本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、本発明の遊技機の一例であるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aを正面から見て左側の前端辺に回動自在に枢支され、該筐体1aの前面開口を開閉可能な前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「網チェリー」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス)の場合には1、リプレイタイム(以下、RTと略称する)では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図3参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
また、筐体1aを構成する背板1cの内面上部には、後述する遊技制御基板40が収容された基板ケース200が、遊技制御基板40の電子部品の実装面40aの裏面40b側が視認不可となる第1の回動規制位置A(第1の位置)と、遊技制御基板40の裏面40b側が視認可能となる第2の回動規制位置B(第2の位置)と、の間で回動可能に設けられている(図22参照)。尚、基板ケース200の詳細な構造については後述することとする。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス)では1枚、通常遊技状態では3枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路等の電子部品が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1では、前述のように遊技の制御を行うメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、図4に示すように、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電気部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
具体的には、図4に示すように、スタートスイッチ7は遊技制御基板40と配線接続され、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34b及び払出センサ34cは、電源基板101を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は、演出中継基板80を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板101、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電気部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電気部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
このようにスタートスイッチ7を除く各種電気部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施例では、筐体1a)所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電気部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電気部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電気部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電気部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電気部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電気部品は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電気部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電気部品と、からなる。
遊技用電気部品と基板とはケーブルを介して接続されており、遊技用電気部品と基板とを接続するケーブルは、スロットマシンの製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、コネクタ同士の接続を解除することで分離可能とされている。また、これら遊技用電気部品は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電気部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電気部品や演出制御基板90との接続を解除する必要があるため、これら基板同士及び基板と遊技用電気部品とを接続するケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱して接続を解除することで、遊技制御基板40を本体から容易に取り出して交換できるようになっている。
しかし、このように遊技制御基板40と遊技用電気部品との配線接続をコネクタの抜脱により容易に解除できる状態のままスロットマシンをメーカーから遊技店に出荷すると、例えば遊技店において、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱し、これに替えていわゆる打ち込み器具等の不正な器具に接続されたケーブル側コネクタを基板側コネクタに容易に接続することが可能となってしまう。
打ち込み器具とは、例えば遊技用電気部品から遊技制御基板40に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板40に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。従って、例えば遊技店等において、遊技制御基板40に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱し、これに替えて打ち込み器具に接続された不正なコネクタを接続して、各種信号を適宜タイミングで遊技制御基板40に入出力して遊技を自動的に進行させることで、例えば特別役が当選した状態等を容易に設定することができる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン、さらにはRB、BBのうちより有利度の高いBBが当選している可能性が高い状態に設定したスロットマシンを、例えば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合、遊技の公平性が損なわれる虞がある。
このため本実施例では、前述したように、遊技用電気部品のうちスタートスイッチ7のみを遊技制御基板40に直接配線接続するとともに、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620bとケーブル600bのケーブル側コネクタ610bとの接続及びスタートスイッチ7の部品側コネクタ640bとケーブル側コネクタ630bとの接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650によって規制できるようになっている。
ここで、基板側コネクタ620bとケーブル600bのケーブル側コネクタ610bとの接続の解除を規制するコネクタ規制部材650は、例えば図5に示すように、一面が開口する箱形状に形成された本体部650aと、該本体部650aの側部に一体的に設けられ、下端外周に係合穴650cが形成された円筒状の取付部650bと、から構成され、基板側コネクタ620bに接続されたケーブル側コネクタ610bの上方から本体部650aで覆った状態で、取付部650bを後述する上部ケース202の係合筒237内に嵌合することで、該係合筒237内に設けられた弾性爪237aが係合穴650cに係合されて上部ケース202に取り付けられるようになっている。
このようにコネクタ規制部材650の取付部650bを係合筒237に嵌合することで、その内部で弾性爪237aが係合穴650cに係合され、これにより係合部を破壊しない限り係合状態を外部から解除することができなくなるので、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続を解除するためには、解除規制部位を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続が解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正営業をより効果的に抑制することができる。
尚、スタートスイッチ7の部品側コネクタ640bとケーブル側コネクタ630bとの接続の解除を規制するコネクタ規制部材650は特に図示しないが、接続の解除に関連する所定の解除規制部位を破壊しない限り取り外すことができないものであればよい。
尚、本実施例では、遊技制御基板40とスタートスイッチ7とは中継基板を経由することなく接続され、コネクタ接続を遊技制御基板40及び電気部品(スタートスイッチ7)側でのみ行えば済むため、配線接続が簡素化されているが、1つまたは複数の中継基板を経由して接続される場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、上記不正営業をより効果的に防止できる。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力する第1の電気部品5、6、7、8、31、33L、33C、33R、35及びゲームの進行に応じて遊技制御基板40から信号が出力される第2の電気部品32L、32C、32R、34のうち、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができないスタートスイッチ7(スタートスイッチ7からの信号が入力されなければゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電気部品と遊技制御基板40との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的に進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しているが、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。また、本実施例のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかと遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25がケーブルを介して遊技制御基板40と接続されているが、ドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されると、前面扉1bが開放された際に、その旨を遊技制御基板に搭載されたメイン制御部41が検出することができず、ドア開放報知やドア開放信号の出力が行われなくなるため、前面扉1bが開放されて不正行為がなされてもその発見が遅れてしまう虞があるため、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続にコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよく、このようにすることで、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタ同士の接続を解除することが困難となるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことを効果的に防止できる。
