JP2009202407A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッド温度の上昇を抑制することを目的とする。
【解決手段】駆動信号により液体を吐出するヘッドと、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するための可変速ファンと、前記ヘッドの温度を検出するためのセンサと、前記センサの検出結果に基づいて、前記可変速ファンの回転数を変更する制御部と、を有する液体吐出装置である。
【選択図】図11

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置として、駆動信号により駆動素子を駆動し、ヘッド(ノズル)からインクを吐出するインクジェットプリンタ(以下、プリンタ)が知られている。駆動信号を生成する駆動信号生成部は、印刷が長時間続くと、過度に発熱し、プリンタの故障の原因となってしまう。
そこで、プリンタ内に冷却ファンを設け、プリンタ内部に空気流を発生させて、この空気流により駆動信号生成部を冷却し、プリンタの故障を回避する方法が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
特開2003−285435号公報
しかし、冷却ファンによりプリンタ内部に空気流を発生させると、駆動信号生成部により加熱された空気が、プリンタ内部に位置するヘッドの方向に吹付けられてしまう。そうすると、ヘッドの温度が過度に上昇し、吐出不良の発生のおそれがある。
そこで、ヘッド温度の上昇を抑制することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、駆動信号により液体を吐出するヘッドと、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するための可変速ファンと、前記ヘッドの温度を検出するためのセンサと、前記センサの検出結果に基づいて、前記可変速ファンの回転数を変更する制御部と、を有する液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、駆動信号により液体を吐出するヘッドと、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するための可変速ファンと、前記ヘッドの温度を検出するためのセンサと、前記センサの検出結果に基づいて、前記可変速ファンの回転数を変更する制御部と、を有する液体吐出装置である。
このような液体吐出装置によれば、発熱する駆動信号生成部により加熱された空気が、可変速ファンにより、例えば、液体吐出装置内部に空気流として発生したり、液体吐出装置内部のヘッドの方向に流れたりして、ヘッド温度が過度に上昇し、ヘッドの液体吐出不良が発生してしまうことを、可変速ファンの回転数を変更することで防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記可変速ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように回転し、前記検出結果が閾値以上である場合に、前記可変速ファンは所定の回転数にて回転し、前記検出結果が前記閾値未満である場合に、前記可変速ファンは前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転すること。
このような液体吐出装置によれば、ヘッド温度が過度に上昇し、ヘッドの液体吐出不良が発生してしまうことを防止できる。検出結果が閾値以上である場合には可変速ファンの回転数を少なくすることで、駆動信号生成部により加熱された空気がヘッド温度に影響する度合いを低減し、ヘッド温度の上昇を抑制できる。また、検出結果が閾値未満である場合には、可変速ファンの回転数を必要以上に下げなくとも、ヘッド温度の過度な上昇による液体吐出不良の発生の虞がなく、駆動信号生成部の冷却効果を高められる。
かかる液体吐出装置であって、前記可変速ファンは正逆回転が可能なファンであって、前記検出結果が閾値以上である場合に、前記可変速ファンは、前記可変速ファンが前記液体吐出装置の内部から空気を排気するように、所定の回転数にて回転し、前記検出結果が前記閾値未満である場合に、前記可変速ファンは、前記可変速ファンが前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように、前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転すること。
このような液体吐出装置によれば、検出結果が閾値以上である場合には、可変速ファンが内部から空気を排気することで、駆動信号生成部により加熱された空気がヘッド温度に影響し難くなり、ヘッド温度の上昇を抑制し、液体吐出不良を防止できる。また、ファンの回転数を下げることで、微小な液体による故障や汚れも防止できる。一方、検出結果が閾値未満である場合には、可変速ファンが外部から空気を吸気することで、駆動信号生成部の冷却効果を高める。
かかる液体吐出装置であって、前記可変速ファンは正逆回転が可能なファンであって、前記制御部は、前記ヘッドからの液体吐出後に、前記検出結果が所定値以上である場合に、前記可変速ファンが、前記液体吐出装置の内部から空気を排気するように、前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転すること。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出後は、ヘッド周辺に微小な液体滴(例えばインクミスト)が発生し難いので、可変速ファンが液体吐出装置内部の空気を排気しても、可変速ファンを設けた基板上に微小な液体滴が付着し難く、また、可変速ファンが内部の空気を排気することで、液体吐出直後で高温である駆動信号生成部により加熱された空気がヘッドの方向に流れず、ヘッドや駆動信号生成部や液体吐出装置内部の空気温度を下げることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、前記検出結果と画像データとに基づいて、前記可変速ファンの回転数を変更すること。
このような液体吐出装置によれば、画像データによって駆動信号生成部の発熱量が異なるため、駆動信号生成部があまり発熱しない場合にはヘッドの方向に流れる風も加熱されず、可変速ファンの回転数を上げることで、駆動信号生成部冷却効果が高まり、ヘッドの温度上昇をより抑えられる。一方、駆動信号生成部が発熱する場合には、可変速ファンの回転数を下げることで、ヘッド温度の上昇を抑えられる。
かかる液体吐出装置であって、前記可変速ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように回転し、前記検出結果が閾値未満である場合に、前記可変速ファンは所定の回転数にて回転し、前記検出結果が前記閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が所定数以上である場合に、前記可変速ファンは前記所定の回転数よりも少ない回転数にて回転し、前記検出結果が前記閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数未満である場合に、前記可変速ファンは前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転すること。
このような液体吐出装置によれば、ヘッドから液体が吐出される回数が多い場合に駆動信号生成部は発熱しやすいため、可変速ファンの回転数を少なくすることで、ヘッド温度の上昇を抑制でき、逆に、ヘッドから液体が吐出される回数が少ない場合に駆動信号生成部は発熱し難いため、可変速ファンの回転数を多くすることで、ヘッド温度の上昇をより抑制できる。また、検出結果が閾値未満である場合には、必要以上に可変速ファンの回転数を多くしたり少なくしたりしなくとも、ヘッド温度の上昇を抑制でき、省電力化を図れ、駆動信号生成部の冷却効果を低減させてしまうことを防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記可変速ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように回転し、前記検出結果が閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が所定数未満である場合に、前記可変速ファンは第1の回転数にて回転し、前記検出結果が閾値未満であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数未満である場合に、前記可変速ファンは前記第1の回転数よりも少ない第2の回転数にて回転し、前記検出結果が閾値未満であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数以上である場合に、前記可変速ファンは前記第2の回転数よりも少ない第3の回転数にて回転し、前記検出結果が閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数以上である場合に、前記可変速ファンは前記第3の回転数よりも少ない第4の回転数にて回転すること。
