JP2009196285A - 押圧溝形成用スリット刃 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックグリーンシート積層体に設ける押圧溝にクラックや、形状不良の発生を防止できる押圧溝形成用スリット刃を提供する。
【解決手段】長手方向一方の端部に沿って切り刃11を設け、その先端を複数個の個片体が配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体12の表面に押し当てて押圧溝13を形成した後、これを焼成して分割溝19を設けるための押圧溝13を形成するのに用いられる押圧溝形成用スリット刃10において、切り刃先端15が断面視して厚み方向中心線上に設けられ、そこから長方形状板体のそれぞれの主面16、16aに延設する刃面17、17aの中心線に対するそれぞれの角度が10°以上の差を有する異なる角度からなると共に、切り刃の先端部の全体の角度が10°を超え、60°以下からなり、所望する部位の押圧溝13を形成するのに用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】長手方向一方の端部に沿って切り刃11を設け、その先端を複数個の個片体が配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体12の表面に押し当てて押圧溝13を形成した後、これを焼成して分割溝19を設けるための押圧溝13を形成するのに用いられる押圧溝形成用スリット刃10において、切り刃先端15が断面視して厚み方向中心線上に設けられ、そこから長方形状板体のそれぞれの主面16、16aに延設する刃面17、17aの中心線に対するそれぞれの角度が10°以上の差を有する異なる角度からなると共に、切り刃の先端部の全体の角度が10°を超え、60°以下からなり、所望する部位の押圧溝13を形成するのに用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数個の個片体が配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体の表面に個片体の外形形状になるように切り刃先端で押圧して区画する押圧溝を設け、セラミックグリーンシート積層体を焼成してそれぞれの個片体に分割するための分割溝を有するセラミック基板を形成するのに用いられる押圧溝形成用スリット刃に関する。
近年、半導体素子、水晶振動子、圧電素子等の電子部品を搭載させ収納するためのセラミック基板は、電子部品を搭載させた装置、例えば、携帯電話や、パソコン等の装置の小型化、高信頼性化等の要求に伴い、ますます軽薄短小化、高信頼性化等への対応が迫られている。これに対応するため、セラミック基板の形成には、従来からアルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等の複数枚の大型四角形シート状のセラミックグリーンシートが用いられ、これにタングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属で導体配線パターンを形成している。そして、導体配線パターンが形成された複数枚のセラミックグリーンシートは、重ね合わされて温度と、圧力をかけて接合されて積層体に形成している。このセラミックグリーンシート積層体は、シート内に個片体の焼成前のセラミック基板が複数個配列する集合体からなっている。この個片体が複数個配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体の表面には、長方形板体の長手方向一方の端部に沿って設ける切り刃先端を有する押圧溝形成用スリット刃を押し当てて、個片体の外形形状になるように区画する断面視してV形状の押圧溝を形成している。
図5(A)に示すように、従来の押圧溝形成用スリット刃50による押圧溝51の形成では、断面視して切り刃先端52を長方形板体の厚み方向中心線上に設け、中心線に対するそれぞれの刃面53、53aとの角度を等分とし、切り刃先端52を頂点とする全体の角度を10°〜60°程度となる二等辺三角形の形状をした先端部を有する押圧溝形成用スリット刃50が用いられている。そして、押圧溝51は、押圧溝形成用スリット刃50の切り刃先端52をセラミックグリーンシート積層体54に当接させ、更に刃面53、53aで押圧しながら刃面53、53aの途中までの先端部をセラミックグリーンシート積層体54に挿入させて形成している。従って、この押圧溝51は、押圧溝形成用スリット刃50の二等辺三角形の形状をした先端部でセラミックグリーンシート積層体54を等分に横方向に押し広げながら形成される。また、上記の押圧溝形成用スリット刃50による押圧溝51の形成では、複数本の押圧溝形成用スリット刃50が並列して設けられた押圧型が用いられている。
しかしながら、図5(B)に示すように、この押圧型による多数個の個片体からなる集合体の最外側の押圧溝51の形成においては、押圧溝形成用スリット刃50のセラミックグリーンシート積層体54への進入と共に、外側横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体54の弾性変形領域に超過が発生する。そして、更に、セラミックグリーンシート積層体54は、塑性変形領域となり、やがて、これも超えて集合体の最外側の押圧溝51のV字先端にクラック55の発生を起こさせることとなっている。