また、本実施例では、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われるスタートスイッチ7を除く複数の電気部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板40と操作部中継基板110との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
尚、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電気部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。これら外部出力信号は、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板(図示略)を介してホールコンピュータ(図示略)などのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB中の旨を示すBB中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインCPU41aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、ビッグボーナス中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(ビッグボーナス中であればビッグボーナス中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナス終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数(後述する判定値加算用乱数、初期値変更用乱数)等、設定変更前にも初期化されないデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がONの状態での起動時、ビッグボーナス終了時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、特別ワーク、非保存ワーク及び使用中スタック領域以外の領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、ビッグボーナス終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定変更状態終了時の初期化では、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)(ビッグボーナス(以下ではBBと称す))、RT(0)〜(6)があり、このうちRB(BB)では賭数の規定数として1が定められており、RT(0)〜(6)では賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRB(BB)であれば、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、RT(0)〜(6)であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLが有効化されるようになっており、RB(BB)では賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることなり、RT(0)〜(4)では賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
本実施例では、遊技状態が、RT(0)(1)(特別役の非持越中)であるか、RT(2)(4)(5)(特別役の非持越中)であるか、RT(3)(特別役の非持越中)であるか、RT(6)(特別役の持越中)であるか、RB(BB)であるか、によって内部抽選の対象となる役が異なる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役をいずれかの入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役がいずれの入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も入賞ライン上に揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、いずれかの入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。
尚、本実施例では、特別役と小役が同時に当選している場合に、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる構成であるが、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる構成としても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と再遊技役が同時に当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
本実施例においてメインCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブCPU91aは、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
次に、遊技制御基板40を収納する基板ケース200の構造及び基板ケース200の筐体1aに対する取付構造について説明する。尚、以下の説明においては、図2に示すように筐体1aの背板1cに取り付けられた状態の基板ケース200を筐体1aの正面から見た場合を基準として、基板ケース200の上下、左右、前後方向を示すものとする。
図5に示すように、遊技制御基板40が収容された基板ケース200は、筐体1aの背板1c内面上部に取り付けられる固定ベース301及び係止部材303と、固定ベース301に回動可能に支持される可動ベース302と、から主に構成されるケース支持装置300における可動ベース302の前面側に取り付けることにより、背板1cの内面上部に、上下方向を向く軸周りに回動可能に取り付けられる。
(基板ケース)
基板ケース200は、図6に示すように、回路基板の一例である遊技制御基板40の裏面(他面)40b側を覆う基体としての下部ケース201と、遊技制御基板40の実装面(一面)40a側を覆う蓋体としての上部ケース202と、から構成され、遊技制御基板40を挟持するように組み付けられるものである。尚、遊技制御基板40の実装面40aには、特に詳細な図示はしないが、CPU41a、ROM41b、RAM41c等の電子素子や、他の基板からのケーブルの一端に設けられたケーブル側コネクタ等が接続される基板側コネクタ620a〜620d等が多数実装されている。
下部ケース201は、図6及び図7に示すように、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aを有し、該底板201aの上下長辺には、前向きに立設された一対の側壁201b,201bがそれぞれ長手方向に沿って延設されている。側壁201b,201bには、上部ケース202に設けられた後述する係合片220が摺動自在に挿通される係合溝250が、長手方向の中央及び左右位置にそれぞれ形成されている。これら係合溝250は、側面視略L字形に形成され、その上端は側壁201bの上端にて上方に開放され、後述するように各係止片203,203を上方から挿通し、底板201aに沿って右側に移動させることで、上部ケース202を封止位置に係止できるようになっている。
また、各側壁201b,201bの外面下部位置には、上部ケース202の下端が当接する当接片204,204が長手方向に沿って延設されているとともに、各側壁201b,201bの内側近傍位置には、遊技制御基板40の裏面40bの上下辺部を当接支持する支持片205,205が側壁201b,201bに沿って延設されている。
下部ケース201の左側の短辺201cには、後述する上部ケース202に形成される挿通穴222,222に挿通可能な係止片203,203が、長手方向の両側からそれぞれ外向きに突設されている。また、短辺201cに対向する短辺201dの中央部には、底板201aの一部を前面側に向けて隆起させてなる隆起部206が形成されており、該隆起部206の上面には下固着部207が形成されている。この下固着部207は、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされたときに後述する上部ケース202の上固着片223の上面側に対向するようになっている。尚、下固着部207の下面には凹溝(図示略)が凹設され、上固着片223との溶着時において発生する気泡を収容可能とされている。また、下固着部207の右側端部には、上部ケース202の上固着片223の右端部を当接規制するフック状の規制片208が形成されている。
短辺201dにおける隆起部206上側方部には、後述する閉鎖ネジ226が取り付けられるネジ孔209が設けられており、隆起部206下側方部には、後述するワンウェイネジ240cが取り付けられるネジ孔210が設けられた予備用封止片211が外向きに突設されている。
