JP2643768C - - Google Patents

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JP2643768C
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、各種チューブ材やガスケット、ダイヤフラム等の様々な用途に好適
な高強度硬化物を与えることができる高粘度のシリコーンゴム組成物に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 従来から、シリコーンゴム組成物は種々の分野で利用されており、その組成に
よっては光学的に透明で高強度の硬化物を与えることができる。このようなシリ
コーンゴム組成物については種々の提案がなされており、透明な硬化物を与える
シリコーンゴム組成物は、透明性が要求される様々な用途、例えばチューブ類、
ホース材、ダイヤフラム、パッキン材、コンタクトレンズなどに利用されている
。 【0003】 シリコーンゴム組成物を押し出し成形し、硬化させる場合、組成物中には架橋
剤を配合する必要があり、架橋剤として予めジクロロベンゾイルパーオキサイド
等のパーオキサイドを混合することが行われている。ここで、パーオキサイドと
してはジクロロベンゾイルパーオキサイドが汎用されているが、これはコンパウ
ンド中において不安定なパーオキサイドであり、隣接するポリマー同士の架橋形
成に必要な遊離ラジカルの発生開始剤である。しかし、架橋剤としてジクロロベ
ンゾイルパーオキサイドを用いた場合、有害な物質が副生し、これを除去するた め二次キュアーを行わなければならないという不利がある。 【0004】 一方、上記のパーオキサイド加硫に比べ、付加反応による架橋法は二次キュア
ーという工程を必要とせず、かつ良好な物性を得ることが可能であるので、上記
問題点を解決した方法として、付加反応によって架橋することにより、透明な熱
加硫ゴムを得る方法が提案されている。 【0005】 この付加反応による架橋は、例えば下記式(3)に示すように、SiH基とビ
ニル基との付加反応において、通常、塩化白金酸を触媒として用いることにより
Si−C結合を形成するものである。 【0006】 【化2】 【0007】 上記のように触媒として塩化白金酸を用いた場合、高温においては適度に調製
された組成物の架橋を高速で行うことができ、室温においてはこの組成物の架橋
をより低速で行うことができるという利点がある。 【0008】 このようなシリコーンゴム組成物のうち、例えばトリフルオロプロピル基含有
フルオロシリコーン組成物のようなフルオロシリコーンゴム組成物は、他のシリ
コーンゴム組成物と同様に水素基含有の架橋剤で硬化することができ、また、ジ
メチルシリコーンゴム組成物と比較すると、耐熱性や耐酸化性には劣るものの、
物理的特性に優れるものである。 【0009】 従来、この付加反応を利用して高い引き裂き強さを有するシリコーンゴムを与
える付加架橋型シリコーンゴム組成物は和田らにより提案されている。この組成
物はビニル基含有量が異なる2種のジオルガノポリシロキサン、即ち、重合度が 3,000以上でビニル基を0.02〜0.2モル%含むガム状のジオルガノポ
リシロキサンと重合度が100以下でビニル基を2モル%以上含む液状のオルガ
ノポリシロキサンを配合したものであり、ビニル基含有量が異なる2種のジオル
ガノポリシロキサンを配合することにより、物理的特性が顕著に改良されたもの
である(米国特許第3,671,480号)。 【0010】 また、Maxonは異なる2種のジオルガノポリシロキサンを含有する高粘度
シリコーンゴム組成物について言及し、改良された引き裂き強さと伸びは、この
シリコーンゴム組成物の主要な構成成分であるガム状のジオルガノポリシロキサ
ンとは非相溶性のビニル基含有液状ジオルガノポリシロキサンを組成物中に含有
することにより達成されることを教示している(米国特許第4,857,564
号)。 【0011】 即ち、これらの提案では、2種の異なるジオルガノポリシロキサンをシリコー
ンゴム組成物に配合することにより、付加架橋されたシリコーンゴム硬化物の物
理的特性、特に引き裂き強さを向上させている。シリコーンゴム硬化物の引き裂
き強さの向上には架橋構造の局在化による寄与が大きいが、上記提案ではこれら
シリコーンゴム組成物の主要成分である低ビニル基含有ポリマーに少量の高ビニ
ル基含有ポリマーを添加することにより、架橋構造の局在化を容易にしている。 【0012】 本発明は従来とは異なる方法で引き裂き強さの大きいシリコーンゴムを与える
シリコーンゴム組成物を提供しようとするもので、物理的強度が顕著に改良され
、付加反応によって加硫したときに優れて高い引き裂き強さを示す硬化物を与え
る高粘度のシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段及び作用】 本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記式(1)で示
されるジオルガノポリシロキサン、微粉末シリカを含むシリコーンゴム組成物に
