JP2009198563A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無線タグの周波数特性のバラツキに起因する通信エラーを低減し、無線タグ製造時の周波数特性管理の緩和により製造時の歩留まりを向上させる。
【解決手段】 画像形成装置10の制御部16において、中央制御部51は、周波数メモリ521に記憶される複数の通信周波数の1つを通信回路部53に設定して無線ICタグ40に無線送信し、受信回路533による無線ICタグ40からの応答無線送信の受信復調信号に基づいて通信エラーか否かを検出する。通信エラーが検出され、設定回数だけ無線送信をリトライしても通信エラーが検出された場合、周波数変更部531に指示して通信回路部53に設定する通信周波数を変更し、該変更した通信周波数に基づく通信が成功した場合、該通信周波数を無線ICタグ40との無線通信に用いる通信周波数として設定メモリ522に記憶する。
【選択図】 図3
【解決手段】 画像形成装置10の制御部16において、中央制御部51は、周波数メモリ521に記憶される複数の通信周波数の1つを通信回路部53に設定して無線ICタグ40に無線送信し、受信回路533による無線ICタグ40からの応答無線送信の受信復調信号に基づいて通信エラーか否かを検出する。通信エラーが検出され、設定回数だけ無線送信をリトライしても通信エラーが検出された場合、周波数変更部531に指示して通信回路部53に設定する通信周波数を変更し、該変更した通信周波数に基づく通信が成功した場合、該通信周波数を無線ICタグ40との無線通信に用いる通信周波数として設定メモリ522に記憶する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
プリンタや、複合機等の画像形成装置では、画像形成に利用され、その都度減耗を生じる消耗品としてトナーや感光体ドラム等を用いている。
この種の画像形成装置では、上記消耗品に無線タグを取り付け、該消耗品が装置本体に装着された際に、装置本体内の制御部が消耗品に取り付けられた無線タグと無線通信を行う構成を有するものが知られている。
装置本体内で無線タグ等と無線通信を行う従来装置の例として、下記特許文献1には、ICラベルの種別に応じて通信手段からの送信出力を可変する等によりICラベルの大きさや種類によらず、目的とするICラベルのみと確実に通信することができるプリンタが開示されている。
下記特許文献2には、ノイズ状況推定手段によりノイズ状況を推定し、通信エラー検知手段に基づき、予め決められた判定条件によりICメモリとの間のデータ通信の再送回数をノイズ状況推定手段の情報により増減させるデジタル複写機が開示されている。
特開2006−018456号公報
特開2005−151154号公報
本発明は、無線タグの周波数特性のバラツキに起因する通信エラーを低減し、無線タグ製造時の周波数特性管理の緩和により製造時の歩留まりを向上させ得る画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置の発明は、装置本体に対して着脱可能に装着される交換部品に取付けられた無線タグと、前記無線タグと所定の通信周波数を用いて無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部による無線通信により前記無線タグから受信した制御情報に基づく制御を行う制御部とを有し、前記無線タグは、前記制御情報を記憶する記憶手段と、前記無線通信部からの信号により起動して前記記憶手段に記憶された前記制御信号を前記無線通信部に送信する送信手段とを具備し、前記制御部は、前記無線通信部による前記無線タグとの間の無線通信の失敗を検出する失敗検出手段と、前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出された場合は、前記通信周波数を変更して前記無線通信を再試行する再試行手段とを具備する。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記再試行手段は、前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出された場合は、同一の通信周波数を用いて前記無線通信を再試行し、該無線通信の再試行回数が予め設定された再試行回数に達しても前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出される場合、前記通信周波数を変更して前記無線通信を再試行する。
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明において、前記無線通信部による前記無線タグとの間の無線通信の信号電圧を検出する電圧検出手段を更に具備し、前記再試行手段は、前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出され、かつ前記電圧検出手段により検出される信号電圧が予め設定した電圧より低い場合は、前記同一の通信周波数を用いた前記無線通信の再試行を行うことなく、前記通信周波数を変更して前記無線通信を再試行する。
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記再試行手段による再試行により前記無線通信が成功した場合は、該成功した無線通信に用いた通信周波数を記憶する記憶手段を更に具備し、前記無線通信部は、前記記憶手段に記憶した通信周波数を初期値として前記無線タグと通信を行う。
請求項1記載の画像形成装置の発明によれば、通信が失敗しても別の通信周波数に変更して通信を維持でき、広い共振周波数を持つ無線ICタグとの通信が可能となり、無線ICタグの共振周波数の特性管理を緩くし、無線ICタグの製造工程、検査工程を簡略化して製造コストの低減が図れる。
