JP4231949B2 - 歯科用粘膜調整材組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歯科治療において使用される義歯床用裏装材の内、特に口腔粘膜の変形や炎症などを有する義歯装着患者のための歯科用粘膜調整材に関する。
【0002】
【従来の技術】
義歯を長期間使用すると、歯槽堤の吸収等により義歯との適合が次第に悪くなり、維持、安定が不良になってくる。そして、不適合になった義歯をそのまま使用し続けると、義歯床下粘膜に不均一な圧力が加わるため、該粘膜に潰瘍や炎症が発生したり、咬合圧による疼痛が引き起こされたりするようになる。上記のような不適合が起こった場合には、新しい義歯を作製したり、使用中の義歯を裏装して義歯の粘膜に対する適合性を回復させる必要がある。
【0003】
しかしながら、不適合が起こった場合、通常患者の口腔粘膜は上記した潰瘍や炎症等により不安定な状態であるため、新しい義歯の作製や裏装は、義歯床下粘膜との良好な適合性を確保するために、口腔粘膜が健全な状態になるのを待ってから行う必要がある。
【0004】
このような場合に使用される材料が歯科用粘膜調整材である。即ち、歯科用粘膜調整材は義歯床下粘膜の形態、色調が正常な状態に回復するまで使用中の義歯の粘膜面に裏打ちして用いられる治療用材料である。
【0005】
なお、現在、義歯床に関連する軟質材料としては、大きく分けて義歯床固定用糊材(いわゆる入れ歯安定材)、歯科用粘膜調整材、軟質裏装材の3種があるが、これらはいずれも使用目的、方法、使用期間、所要性状などが異なっている。
【0006】
例えば義歯床固定用糊材は、本人が自ら施術して1日〜数日の非常に短い期間使用するものである。そのため該義歯床固定用糊材としては、義歯床とは完全に接着せずに粘着程度の接着力を発現するものが求められている。
【0007】
これに対し、歯科用粘膜調整材及び軟質裏装材は、いずれも施術者が医師である点では共通しているが、その使用目的の違いによりそれぞれ要求される物性が大きく異なっている。具体的には、歯科用粘膜調整材は、前述したように、義歯修理の前段階で口腔粘膜の治療用として使用するものであり、その目的からして柔軟でしかも塑性変形が可能でなければならず、使用期間は口腔粘膜が健全な状態に回復するまでの1週間〜数週間の比較的短期間である。これに対し、軟質裏装材は義歯を修理するための材料であるため、修理後長期間に渡って変形しないことが要求される。
【0008】
このように、上記した3種の材料は、形式的にはいずれも軟質材料で義歯を裏装して使用するものであるが、その使用目的及び要求性能から歯科用材料として明確にその分類を異にするものである。
【0009】
現在、歯科用粘膜調整材としては、ポリエチルメタクリレートもしくはその共重合体からなる粉成分と、エタノールを4〜20重量%程度含有するフタル酸エステル系可塑剤からなる液成分との練成材料が広く使用されている。該粘膜調整材は、粉成分と液成分とを混和すると柔らかな弾性体となるため、本材料を不適合となった義歯の粘膜面に裏打ちすると義歯の適合性を回復し、咬合圧による疼痛を緩和することができる。また、疼痛が緩和されると、口腔粘膜の潰瘍や炎症が次第に消失し、それに伴ない口腔粘膜の形態も経時的に本来あるべき状態へと回復していく。このとき、該粘膜調整材は口腔粘膜の形態変化に合わせて変形するという優れた特徴を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如き従来の歯科用粘膜調整材は下記▲1▼〜▲3▼の点で問題があった。
【0011】
▲1▼使用中に可塑剤及びエタノールが溶出することに起因して、経時的に硬くなったり、生体に対する影響が懸念されたり、不快な味がしたり、刺激を受けたりすること、▲2▼使用中に食物中の油分、唾液などを吸収して汚れたり、悪臭を発生したりすること、並びに▲3▼治療終了後には、裏装材施術のために使用済みの歯科用粘膜調整材を義歯床から除去する必要があるが、該歯科用粘膜調整材は義歯床と基本的に同質の材料で構成されているために、義歯床に強固に接着し、このように義歯床に強固に接着した粘膜調整材を除去する(具体的には研削による)のが非常に困難であること。
【0012】
本発明は、上記▲1▼〜▲3▼のような問題のない、歯科用粘膜調整材を開発することを目的とする。
【0013】
【問題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来歯科用粘膜調整材には使用されていないシリコーンゴム、特に常温付加重合型シリコーンゴムを素材として用いて、上記▲1▼〜▲3▼のような問題点のない歯科用粘膜調整材を得ることに成功し、既に提案した。
【0014】
シリコーンゴムは、撥水性、非粘着性で生理的に無毒であるという歯科用材料として優れた特徴を有する材料である。実質的にシリコーンゴムからなる歯科用粘膜調整材はこれまで知られていない。
【0015】
上記歯科用粘膜調整材は、その成分の大部分が無色、無味、無臭で不揮発性、無毒性のものからなるシリコーンゴムから実質的になるため、基本的に前記▲1▼及び▲2▼の問題を起こさない。また、シリコーンゴムは義歯床のレジンと異なるため、義歯床であるレジンとの接着力を制御した接着剤の設計が可能となるため、前記▲3▼の問題も解決できる。