また、図6(A)に示すように、従来の押圧溝形成用スリット刃50による押圧溝51の形成では、それぞれの個片体に電子部品を搭載させ収納するための凹状のキャビティ部56を設けた多数個の個片体の集合体からなるセラミックグリーンシート積層体54を個片体にするために1対の押圧溝形成用スリット刃50が複数組並列して設けられた押圧型が用いられている。そして、押圧溝51は、上記と同様にして形成されている。
しかしながら、図6(B)に示すように、キャビティ部56を設けた多数個の個片体の集合体からなるセラミックグリーンシート積層体54のそれぞれのキャビティ部56近傍への押圧溝51の形成においては、押圧溝形成用スリット刃50のセラミックグリーンシート積層体54への進入と共に、横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体54の弾性変形領域に超過が発生する。特に、このセラミックグリーンシート積層体54の弾性変形領域に超過は、キャビティ部56側が空洞となっているので、横方向への押し広げが容易であることで発生している。そして、更に、セラミックグリーンシート積層体54は、塑性変形領域となり、やがて、これも超えてキャビティ部56の壁面57が変形するような形状不良の発生を起こさせることとなっている。
セラミックグリーンシートに設ける押圧溝の内部にクラックが発生するのを防止するためのスリット刃には、切り刃の先端部の刃先角度を50°以上とするとともに、切り刃の先端部近傍の厚みを0.4mm以下の薄肉部とするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、分割溝を有するセラミック基板の製造方法に用いられるスリット刃には、シート状セラミック成形体に設ける押圧溝の内部にクラックが発生するのを防止するために、先端にフラット面を設けたスリット刃が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、分割溝を有するセラミック基板の製造方法に用いられるスリット刃には、シート状セラミック成形体に設ける押圧溝の内部にクラックが発生するのを防止するために、先端にフラット面を設けたスリット刃が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前述したような従来の押圧溝形成用スリット刃は、次のような問題がある。
(1)従来の押圧溝形成用スリット刃や、実開平6−31989号公報や、特開平7−240571号公報で開示される押圧溝形成用スリット刃は、複数本の押圧溝形成用スリット刃が並列して設けられた押圧型の最外側の押圧溝以外の内部側の押圧溝を形成する場合には、隣接する押圧溝形成用スリット刃による横方向への押し広げによって、弾性変形領域への進行が阻止でき、クラックの発生を防止することができる。しかしながら、最外側の押圧溝は、例え、実開平6−31989号公報や、特開平7−240571号公報で開示される押圧溝形成用スリット刃を用いたとしても、従来の押圧溝形成用スリット刃を用いた場合と同様に、セラミックグリーンシート積層体への進入と共に、外側横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域に超過が発生すると共に、塑性変形領域となり、やがて、これも超えて集合体の最外側の押圧溝のV字先端のセラミックグリーンシート積層体にクラックの発生を起こさせている。これにより、焼成後の外周部のセラミック基板は、分割溝に沿った形状が得られなくなっている。
(2)また、例え、実開平6−31989号公報や、特開平7−240571号公報で開示される押圧溝形成用スリット刃を用いたとしても、キャビティ部を設けた多数個の個片体の集合体からなるセラミックグリーンシート積層体のそれぞれのキャビティ部近傍への押圧溝の形成においては、押圧溝形成用スリット刃のセラミックグリーンシート積層体への進入と共に、横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域に超過が発生している。特に、このセラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域に超過は、キャビティ部側が空洞となっているので、横方向への押し広げが容易であることから発生している。そして、更に、セラミックグリーンシート積層体は、塑性変形領域となり、やがて、これも超えてキャビティ部の壁面が変形するような形状不良の発生を起こさせている。これにより、キャビティ部を有する焼成後のセラミック基板は、正規のキャビティ部寸法が得られなっかったり、分割溝に沿った形状が得られなくなっている。
(1)従来の押圧溝形成用スリット刃や、実開平6−31989号公報や、特開平7−240571号公報で開示される押圧溝形成用スリット刃は、複数本の押圧溝形成用スリット刃が並列して設けられた押圧型の最外側の押圧溝以外の内部側の押圧溝を形成する場合には、隣接する押圧溝形成用スリット刃による横方向への押し広げによって、弾性変形領域への進行が阻止でき、クラックの発生を防止することができる。しかしながら、最外側の押圧溝は、例え、実開平6−31989号公報や、特開平7−240571号公報で開示される押圧溝形成用スリット刃を用いたとしても、従来の押圧溝形成用スリット刃を用いた場合と同様に、セラミックグリーンシート積層体への進入と共に、外側横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域に超過が発生すると共に、塑性変形領域となり、やがて、これも超えて集合体の最外側の押圧溝のV字先端のセラミックグリーンシート積層体にクラックの発生を起こさせている。これにより、焼成後の外周部のセラミック基板は、分割溝に沿った形状が得られなくなっている。