請求項2記載の発明によれば、一度通信が失敗しても、リトライ回数に達するまでは同一通信周波数を用いて通信を試行でき、一時的要因での通信失敗により周波数を変更せずに通信を維持できる。
請求項3記載の発明によれば、一度通信が失敗した場合、受信復調信号の電圧が閾値電圧未満であることを確認して通信周波数を変更して通信維持でき、通信失敗後の同一通信周波数でのリトライ回数を低減できる。
請求項4記載の発明によれば、無線タグの交換や、電源オンに際し、無線タグと通信可能な状態に速やかに移行できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
この画像形成装置10は、例えば、原稿読取(スキャン)、複写(コピー)、印刷(プリント)、FAX(ファクシミリ通信)等の機能を有する複合機を想定したものであり、図1に示すように、所定の読取位置(プラテン上)に載置される原稿Gの画像を読取り、電気的な画像信号(画像データ)に変換する読取部11、読取部11により原稿Gを読取走査して得られた画像データや、外部装置〔この例では、PC(パーソナル・コンピュータ)60〕から入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理部12、画像データや動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部13、画像処理部12により画像処理された画像信号(印刷データ)に基づき電子写真プロセスを実行して記録媒体(記録用紙)に該印刷データに対応する画像を形成(印刷)する画像形成部14、タッチパネル機能を有する大型ビットマップディスプレイ等から成る表示/操作部15、スキャン、コピー、プリント及びFAX等の各機能に係わる該当各部の動作制御等、装置全体の制御を行なう制御部16、PC60との間での通信インタフェースを司る外部インタフェース(I/F)部17を備えて構成される。
画像処理装置10において、画像形成部14は、消耗品であるトナーカートリッジ30を着脱可能に保持している。
トナーカートリッジ30には、画像形成プロセスの実行時に使用されてその都度減耗するトナーが装填されている。
他方、画像形成部14には、トナーカートリッジ30を着脱可能に保持する保持機構(不図示)が設けられ、ユーザは、画像形成装置10の製造メーカから適合するトナーカートリッジ30を購入し、該トナーカートリッジ30を上記保持機構により画像形成部14に装着して用いる。
図2は、図1における画像形成装置10のトナーカートリッジ30の運用に係る詳細機能構成を示すブロック図である。
図2において、画像形成部14に装着されるトナーカートリッジ30には、上面の所定位置に、例えば、RFID(Radio Frequency−Identification:電波方式認識)タグから成る無線ICタグ40が取付けられている。
この無線ICタグ40には、例えば、不揮発性メモリ(nonvolatile memory:NVM)から成る記憶部が実装され、該記憶部には、製造メーカでの該トナーカートリッジ30の製造時にそれぞれ記録された、当該各トナーカートリッジ30を識別可能な種々の情報(固有の型番、製造シリアル番号、製造工場情報、適合機種情報等の情報)が記憶されている。
一方、画像形成装置10の装置本体側には、トナーカートリッジ30が画像形成部14に装着された際に、該トナーカートリッジ30が保持する無線ICタグ40と非接触通信が可能な距離範囲内の適宜な位置に設置され、制御部16の情報読取/書込処理部161の制御下で、無線ICタグ40の記憶部からの情報読取りと、該記憶部への情報書込みとを行う情報読取/書込部162が設けられる。
制御部16は、トナーカートリッジ30の装着後、印刷を含む運用が始まると、印刷枚数からトナーの残量を換算して該トナー残量を無線ICタグ40の記憶部に書き込んだり、次の回に印刷の開始が指示された場合に無線ICタグ40の記憶部から記憶されているトナー残量を読み込んで装置各部(画像形成プロセス)を制御する機能を有する。
かかる機能動作を円滑に実行するには、無線ICタグ40と制御部16間の無線通信の失敗を極力低減することが重要である。
無線ICタグ40は、通常、ループコイル状のアンテナと、通信回路と、IC(制御部、記憶部の機能を有する半導体集積回路)部から構成され(図3参照)、制御部16側の情報読取/書込部162(通信回路、アンテナから成る)からの無線送信信号によりIC部内の制御部が起動して該IC部内の記憶部に記憶された制御信号を情報読取/書込部162側に送信する通信機能を有する。
かかる通信機能を実現するため、無線ICタグ40は、情報読取/書込部162からの無線送信信号に対してある共振周波数を持っている。
無線ICタグ40を製造する際にはその共振周波数を規定された範囲内に収まるように管理しつつ製造が行われるが、無線ICタグ40の共振周波数が規定範囲の上限又は下限付近であった場合、該無線ICタグ40を装着し、運用する際、外的なノイズや、制御部16の通信回路側の特性などを原因として通信の失敗(通信エラー)が発生し易くなる。
また、共振周波数が規定範囲内に収まって製造された無線ICタグ40でも、その後の運用で、例えば、印刷等の動作に伴い装置内の温度が上昇した場合等に、無線ICタグ40の共振周波数や通信回路の特定が変動して通信エラーを引き起こすケースも考えられる。
更には、無線ICタグ40がトナーカートリッジ30や感光体ドラム(不図示)等の消耗品に保持されて運用される性質上、例えば、消耗品を交換した場合に、該交換前の消耗品に保持される無線ICタグ40と、交換後の消耗品に保持される無線ICタグ40との共振周波数が差がある場合は、それまでと同じ無線周波数では通信エラーとなるケースもある。
