本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筐体の一側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体の内部には、外周に複数種の図柄(図1参照)が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、例えばそれぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「リプレイ」、「スイカ」、「赤チェリー」、「青チェリー」、「ベル」、「プラム」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33と、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉2bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置56a、56bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
前面扉2bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では遊技状態に関わらず3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉2bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉2bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5、2枚BETスイッチ5b及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図2参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図2参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉2bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられたホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク(図示略)側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉2bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図2参照)が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図2参照)からなるリールユニット(図示略)、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図2参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット(図示略)、電源ボックス(図示略)が設けられている。
ホッパーユニットの側部には、ホッパータンクから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス(図示略)の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L6(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインある。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの上段、リール2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5、リール2Lの上段、リール2Cの下段、リール2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL6の6種類が入賞ラインとして定められている。
このように本実施例ではリール2L、2C、2Rの一直線上に位置する図柄に跨って設定される入賞ラインL1〜L4と、全てのリールにおいて上段・中段・下段のうち停止する位置が異なり、かつ一直線上に位置しない図柄に跨って入賞ラインL5、L6が設定されている。
尚、本実施例では、入賞ラインとして上述したL1〜L6を適用しているが、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定される入賞ラインを加えて適用しても良い。また、上述したL5、L6のように一直線上に位置しない図柄に跨って設定される入賞ラインを適用しているが、一直線上に位置する図柄に跨って設定される入賞ラインのみを適用するようにしても良い。
また、本実施例では、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された仮想入賞ラインLvが設けられている。仮想入賞ラインは、入賞ラインとは異なり、入賞図柄の組み合わせを判定する対象とはならない。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L6上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L6上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図2は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図2に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aには、処理を実行するのに必要なデータの読み出し及び書き込みが行われる複数のレジスタ(記憶領域)が設けられている。詳しくは、主に演算用データが格納されるA、Fレジスタ(フラグレジスタ)、汎用データが格納されるB、C、D、E、H、Lレジスタ、実行中のプログラムの位置を示すデータが格納されるPCレジスタ、スタックポインタ(後述するスタック領域の現在の位置を示すアドレス)が格納されるSPレジスタ、後述するリフレッシュ動作を行うRAM41cのメモリブロックを示すデータが格納されるRレジスタ、RAM41cの格納領域を参照する際の基準となる位置を示すデータが格納されるIX、IYレジスタ、割込発生時に参照する割込テーブルの位置を示すデータが格納されるIレジスタが設けられている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
本実施例では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理(メイン)を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うための前述したR(リフレッシュ)レジスタが設けられている。Rレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
また、CPU41aは、起動時において、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36bの状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効、自動精算機能の有効/無効を設定するようになっている。打止スイッチ36a及び自動精算スイッチ36bの状態は起動時においてのみ取得し、取得した状態に基づいて打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されるため、その後に打止スイッチ36aや自動精算スイッチ36bが操作されても、新たに打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されることはない。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
断線監視IC50は、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視し、これらの接続状態の一方でも解除された場合には、これらの接続状態が解除された旨を示す断線フラグを断線監視IC50の内部に設けられたEEPROM(図示略)等の記憶部に記憶するようになっている。断線監視IC50は、CPU41aからの断線フラグの確認要求に応じて断線フラグが記憶されているか否かを返信し、この時点で断線フラグが記憶部に記憶されていればクリアする。
また、断線監視IC50にも停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、例えば2〜3日間停電状態が継続しない限り、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態の監視を継続できるようになっている。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉2bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56a、56bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行うタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、CPU91aの割込端子(図示略)は、前述した電断検出回路98と接続されており、CPU91aは電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込を発生させて後述する電断割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、電断割込処理(サブ)を除く他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、電断割込処理(サブ)を除く他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。尚、電断割込処理(サブ)を除く割込処理の実行中は、ストローブ信号(INT)の入力に基づく割込以外の割込が禁止されるようになっている。これに対して電断割込処理(サブ)においては、コマンド受信割込処理を含む他の割込処理が一切禁止されており、さらに他の割込が同時に発生しても電断割込処理(サブ)を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
次に、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される各種遊技用電子部品との配線接続状態の詳細について、図3に基づいて説明する。尚、図3は、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
図3に示すように、これらのうち、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電子部品は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
具体的には、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6及び賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31は、該操作またはメダルの検出に基づいて遊技制御基板40にBET信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該BET信号の受信に基づいて賭数の設定処理を行うため、これら電子部品がないと賭数を設定することができない。すなわち、賭数を設定しないとゲームが開始可能な状態とならないため、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6及び投入メダルセンサ31はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
ゲームを開始させるための操作を検出するスタートスイッチ7は、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にスタート信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該スタート信号の受信に基づいてゲームを開始する処理(リール回転処理等)を行うため、この電子部品がないとゲームを開始することができない。すなわち、スタートスイッチ7はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作を検出するストップスイッチ8L、8C、8Rは、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にストップ信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該ストップ信号の受信に基づいて該当するリール2L、2C、2Rの回転を停止して表示結果を導出する処理を行うため、この電子部品がないとリール2L、2C、2Rの表示結果を導出することができない。すなわち、ストップスイッチ8L、8C、8Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール2L、2C、2Rの回転を検出するリールセンサ33L、33C、33Rは、リールの基準位置の検出信号を遊技制御基板40に出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該リールの基準位置の検出信号の受信に基づいて該当するリール2L、2C、2Rの図柄の位置を把握して回転を停止する処理等を行うため、この電子部品がないと各リール2L、2C、2Rの表示結果の導出や入賞の判定等を行うことができない。すなわち、リールセンサ33L、33C、33Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ34cは、該メダルの検出に基づいて遊技制御基板40にメダル払出信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該払出メダル検出信号の受信に基づいて、発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出す払出処理を行うため、この電子部品がないと発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すことができない。すなわち、払出センサ35はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、リール2L、2C、2Rを回転させるリールモータ32L、32C、32Rは、遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このリールモータ32L、32C、32Rは、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてリール2L、2C、2Rを回転させて図柄の変動表示を開始するものであるが、該信号入力に基づいて実際にリール2L、2C、2Rを回転しなかったとしても、メイン制御部41は、リールの駆動信号を出力した後に上記リールセンサ33L、33C、33Rからの信号が入力されることで、リールが回転したとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、このリールセンサ33L、33C、33Rから信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、リールの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、リールの回転の検出に基づく信号の出力タイミングを計るためにはリールの駆動信号が必要となる。すなわち、リールモータ32L、32C、32Rは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、メダルの払い出しを行うホッパータンクを駆動するホッパーモータ34bは、入賞の発生に応じて遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このホッパーモータ34bは、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてメダルの払出動作を行うものであるが、該信号入力に基づいて実際にメダルの払出動作を行わなかったとしても、メイン制御部41は、ホッパーモータ34bの駆動信号を出力した後に上記払出センサ34cからの信号が入力されることで、メダルが払い出されているとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、この払出センサ34cから信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、ホッパーモータ34bの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、払出メダルの検出に基づく信号の出力タイミングを計るためには該ホッパーモータ34bの駆動信号が必要となる。すなわち、ホッパーモータ34bは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、これら遊技用電子部品とドア開放検出スイッチ25とは、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電子部品及びドア開放検出スイッチ25との接続を解除する必要があるため、遊技用電子部品及びドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40とは中継基板を経由して接続されているとともに、これら基板同士及び基板と遊技用電子部品及びドア開放検出スイッチ25とはケーブルを介して接続されている。またケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されている。
