JP2009172834A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動信号生成部の冷却効果を高めること。
【解決手段】駆動信号により液体を吐出するヘッドと、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するためのファンと、を備える液体吐出装置であって、前記ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸入することを特徴とする液体吐出装置。
【選択図】図11

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置として、駆動信号により駆動素子を駆動し、ノズルからインクを吐出するインクジェットプリンタ(以下、プリンタ)が知られている。駆動信号を生成する駆動信号生成部は、印刷が長時間続くと、過度に発熱し、プリンタの故障の原因となってしまう。
そこで、プリンタ内に冷却ファンを設け、プリンタ内部に空気流を発生させて、この空気流により駆動信号生成部を冷却し、プリンタの故障を回避する方法が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
特開2003−285435号公報
しかし、プリンタ内部は、プリンタの外枠(筐体)に囲われているため、駆動信号生成部による熱がこもる。そのため、プリンタ内部の空気全体が加熱されており、加熱された空気にて空気流を発生させても、駆動信号生成部の冷却効果は小さい。
そこで、駆動信号生成部の冷却効果を高めることを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、駆動信号により液体を吐出するヘッドと、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するためのファンと、を備える液体吐出装置であって、前記ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸入することを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、駆動信号により液体を吐出するヘッドと、前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するためのファンと、を備える液体吐出装置であって、前記ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸入することを特徴とする液体吐出装置を実現すること。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成部により加熱された液体吐出装置内の空気よりも低い温度の外部の空気にて、駆動信号生成部を冷却することができ、冷却効果を高めることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す吹き出し口が、前記ヘッドよりも上方に位置すること。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成部により加熱された空気がヘッドに直接吹き付けられることが防止され、ヘッドの温度上昇が抑えられ、吐出不良やヘッドの故障を防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す方向と交差する方向に、前記吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す吹き出し口と前記ヘッドとがずれて位置すること。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成部により加熱された空気がヘッドに直接吹き付けられることが防止され、ヘッドの温度上昇が抑えられ、吐出不良やヘッドの故障を防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記ヘッドが所定方向に移動しながら、前記ヘッドから媒体に液体が吐出され、前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す方向は、前記所定方向と等しいこと。
このような液体吐出装置によれば、ファンからの風が、ヘッドが移動する所定方向に吹き出されることで、ヘッド周辺の液体ミスト(微小な液滴・例えばインクミスト)が所定方向と交差する方向に流れることなく、非液体吐出領域の方向に流れ、ヘッド周辺の部材を汚してしまうことを防止できる。その結果、媒体の汚れも防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記吹き出す方向に沿って取り付けられているリニアスケールに基づいて前記ヘッドの位置が検出されること。
このような液体吐出装置によれば、ヘッド周辺の液体ミストが所定方向と交差する方向に流れることがなく、リニアスケールを汚してしまうことを防止できる。その結果、ヘッドの位置制御を確実に行える。
かかる液体吐出装置であって、前記ヘッドは所定方向に複数のノズルが並んだノズル列を有し、前記ノズルから前記所定方向と交差する方向に搬送される媒体に液体が吐出され、前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す方向は、前記所定方向と等しいこと。
このような液体吐出装置によれば、ファンからの風が所定方向に吹き出されることで、ヘッド周辺の液体ミストが、ヘッドの所定方向の全域に亘って、非液体吐出領域の方向に流れ、ヘッド周辺の部材を汚してしまうことを防止できる。その結果、媒体の汚れも防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記ファンと前記ヘッドとの間に仕切り板を有し、前記仕切り板には、前記吸入した空気が前記吹き出す方向に流れるための隙間が設けられていること。
