JP2009196552A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ビードトウ部のゴム配合を改良し、高速旋回時のコントロール性を向上させる。
【解決手段】トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと前記ビードコア5の周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有するカーカスプライを具えた空気入りタイヤであって、前記ビード部のトウ部4Tは、タイヤ半径方向内側に配された内のトウゴム部9と、該内のトウゴム部9に連なりかつ前記カーカスプライ6Aに沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外のトウゴム部10とを含む。内のトウゴム部9の硬さHaが外のトウゴム部10の硬さHbよりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビードトウ部のゴム配合を改良することにより、高速旋回時のコントロール性を向上し得る空気入りタイヤに関する。
近年、車両の性能向上や高速道路網の整備などに伴い、四輪自動車で高速旋回を行う機会が増えつつある。車両の高速旋回時、路面と接地しているタイヤのトレッド部には大きな横力が生じる。このような横力は、図3(a)に示されるように、タイヤのビード部を軸方向に大きく変形させる。横力Fの方向に位置するビード部b1は、リムのフランジによって支えられる。しかし、横力Fの方向と反対側に位置するビード部b2は、フランジから離れる方向に倒れ込むので、その動きが大きくなる傾向がある。このため、従来では、図3(b)に示されるように、ビード部のトウ部に硬質のトウゴムrを配置してトウ部の変形を抑えることにより、前記横力Fとは反対側に位置するビード部b2の大きな動きを抑制している。関連する技術としては、次のものがある。
特開2006−341705号公報
ところで、上述の空気入りタイヤのビード部の構造においても、高速旋回時にビード部の動きを完全に抑えることは勿論できない。しかしながら、従来の構造では、横力が作用してビード部が動き始める際の過渡特性が急激なものとなり、ハンドルによる修正動作が必要になるなど、コントロール性能が悪いという問題があった。
発明者らが鋭意研究を重ねたところ、これまでの空気入りタイヤでは、トウ部に1種類のトウゴムrが配されていたため、横力がある大きさを超えるとビード部の変形が一気に進行することが主たる原因であることを知見し、本発明を完成させるに至った。
以上のように、本発明は、ビード部のトウ部に、硬さが異なるタイヤ半径方向内側に配された内のトウゴム部と、その外側をのびる外のトウゴム部とを含ませることを基本として、旋回中のビード部の変形を徐々に進行させることにより高速旋回時のコントロール性を向上し得る空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有するカーカスプライを具えた空気入りタイヤであって、前記ビード部のトウ部は、タイヤ半径方向内側に配された内のトウゴム部と、該内のトウゴム部に連なりかつ前記カーカスプライの本体部の内側面に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外のトウゴム部とを少なくとも含み、かつ内のトウゴム部の硬さHaが外のトウゴム部の硬さHbよりも大きいことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記内のトウゴム部の硬さHaは、60〜100度であり、かつ、前記外のトウゴム部の硬さHbは50〜70度である請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記ビード部には、前記カーカスプライの本体部と折返し部との間にビードエーペックスゴムが配されるとともに、前記外のトウゴム部の硬さHbは、前記ビードエーペックスゴムの硬さHcよりも小であり、かつ、前記内のトウゴム部の硬さHaは前記ビードエーペックスゴム8の硬さHcよりも大きい請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記硬さの比(Hc/Ha)が0.75〜0.95であり、かつ比(Hb/Hc)が0.70〜0.90である請求項3記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記内のトウゴム部は、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、ビードトウの近傍に位置する第1の頂点と、ビードヒール側の第2の頂点と、タイヤ半径方向最外側に位置する第3の頂点とを有する断面略三角形状をなすとともに、前記第3の頂点は、ビードコアのタイヤ半径方向最外側面よりもタイヤ半径方向外側に位置する請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記外のトウゴム部のタイヤ半径方向の外端は、前記内のトウゴム部の第3の頂点よりも外側に位置する請求項5記載の空気入りタイヤである。