対し少量の水を配合することにより、水が微粉末シリカの凝集を促進し、この凝 集が硬化物の引き裂き方向を選択して引き裂き強さを増大させる方向に作用し、
架橋剤としてのけい素原子に結合した水素原子を3個以上有するオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンを添加、架橋したときに、特に高い引き裂き強さを示す
硬化物を与える高粘度の熱加硫型のシリコーンゴム組成物が得られることを知見
した。 【0014】 【化3】 (式中、R1は非置換又は置換の一価炭化水素基を表し、そのうち0.01〜1
5モル%が脂肪族不飽和炭化水素基である。aは1.95〜2.05の正数であ
る。) 【0015】 また、上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンに下記式(2)で表さ
れるオルガノシラン又はこれを加水分解して得られる重合度が100以下のオル
ガノポリシロキサンを加え、微粉末シリカ及び水を加え、次いでオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンを加え、付加触媒を加えて混合した場合、硬化物の物理
的特性が顕著に改良されることを知見し、本発明をなすに至ったものである。 【0016】 R2 mSi(OR34-m …(2) 【0017】 従って、本発明は、(A)上記平均組成式(1)で示される重合度2000以
上のジオルガノポリシロキサン、 (B)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を3個以上有するオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン、 (C)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ、 (D)付加反応触媒 を含有してなり、上記(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基に対する(B)成 分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンのHSi≡基の比が0.5〜5であ
り、上記(A)、(C)成分の混合物を100〜250℃で熱処理した後、上記
(B)、(D)成分を混合することによって得られる 熱硬化性シリコーンゴム組
成物において、 (E)水を上記(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部を配合する
こと、好ましくは更に(F)成分として上記式(2)で表されるオルガノシラン
又はこれを加水分解して得られる重合度が100以下のオルガノポリシロキサン
を配合してなることを特徴とする引き裂き強さの大きいシリコーンゴムを与える
熱硬化性シリコーンゴム組成物を提供する。 【0018】 本発明によれば、加硫したときに優れて高い引き裂き強さを示す硬化物を与え
る高粘度のシリコーンゴム組成物を得ることができる。 【0019】 以下、本発明を更に詳しく説明すると、本発明の熱硬化性シリコーンゴム組成
物は、上述したように、(A)ジオルガノポリシロキサン、(B)1分子中にけ
い素原子に結合した水素原子(HSi≡)を3個以上有するオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン、(C)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ、(D
)付加反応触媒を含有してなるものである。 【0020】 ここで、(A)成分のジオルガノポリシロキサンは下記式(1)で示されるも
のである。 【0021】 【化4】 【0022】 上記式中、R1は非置換または置換の一価炭化水素であり、このうち0.01
〜15モル%、好ましくは0.02〜10モル%が脂肪族不飽和炭化水素基であ ることが必要である。脂肪族不飽和炭化水素基の含有用が0.01モル%未満の
場合は十分な引き裂き強さを有する硬化物が得られない場合がある。 【0023】 このような脂肪族不飽和炭化水素基としては、炭素数2〜8のもの、例えばビ
ニル基、アリル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。脂肪族不飽和炭化
水素基以外の一価炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜10、特に好まし
くは1〜8のもの、例えばメチル基,エチル基等のアルキル基、トリフルオロプ
ロピル基等のハロゲン置換アルキル基、フェニル基等のアリール基やハロゲン置
換アリール基、ベンジル基等のアラルキル基などが挙けられるが、特に本発明に
おいては一価炭化水素基の5〜55モル%、特に10〜55モル%がフルオロア
ルキル基であるものが好ましい。このような(A)成分のオルガノポリシロキサ
ンとしては、トリフルオロプロピルメチルポリシロキサン等が挙げられる。 【0024】 上記式(1)において、aは1.95〜2.05の正数であるが、aが1.9
5未満では、安定な直鎖状ポリマーが得られず、ゲル化し易く、また、aが2.