このような液体吐出装置によれば、ヘッド温度が高く(検出結果が閾値以上)、駆動信号生成部があまり発熱しない(ヘッドから液体が吐出される回数が所定数未満)場合には、可変速ファンの回転数(第1の回転数)を最も多くして、ヘッド温度上昇を抑制し、駆動信号生成部があまり発熱しないが、ヘッド温度が低い場合には、必要以上に可変速ファンの回転数を多くせずに、省電力化を図る。また、ヘッド温度が高く、駆動信号生成部が発熱する場合には、可変速ファンの回転数(第4の回転数)を最も少なくして、ヘッド温度の上昇を抑制し、駆動信号生成部が発熱するが、ヘッド温度が低い場合には、必要以上に可変速ファンの回転数を少なくしないことで、駆動信号生成部の冷却効果が低減することを防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記駆動信号生成部の温度を検出するための生成部センサを有し、前記制御部は、前記生成部センサの検出結果に基づいて、前記駆動信号により前記ヘッドから液体を吐出させることを待機させること。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成部が過度な温度上昇により破壊してしまうことを防止できる。また、例えば、ヘッドの温度が閾値以上であるときに、ファンが液体吐出装置の内部から空気を排気するように回転したり、ファンの回転数を少なくしたりすることにより、駆動信号生成部の冷却効果が低減し、駆動信号によりヘッドから液体を吐出されることが待機され易くなることによっても、連続してヘッドから液体が吐出されるよりもヘッド温度の上昇を抑えられる。
===インクジェットプリンタの構成===
以下、液体吐出装置をインクジェットプリンタとし、また、インクジェットプリンタの中のシリアル式プリンタ(プリンタ1)を例に挙げて実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。図2Aは、プリンタ1の斜視図の一部であり、図2Bは、プリンタ1の断面図の一部である。外部装置であるコンピュータ60から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ10により、各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御し、用紙S(媒体)に画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ10は各ユニットを制御する。
コントローラ10は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピュータ60とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、ユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだ後、印刷時に搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送させるためのものであり、給紙ローラ21と、搬送モータと、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。紙検出センサ51が、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sの先端の位置を検出すると、コントローラ10は搬送ローラ23を回転させ、用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、用紙Sと対向している。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を搬送方向と交差する方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものである。キャリッジ31の移動方向の位置は、キャリッジ31の背面側のリニア式エンコーダがリニアスケール52を読み取ることで制御される。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものであり、ヘッド41(1個)と、ヘッド41を駆動するためのヘッド駆動回路42とを有する。ヘッド41の下面には、インク吐出部であるノズルが複数設けられ、各ノズルには、インクが入ったインク室(不図示)と、インク室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子)が設けられている。
シリアル式のプリンタ1は、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙S上にドットを形成するドット形成処理と、用紙Sを搬送方向に搬送する搬送処理を交互に繰り返す。そうすることで、先のドット形成処理により形成されたドットの位置とは異なる位置にドットが形成され、画像が完成する。
===ヘッドの駆動について===
図3は、駆動信号生成回路70を示す図であり、図4は、駆動信号生成回路70とヘッド駆動回路42を示す図であり、ヘッド駆動回路42により、各ノズルに対応したピエゾ素子が動作することを示している。図5は、各信号のタイミングチャートである。
〈駆動信号生成回路について〉
図3に示すように、駆動信号生成回路70は、波形生成回路71と電流増幅回路72とを有し、あるノズル群(ピエゾ素子PZT)に対して共通に使用される駆動信号COMを生成する。まず、波形生成回路71が、DAC値(デジタル信号の波形情報)に基づいて、駆動信号COMの基となる電圧波形信号COM’(アナログ信号の波形情報)を生成する。そして、電流増幅回路72は、電圧波形信号COM’について、その電流を増幅し、駆動信号COMとして出力する。
電流増幅回路72は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作する上昇用トランジスタQ1(NPN型トランジスタ)と、駆動信号COMの電圧下降時に動作する下降用トランジスタQ2(PNP型トランジスタ)を有する。上昇用トランジスタQ1は、コレクタが電源に接続され、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に接続されている。下降用トランジスタQ2は、コレクタが接地(アース)に接続され、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に接続されている。
波形生成回路71からの電圧波形信号COM’によって、上昇用トランジスタQ1がON状態になると、駆動信号COMが上昇し、ピエゾ素子PZTの充電が行われる。一方、電圧波形信号COM’によって、下降用トランジスタQ2がON状態になると、駆動信号COMが下降し、ピエゾ素子PZTの放電が行われる。そうして、図5に示すような、繰り返し周期T内に第1駆動パルスW1と第2駆動パルスW2を有する駆動信号COMが生成される。
〈ヘッド駆動回路について〉
ヘッド駆動回路42は、180個の第1シフトレジスタ421と、180個の第2シフトレジスタ422と、ラッチ回路群423と、データセレクタ424と、180個のスイッチSWとを有する。このヘッド駆動回路42は180個のノズルから成るノズル群に対応し、図中のかっこ内の数字は、部材(又は信号)が対応するノズルの番号を示している。
まず、印刷信号PRTは、180個の第1シフトレジスタ421に入力され、その後、180個の第2シフトレジスタ422に入力される。その結果、シリアル伝送された印刷信号PRTは、180個の2ビットデータである印刷信号PRT(i)に変換される。この印刷信号PRT(i)は、ノズル#iに割り当てられている1画素のデータに対応した信号である。
そして、ラッチ信号LATの立ち上がりパルスがラッチ回路群423に入力されると、各シフトレジスタの360個のデータがラッチ回路群423にラッチされる。ラッチ信号LATの立ち上がりパルスがラッチ回路群423に入力されるとき、データセレクタ424にもラッチ信号LATの立ち上がりパルスが入力され、データセレクタ424は初期状態となる。
また、データセレクタ424は、ラッチ前(初期状態となる前)に、各ノズル#iに対応する2ビットの印刷信号PRT(i)をラッチ回路群423から選択し、各印刷信号PRT(i)に応じたスイッチ制御信号prt(i)を各スイッチSW(i)に出力する。
このスイッチ制御信号prt(i)により、ピエゾ素子PZT(i)に対応したスイッチSW(i)のオン・オフ制御が行われる。そして、スイッチのオン・オフ動作が、駆動信号生成回路70から伝送された駆動信号COMをピエゾ素子に印加もしくは遮断し(DRV(i))、ノズル#iからインクが吐出される、又は、吐出されない。
〈インクの吐出について〉
例えば、スイッチ制御信号prt(i)のレベルが「1」のとき、スイッチSW(i)はオンとなり、駆動信号COMが有する駆動パルス(W1,W2)をそのまま通過させ、駆動パルスがピエゾ素子PZT(i)に印加される。そして、駆動パルスがピエゾ素子PZT(i)に印加されると、その駆動パルスに応じてピエゾ素子PZT(i)が変形し、インク室の一部を区画する弾性膜(側壁)が変形し、インク室内の既定量のインクがノズル#iから吐出される。一方、スイッチ制御信号prt(i)のレベルが「0」のとき、スイッチSW(i)はオフとなり、駆動信号COMが有する駆動パルスを遮断する。
