JP2009203399A - インモールド転写箔用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 180℃で5分間処理後のフィルム縦方向の熱収縮率が3.0%以下であり、同条件下のフィルム横方向の熱収縮率が0.5%以下であり、25℃でのフィルム縦方向の5%伸び応力が90〜120MPaであり、同条件下での100%伸び応力が縦横両方向に200MPa以下であり、フィルムの縦方向の破断伸度が150%以上であることを特徴とするインモールド転写用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明に用いられるポリエステルフィルムとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコ−ルとを主たる出発原料として得られるポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ−ト単位またはエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下に他の第三成分を含有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル以外に、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の一種または二種以上を用いることができる。
帯電防止剤は低分子量のアニオン系帯電防止剤を用いると、ポリエステルフィルムをロール状に巻いた状態で、帯電防止剤が転写層の離型層をコートする面に転移し、離型層のコートに悪影響を及ぼしたり、転写層を加工後に巻き上げた際に帯電防止剤が接着剤層に転移したりして、接着剤が所望した性能を発揮できないということが起こる。このような帯電防止剤の転移を防止するには、高分子量アニオン性化合物を用いるのがよい。また、カチオン系帯電防止剤の場合も、高分子量カチオン性化合物を用いることが望ましい。
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度をTmとした。
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させ、300℃で5分間溶融保持した後に0℃以下まで急冷し、次いで0〜300℃まで20℃/分で300℃まで昇温させた際に観測されるガラス転移に伴う転移点をTgとした。
横河・ヒューレット・パッカード社の内側電極50mm径、外側電極70mm径の同心円型電極である16008A(商品名)を23℃、50%RHの雰囲気下で試料に設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である4329A(商品名)で試料の表面固有抵抗を測定した。
測定波長が554nmの光干渉法によるマイクロマップ社製512の非接触式3次元粗さ計を用い、232μm×177μmの測定領域におけるフィルム表面の中心面平均粗さ
SRa値を10点平均して求めた。
(株)インテスコ製引張試験機インテスコモデル2001型を用いて、温度25℃において長さ50mm,幅15mmの試料フィルムを、200mm/分の速度で引張試験を行い、縦方向の5%伸び時の応力を求めた。
上記(5)の測定方法により、試料片を縦方向および横方向に引張り、100%伸び時の応力を求めた。
上記(5)の測定方法により、試料片を縦方向および横方向に引張り、試料片の破断伸度を求めた。
熱風循環炉(田葉井製作所製)を使用し、無張力状態のフィルムを180℃の雰囲気中で5分間熱処理し、フィルムの縦方向および横方向の熱処理前後の長さを測定し、下記式にて計算し、5本ずつの試料についての平均値で表した。
熱収縮率(%)=(L0−L1)×100/L0
なお、上記式中、L0は熱処理前のサンプル長さ(mm)、L1は熱処理後のサンプル長さ(mm)を表す。ただし、L0がL1よりも小さくなる場合(フィルムが膨張する場合)は、熱収縮率の値を−(マイナス)で表した。
<印刷ズレ>
ロール状のフィルムサンプルを8MPaのテンションで巻出し、4色のグラビア印刷を施したあと、180℃にて30秒間乾燥することにより、絵柄印刷のフィルムを作成した。
得られた絵柄印刷フィルムの印刷ズレを目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:印刷ズレ(フィルムの伸びと縮み)の発生が観察されない
○:僅かに印刷ズレが観察されるが実用上使用可能なレベルである
×:印刷ズレが観察され実用上使用不可のレベルにある(不合格)
上記作成した絵柄印刷フィルムをロール状から2m長さに引き出し、片タルミの平面性について目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:絵柄印刷フィルムには片タルミの平面性はほとんど観察されない
○:僅かに片タルミが観察されるが実用上使用可能なレベルである
×:片タルミがやや目立ち、シート状での外観も悪い(不合格)
上記(8)にて作成した絵柄印刷フィルムを、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ5mmの円筒状に100個/分の速度で連続成形した。得られたサンプルの状態を目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:100個中95個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
○:100個中80個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
×:100個中21個以上にフィルム破れが発生し、不良個所が多く観察される(不合格)
<ポリエステル1>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとする滑剤粒径を含有しない
ポリエステルチップを製造した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとし平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.60部含有してポリエステルチップを製造した。