このような液体吐出装置によれば、ファンからの風が前記吹き出す方向に整流され、ファンからの風が吹き出す方向と交差する方向に広がることが抑えられる。その結果、加熱された空気がヘッドに吹きつけられることが防止される。また、液体ミストがヘッド周辺の部材に付着してしまうことを防止できる。
かかる液体吐出装置であって、前記吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す吹き出し口が、前記ヘッドのフラッシングを行うフラッシング部よりも上方に位置すること。
このような液体吐出装置によれば、フラッシング部周辺に発生する液体ミストが、ファンから吹き出される風に巻き込まれてしまうことが防止され、液体吐出装置内に液体ミストが飛散し、内部を汚してしまうことを防止できる。
===インクジェットプリンタの構成===
以下、液体吐出装置をインクジェットプリンタとし、また、インクジェットプリンタの中のシリアル式プリンタ(プリンタ1)を例に挙げて実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。図2Aは、プリンタ1の斜視図の一部であり、図2Bは、プリンタ1の断面図の一部である。外部装置であるコンピュータ60から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ10により、各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御し、用紙S(媒体)に画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ10は各ユニットを制御する。
コントローラ10は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピュータ60とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、ユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだ後、印刷時に搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送させるためのものであり、給紙ローラ21と、搬送モータと、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。紙検出センサ51が、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sの先端の位置を検出すると、コントローラ10は搬送ローラ23を回転させ、用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、用紙Sと対向している。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を搬送方向と交差する方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものである。タイミングベルト34は一対のプーリ33に掛け渡され、また、タイミングベルト34の一部はキャリッジに接続されている。キャリッジモータ32の回転軸に取り付けられているプーリ33の回転によって、タイミングベルト34が移動し、それに伴って、キャリッジ31とヘッド41がガイド軸35に添って移動方向に移動する。キャリッジ31(ヘッド41)の移動方向の位置は、キャリッジ31の背面側のリニア式エンコーダがリニアスケール52を読み取ることで制御する。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものであり、ヘッド41(1個)と、ヘッド41を駆動するためのヘッド駆動回路42とを有する。ヘッド41の下面には、インク吐出部であるノズルが複数設けられ、各ノズルには、インクが入ったインク室(不図示)と、インク室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子)が設けられている。
シリアル式のプリンタ1は、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙S上にドットを形成するドット形成処理と、用紙Sを搬送方向に搬送する搬送処理を交互に繰り返すことで、先のドット形成処理により形成されたドットの位置とは異なる位置にドットが形成され、画像が完成する。
===ヘッドの駆動について===
図3は、駆動信号生成回路70を示す図であり、図4は、駆動信号生成回路70とヘッド駆動回路42を示す図であり、ヘッド駆動回路42により、各ノズルに対応したピエゾ素子が動作することを示している。図5は、各信号のタイミングチャートである。
〈駆動信号生成回路について〉
図3に示すように、駆動信号生成回路70は、波形生成回路71と電流増幅回路72とを有し、あるノズル群(ピエゾ素子PZT)に対して共通に使用される駆動信号COMを生成する。まず、波形生成回路71が、DAC値(デジタル信号の波形情報)に基づいて、駆動信号COMの基となる電圧波形信号COM’(アナログ信号の波形情報)を生成する。そして、電流増幅回路72は、電圧波形信号COM’について、その電流を増幅し、駆動信号COMとして出力する。
電流増幅回路72は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作する上昇用トランジスタQ1(NPN型トランジスタ)と、駆動信号COMの電圧下降時に動作する下降用トランジスタQ2(PNP型トランジスタ)を有する。上昇用トランジスタQ1は、コレクタが電源に接続され、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に接続されている。下降用トランジスタQ2は、コレクタが接地(アース)に接続され、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に接続されている。