本実施形態では、1つの画素に対する印刷信号prt(i)は2ビットのデータであり、1つの画素は、「大ドットが形成される」「中ドットが形成される」「小ドットが形成される」「ドットが形成されない」の4階調で表現される。図5に示すように、スイッチ制御信号prt(i)が「11」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に第1駆動パルスW1と第2駆動パルスW2が印加される。そして、2つの駆動パルスがピエゾ素子PZT(i)に印加されることでノズル#iから大ドットに応じたインク量が吐出され、大ドットが形成される。同様に、スイッチ制御信号prt(i)が「10」の場合、中ドットが形成され、スイッチ制御信号prt(i)が「01」の場合、小ドットが形成される。また、スイッチ制御信号prt(i)が「00」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に駆動パルスが何も印加されないので、ピエゾ素子PZT(i)が変形せず、ドットは形成されない。
===トランジスタの消費電力について===
図6は、駆動信号COMが有する第1駆動パルスW1の電圧変化と、トランジスタQ1及びQ2に流れる電流変化の説明図である。DAC値により波形生成回路71が電圧波形信号COM’を生成し、トランジスタ(電流増幅回路72)に電圧波形信号COM’が入力されたとしても(図3)、例えば、スイッチ制御信号prt(i)のデータが「10」であれば(図5)、ピエゾ素子には第1駆動信号W1のみが印加され、トランジスタには第1駆動パルスW1を生成するための電流しか流れない。即ち、ピエゾ素子に印加された駆動パルスによって、トランジスタの消費電力Pが異なってくる。以下、第1駆動パルスW1がピエゾ素子PZTに印加された際の、トランジスタの消費電力Pについて説明する。
時刻T0の時点まで、駆動信号生成回路70は中間駆動電圧Vcを維持する。そして、時刻T0から時刻T1までの間に、駆動信号生成回路70は中間駆動電圧Vcから最高駆動電圧Vhまで電圧を上昇させる。このとき、上昇用トランジスタQ1はON状態となり、上昇用トランジスタQ1に電流i1(A)が流れる。そして、ピエゾ素子PZTはインク室の容積を膨張させる。
そして、駆動信号生成回路70は、時刻T2まで最高駆動電圧Vhを維持した後、時刻T2から時刻T3までの間に、最高駆動電圧Vhから最低駆動電圧Vlまで電圧を下降させる。このとき、下降用トランジスタQ2はON状態となり、下降用トランジスタQ2に電流i2(A)が流れる。そして、ピエゾ素子PZTによりインク室は収縮される。このインク室内の容積変化によりノズルからインクが吐出される。
最後に、駆動信号生成回路70は、時刻T4まで最低駆動電圧Vlを維持し、時刻T4から時刻T5までの間に、最低駆動電圧Vlから中間駆動電圧Vcまで電圧を上昇させる。このとき、上昇用トランジスタQ1はON状態となり、上昇用トランジスタQ1に電流i1(A)が流れる。そして、ピエゾ素子PZTは、インク室の容積を膨張させ、インク室内の容積を中間駆動電圧Vcに対応する基準容積に戻す。
このように、第1駆動パルスW1がピエゾ素子に印加されると、上昇用トランジスタQ1と下降用トランジスタQ2に電流が流れ、電力が消費される。
上昇用トランジスタQ1には、時刻T0から時刻T1と時刻T4から時刻T5までの間に、電流i1(A)が流れる。ゆえに、時刻T0から時刻T1または時刻T4から時刻T5の間のある時刻Tでの消費電力は、時刻Tの駆動信号DRVの電位と電源電位(42V)との電位差と、電流i1(A)との積により求められる。そして、時刻T0から時刻T1までと、時刻T4から時刻T5までの消費電力の総和が、ピエゾ素子PZTに第1駆動パルスW1が印加されたときの上昇用トランジスタQ1の消費電力量q1(Wh)となる。
同様に、下降用トランジスタQ2には、時刻T2から時刻T3までの間に、電流i2(A)が流れる。ゆえに、時刻T2から時刻T3の間のある時刻Tでの消費電力は、時刻Tの駆動信号DRVの電位とGND電位との電位差と、電流i2(A)の積により求められる。そして、時刻T2から時刻T3までの消費電力の総和が、ピエゾ素子PZTに第1駆動パルスW1が印加されたときの下降用トランジスタQ2の消費電力量q2(Wh)となる。
即ち、第1駆動パルスW1が1個のピエゾ素子PZTに印加されたときの消費電力量は、上昇用トランジスタQ1の消費電力量のq1(Wh)と、下降用トランジスタQ2の消費電力量q2(Wh)を合計したq1+q2(Wh)となる。なお、駆動パルスWがピエゾ素子PZTに印加される時間(図6ではT0からT5まで)は微小であるため、以下では、消費電力量(q1+q2(Wh))を第1駆動パルスW1がピエゾ素子PZTに印加された瞬間のトランジスタの消費電力Pとする。
===トランジスタの発熱と待機動作について===
図7Aは、プリンタ1の上面図であり、図7Bは、プリンタ1の断面図である。図8は、駆動信号生成回路70の基板43上に設けられたトランジスタQ1,Q2とヒートシンク44とファン45を示す図である。駆動信号生成回路70の基板43は、プリンタ1における移動方向の右側に位置し、ヘッド41のホームポジション80上に位置する。なお、図7では、ファン45は基板43上において、比較的にプリンタ1の外側(移動方向の右側)に近い位置に設けられているが、これに限らない。例えば、ファン45が、基板43上において、プリンタ1の内側(移動方向の左側)に設けられていてもよい。そうすることで、ファン45が外部の空気を吸気する場合には、外部の低い温度の空気により基板43を冷却することができる。
駆動信号生成回路70(駆動信号生成部に相当)のトランジスタQ1,Q2を構成する半導体には接合部(不図示)というポイントが有り、トランジスタQ1,Q2が駆動信号COMを生成するときに、接合部が発熱する。この発熱によって、トランジスタ自身の温度が高温になると、トランジスタが破壊してしまう虞がある。そこで、図8に示すように、一対のトランジスタQ1,Q2に接触するようにヒートシンク44(放熱部材)を設ける。ヒートシンク44はトランジスタQ1,Q2が発熱した熱を外部へ放熱する。そのため、ヒートシンク44によりトランジスタQ1,Q2の温度上昇が抑制される。
更に、本実施形態のヒートシンク44には、筒状の空洞46が設けられている。空洞46が設けられることで、ヒートシンク44の表面積が大きくなり、その分だけ空気中に放熱される熱量も増加する。また、空洞46の出入り口となるヒートシンク44の側面のうちの一方側にはファン45が設けられている。ファン45により空気をヒートシンク44の空洞46内に強制的に通過させ、ヒートシンク44の熱を空気に伝達し易くしている。その結果、ヒートシンク44とトランジスタの冷却効果が高まる。
しかし、印刷が長時間続くと、ヒートシンク44やファン45ではトランジスタの発熱を抑えられず、トランジスタの接合部が限界温度(例えば125℃)以上となり、トランジスタが破壊してしまう虞がある。そこで、本実施形態では、トランジスタの温度上昇を抑制することを目的とし、センサにより、トランジスタの温度を管理する。そうすることで、高温によるトランジスタ(接合部)の破壊を防止する。トランジスタQ1,Q2の温度は図7に示すように駆動信号生成回路70の基板43上に設けられたトランジスタセンサ53(生成部センサに相当)により管理される。トランジスタセンサ53により検知された温度をコントローラ10が「トランジスタ温度Tt」として管理する。
図9は、トランジスタの待機条件表である。トランジスタの破壊を事前に防ぐため、許容温度(閾値)を設定し、トランジスタ温度Ttが閾値以上となったとき(図8では60℃以上)、駆動信号生成回路70による駆動信号COMの生成を待機させる。また、トランジスタ温度Ttが、これ以上印刷を続けるとトランジスタが破壊してしまう温度(限界温度)に達したとき(図9では80℃)、駆動信号生成回路70による駆動信号COMの生成を停止させる。また、トランジスタ温度Ttによって待機時間も異ならせる。このように、トランジスタ温度Ttに基づいて、駆動信号COMの生成を一時中断または停止することを「待機動作」と呼び、待機動作により、トランジスタの破壊を防止する。
なお、待機動作中に、駆動信号生成回路70の駆動信号の生成を完全に待機させてしまうと、ノズル周辺のインクが増粘し、目詰まりを起こしてしまう虞がある。そうすると、待機後に、例えばフラッシング等の回復作業を行い、ノズルから液体が正常に吐出されるようにする必要がある。そのため、待機動作中には、インクが吐出しない程度にメニスカスを微振動させる微振動用の駆動信号を駆動信号生成回路70に生成させてもよい。駆動信号生成回路70がインク吐出用の駆動信号を生成するときよりも微振動用の駆動信号を生成するときの方がトランジスタの温度上昇率が小さい。そのため、待機動作中に微振動させてもトランジスタの破壊が防止される。
また、2つのトランジスタQ1,Q2はそれぞれケースに囲まれた状態で、駆動信号生成回路70の基板43上に設けられている。また、トランジスタセンサ53は2つのトランジスタQ1,Q2のケース間に設けられている(図8)。ゆえに、トランジスタセンサ53が検出するトランジスタ温度Ttは、発熱する2つのトランジスタQ1,Q2の接合部の周辺温度である。
トランジスタの接合部の温度Tjとトランジスタ温度Ttとの関係は次式のようになる。
Tj=Tt+Toff+θjc×P
なお、Toffはトランジスタセンサ53からトランジスタのケースまでの熱損失による温度差であり、θjc×Pはケースからトランジスタの接合部までの熱損失による温度差である。θjcは接合部・ケース間の熱抵抗(℃/W)、Pはトランジスタからの駆動信号COMがピエゾ素子に印加される際の消費電力(W)である。
