JPH10259110A - 歯科用印象材 - Google Patents
歯科用印象材Info
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- JPH10259110A JPH10259110A JP9062899A JP6289997A JPH10259110A JP H10259110 A JPH10259110 A JP H10259110A JP 9062899 A JP9062899 A JP 9062899A JP 6289997 A JP6289997 A JP 6289997A JP H10259110 A JPH10259110 A JP H10259110A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】歯科用印象材として、硬化体強度、操作性など
は従来のままで、弾性歪みが大きく且つ永久歪みの小さ
い優れた歯科用シリコーン印象材を提供する。 【解決手段】歯科用印象材の構成主成分である末端に不
飽和結合をもつ有機基を分子内に少なくとも2個以上有
するオルガノポリシロキサン、分子内に3個以上のSi
H基を有するオルガハイドロジェンポリシロキサン、ヒ
ドロシリル化反応触媒物質及び充填材に、更に末端に不
飽和結合をもつ有機基を分子内に1個有するオルガノポ
リシロキサンを添加したことを特徴とする歯科用印象
材。
は従来のままで、弾性歪みが大きく且つ永久歪みの小さ
い優れた歯科用シリコーン印象材を提供する。 【解決手段】歯科用印象材の構成主成分である末端に不
飽和結合をもつ有機基を分子内に少なくとも2個以上有
するオルガノポリシロキサン、分子内に3個以上のSi
H基を有するオルガハイドロジェンポリシロキサン、ヒ
ドロシリル化反応触媒物質及び充填材に、更に末端に不
飽和結合をもつ有機基を分子内に1個有するオルガノポ
リシロキサンを添加したことを特徴とする歯科用印象
材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用材料、特に
歯科用の印象材として有用な組成物に関する。
歯科用の印象材として有用な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科用印象材としては、寒天、アルギン
酸塩、多硫化ゴム、ポリエーテルゴム縮合型シリコーン
及び付加型シリコーン等が用いられている。寒天、アル
ギン酸塩印象材あるいはその連合印象は臨床的に適度な
弾性を有しているが、永久変形が大きい上に、水分の蒸
発による経時的な寸法変化が大きく、引き裂き強度が小
さい等の欠点がある。また、多硫化ゴムは臭いが強く硬
化が緩慢なため、特殊な用途の印象に限られ、ポリエー
テルゴム印象材は弾性が小さく、吸水膨張する欠点があ
る。一方、縮合型シリコーンは反応過程で脱アルコール
を伴うために、寸法変化が大きい問題がある。
酸塩、多硫化ゴム、ポリエーテルゴム縮合型シリコーン
及び付加型シリコーン等が用いられている。寒天、アル
ギン酸塩印象材あるいはその連合印象は臨床的に適度な
弾性を有しているが、永久変形が大きい上に、水分の蒸
発による経時的な寸法変化が大きく、引き裂き強度が小
さい等の欠点がある。また、多硫化ゴムは臭いが強く硬
化が緩慢なため、特殊な用途の印象に限られ、ポリエー
テルゴム印象材は弾性が小さく、吸水膨張する欠点があ
る。一方、縮合型シリコーンは反応過程で脱アルコール
を伴うために、寸法変化が大きい問題がある。
【0003】上記印象材に対して付加型シリコーン印象
材は硬化性が優れ、硬化時の収縮が非常に小さく、副生
物も生じず且つ無味無臭で発熱もほとんど無いという非
常に優れた性質を有している。また、近年の研究におい
て、付加型シリコーンの弱点である疎水性も親水性の界
面活性剤等の添加により、実用上問題ない程度に改善さ
れている。
材は硬化性が優れ、硬化時の収縮が非常に小さく、副生
物も生じず且つ無味無臭で発熱もほとんど無いという非
常に優れた性質を有している。また、近年の研究におい
て、付加型シリコーンの弱点である疎水性も親水性の界
面活性剤等の添加により、実用上問題ない程度に改善さ
れている。
【0004】しかしながら、付加型シリコーン印象材の
大きな問題点は弾性歪が小さいことにある。弾性歪が小
さいと口腔内で硬化した後に撤去しにくくなり、患者に
苦痛を与えたり、動揺歯等は抜ける可能性がある。これ
までの付加型シリコーン印象材の弾性歪は3〜7%、永
久歪は1%以下の材料がほとんどである。撤去のしやす
さから望ましい弾性歪は8%以上、更に好ましくは9%
以上でかつ変形の防止から永久歪を1%以下、更に好ま
しくは0.8%以下にすることが望まれている。
大きな問題点は弾性歪が小さいことにある。弾性歪が小
さいと口腔内で硬化した後に撤去しにくくなり、患者に
苦痛を与えたり、動揺歯等は抜ける可能性がある。これ
までの付加型シリコーン印象材の弾性歪は3〜7%、永
久歪は1%以下の材料がほとんどである。撤去のしやす
さから望ましい弾性歪は8%以上、更に好ましくは9%
以上でかつ変形の防止から永久歪を1%以下、更に好ま
しくは0.8%以下にすることが望まれている。
【0005】この付加型シリコーン印象材の弾性歪を大
きくする方法として、無機充填材量を低下させる方法や
無機充填材の代わりにポリビニルエーテル等の有機ポリ
マーを使用する方法、ハイドロジェンポリシロキサン架
橋材とジビニルポリシロキサンの混合比を適量より増加
させたり、減少させたりする方法、流動パラフィンなど
の脂肪族炭化水素、ジメチルポリシロキサン等の非反応
性の液体を混合する方法等が試みられている。しかしな
がら、無機充填材料量を低下させる方法や有機ポリマー
を無機充填材の代わりに使用する方法は、硬化体の引き
裂き強度の低下や熱膨張係数の増加を招き、精密印象材
として好ましくない。また、ジビニルポリシロキサンに
対するハイドジェンポリシロキサン架橋材の混合比を適
量より大きくすると、水素発生による発泡が起こり、小
さくすると硬化パターンが緩慢になり印象の変形につな
がる。非反応性の液体を弾性歪が有意に大きくなるほど