波形生成回路71からの電圧波形信号COM’によって、上昇用トランジスタQ1がON状態になると、駆動信号COMが上昇し、ピエゾ素子PZTの充電が行われる。一方、電圧波形信号COM’によって、下降用トランジスタQ2がON状態になると、駆動信号COMが下降し、ピエゾ素子PZTの放電が行われる。そうして、図5に示すような、繰り返し周期T内に第1駆動パルスW1と第2駆動パルスW2を有する駆動信号COMが生成される。
〈ヘッド駆動回路について〉
ヘッド駆動回路42は、180個の第1シフトレジスタ421と、180個の第2シフトレジスタ422と、ラッチ回路群423と、データセレクタ424と、180個のスイッチSWとを有する。このヘッド駆動回路42は180個のノズルから成るノズル群に対応し、図中のかっこ内の数字は、部材(又は信号)が対応するノズルの番号を示している。
まず、印刷信号PRTは、180個の第1シフトレジスタ421に入力され、その後、180個の第2シフトレジスタ422に入力される。その結果、シリアル伝送された印刷信号PRTは、180個の2ビットデータである印刷信号PRT(i)に変換される。この印刷信号PRT(i)は、ノズル#iに割り当てられている1画素のデータに対応した信号である。
そして、ラッチ信号LATの立ち上がりパルスがラッチ回路群423に入力されると、各シフトレジスタの360個のデータがラッチ回路群423にラッチされる。ラッチ信号LATの立ち上がりパルスがラッチ回路群423に入力されるとき、データセレクタ424にもラッチ信号LATの立ち上がりパルスが入力され、データセレクタ424は初期状態となる。
また、データセレクタ424は、ラッチ前(初期状態となる前)に、各ノズル#iに対応する2ビットの印刷信号PRT(i)をラッチ回路群423から選択し、各印刷信号PRT(i)に応じたスイッチ制御信号prt(i)を各スイッチSW(i)に出力する。
このスイッチ制御信号prt(i)により、ピエゾ素子PZT(i)に対応したスイッチSW(i)のオン・オフ制御が行われる。そして、スイッチのオン・オフ動作が、駆動信号生成回路70から伝送された駆動信号COMをピエゾ素子に印加もしくは遮断し(DRV(i))、ノズル#iからインクが吐出される、又は、吐出されない。
〈インクの吐出について〉
例えば、スイッチ制御信号prt(i)のレベルが「1」のとき、スイッチSW(i)はオンとなり、駆動信号COMが有する駆動パルス(W1,W2)をそのまま通過させ、駆動パルスがピエゾ素子PZT(i)に印加される。そして、駆動パルスがピエゾ素子PZT(i)に印加されると、その駆動パルスに応じてピエゾ素子PZT(i)が変形し、インク室の一部を区画する弾性膜(側壁)が変形し、インク室内の既定量のインクがノズル#iから吐出される。一方、スイッチ制御信号prt(i)のレベルが「0」のとき、スイッチSW(i)はオフとなり、駆動信号COMが有する駆動パルスを遮断する。
本実施形態では、1つの画素に対する印刷信号prt(i)は2ビットのデータであり、1つの画素は、「大ドットが形成される」「中ドットが形成される」「小ドットが形成される」「ドットが形成されない」の4階調で表現される。図5に示すように、スイッチ制御信号prt(i)が「11」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に第1駆動パルスW1と第2駆動パルスW2が印加される。そして、2つの駆動パルスがピエゾ素子PZT(i)に印加されることでノズル#iから大ドットに応じたインク量が吐出され、大ドットが形成される。同様に、スイッチ制御信号prt(i)が「10」の場合、中ドットが形成され、スイッチ制御信号prt(i)が「01」の場合、小ドットが形成される。また、スイッチ制御信号prt(i)が「00」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に駆動パルスが何も印加されないので、ピエゾ素子PZT(i)が変形せず、ドットは形成されない。
===トランジスタの発熱とファンの送風方向について===
図6は、駆動信号生成回路の基板43上のトランジスタQ1,Q2と接触するように取り付けられたヒートシンク44を示す図である。トランジスタを構成する半導体には接合部(不図示)というポイントが有り、トランジスタが駆動信号COMを生成するときに、接合部が発熱する。この発熱によって、トランジスタ自身の温度が高温になると、トランジスタが破壊してしまう虞がある。そこで、図示するように、一対のトランジスタに接触するようにヒートシンク44(放熱部材)を設ける。ヒートシンク44はトランジスタQ1,Q2が発熱した熱を外部へ放熱する。そのため、ヒートシンク44によりトランジスタQ1,Q2の温度上昇を防止することができる。
更に、本実施形態のヒートシンク44には、筒状の空洞46が設けられている。空洞46が設けられることで、ヒートシンク44の表面積が大きくなり、その分だけ空気中に放熱される熱量も増加する。また、空洞46の出入り口となるヒートシンク44の側面のうちの一方側にはファン45が設けられている。ファン45により空気をヒートシンク44の空洞46内に強制的に通過させ、ヒートシンク44の熱を空気に伝達し易くしている。その結果、ヒートシンク44とトランジスタの冷却効果が高まる。
図7は、比較例のファン45’の送風方向を示す図であり、図8は、本実施形態のファン45の送風方向を示す図である。ヒートシンク44・トランジスタが取り付けられた基板43やヘッド41等は、図示するように、プリンタ1の外枠1’(本体部)に囲われている。即ち、ヒートシンク44、トランジスタ、ヘッド41等は同じ筐体内に納められていると言える。そのため、駆動信号を生成することによってトランジスタが発熱すると、その熱はプリンタ1’内部にこもりやすい。プリンタ1の使用中は、プリンタ1’の内部温度t+Δtの方が、プリンタ1の外気温度t(例えば、10〜35℃)よりも高くなる。特に、トランジスタの周辺温度は外気温度tに比べて高い。