上式より、トランジスタ温度Ttが同じであってもトランジスタの消費電力Pが大きければ、よりトランジスタが破壊されやすい状態にあると言える。そのため、これらのことを考慮して、待機動作の有無についてのトランジスタ温度Ttの許容温度(閾値)を決定することが好ましい。
===ファンの回転方向とヘッド温度の上昇について===
図10Aおよび図10Bは、ファンの回転方向の違いを示すプリンタ1の概略図である。
ところで、ヒートシンク44やトランジスタが取り付けられた基板43とヘッド41は、図10に示すように、プリンタ1の外枠1’に囲われている。即ち、ヒートシンク44、トランジスタ、ヘッド41は、同じ筐体内(プリンタ1の外枠1’内)に納められていると言える。そのため、駆動信号を生成することによってトランジスタが発熱すると、その熱はプリンタ1の内部(外枠1’内)にこもりやすい。ゆえに、プリンタ1の使用中は、プリンタ1の内部温度の方がプリンタ1の外部温度tよりも高くなる。特に、トランジスタの周辺温度は外気温度tに比べて高くなる。
そのため、図10Aのようにファン45(可変速ファンに相当)がプリンタ1’外部の空気tをプリンタ1’内部に吸気する方向(以下、吸気方向と呼ぶ)に回転する場合と、図10Bのようにファン45がプリンタ1’内部の空気t+Δt1を外部に排気する方向(以下、排気方向と呼ぶ)に回転する場合とでは、ヒートシンク44の空洞46内を通過する空気の温度が異なる。
吸気方向にファン45を回転させると(図10A)、プリンタ外部の比較的に低い温度tの空気がヒートシンク44の空洞46内を通過し、逆に、排気方向にファン45を回転させると(図10B)、プリンタ内部の比較的に高い温度t+Δt1の空気がヒートシンク44の空洞46内を通過する。
つまり、ファン45を吸気方向に回転させる方が、排気方向に回転させるよりも、トランジスタにより加熱されたヒートシンク44の温度を下げることができる。ゆえに、ファン45が吸気方向に回転する方が、ファン45が排気する方向に回転するよりも、トランジスタの冷却効果が高まる。
但し、ファン45が吸気方向に回転すると(図10A)、トランジスタの発熱により加熱された空気がプリンタ1’内部に流れる。そうすると、プリンタ1’内部に位置するヘッド41は、加熱された空気の影響を受けて、温度上昇しやすくなる。そして、ヘッド41の温度が過度に上昇すると、ドット抜けや飛行曲がり等の吐出不良が発生したり、ヘッド自身が故障したりしてしまう。
そこで、本実施形態では、図7Aに示すように、ヘッド41とファン45の吹き出し口とを搬送方向にずらして、ファン45が吸気方向に回転したとしても、ファン45からの加熱された空気がヘッド41に直接吹付けられないようにしている。また、暖かい風は上方に流れるため、図7Bに示すように、ファン45の吹き出し口をヘッド41の上方に位置させることで、ファン45からの加熱された空気がヘッド41に直接吹付けられないようにしている。
しかし、このようにヘッド41とファン45の吹き出し口の配置を工夫しても、ファン45を吸気方向に回転させると、ファン45を排気方向に回転させてトランジスタにより加熱された空気がヘッド41方向に流れないようにするよりも、ヘッド41の温度が上昇し易くなってしまう。
以上をまとめると、ファン45を吸気方向に回転させると(図10A)、プリンタ1外部の低い温度tの空気がプリンタ1内部に吸気されるため、トランジスタの冷却効果は高まるが、トランジスタにより加熱された空気がヘッド41の方向に流れ、ヘッド41の温度が上昇しやすくなる。逆に、ファン45を排気方向に回転させると(図10B)、プリンタ1内部の暖かい空気がヒートシンク44の空洞46内を通過するため、トランジスタの冷却効果は低減してしまうが、トランジスタにより加熱される空気がヘッド41の方向に流れないため、ヘッド41の温度上昇を抑えられる。
つまり、ファン45の回転方向によって、ヘッド41の温度上昇を抑えようとすると、トランジスタの冷却効果が低減してしまい、逆に、トランジスタの冷却効果を高めようとすると、ヘッド41の温度が上昇しやすくなってしまう。
そこで、本実施形態では、ファン45の回転数を調整し、ヘッド41の温度上昇を抑え、ヘッド41のインク吐出不良を防止することを目的とし、また、トランジスタの冷却効果も出来る限り高めることを目的とする。そのため、本実施形態のファン45は可変速ファンであるとする。可変速ファンとは回転数を変更することができるファンである。以下、トランジスタ冷却用のファン45の回転数の制御例を示す。
===ファン45の回転数の制御例1===
図11は、ファン45の回転数の制御例1のフローである。この制御例1では、印刷中のファン45の回転方向を「吸気方向」に固定する。そのため、図10Aに示すように、ファン45がプリンタ1’外部の比較的に低い温度tの空気がヒートシンク44の空洞46内を通過するため、トランジスタの冷却効果が高い。しかし、トランジスタにより加熱された空気がプリンタ1内部に位置するヘッド41の方向に流れ、ヘッド41の温度が上昇し易くなる。
そこで、この制御例1では、ヘッド41の温度が許容温度(閾値)に達したときは、ファン45の回転数を下げて、ヘッド41の方向に流れる、トランジスタにより加熱された空気の風量を減少させる。その結果、ヘッド41の温度上昇を抑えることができ、ヘッド41の過度な温度上昇による吐出不良を防止できる。逆に、ヘッド41の温度が許容温度未満であるときには、ファン45の回転数を上げて、ヒートシンク44の空洞46内を通過する空気の風量を増加させ、トランジスタの冷却効果を高める。このとき、ヘッド41の方向に流れる加熱された空気の風量も増加してしまうが、ヘッド41の温度が許容温度未満であるため、印刷中にヘッド41の温度が過度に上昇する虞がなく、ヘッド41の液体吐出不良を防止できる。
つまり、制御例1では、印刷中のファン45の回転方向を「吸気方向」に設定し、コントローラ10(制御部に相当)は、印刷中のヘッド41の温度を検出し、その検出結果に基づいて、トランジスタ冷却用のファン45の回転数を変更する。
図12は、ヘッド41の中継基板411を示す図である。ヘッド41のノズル面412の上方に中継基板411を設ける。ヘッド制御部(不図示)からの信号等は中継基板411を中継して駆動素子等に伝送され、ノズルからインクが吐出される。この中継基板411にヘッド41の温度を管理するためのヘッドセンサ54(センサに相当)を設ける。ヘッドセンサ54により検知された温度をコントローラ10が「ヘッド温度Th」として管理し、ヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数を変更する。
なお、このヘッドセンサ54は駆動信号COMの電圧調整にも用いられる。インクは環境温度により粘度が異なるため、ヘッドセンサ54の検値結果に基づいて駆動信号COMの電圧値を調整し、環境温度によらずに一定のインクが吐出されるようにする。
制御例1の図11のフローによると、1ページを印刷するごとにヘッド温度Thを検出し、ファン45の回転数を決定する。まず、プリンタ1のコントローラ10は、印刷命令を受信すると(S001)、ヘッド温度Thを検出する(S002)。本実施形態のヘッド41は、ヘッド温度Thが40℃に達したときに吐出不良が発生するとする。そこで、検出したヘッド温度Thが37℃以上であるときには(Th≧37℃・S003→YES)、ファン45の回転数を「1000rpm(所定の回転数に相当)」に設定する(S004)。一方、ヘッド温度Thが37℃未満であるときには(Th<37℃・S003→NO)、ファン45の回転数を「2000rpm(所定の回転数よりも多い回転数に相当)」に設定する(S005)。
ここでは、「ヘッド温度Th=40℃」をインク吐出不良が発生する温度とし、「ヘッド温度Th=37℃」をインク吐出不良の発生の虞のある温度とし、「37℃」を閾値(許容温度)として設定する。ヘッド温度Thが37℃以上であるときに、ファン45の回転方向が「吸気方向」であり、回転数が2000rpmである状態で、1ページ分の画像の印刷を行うと、印刷中にヘッド温度Thが40℃に達してしまうとする。
このように、ヘッド温度Thが37℃(閾値)以上であり、ファン45の回転数が「2000rpm」に設定された状態で1ページ分の画像の印刷を続けると、ヘッド41に吐出不良の発生の虞がある場合には、ファン45の回転数を「1000rpm」に設定する。そうすることで、印刷中に、ヘッド41の方向に流れる加熱された空気の風量を減少できる。その結果、ヘッド温度Thが上昇し難くなり、印刷中の吐出不良の発生を防止できる。但し、ヒートシンク44の空洞46内を通過する空気の風量も減少してしまうため、トランジスタの冷却効果が低減してしまう。
一方、ヘッド温度Thが37℃未満である場合には、ファン45の回転数を1000rpmよりも多い「2000rpm」に設定する。そうすると、ヒートシンク44の空洞46内を通過する空気の風量が増加し、トランジスタの冷却効果は高まる。但し、ヘッド41の方向にトランジスタにより加熱された空気が多く流れ、ヘッド温度Thが上昇しやすくなってしまう。但し、ヘッド温度Thが37℃未満である場合には、ヘッド41に吐出不良が発生する温度と検出したヘッド温度Thとの差が大きいため、印刷中にトランジスタにより加熱された空気がヘッド41の方向に多く流れたとしても、ヘッド温度Thが吐出不良の発生する温度に達することなく、吐出不良の発生が防止される。