上部ケース202は、図6及び図8に示すように、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、中央が外向きに膨出する略長方形状の上面板202aと、該上面板202aの長辺に沿って後向きに立設された一対の側壁202b,202bと、短辺に沿って後向きに立設された一対の側壁202c,202dとにより、後面側が開放するとともに、下長辺側に横長の凹部202eが形成された凸型の箱状に成形されている。側壁202b,202bの内面における中央位置及び左右側には、下部ケース201の係合溝250に係合可能な係合片220(図6参照)が内向きに突設されている。尚、上面板202aの角部(実装面40aに搭載されたメインCPU41aやROM41b等から極力離れた位置)には放熱用の小孔202fが複数形成されている。
上部ケース202の一方の短辺の側壁202c外面の長手方向の両端部には、後述する回動軸333に当接し、該回動軸333の軸支溝320からの離脱を規制するとともに、回動軸333を前面側から被覆可能な一対の板状片221,221が外向きに突設されているとともに、その後面側には、下部ケース201の係止片203,203が挿通可能な挿通穴222,222が形成されている。
他方の短辺の側壁202dの長手方向の中央部には、板状の上固着片223が外向きに延設され、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされたときに、下部ケース201の下固着部207の上面側に対向するとともに、上固着片223の右端部が規制片208に当接して移動規制されるようになっている。
側壁202dの長手方向の上側方位置には、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされたときに、下部ケース201のネジ孔209の前面側に対向して配置される封印板224が形成されている。封印板224の前面は、封印シール225(図6参照)を貼着可能な平坦状の封印シール貼着面とされているとともに、ネジ孔209に対向する位置には、閉鎖ネジ226(図6参照)を取り付け可能な取付穴227が底面に形成された有底円筒状の凹部227aが形成されており、該凹部227a内に閉鎖ネジ226の頭部を収容できるようになっている。
側壁202dの長手方向の下側方位置には、取付封止片230、予備取付封止片231、予備用封止片232がそれぞれ側壁202dの外面から外向きに突設されている。取付封止片230及び予備取付封止片231は、後述する可動ベース302に基板ケース200を設置したときに、該可動ベース302に取り付けられる後述する取付台座315に対向する位置に設けられている。予備用封止片232は、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされたときに、下部ケース201の予備用封止片211に対向する位置に設けられている。
取付封止片230、予備取付封止片231、予備用封止片232は、特に図10(a)に示すように、後述するワンウェイネジ240a〜240cを収容可能な筒状部と、筒状部と側壁202dとを連接する切断片(上部ケース202の一部)233とで構成されている。そして、切断片233を介して筒状部が側壁202dから所定距離離間した状態で配置されている。よって、切断片233は、ニッパ等の工具で切断(破壊)できるとともに、上部ケース202の一側縁である側壁202dの外面から外方に向けて複数突設され、各切断片233の先端に筒状部である取付封止片230、予備取付封止片231、予備用封止片232が設けられている。
取付封止片230、予備取付封止片231、予備用封止片232の筒状部は、上面が開口する有底四角筒状に形成され、内部にワンウェイネジ240a〜240cを収納可能な大きさを有し、ワンウェイネジ240a〜240cの上部を収納可能な大きさに形成されているとともに、底部には、ワンウェイネジ240a〜240cの頭部の直径よりも小径の取付孔234、235が形成されている。取付孔234は、封止状態において、ネジ孔210の対向位置に配置される。取付孔235,235は、後述する取付状態において、取付穴316a,316bの対向位置に配置される。
また、凹部202eには、当該上部ケース202の裏面側に取り付けられる遊技制御基板40に設けられた複数の基板側コネクタ620それぞれを外方に挿通するためのコネクタ用開口236a〜236gがそれぞれ形成されている。また、前述したスタートスイッチ7が接続される基板側コネクタ620bに対応するコネクタ用開口236cの側部には、前述したコネクタ規制部材650のネジ取付部650bの一部が嵌合可能に形成され、ネジ取付部650bの外周に設けられた係合穴650c(図5参照)に係合する弾性爪237aが内部に形成された係合筒237が突設されている。
尚、特に図示はしないが、取付封止片230、予備取付封止片231、予備用封止片232の上面にはキャップが装着可能とされており、例えばキャップと各封止片230〜232とを接着剤で接着したり、各筒状部の内面上端に形成した段部に係止することによって、キャップにより各封止片230〜232の上面開口を閉塞してもよい。
また、上部ケース202の裏面側には、図6に示すように、遊技制御基板40が、4つの取付ネジ238によって四隅を止着することにより取り付けられる。遊技制御基板40は、電子部品等が実装(搭載)される実装面40a(搭載面)を上部ケース202の裏面に対向させた状態で、上部ケース202の裏面側に取り付けられ、取り付けられた状態において、実装面40aの裏面40bが側壁202b〜202dの下端よりも上方に位置するように収容される。
(基板ケースの封止)
次に、下部ケース201と上部ケース202との封止状況について説明する。
まず、図6に示されるように、上部ケース202の裏面側に取付ネジ238を介して遊技制御基板40を取り付ける。この際、遊技制御基板40の実装面40aを上部ケース202の裏面に対向させた状態で、遊技制御基板40を上部ケース202内に嵌め込んで位置決めし、遊技制御基板40の四隅に取付ネジ238を取り付け、上部ケース202のネジ穴(図示略)に取り付ける。
このように、上部ケース202の裏面側に、実装面40aが被覆されるように遊技制御基板40を取り付けた状態で収容することで、万が一上部ケース202が不正に開放された場合でも、上部ケース202から遊技制御基板40を取り外さない限り、実装面40aに実装されたメインCPU41aやROM41b等の電子部品に不正行為を施すことができなくなるので、手間がかかるようになる。
次いで、上部ケース202の裏面側に取り付けられた遊技制御基板40裏面40bを下部ケース201の底板201a上面と対向させ、下部ケース201の短辺201cから上部ケース202の側壁202cがはみ出すように上部ケース202を下部ケース201に近接し、上部ケース202の各係合片220を下部ケース201の各係合溝250の開放端部から挿通する。このとき、上部ケース202の側壁202cにより下部ケース201の側壁201bの外面が覆われる。そしてこの状態で、上部ケース202を右側に向けて長手方向(図6中右側に向けて)にスライドさせる。
そして、各係合片220が各係合溝250の端部に当接するとともに、上固着片223の右端部が規制片208に当接してスライド移動が規制されると、左側の短辺では、下部ケース201の係止片203,203が上部ケース挿通穴222,222内に挿通される。このように、各係合片220が各係合溝250に係合され、上固着片223の右端部が規制片208に係止され、係止片203,203が上部ケース挿通穴222,222内に挿通されることで、下部ケース201に対する上部ケース202の位置が決定し、下部ケース201と上部ケース202とが位置合わせされた閉鎖状態(係止状態)となり、後述する封止が可能な状態となる(図9及び図10参照)。
このように本実施例の基板ケース200は、下部ケース201の底板201aに沿って上部ケース202をスライド移動させなければ、下部ケース201に対して上部ケース202を係止または係止状態を解除することができず、係止作用により下部ケース201からの上部ケース202の離脱、つまり浮き上がりが効果的に規制される。
また、位置合わせされた状態において、予備用封止片232の取付孔234がネジ孔210の対向位置に配置されるとともに、取付穴227がネジ孔209の対向位置に配置され、また、上固着片223が下固着部207の対向位置に配置される(図10(a)参照)。
ここで、例えばメーカー等により、遊技制御基板40を基板ケース200内に収納して遊技店等に出荷する際等においては、特殊固着部である上固着片223と下固着部207とを固着(かしめ)するとともに、取付穴227に取り付けた閉鎖ネジ226をネジ孔209に螺入した後、封印板224の上面から下部ケース201の下面にかけて封印シール225を貼着するとともに、装着した封印シール225を覆うように、合成樹脂材からなるコ字形のシール保護カバー228を上部ケース202と下部ケース201とを挟み込むように装着して特殊封止状態としてから出荷する。
具体的には、上固着片223と下固着部207とを図示しない溶着装置を用いて超音波溶着する。図10(a)に示すように、上固着片223の下面側に下固着部207が配置された状態において、上固着片223の平坦状の下面と、下固着部207の平坦状の下面とが互いに対向して当接する。この状態で、下固着部207を図示しない溶着装置のベース上に載置した状態で、図示しないホーン等の器具により上固着片223を上面から押圧して超音波振動させる。これにより、互いに当接している上固着片223の平坦状の下面と下固着部207の平坦状の下面とが融解変形した後に硬化することで、対向面が溶着されて互いに一体化される。また、溶着後において、上固着片223と下固着部207とを固着する溶着装置のホーン等の器具は、特殊固着部に残ることがない。
尚、超音波溶着時において上固着片223の下面と下固着部207の上面との間に発生する気泡が、下固着片213の上面に形成された凹溝内に収容されることで、所定以上の圧力を加えなくても環状の凹溝の周囲における密着性が効果的に高まる。よって、上固着片223と下固着部207とが剥離しにくくなるとともに、上固着片223及び下固着部207の側面から上固着片223の下面と下固着部207の上面との間に工具等を差し込まれにくくなる。
このように上固着片223の下面と下固着部207の上面とが融解変形して固着(溶着)されて互いに一体化されるため、両者を剥離させることが極めて困難となる。そしてこのように上固着片223の下面と下固着部207の上面とが固着されることで、下部ケース201に対する上部ケース202のスライド移動が規制されるため、下部ケース201に対する上部ケース202の係止状態を解除することができなくなる。すなわち、上固着片223の下面と下固着部207の上面との固着状態を解除しない限り、上部ケース202を開放することができない特殊封止状態が形成される。