【0016】
上記歯科用粘膜調整材において、シリコーンゴムが常温付加重合型シリコーンゴムである場合には、その成形を口腔内で直接行うことができるという特徴を有している。
【0017】
さらに、上記粘膜調整材は、使用するシリコーンゴムが(i)弾性歪みが15%以上、好ましくは20%以上であり、且つその永久歪みが0.5%以上であるか、(ii)その正弦正接が0.5以上であるか、あるいは(iii)ショア硬度が15以下であるときには、適度な弾性を有したまま、傷んだ義歯床下粘膜が治癒するにつれて起こる粘膜形状の回復に伴い適度に塑性変形するという、歯科用粘膜調整材として優れた性能を持つ。
【0018】
この様な物性は、シリコーンゴムの架橋密度、補強材であるシリカ系充填材の量等を調整することにより実現することができる。
【0019】
しかしながら、先に提案した、シリカ系充填材を必須成分とした上記粘膜調整材は、成形後の硬化体強度の点では優れているものの、硬化体の切削性が不十分であることが判明し、更に改良、研究を行った。
【0020】
その結果、充填材としてシリコーン樹脂系充填材を必須成分とした粘膜調整材は、硬化体強度を低下させることなく、優れた切削性を実現できることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0021】
即ち、、(A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)シリコーン樹脂系充填剤、および(D)ヒドロシリル化触媒を含有してなり、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数の比が0.3〜1.2であり、成分(A)100重量部に対して、成分(C)が1〜300重量部、成分(D)が触媒量であることを特徴とする歯科用粘膜調整材組成物である。
【0022】
他の発明は、(A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)シリコーン樹脂系充填剤、(D)ヒドロシリル化触媒、および(E)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に1個または2個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有してなり、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B)および成分(E)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数の比が0.7〜1.5であり、成分(B)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数に対する成分(E)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数の比が0.5〜10であり、成分(A)100重量部に対して、成分(C)が1〜300重量部、成分(D)が触媒量であることを特徴とする歯科用粘膜調整材組成物である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明において使用する成分(A)の末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、成分(B)のケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋させる架橋剤として働き、成分(D)のヒドロシリル化触媒は架橋反応であるヒドロシリル化反応の触媒として働く。また、成分(C)のシリコーン樹脂系充填材はシリコーンゴムに機械的強度を付与する補強材として働く。
【0024】
更に、本発明の粘膜調整材組成物においては、さらに(E)ケイ素原子に直接結合している水素原子を分子中に1個又は2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを共存させて反応を行ってもよい。
【0025】
該粘膜調整材組成物においては、成分(A)に対する成分(B)の量比を制御することにより架橋密度を調整し、得られるシリコーンゴムの柔軟性と塑性変形性を調整することができる。なお、成分(A)と成分(B)の量比の制御だけでもこのような調整は十分可能であるが、成分(E)を併用して反応を行う場合には、更にその制御が容易となる。
【0026】
以下、本発明の粘膜調整材組成物について詳しく説明する。なお、説明の便宜のため、以下、“末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン”及び“分子中にケイ素原子に直接結合している水素原子(SiH基に対応する)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン”をそれぞれ単に“不飽和結合含有シロキサン”及び“SiHシロキサン”ともいう。
【0027】