仮に、ヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数を変更せず、ファン45を高い回転数「2000rpm」に固定したとする。そうすると、印刷中におけるトランジスタの冷却効果は高まる。しかし、トランジスタにより加熱された空気が多量にヘッド41の方向に吹付けられるため、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であった場合には、印刷中にヘッド温度Thが過度に上昇し、吐出不良が発生してしまう。その結果、印刷画像が劣化してしまう。逆に、ファン45を低い回転数「1000rpm」に固定したとしたら、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるにも関わらず、ヒートシンク44の空洞46内を通過する空気の風量が減少し、トランジスタの冷却効果を低減させてしまう。
そこで、ヘッド温度Thに基づいて、ファン45の回転数を決定することで、吐出不良の発生を防止し、トランジスタの冷却効果も出来る限り高めることができる。
こうしてヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数が決定したら、次に、トランジスタ温度Ttを検出する(S006)。検出したトランジスタ温度Ttを図9に示す待機条件表に照らし合わせ、待機動作(停止)の有無を判断する(S007)。例えば、トランジスタ温度Ttが50℃であり、待機動作を行う必要が無い場合には(S007→NO)、1ページの印刷中に待機動作が行われることなく、通常に印刷が行われる(S009)。トランジスタ温度Ttが72℃であり、待機動作が行われる場合には(S007→YES・S008→NO)、駆動信号生成回路はパスごと(ヘッド41の移動方向への1回の移動ごと)に2.0秒間だけインク吐出用の駆動信号の生成を待機させながら印刷を行う(S010)。なお、待機動作はパスごとに行っても、ページごとに行ってもよいとする。そして、トランジスタ温度Ttが80℃である場合には、これ以上印刷を続けると、トランジスタが破壊してしまう虞があるため、駆動信号生成回路はインク吐出用の駆動信号の生成を停止し(S008→YES)、エラー処理を行う(S011)。エラー処理とは、例えば、ユーザーに印刷の停止を知らせる処理である。こうすることで、トランジスタの破壊を防止できる。
1ページ分の印刷が終了したら、次ページの印刷データの有無を確認する。次ページの印刷がある場合には(S012→YES)、再び、ヘッド温度Thを検出し、ヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数を決定する。そして、トランジスタ温度Ttに基づいて、待機動作の有無を決定し、印刷を行う。これを印刷データが無くなるまで繰り返す。
例えば、印刷前のヘッド温度Thは37℃未満であっても、ページごとの印刷を繰り返すうちにヘッド温度Thが37℃に達したとする。そうすると、ファン45の回転数は2000rpmから1000rpmに下げられる。ファン45の回転数が低くなったことにより、トランジスタの冷却効果が低減するため、次ページの印刷を行う際にトランジスタ温度Ttを検出すると、トランジスタ温度Ttが上昇し、待機動作が行われ易くなる。そのため、ファン45の回転数が低くなり、ファン45によるトランジスタの冷却効果が低減したとしても、待機動作が行われながら印刷されるため、トランジスタの過度な温度上昇が抑えられる。
また、待機動作が行われながら印刷されることで、トランジスタ温度Ttの上昇が抑えられ、ファン45からヘッド41の方向に流れる空気の温度も下がり、ヘッド温度Thの上昇も抑えられる。
つまり、ヘッド温度Thが37℃に達すると、ファン45の回転数が下がることによってヘッド温度Thの上昇が抑えられるが、更に、トランジスタの冷却効果が低減して待機動作が行われることで、結果的にトランジスタ温度が下がることによっても、ヘッド温度Thの上昇が抑えられる。但し、待機動作が行われながら印刷されると、印刷時間は待機時間分だけ長くなってしまう。
一方、ヘッド温度Thが37℃未満であるときには、ファン45の回転数が高く(2000rpm)、トランジスタの冷却効果が高いため、待機動作が行われ難く、印刷時間が短くなる。
以上をまとめると、制御例1では、ファン45の回転方向を「吸気方向」に固定し、プリンタ1のコントローラ10は、印刷中のヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数を変更する。ヘッド温度Thが吐出不良の発生の虞のない温度(閾値未満に相当)であるときには、ファン45の回転数を高く設定し(2000rpm)、トランジスタの冷却効果を高めて、印刷時間を短くできる。一方、ヘッド温度Thが吐出不良の発生の虞のある温度(閾値以上に相当)であるときには、ファン45の回転数を低く設定し(1000rpm)、ヘッド温度Thの上昇を抑え、ヘッド41の吐出不良を防止できる。また、ファン45の回転数を下げることで待機動作が行われ易くなる。待機動作が行われながら印刷されることで、トランジスタ温度Ttとヘッド温度Thの温度上昇を抑え、トランジスタの破壊を防止し、ヘッド41の吐出不良を防止できる。
===ファンの回転数の制御例2===
図13は、ファン45の回転数の制御例2のフローである。1つの印刷ジョブが終了するまでは制御例1と同様であり、印刷中はファン45の回転方向を「吸気方向」に固定し、ページごとの印刷前にヘッド温度Thを検出し、ヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数を設定する。そして、トランジスタ温度Ttを検出し、トランジスタ温度Ttに基づいて、待機動作の有無を決定する。そうすることで、ヘッド41のインク吐出不良を防止でき、また、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときにはトランジスタの冷却効果が高められ、待機動作が行われ難くなり、印刷時間を短くできる。
こうして1つの印刷ジョブが終了した後、制御例2では、再び、ヘッド温度Thを検出する(S113)。検出したヘッド温度Thが所定温度(所定値に相当)以上である場合、ファン45の回転方向を「吸気方向」から「排気方向」に変更し、また、ファン45の回転数を「2000rpm(所定の回転数よりも多い回転数に相当)」に設定し、所定時間だけファン45を回転させる。ここでは、ヘッド温度Thが、インク吐出不量が発生する限界温度40℃に近い「37℃」以上であるときに(Th≧37℃・S114→YES)、ファン45の回転方向を「排気方向」に設定し(S115)、ファン45を10秒間だけ回転させる。ファン45を10秒間回転させた後に、再び、ヘッド温度Thを検出し、ヘッド温度Thが37℃未満であれば(S114→NO)、ファン45の回転を停止し、印刷を終了する。
そのため、制御例2のトランジスタ冷却用のファン45は、可変速ファンであり、且つ、正逆回転可能なファンであるとする。
このように1つの印刷ジョブが終了した後にヘッド温度Thを37℃未満に下げておくことで、次の印刷ジョブを開始する際に、ヘッド温度Thは、37℃未満であり、吐出不良発生の虞のない温度であるため、ファン45の回転数を高い回転数2000rpmに設定できる。その結果、次の印刷ジョブ(の開始時)にて、トランジスタの冷却効果を高めることができ、待機動作が行われ難い分だけ印刷時間を短くできる。なお、印刷終了後には、ヘッド41は、図6Bに示すホームポジション80に位置するとする。
また、ヘッド41はプリンタ1の外枠1’に覆われており、熱がこもり易いため、1つの印刷ジョブが終了した直後に次の印刷ジョブが無い場合であっても、ヘッド温度Thは下がり難い。印刷が終了した時点でヘッド温度Thに関係なくファン45の回転を停止してしまうと、印刷終了時にヘッド温度Thが高温であった場合に、ヘッド41が高温である状態が長く続いてしまう。これは、ヘッド41の性能に悪影響を及ぼす虞がある。
そのため、1つの印刷ジョブが終了した後には、ヘッド温度Thを37℃未満にすることが好ましい。
トランジスタはヒートシンク44に接触しているが、ヘッド41はヒートシンクに接触しておらず、また、ヘッド41はプリンタ1の内部に位置する。そのため、印刷終了後は、トランジスタ温度Ttよりもヘッド温度Thの方が下がり難い。仮に、トランジスタ温度Ttに基づいて、印刷後にファン45を回転させるか否か決定すると、トランジスタ温度Ttは下がっているがヘッド温度Thが下がっていない状態において、ファン45が停止されてしまう。そうすると、印刷後にヘッド温度Thが高温の状態が保持されてしまい、次の印刷に影響を及ぼす。そこで、印刷後には、ヘッド温度Thに基づいて、ヘッド温度Thが所定温度未満になるまで、ファン45を回転させるとよい。
また、印刷後にヘッド温度Thが37℃以上であるときには、ファン45の回転方向を「吸気方向」から「排気方向」に変更して、ファン45を回転させる。仮に、ファン45の回転方向を「吸気方向」に設定すると、同じく印刷後であるトランジスタやヒートシンクが高温である虞があるため、ファン45からヘッド41方向に吹付けられる風は加熱され、ヘッド41の冷却効果が低減してしまう。そこで、印刷後には、ファン45の回転方向を「排気方向」に変更する。なお、ファン45の回転方向が「吸気方向」である方が、トランジスタの冷却効果は高まるが、印刷後はトランジスタ自身が発熱しないため、プリンタ内部の暖かい空気をヒートシンク44の空洞46に通過させてトランジスタを冷却しても、トランジスタ温度Ttを下げることができる。