ここで、例えば上部ケース202を下部ケース201に対して係止解除方向に強制的にスライド移動させることで上固着片223と下固着部207とを剥離する場合、互いの対向面同士が融解して変形していることから、上固着片223及び下固着部207双方、つまり下部ケース201及び上部ケース202双方に傷や変形痕が残ることになるため、上部ケース202が開放(開封)された可能性があることを確実に発見することができる。
また、図10(a)に示すように、上固着片223と下固着部207との対向面間の側部が壁部及び規制片208により覆われていることで、上固着片223と下固着部207との対向面間に側方からカッター等を差し込むことも困難となるため、剥離されにくくなる。
さらに、取付穴227に取り付けた閉鎖ネジ226をネジ孔209に螺入した後、封印板224の上面から下部ケース201に跨るように封印シール225を貼着することで、閉鎖ネジ226及び凹部227aの上面開口が封印シール225により隠蔽される。尚、封印シール225は、特殊印刷が施されているとともに、一度被貼着面に貼着すると剥離する際に破れるまたは粘着部の一部が被貼着面に残る高粘着特殊シールとされている。つまり、閉鎖ネジ226及び凹部227aの上面開口の位置を特定しにくいだけでなく、閉鎖ネジ226にアプローチできなくなるため、閉鎖ネジ226を取り外すためには封印シール225を剥離するか破損させなければならず、これにより確実に痕跡が残ることになる。
また、図6に示すように、この封印シール225には、該封印シールを各々識別可能なシール識別情報(シールID)が記録されたICタグ225aが設けられており、メーカーや遊技店等において、このシール識別情報と遊技制御基板40を各々識別可能な基板識別情報(基板ID)とを対応付けて管理可能とされているため、封印シール225が剥離されて不正な封印シールが貼付されたとしても、ICタグに記録されたシール識別情報を読取装置にて読み取ってデータベース等に登録されているシール識別情報と照合することで、不正行為が行われた可能性があることを特定できるようになっている。
さらにこのICタグ225aは、封印シール225を貼着する際において下部ケース201と上部ケース202との分離部に跨る位置に設けられ、これにより下部ケース201に対して上部ケース202を不正に開放したときにICタグ225aが破壊されやすくなっているため、封印シール225からICタグ225aを取り出し、不正に製造された封印シールに貼付して使用されることが防止されている。
また、図6に示すように、このように貼着された封印シール225の外面に、シール保護カバー228を装着して全体を被覆することにより、封印シール225に触れることを困難としているとともに、シール保護カバー228は、上部ケース202及び下部ケース201に形成された複数の係合部(図示略)に係合可能な係合凹部228aが内面に形成されていることで、一度装着した後は簡単に取り外すことができない。このように上部ケース202を不正に開放する際に時間がかかるようにすることで、不正行為を行うことを極力困難としている。
また、上部ケース202は、位置合わせされた状態から下部ケース201に対して係止解除方向にスライド移動させなければ下部ケース201から離脱させることができない構造とされている。すなわち、下部ケース201に対する上部ケース202の離脱方向に対して略直交する方向に向けてスライド移動案内するスライド移動案内手段を備え、このスライド移動案内手段によりスライド移動案内されている状態で係止されるようになっていることで、係止状態において上固着片223と下固着部207とを互いに反対側に向けて引き離すように剥離することができないので、上固着片223と下固着部207とを剥離させることが極めて困難となる。
また、従来のように基板ケース200と同種の2つの基板ケースを入手したとしても、いずれも上部ケース202を開放する際に、下部ケース201及び上部ケース202双方に傷が残り、傷のない下部ケース201と上部ケース202とを得ることができないので、新規な基板ケース200を不正に構成することが極めて困難となる。
このように、上固着片223と下固着部207とが互いに溶着(固着)されることで、下部ケース201に対する上部ケース202のスライド移動が規制されることになる。すなわち、下部ケース201の一方の短辺に形成された係止片203,203が上部ケース202の挿通穴222,222に係止された状態で、他方の短辺の上固着片223と下固着部207とが固着されることで、下部ケース201の上面が上部ケース202により閉鎖される特殊封止状態が構成される。この特殊封止状態は、上部ケース202の上固着片223及び下部ケース201の下固着部207の固着部双方を切断(破壊)しない限り解除することができなくなるので、上部ケース202が開放された場合にはその痕跡、つまり基板ケース200の一部が破壊された痕跡が確実に残り、これにより、基板ケース200内に収納された遊技制御基板40に対して何らかの不正行為が行われた可能性があることを発見することが可能となる。
尚、本実施例では、下部ケース201と上部ケース202とが閉鎖位置に位置合わせされたときに、上固着片223の上面と下固着部207の下面とが当接するようになっていたが、互いに溶着可能に配置されていれば、上固着片223の上面と下固着部207の下面とが互いに離間して配置されていてもよい。この場合、例えばホーンの先端に形成したボス(図示略)を下方の下固着部207を溶解させながら上方の上固着片223まで押し込むスポット溶着等が適用可能である。
次に、ケース支持装置300の構成について、図6及び図11〜図16に基づいて説明する。
(ケース支持装置)
ケース支持装置300は、図6に示すように、筐体1aの背板1c内面上部に取り付けられる固定ベース301と、固定ベース301の右側方に取り付けられる係止部材303と、固定ベース301に回動可能に支持される可動ベース302と、から主に構成される。可動ベース302は、前面側に基板ケース200が取り付けられるとともに、固定ベース301に対して上下方向を向く回動軸周りに回動可能に支持されている。
そして可動ベース302の前面側に基板ケース200を取り付けることにより、基板ケース200が、遊技制御基板40の裏面40b側が背板1cに対向配置されて視認不可となる第1の回動規制位置A(第1の位置)と、遊技制御基板40の裏面40b側が視認可能となる第2の回動規制位置B(第2の位置)と、の間で回動可能となるように、背板1c内面上部にて支持される(図20(a)参照)ため、基板ケース200を背板1cに取り付けた状態でも、基板ケース200に収容された遊技制御基板40の実装面40a及び裏面40bを、透明な基板ケース200及び可動ベース302を通して視認できるようになっている。
図11に示すように、可動ベース302は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、略長方形状の底板310aを有し、該底板310aの上下長辺には、前向きに立設された一対の側壁310b,310bがそれぞれ長手方向に延設され、左側短辺部の長手方向両側には短辺の側壁310c,310cが側壁310b,310bの端部から連設され、右側短辺部には短辺の側壁310dが長手方向に延設されている。
上方の側壁310bの右側端部には、底板310aの前面側に取り付けられる基板ケース200における上部ケース202の所定箇所を係止可能な弾性係止爪311が内向きに形成されており、基板ケース200を係止できるようになっている。
下方の側壁310bの左側端部には、遊技制御基板40の基板側コネクタ620c(図9参照)及び該基板側コネクタ620cに接続されるケーブル側コネクタ610c、ケーブル600cを保護する保護部材660を取り付けるための取付用スリット312が形成されている。取付用スリット312は、側壁310bの一部を膨出させることにより形成され、保護部材660の取付片660aを挿通可能とされている。また、取付用スリット312の外面には、取付片660aに形成された外向きの弾性係止爪660bが係止される係止穴312aが形成されており、挿通される取付片660aの逸脱を規制できるようになっている。
このように取付用スリット312に取付片660aを挿通して弾性係止爪660bが係止穴312aに係止されることで、取付片660aに対して屈曲形成されたガード片660c及びガード側片660dにより、基板側コネクタ620c及び該基板側コネクタ620cに接続されるケーブル側コネクタ610c、ケーブル600cの周囲が覆われて保護されるようになっている。
底板310aにおける右側の短辺部近傍には、基板ケース200の取付封止片230及び予備取付封止片231に挿通されるワンウェイネジ240a,240bが取り付けられる取付穴316a,316bが形成された取付台座315が装着される台座装着穴317が形成されている。取付台座315は、底板310aの裏面側から台座装着穴317内に嵌合により装着されるようになっている。装着時においては、図19(a)に示すように、取付穴316a,316bは底板310aの前面よりも前方に突出した状態で取付封止片230及び予備取付封止片231の取付孔235,235に対向配置されるようになっている。
このように取付台座315は、可動ベース302に対して着脱可能に装着されていることで、後述するように例えば取付封止片230や予備取付封止片231が基板ケース200から切断されて可動ベース302側に取り残された場合等において、取付台座315のみを新規なものに交換できるようになっている。
可動ベース302の右側の短辺部には、該可動ベース302の遊端部を背板1cの前面側に係止するための係止部材303の係止ピン303a,303aが挿通可能な挿通穴318,318が形成されているとともに、各挿通穴318,318の近傍には、係止ピン303a,303aの先端に係止可能な係止フック319,319が、前後方向を向く軸周りに回動可能に取り付けられている。
可動ベース302の左側の短辺部の長手方向両側からは、後述する固定ベース301に形成される回動軸333を受支する略U字形状をなす軸支溝320が形成された板状の軸支板321,321が、短辺部に対して直交する方向に外向きに突設されている。軸支溝320は、軸支板321,321の前端辺から後方に向けて延設され、前側の開放部から回動軸333を取り付け、取り外しできるようになっている。
