JP2009202174A - 均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法 - Google Patents

均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法 Download PDF

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【課題】ランナウトテーブル7上を搬送される熱延鋼帯1の安定走行と板幅方向に均一な冷却の双方を同時に達成できる熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法を提供すること。
【解決手段】ランナウトテーブル7上を搬送される熱延鋼帯1を下面から冷却する装置であって、テーブルロール6間に板幅方向に配置される複数の冷却ノズル5と、テーブルロール間に配置される、ノズル孔3とノズル孔3の中間部位に水抜き穴4を形成したエプロン2を備える均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置、ならびに、ランナウトテーブル7上を搬送される熱延鋼帯1を下面から冷却する方法であって、テーブルロール6間に板幅方向に配置される複数の冷却ノズル5から冷却水を噴射し、熱延鋼帯1の下面に衝突してエプロン2に向かって降下した冷却水をノズル孔3とノズル孔3の中間部位に形成した水抜き穴4から排出する均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、ランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯を下面から冷却する装置および方法に関し、特に均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法に関する。ここで、ランナウトテーブルとは、熱間仕上圧延機の出側に配置される熱延鋼帯の搬送装置であり、複数のテーブルロールからなるものを言う。
連続熱間圧延ラインにおいては、加熱炉でスラブを所定温度に加熱して、当該加熱されたスラブを粗圧延機で所定厚みに圧延して粗バーとし、当該粗バーを複数基のスタンドからなる熱間仕上圧延機で仕上圧延して所定の厚みの鋼帯とするが、熱間仕上圧延機出側での板温度を確保するためには熱間仕上圧延機でのロール抜熱を小さくする必要があるため、仕上圧延速度を高くする必要がある。特に近年においては熱延鋼帯の薄手化の要求が高まっているところであるが、薄手サイズの薄鋼板は表面積が大きく温度低下を生じやすいので、仕上圧延速度をより高くしなければならない。
したがって、熱間仕上圧延機の出側に配置されるランナウトテーブル上において、熱延鋼帯(以下、鋼帯と表記する。)を高速搬送させる必要性が益々高まっている。
しかしながら、鋼帯を高速搬送させると、高速搬送で生じる前方からの空気反力によって鋼帯の先端部分が浮上するフライングと呼ばれる現象、あるいは、テーブルローラ間に落ち込んだ鋼帯が高速搬送で生じる遠心力に起因して大きく撓み、テーブルロールを乗り越えた際に大きく浮上するウェービングと呼ばれる現象が生じ易く、これらの現象は鋼帯の安定搬送やランナウトテーブルの出側に配置される巻取機での巻取り作業に支障を来すので、搬送速度が規制されるという問題があった。
この対応として上記現象が明確になった時期以降の連続熱間圧延ラインにおいては、ディスク状のテーブルロールを千鳥状に配置してロールピッチを短縮することで対応したが、当該ロールピッチを短縮する改善策は大規模な改造を伴い、旧来の連続熱間圧延ラインに適用するには少なくない改造コストを要するため、代案としてテーブルロール間に鋼帯の落ち込みを防止するエプロンを設置することで鋼帯の安定走行を確保してきた。
一方、連続熱間圧延ラインにおいては、例えば、テーブルロール間に板幅方向に配置された複数の冷却ノズルから冷却水を噴射する等して、ランナウトテーブル上を搬送される鋼帯を所定の温度まで冷却するが、冷却むらが生じると特性が劣化するため、鋼帯を均一に冷却する必要がある。
しかしながら、上記のフライングやウェービング現象を回避すべくテーブルロール間にエプロンを設置した場合には、板幅方向に冷却偏差が生じる新たな問題が生じた。
この問題に対応すべく、特許文献1では周方向に溝をつけたテーブルロールにエプロンの端部を収めることを提案している。しかし、冷却ノズルのピッチに対してエプロン幅が狭くなるため、鋼帯とエプロンが接触する際の面圧が過大となり、鋼帯のすり疵やエプロン破壊の要因となった。