本発明において使用する成分(A)は、末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであればその構造は限定されず、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0028】
また粘度は特に制限されないが、硬化前のペーストの性状、硬化後に得られる硬化体の性状等の点から、10〜10000ポイズが好ましい。更に好適な粘度は10〜3000ポイズである。ただし成分(A)として数種類の不飽和結合含有シロキサンを混合して使用した場合には、上記粘度は混合物の粘度を意味する。
【0029】
成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する末端に炭素−炭素不飽和結合を有する有機基としては、好ましくは、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、エチニル基等が例示される。これらのうち、合成、入手のしやすさからビニル基が最も好ましい。これらの末端に炭素−炭素不飽和結合を有する有機基は、オルガノシロキサンの分子鎖の末端、または中間のいずれに存在しても、あるいはその両方に存在しても良い。硬化時の反応性、硬化後の硬化体が優れた物理的性質を有するためには、少なくとも1個は末端に存在していることが好ましい。
【0030】
成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する上記の“末端に炭素−炭素不飽和結合を有する有機基”以外の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基のようなアリール基、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換アルキル基等が例示される。これらのうち合成、入手が容易で且つ硬化後に良好な物理的性質を与えるという点から、メチル基が最も好ましい。
【0031】
本発明で使用できる成分(A)の代表的なものを具体的に示せば、
【0032】
【化1】
Figure 0004231949
【0033】
(ただし、Phはフェニル基を示す。)
で示されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。なお、上記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる不飽和結合含有シロキサン中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は各構成単位の総量を示すにすぎない。
【0034】
本発明において使用する成分(B)は、ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、成分(A)の不飽和結合含有シロキサンを架橋させてゴム弾性体とする働きを持つ成分である。
【0035】
不飽和結合含有シロキサンと反応して架橋構造となるためには、ケイ素原子に直接結合している水素原子(すなわち、SiH基)が分子中に少なくとも3個は必要である。分子中に存在するSiH基の数が3個より少ないと架橋構造とならずゴム弾性体を得ることができない。
【0036】
成分(B)中のSiHシロキサン分子中に存在する有機基は、特に限定されず、たとえば前述した成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する“末端に炭素−炭素不飽和結合を有する有機基”以外の有機基と同様のものが例示されるが、合成、入手が容易で且つ硬化後に良好な物理的性質を与えるという点から、メチル基が最も好ましい。かかるSiHシロキサンは、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0037】
本発明で使用できる成分(B)の代表的なものを具体的に示せば、
【0038】
【化2】
Figure 0004231949
【0039】
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。なお、上記SiHシロキサン及び後述する実施例、比較例に用いられる成分(B)のSiHシロキサンにおいても、成分(A)の不飽和結合含有シロキサンと同様に分子内の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は各構成単位の総量を示すにすぎない。
【0040】
また、本発明に使用する成分のうち、成分(A)及び成分(B)と共存して反応させてもよい成分(E)は、ケイ素原子に直接結合している水素原子を分子中に1個あるいは2個しか含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。該成分(E)を配合すると、弾性率が小さくなる傾向があり、硬化体の粘弾性を調節しやすくなる。
【0041】