可動ベース302の左側の短辺部の長手方向中央位置には、後述する固定ベース301を背板1cに取り付けるためのベース取付ネジ335を被覆する被覆部322が形成されている。この被覆部322は、底板310aの短辺部から前方に向けて垂直に立設される垂直片322bと、該垂直片322bの先端から外方に向けて屈曲される底板310aに対して平行な屈曲片322aと、これら屈曲片322a及び垂直片322bの側方を覆う側片322c,322cと、屈曲片322aの先端から外側に向けて傾斜する外片322dと、から形成されている(図16(b)参照)。また、屈曲片322aは、図16(b)に示すように、固定ベース301の回動軸333に軸支溝320を軸支した状態において、ベース取付ネジ335の直上を被覆可能な長さを有している。
上下の側片322cと軸支板321とは所定距離離間して配置されており、これら側片322cと軸支板321との間に、上部ケース202の板状片221を挿通可能な挿通部324,324が形成されている。挿通部324,324は、板状片221,221の上下幅寸法よりも若干長寸の上下幅寸法に形成されているため、後述するように可動ベース302の前面側に基板ケース200を取り付けた状態において、挿通部324,324に挿通された板状片221,221の上下側部が側片322cと軸支板321とによりガイドされるようになっている。また、垂直片322bは、上部ケース202の側壁202cと当接し、可動ベース302に対する基板ケース200の左右方向の位置を決定する。
挿通部324,324の先端部には、該挿通部324,324に挿通される板状片221,221の先端部前面側を係止する帯板状の係止板323,323が、軸支板321と側片322cとの間に架設されている。つまり、上下の軸支板321と側片322cとは、それぞれ係止板323,323により連結されている。また、係止板323,323は、軸支溝320,320よりも外側に配置されているため、軸支溝320,320に回動軸333,333を着脱する際に干渉することがない。
次に、固定ベース301は、図12及び図13に示すように、背板1cの内面に取り付けられる上下方向を向く帯板状の取付片330aと、取付片330aの上下端部からそれぞれ前方に向けて屈曲される上下一対の軸片330b、330bと、取付片330aの左側辺から前方に向けて屈曲される保護片330cと、から構成される板状の金属材からなる本体部と、軸片330b,330bそれぞれの対向面から、互いの軸心が同一線上に位置するようにそれぞれ内向きに突設される、上下方向を向く円柱状の回動軸333,333と、から構成されている。
これら上下一対の回動軸333,333は、互いの先端部間が所定距離離間するように、取付片330aの前方位置に該取付片330aに対して平行に配置される。また、取付片330aにおけるこれら回動軸333,333の先端部間には、この固定ベース301を背板1cに取り付けるためのベース取付ネジ335,335の取付穴331,331が上下に形成されているとともに、これら取付穴331,331の間には、後述するカバー部材336の裏面に形成された位置決め凸部336eが嵌合される位置決め穴332,332が形成されている。
尚、ベース取付ネジ335は、外周に雄ネジ部が形成されたネジ部335aと、該ネジ部335aの先端に形成され、表面にドライバによる操作が可能な操作溝335c(操作部)が形成された頭部335bと、からなり、ドライバの先端を操作溝335cに嵌合して正逆回転することで、取り付け、取り外しが可能な所謂一般的なネジである。
カバー部材336は、ベース取付ネジ335の頭部335bを収容可能な有底円筒状の収容部336a,336aと、これら一対の収容部336a,336aを連結する連結部336cと、から構成されている。各収容部336aの底面には、ベース取付ネジ335が取り付けられる取付穴336bが形成されているとともに、各収容部336aの周面には、該収容部336aの開口を閉鎖可能なカバーキャップ337に形成された弾性係止爪337a,337aが係止される係止部336d,336dが形成されている。
このように構成された固定ベース301は、図12に示すように、カバー部材336の取付穴336b,336bそれぞれに挿通した2つのベース取付ネジ335,335を、固定ベース301の取付穴331,331に取り付けた状態で、図13に示すように、背板1cに埋設されたナット338のネジ孔338aに螺入することで、背板1cの内面に取り付けて固定できるようになっている。
固定ベース301に取り付けられたベース取付ネジ335,335は、図13(a)(b)に示すように、それらの軸心P2,P2がそれぞれ回動軸333,333を結ぶ軸心P1と直交する位置であり、かつ、上下一対に設けられた回動軸333,333の先端部間に配置される。また、カバー部材336の長手幅寸法L2は,回動軸333,333の先端部の離間幅L1よりも小寸(L1>L2)であるため、固定ベース301を背板1cに取り付けるときに、ベース取付ネジ335やカバー部材336が回動軸333,333に干渉することがない。
すなわち、上下一対の回動軸333,333の軸心P1に沿うようにベース取付ネジ335,335が配置されることで、回動軸333,333により近い位置で固定ベース301が背板1cに取り付けられるので、回動軸333,333の支持強度を高めることができる一方、ベース取付ネジ335やカバー部材336は上下一対の回動軸333,333間に配置されることで、回動軸333,333に干渉することなく、容易に取り付け、取り外しを行うことができる。
また、固定ベース301を背板1cに取り付けたときに外部に露呈する露呈部位となるベース取付ネジ335の頭部335bがカバー部材336の収容部336aに収容され、さらにカバーキャップ337により収容部336aの開口が閉鎖されることで、特に図13(b)に示すように、ベース取付ネジ335は、背板1cに取り付けられた状態において外部に露呈する頭部335bの周囲が完全に被覆され、ドライバを操作溝335cや頭部335bと背板1cとの間に差し込むことが困難となる。尚、カバー部材336はベース取付ネジ335に装着され、ベース取付ネジ335を取り外さない限り取り外すことはできないため、別途取付ネジにて取り付ける必要がないばかりか、被覆状態が簡単に解除されることがない。また、保護片330cは、カバー部材336よりも前後幅寸法が長寸であるため、カバー部材336の外側方が確実に被覆される。
(固定ベースへの可動ベースの取り付け)
次に、固定ベース301に対する可動ベース302の取り付け方法を、図14〜図16に基づいて説明する。
まず、図14に示すように、固定ベース301を前述したようにベース取付ネジ335,335にて背板1cの内面上部左側に取り付けるとともに、係止部材303を、固定ベース301の右側方位置に取り付ける。固定ベース301を取り付けた状態において、回動軸333,333の軸心P1は上下方向を向く。
尚、係止部材303は、特に詳細な図示はしないが、ベース取付ネジ335と同種の取付ネジ339,339により両端部が背板1cに取り付けられる帯板状の取付片303bと、取付片303bの上下位置から前方に向けて立設される係止ピン303a,303aと、から構成されている。そして、後述するように固定ベース301に軸支した可動ベース302の挿通穴318,318に対応して係止ピン303a,303aが配置されるように背板1cに取り付けられる。
可動ベース302を固定ベース301に取り付ける場合、まず、図14に示すように、可動ベース302の左右端部を前後方向に向けて、背板1cに対して直交するように縦向き姿勢とする。これにより軸支溝320,320の開放部が回動軸333,333に対向するため、この姿勢のまま可動ベース302を固定ベース301に接近させ、軸支溝320,320を回動軸333,333に差し込んだ後、回動軸333,333を中心に可動ベース302の手前側を背板1cに向けて押し込む。
そして可動ベース302が、その後面が背板1cの内面に対向する横向き姿勢、つまり第1の回動規制位置Aに配置されると、係止部材303の係止ピン303a,303aが可動ベース302の挿通穴318,318に挿通され、該係止ピン303a,303aの先端が挿通穴318,318から前方に突出した係止ピン303a,303aの先端に、係止フック319,319を回転して係止する。これにより、可動ベース302の左側端部が回動軸333,333に軸支され、右側端部が係止ピン303a,303aに係止されることにより、可動ベース302の背板1cからの離脱及び回動軸333,333周りの回動が規制され、背板1cと略平行な第1の回動規制位置Aに仮止めされる。
図15及び図16には、固定ベース301に対して可動ベース302を回動可能に軸支する軸支部の詳細が示されている。このように固定ベース301の回動軸333,333に可動ベース302の軸支溝320,320を軸支して該可動ベース302を第1の回動規制位置Aに配置すると、軸支溝320,320は前後方向を向いて前方に開放するが、可動ベース302の後面に背板1cが近接していることにより、回動軸333,333に対する軸支溝320,320の後方移動が規制されるので、回動軸333,333から軸支溝320,320が離脱することはない。
逆に言えば、固定ベース301に対して可動ベース302を回動可能に軸支しただけでは、可動ベース302を上記縦向き姿勢となる着脱位置C(第1の回動規制位置Aから約63度以上回動させた位置。図20(a)参照)に配置することにより、固定ベース301に対する可動ベース302の離脱方向への移動を規制するものがなくなるため、固定ベース301に対して着脱可能となる。尚、図16(a)に示すように、回動軸333と係止板323とは前後方向に離間して配置され、両者の間に上部ケース202の板状片221を挿通可能な隙間が形成される。
また、固定ベース301を背板1cに取り付けるベース取付ネジ335の前面側が可動ベース302の被覆部322により覆われるとともに、左外側方が保護片330cにより覆われることで、特に図16(b)に示すように、保護片330cと外片322dの先端との間には僅かな隙間しか形成されていない。従って、ベース取付ネジ335に対してドライバや指を接触させようとしても接触が困難となるだけでなく、ベース取付ネジ335の軸心P2の延長線上にドライバを配置することはできなくなる。
(可動ベースへの基板ケースの取り付け)
次に、固定ベース301に回動可能に支持された可動ベース302への基板ケース200の取り付け方法を図17〜図22に基づいて説明する。
図17に示すように、第1の回動規制位置Aに仮止めされた可動ベース302に、前述したように封止状態とされた基板ケース200を取り付けるには、下部ケース201の裏面側を可動ベース302の前面に対向させるように配置した状態で左側にスライドさせて、上部ケース202の左側短辺に設けられた一対の板状片221,221を、図17上図中の矢印で示されるように、回動軸333,333と係止板323,323との間に形成された隙間(図16(a)参照)に差し込んだ後、図17下図中の太矢印で示されるように、基板ケース200の右側短辺を可動ベース302に向けて押し込む。