更に、ファン45の回転数を高い回転数(2000rpm)に設定することで、プリンタ1内部の暖かい温度の空気をプリンタ外部へ多量に排出することができる。その結果、ファン45の回転数を低い回転数(1000rpm)に設定するよりも、プリンタ内部の空気温度をより下げることができ、ヘッド温度Thもより低下させることができる。
このように、印刷後のヘッド温度Thに基づいて、ファン45を「排気方向」に変更し、ファン45の回転数を上げることで(2000rpm)、ヘッド温度Thとトランジスタ温度Ttとプリンタ1内部の空気温度を低下させることができる。そうすることで、次の印刷ジョブを開始する際に、ファン45の回転数が高い回転数(2000rpm)に設定されるため、トランジスタの冷却効果が高く、待機動作が行われ難くなり、印刷時間を短くできる。
一方、1つの印刷ジョブの終了後にヘッド温度Thが37℃未満であれば、印刷後にファン45を回転する必要がないため、直ぐにファン45を停止でき、消費電力を抑えられる。また、次の印刷ジョブが待機している場合には、次の印刷ジョブを直ぐに開始することができる。
以上をまとめると、制御例2では、印刷中は、ファン45の回転方向を「吸気方向」に固定し、プリンタ1のコントローラ10は、ヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数を設定する。ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときには、ファン45の回転数を上げ、トランジスタの冷却効果を高め、印刷時間を短くする。ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であるときには、ファン45の回転数を下げ、ヘッド温度Thの上昇を抑え、吐出不良の発生を防止する。更に、印刷後は、ヘッド温度Thに基づいて、ヘッド温度Thが所定温度以上であるときには(Th≧37℃)、ファン45の回転方向を「吸気方向」から「排気方向」に設定し、ヘッド温度Thが所定温度未満になるまで(Th<37℃)、ファン45を回転させる。その結果、ヘッド41とトランジスタとプリンタ内部1の温度を下げることができ、次の印刷ジョブが行われる際に、ファン45の回転方向を吸気方向に設定でき、待機動作が行われ難くなるため印刷時間を短くできる。
なお、この制御例2や前述の制御例1のように、印刷中のファン45の回転方向を「吸気方向」に固定することで、トランジスタの冷却効果を高めるだけでなく、更に、印刷中にヘッド41周辺に発生するインクミストを基板43に付着し難くすることができる。
印刷中のファン45の回転方向が「排気方向」であると、ファン45に吸い寄せられる空気と共に、ヘッド41周辺のインクミストが、ファン45を設けた基板43側に流れてくる。基板43上にインクミストのような液体が付着すると、プリンタ1の故障の原因となってしまう。もし、印刷中にファン45の回転方向が「排気方向」になる場合、例えば、図10に示すように、基板43とヘッド41との間に仕切り板81を設ける等の工夫が必要となる。
これに対して、制御例1や制御例2では、印刷中のファン45の回転方向を常に「吸気方向」にするため、印刷中にヘッド41周辺に浮遊するインクミストが基板43側に吸い寄せられる虞がない。逆に、インクミストが基板43に近付こうとしても、ファン45からの空気の吹き出しにより、インクミストを基板43から遠ざけることができる。
また、印刷中のファン45の回転方向が「排気方向」であると、プリンタ1内部の空気と共に、プリンタ1内部に浮遊するインクミストを排気し、プリンタ1外部におけるファン45の排気口の周囲を局所的に汚してしまう虞がある。そのため、制御例1や制御例2のように、印刷中にファン45の回転方向が「排気方向」になる場合、例えば、ファン45の排気口にフィルタ等を設け、インクミストが機外に排出されないようにする等の工夫が必要となる。
これに対して、制御例1や制御例2では、印刷中のファン45の回転方向を常に「吸気方向」にするため、ファン45が吸気した空気は、プリンタ1’と外部との何れかの連通口から適宜排気され、プリンタ1’の外部が局所的に汚れてしまう虞がない。
このように印刷中のファン45の回転方向を「吸気方向」に固定することで、インクミストが基板43へ付着することを防止し、インクミストが局所的にプリンタ外部に排出され、プリンタ1外部を汚してしまうことを防止できる。また、これらのことを防止するために、基板43とヘッド41を仕切り板81で区切ったり、ファン45の排気口にフィルタを設けたりする必要がなくなるため、装置の低コスト化、省スペース化が図れる。また、制御例2では、印刷後のファン45の回転方向は、ヘッド温度Thとトランジスタ温度Ttとプリンタ内部の空気温度を下げるために、「吸気方向」から「排気方向」に変更される。印刷後は、プリンタ1内部にインクミストが浮遊し難く、基板43にインクミストが付着する虞がないため、ファン45の回転方向を排気方向に設定しても問題はない。
===ファンの回転数の制御例3===
図14は、ファン45の回転方向の制御例3のフローである。制御例3では、トランジスタ冷却用ファン45が可変速ファンであり、且つ、正逆回転可能であるとする。この制御例3では、ページごとの印刷前にヘッド温度Thを検出し(S202)、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度以上であれば(Th≧37℃)、ファン45の回転方向を「排気方向」に設定し、且つ、ファン45の回転数を「500rpm(所定の回転数に相当)」に設定する。一方、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であれば(Th<37℃)、ファン45の回転方向を「吸気方向」に設定し、且つ、ファン45の回転数を「2000rpm(所定の回転数よりも多い回転数に相当)」に設定する。
ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度以上であるときに、ファン45の回転方向を「排気方向」にすることで、トランジスタにより加熱された空気がヘッド41の方向に流れることが無くなる。その結果、ヘッド温度Thの上昇が抑えられ、吐出不良の発生を防止できる。
即ち、制御例3では、プリンタ1のコントローラ10が、印刷中のヘッド温度Thに基づいて、ファン45の回転方向と回転数を変更する。制御例3では、印刷中にファン45が排気方向になる場合があり、このときインクミストが基板43に付着したり、プリンタ1外部が局所的に汚れたりする虞があるため、前述のように、基板43とヘッド41との間に仕切り板81を設けたり、ファン45の排気口にフィルタを設けたりする等の工夫が必要となる。また、ファン45の回転数を「500rpm(所定の回転数よりも少ない回転数)」に設定することで、ヘッド41周辺に浮遊するインクミストが、基板43に付着したり、プリンタ1外部に排出されたりすることが防止される。そのため、ヘッド温度Thとトランジスタ温度Ttの温度上昇を防止するために、ファン45の回転方向を「排気方向」に設定しても、インクミストが基板43に付着したり、プリンタ1外部に排出されたりする虞がないといえる。
但し、ファン45の回転方向が排気方向であると、プリンタ1内部の暖かい空気がヒートシンク44の空洞46内を通過することになるため、ファン45の回転方向が「吸気方向」である場合に比べて、トランジスタの冷却効果が低くなってしまう。
一方、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときは、ファン45の回転方向を「吸気方向」にすることで、プリンタ1外部の低い温度がヒートシンク44の空洞46内を通過することになり、トランジスタの冷却効果を高めることができる。また、ファン45の回転方向が「吸気方向」であると、トランジスタにより加熱された空気がヘッド41の方向に流れてしまうが、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるため、ヘッド41に吐出不良が発生することは防止される。
このように、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときに、ファン45の回転数を2000rpm、回転方向を吸気方向に設定することで、ファン45の回転数を500rpm、回転方向を排気方向に設定するときよりも、トランジスタの冷却効果を高め、待機動作を行われ難くすることができる。その結果、印刷時間を短くできる。
===ファンの回転数の制御例4===
図15は、ファン45の回転数の制御例4のフローである。制御例4では、印刷中のファン45の回転方向を「吸気方向」に固定する。そのため、ヘッド41周辺に発生するインクミストが基板43に付着し難い。図15のフローによると、まず、プリンタ1のコントローラ10は、印刷命令を受信すると(S301)、ヘッド温度Thを検出する(S302)。ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であれば(S303→NO)、ファン45の回転数を1500rpm(所定の回転数に相当)に設定する。即ち、コントローラ10はヘッド温度Thに基づいてファン45の回転数を設定する。