比較例のファン45’は(図7)、プリンタ1’内部の空気を外部へ排気している。そのため、プリンタ1’内部の比較的に高い温度t+Δtの空気がファン45’によってヒートシンク44の空洞46内部を通過する。一方、本実施形態のファン45は(図8)、プリンタ1’外部の空気を内部へ吸気している。そのため、プリンタ1’外部の比較的に低い温度tの空気がファン45によってヒートシンク44の空洞46内部を通過する。つまり、本実施形態の方が比較例に比べて、ヒートシンク44の温度が低い。即ち、本実施形態の方が比較例に比べて、ヒートシンク44の放熱率が高い。その結果、トランジスタの接合部温度も低下し、トランジスタがジャンクション温度まで過熱して破壊してしまうことを防止することができる。
また、比較例のように、プリンタ1’内部の空気をファン45’によりヒートシンクの空洞内に吸い込もうとすると(図7)、ヘッド41のノズルからインクが吐出される際に発生するインクミストが、ファン45’により吸い寄せられる空気と共にヒートシンク44側に流れてくる。その結果、ヒートシンク44が設けられた基板43上にインクミストが付着してしまう。基板43上にインクミストのような液体が付着すると、基板43上の電子部品が正常に作動しなくなり、プリンタ1の故障の原因となってしまう。また、プリンタ1’の外にインクミストが排出され、プリンタの機外が汚れてしまう。なお、インクミストとは、ノズルからインクが分離されるとき、または、用紙にインクが到達する前にインクの速度が遅くなってしまったときに、インクの一部がミスト化し、ヘッド41周辺を浮遊する極微小なインク滴である。
仮に、基板43の周辺に仕切り板を設けたとしても(不図示)、完全な密閉状態にすることは出来ない。そのため、仕切り板の隙間から、ファン45により吸い込まれる空気と共にインクミストも吸い込まれ、インクミストが基板43上に飛び散ってしまう。また、インクミストがファン45’の吸引力の影響を受けない程に、ヘッド41と基板43を離すことで、基板43上にインクミストが付着してしまうことが防止できたとしても、装置が大型化してしまう。
これに対して、本実施形態のファン45は、プリンタ1’外部の空気をプリンタ1内部へ吹き出している。そのため、ヘッド41周辺に浮遊するインクミストがヒートシンク44側に吸い寄せられる虞がない。逆に、インクミストがヒートシンク44に近付こうとしても、ファン45によるヒートシンク44の空洞46からの空気の吹き出しにより、インクミストをヒートシンク44、即ち、基板43から遠ざけることができる。そのため、基板43とヘッド41を仕切板で区切る必要がなく、装置の低コスト化、省スペース化ができる。
つまり、本実施形態のファン45のように、プリンタ1’外部の空気を吸入することで、トランジスタ及びヒートシンク44の冷却効果を高め、且つ、トランジスタ、ファン45、ヒートシンク44が取り付けられた基板43にインクミストが付着してしまうことを防止できる。また、比較例のファンのようにプリンタ1’内部から外部に空気を排出すると、排気口の周囲において、プリンタ1’の機外が局所的に汚れてしまう虞がある。しかし、本実施形態のようにファン45からプリンタ1’外部の空気を吸気し、吸気した空気がプリンタ1’と外部との何れかの連通口から適宜排気される場合には、プリンタ1’の機外が局所的に汚れてしまう虞がない。なお、ファン45が吸気した空気がスムーズに外部に排出されるように、ファン45の送風方向の下流側に空気の排気口を設けてもよい。なお、ファン45は、プリンタ1の電源が入っている間は常に送風してもよく、印刷中や印刷後の所定時間などの特定の時間だけ送風してもよい。
また、ファン45は図8に示すように、ヒートシンク44の側面のうちのプリンタ1の外部側の側面に設けて設けてもよいし、ヒートシンク44の側面のうちのプリンタ1の内部側の側面に設けて設けてもよい。但し、ヒートシンク44は、表面積を大きくするほど放熱効果を高めることができる。そのため、例えば、ヒートシンク44の空洞46内にヒダを設けても良い。このような場合には、本実施形態ではファン45がプリンタ1外部の空気を空洞46内に吸気するため、ファン45は、ヒートシンク44の側面のうちのプリンタ1の内部側よりも外部側の側面に配置する方が好ましい。その方が、吸い込み風量が大きくなるからである。
また、印刷が長時間続き、ヒートシンク44とファン45による放熱だけではトランジスタの発熱を抑えられず、トランジスタの接合部が所定温度(例:125℃)以上になり壊れてしまう場合が考えられる。そこで、高温によるトランジスタの破壊を回避すべく、基板43上に温度センサ53を設け(図6)、コントローラ10にトランジスタの周辺温度を管理させるとよい。そして、トランジスタの破壊を事前に防ぐために、閾値(許容温度)を設定し、閾値を超えたことを温度センサ53が検知した場合には、所定期間だけインク吐出のための駆動信号の生成を待機、または、印刷処理を停止する。そうすることで、トランジスタ温度に関係なく印刷を続行していたら、トランジスタが破壊してしまうところを、トランジスタの温度上昇が抑えられ、トランジスタの破壊を防止できる。なお、インク吐出のための駆動信号の生成を待機(停止)させている間は、インクを吐出させない程度にメニスカスを微振動させる駆動信号を生成させて、ノズルの増粘を防止してもよい。
このように、トランジスタの周辺温度が閾値を越えたときに、インク吐出のための駆動信号の生成を待機(停止)させることで、確実にトランジスタの破壊を防止することができる。但し、インク吐出のための駆動信号の生成を待機させることで、待機させた分だけ、印刷処理時間が長くなってしまう。そこで、本実施形態のように、ファン45によりプリンタ1’外部からの空気を吸入し、ヒートシンク44やトランジスタの冷却効果を高めることで、トランジスタの周辺温度が閾値に到達する回数を減らすことができる。その結果、インク吐出のための駆動信号の生成を待機させる期間が短くなり、印刷処理時間を短縮することができる。
