JP2009203196A - 歯科用印象材組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のシリコーン印象材よりも弾性ひずみが大きく、且つ、硬化体を容易に破断することが可能であり、更に容易に垂れることがない歯科用印象材組成物を提供する。
【解決手段】 a)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも2個を有するオルガノポリシロキサンとb)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも1個を有するポリエーテルから成る混合物に対して、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、シリコーン可溶性白金化合物と、無機充填材と、非イオン系界面活性剤及び/またはポリエーテル変性シリコーンオイルとを加え、これらの合計した組成物に対して、更に付加型シリコーン印象材と反応しない鉱物系オイル,植物系オイル,動物系オイル,合成系オイルから選ばれる1種または2種以上の炭化水素系油性成分を含有させたことを特徴とする歯科用印象材組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は歯科治療で歯科補綴物を作製する際に使用される印象材に関し、硬化後の弾性ひずみが大きい(軟らかい)印象材であり、硬化前の組成物が容易に垂れてしまうことがなく、更に硬化後には大きな力を用いずに破断させることができる歯科用印象材組成物に関する。
現在、歯科用印象材としてはアルギン酸塩印象材,寒天印象材のように水分を含有してゲル化しゴム状の硬化体となる印象材と、シリコーン印象材,多硫化ゴム印象材,ポリエーテルゴム印象材のように化学反応によって硬化する印象材が使用されている。この中で特にシリコーン印象材は、寸法精度が高く、高い印象精度を要求される症例に多く使用されている印象材である。
一方このようなシリコーン印象材は、精度的には十分満足できる性能を有しているものの、特殊な症例、例えば口腔内のかなり奥の部分に複雑なアンダーカットを有するような症例に使用する場合には、硬化後の印象材を口腔内から撤去する時に口腔内組織を傷めてしまうという問題が生じていた。これは、主としてシリコーン印象材は硬化体の弾性ひずみが小さい、即ち硬い印象材であるためである。また、硬化体が比較的軟らかいシリコーン印象材も開発されているが、たとえ硬化体が軟らかくても口腔内のかなり奥の部分に複雑なアンダーカットを有するような特殊な症例ではシリコーン印象材自体が破断しないと口腔内から撤去することができないことが多い。しかし、現在使用されている軟らかいシリコーン印象材はどれも硬化体の引裂強度が高すぎるため、結局、特殊な症例では使用することができなかった。また、このような口腔内の奥の深い部分等の特殊な症例に使用する場合には、硬化前の組成物が垂れ易いものであると印象採得時に患者の喉の奥に流れ込んでしまい大変危険であった。
このような従来のシリコーン印象材の問題を改善したものとしては、特定構造を有するオルガノポリシロキサン,オルガノハイドロジェンポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物,無機充填材,特定重合度のポリビニルエーテルを含有した歯科印象用シリコーン組成物がある(例えば、特許文献1参照。)。また同様に、特定構造を有するオルガノポリシロキサン,オルガノハイドロジェンポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物,特定の表面積を有し疎水化された微粉末シリカ,メチルフェニルポリシロキサンを含有した歯科印象用シリコーン組成物も開発されている(例えば、特許文献2参照。)。これらの印象材は硬化後の弾性ひずみが通常のシリコーン印象材より大きく軟らかく設計されているのであるが、硬化体の引裂強度が高すぎて特殊な症例では必要なときに破断し難いという問題が残っていた。
特開平8−92026号公報 特開平9−190748号公報
本発明は、従来のシリコーン印象材よりも弾性ひずみが大きく軟らかい印象材であり、且つ、硬化体が容易に破断する印象材であるにも拘わらず組成物が垂れ難い歯科用印象材組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は前記問題点を解決するために鋭意検討した結果、1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも2個を有するオルガノポリシロキサンと1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも1個を有するポリエーテルの混合物の比率が重量比でa:b=1:0.01〜5である成分に対して、特定割合の1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、シリコーン可溶性白金化合物と、無機充填材と、非イオン系界面活性剤及び/またはポリエーテル変性シリコーンオイルとを加えた組成物に対して、更に、付加型シリコーン印象材と反応しない鉱物系オイル,植物系オイル,動物系オイル,合成系オイルから選ばれる1種または2種以上の炭化水素系油性材料を特定割合含有させると、弾性ひずみを通常のシリコーン印象材より大きくして硬化体を軟らかくでき、更に、必要なときに硬化体が容易に破断可能であり、しかも硬化前の組成物が垂れ難い歯科用印象材組成物を得ることが可能であることを見出して本発明を完成させた。