また、特許文献2では、通板性を向上するためにエプロンの上面高さをテーブルパスラインより10〜30mmとし、エプロンガイドのガイド孔の直径をノズルの噴射孔の3〜10倍に設定することで、冷却ノズルから噴出した冷却水の排出を円滑にする技術を提案している。しかし、10〜30mmも空間があると殆どフライングやウェービングの抑制効果はない。また、噴出ノズルの孔を拡げても衝突後の跳ね返りの冷却水は180度方向を変えるように反射するのではなく、90度方向を変えて板表面を伝って流れるため、エプロンと鋼帯とで囲まれた空間に冷却水が滞留し、これによりノズルから噴出される冷却水の勢いも下げるため冷却能力が低下する。したがって、全幅にエプロンを設置した場合には滞留した冷却水は板端部からしか排出できないため、板幅方向に流速を持つ2次流れが生じて、結果として板幅方向に冷却偏差が発生した。
特開2000−5807号公報 特開2002−239623号公報
本発明の解決すべき課題は、ランナウトテーブル上を搬送される鋼帯の安定走行と板幅方向に均一な冷却の双方を同時に達成できる熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法を提供することである。すなわち、均一冷却性と通板安定性に優れる鋼帯の冷却装置および冷却方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく様々な実験的検討および理論的検討を重ねた結果、テーブルロール間に配置されるエプロンのノズル孔とノズル孔の中間部位に水抜き穴を形成し、鋼帯の下面に衝突してエプロンに向かって降下した冷却水を当該水抜き穴から排出することによって、鋼帯の安定走行を確保しながら板幅方向に均一に冷却することができるという技術的知見を得た。
上記の知見に基づき、本発明者は、ランナウトテーブル上を搬送される鋼帯の安定走行と板幅方向に均一な冷却の双方を同時に達成できる熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法に想到した。その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)ランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯を下面から冷却する装置であって、テーブルロール間に板幅方向に配置される複数の冷却ノズルと、テーブルロール間に配置される、ノズル孔とノズル孔の中間部位に水抜き穴を形成したエプロンを備えることを特徴とする均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
(2)エプロンの上面から熱延鋼帯の下面までの距離が10mm以下となるようにエプロンを配置したことを特徴とする前記(1)に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
(3)エプロンの熱延鋼帯側の表層部分を炭素系素材で形成したことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
(4)エプロンの幅を150〜550mmとしたことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
(5)板幅方向に配置される複数の冷却ノズルの内径および水頭圧が同一であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
(6)ランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯を下面から冷却する方法であって、テーブルロール間に板幅方向に配置される複数の冷却ノズルから冷却水を噴射し、熱延鋼帯の下面に衝突してエプロンに向かって降下した冷却水をノズル孔とノズル孔の中間部位に形成した水抜き穴から排出することを特徴とする均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
(7)エプロンの上面から熱延鋼帯の下面までの距離が10mm以下となるようにエプロンを配置したことを特徴とする前記(6)に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
(8)エプロンの熱延鋼帯側の表層部分を炭素系素材で形成したことを特徴とする前記(6)または(7)に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
(9)エプロンの幅を150〜550mmとしたことを特徴とする前記(6)〜(8)のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
(10)エプロンが熱延鋼帯より狭幅であっても、板幅方向に配置される複数の冷却ノズルの内径および水頭圧を同一とすることを特徴とする前記(6)〜(9)のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