添加すると、永久歪が大きくなったり、ブリードが起き
たりする問題が生じる。
きくする方法として、無機充填材量を低下させる方法や
無機充填材の代わりにポリビニルエーテル等の有機ポリ
マーを使用する方法、ハイドロジェンポリシロキサン架
橋材とジビニルポリシロキサンの混合比を適量より増加
させたり、減少させたりする方法、流動パラフィンなど
の脂肪族炭化水素、ジメチルポリシロキサン等の非反応
性の液体を混合する方法等が試みられている。しかしな
がら、無機充填材料量を低下させる方法や有機ポリマー
を無機充填材の代わりに使用する方法は、硬化体の引き
裂き強度の低下や熱膨張係数の増加を招き、精密印象材
として好ましくない。また、ジビニルポリシロキサンに
対するハイドジェンポリシロキサン架橋材の混合比を適
量より大きくすると、水素発生による発泡が起こり、小
さくすると硬化パターンが緩慢になり印象の変形につな
がる。非反応性の液体を弾性歪が有意に大きくなるほど
添加すると、永久歪が大きくなったり、ブリードが起き
たりする問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の材料における問題点を解決し、弾性歪が大きく、か
つ永久歪、硬化体強度、操作性などが優れた歯科用シリ
コーン印象材を開発することを課題とする。
来の材料における問題点を解決し、弾性歪が大きく、か
つ永久歪、硬化体強度、操作性などが優れた歯科用シリ
コーン印象材を開発することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した従
来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、付加型シ
リコーン印象材において、末端不飽和結合をもつ有機基
を分子内に1個有するオルガノポリシロキサンを用いる
ことにより、永久歪み、硬化体強度、操作性などのその
他の性質を十分に満足したまま弾性歪みを大きくできる
という知見を得て本発明を完成するに至った。
来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、付加型シ
リコーン印象材において、末端不飽和結合をもつ有機基
を分子内に1個有するオルガノポリシロキサンを用いる
ことにより、永久歪み、硬化体強度、操作性などのその
他の性質を十分に満足したまま弾性歪みを大きくできる
という知見を得て本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は末端に不飽和結合をもつ有
機基を分子内に少なくとも2個以上有するオルガノポリ
シロキサン(A)、末端に不飽和結合をもつ有機基を分
子内に1個有するオルガノポリシロキサン(B)、分子
内に3個以上のSiH基を有するオルガハイドロジェン
ポリシロキサン(C)、ヒドロシリル化反応触媒物質
(D)及び充填材(E)を含んでなり、(B)の末端不
飽和結合の総個数が(A)の末端不飽和結合の総個数に
対して、0.01〜5倍になる比であり、(C)のSi
H基の水素原子の総個数が(A)と(B)の末端不飽和
結合の総個数に対して0.5〜5倍になる比であること
を特徴とする歯科用印象材である。
機基を分子内に少なくとも2個以上有するオルガノポリ
シロキサン(A)、末端に不飽和結合をもつ有機基を分
子内に1個有するオルガノポリシロキサン(B)、分子
内に3個以上のSiH基を有するオルガハイドロジェン
ポリシロキサン(C)、ヒドロシリル化反応触媒物質
(D)及び充填材(E)を含んでなり、(B)の末端不
飽和結合の総個数が(A)の末端不飽和結合の総個数に
対して、0.01〜5倍になる比であり、(C)のSi
H基の水素原子の総個数が(A)と(B)の末端不飽和
結合の総個数に対して0.5〜5倍になる比であること
を特徴とする歯科用印象材である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用する成分
(A)の末端に不飽和結合をもつ有機基を分子中に少な
くとも2個有するオルガノポリシロキサン(以下、成分
(A)と略す)は、末端に不飽和結合をもつ有機基を1
分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
であれば他の有機基の構造は制限されず、直鎖状であっ
ても分枝鎖状であってもよく、更にこれらの混合物であ
ってもよい。
(A)の末端に不飽和結合をもつ有機基を分子中に少な
くとも2個有するオルガノポリシロキサン(以下、成分
(A)と略す)は、末端に不飽和結合をもつ有機基を1
分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
であれば他の有機基の構造は制限されず、直鎖状であっ
ても分枝鎖状であってもよく、更にこれらの混合物であ
ってもよい。
【0010】この末端に不飽和結合をもつ有機基として
は、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基及びエチニル
基等が例示されるが、合成のし易さからケイ素原子に結
合したビニル基が最も有利である。これらの末端に不飽
和結合をもつ有機基は、オルガノシロキサンの分子鎖の
末端または中間のいずれに存在しても、あるいはその両
方に存在しても良いが、硬化後の弾性体が優れた物理的
性質を有するためには、少なくとも1個は分子鎖の末端
に存在していることが好ましい。
は、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基及びエチニル
基等が例示されるが、合成のし易さからケイ素原子に結
合したビニル基が最も有利である。これらの末端に不飽
和結合をもつ有機基は、オルガノシロキサンの分子鎖の
末端または中間のいずれに存在しても、あるいはその両
方に存在しても良いが、硬化後の弾性体が優れた物理的
性質を有するためには、少なくとも1個は分子鎖の末端
に存在していることが好ましい。
【0011】成分(A)の末端不飽和結合をもつ有機基
以外のケイ素原子に結合した有機基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等の