===ヘッドと基板の配置例1===
前述の図8に示すように、ヒートシンク44に取り付けられたファン45が、プリンタ1’外部の空気を吸入することで、ヒートシンク44およびトランジスタの冷却効果を高めることができる。しかし、ファン45の送風方向をプリンタ1外部から内部にすることで、トランジスタの発熱により加熱された風がプリンタ1’内部に流れることになる。その結果、ヘッド41が位置するプリンタ1’内部側に加熱された風が流れ、ヘッド温度が高くってしまう。ヘッド温度が高くなり過ぎると、インクの吐出不良が発生したり、ヘッド41自身が故障したりしてしまう。
図9は、ヘッド41と基板43の配置例1の概略図である。配置例1では、トランジスタ(不図示)とヒートシンク44とファン45が取り付けられた基板43をヘッド41よりも上方に配置する。本実施形態のファン45が吸い込んだ空気は、ヒートシンク44の空洞46内を通過し、プリンタ1’内部(液体吐出装置内に相当)へ吹き出される。本実施形態のヒートシンク44とファン45によれば(図6)、ファン45により吸い込まれた空気の吹き出し口(配置例1では空洞46の左側側面)とファンの高さ方向の位置は等しい。ゆえに、ファン45に吸い込まれた空気の吹き出し口はヘッド41よりも上方に位置する。
仮に、ヘッド41とファン45の吹き出し口の高さが同じであるとすると、ファン45からの加熱された空気(t+Δt)が直接ヘッド41に吹き付けられ、ヘッド温度が上昇しやすい。また、加熱された空気(暖かい空気)は上方に流れ易いため、ヘッド41よりも下方にファン45の吹き出し口を設けると、ファン45からの加熱された空気が上方に流れる際に、加熱された空気がヘッド41に吹きつけられてしまう。その結果、ヘッド温度が上昇しやすくなってしまう。
そこで、配置例1のように、ヘッド41よりも上方にファン45の吹き出し口を設けることが好ましい。それにより、ファン45からの加熱された空気が直接ヘッド41に吹き付けられてしまうことを防止できる。また、加熱された空気は上方に流れ易いため、ファン45よりも下方に位置するヘッド41は、加熱された空気と遠ざかることができ、ヘッド41は加熱された空気の影響を受け難くなる。つまり、ファン45から吸い込まれた空気がプリンタ1’内部に吹き出す位置を、ヘッド41の位置よりも上方にすることで、ヘッド41の温度上昇を抑え、吐出不良やヘッド41の故障を防止することができる。
===ヘッドと基板の配置例2===
図10は、ヘッド41と基板43の配置例2の概略図である。配置例2では、配置例1と同様に、ファン45から吸い込まれた空気がプリンタ1’内部に吹き出す位置をヘッド41よりも上方に設けている。更に、配置例2では、トランジスタとヒートシンク44とファン45とが取り付けられた基板43をフラッシング部80の真上に配置している。真上に配置するとは、即ち、基板43とフラッシング部80のキャリッジの移動方向における位置が等しい。
フラッシング部80においてフラッシングが行われる。フラッシングとは、ノズル付近のインクの増粘によりノズルが目詰まりしたり、ノズル内に気泡が混入したりして、適正な量のインクが吐出されなくなってしまうことを防止するために、ノズルを回復する処理(クリーニング処理)である。具体的には、印刷する画像とは関係の無い駆動信号を駆動素子に印加し、強制的にインクを吐出させる動作である。フラッシング時には、印刷とは関係の無いインクが吐出されるため、キャップ状のフラッシング部80に向けてインクが吐出される。
通常の印刷時には画像データに基づいて選択されたノズルからインクが吐出されるのに対して、フラッシング時には、多くのノズル(全てのノズル又は吐出不良であるノズル)から多量の液体が吐出される。そのため、フラッシング時に最もインクミストが発生し易いといえる。
そこで、この配置例2のように、フラッシングが行われるフラッシング部80の真上に基板43を設ける。そうすることで、基板43に取り付けられたファン45からの風の吹き出し口(配置例2では空洞46の左側側面)をフラッシング部80よりも上方に配置できる。ファン45が吸気した風はプリンタ1内部に向けてフラッシング部80よりも上方に吹き出されるため、フラッシング部80にて発生したインクミストがファン45から吹き出される風に巻き込まれない。その結果、フラッシング時に印刷時よりも多く発生するインクミストはフラッシング部80周辺に浮遊する。もし、インクミストがファン45から吹き出される風に巻き込まれてしまったら、プリンタ1内部全体にインクミストが飛散し、搬送ローラ23やプラテン24、用紙などを汚してしまう。
また、基板43をフラッシング部80の真上に配置することで、図10に示すように、基板43を載置する台83がフラッシング部80の真上に位置することになる。そうすることで、フラッシング時にインクミストが舞い上がったとしても、インクミストが基板43用の台83の下面に付着し、基板43に付着することは防止される。
つまり、基板43用の台83をフラッシング部80の真上に設け、ファン45からの風の吹き出し口をフラッシング部80よりも上方にすることで、インクミストの飛散を防止でき、基板43上にインクが付着することを防止できる。
以上をまとめると、配置例2では、ファン45からの風の吹き出し口をフラッシング部80よりも上方に配置することで、インクミストがプリンタ1内部に飛散してしまうことを防止できる。
===ヘッドと基板の配置例3===