即ち本発明は、a)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも2個を有するオルガノポリシロキサンとb)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも1個を有するポリエーテルの比率が重量比でa:b=1:0.01〜5の混合物であるA)成分100重量部に対して、
B)成分として1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜100重量部と、
C)成分としてシリコーン可溶性白金化合物を前記2成分の合計量に対して10ppm〜500ppmと、
D)成分として無機充填材を10〜800重量部と、
E)成分として非イオン系界面活性剤及び/またはポリエーテル変性シリコーンオイルを0.5〜5重量部とを加え、これらA)〜E)成分を合計した組成物100重量部に対して、
付加型シリコーン印象材と反応しない鉱物系オイル,植物系オイル,動物系オイル,合成系オイルから選ばれる1種または2種以上の炭化水素系油性成分をF)成分として1〜80重量部含有させたことを特徴とする歯科用印象材組成物である。
本発明に係る歯科用印象材組成物は、硬化体が従来のシリコーン印象材よりも弾性ひずみが大きく軟らかい印象材であり、また硬化体が容易に破断可能であり、更に硬化前の組成物が垂れ難い優れた歯科用印象材組成物である。
本発明で用いるA)成分のa)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、好ましくは直鎖状で、分子鎖両末端がビニルシロキシ基で封鎖されたものであり、この末端のビニルシロキシ基はビニル基を複数個有していてもよく、またビニル基が鎖中に含まれていてもよい。この代表的なものを具体的に以下に示す(化1)。また、A)成分におけるb)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも1個有するポリエーテルは、a)と同様にその分子中に反応性の脂肪族不飽和炭化水素を含むポリエーテルであり、その数平均分子量は200〜15000が好ましい。この代表的なものを具体的に以下に示す(化2)。
Figure 2009203196
Figure 2009203196
前記化学式の化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。その両者の混合割合は重量比でa:b=1:0.01〜1:5である。bの割合がaが1である場合に0.01未満であると十分な親水性が得られず、5を超えると変形が加わった後のひずみの回復性が悪化する。なお、本発明に係る歯科用印象材組成物は一般的にベースペーストとキャタリストペーストのような2成分とする形態で供給され、この場合はベースペーストとキャタリストペーストとに含有されるA)成分全体のaとbの混合割合が重量比でa:b=1:0.01〜1:5であればよい。また、A)成分中のbは後に詳述するC)成分が含まれるキャタリストペースト中に配合しないことが保存安定性の面から好ましい。
B)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、その分子中にケイ素原子に直結した水素原子を少なくとも3個有しており、A)成分の架橋剤として作用するものであって、その配合割合はA)成分100重量部に対して0.1〜100重量部であり、0.1重量部未満であると硬化体の硬度が低下するばかりでなく硬化速度も緩慢となり、100重量部を超えると硬化体が脆くなりすぎる。本発明に係る歯科用印象材組成物がベースペーストと後に詳述するC)成分を含むキャタリストペーストの2成分の形態で供給される場合には、このB)成分はキャタリストペースト中に配合しないことが保存安定性の面から好ましい。
C)成分であるシリコーン可溶性白金化合物はA)成分とB)成分とを架橋重合させる触媒として作用するものであって、具体的には公知の付加反応触媒である塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸,塩化白金酸とオレフィンとの錯体などが挙げられる。特に好適には塩化白金酸のビニルシロキサン錯体である。これらの添加量は、A)及びB)成分の合計量に対して10〜500ppmの範囲である。10ppm未満であると硬化速度が遅く、またこの白金化合物の触媒能を阻害する物質が微量存在した場合に硬化が遅くなるなどの難点がある。500ppmを超えると硬化速度が速すぎる。この塩化白金酸などのシリコーン可溶性白金化合物は、アルコール系,ケトン系,エーテル系,炭化水素系の溶剤,ポリシロキサンオイルなどに溶解して使用することが好ましい。
