JP2007243088A - 多層セラミック基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼成前の分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の分割溝からの破壊を防止することができる多層セラミック基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数層からなる矩形状の大型絶縁基板の中央部に複数の個片体のセラミックパッケージ11の集合体12を有すると共に、外周部にダミー部13を有し、ダミー部13の除去、及び集合体12から個片体にするための両主面の相対向する縦横方向に複数本の分割溝14、14aを有する多層セラミック基板10において、大型絶縁基板の一方の主面のダミー部13のそれぞれに集合体12の外形となる分割溝14aに平行する第1のダミー溝15を有すると共に、他方の主面のダミー部13のそれぞれに集合体12の外形となる分割溝14aに平行する第2のダミー溝16を有し、しかも、第2のダミー溝16が両主面で第1のダミー溝15と相対向しない位置に有する。
【選択図】図1
【解決手段】複数層からなる矩形状の大型絶縁基板の中央部に複数の個片体のセラミックパッケージ11の集合体12を有すると共に、外周部にダミー部13を有し、ダミー部13の除去、及び集合体12から個片体にするための両主面の相対向する縦横方向に複数本の分割溝14、14aを有する多層セラミック基板10において、大型絶縁基板の一方の主面のダミー部13のそれぞれに集合体12の外形となる分割溝14aに平行する第1のダミー溝15を有すると共に、他方の主面のダミー部13のそれぞれに集合体12の外形となる分割溝14aに平行する第2のダミー溝16を有し、しかも、第2のダミー溝16が両主面で第1のダミー溝15と相対向しない位置に有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体素子や、発光素子や、水晶振動子等の電子部品を収納するためのセラミックパッケージの多数個の集合体が分割溝で仕切られる大型基板からなる多層セラミック基板及びその製造方法に関する。
図3(A)〜(C)に示すように、従来から、多層セラミック基板50は、大型絶縁基板の中央部に多数個のセラミックパッケージ51の集合体52を有すると共に、大型絶縁基板の外周部にダミー部53を有し、それぞれのセラミックパッケージ51が格子状の分割溝54で仕切られて形成されている。この分割溝54は、ダミー部53を除去するため、及び集合体52から個片体のそれぞれのセラミックパッケージ51にするために大型絶縁基板の両主面の相対向する縦横方向に複数本が形成されている。この多層セラミック基板50には、それぞれのセラミックパッケージ51に半導体素子や、発光素子や、水晶振動子等の電子部品が実装された後に、分割溝54で分割したり、あるいは、分割溝54で分割した後にセラミックパッケージ51に電子部品を実装したりしている。このような多層セラミック基板50の作製は、複数枚のセラミックグリーンシートのそれぞれに導体金属からなる導体配線パターンや、電子部品搭載部を形成した後、複数枚を積層して積層体を形成している。更に、この積層体には、一方、又は両主面に一方の端部から他方の端部に跨るようにして縦横方向のそれぞれに押圧刃を有する押圧型で押圧して格子状に分割溝54用のスナップラインを形成している。そして、積層体は、セラミックグリーンシートと導体金属を還元雰囲気中で同時焼成して分割溝54を有する多層セラミック基板50としている。
しかしながら、上記の多層セラミック基板は、積層体に分割溝用のスナップラインを形成する時に集合体の外形となるスナップラインの押圧によって積層体の外周部が外側に押し出され集合体の外形となるスナップラインの深さが深くなったり、更にはクラックが発生したりしている。このような多層セラミック基板は、焼成前、あるいは焼成後の工程途中の取り扱いによって、スナップラインや、分割溝からの破壊が発生し、歩留の低下となっている。
そこで、一方の主面の中央部に格子状の分割溝を設け、外辺域にダミー部を有する従来のセラミック基板には、分割溝の形成と同時に外辺の打ち抜きを行う時に作用する引っ張り応力で最外に位置する分割溝に破壊が発生するのを防止するために、ダミー部に最外に位置する分割溝と平行なダミー溝を形成し、そこに引っ張り応力を集中させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前述したような従来の多層セラミック基板には、次のような問題がある。