上述した各種要因に基づく通信エラー低減策としては、無線ICタグ40の製造時における周波数特性範囲の許容範囲をより厳しく(狭める)ことが一般的であるが、この方法では、検査工数や手直し加工が加わり、製造コストが上昇する。通信回路を精度の良い部品で構成しても同様である。
本発明は、制御部16に、通信エラーが発生しても別の無線周波数(通信周波数)に変更して通信を維持する制御機能を付加し、無線ICタグ40との通信におけるエラー発生率を低減すると共に、無線ICタグ40の周波数特性のバラツキに対する通信の許容範囲を広げて無線ICタグ40の製造時における周波数特性管理を緩和することによって製造時の歩留まりを向上させるものである。
以下、本発明に係わる画像形成装置10の処理動作について各実施例を挙げて詳細に説明する。
図3は、本実施例に係る画像形成装置10における制御部16と無線ICタグ40の詳細構成を示すブロック図である。
制御部16は、図2に示す情報読取/書込処理部161を含む中央制御部(CPU)51、周波数メモリ521及び設定メモリ522を有する記憶部52、図2に示す情報読取/書込部162を構成する通信回路部53及びアンテナ54を備えて構成される。
周波数メモリ521には、通信回路部53に対して選択的に設定可能なそれぞれ異なる値の複数の無線周波数が記憶される。
設定メモリ522には、周波数メモリ521に記憶される複数の無線周波数のうちから選択され、無線ICタグ40との無線通信に用いる(通信回路部53に設定する)1つの無線周波数が記憶される。
通信回路部53は、無線ICタグ40との無線通信に用いる無線周波数を変更する周波数変更部531、設定された無線周波数に基づき無線ICタグ40に対する無線送信を行う送信回路532、該無線送信に対する無線ICタグ40からの応答無線送信の受信を行う受信回路533により構成される。アンテナ54は、ループコイル状のアンテナにより構成される。
中央制御部51は、設定メモリ52に記憶される無線周波数を通信回路部53(送信回路532及び受信回路533)に設定し、送信回路532により送信情報を(例えば、読出し命令)を変調して上記設定された無線周波数を用いて無線ICタグ40に無線送信させると共に、該無線送信に応答して無線ICタグ40から送信された無線送信情報(上記読出し命令によってIC部43から読み出した制御情報)を受信回路533により上記設定された無線周波数により受信、復調させるように通信回路部53の無線通信動作を制御する機能と、該無線通信により無線ICタグ40から受信した情報(IC部43から読み出した制御情報)に基づき装置各部を制御する機能を有する。
また、中央制御部51は、図4に示す周波数変更処理機能を有する。この周波数変更処理機能は、周波数メモリ521に記憶される複数の無線周波数から選択的に決定された1つの無線周波数を通信回路部53に設定して無線ICタグ40に無線送信し、該無線ICタグ40からの応答無線送信の受信の結果に基づいて通信エラーか否か(通信が失敗したか成功したか)を検出する制御機能、設定中の無線周波数に基づく無線送信に対して無線ICタグ40からの応答無線送信の受信結果に基づき通信エラーが予め設定した回数続いて検出された場合、周波数変更部531に指示して送信回路532及び受信回路533に設定する無線周波数を変更させる制御機能、変更された無線周波数により無線ICタグ40に無線送信し、該無線ICタグ40からの応答無線送信の受信結果に基づき通信エラーでないことが検出された場合、該変更された無線周波数を無線ICタグ40との無線通信に用いる無線周波数として設定メモリ522に記憶(設定)する制御機能とにより実現される。
一方、無線ICタグ40はループコイル状のアンテナ41、該アンテナ41を介して制御部16側のアンテナ54との間で無線信号の受信及び送信を行う通信回路42、該無線ICタグ40が貼り付けられるトナーカートリッジ30の製造情報等の他、トナー残量等の制御情報を記憶する記憶部、通信回路部53からの信号により起動し、該記憶部に対する制御情報等の書き込み及び読出し制御や、読み出した制御情報の送信の制御を行なう制御部を有するIC(半導体集積回路)部43を備えて構成される。
図4は、本実施例に係る画像形成装置10の周波数変更処理動作を示すフローチャートである。
図4において、中央制御部51は、予め設定した周波数変更処理起動条件(以下、起動条件)が発生したか否かを監視し(ステップS101)、該起動条件が発生した場合(ステップS101YES)、当該周波数変更処理を起動し、周波数メモリ521に記憶されている複数の無線周波数の中から予め設定されている変更アルゴリズム〔例えば、どの周波数からどの順番(昇順、降順等)に変更していくかが予め決められている。〕に従がって1つの無線周波数を選択し、該選択した無線周波数を周波数メモリ521から読出して送信回路532及び受信回路533に設定し(ステップS102)、周波数変更処理のための情報(特定の命令:例えば、情報の書き込み、読出し等)の送信を送信回路532に指示し、該送信回路532では該情報を変調して上記設定した無線周波数でアンテナ54から無線送信させる(ステップS103)。
なお、上記ステップS101で監視する起動条件としては、後で詳述するように、通常動作中の無線通信エラーをはじめ、消耗品交換用のカバーの開閉、電源投入等の諸条件が設定可能である。
上記ステップS103で制御部16からの無線ICタグ40に対する無線送信が行われると、無線ICタグ40では、該無線送信された信号をアンテナ41で受信し、該受信信号を通信回路42で復調してIC部43に取り込み、該IC部43の制御部が例えば情報の書込みであるという命令を解析して該命令に従がった処理を行う。