05を超えると高分子量のポリマーとはなりにくい。また、重合度は十分な強度
を得るためには2,000以上である。 【0025】 なお、上述のジオルガノポリシロキサンはアルカリ触媒の存在下において公知
の方法により重合される。 【0026】 (B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中にけい素原子
に結合した水素原子を3個以上有し、付加架橋タイプのシリコーンゴム組成物に
効果的な多官能性架橋剤として作用するものである。 【0027】 このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは公知のいずれのものであっても
よく、これはまたフッ素置換されたアルキレン基やフッ素置換されたポリエーテ
ル基を含んだオルガノハイドロジェンポリシロキサン、例えば下記式(4)で示
されるものも好適に用いられる。 【0028】 【化5】 【0029】 式中、R4,R5,R6はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化水素基、好ましく
は炭素数1〜10、特に好ましくは1〜8のもの、具体的にはR1で例示したも
のが挙げられ、XはCF2又はC36O、bは2又は3、cは0又は1で、b+
c=3であり、mは2以上、nは1以上、kは2以上の正数である。 【0030】 本発明の組成物において、架橋剤の量が少ないと不満足な架橋が起こり、また
、架橋剤の量が多すぎると目的とする引き裂き強さ等の物理的特性が低下してし
まうので、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは上記(A)成
分中の脂肪族不飽和炭化水素基に対するHSi≡基の比が0.5〜5であるよう
に決定する。また、この(B)成分の配合量は(A)成分100部(重量部、以
下同じ)に対して0.05〜10部、特に0.5〜5部とすることが好ましい。 【0031】 (C)成分の微粉末シリカは、シリコーンゴムに適度の硬さ、引張り強さ等の
機械的な強度を向上させるために窒素吸着法で測定されたBET比表面積が50
2/g以上であり、特に50〜400m2/gのものが好適に使用される。また
、その平均粒径は5mμ〜10μm、特に5mμ〜1μmとすることが好ましい
。このような微粉末シリカとして、具体的にはヒュームドシリカ、焼成シリカ、
沈降シリカ等が例示され、これらを単独て又は2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。この微粉末シリカは一次シリカ粒子と該一次粒子の凝集体として存
在し、ジオルガノポリシロキサンやそのブレンド物中に分散されたときに光を散
乱させたり透明性を変化させることのないような径や形状であることが好ましい
。更に、添加されるシリカ微粉末の量は、組成物の透明性の程度に関連するが、 通常上記(A)成分100部に対して1〜100部、特に10〜70部とするこ
とが好ましい。 【0032】 (D)成分の付加反応触媒は(A)成分と(B)成分との付加反応に対する触
媒として作用するもので、白金系触媒、例えば塩化白金酸や塩化白金とオレフイ
ン、例えばエチレン、プロピレンブタジエンやシクロヘキサン等との錯体のよう
に可溶性白金化合物が好適に使用される。なお、その配合量は金属として(A)
成分の0.1〜1,000ppm、特に1〜200ppmとすることが好ましい
。 【0033】 本発明においては、更に(E)成分として水を配合する。 (E)成分の水としては脱イオン水を用いることが好ましい。この場合、水の
pHは5〜8とすることが好ましく、この範囲をはずれるとシリコーンゴム組成
物の耐熱性や物理的特性に悪影響を及ぼす場合がある。 【0034】 (E)成分の配合量は(A)成分100部に対して0.1〜10部、特に1〜
5部とする。(E)成分の配合量が0.1部未満では目的とする効果が現れず、
また10部を超えると微粉末シリカの凝集が進み過ぎるために硬化物の物理的強
度が低下する。 (E)成分の水を配合する場合、混合のいかなる段階で加えても差支えなく、
(B)成分及び(D)成分を混合する前であれば、(A)成分又は(C)成分と
一緒に加えても、(A)及び(C)成分と一緒に加えても、何回かに分けて混
してもよいが、特に予め沈降性シリカと混合してから他の成分と混合することも
できる。 【0035】 (E)成分の水は(A)成分のジオルガノポリシロキサンと(C)成分の微粉
末シリカと共に加えた後に添加し、その後(B)成分のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサン、(D)成分の付加反応触媒、反応制御剤を加えることがより好
適である。 【0036】 本発明の組成物には、更に(F)成分として下記式(2)で示されるオルガノ
シラン又はこれを加水分解して得られる重合度が100以下のオルガノポリシロ
キサンを加えることが好ましい。 【0037】 R2 mSi(OR34-m …(2) 【0038】 上記式中、R2は非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、Rは水
素原子又は非置換又は置換の炭素数1〜10、特に好ましくは1〜8のアルキル
基、mは0、1又は2である。なお、置換アルキル基としてはハロゲン置換アル