(2)また、例え、実開平6−31989号公報や、特開平7−240571号公報で開示される押圧溝形成用スリット刃を用いたとしても、キャビティ部を設けた多数個の個片体の集合体からなるセラミックグリーンシート積層体のそれぞれのキャビティ部近傍への押圧溝の形成においては、押圧溝形成用スリット刃のセラミックグリーンシート積層体への進入と共に、横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域に超過が発生している。特に、このセラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域に超過は、キャビティ部側が空洞となっているので、横方向への押し広げが容易であることから発生している。そして、更に、セラミックグリーンシート積層体は、塑性変形領域となり、やがて、これも超えてキャビティ部の壁面が変形するような形状不良の発生を起こさせている。これにより、キャビティ部を有する焼成後のセラミック基板は、正規のキャビティ部寸法が得られなっかったり、分割溝に沿った形状が得られなくなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、セラミックグリーンシート積層体に設ける押圧溝にクラックや、形状不良の発生を防止できる押圧溝形成用スリット刃を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る押圧溝形成用スリット刃は、長方形状板体の長手方向一方の端部に沿って切り刃を設け、切り刃先端を複数個の個片体が配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体の表面に押し当てて押圧溝を形成した後、セラミックグリーンシート積層体を焼成して分割溝を設けるための押圧溝を形成するのに用いられる押圧溝形成用スリット刃において、切り刃先端が断面視して厚み方向中心線上に設けられ、切り刃先端から長方形状板体のそれぞれの主面に延設する刃面の中心線に対するそれぞれの角度が10°以上の差を有する異なる角度からなると共に、切り刃の先端部の全体の角度が10°を超え、60°以下からなり、セラミックグリーンシート積層体の所望する部位の押圧溝を形成するのに用いられる。
請求項1記載の押圧溝形成用スリット刃は、切り刃先端が断面視して厚み方向中心線上に設けられ、切り刃先端から長方形状板体のそれぞれの主面に延設する刃面の中心線に対するそれぞれの角度が10°以上の差を有する異なる角度からなると共に、切り刃の先端部の全体の角度が10°を超え、60°以下からなり、セラミックグリーンシート積層体の所望する部位の押圧溝を形成するのに用いられるので、セラミックグリーンシート積層体の所望する部位である最外側の押圧溝形成にこの押圧溝形成用スリット刃の角度の急な鋭角側の刃面がセラミックグリーンシート積層体の外周側になるようにして形成することで押圧溝形成用スリット刃のセラミックグリーンシート積層体への進入と共に、外周側横方向への押し広げを緩和でき、セラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域の超過を防止でき、塑性変形領域の発生、更には、押圧溝のV字先端にクラックが発生するのを防止することができる。また、キャビティ部を設けた多数個の個片体の集合体からなるセラミックグリーンシート積層体の所望する部位のそれぞれのキャビティ部近傍への押圧溝の形成においては、この押圧溝形成用スリット刃の角度の急な鋭角側の刃面がセラミックグリーンシート積層体のキャビティ部側になるようにして形成することで押圧溝形成用スリット刃のセラミックグリーンシート積層体への進入と共に、キャビティ部側横方向への押し広げを緩和でき、セラミックグリーンシート積層体の弾性変形領域の超過を防止でき、塑性変形領域の発生、更には、キャビティ部の壁面が変形するような形状不良が発生するのを防止することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る押圧溝形成用スリット刃の斜視図、断面図、図2(A)〜(C)はそれぞれ同押圧溝形成用スリット刃を用いて押圧溝を形成する説明図、図3(A)〜(D)はそれぞれ同押圧溝形成用スリット刃を用いる実施例1の説明図、図4(A)〜(D)はそれぞれ同押圧溝形成用スリット刃を用いる実施例2の説明図である。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る押圧溝形成用スリット刃の斜視図、断面図、図2(A)〜(C)はそれぞれ同押圧溝形成用スリット刃を用いて押圧溝を形成する説明図、図3(A)〜(D)はそれぞれ同押圧溝形成用スリット刃を用いる実施例1の説明図、図4(A)〜(D)はそれぞれ同押圧溝形成用スリット刃を用いる実施例2の説明図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る押圧溝形成用スリット刃10は、長方形状板体の長手方向一方の端部に沿って切り刃11を設けている。