このとき、板状片221,221の先端が係止板323,323に係止されるとともに(図19(b)参照)、上部ケース202の右端部側の上方が可動ベース302の弾性係止爪311に係止される。そして基板ケース200は、可動ベース302の側壁310b、310c、310dにより覆われることで、可動ベース302の底板310a上でのスライド移動が規制されることで、可動ベース302からの離脱が規制される。
但しこの仮止め状態では、弾性係止爪311による上部ケース202の係止状態を解除すれば、可動ベース302から簡単に基板ケース200を取り出すことができる。
また、仮止め状態としたときに、上部ケース202における取付封止片230及び予備取付封止片231が取付台座315に対向配置され、取付封止片230及び予備取付封止片231の取付孔235,235が取付台座315の取付穴316a,316bに合致する。ここで、図19(a)に示すように、取付封止片230内に収容されていたワンウェイネジ240aをドライバにより取付穴316aに螺入すると、可動ベース302に対して基板ケース200が離脱不能に取り付けられる。
すなわち、ワンウェイネジ240aは、一度取付穴316aに取り付けられると、ドライバ等の工具を操作溝に差し込んでも、ワンウェイネジ240aを逆回転させることができない、つまり二度と取付穴316aから取り外すことはできない取付部材であるため、基板ケース200は、該基板ケース200または可動ベース302等の所定部位(例えば取付封止片230の切断片233等)を切断(破壊)しない限り可動ベース302から取り外すことができない取付状態で取り付けられる。
また、遊技制御基板40の検査等のために基板ケース200を可動ベース302から取り外す場合、取付封止片230の切断片233を切断する必要があるばかりか、取付穴316aにねじ込まれたワンウェイネジ240a及び基板ケース200から切断された取付封止片230を取付台座315から取り外すことができず、可動ベース302に保持されて残存するため、当該取付封止片230にワンウェイネジ240aを取り付け、同じように可動ベース302に取り付けることはできない。すなわち、一度可動ベース302に対する基板ケース200の取付状態を解除した後は、一度取付に使用した取付封止片230とは別の予備取付封止片231に予備のワンウェイネジ240bを取り付け、別の取付穴316bに取り付けることになる。
また、この取付状態において、図19(b)に示すように、板状片221,221が回動軸333,333と係止板323,323との間に形成された隙間に差し込まれていることで、回動軸333,333の軸支溝320,320からの離脱が、可動ベース302に取り付けられた基板ケース200の板状片221,221により規制されることになる。これにより、可動ベース302を回動させて前述した着脱位置Cに配置したとしても、固定ベース301に対する可動ベース302の軸支状態を解除できなくなる。
そして、基板ケース200を可動ベース302から取り外さない限り、回動軸333,333と係止板323,323との間に形成された隙間に差し込まれた板状片221,221を該隙間から取り出すこと、つまり回動軸333,333からの軸支溝320,320の離脱規制を解除することはできないため、可動ベース302から基板ケース200を取り外すことだけでなく、固定ベース301に対する可動ベース302をどのような回動位置に配置したとしても、可動ベース302を固定ベース301から取り外すことができなくなる。
また、回動軸333,333と係止板323,323との間に形成された隙間に差し込まれた板状片221,221により、回動軸333,333が被覆される。詳しくは、係止板323,323は、軸支板321と側片322cとの離間幅よりも若干小寸の幅寸法を有していることで、回動軸333,333と係止板323,323との間に形成された隙間に差し込まれた状態において、回動軸333,333の長手方向にわたり被覆するため、回動軸333,333を切断することにより可動ベース302を固定ベース301から取り外すといった不正行為が防止される。
また、この取付状態において、図20及び図21に示すように、固定ベース301に対する可動ベース302をどのような回動位置に配置したとしても、固定ベース301を背板1cに取り付けるベース取付ネジ335の前面側が、可動ベース302の被覆部322により覆われる、つまりベース取付ネジ335の前面側に被覆部322が対向配置されるとともに、左外側方が保護片330cにより覆われることで、ベース取付ネジ335に対してドライバや指を接触させようとしても接触が困難となるだけでなく、ベース取付ネジ335の軸心P2の延長線上にドライバを配置することはできなくなる。
具体的に説明すると、図20(a)に示すように、固定ベース301に対して可動ベース302を、可動ベース302が背板1cに沿って配置される第1の回動規制位置A(第1の位置)と、回動軸333を中心に可動ベース302の右側を手前に向けて約83度回転させたときに回動が規制される回動規制位置B(第2の位置)と、の回動可能範囲(θ≒0〜83度)内の任意の位置に配置した場合でも、保護片330cと外片322dの先端との間には僅かな隙間が形成されてしまう(図21参照)。
しかし、図21(a)〜(c)に示すように、ベース取付ネジ335の軸心P2上には常に被覆部322が配置され、しかもこれらベース取付ネジ335の頭部335bから被覆部322までの離間距離は最大でも約3cm程度であるため、保護片330cと外片322dの先端との間の隙間からドライバの先端を差し込むことはできるものの、ドライバの先端を操作溝335cに差し込み、かつドライバを軸心P2に沿った垂直姿勢に配置しようとしても、ドライバが被覆部322に干渉する、つまり取り外し操作が阻止されるので極めて困難となる。
特にベース取付ネジ335は、回動軸333の軸心P1の直下に配置され、かつ、被覆部322はベース取付ネジ335の軸心P2上に配置されることで、回動軸333周りに可動ベース302を回動させても、被覆部322は常にベース取付ネジ335の軸心P2上を通る軸周りにて回動することにより、被覆部322とベース取付ネジ335との位置関係(離間距離)が大きく変化することがないので、可動ベース302が回動可能範囲内のどの位置に配置されているときでも、ベース取付ネジ335の頭部335bと被覆部322との間にドライバ等を配置することは困難である。
よって、取付状態においては、基板ケース200を可動ベース302から取り外さない限り、ベース取付ネジ335を背板1cから取り外すことはできないため、可動ベース302から基板ケース200を取り外したり、固定ベース301から可動ベース302を取り外したりすることができないだけでなく、背板1cから固定ベース301を取り外すことができないため、基板ケース200をケース支持装置300ごと背板1cから取り外してしまうことが防止される。
このように背板1cに取り付けられたケース支持装置300に取り付けられた基板ケース200は、図20及び図22に示すように、遊技制御基板40の電子部品の実装面40aが前面側を向くとともに裏面40b側が背板1cの内面に対向して筐体1aの前面側から視認不可となる第1の回動規制位置A(第1の位置)と、実装面40aが筐体1aの左側板の内面に対向して遊技制御基板40の裏面40b側が筐体1aの前面側から視認可能となる第2の回動規制位置B(第2の位置)と、の間の回動可能範囲(約83度)内で回動可能に支持される。
従って、基板ケース200を第1の回動規制位置Aに位置させている場合には、遊技制御基板40の実装面40aが前面側を向くため、基板ケース200を可動ベース302から取り外さなくても、筐体1aの前面側から透明な上部ケース202を通して実装面40aを視認することが可能となる。
また、基板ケース200を第2の回動規制位置B付近に位置させている場合には、遊技制御基板40の裏面40bが背板1cから離れて右側方を向くため、基板ケース200を可動ベース302から取り外さなくても、筐体1aの前面側から透明な下部ケース201及び透明な可動ベース302を通して裏面40bを視認することが可能となる。よって、基板ケース200を筐体1aに取り付けた状態でも、基板ケース200を回動させるだけで内部に収容された遊技制御基板40の実装面40a及び裏面40bに不正な改造等が施された痕跡があるか否かを目視により簡単に確認することが可能となる。
図22中上図に示すように、基板ケース200は、通常、第1の回動規制位置Aに配置されている。この状態において、上部ケース202に形成された各コネクタ用開口236a〜236gに臨むように配置された各基板側コネクタには、各種ケーブルのケーブル側コネクタが接続される。
上部ケース202に形成された各コネクタ用開口236a〜236gのうち、基板側コネクタ620a〜620cが臨むコネクタ用開口236a〜236cは、図8に示すように、上部ケース202の左右方向の中央位置よりも左側の領域、つまり回動軸333,333の配設位置側に設けられている。そしてこれらコネクタ用開口236a〜236cに臨む基板側コネクタ620a〜620cのうち、電源基板101に一端が接続されるケーブル側コネクタ610cと基板側コネクタ620cとの接続部は、前述した保護部材660により覆われるとともに、スタートスイッチ7に一端が接続されるケーブル側コネクタ610bと基板側コネクタ620bとの接続部は、前述したコネクタ規制部材650により覆われ、特にコネクタ規制部材650により覆われたケーブル側コネクタ610bは、基板側コネクタ620bからの抜脱が規制されている。
このように、上部ケース202の左右方向の中央位置よりも左側の領域に設けられた基板側コネクタ620a〜620cに接続されるケーブル600a〜600cは、左側板内面にまとめて配線されている。そしてこれらケーブル600a〜600cに設けられるケーブル側コネクタ610a〜610cは、基板側コネクタ620a〜620cから抜脱しなくても、基板ケース200を第2の回動規制位置Bまで回動させることができるようになっている。また、上部ケース202の左右方向の中央位置よりも右側の領域に設けられた基板側コネクタに接続されるケーブル側コネクタは、基板側コネクタから抜脱しないと、基板ケース200を第2の回動規制位置Bまで回動させることができるようになっている。
つまり、回動軸333に近い左側領域に配置される基板側コネクタ620a〜620cは、回動軸333を中心に基板ケース200を回転させたときの移動距離が、回動軸333から遠い右側領域に配置される基板側コネクタに比べて小さいため、接続されるケーブル600a〜600cの余剰長さを、回動軸333から遠い右側領域に配置される基板側コネクタに接続されるケーブルに比べて短くて済む。