アルキル基、フェニル基のようなアリール基、クロロメ
チル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換
アルキル基等が例示されるが、これらのうち合成し易
く、かつ硬化後に良好な物理的性質を保つという点か
ら、メチル基が最も好ましい。
以外のケイ素原子に結合した有機基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等の
アルキル基、フェニル基のようなアリール基、クロロメ
チル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換
アルキル基等が例示されるが、これらのうち合成し易
く、かつ硬化後に良好な物理的性質を保つという点か
ら、メチル基が最も好ましい。
【0012】また、歯科用印象材として用いるために、
これに適した性質、特に硬化後において適度の硬度を有
し、かつ充分な伸び、機械的強度が得られるようにする
ため、シロキサン単位が50〜5000個、特に100
〜2000個連続して含まれることが好ましい。
これに適した性質、特に硬化後において適度の硬度を有
し、かつ充分な伸び、機械的強度が得られるようにする
ため、シロキサン単位が50〜5000個、特に100
〜2000個連続して含まれることが好ましい。
【0013】本発明に使用する成分(A)の代表的なも
のを具体的に示せば、
のを具体的に示せば、
【0014】
【化1】
【0015】(但し、Phはフェニル基を示す。)で示
されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、上
記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる化合
物中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であ
り、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は単に各
構成単位の総量を示すに過ぎない。
されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、上
記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる化合
物中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であ
り、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は単に各
構成単位の総量を示すに過ぎない。
【0016】本発明における成分(B)の末端に不飽和
結合をもつ有機基を分子内に1個有するオルガノポリシ
ロキサン(以下、成分(B)と記す)は末端に不飽和結
合をもつ有機基を1分子中に1個有するオルガノポリシ
ロキサンであれば他の有機基の構造は制限されず、直鎖
状であっても分枝鎖状であってもよく、これらの混合物
であってもよい。
結合をもつ有機基を分子内に1個有するオルガノポリシ
ロキサン(以下、成分(B)と記す)は末端に不飽和結
合をもつ有機基を1分子中に1個有するオルガノポリシ
ロキサンであれば他の有機基の構造は制限されず、直鎖
状であっても分枝鎖状であってもよく、これらの混合物
であってもよい。
【0017】また、成分(B)の分子内に存在する末端
に不飽和結合を有する有機基とは、成分(A)の分子内
に存在する末端に不飽和結合を有する有機基と同じであ
るが、合成のし易さからケイ素原子に結合したビニル基
が最も有利である。これらの分子内に不飽和結合を有す
る有機基は、オルガノポリシロキサンの分子鎖の末端ま
たは中間のいずれに存在しても良いが、ヒドロシリル化
反応の反応性の点から末端に存在していることが好まし
い。
に不飽和結合を有する有機基とは、成分(A)の分子内
に存在する末端に不飽和結合を有する有機基と同じであ
るが、合成のし易さからケイ素原子に結合したビニル基
が最も有利である。これらの分子内に不飽和結合を有す
る有機基は、オルガノポリシロキサンの分子鎖の末端ま
たは中間のいずれに存在しても良いが、ヒドロシリル化
反応の反応性の点から末端に存在していることが好まし
い。
【0018】成分(B)の末端に不飽和結合を有する有
機基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、成分
(A)と同じであるが、これらのうち合成し易く、かつ
硬化後に良好な物理的性質を保っているという点から、
メチル基が最も好ましい。
機基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、成分
(A)と同じであるが、これらのうち合成し易く、かつ
硬化後に良好な物理的性質を保っているという点から、
メチル基が最も好ましい。
【0019】このような成分(B)は、特開平7−29
2109号に示されるような非平衡法、あるいは平衡法
何れの合成方法によって得ることができる。
2109号に示されるような非平衡法、あるいは平衡法
何れの合成方法によって得ることができる。
【0020】例えば非平衡法の場合、次のような方法に
よって合成される。ヘキサメチルシクロトリシロキサン
のトルエン溶液にn−ブチルリチウム、トリメチルクロ
ロシランを順次加える。更にトリメチルシラノールのジ
メチルホルムアミド、アセトニトリル溶液を加えて反応
させる。一定時間後酢酸等の酸を加えて反応を停止さ
せ、片末端シラノールジメチルポリシロキサンを得る。
ここにビニルジメチルクロロシランを脱塩酸反応により
反応させ、低沸点分を除去し、片末端ビニルポリジメチ
ルシロキサンを得る。
よって合成される。ヘキサメチルシクロトリシロキサン
のトルエン溶液にn−ブチルリチウム、トリメチルクロ
ロシランを順次加える。更にトリメチルシラノールのジ
メチルホルムアミド、アセトニトリル溶液を加えて反応
させる。一定時間後酢酸等の酸を加えて反応を停止さ