そして、図2(A)〜(C)に示すように、複数個の個片体が配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体12の所望する部位に形成される押圧溝13は、所望する部位の位置に押圧溝形成用スリット刃10を立設させて一体化された押圧型14の切り刃11の切り刃先端15をこのセラミックグリーンシート積層体12の表面に押し当ててることで形成している。押圧溝13が形成されたセラミックグリーンシート積層体12は、セラミックの焼結温度で焼成して分割溝19、19a(図3(C)、図4(C)参照)を設けた複数個の個片体が配列するセラミック基板集合体20、20a(図3(C)、図4(C)参照)としている。そして、更に、セラミック基板集合体20、20aは、それぞれの分割溝19、19aで分割することで、個片体のセラミック基板21,21a(図3(D)、図4(D)参照)としている。
上記のセラミック基板の形成のためのセラミックグリーンシート積層体12は、従来から使用しているアルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックからなる複数枚の大型四角形シート状のセラミックグリーンシートを用いている。そして、これらセラミックグリーンシートには、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属の導体ペーストを用いてスクリーン印刷で導体配線パターンを形成した後、複数枚のこれらのセラミックグリーンシートを重ね合わせて温度と、圧力をかけて接合してセラミックグリーンシート積層体12を形成している。このセラミックグリーンシート積層体12は、シート内に個片体の焼成前のセラミック基板が複数個配列する集合体からなっている。
分割溝19、19aを設けるセラミック基板集合体20、20aを形成するための所望の部位の押圧溝13を形成するのに用いられる上記の押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃先端15が断面視して厚み方向の中心線上に設けられている。また、この押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃先端15から長方形状板体のそれぞれの主面16に延設する刃面17と、主面16aに延設する刃面17aの中心線に対するそれぞれの角度α、βが10°以上の差、即ち、|α−β|≧10°を有する異なる角度の角度αと、角度βからなっている。これと共に、この押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃11の先端部の全体の角度γが10°を超え、60°以下、即ち、60°≧γ=α+β>10°からなっている。そして、この押圧溝形成用スリット刃10は、セラミックグリーンシート積層体12の所望する部位の押圧溝13を形成するのに用いられている。
上記の押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃先端15が断面視して厚み方向の中心線上にあることで、切り刃11の先端部が山なりを形成し、セラミックグリーンシート積層体12両側のそれぞれに押し広げる度合いに違いを持たせながら押し広げて押圧溝13を形成することができる。上記の押圧溝形成用スリット刃10は、中心線に対するそれぞれの角度α、βの差が10°を下まわる場合には、角度α、βの差が小さくなりセラミックグリーンシート積層体12両側のそれぞれに押し広げる度合いに差がなくなり従来に近いスリット刃となって、押圧溝13のクラックや、形状不良の発生を防止することができなくなる。また、押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃11の先端部の全体の角度γが10°以下の場合には、先端部の角度が鋭角になりすぎて横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体12の弾性変形が小さく、押圧溝13のV字状先端部がセラミックグリーンシート積層体12の焼成時に溶着するので、焼成後の正常な分割溝19、19aからの分割が困難となる。更に、押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃11の先端部の全体の角度γが60°を超える場合には、先端部の角度が鈍角になりすぎて横方向への押し広げによるセラミックグリーンシート積層体12の弾性変形領域の超過が発生し、塑性変形領域の発生、更には、押圧溝13のV字先端のクラックや、キャビティ部22(図4(A)参照)の壁面が変形するような形状不良の発生を防止することができなくなる。
図3(A)〜(D)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る押圧溝形成用スリット刃10を用いる実施例1を説明する。