よって、特に保護部材660やコネクタ規制部材650により覆われて抜脱に手間がかかる基板側コネクタ620a〜620c等を、回動軸333に近い左側領域に配置しておけば、基板ケース200を回動させるたびにケーブル側コネクタ610a〜610cを逐次基板側コネクタ620a〜620cから抜脱する必要がないので、遊技制御基板40の確認作業を煩雑にすることがないとともに、ケーブルを基板側コネクタ620a〜620cから取り外さずに基板ケース200を回動可能とする場合に、ケーブル600a〜600cを極力短くすることができる。
尚、本実施例では、基板側コネクタ620a〜620c以外の基板側コネクタ及びこれら基板側コネクタに対応するコネクタ用開口236a〜236gが、実装面40aにおける回動軸333から遠い右側領域にも配設されていたが、例えば図25に示すように、実装面40aに設けられる全ての基板側コネクタ及び各基板側コネクタに対応するコネクタ用開口236a〜236gを実装面40aにおける左側領域に設けることが好ましい。
さらに本実施例では、基板側コネクタ620a〜620cを含む全ての基板側コネクタ及び各基板側コネクタに対応するコネクタ用開口236a〜236gが、実装面40aにおける長辺に沿って配設されていたが、例えば図25に示すように、全ての基板側コネクタ及び各基板側コネクタに対応するコネクタ用開口236a〜236gの少なくとも一部(ここでは基板側コネクタ620a〜620c以外の基板側コネクタ及びコネクタ用開口236d〜236g)を回動軸333に近い左側短辺に沿って配設することが好ましい。つまり、回動軸333に沿って基板側コネクタ及びコネクタ用開口236d〜236gを配設すれば、各基板側コネクタの移動距離が全て同じになるので、これらのケーブルを極力短くすることができる。
また、特に図示はしないが、少なくとも保護部材660やコネクタ規制部材650により覆われて抜脱に手間がかかる基板側コネクタ620a〜620cを回動軸333に近い左側短辺に沿って配設することが好ましい。つまり、回動軸333に沿って基板側コネクタ620a〜620cを配設すれば、各基板側コネクタ620a〜620cの移動距離が全て同じになるので、ケーブル600a〜600cを極力短くすることができる。
以上説明したように、本発明の実施例1におけるスロットマシン1にあっては、基板ケース200を背板1cに取り付けた状態でも、基板ケース200を第1の回動規制位置Aから第2の回動規制位置Bまで回転させることで遊技制御基板40の裏面40b側を視認することができるため、遊技制御基板40に不正な改造が施されているか否かの確認作業を簡単に行うことができる。また、可動ベース302に基板ケース200が取り付けられた組付状態において、固定ベース301から可動ベース302を取り外したり、可動ベース302から基板ケース200を取り外したりした場合には、切断片233や板状片221等が切断されるなどしてその痕跡が残るだけでなく、ベース取付ネジ335を取り外して背板1cから固定ベース301を取り外した場合、つまり基板ケース200を可動ベース302から取り外すために切断片233を切断するあるいは可動ベース302の被覆部322やカバー部材336等を破壊した場合にもその痕跡が残るため、背板1cから基板ケース200を取り外し、不正な遊技制御基板40を収容した基板ケース200に掏りかえるといった不正行為が行われた可能性があることを発見することができる。
言い換えると、可動ベース302に対する基板ケース200の取り付けや、可動ベース302に対する固定ベース301の取り付けや、背板1cに対する固定ベース301の取り付けは、それらの取り付けに関連する取付関連部位を破壊(切断や剥離等を含む)しない限り各々の取り付け状態を解除することができない取付手段にて行われることで、各々の取付状態を解除した場合には確実にその痕跡が残り、これにより不正行為が行われた可能性があることを確実に発見することができる。
また、特に本実施例では、前面扉1bが筐体1aの左側辺に回動可能に枢支されていることにより、前面扉1bを開放した状態において、基板ケース200も前面扉1bと同様に左側辺を中心に回動するため、基板ケース200の裏面40bを視認する際に、裏面40bが前面扉1bがない右方に開放するため、確認を行う際に前面扉1bが邪魔になることがない。
また、基板ケース200が第1の回動規制位置Aと第2の回動規制位置Bとの間の回動可能範囲内に位置している状態では、常に操作阻止部としての被覆部322が操作溝335cに対向配置されて操作することができなくなるため、ワンウェイネジ等の特殊な取付部材を用いることなく、背板1cから固定ベース301を取り外し不能とすることができるばかりか、被覆部322は、固定ベース301に一体に組み付けられる可動ベース302に設けられていることで、組付状態において簡単に取り外されることがない。尚、本実施例では、操作阻止部としての被覆部322が可動ベース302に設けられていたが、基板ケース200に設けられていてもよい。また、ベース取付ネジ335はカバー部材366により覆われた状態で取り付けられるため、ドライバ等の工具を容易にアクセスすることができない。
また、可動ベース302は、固定ベース301に対して着脱位置Cから取り付け、取り外しできるように構成されているため、固定ベース301をベース取付ネジ335により簡単に取り付け、取り外すことができるとともに、ワンウェイネジ240aにより可動ベース302に基板ケース200を取り付けることにより、該取り付けられた基板ケース200に設けられている板状片221により軸支溝320からの回動軸333の離脱が規制され、固定ベース301から取り外すことができなくなった可動ベース302に設けられた被覆部322により、回動可能範囲内において常にベース取付ネジ335による取付状態を解除することができなくなるため、固定ベース301等が破壊されて交換の必要が生じた場合においても、筐体1a等を破壊して固定ベース301を背板1cから取り外したりする必要がないので、筐体1aを使い回すことが可能となる。
また、可動ベース302は、基板ケース200が取り付けられなければ固定ベース301に対して着脱可能であるため、何らかの理由(例えば回動操作したり不正行為されることにより所定部位が破損もしくは破壊されたり、回動軸333との摩擦により軸支溝320が磨耗した場合等)により交換が必要になった場合において、簡単に固定ベース301から取り外すことができる。
また、固定ベース301からの可動ベース302の離脱を、ワンウェイネジ240aによる基板ケース200の可動ベース302への取り付けを利用して規制できるので、基板ケース200を可動ベース302から取り外すだけで可動ベース302を固定ベース301から取り外して交換することができるばかりか、可動ベース302に基板ケース200を取り付けるためのワンウェイネジ240aとは別個に、回動軸333の軸支溝320からの離脱を規制する手段を新たに設ける必要がないので、ケース支持装置300の構造を簡素化できるばかりか、作業負荷を低減することができる。
また、可動ベース302への基板ケース200の取り付けを、一度取付台座315に取り付けると取り外すことができないワンウェイネジ240aにて行うため、切断片233を切断して取付封止片230を基板ケース200の本体部から分離するか、あるいは可動ベース302の一部である取付台座315等を破壊するなどしない限り、基板ケース200を可動ベース302から取り外すことができないが、切断片233を切断して取付封止片230を基板ケース200の本体部から分離することにより基板ケース200を可動ベース302から取り外した場合には、基板ケース200から切り離された取付封止片230がワンウェイネジ240aとともに取付台座315に保持され、取付封止片230が単体の部材とはならずに可動ベース302の取付台座315に残存するので、取付台座315とともに廃棄することができる。
尚、本実施例では、基板ケース200の被取付部としての取付封止片230、予備取付封止片231が取り付けられる可動ベース302の取付部としての取付穴316a,316bを有する取付台座315は、可動ベース302に対して取り付け、取り外し可能に設けられているため、基板ケース200を2回取り外した場合でも、取付台座315のみを交換すれば、可動ベース302を交換せずに使いまわすことが可能であるが、これら取付穴316a,316bは可動ベース302に直接形成されていてもよい。
また、可動ベース302は、着脱位置C(第3の位置)まで回動させる、つまり特殊な取り外し作業を行うことなく、基板ケース200を回転させるのと同じ操作を行うだけで固定ベース301から簡単に取り外すことができるばかりか、軸規制部としての板状片221は少なくとも着脱位置において回動軸333に直接当接することにより軸支溝320からの離脱を規制することで、基板ケース200の回動可能範囲外に着脱位置を設ける必要がないので、基板ケース200の回動可能範囲を極力小さくすることができる。
また、回動軸333を被覆する板状片221を、離脱規制部として利用することができるため、基板ケース200の構造を簡素化することができるばかりか、板状片221は、基板ケース200がワンウェイネジ240aにより可動ベース302に取り付けられた状態において、該基板ケース200の左側が係止部としての係止板323に係止されるため、左辺及び右辺双方にワンウェイネジ240aを設けることなく、基板ケース200の左右短辺部を可動ベース302に取り付けることができる。
また、ワンウェイネジ240aによる基板ケース200の可動ベース302への取り付けを利用して回動軸333を軸被覆部としての板状片221により被覆できることで、固定ベース301等に予め軸被覆部を形成しておく必要がないので、製造時において固定ベース301に可動ベース302を簡単に組み付けることができるとともに、ワンウェイネジ240aとは別個に軸被覆部を取り付ける手段等を設ける必要がないので、構造を簡素化できるばかりか、作業負荷を低減することができる。
(変形例)
図23及び図24には、実施例1の変形例としての基板ケース2000が示されている。前記実施例1では、可動ベース302に基板ケース200を取り付けることで、第1の回動規制位置Aと第2の回動規制位置Bとの回動可能範囲内に位置する着脱位置Cにおいても、回動軸333からの軸支溝320の逸脱が板状片221により規制されるようになっていたが、例えば図23及び図24に示すように、板状片2210の先端から回動規制片2211を延設し、例えば第1の回動規制位置Aと着脱位置Cとの回動可能範囲内の回動規制位置Bにおいて、回動規制片2211の先端が固定ベース301の取付片330aに当接し、基板ケース2000の回動が規制されるようにしてもよい。