キル基、特にフルオロアルキル基が挙げられる。 【0039】 このようなオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンは、その構造が鎖状、
分岐状、網状のいずれであってもよい。オルガノシランとして具体的には下記の
ものが挙げられる。 CH3Si(OCH33,CH3Si(OC253, (CH32Si(OCH32,(CH33SiOH, CF324Si(OCH33,CF324Si(OC252, C817Si(OCH33,C37O(C36O)336Si(OCH33 これらのうちでは、特にCF324Si(OCH33が好適に用いられる。 【0040】 この(F)成分の配合量は(A)成分100部に対して1〜20部、特に1〜
10部とすることが好ましい。(F)成分の配合量が1部未満でも20部を超え
も目的とする高強度が得られなくなる場合がある。 【0041】 (F)成分もまた水と共に(A)成分のジオルガノポリシロキサンと(C)成
分の微粉末シリカに混合し、その後(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン、(D)成分の付加反応触媒を混合する。 【0042】 本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤を配合し得
る。このようなものとして、プロセスエイド,分牧剤等のシリカ改質剤、耐熱向
上剤、顔料、製品の貯蔵安定性を向上させるための有機リン系化合物や有機アミ
ン系化合物などを挙げることができる。なお、分散剤としては末端が水酸基で封
鎖された短鎖のジオルガノポリシロキサンやヘキサオルガノジシラザン等が挙げ
られるが、これに限定されるものではない。 【0043】 本発明の熱硬化性シリコーンゴム組成物は、上記成分と必要に応じて上記添加
剤とを混合し、二本ロール、バンバリーミキサーや他の混合装置を用いて混練す
ることにより作製される。 【0044】 本発明の組成物は、水の添加と不均一な組成物を得るために、ドーミキサーや
バンバリーミキサーなどを用いた低シェアーストレスと低シェアーレイト下で混
練することが好ましい。 【0045】 この場合、混練に要する時間は配合される原料の量や組成物の粘度、装置から
受ける剪断速度等によって異なるが、15分〜5時間程度とすることができる。
また、熱処理は、使用する混合機の形式に関係なく、ジオルガノポリシロキサン
、微粉末シリカ、シリカ改質剤(プロセスエイド、分散剤を含む)の混合物の場
、100〜250℃の範囲でなされる。本発明の架橋可能な組成物は最終的に
は架橋剤である(B)成分のオルガノハイドロジェンシロキサンと(D)成分の
付加反応触媒を混合することによって得られる。 【0046】 なお、(C)成分の微粉末シリカは、(A)成分のジオルガノポリシロキサン
存在下で処理してもよいし、本発明の組成物を構成する他の成分と混合する前に
処理してもよい。 【0047】 また、このシリコーンゴム組成物は白金系触媒を含有しているため、常温下で
も架橋が進む可能性があるので、付加反応制御剤を配合することが好ましく、ま た、組成物の長期保存安定性を計る点から分割梱包することが好ましい。 【0048】 また、このシリコーンゴム組成物を硬化し、ンリコーンゴム硬化物を得る場合
、硬化条件としては、50〜300℃で1〜30分の加硫成形条件とし、更に1
00〜250℃で0〜8時間ポストキュアーする方法が好適に採用される。 【0049】 【実施例】 以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の
実施例に制限されるものではない。 【0050】 なお、得られた硬化物の引き裂き強さを確認するための引き裂き試験を行う場
合、測定用の試料は引っ張り試験の場合と同様に測定装置に固定され、両側から
引っ張られて破壊される。この場合、引っ張りの力は試料に均一には供給されず
、ひびの入った部分や不連続な部分に集中し、引き裂き強さは新しい界面を連続
的に生成するための力として観測され、一般的な測定法においては最大応力とし
て記録される。引き裂き試験において、引き裂きを開始又は継続させるための力
は試料の幾何学的構造及び不連続層の本質に依存する。このため、種々の形状の
試料が用いられており、また、応力の集中が生み出す不連続性は試料それぞれの
亀裂や鋭利な再入角によって形成される。本発明において示された引き裂き強さ
のデータは全てASTM−D624dieBに準拠して測定された値であり、試
料の切り込みの深さは、安定した測定結果を得ることができるように一定内に管
理されている。 【0051】 [実施例] 下記(1)〜(5)成分をニーダーミキサーを用い、150℃で2時間かけて
均一に混合することにより、シリコーンゴム組成物を得た。この組成物に2本ロ
ールを用いて(7)、(8)成分を添加混合した後、(6)成分を加え均一化し
た。これを165℃で10分間、100kg/cm2の圧力にて厚さ2mmのシ
ート状に加圧成形し、200℃の乾燥機で4時間ポストキュアーした。得られた 硬化物の物性をASTM−D624dieBに準拠して測定した。結果を表
示す。 (1)重合度が3,000である99.7モル%のトリフルオロプロピルメチル
シロキサン単位と0.3モル%のメチルビニルシロキサン単位を含むオルガノポ