せ、片末端シラノールジメチルポリシロキサンを得る。
ここにビニルジメチルクロロシランを脱塩酸反応により
反応させ、低沸点分を除去し、片末端ビニルポリジメチ
ルシロキサンを得る。
【0021】また、平衡法の場合、次のような方法によ
って合成される。オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンを適当な配合
比で仕込み、ここに酸、あるいはアルカリ触媒を加え、
反応させ、一定時間後中和、脱水、低沸点分を除去して
片末端ビニルポリジメチルシロキサンをジビニルポリジ
メチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの混合物と
して得る。
って合成される。オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンを適当な配合
比で仕込み、ここに酸、あるいはアルカリ触媒を加え、
反応させ、一定時間後中和、脱水、低沸点分を除去して
片末端ビニルポリジメチルシロキサンをジビニルポリジ
メチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの混合物と
して得る。
【0022】以上のような方法で合成される成分(B)
は、その使用する原料の選択により任意の構造、分子
量、置換基をとり得る。
は、その使用する原料の選択により任意の構造、分子
量、置換基をとり得る。
【0023】また、歯科用印象材として用いるために、
これに適した性質、特に硬化後において適度の硬度を有
し、かつ充分な伸び、機械的強度が得られるようにする
ため、シロキサン単位が50〜5000個、特に100
〜2000個連続して含まれることが好ましい。
これに適した性質、特に硬化後において適度の硬度を有
し、かつ充分な伸び、機械的強度が得られるようにする
ため、シロキサン単位が50〜5000個、特に100
〜2000個連続して含まれることが好ましい。
【0024】本発明に使用する成分(B)の代表的なも
のを具体的に示せば、
のを具体的に示せば、
【0025】
【化2】
【0026】(但し、Phはフェニル基を示す。)で示
されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、上
記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる化合
物中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であ
り、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は単に各
構成単位の総量を示すに過ぎない。
されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、上
記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる化合
物中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であ
り、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は単に各
構成単位の総量を示すに過ぎない。
【0027】本発明中において使用する成分(B)は、
ペースト粘度を変化させず且つ硬化体からのポリシロキ
サンのブリードを増加させずに硬化体の弾性歪を大きく
し、且つ永久歪を大きくしない役割をする。この理由は
今のところ明らかではないが、分子内に不飽和基を1個
しかもたないため、ヒドロシリル化反応により結合はす
るが架橋構造とならず、架橋密度を低下させて弾性は向
上するが、あまり永久変形しない性質を示すものと推定
される。
ペースト粘度を変化させず且つ硬化体からのポリシロキ
サンのブリードを増加させずに硬化体の弾性歪を大きく
し、且つ永久歪を大きくしない役割をする。この理由は
今のところ明らかではないが、分子内に不飽和基を1個
しかもたないため、ヒドロシリル化反応により結合はす
るが架橋構造とならず、架橋密度を低下させて弾性は向
上するが、あまり永久変形しない性質を示すものと推定
される。
【0028】本発明における成分(C)の分子内に3個
以上SiH基を有するオルガハイドロジェンポリシロキ
サン(以下、成分(C)と略す)は、成分(A)及び成
分(B)のオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反
応によって架橋させて硬化体をゴム弾性体とする働きを
持つ成分である。硬化体を架橋構造とするためには、分
子内にSiH基を少なくとも3個以上有するオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンを成分(A)と反応させる
ことが必要である。3個より少ないと架橋構造とならず
ゴム弾性体が得られない。
以上SiH基を有するオルガハイドロジェンポリシロキ
サン(以下、成分(C)と略す)は、成分(A)及び成
分(B)のオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反
応によって架橋させて硬化体をゴム弾性体とする働きを
持つ成分である。硬化体を架橋構造とするためには、分
子内にSiH基を少なくとも3個以上有するオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンを成分(A)と反応させる
ことが必要である。3個より少ないと架橋構造とならず
ゴム弾性体が得られない。
【0029】成分(C)において、水素原子以外のケイ
素原子に結合した有機基としては、前述の成分(A)中
における末端に不飽和結合をもつ有機基及び末端に不飽
和結合をもたない有機基と同様のものが例示されるが、
合成が容易で、かつ硬化後に良好な物理的性質を保って
いるという点から、メチル基が最も好ましい。かかる成
分(C)は、直鎖状、分枝状または環状のいずれであっ
ても良くこれらの混合物であっても良い。
素原子に結合した有機基としては、前述の成分(A)中