ポリエステル1のチップを窒素気流中で220℃にて10時間加熱しオリゴマー含有量の少ないポリエステルチップを製造した。ポリエステル1に含まれるオリゴマー量は0.83重量%に対し、ポリエステル3に含まれるオリゴマー量は0.24重量%であった。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。
ポリエステル2とポリエステル4を1:4の重量比率で配合し、押出機にて溶融させて、単層ダイに供給し、フィルム状に押出して35℃の冷却ドラム上にキャストして急冷固化し未延伸フィルムを作製した。次いで80℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒーターと加熱ロールを併用して85℃のロール間で縦方向に3.0倍延伸した後、フィルム片面にグラビアコーターで5μm厚みとなるよう帯電防止コートを行い、次いでフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、100℃の温度で加熱しつつ横方向に3.5倍延伸し、195℃で10秒間の熱処理を施した後、170℃で幅方向に3%弛緩して厚み50μmの単層フィルムからなるポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷性において、縦方向の5%伸び応力が不足により長手方向の印刷ズレと幅縮み起因よる幅方向の印刷ズレが目立つ。さらに縦の収縮率も多少大きいため僅かながら平面性悪化が見られた。成形性においては成形破れに問題なく良好な成形品が得られた。
上記比較例1と同製造条件を適用して、縦倍率のみを3.0倍から3.5倍に高め、幅方向の弛緩を3%から4%に変更し。厚さ50μmに調整したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷性は良化したが縦の収縮率が増大したことにより平面性悪化が観察された。成形性は比較例1と同様問題なく良好な成形品が得られた。
ポリエステル2とポリエステル3を1:3の重量比率で配合し、押出機にて溶融させて、積層ダイの外層Aに供給し、積層ダイの内層にはポリエステル1を供給し、それぞれの押出機にて外層Aと内層Bの押出量比率を1:4の割合で供給し、外層A/内層B/外層Aの構成からなる2種3層の積層ポリエステル樹脂をフィルム状に押出して、35℃の冷却ドラム上にキャストして急冷固化した未延伸フィルムを作製した。次いで80℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒーターと加熱ロールを併用して95℃のロール間で縦方向に3.8倍延伸した後、フィルム片面にグラビアコーターで5μm厚みとなるよう帯電防止コートを行い、次いでフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、110℃の温度で加熱しつつ横方向に4.2倍延伸し、230℃で10秒間の熱処理を施した後、190℃で幅方向に3%弛緩を施して厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷ズレは極めて良好であったが成形性において破れが多く発生し、また成形品もコーナに印刷の鮮明さに欠ける欠点が部分的に観察された。
上記比較例3と同じ製造条件を適用して、縦倍率を3.8倍から3.2倍に、横倍率を4.2倍から3.8倍に延伸倍率のみを低倍率に変更し、厚さ50μmに調整したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷ズレ、平面性共に良好であったが、成形性不足による成形破れが発生した。
上記比較例4と同じ製造条件を適用して、熱処理温度を230℃から235℃に高め、次いで、幅方向の弛緩箇所を熱処理と同時に行なって10%弛緩を施し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷ズレ、平面性共に良好であり、成形性も良化傾向にあった。
上記実施例1と同じ製造条件を適用して、熱処理温度を更に235℃から238℃に高め、幅方向の弛緩を10%から15%に変更し、実施例1と同様に弛緩を熱処理と同時に行ない、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷ズレ、平面性共に良好であり、成形性においても極めて良好な結果が得られた。
Claims (1)
- 180℃で5分間処理後のフィルム縦方向の熱収縮率が3.0%以下であり、同条件下のフィルム横方向の熱収縮率が0.5%以下であり、25℃でのフィルム縦方向の5%伸び応力が90〜120MPaであり、同条件下での100%伸び応力が縦横両方向に200MPa以下であり、フィルムの縦方向の破断伸度が150%以上であることを特徴とするインモールド転写用ポリエステルフィルム。
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JP2010150308A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Mitsubishi Plastics Inc | インモールド転写箔用ポリエステルフィルム |
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JP2002120280A (ja) * | 2000-10-16 | 2002-04-23 | Toray Ind Inc | 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム |
JP2005187562A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Toyobo Co Ltd | インサート成形用ポリエステルフィルム |
JP2005186369A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Toyobo Co Ltd | インサート成型用ポリエステルフィルム |
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