(A)本発明に係る冷却装置が備えるエプロンには板幅方向に複数のノズル孔が、そしてノズル孔とノズル孔の中間部位には水抜き穴が形成されている。ノズル孔とノズル孔の中間部位というのは、隣り合う冷却ノズルから噴出された冷却水が、互いに鋼帯の下面を放射状に拡がることによって衝突してエプロンに向かって降下してくる部位である。したがって、本発明に係る冷却装置においては、鋼帯の下面に衝突してエプロンに向かって降下してくる冷却水は速やかに水抜き穴から排出される。これにより、エプロンを全幅設置しない場合であっても、エプロンがある板センター部で過冷却になることはなく、板幅方向に冷却偏差を生じることはない。また、エプロンに向かって降下してくる冷却水は速やかにエプロンから排出されるので、エプロンと鋼帯とで囲まれた空間に冷却水が滞留することもなく、過冷却の問題も生じ得ない。すなわち、本発明に係る冷却装置によれば、鋼帯の安定走行を確保しながら板幅方向に均一に冷却することができる。
同様に、本発明に係る冷却方法は、鋼帯の下面に衝突してエプロンに向かって降下してくる冷却水をノズル孔とノズル孔の中間部位に形成した水抜き穴から排出するので、エプロンを全幅設置しない場合であっても、エプロンがある板センター部で過冷却になることはなく、板幅方向に冷却偏差を生じることはない。また、エプロンに降下してくる冷却水を速やかにエプロンから排出するので、エプロンと鋼帯とで囲まれた空間に冷却水が滞留することもなく、過冷却の問題も生じ得ない。すなわち、本発明に係る冷却方法によれば、鋼帯の安定走行を確保しながら板幅方向に均一に冷却することができる。
(B)エプロンの上面から鋼帯の下面までの距離が10mm以下となるようにエプロンを配置した本発明に係る冷却装置および冷却方法によれば、更に安定した鋼帯の走行を確保することができる。
(C)エプロンの鋼帯側の表層部分を炭素系素材で形成した本発明に係る冷却装置および冷却方法によれば、鋼帯がエプロンに接触したとしても鋼帯にすり疵が生じることはない。
(D)エプロンの幅を150〜550mmとした本発明に係る冷却装置および冷却方法によれば、更なる鋼帯の均一冷却性を確保することができる。
(E)板幅方向に配置される複数の冷却ノズルの内径および水頭圧が同一を同一とした本発明に係る冷却装置および冷却方法によれば、更に確実な均一冷却性を確保することができる。また、板幅方向に複数配置される冷却ノズルの内径および水頭圧の各々を搬送される鋼帯の板幅に応じて調整する必要がなく、極めて容易に均一冷却性を確保することができる。
以下、図1〜3を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は従来技術に係るランナウトテーブル7上を搬送される熱延鋼帯1(以下、鋼帯と表記する。)を下面から冷却する装置の平面図である。すなわち、鋼帯の上面側から見た図である。
テーブルロール6間には、複数のノズル孔3が形成された、ロール胴長と幅が等しいエプロン2が配置され、同じくテーブルロール間には複数の冷却ノズル5が板幅方向に配置され、当該冷却ノズル5から鋼帯1の下面に向かって冷却水を噴射することにより鋼帯が冷却される。なお、ノズル孔3のピッチと冷却ノズル5のピッチを同一にすることは言うまでもない。
図2は冷却ノズル5から噴出された冷却水の挙動を示す断面図であって鋼帯1の通板方向から見た図である。そして、(a)はエプロンを配置しないとき、(b)は従来技術に係るノズル孔3のみが形成されたエプロン4を配置したとき、(c)は本発明に係るノズル孔3とノズル孔3の中間部位に水抜き穴4を形成したエプロン4を配置したときの図である。
テーブルロール6間にエプロン4を配置しないときは、図2(a)に示すように、冷却ノズル5から噴出された冷却水は、鋼帯1の下面に衝突して鋼帯を伝わって放射状に拡がる。そして、放射状に拡がった冷却水は、冷却ノズル5と冷却ノズル5の中間点で衝突して方向を変え、下方に速度を持って落下する。したがって、テーブルロール間にエプロンを配置しないときは、板幅方向に配置された複数の冷却ノズル5の冷却能が同一であるならば、板幅方向に冷却偏差を生じることなく、鋼帯を均一に冷却することができる。
一方、従来技術に係るノズル孔3のみが形成されたエプロン2を配置したときは、図2(b)に示すように、冷却ノズル5から噴出された冷却水は、鋼帯1の下面に衝突して鋼帯を伝わって放射状に拡がる。そして、放射状に拡がった冷却水は、冷却ノズル5と冷却ノズル5の中間点で衝突し、下方のエプロン2に向かって速度を持って降下する。そして、当該エプロン2に降下した冷却水はエプロンの表面を伝って拡散するので、エプロン2と鋼帯1とで囲まれた空間に冷却水が滞留しながらも攪拌される。