成分(E)中のSiHシロキサン分子中に存在する有機基は、特に限定されず、たとえば前述した成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する“末端に炭素−炭素不飽和結合を有する有機基”以外の有機基と同様のものが例示されるが、合成、入手が容易で且つ硬化後に良好な物理的性質を与えるという点から、メチル基が最も好ましい。かかるSiHシロキサンは、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0042】
本発明で使用できる成分(E)の代表的なものを具体的に示せば、
【0043】
【化3】
Figure 0004231949
【0044】
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。上記SiHシロキサン及び後述する実施例、比較例に用いられる成分(E)のSiHシロキサンにおいても、成分(A)の不飽和結合含有シロキサンと同様に分子内の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は各構成単位の総量を示すにすぎない。
【0045】
本発明の粘膜調整材において、反応させる成分(A)と成分(B)との量比は、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B)中のケイ素原子に結合している水素原子の総数の比で表して、0.3〜1.2となる量比であることが必要である。
【0046】
また、成分(E)を共存させる組成物においては、反応させる成分(A)、成分(B)、及び成分(E)の量比は、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B)及び成分(E)のケイ素原子に結合している水素原子の総数の比が、0.7〜1.5であるのが必要であり、成分(B)のケイ素原子に結合している水素原子の総数に対する成分(E)のケイ素原子に結合している水素原子の総数の比が0.5〜10であるのが必要であり、特に2〜10となる量比であるのが好適である。
【0047】
本発明において使用する成分(C)は、シリコーン樹脂系充填剤である。該成分(C)は、不飽和結合含有シロキサン、SiHシロキサン及びヒドロシリル化反応触媒物質より得られる硬化物であるシリコーンゴムの補強材としての働きをなす。
【0048】
成分(C)として挙げた充填材、即ちシリコーン樹脂系充填材は、Si−O結合、Si−CH3 結合などを持つため、マトリックスであるシリコーンとの馴染みもよく、更にシリコーンゴムに対する補強効果もあるため硬化後の弾性体はある程度の力学的強度を持つ。更に適度な粒径のものを選択することにより高充填率で充填することが可能であり、又、硬化後の弾性体に充分な剛性を与えることができる。そのため硬化後の弾性体に切削性を付与することができる。
【0049】
本発明に使用するシリコーン樹脂系充填剤として代表的なものを具体的に示せば、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリ(50mol%メチル+50mol%フェニル)シルセスキオキサン、ポリ(99mol%メチル+1mol%ハイドロジェン)シルセスキオキサン等が挙げられる。
【0050】
これらの中で、オルガノトリアルコキシシランまたはその加水分解、縮合物の一種又はそれ以上の混合物をアンモニアまたはアミン類の水溶液中で加水分解、縮合させて得られたものが、塩素原子、アルカリ土類金属、アルカリ金属などの不純物がほとんどなく、また球状であり好ましい。
【0051】
成分(C)の平均粒子径は0.1〜100μm、好ましくは0.1〜20μmのものが使用される。0.1μm未満のものは製造し難い上に、歯科用粘膜調整材として必要な量の充填が難しいという欠点があり、100μmを超えると、歯科用粘膜調整材に必要な補強効果が得られ難くなる傾向にある。
【0052】
成分(C)の配合量は、補強用充填剤としての効果が充分に発揮できる量であれば特に制限されないが、補強効果および硬化前のペーストの操作性の観点から、成分(A)100重量部に対して1〜300重量部であり、好ましくは5〜100重量部である。
【0053】
さらに、前記の歯科用粘膜調整材組成物においては、必要に応じて成分(C)の一部をシリカ系充填剤で置換しても良い。
【0054】
好適に使用できるシリカ系充填材の例として、粉砕石英、溶融シリカ粉末、湿式シリカ粉末、乾式シリカ粉末等が挙げられる。
【0055】
本発明に使用される成分(D)のヒドロシリル化反応触媒は、前記成分(A)と、成分(B)及び更に必要に応じて添加される成分(E)とを反応(具体的にはヒドロシリル化反応)させて、オルガノポリシロキサンの架橋体からなるマトリックスを形成するための触媒として作用するものである。成分(D)は、この様な触媒作用を有するものであれば、通常ヒドロシリル化反応触媒として使用されるものが制限なく使用できる。
【0056】
好適に使用できる成分(D)を例示すれば、塩化白金酸、そのアルコール変性物、白金のビニルシロキサン錯体等の白金系触媒、また同様のロジウム系触媒などを挙げることができる。これらの中でも入手の容易さ等の点から白金系触媒が好ましい。なお、保存性を高めるためには、白金のビニルシロキサン錯体のようなクロル分の少ないものを使用するのが好適である。