具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34b及び払出センサ34cは、電源基板101を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は、演出中継基板80を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板101、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電子部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
また、このように各種電子部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施例では、筐体)所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、100、80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
遊技制御基板40と操作部中継基板110とは、ケーブル600aを介して接続され、遊技制御基板40とリール中継基板120とは、ケーブル600bを介して接続され、遊技制御基板40と電源基板101とは、ケーブル600cを介して接続されており、また、遊技制御基板40と演出中継基板80とは、ケーブル600dを介して接続されている。
操作部中継基板110と1枚BETスイッチ5とはケーブル601aを介して接続され、操作部中継基板110とMAXBETスイッチ6とはケーブル601bを介して接続され、操作部中継基板110とスタートスイッチ7とはケーブル601cを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Lとはケーブル601dを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Cとはケーブル601eを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Rとはケーブル601fを介して接続され、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31とはケーブル601gを介して接続され、操作部中継基板110とドア開放検出スイッチ25とはケーブル601qを介して接続されている。
また、リール中継基板120とリールモータ32Lとはケーブル601hを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Cとはケーブル601jを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Rとはケーブル601lを介して接続されている。また、リール中継基板120とリールセンサ33Lとはケーブル601iを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Cとはケーブル601kを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Lとはケーブル601mを介して接続されている。また、電源基板101とホッパーモータ34とはケーブル601nを介して接続され、電源基板101と払出センサ35とはケーブル601oを介して接続され、演出中継基板80と演出制御基板90とはケーブル601pを介して接続されている。
これら各ケーブル600a〜600c、601a〜601o、601qは、各基板に対してコネクタ接続されており、基板との配線接続を解除可能となっている。具体的には、ケーブル600aの両端には、ケーブル側コネクタ610a、611aが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610aは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620aに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611aは、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ621aに接続可能なコネクタである。ケーブル600bの両端には、ケーブル側コネクタ610b、611bが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610bは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620bに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611bは、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ621bに接続可能なコネクタである。ケーブル600cの両端には、ケーブル側コネクタ610c、611cが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610cは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620cに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611cは、電源基板101に固設された基板側コネクタ621cに接続可能なコネクタである。ケーブル600dの両端には、ケーブル側コネクタ610d、611dが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610dは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620dに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611dは、演出中継基板80に固設された基板側コネクタ621dに接続可能なコネクタである。
また、一端が1枚BETスイッチ5に接続されたケーブル601aの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622aに接続可能なケーブル側コネクタ612aが設けられている。一端がMAXBETスイッチ6に接続されたケーブル601bの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622bに接続可能なケーブル側コネクタ612bが設けられている。一端がスタートスイッチ7に接続されたケーブル601cの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622cに接続可能なケーブル側コネクタ612cが設けられている。一端がストップスイッチ8Lに接続されたケーブル601dの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622dに接続可能なケーブル側コネクタ612dが設けられている。一端がストップスイッチ8Cに接続されたケーブル601eの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622eに接続可能なケーブル側コネクタ612eが設けられている。一端がストップスイッチ8Rに接続されたケーブル601fの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622fに接続可能なケーブル側コネクタ612fが設けられている。一端が投入メダルセンサ31に接続されたケーブル601gの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622gに接続可能なケーブル側コネクタ612gが設けられている。一端がドア開放検出スイッチ25に接続されたケーブル601qの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622qに接続可能なケーブル側コネクタ612qが設けられている。
また、一端がリールモータ32Lに接続されたケーブル601hの他端及び一端がリールセンサ33Lに接続されたケーブル601iの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622hに接続可能なケーブル側コネクタ612hが設けられている。一端がリールモータ32Cに接続されたケーブル601jの他端及び一端がリールセンサ33Cに接続されたケーブル601kの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622iに接続可能なケーブル側コネクタ612iが設けられている。一端がリールモータ32Rに接続されたケーブル601lの他端及び一端がリールセンサ33Rに接続されたケーブル601mの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622jに接続可能なケーブル側コネクタ612jが設けられている。
また、一端がホッパーモータ34bに接続されたケーブル601nの他端及び一端が払出センサ34cに接続されたケーブル601oの他端には、電源基板101に固設された基板側コネクタ622kに接続可能なケーブル側コネクタ612kが設けられている。
また、ケーブル601pの両端には、ケーブル側コネクタ612p、613pが設けられており、一方のケーブル側コネクタ612pは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ622pに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ613pは、演出制御基板90に固設された基板側コネクタ623pに接続可能なコネクタである。
尚、本実施例では、各電子部品からはコネクタを介すことなく配線が延出されているが、コネクタを介して配線と接続されていても良い。
上述のように、各基板と各ケーブルとは、基板側に設けられる基板側コネクタ620a〜620d、621a〜621d、622a〜622k、622p、622q、623pと、ケーブル側に設けられるケーブル側コネクタ610a〜610d、611a〜611d、612a〜612k、612p、612q、613pとからなる一対のコネクタ(雄コネクタと雌コネクタ)を介して配線接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱することにより配線接続を解除することができるようになっている。特に、遊技制御基板40、操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板101、演出制御基板90は、スロットマシン1の筐体または前面扉の所定箇所に取り付けられていることで、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱しやすいので、遊技制御基板40や演出制御基板90の交換が容易に行うことができる。
まず第1の電子部品に関して具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6または投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にBET信号が不正に出力されると、賭数の設定操作が行われていないのにメイン制御部41にを行うことなく賭数が設定される虞がある。スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にスタート信号が不正に出力されると、ゲームの開始操作を行うことなくゲームが開始される虞がある。ストップスイッチ8L、8C、8Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にストップ信号が不正に出力されると、停止操作を行うことなくリールの回転が停止される虞がある。リールセンサ33L、33C、33Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にリール回転信号が不正に出力されると、リールを回転させることなく各リール2L、2C、2Rの表示結果の導出や入賞の判定等が行われる虞がある。払出センサ34cと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にメダル払出信号が不正に出力されると、メダルを払い出すことなくメダルの計数が行われる虞がある。
第2の電子部品に関して具体的に説明すると、リールモータ32L、32C、32Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、リールの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来リールセンサ33L、33C、33Rから遊技制御基板40に入力されるリール回転検出信号を、打ち込み器具からリール回転後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。また、ホッパーモータ34bと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、ホッパータンクの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来払出センサ35から遊技制御基板40に入力される払出メダル検出信号を、打ち込み器具からホッパータンクの駆動後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
このように、ゲームの進行に応じて第1の電子部品から出力され、本来であれば遊技制御基板40に入力される信号が打ち込み器具から出力された場合、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるとともに、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力され、本来であれば第2の電子部品に入力される信号が打ち込み器具に入力された場合、打ち込み器具側では、メイン制御部41がリールモータやホッパーモータの駆動後に出力する信号の出力タイミング等を特定可能となり、これに基づいて新たな信号がメイン制御基板40に入力された場合には、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるので、ゲームを自動的に進行させるといった不正行為が実施される虞がある。よって、本実施例では、打ち込み器具の接続による不正行為を防止する種々の対策が施されている。
また、ドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されると、前面扉2bが開放された際に、その旨を遊技制御基板に搭載されたメイン制御部41が検出することができず、ドア開放報知やドア開放信号の出力が行われなくなるため、前面扉2bが開放されて不正行為がなされてもその発見が遅れてしまう虞がある。よって、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40との間に設けられるコネクタ同士の接続の解除を困難とするための対策が施されている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するレギュラーボーナス中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するビッグボーナス中の旨を示すBB中信号、前面扉2bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット(図示略)の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