また、エプロン2に向かって降下した冷却水の排水が不十分である場合にも、冷却水はエプロン2と鋼帯1とで囲まれた空間に滞留しながらも攪拌される。その結果、冷却水が鋼帯1を面冷却することとなるので、エプロンを全幅設置しない場合には、エプロンがある板センター部では過冷却となる。一方、エプロンがない板エッジ部では本来の冷却能のみが発揮されることとなるので、板幅方向に冷却偏差を生じることとなる。なお、板幅方向に配置された複数の冷却ノズル5の冷却能をすべて同一、エプロンを全幅設置せず鋼帯の板センター部に設置する条件においてシミュレートした結果、エプロンがある板センター部では464W/mK、エプロンがない板エッジ部では301W/mKとなり、約1.5倍の能力差が生じることが確認された。
本発明者は、このような実験的検討および理論的検討を重ねた結果、テーブルロール間にエプロン2を配置したときに板幅方向に冷却偏差を生じる要因はエプロンに向かって降下した冷却水なのであり、エプロン2のノズル孔3とノズル孔3の中間部位に水抜き穴4を形成し、鋼帯1の下面に衝突してエプロン2に向かって降下した冷却水を当該水抜き穴4から排出することによって、鋼帯1の安定走行を確保しながら板幅方向に均一に冷却することができるという技術的知見を得たのである。なお、ノズル孔とノズル孔の中間部位に水抜き穴を形成した場合について前記シミュレートを実施した結果、エプロンがある板センター部では334W/mK、エプロンがない板エッジ部では301W/mKという結果となり、当該結果からも本発明者が得た技術的知見の有意性を確認することができる。
図3は本発明に係る冷却装置に使用するエプロン2の模式図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。当該図に示すように本発明に係るエプロン2にはノズル孔3が形成されるとともに、ノズル孔3とノズル孔3の中間部位に水抜き穴4が形成される。なお、本発明に係るエプロン2においても、ノズル孔3のピッチと冷却ノズル5のピッチを同一にすることは言うまでもない。
テーブルロール間に本発明に係るエプロン2を配置したときは、図2(c)に示すように、冷却ノズル5から噴出された冷却水は、鋼帯1の下面に衝突して鋼帯を伝わって放射状に拡がる。そして、放射状に拡がった冷却水は、冷却ノズル5と冷却ノズル5の中間点で衝突し、下方のエプロン2に向かって速度を持って降下する。しかし、従来技術に係るエプロンと異なり、本発明に係るエプロン2においては、ノズル孔3とノズル孔3の中間部位、すなわち、冷却水が降下してくる部位に水抜き穴4を形成しているので、エプロン2に向かって降下した冷却水は速やかにエプロンから排出されることとなる。したがって、エプロンを全幅設置しない場合であっても、エプロンがある板センター部で冷却能が低下したり過冷却になったりすることはなく、板幅方向に冷却偏差を生じることはない。また、エプロンに降下した冷却水は速やかにエプロンから排出されるので、エプロン2と鋼帯1とで囲まれた空間に冷却水が滞留することもないので、過冷却の問題も生じ得ない。
エプロン2の配置については、より安定した鋼帯の走行を確保する観点からは、エプロン2の上面から鋼帯1の下面までの距離が10mm以下となるように配置することが望ましい。ランアウトテーブルのこれまでのエプロン設置高さとフライングやウェービングによる半成件数の実績で10mm以下であれば発生していないのが理由である。一方、下限については鋼帯1と衝突したときの衝撃力を考慮すると、エプロン2の上面から鋼帯1の下面までの距離5mm以上とするのが望ましい。
エプロン2の鋼帯側の表層部分は炭素系素材で形成するのが望ましい。鋼鉄、鋳鉄等についても使用することはできるが、接触による鋼帯のすり疵の発生を抑制する観点からは、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とアラミド繊維との複合体やガラス繊維とアラミド繊維とポリノジック繊維を混紡した混紡糸を撚り合わせた双糸を用いて製織した基材に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂含浸シートを積層して加熱加圧成形した樹脂素材等の炭素系素材を用いるのが望ましい。また、鋼帯側の表層部分のみならず、本体部分についても炭素系素材で形成してもよい。
エプロン2の幅については150〜550mmとするのが望ましい。まず、鋼帯との衝突時の強度計算から150mm以上であることが望ましい。また、エプロンを全幅に設けると鋼帯が無い場所での跳ね返りが期待出来ないため、水掃けが悪くなる傾向が見られ、エプロン上部に溜まった水溜りが鋼帯上部の水乗りとなり不均一冷却の原因となることもあり得る。そこで、鋼帯の最小板幅は550mm程度であるので、この程度が上限として望ましい範囲である。
次に、板幅方向に複数配置される冷却ノズル5についてであるが、冷却ノズル5の内径および水頭圧は同一とするのが望ましい。エプロンが熱延鋼帯より狭幅の場合には、板センター部にはエプロンがあり、板エッジ部にはエプロンがないこととなるが、エプロンがあるところと無いところ関係なく、ノズル内径および水頭圧を同一に揃えなければ、板幅方向に冷却偏差を生じる可能性が出てくる。