D)成分である無機充填材は、組成物の硬化前の作業性や硬化後の物性を向上させるために配合される。D)成分としては石英,クリストバライト,珪藻土,熔融石英,ガラス繊維,二酸化チタン,ヒュームドシリカなどの粉末を例示できる。この無機充填材の配合量は、A)成分100重量部に対して10〜800重量部であり、10重量部未満であると硬化体が脆いものとなり、800重量部を超えると歯科用印象材組成物の硬化前の粘度が高くなりすぎて作業性が悪くなってしまう。
E)成分である非イオン系界面活性剤及び/またはポリエーテル変性シリコーンオイルはA)成分中の各化合物間の相溶性を高め、更にB)成分による架橋反応を行い易くする効果を有する。このE)成分として用いる非イオン系界面活性剤としては、親油基であるアルキル基に親水基が組み合わさった非イオン系界面活性剤が適当である。好適な非イオン系界面活性剤を具体的に示すと、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどの中でエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加モル数が1〜30であるもの、アルキル基の炭素数が12〜22であるエーテル型のもの、ソルビタン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,エチレングリコール脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール脂肪酸エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステル,ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどの中で多価アルコールと炭素数が12〜22である脂肪酸の部分エステル型のもの、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンマンニタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルなどの中でエチレンオキサイドの付加モル数が1〜30で脂肪酸の炭素数が12〜22であるエーテルエステル型のもの、ポリオキシエチレンヒマシ油,硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレンラノリン誘導体,ポリオキシエチレンミツロウ誘導体などの中で付加モル数が1〜30のエチレンオキサイドとのエステル型のものを挙げることができる。
また、ポリエーテル変性シリコーンオイルは、ポリオルガノシロキサンの側鎖にポリオキシエチレン,ポリオキシプロピレンなどのポリエーテルを有する化合物であり下記一般式(化3)を有する化合物である。
Figure 2009203196
これらの非イオン系界面活性剤及び/またはポリエーテル変性シリコーンオイルは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、その配合量はA)成分100重量部に対して0.5〜5重量部であり、0.5重量部未満であるとA)成分である化合物と相溶性が悪く2相に分離し易くなると共に硬化後の表面状態も悪く歯科用印象材として十分な性能が得られない。一方、5重量部を超えると硬化前の組成物の保存安定性の低下を引き起こす。
本発明に係る歯科用印象材組成物は、前記各成分の合計量100重量部に対して、F)成分として実質的に付加型シリコーン印象材と反応しない鉱物系オイル,植物系オイル,動物系オイル,合成系オイルから選ばれる1種または2種以上の炭化水素系油性成分を1〜100重量%含有している。このF)成分を加えることで本発明の歯科用印象材組成物は、硬化体の弾性ひずみを大きくする効果、即ち硬化体を軟らかくする効果を得ることができ、同時に少ない力で硬化体が容易に破断するという性質を与えることが可能である。更に硬化前の組成物が垂れ難い特徴を与えることができる。
炭化水素系油性材料のうち鉱物系オイルとしては、流動パラフィン,ワセリン等が例示され、植物系オイルとしては、オリーブ油,植物性スクワラン,動物系オイルとしてはスクワラン、合成系オイルとしては、合成スクワラン,ポリブテン等が例示される。これらの炭化水素系油性材料は単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。含有量は前記A),B),C),D),E)成分の合計量100重量部に対して1〜80重量部であり、好ましくは、5〜50重量部である。この炭化水素系油性成分の含有量が、A)〜E)成分の合計量100重量部に対して1重量部より少ないと本成分を配合する効果が十分に得られず、80重量部より多いと硬化前の組成物に液分離等の保存性悪化の問題が発生してしまう。
本発明に係る歯科印象用組成物中には、その特性を失わない範囲で更に各種の無機或いは有機の着色剤、シリコーンレジン、非反応性のシリコーンオイル等を使用してもよい。