における末端に不飽和結合をもつ有機基及び末端に不飽
和結合をもたない有機基と同様のものが例示されるが、
合成が容易で、かつ硬化後に良好な物理的性質を保って
いるという点から、メチル基が最も好ましい。かかる成
分(C)は、直鎖状、分枝状または環状のいずれであっ
ても良くこれらの混合物であっても良い。
【0030】本発明に使用する成分(C)の代表的なも
のを具体的に示せば、
のを具体的に示せば、
【0031】
【化3】
【0032】(但し、Phはフェニル基を示す。)で示
されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、上
記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる成分
(C)においても、不飽和結合含有シリコーンと同様に
分子内の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であ
る。
されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。尚、上
記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる成分
(C)においても、不飽和結合含有シリコーンと同様に
分子内の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であ
る。
【0033】本発明の末端に不飽和結合をもつ有機基含
有の成分(A)及び成分(B)とSiH基を有する成分
(C)の各配合量は、成分(B)の分子内の末端不飽和
結合の総個数が成分(A)の分子内の末端不飽和結合の
総個数に対して0.01〜5倍になる比であり、更に好
ましくは0.05〜1倍になる比であり、且つ成分
(C)中のSiH基の水素原子の総個数が成分(A)及
び成分(B)の分子内の末端不飽和結合の総個数に対し
て0.5〜5倍になる比であり、更に好ましくは2〜4
倍になる比である。各成分をこのような量比となるよう
に配合すれば、適度な弾性を有し、残存SiH基に由来
する発泡も極めて少なく、歯科用印象材として特に好適
な硬化体が得られる。
有の成分(A)及び成分(B)とSiH基を有する成分
(C)の各配合量は、成分(B)の分子内の末端不飽和
結合の総個数が成分(A)の分子内の末端不飽和結合の
総個数に対して0.01〜5倍になる比であり、更に好
ましくは0.05〜1倍になる比であり、且つ成分
(C)中のSiH基の水素原子の総個数が成分(A)及
び成分(B)の分子内の末端不飽和結合の総個数に対し
て0.5〜5倍になる比であり、更に好ましくは2〜4
倍になる比である。各成分をこのような量比となるよう
に配合すれば、適度な弾性を有し、残存SiH基に由来
する発泡も極めて少なく、歯科用印象材として特に好適
な硬化体が得られる。
【0034】また、成分(C)の配合量が上記配合割合
で表して成分(A)と成分(B)に対して0.5倍以上
あれば、更に分子内にSiH基を2個あるいは1個しか
含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加
してもよい。
で表して成分(A)と成分(B)に対して0.5倍以上
あれば、更に分子内にSiH基を2個あるいは1個しか
含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加
してもよい。
【0035】本発明に使用される(D)ヒドロシリル化
反応触媒(以下、成分(D)と略記する)は、通常のヒ
ドロシリル化反応に用いられるものであれば制限なく使
用することができ、例えば塩化白金酸、そのアルコール
変性物、白金のビニルシロキサン錯体等を挙げることが
できる。なお、保存性を高めるためには、白金のビニル
シロキサン錯体のようなクロル分の少ないものを使用す
るのが好適である。
反応触媒(以下、成分(D)と略記する)は、通常のヒ
ドロシリル化反応に用いられるものであれば制限なく使
用することができ、例えば塩化白金酸、そのアルコール
変性物、白金のビニルシロキサン錯体等を挙げることが
できる。なお、保存性を高めるためには、白金のビニル
シロキサン錯体のようなクロル分の少ないものを使用す
るのが好適である。
【0036】この成分(D)の配合量は、一般的には白
金重量換算で、成分(A)、成分(B)及び成分(C)
の合計重量に対して0.1〜1000ppmの範囲とす
れば良い。配合量が0.1ppm未満の場合は、成分
(A)及び成分(B)の不飽和結合含有シリコーンと成
分(C)のSiHシロキサンの架橋反応が充分に進行せ
ず、1000ppmより多い場合は、白金黒の析出によ
り硬化体が黄色く、或はひどいときには黒く着色した
り、架橋反応の制御が困難になる等の問題点が生じる傾
向にある。。
金重量換算で、成分(A)、成分(B)及び成分(C)
の合計重量に対して0.1〜1000ppmの範囲とす
れば良い。配合量が0.1ppm未満の場合は、成分
(A)及び成分(B)の不飽和結合含有シリコーンと成
分(C)のSiHシロキサンの架橋反応が充分に進行せ
ず、1000ppmより多い場合は、白金黒の析出によ
り硬化体が黄色く、或はひどいときには黒く着色した
り、架橋反応の制御が困難になる等の問題点が生じる傾
向にある。。
【0037】本発明に使用される(E)充填材(以下、
成分(E)と略記する)は、成分(A)、成分(B)、
成分(C)及び成分(D)より得られるシリコーンゴム
の補強材としての働きをする。
成分(E)と略記する)は、成分(A)、成分(B)、
成分(C)及び成分(D)より得られるシリコーンゴム
の補強材としての働きをする。
【0038】成分(E)としては、一般に粉砕石英、溶
融シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、珪藻土、ポリオル
ガノシルセスキオキサン微粒子等のシリカ系粉末、酸化
アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、
炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、カーボンブラック
等が挙げられ、必要に応じてこれらの1種または2種以
上を組み合わせて使用することができる。
融シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、珪藻土、ポリオル
ガノシルセスキオキサン微粒子等のシリカ系粉末、酸化
アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、
炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、カーボンブラック
等が挙げられ、必要に応じてこれらの1種または2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0039】また、これらの充填材は必要に応じてその
表面をポリジメチルシロキサンやオクタメチルシクロテ
トラシロキサンなどのポリオルガノシロキサン類、ヘキ
サメチルシラザンや1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジビニルシラザンなどのシラザン類及びビニル
トリエトキシシランなどのオルガノシラン類等の有機ケ
イ素化合物で処理したものを用いることができる。
表面をポリジメチルシロキサンやオクタメチルシクロテ
トラシロキサンなどのポリオルガノシロキサン類、ヘキ
サメチルシラザンや1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジビニルシラザンなどのシラザン類及びビニル
トリエトキシシランなどのオルガノシラン類等の有機ケ
イ素化合物で処理したものを用いることができる。
【0040】成分(E)の添加量は一般的には成分
(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)の合計
量を100重量部として5〜500重量部、更に好まし
くは20〜200重量部である。
(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)の合計
量を100重量部として5〜500重量部、更に好まし
くは20〜200重量部である。
【0041】成分(A)乃至成分(E)からなる組成物
は、歯科用印象材として優れたものであるが、更に口腔
内粘膜や石膏に対する馴染みをよくするために親水性を
付与するために親水性付与剤を添加することが好まし
い。該親水性付与剤は印象材としての物性に悪影響をし
ない範囲で制限なく添加できる。本発明で使用できる親
水性付与剤の例を挙げるとシリコーン・ポリエーテル化
合物、シリコーン・ポリオール化合物、カルボキシル基
含有ポリオルガノシロキサン化合物等の親水性シリコー
ン系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、諸糖脂肪
酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソル
ビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケ
ニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(アルケ
ニル)フェニルエーテル等の非イオン系界面活性剤、水
溶性または水に微溶性のタンパク質等が挙げられる。こ
れらは必要に応じて1種または2種以上組み見合わせて
使用され、添加量としては成分(A)、成分(B)、成
分(C)、成分(D)及び成分(E)の合計量100重
量部に対して1〜20重量部が好適である。
は、歯科用印象材として優れたものであるが、更に口腔
内粘膜や石膏に対する馴染みをよくするために親水性を
付与するために親水性付与剤を添加することが好まし
い。該親水性付与剤は印象材としての物性に悪影響をし
ない範囲で制限なく添加できる。本発明で使用できる親
水性付与剤の例を挙げるとシリコーン・ポリエーテル化
合物、シリコーン・ポリオール化合物、カルボキシル基
含有ポリオルガノシロキサン化合物等の親水性シリコー
ン系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、諸糖脂肪
酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソル
ビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケ
ニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(アルケ
ニル)フェニルエーテル等の非イオン系界面活性剤、水
溶性または水に微溶性のタンパク質等が挙げられる。こ
れらは必要に応じて1種または2種以上組み見合わせて
使用され、添加量としては成分(A)、成分(B)、成
分(C)、成分(D)及び成分(E)の合計量100重
量部に対して1〜20重量部が好適である。
【0042】また、離型性向上のために高分子量のポリ
オルガノシロキサン生ゴムや流動パラフィン、パラフィ
ンワックス等を添加することができる。
オルガノシロキサン生ゴムや流動パラフィン、パラフィ
ンワックス等を添加することができる。
【0043】更に、必要に応じて黒色白金あるいは微粒
パラジウム等を水素ガス吸収剤として添加できる。
パラジウム等を水素ガス吸収剤として添加できる。
【0044】また、その物性を著しく低下しない範囲で
更に他の添加剤を添加してもよい。かかる添加剤として
は、非反応性シリコーン、反応抑制剤、紫外線吸収剤、
可塑剤、顔料、酸化防止剤、抗菌剤等が挙げられる。
更に他の添加剤を添加してもよい。かかる添加剤として
は、非反応性シリコーン、反応抑制剤、紫外線吸収剤、
可塑剤、顔料、酸化防止剤、抗菌剤等が挙げられる。
【0045】本発明の歯科用印象材の好適な態様を挙げ
れば、下記(1)〜(6)のような態様が挙げられる。
れば、下記(1)〜(6)のような態様が挙げられる。
【0046】(1)成分(A)のオルガノポリシロキサ