尚、本実施例では、チャレンジタイム(リールの滑りコマ数が制限されるものの、全ての小役について入賞が許容される遊技状態)や、チャレンジタイムが高確率となるチャレンジボーナスを搭載していないが、これらの遊技状態を搭載したスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態がチャレンジタイム中の旨を示すCT中信号、遊技状態がチャレンジボーナス中の旨を示すCB中信号を出力する信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
本実施例では、遊技制御基板40と遊技用電子部品との間のコネクタ接続の解除を規制することで、打ち込み器具の接続を困難としている。具体的には、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続は、コネクタ規制部材500によってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、及び基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612gとの接続は、コネクタ規制部材650によってその解除が規制されるようになっている。
また、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続の解除を規制することで、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との接続の解除を困難としている。具体的には、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622qとケーブル601qのケーブル側コネクタ612qとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続は、コネクタ規制部材500によってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、及び基板側コネクタ622qとケーブル側コネクタ612qとの接続は、コネクタ規制部材650によってその解除が規制されるようになっている。
また、遊技制御基板40と演出制御基板90の間のコネクタ接続の解除を規制することで、遊技制御基板40と演出制御基板90との接続の解除を困難としている。具体的には、遊技制御基板40と演出制御基板90との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620dとケーブル600dのケーブル側コネクタ610dとの接続、ケーブル600dのケーブル側コネクタ611dと演出中継基板80の基板側コネクタ621dとの接続、演出中継基板80の基板側コネクタ622pとケーブル601pのケーブル側コネクタ612pとの接続、ケーブル601pのケーブル側コネクタ613pと演出制御基板90の基板側コネクタ623pとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620dとケーブル側コネクタ610dとの接続は、コネクタ規制部材500bによってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611dと基板側コネクタ621dとの接続、及び基板側コネクタ622dとケーブル側コネクタ612dとの接続、ケーブル側コネクタ613pと基板側コネクタ623pとの接続は、それぞれ図示しないコネクタ規制部材によってその解除が規制されるようになっている。
これらコネクタ規制部材は、互いに接続された基板側コネクタからのケーブル側コネクタの抜脱を規制可能に構成され、コネクタでの接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り、解除不能とする接続解除規制状態を形成するもの、つまりは接続解除規制状態を解除した場合にその痕跡が残るように構成されていれば、その形態は任意であり、種々に変更可能である。
具体的には、例えば基板側コネクタ及びケーブル側コネクタとは別個に形成され、両コネクタを接続した状態で装着することでコネクタの抜脱を規制することが可能なカバー体であっても良いし、あるいは、基板側コネクタまたはケーブル側コネクタのうち少なくとも一方に設けられ、コネクタ同士を互いに接続したときに互いに離脱不能に係止する係止部等であっても良いし、あるいは基板側コネクタが搭載される基板を収納可能な基板収納ケース等に設けられ、基板収納ケースにて基板を収納して封止状態としたときにコネクタの抜脱を規制する接続解除規制状態を形成する規制部等であっても良いし、あるいは互いに接続されたコネクタ同士を接着する接着剤等であっても良い。
次に、遊技制御基板40を収納する基板ケース200(収納ケース)及びコネクタ規制部材500の詳細な構造について説明する。
図4は、基板ケース200の構成を示す分解斜視図である。図5は、基板ケースを示す斜視図である。図6は、基板ケースの上部ケース及び下部ケースの要部を示す斜視図である。図7は、(a)は基板ケースの係止部を示す拡大斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。図8は、基板ケースを示す平面図である。図9は、図8のB−B断面図である。図10は、図8のC−C断面図である。図11は、基板ケース及び基板ケースをスロットマシンの本体に取り付けるための取付ベースを示す分解斜視図である。図12は、基板ケースが取付ベースに取り付けられた状態を示す斜視図である。図13は、図12のD−D断面図である。図14は、封止状態を解除した状態を示す図である。図15は、コネクタ規制部材を構成する取付側部材及びコネクタカバーの要部拡大斜視図である。図16は、(a)は図15のE−E断面図であり、(b)(c)は、図15のF−F断面図である。図17は、基板ケースを取付ベースに組み付け、更に取付側部材に対してコネクタカバーを装着した状態を示す斜視図である。図18は、(a)は図17のG−G断面図であり、(b)は、図17のH−H断面図である。
基板ケース200は、図4に示すように、回路基板の一例である遊技制御基板40の裏面側を覆う基体としての下部ケース201と、遊技制御基板40の実装面(搭載面)側を覆う蓋体としての上部ケース202と、から構成され、遊技制御基板40を挟持するように組み付けられるものである。尚、遊技制御基板40の実装面40aには、特に図示はしないが、CPU41a、ROM41b、RAM41c等の電子素子や、他の基板からのケーブルの一端に設けられたケーブル側コネクタ等が接続される基板側コネクタ620a〜620d等が多数実装されている(図18参照)。
下部ケース201は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板201aの長辺に沿って立設された一対の側壁201b、201b及び一方の短辺に沿って立設された側壁201cと、により上面及び一短辺側が開放する直方体状に成形されている。つまり、底板201aの一辺を除く3辺に側壁201b、201cが設けられている。
下部ケース201の側壁201cには、後述する上部ケース202の係止片232、232が係止される組付係止切欠としての係止穴211、211が長手方向の両側に形成されている。また、一対の側壁201b、201bにおける側壁201cと反対側の端部には、後述する上部ケース202の係合片232、232が係合する係合溝210、210が形成されている。係合溝210、210は直線状に形成されるとともに、一端が側方に開口され、係合片232、232を側方から差し込み可能になっている。
また、下部ケース201の底板201aの裏面における側壁201c寄りの両長辺側端には、後述する取付側部材510、510の係止片511、511が係合する係合溝212、212がそれぞれ形成されている。
底板201aにおける側壁201cと反対側の短辺の長手方向の両端部には、板状の下部固着片213、213が外向きに延設されており、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされたときに、後述する上部ケース202の上部固着片205の上面側において対向するようになっている。また、図6及び図7に示されるように、下部固着片213、213の下面略中央位置には、平面視円形を成す凹部としての環状凹溝214、214が凹設され、上部固着片205との溶着時において発生する気泡を収容可能とされている。
一対の下部固着片213、213のうち一方の下部固着片213の内側近傍位置には、板状の下部封止片215が外向きに突設されている。下部封止片215の下面には、図6及び図13に示されるように、下向きに突設される円柱部215aが一体的に形成されているとともに、下部封止片215及び円柱部215aを上下に貫通するネジ穴216が形成されている。また、この下部封止片215の内部には、後述する金属性のプレート255cが埋設されている(図13参照)。
上部ケース202は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、中央が外向きに膨出する略長方形状の上面板202aと、該上面板202aの長辺に沿って立設された一対の側壁202b、202bと、短辺に沿って立設された一対の側壁202c、202dとにより、下面が開放するとともに、両短辺側に段部202e、202fが形成された凸型の箱状に成形されている。
上部ケース202の一方の短辺の側壁202cの長手方向の両端部には、板状の上部固着片205、205が外向きに延設され、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされたときに、下部ケース201の下部固着片213、213の下面側において対向するようになっている。上部固着片205は、具体的には図6及び図7に示されるように、側壁202cの外面に突設された保護片203と一体に形成されており、側壁202cの下端と該上部固着片205の上面との間に、下部固着片213が挿通可能な挿通穴204が形成されるように設けられている。
保護片203は、上下方向を向く一対の垂直片部203a、203aと、これら一対の垂直片部203a、203aの下端から外向きに連設される平面視略コ字形をなす水平片部203bとからなり、この水平片部203bの下部に上部固着片205が略水平に固着されている。つまり、上部固着片205の三辺に沿うように水平片部203bが設けられるとともに、水平片部203bの上端面が、図7(b)に示されるように、挿通穴204に差し込まれた下部固着片213の上面とほぼ同高さとなるように形成されているため、後述するように互いに溶着された下部固着片213と上部固着片205との対向面側部が水平片部203bにより外側から被覆されるようになっている。
また、上部固着片205の側方に、上下方向を向く一対の垂直片部203a、203bが配設されることで、後述するように互いに溶着された下部固着片213と上部固着片205との固着状態を解除するために、下部固着片213と上部固着片205とを根元で、つまり側壁202cの外面に沿って切断しようとする際に、側壁202cの外面から突設されている垂直片部203a、203bが邪魔になることで、保護片203により切断が困難とされている。尚、これら下部固着片213と上部固着片205とは、特殊封止状態を形成する第1の組付固着手段の一部を構成している。
また、一対の上部固着片205、205の間には、1つの上部封止片230及び4つの取付封止片231a〜231dが外方に突出して設けられている。上部封止片230は、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされたときに下部封止片215に対向する位置に設けられ、取付封止片231a〜231dは、側壁202cの長手方向に沿って等間隔に配置され、後述する固着部材550の各固着孔256に対向する位置に設けられている。
上部封止片230及び取付封止片231a〜231dは、図6及び図13に示されるように、後述する特殊ネジ280a〜280dを挿通可能な円筒状部と、筒状部と側壁202cとを連接する縦断面略十字形(図10参照)の連接部(上部ケース202の一部)270とで構成されている。そして、連接部270を介して円筒状部が側壁202cから所定距離離間した状態で配置されている。よって、連接部270をニッパ等の工具で切断できる。また、連接部270は、上部ケース202の一側縁である側壁202cの外面から外方に向けて複数設けられ、各連接部270の先端に円筒状部である上部封止片230及び取付封止片231a〜231dが設けられていることになる。
上部ケース202において、上部封止片230及び取付封止片231a〜231dそれぞれには、特殊ネジ280a〜280eが封入されている。上部封止片230及び取付封止片231a〜231dにおける円筒状部は、上面が開口する有底円筒状に形成され、内部に特殊ネジ280a〜280eを収納可能な大きさを有しており、特殊ネジ280a〜280eの上部を収納可能な大きさに形成されているとともに、底部には、特殊ネジ280a〜280eの頭部の直径よりも小径の取付孔281が形成されている。取付孔281は、封止状態において、ネジ穴216及び各固着孔256の対向位置に配置される。なお、上部封止片230及び取付封止片231a〜231dには、特殊ネジ280a〜280eをネジ止めするときに特殊ネジ280a〜280dを位置決めするための仮係止部(位置決め部)が設けられていることが好ましい。
上部封止片230及び取付封止片231a〜231dの上面には、円盤状のキャップ290a〜290eが被せられている。図5に示されるように、各キャップ290a〜290eの中央部には、スクリュードライバ等を挿入可能な開口(操作穴)291が設けられているとともに、互いに隣り合うキャップ290a〜290e同士は接続片により接続されて一体化されている。尚、これら各キャップ290a〜290eは別個に設けられていてもよい。
各キャップ290a〜290eは、上部封止片230及び取付封止片231a〜231dの円筒状部の上部開口端縁に形成された環状の段部内に嵌合されるようになっているとともに、上部封止片230及び取付封止片231a〜231dとキャップ290a〜290eとの接合をより強固にするために、キャップ290a〜290eと上部封止片230及び取付封止片231a〜231dとの間に接着剤を塗布したり、キャップ290a〜290eと上部封止片230及び取付封止片231a〜231dとを溶着したりする。
なお、各キャップ290a〜290eに下端に係止爪が形成された一対の係止片を設け、係止爪を上部封止片230及び取付封止片231a〜231dの内面に形成された段部に係止することによって、キャップ290a〜290eが上部封止片230及び取付封止片231a〜231dの上面開口を閉塞するように保持されるようにしてもよい。
通常、上部ケース202の表面において、上部封止片230及び取付封止片231a〜231dの近傍には、上部封止片230及び取付封止片231a〜231dのそれぞれを識別可能な記号(例えば、数字の1,2,3,4)が付されている(図示略)。そして、例えば「1」に対応する特殊ネジ(例えば、特殊ネジ280d)が最初に使用される。
図13(b)に示すように、特殊ネジ280a〜280eは、頭部285から一方に延びるネジ部283(結合部)と、ネジ部283と一体形成された頭部285とを有し、さらに、頭部285の上部にスクリュードライバ等の工具の先端が嵌り込む係合部分(例えば、十字形)を有する上部部材(工具で操作される操作部)284を有する。頭部285と上部部材284とは連結部287を介して結合しているが、連結部287は、頭部285および上部部材284の径よりも小径に形成されている。連結部287は、上部部材284に加えられる捻れ荷重が所定値を越えると切断されるように形成されている。
また、ネジ部283の延長方向の中途には、括れ部286が設けられている。図13(b)に示す例では、ネジ部283において、括れ部286よりも下方でネジが切られ、括れ部286よりも上方ではネジが切られていない。
例えば、特殊ネジ280dで固着部を固着する場合には、キャップ290dの開口291からスクリュードライバ等の工具を差し込み、スクリュードライバ等の工具で上部部材284を回転させることによって、ネジ部283がネジ穴216に挿入されていく。ネジ部283の先端がネジ穴216の最深部に達した後、さらにスクリュードライバ等の工具を回転させ、所定値を越える捻れ荷重を上部部材284に加えると、頭部285と上部部材284との間の連結部287が切断される(図13(a)参照)。
なお、特殊ネジ280dは、金属製でもよいが、頭部285と上部部材284とを分離しやすくするために合成樹脂製でもよい。