また請求項7記載の発明は、前記外のトウゴム部のタイヤ半径方向の外端は、前記内のトウゴム部のタイヤ半径方向最外側の第3の頂点よりも外側に位置し、かつ、前記ビードコアからのビードエーペックスゴムの高さの1/2の位置よりもタイヤ半径方向内側に位置する請求項3記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤでは、ビード部のトウ部が、タイヤ半径方向内側に配された内のトウゴム部と、該内のトウゴム部に連なりかつ前記カーカスプライの本体部の内側面に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外のトウゴム部とを含み、しかも内のトウゴム部の硬さHaを外のトウゴム部の硬さHbよりも大きく設定されている。このため、高速旋回中では、先ず主体的に外のトウゴム部で変形を抑える一方、さらなる横力の増加時には外、内のトウゴム部が一体となってビード部の変形を抑えうる。これにより、ビード部の変形を横力に応じて滑らかに進行させることができ、ひいては高速旋回時のコントロール性が向上する。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の空気入りタイヤ1のタイヤ子午線断面、図2はそのビード部の部分拡大図をそれぞれ示す。また、図1の空気入りタイヤ1は、正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態が示されている。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであって、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば"DesignRim"、或いはETRTOであれば"MeasuringRim"をそれぞれ意味する。また、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
前記空気入りタイヤ1(以下、タイヤ1ということがある。)は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されたベルト層7とを具え、本実施形態では乗用車用のものが例示される。
前記カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、該本体部6aに連なりかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成される。前記カーカスプライ6Aは、例えばナイロン、レーヨン又はポリエステル等の有機繊維又はスチールからなるカーカスコードを有し、該カーカスコードは、例えばタイヤ赤道Cに対して70〜90°の角度に傾けて配列されている。
また、カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5の外面5Tからタイヤ半径方向外側にテーパ状でのびるビードエーペックスゴム8が配されている。ビード部4の曲げ剛性を十分に高めて高速旋回時の操縦安定性を高めるために、ビードエーペックスゴム8の硬さHcは、好ましくは60度以上、より好ましくは65度以上が望ましい。他方、該ビードエーペックスゴム8の硬さHcが大きすぎると、乗り心地が著しく悪化するおそれがあるので、好ましくは90度以下、より好ましくは85度以下が望ましい。なお、本明細書において、ゴムの硬さは、JIS−K6253に基づくデュロメーター硬さ(タイプA又はタイプD)として定義される。
また、ビードコア5の断面中心5Cを通るタイヤ軸方向線CLからビードエーペックスゴム8の外端8Tまでのタイヤ半径方向の距離であるビードエーペックスゴム8の高さhcは、好ましくは、前記タイヤ軸方向線CLを基準とするタイヤ高さ(タイヤ軸方向線CLからトレッド部2のタイヤ半径方向最外側位置までの高さであり図1に示す。)htの20%以上、より好ましくは30%以上が望ましく、また、好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下が望ましい。前記ビードエーペックスゴム8の高さhcが小さすぎると、ビード部4の曲げ剛性が不足するおそれがあり、逆に大きすぎると、乗り心地が著しく悪化するおそれがある。
本実施形態において、前記ビードコア5には、図2に拡大して示されるように、環状の芯線12と、該芯線12の周囲に複数本のシース線13aを螺旋状に巻き付けることにより形成された少なくとも1層(本実施形態では1層)のシース13とを有する断面円形のケーブルビード11が用いられる。前記芯線12は、モノフィラメントで構成されているが、複数本のフィラメントを撚り合わすことにより形成されたマルチフィラメントであっても良い。また、これら芯線12及びシース線13aには、スチールワイヤが好適に用いられる。
このようなケーブルビード11は、その周りに巻き付けられたカーカスプライ6Aからの力を、該ケーブルビード11自体の捻れやシース線13aの巻き締まり又は巻き弛み等によって吸収できる。従って、ケーブルビード11は、旋回走行時等のカーカスプライ6Aの歪を緩和し、ひいてはビード部4の耐久性を向上させるのに役立つ。ただし、ビードコア5は、このようなケーブルビード11に形態されるものではなく、鋼線等のビードワイヤを多段多列に巻回してなる断面横長状又は六角形状等のいわゆるテープビード(図示省略)であっても良いのは言うまでもない。
本実施形態において、前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜40°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚のベルトプライ7A及び7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。ベルトコードには、スチールコードが好適に用いられる。
また、ビード部4のトウ部4Tは、タイヤ半径方向内側に配された内のトウゴム部9と、該内のトウゴム部9に連なりかつカーカスプライの本体部6aの内側面に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外のトウゴム部10とを含んでいる。なお、トウ部4Tとは、図2に示されるように、ビードトウTPを含むビードのタイヤ軸方向内側の先端部分の領域を示し、少なくともビードコア5のタイヤ軸方向最内側を通るタイヤ半径方向線Nよりもタイヤ軸方向内側の部分を含むものとする。