ここで、命令が例えば情報の書込みであれば、該情報を記憶部に書き込んだうえで書込み完了を示す情報の送信命令を通信回路42に送出する。
通信回路42は、IC部43から送出された送信命令に従がって書込み完了を示す情報を変調してアンテナ41から無線送信する。
これに対し、制御部16では、無線ICタグ40から応答送信された無線信号をアンテナ54で受信して受信回路533に取り込み、該受信回路533が該受信信号に含まれる情報を復調し、中央制御部51に渡す。
中央制御部51は、上記ステップS103で情報の書き込み命令を無線送信した後、受信回路533から入力する受信復調信号の内容に基づき通信エラーが発生したか否(通信が失敗したか成功したか)かをチェックする(ステップS104)。
ここで、受信回路533からの受信復調信号に基づき通信エラーでない(通信が成功した)ことが検出された場合(ステップS104NO)、上記無線送信に用いた無線周波数を設定メモリ522に記憶し(ステップS121)、当該周波数変更処理を終了する。
これに対して、上記無線送信後、受信回路533からの受信復調信号に基づき通信エラーであることが検出された場合(ステップS104YES)、無線送信リトライ(再試行)処理に移行する。
無線送信リトライ処理に移行すると、まず、リトライ回数N(初期値=“0”)を“+1”をインクリメントし(ステップS111)、該リトライ回数Nが設定値に達したか否かをチェックする(ステップS112)。
ここでリトライ回数Nが設定値に達していない場合は(ステップS112YES)、ステップS103に戻り、設定中の無線周波数で上述した無線送信を再度実行する。
その後、ステップS104で上記無線送信に対する受信復調信号の監視結果から通信エラーが検出され(ステップS104YES)、ステップS112でリトライ回数Nが設定値を超えていない(ステップS112YES)うちは、ステップS103→S104YES→S111→S112YESを経て現在設定中の無線周波数で上述した無線送信を繰り返し実施する。
この間、ステップ112でリトライ回数Nが設定値を超えたと判定される(ステップS112NO)前に、ステップS104で上記無線送信に対する受信回路533の受信復調信号に基づき通信エラーでないことが検出されると(ステップS104NO)、該無線送信に用いた無線周波数を設定メモリ522に記憶し(ステップS121)、当該周波数変更処理を終了する。
これに対して、上記ステップS103→S104YES→S111→S112YESの処理を繰り返し実施する中で、それぞれの無線通信のいずれも通信エラーが検出されたままステップ112でリトライ回数Nが設定値に達したことが判定される(ステップS112NO)と、周波数メモリ521に記憶されている複数の無線周波数を対象に、現時点で設定されている無線周波数に対する変更(シフト)対象の無線周波数を検索する(ステップS113)。
この検索処理において、中央制御部51は、上記変更アルゴリズム上のシフト順番を踏まえ、当該通信(エラーが検出された通信)で使用した無線周波数に対して次の順番の無線周波数(1シフト分離間した無線周波数)の検索を行う。
この検索処理中、シフト対象の無線周波数(一度シフトしたものは除く)が存在するか否かを判定し(ステップS114)、シフト対象の無線周波数が存在するならば(ステップS114YES)、該シフト対象の無線周波数を送信回路532、受信回路533に設定し(ステップS115)、リトライ回数Nを初期値“0”にリセット(ステップS116)したうえ、新たに設定された無線周波数を用いて、ステップS103以降の処理を続行する。
このステップS103以降の処理中、ステップS103→S104YES→S111→S112YESの処理において、シフトした無線周波数で予め設定されたリトライ回数Nだけ送信をリトライしたにも拘らず、ステップS112でリトライ回数Nが設定値に達したと判定された場合(ステップS112NO)、続くステップS113〜S116で、更に次のシフト順番を有するシフト対象の無線周波数を検索して送信回路532、受信回路533に設定し(ステップS113→S1114YES→S115)、リトライ回数Nをリセット後(ステップS116)、ステップS103、S104、S111〜S116までの処理を続行する。
このステップS103、S104、S111〜S116までの処理(設定回数だけ無線送信をリトライしても通信エラーが検出される場合は、次のシフト順番の無線周波数を検索、設定し、該検索、設定された無線周波数での無線送信を実行する処理)は、通信エラーが解消されるまで(通信が成功するまで)、対象となる全ての無線周波数(周波数メモリ521に記憶されている)について実施される。
この間、ステップS115で設定した、シフト後の無線周波数に基づくステップS103での無線送信に対する受信復調信号の監視結果からステップS104で通信エラーでないことが検出されると(ステップS104NO)、上記ステップS103での無線送信に用いたシフト後の無線周波数を設定メモリ522に記憶し(ステップS121)、当該周波数変更処理を終了する。
なお、ステップS115で設定した、シフト後の無線周波数に基づくステップS103での無線送信に対する受信復調信号の監視結果からステップS104で通信エラーが検出(ステップS104YES)された後のステップS114〜S116の処理中、S1114において、それまでに対象となる全ての無線周波数のシフトが完了していてシフト対象の無線周波数が存在しないと判定された場合(ステップ114NO)は、例えば、表示/操作部15の表示パネル上にエラーメッセージを表示する等の方法によりエラー報知を行い(ステップS117)、当該周波数変更処理を終了する。