従って、その状態では、特殊ネジ280dによって固着部が固着されるとともに、特殊ネジ280dから切り離された上部部材284が、取付封止片231dの内部空間に残る。取付封止片231dの上面にはキャップ290dが被せられているので、上部部材284は、取付封止片231dの内部空間に閉じこめられる(図13(a)参照)。
すると、固着部を固着している固着を取り外すために、キャップ290dに設けられている開口291から何らかの工具を差し込んでも、その工具は、頭部285に到達することはできない。つまり、不正に特殊ネジ280dによる固着を解除しようとしても、固着を解除することは困難である。
なお、ここでは、特殊ネジ280dによって固着部を固着して取付状態を実現する場合について説明したが、特殊ネジ280a〜280cによって、取付封止片231a〜231cと固着部材255とからなる固着部を固着して取付状態を実現する場合、及び上部封止片230と下部封止片215とからなる固着部を固着して封止状態を実現する場合についても、特殊ネジ280dによって取付封止片231dと固着部材255とからなる固着部を固着する場合と同様に処理が実行される。
図5に戻って、上部ケース202の側壁202b、202bの外面における側壁202c側端部には、下部ケース201の係合溝210、210に係合可能な係合片245、245が突設されている。係合片245、245は、側壁202cの下端辺に対して平行に長手方向に向けて直線状に延設されており、係合溝210、210の一端開口から差し込まれることにより、下部ケース201に対する上部ケース202の離脱が規制されるようになっている(図6参照)。
また、上部ケース202の他方の短辺の側壁202dには、下部ケース201の他方の短辺の側壁201cに形成された係止穴211、211に挿通して係止される係止片232、232が、それぞれ外向きに突設されている。
このように構成される基板ケース200は、図4中1点鎖線で示されるように、下部ケース201の底板201a上面と、上部ケース202の上面板202a裏面とを対向させた状態で、下部ケース201の側壁201cと反対側の短辺の開口部、つまり側壁がない一辺側から上部ケース202の一方の端部がはみ出すように、上部ケース202の側壁202b、202cを下部ケース201の底板201aに当接し、その状態で下部ケース201の内部に向けて(図4中左側)長手方向にスライドさせることで、一方の短辺では、係止片232、232が係止穴211、211内に挿通して係止され、他方の短辺では、下部固着片213、213が挿通穴204、204内に挿通して上部固着片205、205の上面側に配置されるとともに、係合溝210、210内に係合片245、245が係合され、これら係止作用により、下部ケース201からの上部ケース202の離脱、つまり浮き上がりが規制されるようになっている。
上部ケース202の両短辺側の段部202e、202fには、それぞれ凹部202g、202hが形成されているとともに、段部202eの凹部202gの底面には、後述するように上部ケース202の裏面側に取り付けられる遊技制御基板40の基板側コネクタ620dに対応する箇所に基板側コネクタ620dを挿通可能な挿通孔246bが形成されており、段部202fの凹部202hの底面には、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aに対応する箇所に基板側コネクタ620aを挿通可能な挿通孔246aが形成されている。
図4に示されるように、このように構成された上部ケース202の裏面側には、遊技制御基板40が、4つの取付ネジ235によって四隅を止着することにより取り付けられる。遊技制御基板40は、電子部品等が実装(搭載)される実装面40a(搭載面)を上部ケース202の裏面に対向させた状態で、上部ケース202の裏面側に取り付けられ、取り付けられた状態において、特に図9に示されるように、実装面40aの反対側面である裏面が側壁202b〜202dの下端よりも上方に位置するように収容される。
また、遊技制御基板40のさらに裏面側には、該遊技制御基板40の裏面を被覆する基板カバー240が取り付けられる。基板カバー240は、透明な合成樹脂により構成される被覆板240aと、該被覆板240aの一長辺部及び二短辺部に設けられるリブ240bとにより構成されている。基板カバー240は、遊技制御基板40と短辺とほぼ同寸に形成される長辺と、長辺よりも短寸の短辺とにより長方形状に形成され、遊技制御基板40の裏面における一方の端部、つまり上部封止片230及び取付封止片231a〜231dが形成されている固着部側の端部を被覆可能な大きさに形成されている。
尚、本実施例の基板カバー240は、遊技制御基板40の裏面における固着部側の端部のみ、つまり裏面の一部を被覆可能な大きさに形成されているが、遊技制御基板40の裏面全域を被覆可能な大きさに形成してもよい。
図9に示されるように、基板カバー240の裏面には、取付ネジ235が取り付けられる取付穴241を有する凹部241aが形成され、取付ネジ235の頭部を収容可能になっている。また、一対の短辺には、上部ケース202の側壁202b、202b下端に形成される位置決め凹部243、243(図6参照)に嵌合される位置決め片242、242が外向きに突設され、取り付け時において上部ケース202に対する基板カバー240の取付位置が決定されるようになっている。
この基板カバー240は、上部ケース202の裏面に取り付けられた遊技制御基板40の裏面における固着部側の端部を被覆するように取り付けられ、取り付けられた状態において、その裏面が上部ケース202の側壁202b〜202dの下端面とほぼ面一となる。従って、後述するように下部ケース201の上面が上部ケース202により閉鎖された封止状態において、下部ケース201の底板201aと遊技制御基板40とにより上下から挟持された状態で配置されることで、取付ネジ235の頭部が底板201aにより被覆された状態で装着されるため、基板ケース200の一部を破壊しない限り封止状態を解除して上部ケース202を開放しない限り、基板カバー240を基板ケース200から離脱することができなくなる。
尚、基板カバー240は、遊技制御基板40を上部ケース202の裏面側に取り付けるための取付ネジ235を兼用して上部ケース202に取り付けられているが、取付ネジ235とは別個のネジ等で取り付けてもよいし、あるいは遊技制御基板40に取り付けてもよい。
取付ベース250は、基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体(図示略)に対して固着して取り付けるための取付部を構成する取付部材である。取付ベース250は、合成樹脂からなり、図11及び図12に示すように、下部ケース201の底板201aよりも大きい略長方形状に形成される底板250aと、該底板250aの周縁辺のうち2つの長縁辺に沿って立設された側壁250b、250bと、短縁辺に沿って立設された側壁250c、250dにより上面が開放する直方体状に形成されている。一方の側壁250dの中央部には切り欠き250eが形成されているとともに、底板250aにおける切り欠き250eから中央に向かって1対のガイド254、254が設けられている。ガイド254、254の対向する面には、後述する固着部材255の両端部に形成された係止部257、257が嵌入されるガイド溝254a、254aが形成されている。また、取付ベース250の底板250aには、複数箇所にビス孔252が形成されている。
固着部材255は、合成樹脂からなり、上面に4カ所の固着孔256が形成されているとともに、各固着孔256の周囲には、取付封止片231a〜231dの筒状部下端が嵌合する位置決め凹部256aが形成されている。また、図13(a)に示されるように、固着部材255の内部において、ネジ穴256に相当する位置に穴部255bが設けられた金属製のプレート255aが埋め込まれている。穴部255bの径は、特殊ネジ280a〜280dにおけるネジ部283の径(具体的には、括れ部286の直上および直下の部分の径)、括れ部286の下端部よりもやや小さく、ネジ部283の中途に形成されている括れ部286の径とほぼ同じである。
図11〜図13に示すように、固着部材255の両端部には、係止部257、257が形成されており、この係止部257、257を取付ベース250のガイド254、254に形成されたガイド溝254a、254aに対してそれぞれ嵌入することで、取付ベース250に取り付けられる。また、固着部材255の内側辺には、底板250aに形成された弾性係止片の先端に形成された係止爪258が係止される係止穴258aが形成されており、取付ベース250に取り付けられた状態で係止爪258が係止穴258aに係止され、離脱が規制されるようになっている。
このように固着部材255は、取付ベース250に対して着脱自在に設けられているため、後述するように複数回の封止を行った場合、新規な固着部材255に容易に交換することができるようになっている。また、底板250aにおける固着部材255の取付位置の一側方には、下部封止片215の円柱部215aが嵌合される嵌合穴260が形成されている。
長辺の側壁250b、250bにおける一方の端部には、外向きに膨出する膨出部261、261が形成されており、後述するように基板ケース200に取り付けられるコネクタ規制部材500を収容可能としている。また、一方の側壁250bにおける膨出部261と反対側の端部には、取り付けられた基板ケース200に係止して浮き上がりを防止する係止部262が、側壁250bの上端から内向きに突設されている。
他方の側壁250bの長手方向の中央位置には、取付ベース250と、該取付ベース250に取り付けられた基板ケース200とを封印する封印シール263を貼着するためのシール貼着部264が形成されている。シール貼着部264は、図12中拡大図に示されるように、側壁250bの上端から上方に延設される垂直板264aと、垂直板264aの上端から外向きに屈曲形成される水平板264bと、から側面視略L字形に形成され、水平板264bの上面は、取付ベース250に取り付けられた基板ケース200の上面、すなわち、上部ケース202の上面板202aの上面と面一をなすように形成されている。
垂直板264a内面と上部ケース202の側壁202b外面との間には、下部ケース201の側壁201bの肉厚分の隙間が生じるため、その隙間に板状のスペーサ265を差し込んだ状態で、封印シール263を、上部ケース202の上面からシール貼着部264の外面にかけて、それぞれの外面に密着できるようになっている。
短辺の側壁250cには、基板ケース200における上部ケース202の係止片232、232が係止される取付用係止穴266、266が形成されている。
コネクタ規制部材500は、図11及び図12に示すように、基板ケース200に対して取り付けられる取付側部材510と、取付側部材510に対して装着され、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆するコネクタカバー520と、から構成され、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付け、コネクタカバー520を装着することで、基板側コネクタ620aからのケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制される。
取付側部材510は、透明な合成樹脂からなり基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース202の表面形状に沿った形状に成形されている。詳しくは、取付側部材510は、上部ケース202の係止片232が設けられた短辺側に装着されるものであり、その形状は、基板ケース200への取付時に上部ケース202における段部202fの凹部202hの底面に当接するとともに、ケーブル側コネクタ610aを逃がす切り欠き512及び内側に係止孔513aを有する筒状の係止孔部513が形成された基片510aの両端から起立する起立片510b、510bを介して上部ケース202における段部202fの両端部上面に当接する上片510c、510cが延設され、更に上片510c、510cの両端から垂下する側片510d、510dを介して係止部257、257が内向きに延設された形状であり、基板ケース200への取付時に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース202における段部202fの上面及び凹部202hの底面にそれぞれ当接するようになっている。
係止孔部513における係止孔513aの内面には、図15に示すように、中心を挟んで対向する位置に係止溝514が、係止孔513aの下端から上方に向かって設けられている。係止溝514は、係止孔513aの下端からの深さの浅い浅溝部514aとそれよりも深い深溝部514bとからなる略L字状で、対向する係止溝514、514の浅溝部514a、514a同士、深溝部514b、514b同士が、それぞれ中心を挟んで対向する位置に形成されている。すなわち係止溝514、514は、中心を挟んで点対称に形成されている。
コネクタカバー520は、透明な合成樹脂からなり、図11及び図12に示すように、基板ケース200に取り付けられた取付側部材510に対して取り付けた際に、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆する断面視略コ字状の被覆部521が成形されているとともに、被覆部521の長手方向側面の一方の側面521aに取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aの内周とほぼ同径の係止筒522が接続片522aを介して設けられている。
被覆部521の一方の側面521aの下端は、取付側部材510に取り付けた際にその基片510aの上面に当接するとともに、側面521aの背面には、リブ521b、521bが設けられ、そのリブ521b、521bの下面も基片510aの上面に当接するようになっている。
係止筒522は、図15に示すように、中心を挟んで対向する位置に、先端に外向きの係止爪523aが形成され、内方に弾性変形可能な係合部523、523が設けられている。係合部523、523は、その係止爪523a、523aが、コネクタカバー520を基板側コネクタ620aにケーブル側コネクタ610aが接続されている状態で取付側部材510に取り付けた際に、係止孔513aに形成された係止溝514、514の浅溝部514a、514aに対して係合する位置に設けられている。
次に、下部ケース201と上部ケース202との封止状況と、コネクタ規制部材500の基板ケース200への取付状況と、基板ケース200の筐体への取付状況とについて説明する。
まず、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース202の内部に遊技制御基板40を収容して封止状態とする場合について説明する。
まず、図4に示されるように、上部ケース202の裏面側に、取付ネジ235を介して遊技制御基板40を取り付ける。この際、遊技制御基板40の実装面40aを上部ケース202の裏面に対向させた状態で、遊技制御基板40を上部ケース202内に嵌め込んで位置決めし、この状態で、遊技制御基板40の裏面側における上部封止片230及び取付封止片231a〜231d側に基板カバー240を配置する。そして、係止片232側の2つの角部は取付ネジ235を取り付け、上部封止片230及び取付封止片231a〜231d側の2つの角部は、取付ネジ235を基板カバー240の裏側からネジ穴241に取り付け、遊技制御基板40とともに上部ケース202のネジ穴(図示略)に取り付ける。
このように、上部ケース202の裏面側に、実装面40aが被覆されるように遊技制御基板40を取り付けた状態で収容することで、万が一上部ケース202が不正に開放された場合でも、上部ケース202から遊技制御基板40を取り外さない限り、実装面40aに実装された電子部品に不正行為を施すことができなくなるので、手間がかかるようになる。
次いで、上部ケース202の裏面側に取り付けられた遊技制御基板40及び基板カバー240の裏面を、下部ケース201の底板201a上面と対向させ、下部ケース201の側壁201cと反対側の側壁がない短辺の開口部から上部ケース202の一方の端部がはみ出すように、上部ケース202の側壁202b、202cを下部ケース201の底板201aに当接し、その当接状態で上部ケース202を下部ケース201の内部側に向けて長手方向(図4中左側に向けて)にスライドさせる。この際、一方の短辺では、係止片232、232が係止穴211、211内に内側から挿通されて係止され、他方の短辺では、下部固着片213、213が挿通穴204、204内に挿通して上部固着片205、205の上面側に配置されるとともに、係合溝210、210内に係合片245、245が係合される。
つまり、これら係止片232、232及び係止穴211、211と、下部固着片213、213及び挿通穴204、204と、係合溝210、210及び係合片245、245とは、下部ケース201に対して上部ケース202をスライド移動案内するスライド移動案内手段を構成している。