【0057】
成分(D)の配合量は、ヒドロシリル化反応を充分に進行させる量であれば特に制限されない。一般に、ある程度まではヒドロシリル化反応の速度は成分(D)の配合量の増加に伴い速くなるが、過剰量の使用は配合量に見合った効果が得られず、経済的に不利になるばかりでなく、逆に架橋反応の制御が難しくなったり、着色等の問題を引き起こす傾向がある。従って、成分(D)の配合量を決定するに当たっては、この様な点を考慮しつつ各系毎に適宜決定すればよい。因みに、成分(D)が白金系触媒の場合には、成分(D)の好適な配合量は、白金量として成分(A)、成分(B)及び必要に応じて配合される成分(E)の合計量に対して0.1〜1000ppmの範囲である。
【0058】
本発明において、上記必須各成分(A)〜(E)を使用直前に混合して本発明の歯科用粘膜調整材組成物として使用に供することもできるが、保存中の硬化を防止するために、通常は各成分を下記の如く分包して保存する。
【0059】
本発明の粘膜調整材組成物の保存形態として、成分(A)、成分(B)、成分(C)並びに必要に応じて成分(E)、及び各種添加剤を含む甲剤と、成分(A)、成分(C)、成分(D)、及び各種添加剤を含む乙剤とからなる2ペースト型、あるいはペースト+液型等のキットとするのが一般的である。これらを使用直前に練和、混合して架橋反応を行わせることにより、歯科用粘膜調整材とすることができる。
【0060】
また、上記歯科用粘膜調整材組成物において、硬化物である歯科用粘膜調整材の物性を損なわない範囲で、各種充填剤及び各種添加剤を添加しても良い。
【0061】
上記充填剤としては、シリコーンゴムに一般的に添加される充填剤が何等制限無く使用できる。この様な充填剤を例示すれば、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリビニリデンフルオライド粉末等のフルオロカーボン樹脂系充填剤;その他ポリマー粉末;カーボンブラック;ガラス繊維;複合フィラー(無機酸化物とポリマーの複合体を粉砕したもの)等があげられる。
【0062】
また、上記各種添加材とは、具体的には、黒色白金、微粒パラジウム等の水素ガス吸収剤;1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン等の反応抑制剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;二酸化チタン等の顔料;BHT等の酸化防止剤;キトサン等の抗菌剤;シリコーンオイル等の可塑剤;等である。
【0063】
上記した各種充填剤や各種添加剤は目的に応じて適宜添加されるものであり、各種充填剤及び添加剤を配合する場合には、架橋硬化反応を行う前にこれら各成分を配合すればよい。
【0064】
本発明の歯科用粘膜調整材組成物の調製方法は、特に限定されず、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、並びに各種充填剤及び添加剤の中から必要成分を適量計量し、ニーダー、プラネタリー等の一般的な混練機、あるいは一般的な撹拌機によって均一になるまで混練、撹拌する事により、ペースト状あるいは液状の組成物を得ることができる。
【0065】
本発明の歯科用粘膜調整材を製造するに際しては、例えば、使用直前に前記甲剤及び乙剤(ペースト/ペーストまたはペースト/液)からなる歯科用粘膜調整材用組成物を所定量計量し、混練後、予め接着剤を塗布した義歯裏面に盛って患者の口腔内に充分に硬化するまで保持し、硬化後口腔内から取り出して余剰部分を取り除けばよい。
【0066】
なお、上記接着剤としては、特開平7−70246号公報、特開平7−76611号公報等に記載されているシリコーン修飾アクリル系共重合体系の接着剤を用いるのが好適である。
【0067】
【実施例】
以下に、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】
以下の実施例に使用するオルガノポリシロキサンを表1にまとめて示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004231949
【0070】
また、以下の実施例に使用する充填材を表2にまとめて示す。
【0071】
【表2】
Figure 0004231949
【0072】
以下の実施例、比較例において、歯科用粘膜調整材の評価は下記の方法によって行い、同一試料について3回測定してその平均値を記録した。
【0073】
(1)正弦正接(tanδ):短冊状の硬化体を作製し、37℃水中に2時間保存後に、動的粘弾性測定装置を用いて、37℃、1Hz、引っ張り負荷の条件で測定を行い、正弦正接を求めた。なお、正弦正接とは、硬化体の貯蔵弾性率と損失弾性率の比であり、値が大きいほど硬化体は粘弾性的な傾向を示す。なお、粘膜調整材として好適に使用できるのは値が0.5以上の場合である。
【0074】
(2)弾性歪み:直径13mm、高さ20mmの硬化体を作製し、37℃水中に2時間保存後、23℃の室内に5分間静置し、その後、以下の方法に従って弾性歪みを測定した。
【0075】