本実施例において、図4に示す一連の処理中、ステップS101で検出する起動条件は、無線ICタグ40を保持する消耗品を装着し、該無線ICタグ40との無線通信を行うという画像形成装置10の運用を踏まえ、該無線ICタグ40との通信エラーを低減する観点から決定する必要がある。
かかる観点からまず考えられるのは、通常動作中の通信エラーの発生を上記起動条件として設定する方法である。
該起動条件の設定時、中央制御部51は、通常動作中に送信回路532からの無線送信に対する受信回路533の復調信号信号に基づき通信エラーであることを検出すると(ステップS101YES)、ステップS102以降の処理を実施する。
その際、ステップS102においては、周波数メモリ521に記憶されている複数の周波数中、変更アルゴリズム上、最初の周波数を読み出して通信回路部53に設定し、次いでステップS103、S104で、該設定周波数で無線ICタグ40に対する無線送信を行なわせてその通信がエラーか否かをチェックすることは勿論可能である。
但し、これに限らず、ステップS101でエラーとなったことが検出された無線周波数(現在設定メモリ522に設定されている無線周波数)の次のシフト順番を有する無線周波数を周波数メモリ521から読み出し、該読み出した無線周波数を送信回路532及び受信回路533に設定し(ステップS102)、送信回路532による無線送信を行なわせ(ステップS103)、通信エラーか否かをチェックする(ステップS104)ようにしても良い。
この場合、ステップS104で通信エラーが検出された場合、その後ステップS113〜S115においては、該エラーとなった通信に用いた周波数の次のシフト順番を有する無線周波数にシフトさせたうえで通信エラーのチェックを行うようにすれば良い。
この種の画像形成装置10では、例えば、動作の継続に伴い内部温度が上昇することで無線ICタグ40の共振周波数や通信回路の特性が変化することがある。
その場合は、動作当初に設定された通信周波数では通信エラーが発生することがあるため、上述した如く、動作中の通信エラーの発生を起動条件として設定して該起動条件を検出し(ステップS101YES)、その後、ステップS113〜S115を経て、通信回路に設定する無線周波数を現在の値から変更することで、温度上昇に伴う無線ICタグ40の共振周波数や通信回路の特性が変化に対しても通信を維持することができる。
また、動作中に通信エラーが発生した場合(ステップS101YES)にも直ぐにエラーと判断するのでなく、ステップS111→S112YES→S103でのリトライ動作を経て通信条件の最適化を再度試みることで通信エラーの発生率を低減できる。
また、上記ステップS101で監視する起動条件としては、以下のような運用を踏まえて決定する方法もある。
例えば、制御部16と通信を行う無線ICタグ40は画像形成装置10に装着して用いる消耗品に保持されているため、消耗品の交換がなされた場合、制御部16は別の無線ICタグ40との通信を行うことになる。
消耗品の交換は着脱用のカバー(不図示)を開け、古い消耗品を取り出した後、新しい消耗品を装着し、カバーを閉めることにより操作可能な状態となる。
このように、カバーの開閉が検出された場合は、消耗品(保持される無線ICタグ)が交換された可能性があり、これまでの同じ周波数では通信エラーを引き起こす可能性がある。
このため、カバーの開閉を検出する開閉検出手段を設け、該開閉検出手段により、上記起動条件として設定された該カバーの開閉が検出された場合(図4のステップS101YES)に、それ以前の通信周波数記録は無効にし、図4に示すステップS102以降の周波数変更設定処理を行って新たに装着された無線ICタグ40の周波数特性に合わせた無線周波数を再設定するようにしても良い。
また、上述した消耗品の交換は装置電源をOFFにした状態で行い、交換後、電源をONにして運用開始することに一般的であるため、電源の投入を上記起動条件として検出し、電源投入が検出された場合に(図4のステップS101YES)、図4に示すステップS102以降の周波数変更設定処理を行う構成としても良い。
なお、ここで挙げたカバー開閉、電源投入を起動条件とするケースでは、これら起動条件が検出された場合(ステップS101YES)に、ステップS102以降の処理において、設定メモリ522に記憶されている無線周波数を初期値として無線ICタグ40の通信を行うようにしても良い。
この他、ユーザが表示/操作部15を用いて行う周波数変更モードの設定操作を上記起動条件として検出し(図4のステップS101YES)、図4に示すステップS102以降の周波数変更設定処理を行うようにしても良い。
この場合は、周波数変更モード設定操作が検出されることにより(ステップS101YES)に、ステップS102において、常に、変更アルゴリズム上、最初の周波数から順番に周波数をシフトしていくようにしても良い。
図5は、本実施例の周波数変更処理(図4参照)に基づく通信回路部53に対する周波数設定変更例を説明するための周波数対受信レベルの特性を示す図である。
図5において、無線ICタグ40は、設計上、目標値である周波数f0を挟む下限の周波数f1から上限の周波数f3までが共振周波数の規定範囲とされ、該設計上要求される規定範囲内の共振周波数を持つように製造される。
本実施例では、上記発振周波数特性を有する無線ICタグ40との通信に際し、制御部16の制御により通信回路部53に対し、該無線ICタグ40の実際の共振周波数が下限値(下限の特性)、目標値(中央の特性)、上限値(上限の特性)のいずれの値である場合でも(あるいは、運用中の温度上昇、経年変化等に周波数特性が変化した場合でも)、各共振周波数(各特性)にマッチする無線周波数(例えば、当該共振周波数に対して最も高い受信レベルが得られる無線周波数)に変更されて通信が維持される。