(1)セラミック基板がセラミックパッケージのような多層セラミック基板は、一方の主面のみに分割溝や、ダミー溝を設けるだけの場合には、集合体の外形となる分割溝用のスナップラインがダミー溝用のスナップラインの押圧によって積層体の外周部が外側に押し出されるのを防止することができ、集合体の外形となる分割溝用のスナップラインの深さが深くなったり、更にはクラックの発生を防止できる。しかしながら、この一方の主面のみに分割溝や、ダミー溝を設ける多層セラミック基板は、焼成前の取り扱いよる集合体の外形となる分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の取り扱い等における集合体の外形となる分割溝からの破壊を防止することができるものの、逆に厚さが厚くなるので、分割後の断面方向にバリや、抉れが発生し隣接するセラミックパッケージのそれぞれが正常な外形寸法を維持できなくなっている。
(2)セラミック基板がセラミックパッケージのような多層セラミック基板は、両主面に設ける分割溝用や、ダミー溝用のスナップラインの溝深さをコントロールしたとしても、両主面のダミー部の相対向する位置にダミー溝を設ける場合には、ダミー溝用のスナップラインの押圧によって積層体の外周部が外側に押し出されダミー溝用のスナップラインの溝深さが深くなったり、更にはクラックが発生したりしている。このような多層セラミック基板は、焼成前、あるいは焼成後の工程途中の取り扱いによって、スナップラインや、分割溝からの破壊が発生し、歩留の低下となっている。
(1)セラミック基板がセラミックパッケージのような多層セラミック基板は、一方の主面のみに分割溝や、ダミー溝を設けるだけの場合には、集合体の外形となる分割溝用のスナップラインがダミー溝用のスナップラインの押圧によって積層体の外周部が外側に押し出されるのを防止することができ、集合体の外形となる分割溝用のスナップラインの深さが深くなったり、更にはクラックの発生を防止できる。しかしながら、この一方の主面のみに分割溝や、ダミー溝を設ける多層セラミック基板は、焼成前の取り扱いよる集合体の外形となる分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の取り扱い等における集合体の外形となる分割溝からの破壊を防止することができるものの、逆に厚さが厚くなるので、分割後の断面方向にバリや、抉れが発生し隣接するセラミックパッケージのそれぞれが正常な外形寸法を維持できなくなっている。
(2)セラミック基板がセラミックパッケージのような多層セラミック基板は、両主面に設ける分割溝用や、ダミー溝用のスナップラインの溝深さをコントロールしたとしても、両主面のダミー部の相対向する位置にダミー溝を設ける場合には、ダミー溝用のスナップラインの押圧によって積層体の外周部が外側に押し出されダミー溝用のスナップラインの溝深さが深くなったり、更にはクラックが発生したりしている。このような多層セラミック基板は、焼成前、あるいは焼成後の工程途中の取り扱いによって、スナップラインや、分割溝からの破壊が発生し、歩留の低下となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、焼成前の取り扱いよる分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の取り扱い等における分割溝からの破壊を防止することができる多層セラミック基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る多層セラミック基板は、複数層からなる矩形状の大型絶縁基板の中央部に複数の個片体のセラミックパッケージの集合体を有すると共に、大型絶縁基板の外周部にダミー部を有し、ダミー部の除去、及び集合体から個片体にするための大型絶縁基板の両主面の相対向する縦横方向に複数本の分割溝を有する多層セラミック基板において、大型絶縁基板の一方の主面のダミー部のそれぞれに集合体の外形となる分割溝に平行する第1のダミー溝を有すると共に、大型絶縁基板の他方の主面のダミー部のそれぞれに集合体の外形となる分割溝に平行する第2のダミー溝を有し、しかも、第2のダミー溝が大型絶縁基板の両主面で第1のダミー溝と相対向しない位置に有する。