そして、係合溝210、210の端部に係合片245、245が当接してスライド移動が規制されると、下部ケース201に対する上部ケース202の位置が決定し、つまり下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされた閉鎖状態(係止状態)において、後述する封止が可能な状態となる。このように本実施例の基板ケース200は、下部ケース201の底板201aに沿って上部ケース202をスライド移動させなければ、下部ケース201に対して上部ケース202を係止または係止状態を解除することができず、係止作用により下部ケース201からの上部ケース202の離脱、つまり浮き上がりが効果的に規制される。
また、位置合わせされた状態において、上部封止片230が下部封止片215に対向して配置されるとともに、上部固着片205、205が、下部固着片213、213の上面側に対向して配置される。
ここで、例えばメーカー等により、遊技制御基板40を基板ケース200内に収納して遊技店等に出荷する際等においては、特殊固着部である上部固着片205、205と下部固着片213、213とを固着(かしめ)して特殊封止状態としてから出荷する。
具体的には、上部固着片205、205と下部固着片213、213とを、図示しない溶着装置を用いて超音波溶着する。図7に示されるように、上部固着片205の上面側に下部固着片213が配置された状態において、上部固着片205の平坦状の上面と、下部固着片213の平坦状の下面とが互いに対向して当接する。この状態で、上部固着片205を図示しない溶着装置のベース上に載置した状態で、図示しないホーン等の器具により下部固着片213を上面から押圧して超音波振動させる。これにより、互いに当接している上部固着片205の平坦状の上面と下部固着片213の平坦状の下面とが融解変形した後に硬化することで、図7(b)に示されるように対向面が溶着されて互いに一体化される。
つまり、これら上部固着片205及び下部固着片213とホーン等の溶着装置とは、本発明の第1の組付固着手段を構成している。また、溶着後において、上部固着片205と下部固着片213とを固着する溶着装置のホーン等の器具は、特殊固着部に残ることがない。
尚、超音波溶着時において上部固着片205の上面と下部固着片213の下面との間に発生する気泡が、下部固着片213の下面中央に形成された環状の環状凹溝214内に収容されることで、所定以上の圧力を加えなくても環状の環状凹溝214の周囲における密着性が効果的に高まる。よって、上部固着片205と下部固着片213とが剥離しにくくなるとともに、上部固着片205及び下部固着片213の側面から、上部固着片205の上面と下部固着片213の下面との間に工具等を差し込まれにくくなる。
このように上部固着片205の上面と下部固着片213の下面とが融解変形して固着(溶着)されて互いに一体化されるため、両者を剥離させることが極めて困難となる。そしてこのように上部固着片205と下部固着片213とが固着されることで、下部ケース201に対する上部ケース202のスライド移動が規制されるため、下部ケース201に対する上部ケース202の係止状態を解除することができなくなる。すなわち、上部固着片205と下部固着片213との固着状態を解除しない限り、上部ケース202を開放することができない特殊封止状態が形成される。
ここで、例えば上部ケース202を下部ケース201に対して係止解除方向に強制的にスライド移動させることで上部固着片205と下部固着片213とを剥離する場合、互いの対向面同士が融解して変形していることから、上部固着片205の上面及び下部固着片213の下面双方、つまり下部ケース201及び上部ケース202双方に傷や変形痕が残ることになるため、上部ケース202が開放(開封)された可能性があることを確実に発見することができる。
また、上部固着片205と下部固着片213との対向面間の側部が保護片203により覆われていることで、上部固着片205と下部固着片213との対向面間に側方からカッター等を差し込むことも困難となるため、剥離されにくくなる。
また、上部固着片205の側方に、上下方向を向く一対の垂直片部203a、203bが配設されることで、後述するように互いに溶着された下部固着片213と上部固着片205との固着を解除するために、下部固着片213と上部固着片205とを根元で、つまり側壁202cの外面に沿って切断しようとする際に、側壁202cの外面から突設されている垂直片部203a、203bが邪魔になるため、これら保護片203により切断が困難となる。
また、上部ケース202は、位置合わせされた状態から下部ケース201に対して係止解除方向にスライド移動させなければ下部ケース201から離脱させることができない構造とされている。すなわち、下部ケース201に対する上部ケース202の離脱方向に対して略直交する方向に向けてスライド移動案内するスライド移動案内手段を備え、このスライド移動案内手段によりスライド移動案内されている状態で係止されるようになっていることで、係止状態において上部固着片205と下部固着片213とを互いに反対側に向けて引き離すように剥離することができないので、上部固着片205と下部固着片213とを剥離させることが極めて困難となる。
また、従来のように基板ケース200と同種の2つの基板ケースを入手したとしても、いずれも上部ケース202を開放する際に、下部ケース201及び上部ケース202双方に傷が残り、傷のない下部ケース201と上部ケース202とを得ることができないので、新規な基板ケース200を不正に構成することが極めて困難となる。
このように、上部固着片205と下部固着片213とが互いに溶着(固着)されることで、下部ケース201に対する上部ケース202のスライド移動が規制されることになる。すなわち、上部ケース202の一方の短辺に形成された係止片232、232が下部ケース201の係止穴211、211に係止された状態で、他方の短辺の上部固着片205と下部固着片213とが固着されることで、下部ケース201の上面が上部ケース202により閉鎖される特殊封止状態が構成される。この特殊封止状態は、上部ケース202の上部固着片205及び下部ケース201の下部固着片213の固着部双方を切断(破壊)しない限り解除することができなくなるので、上部ケース202が開放された場合にはその痕跡、つまり基板ケース200の一部が破壊された痕跡が確実に残り、これにより、基板ケース200内に収納された遊技制御基板40に対して何らかの不正行為が行われた可能性があることを発見することが可能となる。
尚、本実施例では、下部ケース201と上部ケース202とが閉鎖位置に位置合わせされたときに、上部固着片205の下面と下部固着片213の上面とが当接するようになっていたが、互いに溶着可能に配置されていれば、上部固着片205の下面と下部固着片213の上面とが互いに離間して配置されていてもよい。この場合、例えばホーンの先端に形成したボス(図示略)を上方の下部固着片213を溶解させながら下方の上部固着片205まで押し込むスポット溶着等が適用可能である。
また、上述のように下部ケース201に対してスライド移動させることで開閉可能に構成された基板ケース200においては、特に図9に示されるように、封止状態において、上部ケース202の側壁202cの下端面が、下部ケース201の底板201aの上面に当接した状態となる、つまり、側壁202cの下端面と下部ケース201の底板201aの上面との間には何ら段部等が存在しないため、工具等を差し込みやすくなる可能性があるが、遊技制御基板40の裏面における側壁202c側が基板カバー240により被覆されていることで、針金等の異物が内部に進入されても、基板カバー240が邪魔になってそれ以上針金等を進入させることが困難となり、実装面40aに対するアプローチが効果的に規制されるため、異物等を侵入させることによる不正行為を効果的に防止することができる。
次に、遊技制御基板40を封止状態とした基板ケース200を、遊技店等においてコネクタ規制部材500を取り付ける場合について説明する。
図11に示されるように、取付側部材510は、その両側片510d、510dを外方に向かって弾性変形させ、上部ケース202の段部202fに装着する。そして弾性変形を解除することで、係止片511を下部ケース201の裏面における係合溝212、212に係合させることで取り付けられる。この際、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cは、それぞれ上部ケース202の段部202f上面、凹部202hの底面に当接するとともに、基片510aに設けられた切り欠き512が、上部ケース202の凹部202hに設けられた挿通孔234aと一致し、これら切り欠き512及び挿通孔234aを介して、基板ケース200に収容された遊技制御基板40の基板側コネクタ620aが基板ケース200内から外部に露出するようになっている。
次に、取付ベース250のビス孔252を介して取付ネジ259を筐体側の壁に螺入し、取付ベース250を筐体に対して固定するとともに、固着部材255の係止部257、257を取付ベース250のガイド溝254a、254aにそれぞれ嵌入し、固着部材255を取付ベース250に対して装着する。
次に、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200を筐体内面に設けた取付ベース250に対して組み付ける状況を説明する。
詳しくは、図11に示されるように、基板ケース200の一端側に突出する係止片232、232、詳しくは、下部ケース201の係止穴211、211内に内側から挿通されて側壁201cの外側に突出した係止片232、232の先端を、それぞれ取付ベース250の係止穴266、266に挿入して係止した状態で、基板ケース200の他端側を係止片232、232側を中心として取付ベース250の底板250aに向けて回転させる。
そして、図12に示されるように、取付ベース250の側壁250b、250c、250dの内側に基板ケース200を収容させる。この状態で、下部ケース201の下部封止片215の下面に連設された円柱部215aが、取付ベース250に形成された嵌合穴260内に嵌合し、上部ケース202の上部封止片230及び下部ケース201の下部封止片215が嵌合穴260に対向して配置されるとともに、上部ケース202の4つの取付封止片231a〜231dの筒状部下端が、固着部材255の各位置決め凹部256a内に嵌合される。つまり、各取付封止片231a〜231dが各位置決め凹部256aに対向して配置される。
この状態で、いずれかの取付封止片231a〜231dの上方から、対応する固着孔256に対して前述の特殊ネジ280a〜280dを螺入することで、取付封止片231a〜231dと固着部材255とを固着(かしめ)する。
このように基板ケース200にあっては、下部ケース201と上部ケース202とを封止状態とする際に、上部ケース202を係止するための係止片232、232の先端を下部ケース201の組付係止切欠としての係止穴211、211に挿通して係止するとともに、この係止穴211、211から突出した係止片232、232を利用して、取付ベース250に形成された取付係止切欠としての係止穴266、266に挿通して係止し、この挿通係止状態を解除不能とすることで、封止状態とされた基板ケース200を取付ベース250に係止して取り付けることができるようになっている。従って、取付ベース250に係止して取り付けるための係止片を、上部ケース202と下部ケース201とを封止状態とするための係止片232、232とは別個に設ける必要がない、つまり封止と取り付けとの係止片を兼用することができるため、構造が簡素化されるとともに、製造コストが嵩むことがない。
ここで、特殊ネジ280a〜280eを用いた具体的な固着方法を説明する。図13に示すように、スクリュードライバ等の工具で上部部材284を回転させることによってネジ部283をネジ穴256に挿入させ、さらにスクリュードライバ等の工具を回転させて所定値を越える捻れ荷重を上部部材284に加えて頭部285と上部部材284との間の連結部287を切断する。よって、特殊ネジ280dによる固着を実行した場合には、上部部材284が取付封止片231dの内部空間に閉じこめられているので、キャップ290dに設けられている開口291から何らかの工具を差し込んでも、その工具は、特殊ネジ280dに到達することはできない。つまり、不正に特殊ネジ280dによる固着を解除しようとしても、固着を解除することは困難である。このことは、特殊ネジ280a〜280c,280eについても同様である。
また、固着部材255の内部において、ネジ穴256に相当する位置に穴部255bが設けられた金属製のプレート255aが埋め込まれている。穴部255bの径は、特殊ネジ280a〜280dにおけるネジ部283の径(具体的には、括れ部286の直上および直下の部分の径)、括れ部286の下端部よりもやや小さく、ネジ部283の中途に形成されている括れ部286の径とほぼ同じである。
例えば、特殊ネジ280dをネジ止めするときに、特殊ネジ280dの先端は、プレート255aにおける穴部255bを通過し、さらに、特殊ネジ280dにおけるネジ部283は、穴部255bの外周部分を下方に押しながら穴部255bを通過する。
固着部材255の内部において、プレート255aは、特殊ネジ280dの先端がネジ穴256の底部に達したときに、プレート255aにおける穴部255bが括れ部286に嵌り込むような位置に設置されている。なお、このとき、頭部285の下面は、取付封止片231dの底面に当接している。従って、特殊ネジ280dがネジ止めされたときに、括れ部286は、穴部255bに嵌り込んだ状態になる。すると、特殊ネジ280dを何らかの手段で不正に外すことがより困難になる。
つまり、特殊ネジ280d(具体的には、ネジ部283)を、ネジ止めしたときに回転させた方向と逆方向(この例では、反時計回り)に回転させても、括れ部286がプレート255aで規制されて、ネジ部283は上方向に移動できない。つまり、プレート255aは、特殊ネジ280dがネジ穴256に進入した後、ネジ穴256から離脱するような方向に移動することを規制する。
なお、ここでは、特殊ネジ280dがネジ止めされる場合について説明したが、特殊ネジ280a〜280c,280eがネジ止めされる場合も、特殊ネジ280dをネジ止めするときと同様にネジ止めされる。よって、特殊ネジ280a〜280c,280eを何らかの手段で不正に外すこともより困難になる。なお、未だ固着に使用されていない固着部(特殊ネジ280a〜280c,280e)の全体が、収納手段(取付封止片231a〜231c,231e及びキャップ290a〜290c,290e)に収納されているが、取付固着手段の先端側(この例では、ネジ部283の先端の側)の一部は、位置合わせを阻害しない限り、収納手段から突出してもよい。
また、固着部材255の内部において、ネジ穴256に相当する位置に穴部255bが設けられた金属製のプレート255aが埋め込まれている(図12および図13参照)。
取付用固着手段としての特殊ネジ280による取付状態を解除して上部ケース202を取付ベース215から取り外す場合、特殊ネジ280を反時計回りに回して取り外すことができないので、下部ケース201または上部ケース202の一部を破壊するか、あるいは、連接部270をニッパ等の工具により切断し、固着片(筒状部)に特殊ネジ280を介して固着されている取付封止片231a〜231dを上部ケース202から切り離すしかない。
破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、取付状態を解除して上部ケース202を取付ベース215から取り外した場合には、破壊または切断の痕跡が残る。図13には、連接部270を切断することによって取付封止片231dを上部ケース202から切り離したときに、連接部270の切断痕が残っている状態が示されている。
例えば不正行為によって上部ケース202が取り外された場合でも、切断痕等によって、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する遊技制御基板40等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、特殊ネジ280dによって最初に固着がなされた後、何らかの理由(例えば、基板を検査する目的)で取付封止片231dについての連接部270が切断された後、再度取付状態を実現するためには、特殊ネジ280dがネジ止めされた状態である。
また、正規の理由で取付封止片231dにおける連接部270を切断した後、3回目の特殊ネジ280cによる固着を実行した場合には、上部部材284が取付封止片231cの内部空間に閉じこめられているので、キャップ290cに設けられている開口291から何らかの工具を差し込んでも、その工具は、特殊ネジ280cに到達することはできない。つまり、不正に特殊ネジ280cによる固着を解除しようとしても、固着を解除することは困難である。このことは、特殊ネジ280a、280bについても同様である。