ンが、シロキサン単位50〜5000個を有するオルガ
ノポリシロキサンであり、成分(B)のオルガノポリシ
ロキサンがシロキサン単位50〜5000個を有するオ
ルガノポリシロキサンである本発明の歯科用印象材。
ンが、シロキサン単位50〜5000個を有するオルガ
ノポリシロキサンであり、成分(B)のオルガノポリシ
ロキサンがシロキサン単位50〜5000個を有するオ
ルガノポリシロキサンである本発明の歯科用印象材。
【0047】(2)成分(A)のオルガノポリシロキサ
ンが、シロキサン単位100〜2000個を有するオル
ガノポリシロキサンであり、成分(B)のオルガノポリ
シロキサンがシロキサン単位100〜2000個を有す
るオルガノポリシロキサンである本発明の歯科用印象
材。
ンが、シロキサン単位100〜2000個を有するオル
ガノポリシロキサンであり、成分(B)のオルガノポリ
シロキサンがシロキサン単位100〜2000個を有す
るオルガノポリシロキサンである本発明の歯科用印象
材。
【0048】(3)成分(B)の分子内の末端不飽和結
合の総個数が成分(A)の分子内の末端不飽和結合の総
個数に対して0.05〜1倍になる比であり、成分
(C)中のSiH基の水素原子の総個数が成分(A)及
び成分(B)の分子内の末端不飽和結合の総個数に対し
て2〜4倍になる比である上記(1)又は(2)の歯科
用印象材。
合の総個数が成分(A)の分子内の末端不飽和結合の総
個数に対して0.05〜1倍になる比であり、成分
(C)中のSiH基の水素原子の総個数が成分(A)及
び成分(B)の分子内の末端不飽和結合の総個数に対し
て2〜4倍になる比である上記(1)又は(2)の歯科
用印象材。
【0049】(4)成分(D)が白金系のヒドロシリル
化触媒、特に白金のビニルシロキサン錯体である、上記
(3)の歯科用印象材。
化触媒、特に白金のビニルシロキサン錯体である、上記
(3)の歯科用印象材。
【0050】(5)成分(D)の配合量が、白金重量換
算で、成分(A)、(B)及び(C)の合計重量に対し
て0.1〜1000ppmであり、成分(E)の配合量
が成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を1
00重量部としたときに5〜500重量部、好ましくは
20〜200重量部となる量である、上記(4)の歯科
用印象材。
算で、成分(A)、(B)及び(C)の合計重量に対し
て0.1〜1000ppmであり、成分(E)の配合量
が成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を1
00重量部としたときに5〜500重量部、好ましくは
20〜200重量部となる量である、上記(4)の歯科
用印象材。
【0051】(6)更に、親水性付与剤を成分(A)〜
(E)の合計量を100重量部としたときに1〜20重
量部となる量含む上記(5)の歯科用印象材。
(E)の合計量を100重量部としたときに1〜20重
量部となる量含む上記(5)の歯科用印象材。
【0052】本発明の歯科用印象材は、通常、成分
(A)及び/又は(B)、成分(C)並びに成分(D)
が同時に共存しない(即ち保存中にヒドロシリル化反応
が起こらない)形態、例えば成分(A)及び/又は成分
(B)、成分(D)、成分(E)及び必要に応じて添加
剤を含むペースト甲、並びに、成分(A)、及び/又は
成分(B)、成分(C)、成分(E)及び必要に応じて
添加剤を含むペースト乙からなる2包装型として調製さ
れ、使用直前に両者を混合して使用するのが一般的であ
る。ペースト甲、乙の製造方法としては、必要成分を適
量計量し、ニーダー、プラネタリー等の一般的な混練機
によって均一になるまで混練することにより得ることが
できる。
(A)及び/又は(B)、成分(C)並びに成分(D)
が同時に共存しない(即ち保存中にヒドロシリル化反応
が起こらない)形態、例えば成分(A)及び/又は成分
(B)、成分(D)、成分(E)及び必要に応じて添加
剤を含むペースト甲、並びに、成分(A)、及び/又は
成分(B)、成分(C)、成分(E)及び必要に応じて
添加剤を含むペースト乙からなる2包装型として調製さ
れ、使用直前に両者を混合して使用するのが一般的であ
る。ペースト甲、乙の製造方法としては、必要成分を適
量計量し、ニーダー、プラネタリー等の一般的な混練機
によって均一になるまで混練することにより得ることが
できる。
【0053】
【発明の効果】本発明により得られた歯科用印象材は、
硬化後に適度な弾性歪みを有し、且つ永久歪みの小さい
歯科用印象材として好適に用いられる。
硬化後に適度な弾性歪みを有し、且つ永久歪みの小さい
歯科用印象材として好適に用いられる。
【0054】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために実施例
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0055】以下の実施例及び比較例に使用する成分
(A)、成分(B)及びその他ポリシロキサン成分を表
1、成分(C)を表2及び成分(D)、成分(E)、そ
の他成分を表3に示す。
(A)、成分(B)及びその他ポリシロキサン成分を表
1、成分(C)を表2及び成分(D)、成分(E)、そ
の他成分を表3に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】尚、実施例、比較例において歯科用シリコ
ーン印象材の評価は下記の方法により評価した。
ーン印象材の評価は下記の方法により評価した。
【0060】(1)弾性歪及び永久歪 23℃の恒温室中で表4に示す組成を有するペースト
甲、乙を等量づつ計り取り、両者をスパチュラで30秒
間練和し、硬化体を得る。得られた硬化体について、J
IS T6513に準じて弾性歪、永久歪を測定する。
弾性歪が大きいほど硬化体が柔らかく、永久歪が小さい
ほど変形が小さいことを示す。
甲、乙を等量づつ計り取り、両者をスパチュラで30秒
間練和し、硬化体を得る。得られた硬化体について、J
IS T6513に準じて弾性歪、永久歪を測定する。
弾性歪が大きいほど硬化体が柔らかく、永久歪が小さい