ここで、多層セラミック基板は、第1のダミー溝と、第2のダミー溝の平行間隔が大型絶縁基板を平面視して1.0mm以上あるのがよい。
ここで、多層セラミック基板は、第1のダミー溝と、第2のダミー溝の平行間隔が大型絶縁基板を平面視して1.0mm以上あるのがよい。
前記目的に沿う本発明に係る多層セラミック基板の製造方法は、複数枚の大型矩形状のセラミックグリーンシートからなる積層体の中央部に複数の個片体のセラミックパッケージの集合体を設けると共に、積層体の外周部にダミー部を設け、積層体の焼成後にダミー部の除去、及び集合体から個片体にするために、両主面の相対向する縦横方向に複数本の分割溝を設ける多層セラミック基板の製造方法において、積層体の一方の主面に分割溝用のスナップラインと、積層体の一方の主面のダミー部に集合体の外形となるスナップラインに平行して第1のダミー溝用の第1のダミーラインを、スナップライン形成用押圧刃及びダミーライン形成用押圧刃を有する積層体の縦横方向に形成するためのそれぞれの押圧型で押圧してスナップラインと、第1のダミーラインを積層体の縦横方向にそれぞれ形成する工程と、積層体の他方の主面に、一方の主面に形成された分割溝用のスナップラインに相対向させて分割溝用のスナップラインと、積層体の他方の主面のダミー部に集合体の外形となるスナップラインに平行し、第1のダミーラインと相対向しない位置に第2のダミー溝用の第2のダミーラインを、スナップライン形成用押圧刃及びダミーライン形成用押圧刃を有する積層体の縦横方向に形成するためのそれぞれの押圧型で押圧してスナップラインと、第2のダミーラインを積層体の縦横方向にそれぞれ形成する工程と、積層体を焼成して分割溝及び第1、第2のダミー溝を形成する工程を有する。
ここで、多層セラミック基板の製造方法は、第1のダミー溝と、第2のダミー溝の平行間隔が平面視して1.0mm以上設けられるように形成するのがよい。
ここで、多層セラミック基板の製造方法は、第1のダミー溝と、第2のダミー溝の平行間隔が平面視して1.0mm以上設けられるように形成するのがよい。
請求項1又はこれに従属する請求項2記載の多層セラミック基板は、大型絶縁基板の一方の主面のダミー部のそれぞれに集合体の外形となる分割溝に平行する第1のダミー溝を有すると共に、大型絶縁基板の他方の主面のダミー部のそれぞれに集合体の外形となる分割溝に平行する第2のダミー溝を有し、しかも、第2のダミー溝が大型絶縁基板の両主面で第1のダミー溝と相対向しない位置に有するので、厚さが厚い多層セラミック基板であっても両主面で相対向する分割溝によって断面方向にバリや、抉れの発生を防止して隣接するセラミックパッケージのそれぞれを正常な外形寸法にすることができる。また、両主面で相対向しない第1又は第2のダミー溝用のスナップラインによって、ダミー溝用のスナップラインの深さが深くなったり、クラックが発生することを防止しながら、第1又は第2のダミー溝用のスナップラインの押圧によって、集合体の外形となる分割溝用のスナップラインの深さが深くなったり、更にはクラックの発生を防止できるので、焼成前の取り扱いによる集合体の外形となる分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の取り扱い等における集合体の外形となる分割溝からの破壊を防止することができる多層セラミック基板を提供できる。
特に、請求項2記載の多層セラミック基板は、第1のダミー溝と、第2のダミー溝の平行間隔が大型絶縁基板を平面視して1.0mm以上あるので、第1のダミー溝と、第2のダミー溝が連結するようなスナップラインの深さになったり、クラックになったりすることを防止して、焼成前の取り扱いよる集合体の外形となる分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の取り扱い等における集合体の外形となる分割溝からの破壊を防止することができる多層セラミック基板を提供できる。