図11は、配置例3におけるプリンタ1の斜視図であり、図12Aは、配置例3におけるプリンタ1の上面図であり、図12Bは、配置例3におけるプリンタ1の断面図である。配置例3では、配置例2と同様に、ヒートシンク44とファン45とトランジスタが設けられた基板43が、ヘッド41の上方に位置し、フラッシング部80の上方に位置する。配置例3では、更に、図12Aに示すように、ファン45はヘッド41の用紙搬送方向の下流側に位置している。このため、ファン45からの加熱された空気がヘッド41に吹き付けられることが防止され、基板43上にインクミストが付着することも防止される。
配置例3では、更に、図12Bに示すように、基板43の周囲を覆う仕切り板82を設ける。基板43(トランジスタ、ヒートシンク44、ファン45)は、プリンタの外枠1’のうちの右側側面と、その右側側面と対向する仕切り板82と、プリンタの外枠1’のうちの上面と、その上面と対向し、基板43を載置する仕切り板82とに囲われている。そのため、配置例3のようなプリンタ1では、仕切り板によって、プリンタ1内部を基板が位置する「基板領域」とヘッド41が位置する「ヘッド領域」とに分けることができる。
このように、基板43とヘッド41との間に仕切り板82が設けられることで、ヘッド41からインクが吐出されることにより発生するインクミストが、より基板43に付着し難くなる。また、仕切り板82によってヒートシンク44やトランジスタの輻射熱を遮ることができるため、よりヘッド温度の上昇を防止できる。但し、ファン45がプリンタ1外部から吸気した風を、仕切り板82にて囲われた基板領域から逃がす(排気する)必要がある。そのため、ファン45からの風の吹き出し口と対向する仕切り板82、即ち、プリンタの外枠1’の右側側面と対向する仕切り板82にスリット81(隙間に相当)を設けている。
前述のように、ヒートシンク44の冷却効果を高めるために、ファン45によりプリンタ1外部の空気を吸気すると、ヒートシンク44により加熱された風が、ヘッド41が位置するプリンタ1内部に流れ、ヘッド41が温度上昇するという課題が発生する。そこで、配置例1や配置例2では、ファン45からの風の吹き出し口がヘッド41よりも上方となるように、ヘッド41や基板43を配置している。この配置例3では、更に、ファン45からの風の吹き出し口とヘッド41の用紙の搬送方向の位置をずらしている。
具体的には、ヒートシンク44(ファン45)とヘッド41(キャリッジ31)の搬送方向の位置をずらす。図12Aでは、ヒートシンク44がヘッド41よりも搬送方向の下流側に位置する。そして、ファン45がプリンタ1’外部から吸気した空気が、ヒートシンク44と、ファン45の吹き出し口に対向する仕切り板82に設けられたスリット81とを通過することで、ヒートシンク44により加熱された空気がファン45の送風方向と同じ移動方向に沿って整流される。即ち、ファン45からの風はスリット81を通過することで搬送方向に広がることなく搬送方向の下流側を流れる。
このように、配置例3では、ファン45の吹き出し口とヘッド41の搬送方向の位置をずらし、また、ヒートシンク44により加熱された空気をスリット81に通過させることで、加熱された空気を搬送方向に広がらせることなく移動方向に沿って流す。そうすると、加熱された空気がヘッド41に直接吹き付けられることがなくなり、ヘッド41のノズル面から吐出されるインク滴が飛行曲がりすることなく、ヘッド41の温度上昇も防止される。加熱された空気は搬送方向の下流側の上方に流れるため、搬送方向の上流側の下方に位置するヘッド41には加熱された空気の影響がおよび難い。このことからも、ヘッド41の温度上昇が防止されることがいえる。また、ヘッド41とファン45の搬送方向の位置がずれており、ファン45から吹き出される風が搬送方向に広がることなく移動方向に沿って流れるため、ヘッド41周辺に発生するインクミストが、ファン45からの風に巻き込まれ難く、インミストをプリンタ1内部に飛散させてしまうことを防止できる。
また、仕切り板82に設けたスリット81により、ファン45からの風を整流し、プリンタ1内部に吹き出す風の方向を移動方向に沿わせることで、プリンタ1内に浮遊するインクミストも、ファン45からの風の流れにより、移動方向に沿って流れ易くなる。そうすると、ヘッド41の移動方向に沿って設けられたリニアスケール52にインクミストが付着し難くなる。リニアスケール52が汚れ難いということで、キャリッジ31の移動方向における位置制御を正確に行うことができる。
仮に、ファン45と対向する仕切り板82にスリット81を設けなかったとしたら、ファン45が吸気した風は、ヒートシンク44内の空洞46を通り抜け、ファン45と対向する仕切り板82にぶつかった後に、仕切り板82に囲われた基板領域の何れかの隙間からヘッド領域に流れ出ることになる。そうすると、ファン45からの風は、移動方向に沿うことなく、乱れた状態でプリンタ1内部に流れる。このような場合、ファン45からの風がインクミストと共に搬送方向に沿って流れ、リニアスケール52を汚してしまったり、ヘッド41の方向に加熱された空気が流れてしまったりする虞がある。
なお、仕切り板82やスリット81を設けず、ファンの位置(向き)を調整するだけでも(図12Aのようにファン45を配置するだけでも)、加熱された空気を移動方向に沿って流すことができる。その結果、ファン45からの加熱された空気がヘッド41に吹き付けられることが防止され、基板43上にインクミストが付着することも防止される。
以上をまとめると、配置例3では、基板43の周囲に仕切り板82を設けることで、基板43上にインクミストを付着し難くし、トランジスタやヒートシンク44の熱をヘッド41に伝え難くする。また、ファン45の吹き出し口とヘッド41の位置を、ファン45からの風がプリンタ1内部に吹き出す方向である移動方向と交差する方向である搬送方向の位置にずらし、ファン45と対向する仕切り板82にスリット81を設け、ファン45が吸気した風が移動方向に沿ってプリンタ1内部に排気されるようにすることで、ヘッド41の温度上昇を防止し、リニアスケール52の汚れを防止することができる。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、駆動信号生成部の冷却方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