そして、複数のうちいずれかの取付封止片231a〜231dと固着部材255とを特殊ネジ280a〜280eにより固着することにより、基板ケース200の取付封止片231a〜231d側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動(回動)が規制されるとともに、基板ケース200の取付封止片231a〜231d側へのスライド移動も規制されるので、基板ケース200の一端側に突出する係止片232、232を取付ベース250の係止穴266、266から外すこと、つまり一辺側の係止の解除も不可能な取付状態となる。更に、この取付状態では、取付ベース250の底板250aのビス孔252は全て基板ケース200に被覆され、取付ネジへの259へのアクセスも不能となり、取付ベース250を筐体から取り外すことも不可能となる。
このようにして、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200は、取付ベース250を介して筐体に固定され、取付封止片231a〜231dまたは固着部材255を破断しなければ、基板ケース200を筐体の取付部である取付ベース215から取り外すことができない取付状態となる。この際、基板ケース200を構成する下部ケース201が、上部ケース202と取付ベース250との間に狭持された状態で、基板ケース200が取付ベース250に固着されるため、取付封止片231a〜231dまたは固着部材255を破断しなければ、下部ケース201に対して上部ケース202を開放して遊技制御基板40を取り出すことも不能化な封止状態とされていることになる。つまり、取付封止片231a〜231dと固着部材255との固着は、基板ケース200を取付ベース250に対して取り付ける取付状態と、下部ケース201と上部ケース202とを封止する封止状態と、の双方を形成する。
また、上記のような特殊ネジ280による固着は、取付封止片231a〜231dと固着部材255との固着だけでなく、上部封止片230と下部封止片231とを固着して封止状態を形成する際にも使用される。
上部封止片230と下部封止片215とを特殊ネジ280eにより固着して下部ケース201と上部ケース202とを封止状態で組み付ける場合、特に図示しないが、スクリュードライバ等の工具で、特殊ネジ上部部材284を回転させることによってネジ部283をネジ穴256に挿入させ、さらにスクリュードライバ等の工具を回転させて所定値を越える捻れ荷重を上部部材284に加えて頭部285と上部部材284との間の連結部287を切断する。よって、特殊ネジ280eによる固着を実行した場合には、上部部材284が上部封止片230の内部空間に閉じこめられているので、キャップ290eに設けられている開口291から何らかの工具を差し込んでも、その工具は、特殊ネジ280eに到達することはできない。つまり、不正に特殊ネジ280eによる固着を解除しようとしても、固着を解除することは困難となるため、下部ケース201または上部ケース202を破壊しない限り封止状態を解除することができなくなる。
また、下部封止片215の内部において、プレート255cは、特殊ネジ280eの先端がネジ穴256の底部に達したときに、プレート255cにおける穴部255bが括れ部286に嵌り込むような位置に設置されている。なお、このとき、頭部285の下面は、上部封止片230の底面に当接している。従って、特殊ネジ280eがネジ止めされたときに、括れ部286は、穴部255bに嵌り込んだ状態になる。すると、特殊ネジ280eを何らかの手段で不正に外すことがより困難になる。
つまり、特殊ネジ280e(具体的には、ネジ部283)を、ネジ止めしたときに回転させた方向と逆方向(この例では、反時計回り)に回転させても、括れ部286がプレート255cで規制されて、ネジ部283は上方向に移動できない。つまり、プレート255cは、特殊ネジ280eがネジ穴256に進入した後、ネジ穴256から離脱するような方向に移動することを規制する。
このように、これら上部封止片230、下部封止片215、特殊ネジ280eは、上部ケース202と下部ケース201とを開封不能な封止状態で組み付ける第2の組付固着手段を構成しており、下部固着片213と上部固着片205とによる特殊封止状態を解除した後、再度上部ケース202と下部ケース201とを封止状態で組み付けることが可能とされている。
また、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、図18(a)に示すように、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250bの膨出部261内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる。
次に、基板ケース200の挿通孔234a、234b及び取付側部材510における基片510aの切り欠き512を介して露呈する遊技制御基板40の基板側コネクタ620a、620bに対してケーブル600aのケーブル側コネクタ610a、ケーブル600dのケーブル側コネクタ610dをそれぞれ接続した後、これら基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610a、基板側コネクタ620dとケーブル側コネクタ610dを接続した状態で、図17に示すように、コネクタカバー520の被覆部521でケーブル側コネクタ610aの上方を被覆するとともに、コネクタカバー520の係止筒522を取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aに嵌入させる。これにより係止筒522の係合部523、523は、係止孔513aの内周に当接して内方に弾性変形する。
この際、係合部523、523は、被覆部521でケーブル側コネクタ610aを被覆する位置とすると、自ずと係止孔513aの内面に形成された係止溝514、514のうち浅溝部514a、514aに位置決めされることとなり、係止筒522を更に嵌入し、係合部523、523の先端の係止爪523a、523aが係止溝514、514の浅溝部514a、514aに到達することで、図16(a)に示すように、係合部523、523の内方への弾性変形が開放され、係止爪523a、523aがそれぞれ浅溝部514a、514aに係合し、係止筒522の上方への移動が規制されるとともに、被覆部521の側面521aと基板側コネクタ620a及びケーブル側コネクタ610aの側面とが当接して、係止筒522の係止孔部513に対する回転が規制されることにより、取付側部材510とコネクタカバー520とが連結し、一体化されたコネクタ規制部材500が形成された状態となる。この状態では、係合部523、523が係止孔部513によって被覆されるため、外部から係合部523、523を内方に弾性変形させることが不可能となり、コネクタカバー520または取付側部材510を破断しなければ、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すことが不可能となる。
また、コネクタカバー520を取付側部材510に対して取り外し不能に取り付けると、図18(a)(b)に示すように、被覆部521によってケーブル側コネクタ610aの上面の一部が被覆され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が規制されるようになっている。
このように、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除するには、取付側部材510またはコネクタカバー520を破断してコネクタカバー520を取付側部材510から取り外すか、基板ケース200の取付封止片231a〜231dまたは固着部材255を破断して、基板ケース200を取付ベース250から取り外し、コネクタカバー520が取り付けられた状態のままの取付側部材510を基板ケース200から取り外す必要がある。
例えば、ケーブル600aの故障などによりケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合には、前者の方法で取り外し、基板の故障などにより基板ケース200ごと交換する場合には、後者の方法で取り外せば良い。
まず、ケーブル600aを交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、コネクタ規制部材500を構成するコネクタカバー520を取付側部材510から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具でコネクタカバー520の被覆部521と係止筒522とを繋ぐ接続片522aを破断する。これにより被覆部521が分離するとともに、係止筒522の係止孔部513に対する回転が可能な状態となる。この状態で、係止筒522を、上面視反時計回りに回転させることで、係合部523、523が係止溝514、514の浅溝部514a、514aから深溝部514b、514bの位置に移動し、図16(a)に示すように、係止爪523a、523aが浅溝部514a、514aに係合している状態から、図16(b)に示すように、係止爪523a、523aと浅溝部514a、514aの係合が解除された状態となる。これにより、係止筒522の上方への移動が可能となり、図16(c)に示すように、係止筒522を上方に引き抜くと、係止爪523a、523aが深溝部514b、514bに係合するが、この状態では、係合部523、523が露呈するため、内方に弾性変形させることが可能となり、係合部523、523を内方に弾性変形させることにより、係止爪523a、523aと深溝部514b、514bとの係合が解除され、係止筒522を取付側部材510から取り外すことができ、これによりコネクタカバー520が取付側部材510から完全に分離し、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
尚、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すと、被覆部521と係止筒522とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
次に、基板ケース200ごと交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、取付側部材510をコネクタカバー520ごと基板ケース200から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具で固着部材255と固着されている基板ケース200の取付封止片231a〜231dを破断する。これにより、基板ケース200の取付封止片231a〜231d側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が可能となるので、係止片232、232と係止穴266との係合を解除する。これにより、基板ケース200が取付ベース250から取り外され、取付側部材510の側片510d、510dを外方に変形することが可能な状態となり、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが可能となり、これによりコネクタカバー520と一体化された状態で取付側部材510を基板ケース200から取り外すことにより、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
尚、この方法によっても取付側部材510を基板ケース200から取り外すためには、固着部材255と固着されている基板ケース200の取付封止片231a〜231dを破断する必要があり、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
また、この方法によれば、基板ケース200の取付封止片231a〜231dが破断され、固着部材255に残るが、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外せるため、交換用に遊技制御基板40が収容された新たな基板ケース200にコネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けることで、新たな基板ケース200においてケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続の解除が不能化されるとともに、新しい固着部材255を取付ベース250に装着し、コネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けた新たな基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と取付封止片231a〜231dとを固着することで、再び取付側部材510の取り外しが不可能な状態となり、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した場合には、その痕跡を残せる状態となる。すなわちこのような場合には、取付側部材510とコネクタカバー520とを再利用することが可能となる。
尚、本実施例では、取付側部材510の係止片511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付側部材510が基板ケース200に取り付けられるとともに、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる構成であるが、例えば、取付側部材の一部を基板ケース200の裏面でネジや取り外し可能な係止ピンで固定するとともに、基板ケース200を筐体(取付ベース)に取り外し不能に取り付けた際に、これらネジや係止ピンが隠蔽される構造とし、基板ケース200を筐体に対して取り付けることで、取付側部材の基板ケース200からの取り外しが規制される構成としても良く、取付側部材を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、取付側部材が基板ケース200から取り外せなくなる構成であれば、どのような構成を採っても良い。
また、本実施例では、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続をコネクタ規制部材500により規制するようになっていたが、基板側コネクタ620dとケーブル側コネクタ610dとの接続を別のコネクタ規制部材により規制するようにしてもよい。
次に、コネクタ規制部材650の詳細な構造について説明する。
図19は、コネクタ規制部材650を構成する載置台660及びカバー部材680を示す分解斜視図である。図20は、載置台660に対してカバー部材680を組み付けた状態を示す斜視図である。図21(a)は、図20のG−G断面図であり、図21(b)は、図20のH−H断面図である。
コネクタ規制部材650は、図19及び図20に示すように、前述した操作部中継基板110を載置する載置台660と、載置台660を上方から被覆するカバー部材680と、から構成され、載置台660に操作部中継基板110を収容した後、操作部中継基板110の基板側コネクタ621a、622g、622qに、それぞれに対応するケーブル600a、601g、601qのケーブル側コネクタ611a、612g、612qを接続した後、カバー部材680をケース体610に取り付けることで、基板側コネクタ621a、622g、621qからのケーブル側コネクタ611a、612g、612qの抜脱が規制される。
載置台660は、透明な合成樹脂からなり、操作部中継基板110よりも大径の略長方形状に成形されている。操作部中継基板110には、図19に示すように、基板側コネクタ621a、622a〜622c、622d〜622f、622g、622qが実装されており、載置台660の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、操作部中継基板110を載置した際に、操作部中継基板110において差し込み口が実装面と水平方向に開口する基板側コネクタ622a〜622c、622d〜622f、622g、622qが位置する部位を避けて、外方に突出するように、係止孔661bを有する係止孔部661がそれぞれ1つずつ接続片661aを介して設けられている。係止孔661bの内周面には、中心を挟んで対向する位置に中心向きの係止爪661c、661cが1対形成されている。
カバー部材680は、透明な合成樹脂からなり、載置台660とほぼ同形状に成形されており、一方の長辺側には、操作部中継基板110の基板側コネクタ621aに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部681が、他方の長辺側には、操作部中継基板110の基板側コネクタ622a〜622cに対応する位置に手前側に向かって膨出するカバー部688、基板側コネクタ622q、622g、622d〜622fに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部689がそれぞれ形成されている。