請求項3又はこれに従属する請求項4記載の多層セラミック基板の製造方法は、積層体の一方の主面に分割溝用のスナップラインと、積層体の一方の主面のダミー部に集合体の外形となるスナップラインに平行して第1のダミー溝用の第1のダミーラインを、スナップライン形成用押圧刃及びダミーライン形成用押圧刃を有する積層体の縦横方向に形成するためのそれぞれの押圧型で押圧してスナップラインと、第1のダミーラインを積層体の縦横方向にそれぞれ形成する工程と、積層体の他方の主面に、一方の主面に形成された分割溝用のスナップラインに相対向させて分割溝用のスナップラインと、積層体の他方の主面のダミー部に集合体の外形となるスナップラインに平行し、第1のダミーラインと相対向しない位置に第2のダミー溝用の第2のダミーラインを、スナップライン形成用押圧刃及びダミーライン形成用押圧刃を有する積層体の縦横方向に形成するためのそれぞれの押圧型で押圧してスナップラインと、第2のダミーラインを積層体の縦横方向にそれぞれ形成する工程と、積層体を焼成して分割溝及び第1、第2のダミー溝を形成する工程を有するので、集合体の外形となるスナップラインの押圧によって積層体の外周部が外側に広がるのを第1又は第2のダミーラインの押圧によって防止でき、最も破壊が発生しやすい集合体の外形となる分割溝用のスナップラインが深さ方向で連結したり、あるいはクラックで連結したりするのを防止できると共に、積層体の両主面で相対向しない第1又は第2のダミーラインによって、ダミーラインの深さが深くなったり、クラックが発生することを防止して焼成前の分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の取り扱い等における集合体の外形となる分割溝からの破壊を防止することができる多層セラミック基板の製造方法を提供できる。
特に、請求項4記載の多層セラミック基板の製造方法は、第1のダミー溝と、第2のダミー溝の平行間隔が平面視して1.0mm以上設けられるように形成するので、ダミーラインや、ダミー溝が深さ方向で、あるいはクラックで連結したりするのを防止して、焼成前の分割溝用のスナップラインからの破壊や、焼成後の取り扱い等における集合体の外形となる分割溝からの破壊を防止することができる多層セラミック基板の製造方法を提供できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)〜(C)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る多層セラミック基板の一方の主面側の平面図、他方の主面側の平面図、A−A’線縦断面図、図2(A)〜(E)はそれぞれ同多層セラミック基板の製造方法の説明図である。
ここに、図1(A)〜(C)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る多層セラミック基板の一方の主面側の平面図、他方の主面側の平面図、A−A’線縦断面図、図2(A)〜(E)はそれぞれ同多層セラミック基板の製造方法の説明図である。
図1(A)〜(C)に示すように、本発明の一実施の形態に係る多層セラミック基板10は、複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、焼成して形成される複数層からなる大型絶縁基板の中央部に格子状に配列された複数の個片体のセラミックパッケージ11の集合体12を有している。また、この多層セラミック基板10は、大型絶縁基板の外周部に集合体13を取り巻くようにしてダミー部13を有している。そして、この多層セラミック基板10は、ダミー部13の除去、及び集合体12から個片体のセラミックパッケージ11に分割するための大型絶縁基板の両主面の相対向する縦横方向にそれぞれ格子状の複数本の分割溝14を有している。なお、両主面の分割溝14の内の集合体12の外形となる分割溝14aは、少なくともそれぞれの主面及び両主面の相対向する2本が大型絶縁基板の端辺まで延設して設けられている。これにより、ダミー部13は、大型絶縁基板から除去することができる。セラミックパッケージ11は、図示しないが、様々な形態からなり、複数枚のセラミックグリーンシートのそれぞれに導体金属からなる導体配線パターンや、電子部品搭載部を形成した後、複数枚を積層し、焼成することで形成されている。
この多層セラミック基板10は、大型絶縁基板の一方の主面のダミー部13のそれぞれに、集合体12の外形となる分割溝14aに平行するようにして第1のダミー溝15を有している。また、この多層セラミック基板10は、大型絶縁基板の他方の主面のダミー部13のそれぞれに、集合体12の外形となる分割溝14aに平行するようにして第2のダミー溝16を有している。そして、この第2のダミー溝16は、大型絶縁基板の両主面で第1のダミー溝15と相対向しない平面視して間隔aを設ける位置に有している。この多層セラミック基板10は、分割前の集合体12の外形となる分割溝14aに破壊を発生させることなく分割時に分割溝14、14aで分割することで、正常な外形寸法を有する個片体のセラミックパッケージ11を得ることができる。