〈配置例について〉
前述の実施形態では、ヘッド41と基板43との配置例として、配置例1や配置例2を挙げているが、これに限らない。例えば、ヘッド41と基板43が図8のように配置されていても良く、ファン45がプリンタ1外部からの空気を吸気することで、ヒートシンク(トランジスタ)の冷却効果を高めることができる。
〈ファン45について〉
実施例3では、仕切り板82にスリット81を設けることで、ファン45からの風がプリンタ1内部に吹き出す方向が、ヘッド41の移動方向に沿うようにしているがこれに限らない。例えば、ファンの向きを調整するだけでも、ファン45からの風がプリンタ1内部に吹き出す方向とヘッド41の移動方向を等しくすることができる。そうすることで、ヘッド41周辺のインクミストが搬送方向に広がることなく、移動方向に沿って非印刷領域の方へ流れ、リニアスケール52やヘッド41周辺の部材にインクミストが付着してしまうことを低減できる。また、前述の実施形態のようなシリアル式のプリンタの場合、ヘッド41が移動方向に沿って移動するため、ヘッド41周辺には、移動方向に沿った空間が、ヘッド41の移動方向の用紙幅に亘って空いている。そのため、シリアル式のプリンタでは、ファン45からの風がプリンタの部材に衝突して、移動方向に沿った流れが乱れたり、風量が弱まったりすることなく、効率よく流れるため、ヘッド周辺の部材のインクミストの付着をより低減できる。その結果、媒体(用紙)の汚れも防止できる。
言い換えれば、トランジスタを冷却するためのファン45は、ファン45からの風をプリンタ1内にヘッド41の移動方向に沿って流すことで、リニアスケール等のヘッド周辺の部材にインクミストが付着することを防止する役目も果たすといえる。つまり、本実施形態では、トランジスタの冷却用ファンと、インクミスト付着防止のファンとを兼用するため、2つのファンを別に設けるプリンタに比べて、プリンタ1内のスペースの削減、低コスト化、制御の簡略化、消費電力の削減ができる。なお、インクミスト付着防止の効果を高めるためには、前述の配置例のように、ファン45が外部から吸入した風をプリンタ内部に吹かせる際に、ヘッド41の上方に吹かせることは必須ではなく、ファン45からの風をヘッド41の真横やヘッド41の下方に吹かせてもよい。また、空気の送風通路の少なくとも一部にヘッド41等の部材が位置しないことが好ましい。
また、ヘッド41の移動方向と交差する方向(用紙の搬送方向)にヘッド41と隣接する位置が、空気の送風通路となることが好ましい。こうすることで、効率よくインクミストの除去ができる。空気の送風通路は、用紙の搬送方向の上流側または下流側にずれてヘッド41と隣接する位置でもよく、また、搬送方向にヘッド41と隣接する位置であれば、ヘッド41よりも上方でも下方でもよい。
このように、トランジスタの冷却用ファンと、インクミスト付着防止のファンを兼用する場合、前述の配置例3(図12)のように、ファン45の吹き出し口がヘッド41の上方に位置し、ファン45とヘッド41が搬送方向にずれる配置例に限られない。例えば、ファン45とヘッド41の高さ方向をずらすが(ファン45がヘッド41よりも上方または下方に位置するが)、ファン45とヘッド41の搬送方向の位置が同じであったり、ファン45とヘッド41の搬送方向の位置はずらすが(ファン45がヘッド41の上流側または下流側に位置するが)、ファン45とヘッド41の高さを同じにしたりしてもよい。そうすることで、ファン45からの加熱された空気がヘッド41に直接吹き付けられることなく、ヘッド41の吐出不良を防止でき、且つ、ヘッド41周辺のインクミストは移動方向に沿って流れ易くなり、ヘッド周辺の部材にインクミストが付着し難くなる。但し、ヘッド41の温度上昇の点を考慮すると、少なくとも、ファン45の吹き出し口はヘッド41よりも上方に位置することが好ましい。
また、前述の配置例3では、トランジスタにより加熱された空気がヘッド41に直接吹き付けられないように、ヘッド41とファン45の位置を用紙の搬送方向にずらしている。但し、トランジスタが過度に発熱しないときには、プリンタ外部の比較的に低い温度の空気がトランジスタによりあまり加熱されずに、プリンタ内部の空気温度よりも低い温度にて、プリンタ内部に吹き付けられる場合も考えられる。このような場合には、プリンタ内部の暖かい空気がプリンタ外部からの冷えた空気に押し出され、ヘッドやプリンタ内部も冷却される。つまり、トランジスタが過度に発熱していない場合には、ファン45がプリンタ外部の空気を吸気することでプリンタ内部の空気が入れ替えられ、トランジスタの冷却効果だけでなく、ヘッド41などのプリンタ内部の冷却効果も高まるといえる。この場合には、ファン45からの風をヘッド41の移動方向に沿って部材に衝突しないように効率良く流すことで、ファン45からの風量が弱まることなく流れ、冷却効果がより高まる。
〈ラインヘッドプリンタについて〉
前述の実施形態では、画像形成動作と搬送動作とが交互に行われるシリアル式のプリンタ1を例に挙げているがこれに限らない。例えば、搬送方向と交差する紙幅方向に(移動方向に対応・所定方向に相当)紙幅長さに亘って複数のノズルが並んだノズル列を有するラインヘッドプリンタでもよい。このとき、ファン45からの風がプリンタ内部に吹き出す方向と紙幅方向とを一致させることで、ラインヘッドの周辺に浮遊するインクミストを紙幅長さの全域に亘って非印刷領域に移動させることができるため、ヘッド周辺の部材のインクミストの付着をより防止できる。もし、ファンからの風がプリンタ内部に吹き出す方向を搬送方向と一致させると、紙幅方向に長いラインヘッドの一部の周辺にのみしかファン45からの風が流れないため、ラインヘッドの一部の周辺のインクミストのみしか非印刷領域へ移動されない。つまり、トランジスタの冷却のためのファン45を利用して、ラインヘッド周辺のインクミストの付着を紙幅方向の全域に亘って防止するためには、ファン45からの風がプリンタ内部に吹き出す方向を紙幅方向にすることが好ましい。