更に、制御例4では、コントローラ10は、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度以上であれば、そのページの印刷データが「テキストデータ」か「画像データ」を確認する。「テキストデータ」を印刷する場合(ヘッドから液体が吐出される回数が所定数未満である場合)には(S304→YES)、ファン45の回転数を、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときの回転数1500rpmよりも高い回転数「2000rpm(所定数よりも多い回転数に相当)」に設定する。一方、「画像データ」を印刷する場合(ヘッドから液体が吐出される回数が所定数以上である場合)には(S304→NO)、ファン45の回転数を1500rpmよりも低い回転数「1000rpm(所定数よりも少ない回転数に相当)」に設定する。即ち、コントローラ10はヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度以上であるときは(Th≧37℃)、印刷データに基づいて、ファン45の回転数を設定する。つまり、制御例4では、ヘッド温度Thと印刷データ(画像データに相当)に基づいて、ファン45の回転数が設定される。
そして、ファン45の回転数が決定したら、トランジスタ温度Ttを検出し(S308)、トランジスタ温度Ttに基づいて待機動作(停止)の有無を決定し(S309)、印刷データがなくなるまで印刷が行われる。
ここで、「テキストデータ」により文字が印刷され、「画像データ」により、例えば写真などの画像が印刷されるとする。文字を印刷する場合に比べて画像を印刷する方が、ヘッド41の各ノズルから吐出されるインク滴の数が多い。吐出されるインク滴の数が多いということは、図6に示すような駆動パルスが各ノズルのピエゾ素子に多数印加され、駆動パルスを生成するための電流がトランジスタQ1,Q2に多く流れるということである。トランジスタQ1,Q2に多くの電流が流れるほど、トランジスタは発熱しやすい。ゆえに、テキストデータを印刷するよりも画像データを印刷する方が印刷中に高温になる。
逆に言えば、テキストデータを印刷する場合には、トランジスタに電流があまり流れず、トランジスタはあまり発熱しないといえる。そうすると、トランジスタに接触するヒートシンク44もあまり高温にならない。その結果、ファン45に吸気されたプリンタ1外部の低い温度の空気は、高温でないヒートシンク44の空洞46内を通過するため、プリンタ1内部の温かい空気よりも温度が低い状態にて、ヘッド41の方向に流れる。
そこで、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であり、且つ、テキストデータを印刷する場合には、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときの回転数1500rpmよりも、ファン45の回転数を上げる(2000rpm)。そうすることで、トランジスタによりあまり加熱されない低い温度の空気をヘッド41の方向に多量に吹付けることができ、ヘッド温度Thの上昇をより抑制できる。このとき、プリンタ1外部の低い温度がファン45により多量に吸気され、ヒートシンク44の空洞46内を多量の空気が通過するため、トランジスタの冷却効果も高まる。その結果、待機動作が行われ難くなり、印刷時間も短くなる。
一方、画像データを印刷する場合には、トランジスタに多くの電流が流れ、トランジスタが高温に発熱するため、ファン45がプリンタ1外部から吸気した低い温度の空気も、ヒートシンク44の空洞46内を通過する間に加熱され、高温の空気がヘッド41の方向に流れる。そこで、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であり、且つ、画像データを印刷する場合には、1500rpmよりもファン45の回転数を下げる(1000rpm)。そうすることで、ヘッド41の方向に流れる、トランジスタにより加熱された空気の風量を減少させ、ヘッド温度Thの上昇を抑制できる。このとき、ヒートシンク44の空洞46内を通過する空気の風量が減少するため、トランジスタの冷却効果は低減し、待機動作が行われ易くなる。待機動作が行われながら印刷されることで、印刷時間は長くなってしまうが、結果的にトランジスタ温度Ttが下がる。そうすると、ヘッド41の方向に流れる風の温度も低下し、ヘッド温度Thの上昇も抑えられる。
以上をまとめると、制御例4では、ヘッド温度Thと印刷データとに基づいて、ファン45の回転数が設定される。ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であるとき、印刷データに基づいてトランジスタが高温に発熱するか否かを予測する。テキスト印刷のようにトランジスタが高温に発熱しない場合には、ファン45が吸気した風は、トランジスタによりあまり加熱されず、プリンタ1内部の空気温度よりも低い温度の状態でヘッド41の方向に流れる。そのため、ファン45の回転数を上げることで、ヘッド温度Thの上昇をより抑制できる。逆に、画像印刷のようにトランジスタが高温に発熱する場合には、ファン45が吸気した風は加熱された状態でヘッド41の方向に流れるため、ファン45の回転数を下げる。そうして、ヘッド41の方向に流れる加熱された風の風量を減少させ、ヘッド温度Thの上昇を抑制する。
なお、制御例4では、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度(Th<37℃)であるときの回転数1500rpmを基準に、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であるときには、印刷データに基づいて、ファン45の回転数を上げたり、下げたりしている。即ち、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときには、印刷データによらずに、ファン45の回転数を一定の1500rpmに設定する。しかし、これに限らず、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度である場合にも、印刷データに基づいて、ファン45の回転数を変更してもよい。
例えば、テキストデータの場合には、プリンタ1外部からの低い温度の空気があまり加熱されずにヘッド41の方向に吹付けられるため、ファン45の回転数を上げる。その結果、ヘッド温度Thの上昇をより抑制し、トランジスタの冷却効果を高めることができる。但し、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときには、ファン45の回転数を必要以上に上げて、ヘッド41の方向にあまり加熱されていない外部の空気を多量に流さなくとも、ヘッド41の吐出不良が発生する虞はない。そこで、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であるときの回転数2000rpmほど回転数を上げずに(第1の回転数に相当)、例えば1800rpm(第2の回転数に相当)に設定してもよい。そうすることで、消費電力を抑えられる。
また、画像データの場合には、トランジスタにより加熱された空気がヘッド41の方向に流れるため、ファン45の回転数を下げることで、ヘッド温度Thの上昇をより抑制できる。但し、トランジスタの冷却効果が低減してしまう。ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のない温度であるときには、ファン45の回転数を必要以上に下げて、ヘッド41の方向に流れる加熱された空気の風量を減少させなくとも、ヘッド41の吐出不良が発生する虞はない。そこで、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であるときの回転数1000rpm(第4の回転数に相当)ほど回転数を下げずに、例えば1200rpm(第3の回転数に相当)に設定してもよい。そうすることで、トランジスタの冷却効果の低減を抑えられる。
また、この制御例4では、ヘッド温度Thが吐出不良発生の虞のある温度であるときに、印刷データが「テキストデータ」であるか「画像データ」であるかによって、ファン45の回転数を変更しているが、これに限らない。
例えば、印刷データより、1ページの印刷が行われる間にノズルから吐出されるインク滴の数(または形成されるドット数)を算出し、インク滴の数に基づいて、ファン45の回転数を変更しても良い。吐出されるインク滴の数が所定数未満であれば、トランジスタが高温に発熱せず、ファン45からの風があまり加熱されずにヘッド41の方向に流れるため、ファン45の回転数を上げ、吐出されるインク滴の数が所定数以上であれば、トランジスタが高温に発熱し、ヘッド41方向に加熱された空気が流れるため、ファン45の回転数を下げるとよい。
他にも、印刷データの印刷解像度に基づいて、ファン45の回転数を変更しても良い。印刷解像度が高い場合には、多くの画素に対してインクが吐出され、トランジスタが高温に発熱しやすいため、ファン45の回転数を下げ、印刷解像度が低い場合には、少ない画素に対してインクが吐出され、トランジスタが高温に発熱し難いため、ファン45の回転数を上げるとよい。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、ヘッド温度上昇の抑制方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
〈冷却ファンについて〉
前述の実施形態では、1つのファンで吸気と排気を行っているが、吸気用ファンと排気用ファンの2つで構成されていてもよい。