ほど変形が小さいことを示す。
【0061】(2)練和性 スパチュラでペースト甲と乙を練和するときの練和感を
重い、適当、軽すぎるの3段階で評価した。
重い、適当、軽すぎるの3段階で評価した。
【0062】(3)印象面及び油分のブリード 実際の口腔内で印象を採得し、直後の表面状態及び1週
間放置した後の油分のブリードの有無を観察した。
間放置した後の油分のブリードの有無を観察した。
【0063】実施例1 表4の実施例1の重量割合で表1,2,3で示した化合
物をそれぞれ計量し、プラネタリーミキサーで約4時間
混合し、ペースト甲と乙を得た。
物をそれぞれ計量し、プラネタリーミキサーで約4時間
混合し、ペースト甲と乙を得た。
【0064】このペースト甲と乙を等量計り取り、両者
を練和して上記評価方法で評価した。その結果を表6に
示す。
を練和して上記評価方法で評価した。その結果を表6に
示す。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】実施例2〜5、比較例1〜3 実施例1と同様に表4及び表5の混合比でペースト甲、
乙を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その評価
結果を表6に示す。
乙を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その評価
結果を表6に示す。
【0069】表6の結果より、本発明のいずれの実施例
も歯科用印象材は弾性歪みが大きく且つ永久歪みの小さ
い物性を有していることが判る。更に、練和性、印象面
及び油分のブリードも良好なことが示され、優れた印象
材であることが判る。それに対して成分(B)を添加し
ない場合は弾性歪みが小さく(比較例1)、弾性歪みを
大きくするために末端不飽和結合の総個数に対するSi
H基の水素原子の総個数の割合を大きくすると(比較例
2)硬化体表面に発泡が起きる問題点が生じる。また、
非反応性のシリコーンを添加して(比較例5)弾性歪み
を大きくすると永久歪みが大きく、油分のブリードを生
じる。一方、成分(B)を添加しても、成分(B)の末
端不飽和基の総個数量が成分(A)の末端不飽和基の総
個数に対して少なすぎると、効果がなく(比較例3)、
多すぎると硬化不良を起こし、永久歪みも大きくなって
しまう(比較例4)。
も歯科用印象材は弾性歪みが大きく且つ永久歪みの小さ
い物性を有していることが判る。更に、練和性、印象面
及び油分のブリードも良好なことが示され、優れた印象
材であることが判る。それに対して成分(B)を添加し
ない場合は弾性歪みが小さく(比較例1)、弾性歪みを
大きくするために末端不飽和結合の総個数に対するSi
H基の水素原子の総個数の割合を大きくすると(比較例
2)硬化体表面に発泡が起きる問題点が生じる。また、
非反応性のシリコーンを添加して(比較例5)弾性歪み
を大きくすると永久歪みが大きく、油分のブリードを生
じる。一方、成分(B)を添加しても、成分(B)の末
端不飽和基の総個数量が成分(A)の末端不飽和基の総
個数に対して少なすぎると、効果がなく(比較例3)、
多すぎると硬化不良を起こし、永久歪みも大きくなって
しまう(比較例4)。
Claims (1)
- 【請求項1】末端に不飽和結合をもつ有機基を分子内に
少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサン
(A)、末端に不飽和結合をもつ有機基を分子内に1個
有するオルガノポリシロキサン(B)、分子内に3個以
上のSiH基を有するオルガハイドロジェンポリシロキ
サン(C)、ヒドロシリル化反応触媒物質(D)及び充
填材(E)を含んでなり、(B)の末端不飽和結合の総
個数が(A)の末端不飽和結合の総個数に対して、0.
01〜5倍になる比であり、(C)のSiH基の水素原
子の総個数が(A)と(B)の末端不飽和結合の総個数
に対して0.5〜5倍になる比であることを特徴とする
歯科用印象材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9062899A JPH10259110A (ja) | 1997-03-17 | 1997-03-17 | 歯科用印象材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9062899A JPH10259110A (ja) | 1997-03-17 | 1997-03-17 | 歯科用印象材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10259110A true JPH10259110A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13213567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9062899A Withdrawn JPH10259110A (ja) | 1997-03-17 | 1997-03-17 | 歯科用印象材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10259110A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016151009A (ja) * | 2015-02-19 | 2016-08-22 | 信越化学工業株式会社 | 歯科印象材用シリコーンエラストマー組成物 |
-
1997
- 1997-03-17 JP JP9062899A patent/JPH10259110A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016151009A (ja) * | 2015-02-19 | 2016-08-22 | 信越化学工業株式会社 | 歯科印象材用シリコーンエラストマー組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040601 |