〈ヒートシンクについて〉
前述の実施形態では、ヒートシンクにファンを設けているが、これに限らない。例えば、ヒートシンクがなくとも、トランジスタ周辺にファンを設け、液体吐出装置の外部から内部に吸気することで、比較的に低い温度の空気が、トランジスタ周辺を流れ、トランジスタの熱を奪い、トランジスタの冷却効果を高めることができる。
また、前述の実施形態では、ヒートシンクに筒状の空洞が設けられ、空洞内の空気をファンにより通過させているが、ヒートシンクの形状はこれに限らない。
〈液体吐出装置について〉
前述の実施形態では、液体吐出方法を実施する液体吐出装置(一部)としてインクジェットプリンタを例示していたが、これに限らない。液体吐出装置であれば、プリンタ(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置、回路基板製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。
また、液体の吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を吐出させるサーマル方式でもよい。
本実施形態のプリンタの全体構成ブロック図である。 図2Aはプリンタの斜視図であり、図2Bはプリンタの断面図である。 駆動信号生成回路を示す図である。 駆動信号生成回路とヘッド駆動回路を示す図である。 各信号のタイミングチャートである。 基板上のトランジスタとヒートシンクを示す図である。 比較例のファンの送風方向を示す図であり、 本実施形態のファンの送風方向を示す図である。 ヘッドと基板の配置例1の概略図である。 ヘッドと基板の配置例2の概略図である。 配置例3におけるプリンタの斜視図であり、 図12Aは配置例3のプリンタの上面図であり、図12Bは配置例3のプリンタの断面図である。
符号の説明
1 プリンタ、10 コントローラ、11 インターフェース部、12 CPU、
13 メモリ、14 ユニット制御回路、20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、
22 搬送モータ、23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
33 プーリ、34 タイミングベルト、35 ガイド軸、40 ヘッドユニット、
41 ヘッド、42 ヘッド駆動回路、421 第1シフトレジスタ、
422 第2シフトレジスタ、423 ラッチ回路群、424 データセレクタ、
43 基板、44 ヒートシンク、45 ファン、46 空洞、50 検出器群、
51 紙検出センサ、52 リニアスケール、53 温度センサ、
60 コンピュータ、70 駆動信号生成回路、71 波形生成回路、
72 電流増幅回路、80 フラッシング部、81 スリット、
82 仕切り板、83 台

Claims (8)

  1. 駆動信号により液体を吐出するヘッドと、
    前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動信号を生成することにより発熱した前記駆動信号生成部を冷却するためのファンと、
    を備える液体吐出装置であって、
    前記ファンは前記液体吐出装置の外部から空気を吸入する、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す吹き出し口が、前記ヘッドよりも上方に位置する液体吐出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す方向と交差する方向に、前記吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す吹き出し口と前記ヘッドとがずれて位置する液体吐出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドが所定方向に移動しながら、前記ヘッドから媒体に液体が吐出され、
    前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す方向は、前記所定方向と等しい、
    液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記吹き出す方向に沿って取り付けられているリニアスケールに基づいて前記ヘッドの位置が検出される、
    液体吐出装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドは所定方向に複数のノズルが並んだノズル列を有し、
    前記ノズルから前記所定方向と交差する方向に搬送される媒体に液体が吐出され、
    前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す方向は、前記所定方向と等しい、
    液体吐出装置。
  7. 請求項3から請求項6のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ファンと前記ヘッドとの間に仕切り板を有し、
    前記仕切り板には、前記吸入した空気が前記吹き出す方向に流れるための隙間が設けられている、
    液体吐出装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ファンが前記外部から吸入した空気を前記液体吐出装置内に吹き出す吹き出し口が、前記ヘッドのフラッシングを行うフラッシング部よりも上方に位置する液体吐出装置。
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