図3(A)、(B)に示すように、複数個の個片体が連接して配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体12に個片体にするための押圧溝13、13aを形成する場合には、集合体の最外側にこの押圧溝形成用スリット刃10を用いて押圧溝13を形成している。そして、個片体の隣接間には、切り刃の先端部が二等辺三角形の形状をした従来から使用していた押圧溝形成用スリット刃18を用いて押圧溝13aを形成している。この押圧溝13、13aの形成には、押圧溝形成用スリット刃10と、従来から使用していた押圧溝形成用スリット刃18を立設させた押圧型14aを用いている。この押圧型14aによる押圧溝13の形成には、押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の急な鋭角側の刃面、例えば、刃面17がセラミックグリーンシート積層体12の外周側になるようにしている。これにより、セラミックグリーンシート積層体12の外周側の押圧溝13は、押圧溝形成用スリット刃10のセラミックグリーンシート積層体12への進入と共に、外周側横方向への押し広げを緩和でき、セラミックグリーンシート積層体12の弾性変形領域の超過を防止でき、塑性変形領域の発生、更には、押圧溝13のV字先端にクラックが発生するのを防止することができる。
図3(A)、(B)に示すように、複数個の個片体が連接して配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体12に個片体にするための押圧溝13、13aを形成する場合には、集合体の最外側にこの押圧溝形成用スリット刃10を用いて押圧溝13を形成している。そして、個片体の隣接間には、切り刃の先端部が二等辺三角形の形状をした従来から使用していた押圧溝形成用スリット刃18を用いて押圧溝13aを形成している。この押圧溝13、13aの形成には、押圧溝形成用スリット刃10と、従来から使用していた押圧溝形成用スリット刃18を立設させた押圧型14aを用いている。この押圧型14aによる押圧溝13の形成には、押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の急な鋭角側の刃面、例えば、刃面17がセラミックグリーンシート積層体12の外周側になるようにしている。これにより、セラミックグリーンシート積層体12の外周側の押圧溝13は、押圧溝形成用スリット刃10のセラミックグリーンシート積層体12への進入と共に、外周側横方向への押し広げを緩和でき、セラミックグリーンシート積層体12の弾性変形領域の超過を防止でき、塑性変形領域の発生、更には、押圧溝13のV字先端にクラックが発生するのを防止することができる。
また、押圧溝13aの形成においては、従来の切り刃の先端部が二等辺三角形の形状をした押圧溝形成用スリット刃18の切り刃の先端部の中心線に対する角度を、押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の鈍角側の角度と同等程度にするのがよい。これにより、押圧溝13aは、押圧溝形成用スリット刃10と、隣接する従来の押圧溝形成用スリット刃18のセラミックグリーンシート積層体12への進入、及び隣接間同士の従来の押圧溝形成用スリット刃18のセラミックグリーンシート積層体12への進入に当たって互いに横方向への押し広げを相殺させて緩和でき、セラミックグリーンシート積層体12の弾性変形領域の超過、塑性変形領域の発生を防止して、安定した押圧溝13aを形成することができる。なお、押圧溝13、13aは、通常、セラミックグリーンシート積層体12の両主面から対向させてそれぞれ形成されている。
次に、図3(C)に示すように、押圧溝13,13aが形成されたセラミックグリーンシート積層体12は、これに形成されている導体配線パターンの高融点金属と、セラミックグリーンシートを、例えば、セラミックグリーンシートがアルミナからなる場合には還元雰囲気中の約1550℃程度の温度で同時焼成している。これにより、個片体に分割するための分割溝19を設けたセラミック基板集合体20を得ている。そして、図3(D)に示すように、セラミック基板集合体20は、分割溝19に沿って分割することで、個片体のセラミック基板21を作製している。
図4(A)〜(D)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る押圧溝形成用スリット刃10を用いる実施例2を説明する。
図4(A)、(B)に示すように、複数個の個片体のそれぞれに電子部品を搭載させ収納するための凹状のキャビティ部22を設けた多数個の個片体が連接して配列するの集合体からなるセラミックグリーンシート積層体12aに個片体にするための押圧溝13bを形成する場合には、それぞれの個片体とするためにこの押圧溝形成用スリット刃10を用いて押圧溝13bを形成している。このセラミックグリーンシート積層体12aからそれぞれの個片体を形成するには、個片体の外形となる部分に相対向する1対の押圧溝形成用スリット刃10が複数組並列して設けられた押圧型14bを用いている。この押圧型14bによる押圧溝13bの形成には、押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の急な鋭角側の刃面、例えば、刃面17がセラミックグリーンシート積層体12aのそれぞれの個片体のキャビティ部22側になるようにしている。これにより、この押圧溝形成用スリット刃10の角度の急な鋭角側の刃面17側がセラミックグリーンシート積層体12aへの進入と共に、キャビティ部22側横方向への押し広げを緩和でき、セラミックグリーンシート積層体12aの弾性変形領域の超過を防止でき、塑性変形領域の発生、更には、キャビティ部22の壁面が変形するような形状不良が発生するのを防止することができる。
