動部材の移動経路中に鍵が鍵抜差し可能位置に戻ることを阻止する位置に阻止部材を挿入する阻止機構であるので、既存の簡易保管庫の蓋開閉機構に付加することが可能であり、既存の簡易保管庫を改造することで経費を安価にすることが可能である。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。
14・・・支柱、15・・・固定部材、
2・・・鍵部、21・・・鍵穴、22・・・内筒、221・・・デスク孔、
222・・・底部、223・・・駆動突起、
23・・・デスク、231・・・デスク先端、24・・・バネ、
25・・・外筒、251・・・筒状内壁、252・・・許容溝、
253・・・底部、2531・・・側部内壁、2532・・・底部内壁、
26・・・上下移動機構、261・・・カム部材、2611・・・支点、
2612・・・嵌合孔、262・・・移動部材(ラッチ)、262a ・・・先端部、
2621・・・係合切欠部、2622・・・スライド突起、2623・・・カム棒、
263・・・バネ部材、2631・・一端、2632・・・他端、
264・・・鍵部裏蓋、2641・・・移動規制長孔、
3・・・蓋部、31・・・把持部、32・・・先端縁部、
321・・・第1の切欠長孔、322・・・第2の切欠長孔
4・・・蓋係止機構、41・・・係止部材、
411・・・鉤状部、4111・・・斜行面、4112・・・切欠部、
412・・・移動長孔、413・・・カム孔、4131・・・カム面、
42・・・コイルバネ、421・・・一端、422・・・他端、
5・・・鍵回動阻止機構(鍵抜防止機構)
51・・・基部、511・・・移動長孔、512・・・孔部、513・・・左端、
52・・・コイルバネ、521・・・一端、522・・・他端、
53・・・突起部、531・・・斜行面、
54・・・阻止部材、541・・・先端平坦部
Claims (2)
- 保管庫の筺体に水平方向にスライド移動して開閉する蓋部を鍵によって開閉可能とした保管庫の蓋開閉機構であって、
前記蓋部が開いている時の鍵部の鍵に対して鍵抜きを防止する鍵抜防止機構を設けたことを特徴とする簡易保管庫の蓋開閉機構。 - 前記簡易保管庫の蓋開閉機構において、
前記鍵部は鍵の回動を上下運動に変える移動部材を有する上下移動機構が設けられるとともに鍵抜差し可能位置に戻るようなバネが組み込まれたディスクタンバラー錠を用い、
前記移動部材が前記蓋部が開けられて移動した際には、該移動部材の移動経路中に鍵が鍵抜差し可能位置に戻ることを阻止する位置に阻止部材を挿入する鍵回動阻止機構を設け、
該蓋部を完全に閉じる場合にだけ前記蓋部が移動する押圧力により前記移動経路中の阻止部材を待機位置に後退させ、鍵抜差し可能位置に戻るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の簡易保管庫の蓋開閉機構。
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