リシロキサン 100部 (2)比表面積が300m2/gのフュームドシリカ 45部 (3)下記式()で示す両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン 【0052】 【化6】 (4)水(pH=7.0) 5部 (5)トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 1.5部 (6)下記式()で示すオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤) 0.43部 【0053】 【化7】 (7)塩化白金酸(白金2%含有)2−エチルヘキシルアルコール溶液 0.5部 (8)エチニルシクロヘキサノール(制御剤) 0.1部 【0054】 [実施例] 実施例においてトリフルオロプロピルトリメトキシシランの代わりにC37 O(C36)C36Si(OCH33を用いた以外は実施例と同様してシリ
コーンゴム組成物を調製し、これを加圧成形、ポストキュアーして硬化物を得た
後、その物性を同様にして測定した。結果を表に併記する。 【0055】 [比較例] 実施例において水とトリフルオロプロピルトリメトキシシランを除いた以外
は実施例と同様にしてシリコーンゴム組成物を調製し、これを加圧成形、ポス
トキュアーして硬化物を得た後、その物性を同様にして測定した。結果を表
併記する。 【0056】 [実施例] 下記成分を用い、実施例と同様にしてフルオロシリコーンゴム組成物を得、
これを硬化して実施例と同様の物性測定を行った。結果を表に併記する。 (1)99.85モル%のトリフルオロプロピルメチルシロキサン単位と0.1
5モル%のメチルビニルシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン 100部 (2)比表面積が300m2/gのフュームドシリカ 45部 (3)両末端が水酸基で封鎖されたオルガノポリシロキサン 10部 (4)水(pH=7.2) 5部 (5)トリメチルトリメトキシシシラン 1部 (6)オルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤) 1部 (7)塩化白金酸(白金2%含有)2−エチルヘキシルアルコール溶液 0.1部 (8)エチニルシクロヘキサノール(制御剤) 0.1部 【0057】 【表 【0058】 実施例1〜3の加硫シートは、厚さ2mmのシートで比較すると、比較例1の
シートに比べ物理的強度において優れており、また、表からも判るように、実
施例の引き裂き強さは非常に改良されている。 【0059】 【発明の効果】 本発明によれば、加硫したときに高い引き裂き強さを示す硬化物を与える高粘
度のシリコーンゴム組成物を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)下記平均組成式(1)で示される重合度2000以上
    ジオルガノポリシロキサン、 【化1】 (式中、R1は非置換又は置換の一価炭化水素基を表し、そのうち0.01〜1
    5モル%が脂肪族不飽和炭化水素基である。aは1.95〜2.05の正数であ
    る。) (B)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を3個以上有するオルガノハイ
    ドロジェンポリシロキサン、 (C)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ、 (D)付加反応触媒 を含有してなり、上記(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基に対する(B)成
    分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンのHSi≡基の比が0.5〜5であ
    り、上記(A)、(C)成分の混合物を100〜250℃で熱処理した後、上記
    (B)、(D)成分を混合することによって得られる熱硬化性シリコーンゴム組
    成物において、 (E)水を上記(A)成分のジオルガノポリシロキサン100重量部に対して0
    .1〜10重量部を配合してなることを特徴とする引き裂き強さの大きいシリコ
    ーンゴムを与える熱硬化性シリコーンゴム組成物。 【請求項2】 請求項1記載の組成物において、(A)、(C)及び(E)成
    分を混合した後、(B)及び(D)成分を混合してなることを特徴とするシリコ
    ーンゴム組成物。 【請求項3】 請求項1記載の組成物において、更に(F)成分として下記式
    (2)で表されるオルガノシラン又はこれを加水分解して得られる重合度が1 00以下のオルガノポリシロキサンを配合してなることを特徴とするシリコーン
    ゴム組成物。 R2 mSi(OR34m …(2) (式中、R2は非置換又は置換の一価炭化水素基、Rは水素原子又は非置換又は
    置換の炭素数1〜10のアルキル基、mは0、1又は2である。) 【請求項4】 請求項3記載の組成物において、(A)、(C)、(E)及び
    (F)成分を混合した後、(B)及び(D)成分を混合してなることを特徴とす
    るシリコーンゴム組成物。

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