図4(A)、(B)に示すように、複数個の個片体のそれぞれに電子部品を搭載させ収納するための凹状のキャビティ部22を設けた多数個の個片体が連接して配列するの集合体からなるセラミックグリーンシート積層体12aに個片体にするための押圧溝13bを形成する場合には、それぞれの個片体とするためにこの押圧溝形成用スリット刃10を用いて押圧溝13bを形成している。このセラミックグリーンシート積層体12aからそれぞれの個片体を形成するには、個片体の外形となる部分に相対向する1対の押圧溝形成用スリット刃10が複数組並列して設けられた押圧型14bを用いている。この押圧型14bによる押圧溝13bの形成には、押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の急な鋭角側の刃面、例えば、刃面17がセラミックグリーンシート積層体12aのそれぞれの個片体のキャビティ部22側になるようにしている。これにより、この押圧溝形成用スリット刃10の角度の急な鋭角側の刃面17側がセラミックグリーンシート積層体12aへの進入と共に、キャビティ部22側横方向への押し広げを緩和でき、セラミックグリーンシート積層体12aの弾性変形領域の超過を防止でき、塑性変形領域の発生、更には、キャビティ部22の壁面が変形するような形状不良が発生するのを防止することができる。
また、押圧溝13bの形成においては、隣接する個片体を形成するための押圧溝形成用スリット刃10との相対向する押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の鈍角側の刃面、例えば、刃面17aのセラミックグリーンシート積層体12aへの進入に当たって互いに横方向への押し広げを相殺させて緩和でき、セラミックグリーンシート積層体12aの弾性変形領域の超過、塑性変形領域の発生を防止して、安定した押圧溝13bを形成することができる。なお、押圧溝13bは、通常、セラミックグリーンシート積層体12の両主面から対向させてそれぞれ形成されている。また、セラミックグリーンシート積層体12bの外周部には、個片体を形成するための押圧溝13bとは別に押圧溝13bを設けるのがよい。この押圧溝13bは、押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の急な鋭角側の刃面、例えば、刃面17がセラミックグリーンシート積層体12bの外周側になるようにしている。これにより、セラミックグリーンシート積層体12bの外周側の押圧溝13bは、押圧溝形成用スリット刃10のセラミックグリーンシート積層体12bへの進入と共に、外周側横方向への押し広げを緩和できると共に、隣接する個片体を形成するための押圧溝形成用スリット刃10の中心線に対する角度の鈍角側の刃面17aによる横方向への押し広げを緩和させることができる。
次に、図4(C)に示すように、押圧溝13bが形成されたセラミックグリーンシート積層体12bは、これに形成されている導体配線パターンの高融点金属と、セラミックグリーンシートを、例えば、セラミックグリーンシートがアルミナからなる場合には還元雰囲気中の約1550℃程度の温度で同時焼成している。これにより、個片体に分割するための分割溝19aを設けたセラミック基板集合体20aを得ている。そして、図4(D)に示すように、セラミック基板集合体20aは、分割溝19aに沿って分割することで、個片体のセラミック基板21aを作製している。
本発明の押圧溝形成用スリット刃は、半導体素子や、水晶振動子等の電子部品素子を実装させて、小型で、高信頼性が要求される、例えば、携帯電話や、ノートブック型のパソコン等の電子装置に組み込まれて用いるための信頼性の高いセラミック基板を形成するために用いることができる。
10:押圧溝形成用スリット刃、11:切り刃、12、12a:セラミックグリーンシート積層体、13、13a、13b:押圧溝、14、14a、14b:押圧型、15:切り刃先端、16、16a:主面、17、17a:刃面、18:(従来の)押圧溝形成用スリット刃、19、19a:分割溝、20、20a:セラミック基板集合体、21、21a:セラミック基板、22:キャビティ部
Claims (1)
- 長方形状板体の長手方向一方の端部に沿って切り刃を設け、該切り刃先端を複数個の個片体が配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体の表面に押し当てて押圧溝を形成した後、前記セラミックグリーンシート積層体を焼成して分割溝を設けるセラミック基板を形成するための前記押圧溝を形成するのに用いられる押圧溝形成用スリット刃において、
前記切り刃先端が断面視して厚み方向中心線上に設けられ、前記切り刃先端から前記長方形状板体のそれぞれの主面に延設する刃面の前記中心線に対するそれぞれの角度が10°以上の差を有する異なる角度からなると共に、前記切り刃の先端部の全体の角度が10°を超え、60°以下からなり、前記セラミックグリーンシート積層体の所望する部位の前記押圧溝を形成するのに用いられることを特徴とする押圧溝形成用スリット刃。
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- 2008-02-25 JP JP2008042337A patent/JP2009196285A/ja active Pending
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