本発明について実施例を挙げ詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
下記配合で成分を混合してベースペースト及びキャタリストペーストを作製した。
『ベースペースト』
・a)分子鎖両末端がメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンとb)分子鎖両末端がビニル基で封鎖されたポリエチレングリコールジアリルエーテルが重量比で1:0.05である混合物(A) 100重量部
・メチルハイドロジェンシロキサン単位を45モル%含有する直鎖状メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン(B) 7重量部
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(E) 0.5重量部
・石英(D) 25重量部
・流動パラフィン(F) 20重量部

『キャタリストペースト』
・分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A)
100重量部
・1,3ジビニルテトラメチルジシロキサンー白金錯体0.7重量%含有シリコーンオ
イル溶液(C) 3重量部
・石英(D) 25重量部
前記ベース及びキャタリストをダブルプラネタリーミキサーにて攪拌・混合し、ベースペーストとキャタリストペーストを作製した。
<弾性ひずみの測定>
前記ペーストを各々5g計量し練和後,JIS T 6513 (2005)に従い口腔内保持時間4分にて弾性ひずみ,永久ひずみを測定した。結果を表1に示す。
<引張強度の測定(破断の試験)>
前記ペーストを各々5g計量・練和後,JIS K 6251に記載されているダンベル状2号形の形状の金型に注入し、35℃にて口腔内保持時間である4分間保持し試験体を作製した。試験体は、引張試験機にてクロスヘットスピード:500mm/min.にて引張試験を行った。結果を表1に示す。
<垂れの確認>
上顎Lサイズの印象用トレーに練和した硬化前の組成物を盛り上げ、1分間放置し、トレー辺縁より組成物が垂れるか否かを確認した。結果を表1に示す。
<実施例2>
下記配合で成分を混合してベースペースト及びキャタリストペーストを作製した。
『ベースペースト』
・a)分子鎖両末端がメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンの重量が1に対して,b)分子鎖両末端がビニル基で封鎖されたポリプロピレングリコールジアリルエーテルの重量が0.3,b)分子鎖両末端がビニル基で封鎖されたポリエチレングリコールジアリルエーテルの重量が0.2である混合物(A)
100重量部
・メチルハイドロジェンシロキサン単位を45モル%含有する直鎖状メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン(B) 6重量部
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(E) 1.5重量部
・石英(D) 150重量部
・スクワラン(F) 140重量部
『キャタリストペースト』
・分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A)
100重量部
・1,3ジビニルテトラメチルジシロキサンー白金錯体0.7重量%含有シリコーンオ
イル溶液(C) 5重量部
・石英(D) 150重量部

実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
<実施例3>
下記配合で成分を混合してベースペースト及びキャタリストペーストを作製した。
『ベースペースト』
・a)分子鎖両末端がメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンとb)分子鎖両末端がビニル基で封鎖されたポリプロピレングリコールジアリルエーテルが重量比で1:10である混合物(A)
100重量部
・メチルハイドロジェンシロキサン単位を10モル%含有する直鎖状メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン(B) 10重量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリオキシエチレン10モル含有)(E)
8.0重量部
・石英(D) 200重量部
・シリコーンレジン 100重量部
・ワセリン(F) 150重量部
『キャタリストペースト』
・分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A)
100重量部
・1,3ジビニルテトラメチルジシロキサンー白金錯体0.7重量%含有シリコーンオ
イル溶液(C) 5重量部
・石英(D) 200重量部
・シリコーンレジン 100重量部
・ワセリン(F) 150重量部
実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