これにより、無線ICタグ40の製造時における共振周波数の規定範囲f1〜f3の設計要求を緩くでき無線ICタグ40の製造コストを低減できる。
他方、画像形成装置10(制御部16)側では、装着された無線ICタグ40との通信に際してその共振周波数にマッチした無線周波数を変更する制御機能を持つことを前提として、部品精度等を要因として周波数特性がバラついた通信回路を使用してもエラーなく通信を行うことができ、結果として、装置本体側の低コスト化も実現できる。
図6は、本実施例に係る画像形成装置10Bにおける制御部16bと無線ICタグ40の詳細構成を示すブロック図である。
本実施例において、制御部16bは、実施例1の制御部16と同等の記憶部52、通信回路部53、アンテナ54の他、通信回路部53の受信回路533の受信復調信号を取り込んで該受信復調信号の電圧を検出する電圧検出部54を備えて構成される。
中央制御部51bは、実施例1と同様、設定メモリ52に記憶される無線周波数を通信回路部53(送信回路532及び受信回路533)に設定し、送信回路532により送信情報を(例えば、読出し命令)を変調して上記設定された無線周波数を用いて無線ICタグ40に無線送信させると共に、該無線送信に応答して無線ICタグ40から送信された無線送信情報(上記読出し命令によってIC部43から読み出した制御情報)を受信回路533により上記設定された無線周波数により受信、復調させるように通信回路部53の無線通信動作を制御する機能と、該無線通信により無線ICタグ40から受信した情報(IC部43から読み出した制御情報)に基づき装置各部を制御する機能を有する。
また、中央制御部51bは、図6に示す周波数変更処理機能を有する。この周波数変更処理機能は、周波数メモリ521に記憶される複数の無線周波数から選択的に決定された1つの無線周波数を通信回路部53に設定して無線ICタグ40に無線送信し、該無線ICタグ40からの応答無線送信の受信結果に基づいて通信エラーか否か(通信が失敗したか成功したか)を検出する制御機能、設定中の無線周波数に基づく無線送信に対して無線ICタグ40からの応答無線送信の受信結果に基づき通信エラーが検出された場合、電圧検出部55にて受信回路533の受信復調信号の電圧を検出させる制御機能、電圧検出部55により検出された受信復調信号電圧が所定の閾値電圧より低い場合に周波数変更部531に指示して送信回路532及び受信回路533に設定する無線周波数を変更させる制御機能、変更された無線周波数により無線ICタグ40に無線送信し、該無線ICタグ40からの応答無線送信の受信結果に基づき通信エラーでないことが検出された場合、該変更された無線周波数を無線ICタグ40との無線通信に用いる無線周波数として設定メモリ522に記憶(設定)する制御機能とにより実現される。
図7は、本実施例に係る画像形成装置10Bの周波数変更処理動作を示すフローチャートである。
図7において、実施例1に係る周波数変更処理(図4参照)に示す各処理と同一の各処理には同一の符号を付している。
図7において、中央制御部51bは、周波数変更処理を起動するための予め設定した起動条件が発生したか否かを監視し(ステップS101)、該起動条件が発生した場合(ステップS101YES)、該周波数変更処理を起動し、周波数メモリ521に記憶されている複数の無線周波数の中から予め設定されている変更アルゴリズムに従がって1つの無線周波数を選択し、該選択した無線周波数を周波数メモリ521から読出して送信回路532及び受信回路533に設定し(ステップS102)、周波数変更処理のための情報(特定の命令:例えば、情報の書き込み、読出し等)の送信を送信回路532に指示し、該送信回路532では該情報を変調して上記設定した無線周波数でアンテナ54から無線送信させる(ステップS103)。
なお、上記ステップS101で監視する起動条件としては、実施例1と同様、通常動作中における無線通信エラーの発生を設定することができ、更には、カバー開閉、電源投入、ユーザによる波数変更モード設定操作等の諸条件も設定可能である。
ここで、動作中の通信エラーの発生を起動条件として検出し(ステップS101YES)、当該周波数変更処理を起動した場合は、ステップS102において、周波数メモリ521に記憶されている複数の周波数中、例えば、当該エラーとなった通信に用いた無線周波数の次シフト順の周波数を読み出して通信回路部53に設定し、該設定周波数で無線ICタグ40に対する無線送信を行なわせ、他方、カバー開閉、電源投入、周波数変更モード設定操作を起動条件として検出し(ステップS101YES)、当該周波数変更処理を起動した場合は、ステップS102において、周波数メモリ521に記憶されている複数の周波数中、変更アルゴリズム上、最初の周波数を読み出して通信回路部53に設定し、該設定周波数で無線ICタグ40に対する無線送信を行なわせることができる。
上記ステップS103で制御部16からの無線ICタグ40に対する無線送信が行われると、無線ICタグ40では、該無線送信された信号をアンテナ41で受信し、該受信信号を通信回路42で復調してIC部43に取り込み、該IC部43の制御部が例えば情報の書込みであるという命令を解析して該情報を記憶部に書き込んだうえで、該情報の受信に対する応答動作として、書込み完了を示す情報を通信回路42で変調してアンテナ41から無線送信する。
これに対し、制御部16bでは、無線ICタグ40から応答送信された無線信号をアンテナ54で受信されると、受信回路533が設定されている無線周波数でアンテナ54の受信出力を取り込んで復調し、中央制御部51bに渡す。
また、この時、受信回路533の受信復調信号が電圧検出部55に入力され、電圧検出部55は該入力された受信復調信号の電圧を検出する。