まず、10kPaの荷重を加え、30秒経過した時の高さを読みとった(A)。更に30秒後、総荷重が100kPaとなるように追加荷重を10秒間かけて乗せ、荷重終了から30秒後の高さを読みとった(B)。これらの測定値から以下の式より弾性歪みを算出した。
弾性歪み(%)={(A−B)÷20}×100
なお、粘膜調整材として好適に使用できるのは弾性歪が15%以上40%以下の場合である。この方法では40%以上は測定できないので、40%に達したものはすべて40%と表示する。
【0076】
(3)永久歪み:直径13mm、高さ20mmの硬化体を作製し、37℃水中に2時間保存後、23℃の室内に5分間静置し、その後、以下の方法に従って永久歪みを測定した。
【0077】
まず、4kPaの荷重を加え、25秒経過した時の高さを読みとった(C)。その後、5秒間かけて12%(2.4mm)の変形を与え、30秒間保持した。そして、30秒間無荷重状態とした後、再び4kPaの荷重をかけ、30秒後の高さを読みとった(D)。これらの測定値から、以下の式より永久歪みを算出した。
永久歪み(%)={(C−D)÷20}×100
なお、粘膜調整材として好適に使用できるのは永久歪みが0.5%以上の場合である。
【0078】
(4)ショアA硬度:直径9mm、高さ12mmの硬化体を作製し、37℃水中に2時間保存した。その後、23℃の室内に5分間静置し、スプリング式硬さ試験機(A型)によって9.8Nの荷重を加え、30秒経過した時の値をショアA硬度とした。なお、粘膜調整材として好適に使用できるのはショアA硬度が15以下の場合である。
【0079】
(5)着色量:10mm×10mm×2mmの硬化体を作製し、37℃水中に2時間保存後、色差計により着色前のL*、a*、b*を測定した。その後、試験片を5wt%コーヒー水溶液に浸漬し、攪拌しながら40℃で24時間保存した。保存後、水洗、乾燥し、再び色差計でL*、a*、b*を測定し、それらの差、ΔL*、Δa*、Δb*より、次式を用いて着色量(ΔE*)を求めた。
着色量(ΔE*)={(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
【0080】
(6)物性の経時安定性:サンプルを37℃水中に7日間保存した後の弾性歪み、永久歪み及びショアA硬度を上記(2)、(3)及び(4)に従って測定した。
【0081】
(7)義歯床からの除去の容易性の評価:義歯床と同様にして作製されたアクリルレジン板(アクロン、GC社製)に接着剤を塗布した後、接着剤の塗布面に歯科用粘膜調整材組成物を盛りつけ、硬化させた。37℃水中で1週間保存後、レジン板から歯科用粘膜調整材をナイフ、歯科用回転式研削機等によって剥がした。この時の剥がれ易さを、A:ナイフのみによって簡単に削除可能、B:一部研削機が必要、C:研削機によってのみ削除可能、の3段階で評価した。評価は、Aが優れ、Cが劣る。
【0082】
なお、接着剤としては、本発明における歯科用粘膜調整材については下記構造式
【0083】
【化4】
Figure 0004231949
【0084】
で示される平均組成を有する共重合体の0.5重量%塩化メチレン溶液を使用し、アクリル系粘膜調整材については特に何も使用しなかった。
【0085】
(8)切削性試験:直径9mm×長さ12mmの硬化体を作製し、37℃空気中で24時間放置後、歯科技工用マイクロエンジンを用い、カーバイドバー、シリコーンポイントを用いて切削性を評価した。評価点は以下の判定基準に従いAからCの点数で評価した。
【0086】
A…面部も削れる
B…辺縁部は削れるが面部は削れない
C…全く削れない。
【0087】
実施例1
表1及び表2に示す化合物a1を50重量部、化合物a3を50重量部、化合物c1を50重量部、白金のビニルシロキサン錯体を化合物a1、a3の総量に対して白金が100ppmとなるような量、二酸化チタンを1重量部、をプラネタリーに入れ、均一になるまで混練し、ペースト甲とした。
【0088】
表1及び表2に示す化合物a1を50重量部、化合物a3を50重量部、化合物b2を2.5重量部、化合物c1を50重量部、をプラネタリーに入れ、均一になるまで混練し、ペースト乙とした。
【0089】
この甲、乙二種類のペーストを混合比1対1で混練し、前述の評価方法に従って評価した。結果を表3に示す。
【0090】
実施例2〜10
表3及び表4に示す各組成の材料を実施例1と同様にしてプラネタリーによって混練して各ペーストを調製し、前記評価方法に従って評価した。なお、白金触媒は実施例1で用いたものと同じものを用いた。
【0091】
【表3】
Figure 0004231949
【0092】
【表4】
Figure 0004231949
【0093】
比較例1
メタクリル酸エチル120重量部、ブチルフタリルグリコール酸ブチル85重量部、及びエタノール15重量部からなる組成のアクリル系粘膜調整材組成物を用いて前記評価方法に従って試験を行った。結果を表5に示す。
【0094】
比較例2
メタクリル酸ブチル(90モル%)−メタクリル酸エチル(10モル%)共重合体110重量部、及びブチルフタリルグリコール酸ブチル100重量部からなる組成を有するアクリル系粘膜調整材組成物を用いて前記評価方法に従って試験を行った。結果を表5に示す。