このようにすることで、回動軸333からの軸支溝320の逸脱を板状片221等により規制しなくても、基板ケース2000を可動ベース302から取り外すだけで、可動ベース302が着脱位置Cまで回動可能となって固定ベース301から取り外すことが可能となる。一方、基板ケース2000を可動ベース302に取り付けると、可動ベース302の可動範囲が狭くなり、着脱位置Cまで回転しなくなるため、固定ベース301から可動ベース302が取り外されることがない。
尚、本実施例では、固定ベース301を背板1cに取り付けるベース取付ネジ335として、ドライバにより取り付け、取り外し可能な一般的なネジを用いていたが、例えばドライバ等の工具を用いることなく、手操作で取り付け、取り外しが可能な蝶ネジや、例えばラッチ等のネジ以外の取付部材を適用してもよい。
さらに、固定ベース301を背板1cに取り付けるための取付部が、固定ベース301に予め一体的に形成されていてもよい。
また、本実施例では、ベース取付ネジ335として、取り付け、取り外し可能な一般的なネジを使用し、基板ケース200を可動ベース302に取り付けることでベース取付ネジ335が取り外しできなくなるように構成されていたが、例えばワンウェイネジ等、基板ケース200を可動ベース302に取り付けていない状態でも取り外しできない取付部材にて取り付けてもよいし、接着剤等により直接背板1cに取り付けてもよい。
また、本実施例では、ベース取付ネジ335は一対の回動軸333,333の軸心P1に沿って配設されていたが、軸心P2が軸心P1と交わらない位置に配設されていてもよく、このようにした場合、回動軸333を1本の回動軸にて構成してもよい。
さらに、本実施例では、ベース取付ネジ335は一対の回動軸333,333の軸心P1に沿って配設されていたが、軸心P2が軸心P1と交わらない位置に配設されていてもよく、このようにした場合、回動軸333を1本の回動軸にて構成してもよい。
また、本実施例では、固定ベース301に回動軸333が設けられ、可動ベース302に軸支溝320が設けられていたが、固定ベース301に軸支溝320を設け、可動ベース302に回動軸333を設けてもよい。
また、本実施例では、軸部としての回動軸333を回動可能に軸支する軸支部として、一端が開放する軸支溝320が適用されていたが、特に図示はしないが、例えば軸支溝320に替えて軸支穴とし、該軸支穴の一側方から回動軸を取り外し可能に挿通できるようにしてもよい。
尚、このようにした場合、可動ベース302に基板ケース200を取り付けた状態において、回動軸の一端を支持する支持板(軸片330b等)における回動軸の反対側の側面等に当接して、軸支穴からの回動軸の取り外しを規制する規制部を基板ケース200に設けることが好ましい。
さらに、固定ベース301に軸支穴を形成し、可動ベース302に回動軸を形成する場合にも、可動ベース302に基板ケース200を取り付けた状態において、軸支穴が形成される軸支板(軸支板321)等における回動軸の先端側の側面等に当接して、軸支穴からの回動軸の取り外しを規制する規制部を基板ケース200に設けることが好ましい。
さらに、可動ベース302に軸支溝320が直接設けられていたが、例えば固定ベース301として蝶番を適用し、該蝶番の一方の取付片を背板1cに取り付け、他方に基板ケース200が取り付け可能な可動ベース302を取付ネジ等により取り外し可能に取り付け、この取付ネジを、基板ケース200を可動ベース302に取り付けることで、蝶番の他方の取付片から可動ベース302を取り外しできないようにしてもよい。
また、本実施例では、固定ベース301は可動ベース302の一側辺を回動可能に支持する回動軸333を有しているだけで、可動ベース302の他側辺は係止部材303にて係止するように構成されていたが、固定ベース301と係止部材303とを一体に構成してもよい。
また、本実施例では、固定ベース301に対して可動ベース302は着脱可能に軸支されていたが、予め取り付け、取り外しできない状態に軸支されていてもよい。さらに、回動軸333の軸心P1は、基板ケース200の左側辺を中心として回動可能とする上下方向を向く軸心とされていたが、基板ケース200の右側辺を中心として回動可能とするものでもよいし、あるいは基板ケース200の上辺または下辺を中心として回動可能とする左右(水平)方向を向く軸心としてもよい。
さらに本実施例では、回動軸333は固定ベース301に一体的に形成されていたが、例えば固定ベース301の軸片330bに取り付けられる別部材にて構成されていてもよい。
さらに、下部ケース201、上部ケース202、可動ベース302は全て透明な合成樹脂材にて形成されていたが、少なくとも上部ケース202に遊技制御基板40の実装面40aを視認可能な第1の透視部が設けられ、下部ケース201に遊技制御基板40の裏面40bを視認可能な第2の透視部が設けられていれば、必ずしも全体が透明でなくても(透光性を有していなくても)よい。また、可動ベース302に遊技制御基板40の裏面40bを視認可能な第3の透視部が設けられていれば、必ずしも全体が透明でなくても(透光性を有していなくても)よい。
また、本実施例では、基板ケース200を第2の回動規制位置Bに位置させたときに透明な可動ベース302及び下部ケース201を通して、基板ケース200に収容された遊技制御基板40の裏面40bを視認可能とすることで、裏面40b側が可動ベース302にて保護されるようになっていたが、可動ベース302は下部ケース201の底面全域を被覆するように形成されていなくてもよく、例えば可動ベース302は基板ケース200の一辺(例えば左側短辺)側のみが取り付けられるものや、あるいは枠状に形成されていてもよく、必ずしも下部ケース201の底面全域を被覆する必要はないので、遊技制御基板40の裏面40bを下部ケース201を通してのみ視認できるようにしてもよい。
また、本実施例では、第1の回動規制位置Aにおいて遊技制御基板40の裏面40bが背板1cに対向配置されることで裏面40bが視認不可となり、かつ、実装面40aが視認可能となるとともに、第2の回動規制位置Bにおいて遊技制御基板40の実装面40aが側板に対向配置されることで実装面40aが視認不可となり、かつ、裏面40bが視認可能となっていたが、第1の回動規制位置Aにおいて遊技制御基板40の実装面40aが背板1cに対向配置されることで実装面40aが視認不可となり、かつ、裏面40bが視認可能となるとともに、第2の回動規制位置Bにおいて遊技制御基板40の裏面40bが側板に対向配置されることで裏面40bが視認不可となり、かつ、実装面40aが視認可能となるようにしてもよい。
さらに、本実施例では、可動ベース302とともに基板ケース200を回動させることにより、遊技制御基板40の実装面40a及び裏面40b(一面及び他面(表裏面))が視認可能となれば、実装面40aまたは裏面40bのうち一方が視認可能となる位置において、必ずしも他方が筐体1aの所定部位(背板や側板の内面等)に対向配置される必要はない。
また、本実施例では、基板ケース200の一側辺を可動ベース302に係止する板状片221が、軸支溝320からの回動軸333の離脱を規制する規制部及び回動軸333を被覆する被覆部を構成していたが、軸支溝320からの回動軸333の離脱を規制する規制部及び回動軸333を被覆する被覆部は、基板ケース200の一側辺を可動ベース302に係止する板状片221とは別の部位にて構成されていてもよい。
また、本実施例では、可動ベース302に対して基板ケース200がワンウェイネジ240a,240bにて取り付けられるようになっていたが、係止ピン等の取付部材や、接着剤等の取付部材、つまり一度取り付けると取り外すことができない取付部材を介して取り付けられるようにしてもよい。さらに、可動ベース302に対して基板ケース200を取り付けるための係止ピン等が、予め基板ケース200または可動ベース302に一体的に形成されていてもよい。
また、本実施例では、上部ケース202と下部ケース201との封止を、熱溶着及び封印シールにて行っているが、ワンウェイネジや係止ピン等の固着部材や、接着剤等の固着部材を介して固着されるようにしてもよい。
また、本実施例では、基板ケース200は、ケース支持装置300を介して筐体1aの背板1cの内面上部に回動可能に支持されていたが、背板1cに取り付けられるものに限定されるものではなく、筐体1aの左右の側板内面等に取り付けられていてもよいし、あるいは前面扉1bの裏面等に取り付けられていてもよい。さらには、これら筐体1aまたは前面扉1bに設けられる付属部材等に取り付けられていてもよい。
また、本実施例では、基板ケース200は、回路基板としての遊技制御基板40の裏面40b側を被覆可能な下部ケース201と、該下部ケース201の開口を開閉可能であり、遊技制御基板40の実装面40a側を被覆可能な上部ケース202と、から構成されていたが、遊技制御基板40の表裏面を被覆可能に収容するケース体と蓋体とから構成されていてもよく、この場合、ケース体に実装面40aを透視可能な第1の透視部及び裏面40bを透視可能な第2の透視部双方が設けられていればよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例1では、回路基板の一例としての遊技制御基板40を収納する下部ケース201と上部ケース202とを開放不能な封止状態とすることができるとともに、可動ベース302に対して取り外し不能な取付状態とすることができる基板ケース200について説明したが、遊技制御基板40以外の演出制御基板90等をこのような基板ケース200に収納してスロットマシン1に取り付けるようにしてもよい。
前記実施例では、遊技機の一例としてスロットマシン1が適用されていたが、パチンコ遊技機等の他の遊技機であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例であるスロットマシン1の筐体1aの内部に、筐体1aの前面側から遊技制御基板40の実装面40a及び裏面40bを選択的に視認可能となるようにケース支持装置300を介して可動ベース302が回動可能に支持されていたが、例えば上記パチンコ遊技機にケース支持装置300を介して基板ケース200を回動可能に支持する場合、パチンコ遊技機を開放したときに、該パチンコ遊技機の裏面側にケース支持装置300を介して回動可能に支持された遊技制御基板40の実装面40a及び裏面40bを選択的に視認可能となるようにしてもよい。
さらに、パチンコ遊技機の場合、パチンコ遊技機の本体を構成する前面枠等に支持されていてもよいし、あるいは該前面枠等に支持される機構板等の付属部材に支持されていてもよい。