中央制御部51bは、上記ステップS103で情報の書き込み命令を無線送信した後、受信回路533から入力する受信復調信号の内容に基づき通信エラーが発生したか否(通信が失敗したか成功したか)かをチェックする(ステップS104)。
ここで、通信エラーでない(通信が成功した)ことが検出された場合(ステップS104NO)、実施例1と同様、上記無線送信に用いた無線周波数を設定メモリ522に記憶し(ステップS121)、当該周波数変更処理を終了する。
これに対して、上記無線送信後、受信回路533から入力する受信復調信号の内容に基づき通信エラーであることが検出された場合(ステップS104YES)、電圧検出部55による受信回路533の受信復調信号電圧の検出結果を取り込み(ステップS105)、該検出電圧が予め設定している閾値電圧未満であるか否かをチェックする(ステップS106)。
ここで、電圧検出部55の検出電圧が閾値電圧未満の場合(ステップS106YES)、ステップS113以降の周波数変更処理に移行する。この処理については後で詳述する。
これに対し、電圧検出部55の検出電圧(受信復調信号の電圧)が閾値電圧未満でない場合(ステップS106NO)、無線送信リトライ(再試行)処理に移行する。
送信リトライ処理に移行すると、まず、リトライ回数N(初期値=“0”)を“+1”をインクリメントし(ステップS111)、該リトライ回数Nが設定値に達していない場合は(ステップS112YES)、ステップS103に戻り、設定中の無線周波数で上述した無線送信を再度実行する。
その後、ステップS104で上記無線送信に対する受信復調信号の監視結果から通信エラーが検出され(ステップS104YES)、次いで電圧検出部55で検出された受信復調信号の電圧が閾値電圧未満でないことが検出され(ステップS105、S106NO)、更に、ステップS111を経てステップS112でリトライ回数Nが設定値を超えていない(ステップS112YES)うちは、ステップS103→S104YES→S105→S106NO→S111→S112YESを経て現在設定中の無線周波数で上述した無線送信を繰り返し実施する。
この間、ステップ112でリトライ回数Nが設定値を超えたと判定される(ステップS112NO)前に、ステップS104で上記無線送信に対する受信復調信号の監視結果から通信エラーでないことが検出されると(ステップS104NO)、該無線送信に用いた無線周波数を設定メモリ522に記憶し(ステップS121)、当該周波数変更処理を終了する。
これに対して、上記ステップS103→S104YES→S105→S106NO→S111→S112YESの無線送信リトライ処理を繰り返し実施する中で、それぞれの無線通信のいずれも通信エラーが検出され(ステップS104YES)、次いで電圧検出部55で検出された受信復調信号の電圧が閾値電圧未満でないことが検出されたまま(ステップS105、S106NO)、ステップ112でリトライ回数Nが設定値に達したことが判定される(ステップS112NO)と、ステップS113以降の周波数変更処理に移行する。
上記ステップS106で受信復調信号の電圧が閾値電圧未満であると判定される(ステップS106YES)ことにより、若しくは、上記無線送信リトライ処理においてリトライ回数Nが設定値に達したことが判定される(ステップS112NO)ことにより移行するステップS113において、中央制御部51bは、周波数メモリ521に記憶されている複数の無線周波数を対象に、現時点で設定されている無線周波数に対する変更(シフト)対象の無線周波数を検索する(ステップS113)。
この検索処理において、中央制御部51bは、上記変更アルゴリズム上のシフト順番を踏まえ、当該通信(エラーが検出された通信)で使用した無線周波数に対して次の順番の無線周波数(1シフト分離間した無線周波数)の検索を行う。
この検索処理中、シフト対象の無線周波数(一度シフトしたものは除く)が存在するか否かを判定し(ステップS114)、シフト対象の無線周波数が存在するならば(ステップS114YES)、該シフト対象の無線周波数を送信回路532、受信回路533に設定し(ステップS115)、リトライ回数Nを初期値“0”にリセット(ステップS116)したうえ、新たに設定された無線周波数を用いて、ステップS103以降の処理を続行する。
このステップS103以降の処理中、ステップS103→S104YES→S105→S106NO→S111→S112YESの処理において、シフトした無線周波数で予め設定されたリトライ回数Nだけ送信をリトライしたにも拘らず、ステップS112でリトライ回数Nが設定値に達したと判定された場合(ステップS112NO)、続くステップS113〜S116で、更に次のシフト順番を有するシフト対象の無線周波数を検索し周波数メモリ521から読み出して送信回路532、受信回路533に設定し(ステップS113→S114YES→S115)、リトライ回数Nをリセット後(ステップS116)、ステップS103→S104YES→S105→S106NO→S111→S112YESを経た無線送信リトライ処理、または、ステップS103→S104YES→S105→S106YES→S113〜S116を経た周波数変更処理を続行する。
この間、ステップS115で設定した、シフト後の無線周波数に基づくステップS103での無線送信に対する受信復調信号の監視結果からステップS104で通信エラーでないことが検出されると(ステップS104NO)、上記ステップS103での無線送信に用いたシフト後の無線周波数を設定メモリ522に記憶し(ステップS121)、当該周波数変更処理を終了する。