<比較例1>
特開平9−190748号公報の実施例に記載の以下のベースペースト及びキャタリストを作製し、本願の実施例1と同様の試験を行った。
『ベースペースト』
・25℃における粘度が3000mPa・sである分子鎖両末端がメチルビニルシロキ
シ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン 100重量部
・メチルハイドロジェンシロキサン単位を40モル%含有する直鎖状メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン 3重量部
・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10重量部
『キャタリストペースト』
・25℃における粘度がmPa・sである分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で
封鎖されたジメチルポリシロキン 100重量部
・1,3ジビニルテトラメチルジシロキサンー白金錯体0.4重量%含有シリコーンオ
イル溶液 3重量部
・BET比表面積が100m2/gであり表面が(CH)2SiO2/2単位で封
鎖された疎水性微粉末シリカ 20重量部
・メチルフェニルポリシロキサンオイル(25℃における粘度1000mPa・s)
20重量部
<比較例2>
実施例1の組成物から炭化水素系油性成分(F成分)である流動パラフィンを除去した組成物を作製した。実施例1と同様の試験を行った。
『ベースペースト』
・a)分子鎖両末端がメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンとb)分子鎖両末端がビニル基で封鎖されたポリエチレングリコールジアリルエーテルが重量比で1:0.05である混合物(A)
100重量部
・メチルハイドロジェンシロキサン単位を45モル%含有する直鎖状メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン(B) 7重量部
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(E) 0.5重量部
・石英(D) 25重量部
『キャタリストペースト』
・分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A)
100重量部
・1,3ジビニルテトラメチルジシロキサンー白金錯体0.7重量%含有シリコーンオ
イル溶液(C) 3重量部
・石英(D) 25重量部
<表1>
Figure 2009203196
表1に示したように、各実施例の歯科用印象材組成物は弾性ひずみが大きく口腔内の複雑な形状の中からでも容易に撤去することができる特性を有している。また引張強度が低いため、印象材内部に口腔内組織が包み込まれるような特殊な症例においても撤去時に印象材の一部が破断して撤去が可能である。それにも拘わらず各実施例では硬化体の永久ひずみが比較例の印象材と同程度であることから高い印象精度を維持していることもわかる。更に、各実施例に示した歯科用印象材組成物は垂れ難い特性を有しており、この点においても口腔内の深い部分の印象に安心して使用することができる。これらの実施例と比較して、特に比較例1に記載の組成物では硬化体の弾性ひずみが大きいものの引張強度が各実施例と比較して格段に高く、口腔内の深い部分の印象のような特殊な症例においては使用することができない。
以上のように、本発明に係る歯科用印象材組成物は、これまでにない大きな弾性ひずみを有しつつ、口腔内より撤去する際に印象材を破断する必要がある症例にも、大きな力を必要とせず口腔内組織に損傷を与えることなく印象材を撤去することができる特性を有している。

Claims (1)

  1. a)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも2個を有するオルガノポリシロキサンとb)1分子中に脂肪族不飽和炭化水素を少なくとも1個を有するポリエーテルの比率が重量比でa:b=1:0.01〜5の混合物であるA)成分100重量部に対して、
    B)成分として,1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜100重量部と、
    C)成分として,シリコーン可溶性白金化合物を上記2成分の合計量に対して10ppm〜500ppmと、
    D)成分として,無機充填材を10〜800重量部と、
    E)成分として,非イオン系界面活性剤及び/またはポリエーテル変性シリコーンオイルを0.5〜5重量部とを加え、
    これらA)〜E)成分を合計した組成物100重量部に対して、
    付加型シリコーン印象材と反応しない鉱物系オイル,植物系オイル,動物系オイル,合成系オイルから選ばれる1種または2種以上の炭化水素系油性成分をF)成分として1〜80重量部含有させたことを特徴とする歯科用印象材組成物。
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