カバー部681の上面681aには、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aの長辺の長さよりも狭い、基板側コネクタ621aに接続されたケーブル600aを逃がすための切り欠き681bが外側の側面にかけて形成され、これにより、上面681aの両側端には、それぞれ被覆面681c、681が形作られる。
カバー部688には、基板側コネクタ622a〜622cに接続されたケーブル601a、601bを逃がすための切り欠き682aが形成されているとともに、カバー部689には、基板側コネクタ622qに接続されたケーブル601qを逃がすための切り欠き682b、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル601gを逃がすための切り欠き632c、基板側コネクタ622d〜fに接続されたケーブル601d〜fを逃がすための切り欠き682dがそれぞれ形成されている。特に、基板側コネクタ622q、622gに接続されたケーブル601q、601gを逃がすための切り欠き682b、682cは、ケーブル601gの長辺の長さよりも狭幅に形成されており、その両端には、カバー部689から垂下する被覆片683、683、683がそれぞれ設けられている。
また、カバー部材680の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、載置台660の係止孔部661と対応する位置に、外方に突出するように、係止孔661bの内周面とほぼ同径の係止筒684が接続片684aを介して設けられている。係止筒684の外周面には、係止孔661bの内周に設けられた1対の係止爪661cと対応する箇所にそれぞれ係止孔684aが形成されており、係止爪661cが係合できるようになっている。
次に、載置台660とカバー部材680の取付状況について説明すると、まず、図19に示すように、載置台660に操作部中継基板110を載置し、基板側コネクタ621a、622a〜622c、622d〜622f、622g、622qにそれぞれ対応するケーブル側コネクタ611a、612a〜612c、612d〜612f、612g、612qを接続する。これらケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続した後、カバー部材680を載置台660に対して取り付ける。
詳しくは、カバー部材680の係止筒634を載置台660の対応する係止孔部661の係止孔661bに嵌入する。そして係止筒634を係止孔661bに押し込むことにより、係止孔661b内の係止爪661cが係止筒684の係止孔684aに係合する。これにより、外方から係止爪661cと係止孔684aとの係合を解除することが不可能な状態となり、図20に示すように、載置台660とカバー部材680とが、係止孔部661または係止筒634を破断しなければ取り外し不能に組み付けられた状態となる。
そして、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図21(a)に示すように、操作部中継基板110の基板側コネクタ621aに接続されたケーブル側コネクタ611aの両端部上面がカバー部材680の被覆面681c、681cに被覆され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜脱が規制されるようになっている。
載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図21(b)に示すように、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gに接続されたケーブル側コネクタ612gの両端部上面、及び操作部中継基板110の基板側コネクタ622qに接続されたケーブル側コネクタ612qの両端部上面がカバー部材680の被覆片683、683、683に被覆され、ケーブル側コネクタ612gの基板側コネクタ622gからの抜き方向への移動及びケーブル側コネクタ612qの基板側コネクタ622qからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ612gの基板側コネクタ622gからの抜脱及びケーブル側コネクタ612qの基板側コネクタ622qからの抜脱が規制されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、ケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続及びケーブル側コネクタ612qと基板側コネクタ622qとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、ケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続及びケーブル側コネクタ612qと基板側コネクタ622qとの接続を解除するには、ニッパーなどの工具でカバー部材680の係止筒684を繋ぐ接続片684aを破断する。これにより、カバー部材680の本体と係止筒684とが分離して、カバー部材680を載置台660から取り外すことが可能となり、カバー部材680を載置台660から取り外すことにより、被覆面681c、681cによるケーブル側コネクタ611aの抜き方向の移動の規制が解除されるとともに、被覆片683、683、683によるケーブル側コネクタ612gの抜き方向の移動及びケーブル側コネクタ612qの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、ケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続及びケーブル側コネクタ612qと基板側コネクタ622qとの接続を解除することができるようになる。
尚、カバー部材680を載置台660から取り外すと、カバー部材680の本体と係止筒684とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないうえに、分離した係止筒684が載置台660の係止孔部661の係止孔661b内に残るため、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、ケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続及びケーブル側コネクタ612qと基板側コネクタ622qとの接続との接続を解除した痕跡が残ることとなる。
次に、本発明の変形例としての基板ケース200’について、図22及び図23に基づいて説明する。図22は、本発明の変形例としての基板ケースを示す斜視図である。図23は、(a)は下部ケースに対して上部ケースをスライドさせる状況を示す要部拡大斜視図であり、(b)は下部ケースに対して上部ケースが係止された状態を示す要部拡大斜視図である。
前記実施例の基板ケース200では、下部ケース201に対して上部ケース202をスライド移動させることで、上部ケース202の一方の側壁202dに形成された係止片232、232を、下部ケース201の側壁201cに形成された係止穴211、211に差し込むことで、特殊固着部を構成する上部固着片205、205の上面側に下部固着片213、213が対向して配置され、下部ケース201に対して上部ケース202が係止されるようになっていたが、本変形例の基板ケース200’では、下部ケース201に対して上部ケース202をスライド移動させることで、上部ケース202の側壁202b、202bそれぞれの内面における長手方向の両端部に形成される係合片710(側壁202b、202bそれぞれの内面における長手方向の一端部に形成される係合片710のみ図23(a)に図示されている)が、下部ケース201の側壁201b、201bに形成された係合溝711(側壁201b、201bそれぞれにおける長手方向の一端部に形成される係合溝711のみ図23(a)に図示されている)に係合されるとともに、上部固着片205、205が、下部固着片213、213の上面に対向して配置され、この下部固着片213、213の上面が、下部ケース201側に設けられた一対の係止爪712、712により係止されるようになっている。
このように、特殊固着部を構成する上部固着片205、205と下部固着片213、213とは、下部ケース201に対して上部ケース202が位置合わせされたときにおける上下位置関係が前記実施例の基板ケース200と反対とされてもよく、前記実施例と同様の作用・効果が得られる。
また、環状凹溝214は、上部固着片205、205と下部固着片213、213との対向面のうち少なくともいずれか一方に形成されていればよく、本変形例では、上部固着片205、205の下面に形成されている。
また、前記実施例の基板ケース200では、上部封止片230及び各取付封止片231a〜231dの上面開口を閉塞するキャップ290a〜290eが、基板ケース200とは別個に設けられていたが、本変形例では、下部ケース201に、閉鎖状態において各取付封止片231a〜231dの上面開口を閉塞する閉塞部700が一体的に形成されている。該閉塞部700は、閉鎖状態において各取付封止片231a〜231dの上面開口を閉塞する閉塞位置に配置される閉塞板700aを有し、閉塞板700aにおける各取付封止片231a〜231dの上面開口と対向する位置には、開口(操作穴)701がそれぞれ形成されている。
また、閉塞部700は、各取付封止片231a〜231dの連接部270側以外の側面を覆うように、一側方が開口する箱状に形成されているため、取付封止片231a〜231dへの不正行為等が困難とされている一方、透明な樹脂材にて取付封止片231a〜231dを透視可能に形成されていることで、取付封止片231a〜231dに対する不正行為が行われた可能性があることを目視にて確認できるようになっている。
また、基板ケース200’では、閉鎖状態において、上部封止片230が下部封止片215の下方に配置されるようになっている。また、上部封止片230の基部側には、特殊ネジ280の代わりに、従来公知のワンウェイネジ704を収納するネジ収納部703が設けられており、ワンウェイネジ704を使用しないときは、上部封止片230とは別個に設けられたネジ収納部703内に収納できるようになっている。尚、このネジ収納部703内に収納されたワンウェイネジ704は、閉鎖状態において、下部封止片215によりネジ収納部703からの逸脱が当接規制されるようになっている。
このように構成された本変形例の基板ケース200’は、前記実施例の基板ケース200と同様の作用・効果を奏する。
以上説明したように、前記実施例のスロットマシン1では、遊技の制御を行うメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電子部品がケーブルを介して接続されている。
これら電子部品と基板とを接続するケーブルは、遊技機の製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、一般的にコネクタでの接続を解除することで分離可能とされている。また、電子部品は、機種変更の際等においても交換せずに継続使用する共通部品であることからスロットマシンの本体に固設され、例えば遊技制御基板40は、故障や機種変更の際に交換されるものであるため、例えば遊技制御基板40に設けられる基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱して接続を解除することで、遊技制御基板40を本体から容易に取り出して交換できるようになっている。
しかし、このように遊技制御基板40と電子部品との配線接続をコネクタの抜脱により容易に解除できる状態のままスロットマシンをメーカーから遊技店に出荷すると、例えば遊技店において、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱し、これに替えていわゆる打ち込み器具等の不正な器具に接続されたケーブル側コネクタを基板側コネクタに容易に接続することが可能となってしまう。
打ち込み器具とは、例えば上記各種電子部品から遊技制御基板40に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板40に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。従って、例えば遊技店等において、遊技制御基板40に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱し、これに替えて打ち込み器具に接続された不正なコネクタを接続して、各種信号を適宜タイミングで遊技制御基板40に入出力して遊技を自動的に進行させることで、例えば特別役が当選した状態等を容易に設定することができる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、例えば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合、遊技の公平性が損なわれる虞があった。
これに対して本実施例では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材500及びコネクタ規制部材650によって規制するようになっている。これにより、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板40のメイン制御部41にゲームの進行に関わる不正な信号を入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、例えば、打ち込み器具などを接続して、ボーナスが当選した状態としたスロットマシンを開店時に提供するといった不正営業の実施等を効果的に防止できる。
また、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622qとケーブル601qのケーブル側コネクタ612qとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材500及びコネクタ規制部材650によって規制するようになっている。これにより、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタ同士の接続を解除することが困難となるため、前面扉2bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉2bが開放されてしまうことを効果的に防止できる。
また、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続または遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続を解除するためには、基板ケース200の取付封止片231a〜231dやコネクタカバー520の接続片522a、カバー部材680の接続片684aを破断しなければならず、これにより、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続または遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正営業や前面扉2bの開放された旨の報知がされない状態での前面扉2bの開放をより効果的に抑制することができる。
また、本実施例では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間及び遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間または遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、上記不正営業や前面扉2bの開放された旨の報知がされない状態での前面扉2bの開放をより効果的に防止できる。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力する第1の電子部品5、6、7、8、31、33L、33C、33R、35及びゲームの進行に応じて遊技制御基板40から信号が出力される第2の電子部品32L、32C、32R、34のうち、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない投入メダルセンサ31(投入メダルセンサ31からの信号が入力されなければ賭数を設定できずゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板40との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的にゲームを進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