上記の多層セラミック基板10は、第1のダミー溝15と、第2のダミー溝16の平行間隔が大型絶縁基板を平面視して1.0mm以上あるのがよい。平行間隔が1.0mmを下まわる場合には、第1のダミー溝15と、第2のダミー溝16の深さ先端部が近接して破壊が発生しやすくなる。
次いで、図2(A)〜(E)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る多層セラミック基板10の製造方法を説明する。
図2(A)に示すように、多層セラミック基板10を形成するためには、Al2O3や、AlN等のセラミックからなるセラミックグリーンシート17が用いられている。このセラミックグリーンシート17は、例えば、セラミックがAl2O3からなる場合には、Al2O3粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチルフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及び、トルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤が加えられ、十分に混練した後、脱泡して粘度2000〜40000cpsのスラリーが作成され、ドクターブレード法等によって、例えば、厚さ0.25mmのロール状のシートに形成され、矩形状の適当な大きさにカットして作製されている。
図2(A)に示すように、多層セラミック基板10を形成するためには、Al2O3や、AlN等のセラミックからなるセラミックグリーンシート17が用いられている。このセラミックグリーンシート17は、例えば、セラミックがAl2O3からなる場合には、Al2O3粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチルフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及び、トルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤が加えられ、十分に混練した後、脱泡して粘度2000〜40000cpsのスラリーが作成され、ドクターブレード法等によって、例えば、厚さ0.25mmのロール状のシートに形成され、矩形状の適当な大きさにカットして作製されている。
このセラミックグリーンシート17は、大型絶縁基板用として複数枚が準備される。それぞれのセラミックグリーンシート17には、図示しないが、必要に応じて複数の個片体のセラミックパッケージ11用に上下層の電気的導通を形成するためのビア導体用貫通孔や、半導体素子や、発光素子や、水晶振動子等の電子部品を搭載するためのキャビティ部用貫通孔を打抜き金型や、パンチングマシーン等を用いて穿設して形成している。更に、それぞれのセラミックグリーンシート17には、図示しないが、必要に応じてタングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷して導体配線パターン用等の導体印刷パターンを形成している。
次に、図2(B)に示すように、複数枚のセラミックグリーンシート17は、重ね合わされて両主面から温度を掛けながら押圧して接合することで積層され、積層体18を形成している。
次に、図2(C)に示すように、この積層体18には、大型絶縁基板の中央部に複数の個片体のセラミックパッケージ11の集合体12を設けると共に、外周部にダミー部13を設け設けるようになっている。また、積層体18の一方の主面には、焼成後にダミー部13の除去、及び集合体12から個片体のセラミックパッケージ11にするための縦横方向に複数本の分割溝14用のスナップライン19と、集合体12の外形となる分割溝14a用のスナップライン19aを設けている。このスナップライン19、19aの形成と同時に、この積層体18の一方の主面のダミー部13には、集合体12の外形となるスナップライン19aに平行して第1のダミー溝15用の第1のダミーライン20を設けている。上記の積層体18の縦横方向に設けるスナップライン19、19a、及び第1のダミーライン20は、スナップライン形成用押圧刃、及びダミーライン形成用押圧刃が組み込まれた縦横方向用のそれぞれの押圧型で押圧して形成している。一方の主面側のスナップライン19、19a形成時の押圧で積層体18の外周部側に最も広がるように作用するスナップライン19aは、この第1のダミーライン20の押圧によって、広がりを防止することができるので、スナップライン19aの破壊を防止することができる。