なお、ステップS115で設定した、シフト後の無線周波数に基づく無線通信が通信エラーとなり、電圧検出部55で検出した受信復調信号の電圧が閾値電圧未満となった(ステップS103→S104YES→S105→S106YES)後のステップS113〜S115の処理中、S114において、それまでに対象となる全ての無線周波数のシフトが完了していてシフト対象の無線周波数が存在しないと判定された場合(ステップ114NO)は、例えば、表示/操作部15の表示パネル上にエラーメッセージを表示する等の方法によりエラー報知を行い(ステップS117)、当該周波数変更処理を終了する。
本実施例における図7に示す周波数変更処理によれば、動作中の通信エラーの発生、カバー開閉、電源投入、周波数変更モード設定操作等の諸条件を起動条件として検出(ステップS101YES)してステップS102以降の周波数変更処理を起動し、該周波数変更処理において、この時の無線ICタグ40の共振周波数にマッチする無線周波数に変更して(図5参照)通信を維持することにより、実施例1と同様、無線ICタグ40の製造時における共振周波数の要求値を緩くして該無線ICタグ40の製造コストを低減できる。
これに加え、本実施例では、通信エラーが発生した時、通信回路部53の復調信号の電圧レベルを検出し、該電圧レベルがある閾値電圧より低い場合に周波数特性の不一致による通信エラーと判断し、その周波数ではリトライせずに次の周波数を変更、設定してリトライするため、通信エラー後、同じ周波数で何回かリトライした後に周波数を変更する場合に比べて、リトライ回数が増えて通信時間が増大することを回避できる。
また、図7の例では、通信エラーが発生しない限り、受信復調信号電力が閾値電圧未満であることを認識して周波数を変更してリトライする処理が行われないが、これに限らず、一定の通信回数間隔で受信回路533の復調信号の電圧レベルを検出、監視し、該電圧レベルが閾値電圧未満の場合に共振周波数や通信回路の特性が変化した可能性ありと判断して別の周波数に変更して通信条件の最適化を定期的に実行するようにしても良く、この場合は、外部ノイズなどの通信阻害要因に起因する通信エラーの発生率を下げることができる。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、上記各実施例では、トナーカートリッジ30に保持される無線ICタグ40を対象とする周波数変更処理を例示したが、本発明は、これに限らず、感光体ドラム等の他の消耗品、あるいは、消耗品以外の各種機能ユニット等、装置本体に対して着脱可能な交換部品に取付けられる無線ICタグ40との間の無線通信の通信エラー低減に有用である。
本発明は、無線タグを付加した機能ユニットを装置本体に実装し、該無線タグと無線通信する制御部を備えるプリンタや複合機等の画像形成装置に適用できる。
10…画像形成装置、11…読取部、12…画像処理部、13…記憶部、14…画像形成部、15…表示/操作部、16,16b…制御部、161…情報読取/書込処理部、162…情報読取/書込部、51,51b…中央制御部(CPU)、52…記憶部、521…周波数メモリ、522…設定メモリ、53…通信回路部、531…周波数変更部、532…送信回路、533…受信回路、54…アンテナ、55…電圧検出部、17…通信インタフェース(I/F)部、30…トナーカートリッジ、40…無線ICタグ、41…アンテナ、42…通信回路、43…IC(半導体集積回路)部、60…外部装置(PC:パーソナル・コンピュータ)
Claims (4)
- 装置本体に対して着脱可能に装着される交換部品に取付けられた無線タグと、
前記無線タグと所定の通信周波数を用いて無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部による無線通信により前記無線タグから受信した制御情報に基づく制御を行う制御部と
を有し、
前記無線タグは、
前記制御情報を記憶する記憶手段と、
前記無線通信部からの信号により起動して前記記憶手段に記憶された前記制御信号を前記無線通信部に送信する送信手段と
を具備し、
前記制御部は、
前記無線通信部による前記無線タグとの間の無線通信の失敗を検出する失敗検出手段と、
前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出された場合は、前記通信周波数を変更して前記無線通信を再試行する再試行手段と
を具備する画像形成装置。 - 前記再試行手段は、
前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出された場合は、同一の通信周波数を用いて前記無線通信を再試行し、該無線通信の再試行回数が予め設定された再試行回数に達しても前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出される場合、前記通信周波数を変更して前記無線通信を再試行する請求項1記載の画像形成装置。 - 前記無線通信部による前記無線タグとの間の無線通信の信号電圧を検出する電圧検出手段
を更に具備し、
前記再試行手段は、
前記失敗検出手段により前記無線通信の失敗が検出され、かつ前記電圧検出手段により検出される信号電圧が予め設定した電圧より低い場合は、前記同一の通信周波数を用いた前記無線通信の再試行を行うことなく、前記通信周波数を変更して前記無線通信を再試行する請求項2記載の画像形成装置。 - 前記再試行手段による再試行により前記無線通信が成功した場合は、該成功した無線通信に用いた通信周波数を記憶する記憶手段
を更に具備し、
前記無線通信部は、
前記記憶手段に記憶した通信周波数を初期値として前記無線タグと通信を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
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2008
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