前記内のトウゴム部9は、ビードトウTPの近傍に位置する第1の頂点P1と、ビードヒール4H側に位置する第2の頂点P2と、タイヤ半径方向最外側に位置する第3の頂点P3とを有する断面略三角形状をなす。より詳しく述べると、内のトウゴム部9は、第1の頂点P1と第3の頂点P3との間をタイヤ内腔面iに沿ってのびる内向き面9a、第1の頂点P1と第2の頂点P2との間をビード底面4Bに沿ってのびる底面9b及び第2の頂点P2と第3の頂点P3との間をのびる外向き面9cを有し、タイヤ半径方向外側に向かってタイヤ軸方向の幅が漸減する断面略三角形状で構成される。
また、内のトウゴム部9の内向き面9aには、タイヤ内腔面iをなす空気非透過性に優れたゴム組成物からなるインナーライナーゴム15が接合される。該インナーライナーゴム15は、一対のビード部4、4間をトロイド状に跨って配されている。
また、内のトウゴム部9の底面9bには、リムと直接接触するクリンチゴム16が接合される。該クリンチゴム16は、ビードトウTPとビードヒール4Hとの間をビード底面4Bに沿ってのびるとともに、カーカスプライ6Aの折返し部6bに沿ってタイヤ半径方向外側にのびる断面略L字状で構成されている。該クリンチゴム16は、リムと強い圧力で接触するため、耐摩耗性に優れた硬質のゴム組成物からなり、好ましくは硬さが85〜90度程度のゴム組成物が望ましい。
さらに、内のトウゴム部9の外向き面9cのタイヤ半径方向内側部分は、カーカスプライ6Aの折返し部6bに接合されるとともに、外向き面9cのタイヤ半径方向の外側部分は、カーカスプライ6Aの本体部6aから離間して前記第3の頂点P3まで滑らかな曲線でのびている。
本実施形態において、前記外のトウゴム部10は、厚肉の中央部からタイヤ半径方向内、外に厚さが漸減する断面略三日月状をなし、そのタイヤ半径方向の内側部分10aは、内のトウゴム部9の外向き面9cとカーカスプライ6Aとの間に配される。即ち、外のトウゴム部10は、内のトウゴム部の外向き面9cとカーカスプライの本体部6aの内側面とにそれぞれ接続されている。また、外のトウゴム部10のタイヤ半径方向の外側部分10bは、カーカスプライの本体部6aの内側面に沿ってタイヤ半径方向外側に先細状にのびて終端している。外のトウゴム部10のタイヤ半径方向の外端10Tは、内のトウゴム部の第3の頂点P3よりもタイヤ半径方向外側に位置するが、ビードエーペックスゴム8の外端8Tよりもタイヤ半径方向内側に位置している。
また、内のトウゴム部9の硬さHaは、外のトウゴム部10の硬さHbよりも大きく設定される。このため、高速旋回中では、先ず主体的に外のトウゴム部10でビード部4の変形を抑えることができる一方、さらなる横力の増加時には外のトウゴム部10及び内のトウゴム部9が一体となってビード部4の変形を抑えることができる。これにより、ビード部4の変形は、横力に応じて滑らかに進行し、従来のようにビード部の急激な変形を抑制できる。従って、高速旋回中、ドライバーによる舵角修正操作などを極力不要とし、高速旋回時のコントロール性を高めうる。
なお、内のトウゴム部9の硬さHaは、高速旋回時にビード部4の変形を十分に抑えるために、好ましくは80度以上、より好ましくは87度以上が望ましい。他方、内のトウゴム部9の硬さHaが大きすぎると、トウ部4Tが著しく硬化し、リム組みを困難にするおそれがある。このような観点より、内のトウゴム部9の硬さHaは、好ましくは93度以下が望ましい。同様に、外のトウゴム部10の硬さHbは、好ましくは55度以上が望ましく、また好ましくは65度以下が望ましい。
また、内のトウゴム部9の硬さHaと外のトウゴム部10の硬さHbとの比(Hb/Ha)は1.0よりも小であれば特に限定されるものではないが、1.0に近いと、外のトウゴム部10と内のトウゴム部9との硬度が近づき、ビード部4に曲げ変形が急激に生じるおそれがある。このような観点より、前記比(Hb/Ha)は、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下が望ましい。他方、前記比(Hb/Ha)が小さすぎると、両ゴム部9及び10の接合面に歪が集中しやすくなり、ひいては剥離が生じやすくなるなど、ビード部4の耐久性が悪化するおそれがある。このような観点より、前記比(Hb/Ha)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上が望ましい。
また、内のトウゴム部9の第3の頂点P3は、ビードコア5のタイヤ半径方向の最外側面5Tよりもタイヤ半径方向外側に位置することが望ましい。前記頂点P3がビードコア5の前記最外側面5Tと同高さ又はそれよりもタイヤ半径方向内側に位置する場合、内のトウゴム部9による曲げ変形抑制効果が十分に発揮されない傾向がある。
また、高速旋回時のビード部4の曲げ変形をより滑らかに行わせるために、内のトウゴム部9及び外のトウゴム部10の各硬さHa、Hbは、ビードエーペックスゴム8の硬さHcに関連づけることが望ましい。具体的には、外のトウゴム部10の硬さHbは、前記ビードエーペックスゴム8の硬さHcよりも小さく設定し、かつ、内のトウゴム部9の硬さHaは、前記ビードエーペックスゴム8の硬さHcよりも大きく設定すること(即ち、Ha>Hc>Hb)が望ましい。
図2に示されるような横力Fの作用時、ビード部4は、ビードコア5を中心としてトウ部4Tがリムシート面(図示省略)に強く押圧される向きに変形する。この際、先ず硬質のビードエーペックスゴム8が横力Fに抗じてビード部4の曲げ変形を抑制するが、さらなる横力Fの増加時によって外のトウゴム部10及び内のトウゴム部9へと変形が進む。この変形過程において、相対的に柔らかい外のトウゴム部10は、ビードエーペックスゴム8と内のトウゴム部9との間で大きく歪むことで応力を緩和するクッションの働きをなし、ビードエーペックスゴム8の運動エネルギを一部吸収しながら内のトウゴム部9へと伝える。このため、ビード部の急激な過渡現象がより一層防止される。