〈回転数の変更について〉
前述の実施形態では、ページごとの印刷前にヘッド温度Thを検出し、その検出結果に基づいて、トランジスタ冷却用のファンの回転数を設定しているが、これに限らない。例えば、ファンが吸気方向に回転している場合に、コントローラ10が、ヘッド温度Thが吐出不良の発生する温度に達したことを検知した時点で、印刷中や印刷後に関わらず、ファンの回転数を変更してもよい。また、ジョブごとにヘッド温度Thを検出し、ファンの回転数を変更してもよい。
〈待機動作について〉
前述の実施形態では、ヘッド温度Thとともにトランジスタ温度Ttも検出し、トランジスタTtに基づいて待機動作の必要性を判断し、印刷を行っているが、これに限らない。ヘッド温度Thに基づいて、トランジスタ冷却用のファンの回転数を変更すれば、トランジスタ温度Ttを検出しなくともよい。
〈ヒートシンクについて〉
前述の実施形態では、ヒートシンクにファンを設けているが、これに限らない。例えば、ヒートシンクがなくとも、トランジスタ周辺にファンを設けることで、トランジスタを冷却し、また、ヘッド温度Thに基づいてファンの回転方向を変えることで、ヘッド温度Thの上昇を抑えることができる。
〈液体吐出装置について〉
前述の実施形態では、液体吐出方法を実施する液体吐出装置(一部)としてインクジェットプリンタを例示していたが、これに限らない。液体吐出装置であれば、プリンタ(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置、回路基板製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。
また、液体の吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を吐出させるサーマル方式でもよい。
〈ラインヘッドプリンタについて〉
前述の実施形態では、ヘッドが移動方向に移動しながらラスタラインを形成する動作と用紙を搬送する動作とを交互に繰り返すシリアル式のプリンタを例に挙げているが、これに限らない。例えば、紙幅方向にノズルが並び、そのノズルの下を搬送方向に停まることなく搬送される用紙にインクが吐出されることによって画像を完成させるラインヘッドプリンタにおいても本件発明が適用される。
本実施形態のプリンタの全体構成ブロック図である。 図2Aはプリンタの斜視図であり、図2Bはプリンタの断面図である。 駆動信号生成回路を示す図である。 駆動信号生成回路とヘッド駆動回路を示す図である。 各信号のタイミングチャートである。 駆動パルスの電圧とトランジスタに流れる電流の変化の図である。 図7Aはプリンタの上面図であり、図7Bはプリンタの断面図である。 駆動信号生成回路の基板上を示す図である。 トランジスタの待機条件表である。 図10A及び図10Bはファンの回転方向の違いを示すプリンタの概略図である。 ファンの回転数の制御例1のフローである。 ヘッドの中継基板を示す図である。 ファンの回転数の制御例2のフローである。 ファンの回転方向の制御例3のフローである。 ファンの回転数の制御例4のフローである。
符号の説明
1 プリンタ、
10 コントローラ、11 インターフェース部、12 CPU、13 メモリ、
14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、23 搬送ローラ、24 プラテン、
25 排紙ローラ、30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、42 ヘッド駆動回路、
421 第1シフトレジスタ、422 第2シフトレジスタ、423 ラッチ回路群、
424 データセレクタ、43 基板、44 ヒートシンク、45 ファン、
46 空洞、50 検出器群、51 紙検出センサ、53 トランジスタセンサ、
54 ヘッドセンサ、60 コンピュータ、70 駆動信号生成回路、
71 波形生成回路、72 電流増幅回路、80 ホームポジション、
81 仕切り板

Claims (8)

  1. 駆動信号により液体を吐出するヘッドと、
    前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するための可変速ファンと、
    前記ヘッドの温度を検出するためのセンサと、
    前記センサの検出結果に基づいて、前記可変速ファンの回転数を変更する制御部と、
    を有する液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記可変速ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように回転し、
    前記検出結果が閾値以上である場合に、前記可変速ファンは所定の回転数にて回転し、
    前記検出結果が前記閾値未満である場合に、前記可変速ファンは前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転する、
    液体吐出装置。
  3. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記可変速ファンは正逆回転が可能なファンであって、
    前記検出結果が閾値以上である場合に、前記可変速ファンは、前記可変速ファンが前記液体吐出装置の内部から空気を排気するように、所定の回転数にて回転し、
    前記検出結果が前記閾値未満である場合に、前記可変速ファンは、前記可変速ファンが前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように、前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転する、
    液体吐出装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の液体吐出装置であって、
    前記可変速ファンは正逆回転が可能なファンであって、
    前記制御部は、前記ヘッドからの液体吐出後に、前記検出結果が所定値以上である場合に、前記可変速ファンが、前記液体吐出装置の内部から空気を排気するように、前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転する、
    液体吐出装置。
  5. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記検出結果と画像データとに基づいて、前記可変速ファンの回転数を変更する液体吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液体吐出装置であって、
    前記可変速ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように回転し、
    前記検出結果が閾値未満である場合に、前記可変速ファンは所定の回転数にて回転し、
    前記検出結果が前記閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が所定数以上である場合に、前記可変速ファンは前記所定の回転数よりも少ない回転数にて回転し、
    前記検出結果が前記閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数未満である場合に、前記可変速ファンは前記所定の回転数よりも多い回転数にて回転する、
    液体吐出装置。
  7. 請求項5に記載の液体吐出装置であって、
    前記可変速ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸気するように回転し、
    前記検出結果が閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が所定数未満である場合に、前記可変速ファンは第1の回転数にて回転し、
    前記検出結果が閾値未満であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数未満である場合に、前記可変速ファンは前記第1の回転数よりも少ない第2の回転数にて回転し、
    前記検出結果が閾値未満であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数以上である場合に、前記可変速ファンは前記第2の回転数よりも少ない第3の回転数にて回転し、
    前記検出結果が閾値以上であり、前記ヘッドから液体が吐出される回数が前記所定数以上である場合に、前記可変速ファンは前記第3の回転数よりも少ない第4の回転数にて回転する、
    液体吐出装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部の温度を検出するための生成部センサを有し、
    前記制御部は、前記生成部センサの検出結果に基づいて、前記駆動信号により前記ヘッドから液体を吐出させることを待機させる、
    液体吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018099835A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置

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