尚、本実施例では、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しているが、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。また、本実施例のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかと遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施例では、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板40と操作部中継基板110との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
尚、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、本実施例では、遊技制御基板40と操作部中継基板110とを接続するケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続の解除、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31とを接続するケーブル601gのケーブル側コネクタ612gと操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとの接続の解除、操作部中継基板110とドア開放検出スイッチ25とを接続するケーブル601qのケーブル側コネクタ612qと操作部中継基板110の基板側コネクタ622qとの接続の解除が、1つのコネクタ規制部材650によって、同時に規制されるので、これら複数のコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、本実施例では、取付側部材510とコネクタカバー520とからなるコネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けることで、当該基板ケース200に収容された遊技制御基板の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの抜脱が規制されるとともに、この状態で基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と取付封止片231a〜231dとを固着することで、基板ケース200からのコネクタ規制部材500の取り外しが規制されることになり、基板ケース200の取付封止片231a〜231dを破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除するか、取付側部材510またはコネクタカバー520の取り付け状態を解除しなければ、基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを抜脱できない状態となる。すなわち取付封止片231a〜231dの破断、または接続片522aの破断という痕跡を残さなければケーブル側コネクタ610aを抜脱することができない状態となり、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続したり、コネクタの接続解除することができなくなるため、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
また、故障などにより遊技制御基板40を収容した基板ケース200ごと遊技制御基板40を交換する場合には、取付封止片231a〜231dを破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除すれば、コネクタ規制部材500を基板ケース200から取り外してケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから抜脱可能となるため、無駄にコネクタ規制部材500を破壊したり、基板ケース200を破壊して開封することなく基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを分離させることができる。
また、コネクタ規制部材500を取付側部材510とコネクタカバー520とから構成し、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっており、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続した後、基板側コネクタ620aの周辺に位置する取付側部材510の係止孔部513の係止孔513aにコネクタカバー520の係止筒522を嵌入し、コネクタカバー520を取付側部材510に取り付けるのみで、コネクタカバー520によりケーブル側コネクタ610aの一部が被服され、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を軽減できる。
また、遊技制御基板40が基板ケース200に収容された状態であっても、そのままの状態でケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その後コネクタカバー520を取り付けるのみで良く、このような場合には、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を一層効果的に軽減できる。
また、コネクタカバー520は、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分全体を被覆するのではなく、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向側の一部のみを被覆する構成であるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制できるばかりでなく、コネクタカバー520の製造に必要な材料が少なく済む。
また、コネクタカバー520は、取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられるので、コネクタカバー520及び取付側部材510の構造を簡素化できることから好ましいが、コネクタカバー520に係止筒522を複数箇所設けるとともに、取付側部材510にもそれぞれ対応する箇所に係止孔513aを設け、コネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けるようにしても良く、このようにすることで、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱をより強固に規制することができる。更にこの場合には、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分を跨ぐ複数箇所でコネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けることが好ましく、このようにすれば、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を更に強固に規制することができる。
また、コネクタカバー520が取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられるが、コネクタカバー520の一方の側壁には、取付側部材510の基片510aの表面に当接するリブ521b、521bが形成されており、コネクタカバー520の移動が規制されるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制することができる。
また、取付側部材510の基片510aから延設される両端部には、内向きの係止片511、511がそれぞれ形成されており、係止片511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200に組み付けて基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付側部材510が基板ケース200に取り付けられるようになっているため、コネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けるにあたり、ネジやピンなどの他の部材を用いることなく取り付けることができるので、部品点数を削減できる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510を基板ケース200に取り付けた際に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース202における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっており、コネクタ規制部材500と基板ケース200の表面との間に不正部品などが取り付けられることを効果的に防止することができる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510及びコネクタカバー520は、ともに透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、遊技制御基板40の監視に支障をきたすことがない。また、コネクタ規制部材500と基板ケース200との隙間に不正部品が取り付けられた場合でも容易に発見することが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例では、下部ケース201の下部固着片213、213と上部ケース202の上部固着片205、205または上部封止片230と下部封止片215とを固着(溶着)することで、上部ケース202と下部ケース201との開放を不能化するとともに、上部ケース202の上部固着片230または取付封止片231a〜231dと下部ケース201の固着部材255とを固着することで、基板ケース200のスロットマシン本体からの取り外しを不能化するようになっている。すなわち上部ケース202と下部ケース201との開放を不能化するための組付固着手段と、基板ケース200のスロットマシン本体からの取り外しを不能化するための取付固着手段と、を別個に有しているが、上部ケース202の上部固着片230または取付封止片231a〜231dと下部ケース201の固着部材255とは、互いに固着されることで、上部ケース202と下部ケース201との開放が不能化され、かつ基板ケース200のスロットマシン本体からの取り外しが不能化される構成、すなわち共通の固着手段で上部ケース202と下部ケース201との開放が不能化され、かつ基板ケース200のスロットマシン本体からの取り外しが不能化される。
従って、例えば、取付封止片231a〜231dのみを有し、取付封止片231a〜231dと固着部材255とを固着することで上部ケース202と下部ケース201との開放が不能化され、かつ基板ケース200のスロットマシン本体からの取り外しが不能化される構成としても良い。
前記実施例では、下部ケース201の下部固着片213と上部ケースの上部固着片205は、互いに板状に形成されていたが、下部ケース201と上部ケース202とが閉鎖位置に位置合わせされたときに互いに対向する対向面を有していれば、その形状は板状のものに限定されるものではない。
また、下部ケース201の下部固着片213と上部ケースの上部固着片205は熱可塑性樹脂にて構成されていたが、溶着可能な材質であれば、熱可塑性樹脂に限定されるものではない。
前記実施例では、下部ケース201と上部ケース202とを封止状態とするための固着部としての、下部ケース201の下部固着片213と上部ケースの上部固着片205とは、溶着により固着(かしめ)されていたが、封止状態を解除する際に、下部ケース201及び上部ケース202双方に破壊された痕跡が残りうるようになっていれば、特殊ネジ280a、ワンウェイネジや係止ピン等の固着部材や、接着剤等の固着部材を介して固着されるようにしてもよい。
また、基板ケース200を取付ベース250に固着して取り付ける取付固着手段として、取付封止片231a〜231dと固着部材255とを、これら部位とは別個に設けられた固着部材である特殊ネジ280a〜280eを介して固着して取り付けていたが、取付封止片231a〜231dと固着部材255との対向面を、溶着や接着剤等により固着してもよい。
前記実施例では、基板カバー240は、遊技制御基板40の裏面における固着部側の端部側のみを被覆可能に配置されていたが、下部ケース201に対して上部ケース202を係止した閉鎖状態において、下部ケース201と上部ケース202との対向面が外方に露呈される箇所、つまり遊技制御基板40の裏面における、下部ケース201の側壁がない開口部側近傍を被覆可能に配置されれば、必ずしも下部ケース201と上部ケース202との固着部側に配置されていなくてもよい。
前記実施例では、コネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けることによるコネクタの抜脱を規制する方法を、遊技制御基板40と操作部中継基板110とを接続するケーブル600a及び遊技制御基板40と演出中継基板80とを接続するケーブル600dと、遊技制御基板40とのコネクタ接続に適用しているが、その他のコネクタ接続に適用しても良い。
前記実施例では、コネクタ同士の接続の解除を規制する方法について説明しているが、例えば、投入メダルセンサ31やスタートスイッチ7などのゲームの進行上必要な信号の入出力を行う電子部品と、これら電子部品とケーブルとの接続箇所に対して、外部からアクセス不能に被覆する被覆部材を取り付けることが好ましく、このようにすることで、ゲームの進行上必要な信号の入出力を行う電子部品とケーブルとの接続箇所に対して打ち込み器具などの不正器具が取り付けられてしまうことを防止できる。また、これら電子部品とケーブルとの接続箇所を被覆する被覆部材を取り外した際に、その痕跡が残る構造(被覆部材の一部を破壊しなければ取り外せない構造など)とすることが好ましく、このようにすることで、不正器具が取り付けられた痕跡を残すことが可能となり、事後に不正行為があった可能性を把握できる。
前記実施例では、コネクタ規制部材500を基板ケース200と別体に構成し、基板ケース200を取付ベース250から取り外すことで、基板ケース200からコネクタ規制部材500を取り外し、コネクタの抜脱の規制を解除できるようになっているが、例えば、コネクタ規制部材500を一度基板ケース200に取り付けた場合には、基板ケース200またはコネクタ規制部材500の一部を破壊しなければ、コネクタ規制部材500を基板ケース200から取り外してコネクタの抜脱の規制を解除できないようにしても良い。
前記実施例では、コネクタ規制部材500を取付側部材510とコネクタカバー520とから構成し、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付けた後、基板側コネクタにケーブル側コネクタを接続した状態で、コネクタカバー520を取付側部材510に装着することで、コネクタの抜脱が規制されるようになっているが、基板側コネクタにケーブル側コネクタを接続した状態で、最初から一体化されたコネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けることでコネクタの抜脱が規制されるようにしても良い。
前記実施例では、基板ケースに収容された基板の基板側コネクタとケーブル側コネクタの接続の解除を規制する方法として、コネクタ規制部材500を用いた例を説明したが、他の方法であっても良い。
前記実施例では、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース202の封止や、基板ケース200の取付ベース250に対する固着を特殊ネジ280a〜280eを用いて行っているが、ワンウェイネジや、一度取り付けると取り外し不可となる係止ピンを用いるなど、他の部材を用いて行っても良い。
前記実施例では、回路基板の一例としての遊技制御基板40を収納する下部ケース201と上部ケース202とを開放不能な封止状態とすることができるとともに、取付ベース215に対して取り外し不能な取付状態とすることができる基板ケース200について説明したが、遊技制御基板40以外の演出制御基板90等をこのような基板ケース200に収納してスロットマシン1に取り付けるようにしてもよい。
前記実施例では、上部ケース202の係止片232を下部ケース201に挿通して係止するための組付係止切欠として係止穴211が適用され、また、上部ケース202の係止片232を取付ベース215に挿通して係止するための取付係止切欠として係止穴266が適用されていたが、これら組付係止切欠や取付係止切欠は、上部ケース202の係止片232を挿通して係止できる係止部であれば、上記実施例のような係止穴でもよいし、あるいは切欠溝等であってもよい。
前記実施例では、遊技機の一例としてスロットマシン1が適用されていたが、パチンコ遊技機等の他の遊技機であってもよい。