ここで、ビードエーペックスゴム8の硬さHcと、内のトウゴム部9の高さHaとの比(Hc/Ha)は、旋回初期のビード部4の大きな曲げ変形を抑えつつ乗り心地などを確保するために、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.80以上が望ましく、また、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.90以下が望ましい。同様に、ビードエーペックスゴム8の硬さHcと外のトウゴム部10の硬さHbとの比(Hb/Hc)は、外のトウゴム部10のクッション作用を効果的に発揮させるために、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.75以上が望ましく、また、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.85以下が望ましい。
なお、外のトウゴム部10の外端10Tは、前記ビードエーペックスゴムの高さhcの1/2の位置よりもタイヤ半径方向内側に位置するのが望ましい。これによって、ビードエーペックスゴム8の動きを過度に拘束することなく適度な乗り心地が維持される。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。
本発明の効果を確認するために、図1の基本構造と表1の仕様とに基づいて、サイズ330/710R18の空気入りタイヤが試作され、その性能がテストされた。なお、表1に示す構造以外は、いずれも同一である。テスト方法は次の通りである。
<高速旋回時のコントロール性能>
各テストタイヤを下記の条件で排気量3000ccの乗用車に装着し、速度200km/hで旋回走行を行ったときのタイヤの急激な挙動の有無、ステアリングによる修正操作量などをドライバーのフィーリングによって評価した。結果は、従来例を100とする評点であり、数値が大きいほど良好である。
リム:18×11J
空気圧:200kPa
<リム組み性>
リム組みタイヤレバーを用いて作業者によるリム組み、リム外し作業を行い、トウ部の欠け等の有無を肉眼で観察した。
テストの結果等を表1に示す。
Figure 2009196552
本実施形態の空気入りタイヤの断面図である。 そのビード部の拡大図である。 (a)は旋回中のタイヤの断面図、(b)はその部分拡大図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
4T トウ部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 ビードエーペックスゴム
9 内のトウゴム部
P1 第1の頂点
P2 第2の頂点
P3 第3の頂点
10 外のトウゴム部

Claims (7)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有するカーカスプライを具えた空気入りタイヤであって、
    前記ビード部のトウ部は、タイヤ半径方向内側に配された内のトウゴム部と、該内のトウゴム部に連なりかつ前記カーカスプライの本体部の内側面に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外のトウゴム部とを少なくとも含み、かつ
    内のトウゴム部の硬さHaが外のトウゴム部の硬さHbよりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記内のトウゴム部の硬さHaは、60〜100度であり、かつ、前記外のトウゴム部の硬さHbは50〜70度である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビード部には、前記カーカスプライの本体部と折返し部との間にビードエーペックスゴムが配されるとともに、
    前記外のトウゴム部の硬さHbは、前記ビードエーペックスゴムの硬さHcよりも小であり、かつ、前記内のトウゴム部の硬さHaは前記ビードエーペックスゴム8の硬さHcよりも大きい請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記硬さの比(Hc/Ha)が0.75〜0.95であり、かつ比(Hb/Hc)が0.70〜0.90である請求項3記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記内のトウゴム部は、タイヤ回転軸を含む子午線断面において、ビードトウの近傍に位置する第1の頂点と、ビードヒール側の第2の頂点と、タイヤ半径方向最外側に位置する第3のの頂点とを有する断面略三角形状をなすとともに、
    前記第3の頂点は、ビードコアのタイヤ半径方向最外側面よりもタイヤ半径方向外側に位置する請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記外のトウゴム部のタイヤ半径方向の外端は、前記内のトウゴム部の第3の頂点よりも外側に位置する請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記外のトウゴム部のタイヤ半径方向の外端は、前記内のトウゴム部のタイヤ半径方向最外側の第3の頂点よりも外側に位置し、かつ、前記ビードコアからのビードエーペックスゴムの高さの1/2の位置よりもタイヤ半径方向内側に位置する請求項3記載の空気入りタイヤ。
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