また、これまで冷却ノズル5から噴出された冷却水の挙動については、冷却ノズル5から噴出された冷却水が鋼帯1の下面に衝突して鋼帯を伝わって放射状に拡がり、当該放射状に拡がった冷却水が冷却ノズル5と冷却ノズル5の中間点で衝突してエプロンに向かって降下するというように説明したが、これは各々のノズル内径および水頭圧が同一であることを前提としたものである。隣り合う冷却ノズル5のノズル内径および水頭圧が異なれば、冷却ノズルと冷却ノズルの中間点から多少ずれた位置で冷却水が衝突することになり、ノズル孔3とノズル孔3の中間部位に形成した水抜き穴4から冷却水を速やかに排出できにくくなることがあり得る。
あるいは、別の観点からは、板幅方向に複数配置される冷却ノズル5の内径および水頭圧の各々を搬送される鋼帯1の板幅に応じて調整する必要がなく、極めて容易に均一冷却性を確保することができる。
従来技術に係るランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯を下面から冷却する装置の平面図であり、テーブルロール間を透視した図である。 冷却ノズルから噴出された冷却水の挙動を示す断面図であり、(a)はエプロンを配置しないとき、(b)は従来技術に係るエプロンを配置したとき、(c)は本発明に係るエプロンを配置したときの図である。 本発明に係る冷却装置に使用するエプロンの模式図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
符号の説明
1 鋼帯 2 エプロン
3 ノズル孔 4 水抜き穴
5 冷却ノズル 6 テーブルロール
7 ランナウトテーブル

Claims (10)

  1. ランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯を下面から冷却する装置であって、
    テーブルロール間に板幅方向に配置される複数の冷却ノズルと、
    テーブルロール間に配置される、ノズル孔とノズル孔の中間部位に水抜き穴を形成したエプロンを備えることを特徴とする均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
  2. エプロンの上面から熱延鋼帯の下面までの距離が10mm以下となるようにエプロンを配置したことを特徴とする請求項1に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
  3. エプロンの熱延鋼帯側の表層部分を炭素系素材で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
  4. エプロンの幅を150〜550mmとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
  5. 板幅方向に配置される複数の冷却ノズルの内径および水頭圧が同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却装置。
  6. ランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯を下面から冷却する方法であって、
    テーブルロール間に板幅方向に配置される複数の冷却ノズルから冷却水を噴射し、熱延鋼帯の下面に衝突してエプロンに向かって降下した冷却水をノズル孔とノズル孔の中間部位に形成した水抜き穴から排出することを特徴とする均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
  7. エプロンの上面から熱延鋼帯の下面までの距離が10mm以下となるようにエプロンを配置したことを特徴とする請求項6に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
  8. エプロンの熱延鋼帯側の表層部分を炭素系素材で形成したことを特徴とする請求項6または7に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
  9. エプロンの幅を150〜550mmとしたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
  10. エプロンが熱延鋼帯より狭幅であっても、板幅方向に配置される複数の冷却ノズルの内径および水頭圧を同一とすることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の均一冷却性と通板安定性に優れる熱延鋼帯の冷却方法。
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