【0095】
比較例3〜6
表5に示す各組成の材料を実施例1と同様にしてプラネタリーによって混練して各ペーストを調製し、評価した。なお、白金触媒は実施例1で用いたものと同じものを用いた。結果を表5に示す。
【0096】
【表5】
Figure 0004231949
【0097】
表3、表4及び表5の結果より、本発明の歯科用粘膜調整材(実施例1〜10)は、使用所期から7日間経過後を通して充分な正弦正接(tanδ)、弾性歪み、永久歪み、及びショアA硬度を保持しており、着色量も少なく、使用後の義歯床からの除去も容易であり、切削性も良好であった。
【0098】
また、実施例1と実施例4、及び実施例3と実施例5の比較において、両者とも成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B)及び成分(E)のケイ素原子に結合している水素原子の総数の比(表3〜表5では合計のH/V比と示した)の変化は1.0から1.2と同一であるが、成分(E)を配合した実施例3と実施例5の方が実施例1と実施例4と比較して硬化体の諸物性の変化が小さくなっていた。すなわち、硬化体の粘弾性(弾性歪み、永久歪み、正弦正接及びショアA硬度等の諸物性)の制御が更に容易となっていることが分かる。
【0099】
これに対して従来品のアクリル系粘膜調整材(比較例1〜2)では、初期には充分な正弦正接(tanδ)、弾性歪み、永久歪み、ショア硬度を有するものの、経時的に各物性が低下していた。また、着色量も大きく、使用後の義歯床からの除去も難しい。このことから本発明の歯科用粘膜調整材は、従来品と比較して耐久性及び作業性の点で優れていることが分かる。
【0100】
また、比較例3のように、成分(B)の配合量が請求範囲を越えると、硬化体は粘弾性に乏しい弾性的な性質を示すことが分かる。更に、比較例4のように、成分(B)が存在しない場合は、硬化反応が起こらず、粘膜調整材として不適当であることが分かる。
【0101】
更に、比較例5のように、成分(C)を配合しない場合には、粘膜調整材に必要な補強効果が得られず、切削性が著しく悪化していることが分かる。
【0102】
更に又比較例6のように、成分(C)として、シリカ系充填材のみを用いた場合には、粘膜調整材として好適な正弦正接、弾性歪み、永久歪み、ショアA硬度を有しており、着色量も少なく、使用後の義歯床からの除去も容易であるものの、成分(C)としてシリコーン樹脂系充填材を用いた実施例と比較して切削性が劣ることが分かる。
【0103】
【発明の効果】
本発明の歯科用粘膜調整材は、適度な粘弾性特性を長期間に渡って有しており患者に疼痛を与えることなく、炎症治癒に伴って粘膜形状を自然な状態に回復させることが出来る。また、本発明の歯科用粘膜調整材は、生体に刺激を与えるような材料を基本的に使用しておらず、口腔粘膜で使用したときの汚れも少なく、さらに使用後において義歯床から容易に除去でき、加えて切削性も良好であるという、従来の歯科用粘膜調整材には見られない優れた特徴を有する。

Claims (4)

  1. (A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)シリコーン樹脂系充填剤、および(D)ヒドロシリル化触媒を含有してなり、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数の比が0.3〜1.2であり、成分(A)100重量部に対して、成分(C)が1〜300重量部、成分(D)が触媒量であることを特徴とする歯科用粘膜調整材組成物。
  2. (A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)シリコーン樹脂系充填剤、(D)ヒドロシリル化触媒、および(E)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に1個または2個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有してなり、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B)および成分(E)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数の比が0.7〜1.5であり、成分(B)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数に対する成分(E)のケイ素原子に直接結合している水素原子の総数の比が0.5〜10であり、成分(A)100重量部に対して、成分(C)が1〜300重量部、成分(D)が触媒量であることを特徴とする歯科用粘膜調整材組成物。
  3. シリコーン樹脂系充填材の一部がシリカ系充填材で置換されてなる請求項1または請求項2記載の歯科用粘膜調整材組成物。
  4. 請求項1〜3記載の歯科用粘膜調整材組成物を硬化させてなる歯科用粘膜調整材。
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