次に、図2(D)に示すように、積層体18の他方の主面には、焼成後にダミー部13の除去、及び集合体12から個片体のセラミックパッケージ11にするための一方の主面のそれぞれのスナップライン19、19aに相対向する縦横方向に複数本の分割溝14、14a用のスナップライン19、19aを設けている。このスナップライン19、19aの形成と同時に、この積層体18の他方の主面のダミー部13には、集合体12の外形となるスナップライン19aに平行して第2のダミー溝16用の第2のダミーライン21を設けている。この第2のダミーライン21は、一方の主面に形成された第1のダミーライン20と平面視して相対向しない位置に設けられている。上記の積層体18の縦横方向に設けるスナップライン19、19a、及び第2のダミーライン21は、スナップライン形成用押圧刃、及びダミーライン形成用押圧刃が組み込まれた縦横方向用のそれぞれの押圧型で押圧して形成している。他方の主面側のスナップライン19、19a形成時の押圧で積層体18の外周部側に最も広がるように作用するスナップライン19aは、この第2のダミーライン21の押圧によって、広がりを防止することができるので、スナップライン19aの破壊を防止することができる。また、第2のダミーライン21は、一方の主面側の第1のダミーライン20と相対向しない位置に設けられるので、第1、第2のダミーライン20、21の深さが深くなったり、クラックが発生することを防止して焼成前のスナップライン19aからの破壊や、焼成後の取り扱い等における集合体12の外形となる分割溝14aからの破壊を防止することができる。
次に、図2(E)に示すように、積層体18は、還元雰囲気中の1650℃程度の温度でセラミックグリーンシート17と、導体印刷パターンを同時焼成して分割溝14、14a、及び第1、第2のダミー溝15、16を備えた焼成体22を形成している。この焼成体22は、焼成によって積層体18から約30%程度収縮して、導体配線パターンを設ける多層セラミック基板10としている。なお、多層セラミック基板10には、必要に応じて、外部に露出する金属部分にNiめっき被膜、及びAuめっき被膜が施される。
上記の多層セラミック基板10の製造方法では、焼成後の第1のダミー溝15と、第2のダミー溝16の平面視する平行間隔が1.0mm以上あるように形成するのがよい。焼成後の第1のダミー溝15と、第2のダミー溝16の平行間隔が1.0mmを下まわる場合には、第1のダミー溝15用の第1のダミーライン20と、第2のダミー溝16用の第2のダミーライン21の深さ先端部が近接して破壊が発生しやすくなる。
本発明の多層セラミック基板は、複数の個片体のセラミックパッケージの集合体に半導体素子や、発光素子や、水晶振動子等の電子部品を効率的に実装でき、集合体から個片体に分割して各種電子装置に供給する電子部品を実装させたセラミックパッケージに用いることができる。また、本発明の多層セラミック基板の製造方法は、各種電子装置に供給する電子部品を実装させた外形寸法精度のよいセラミックパッケージを作製するのに用いることができる。
10:多層セラミック基板、11:セラミックパッケージ、12:集合体、13:ダミー部、14、14a:分割溝、15:第1のダミー溝、16:第2のダミー溝、17:セラミックグリーンシート、18:積層体、19、19a:スナップライン、20:第1のダミーライン、21:第2のダミーライン、22:焼成体
Claims (4)
- 複数層からなる矩形状の大型絶縁基板の中央部に複数の個片体のセラミックパッケージの集合体を有すると共に、前記大型絶縁基板の外周部にダミー部を有し、該ダミー部の除去、及び前記集合体から前記個片体にするための前記大型絶縁基板の両主面の相対向する縦横方向に複数本の分割溝を有する多層セラミック基板において、
前記大型絶縁基板の一方の主面の前記ダミー部のそれぞれに前記集合体の外形となる前記分割溝に平行する第1のダミー溝を有すると共に、前記大型絶縁基板の他方の主面の前記ダミー部のそれぞれに前記集合体の外形となる前記分割溝に平行する第2のダミー溝を有し、しかも、該第2のダミー溝が前記大型絶縁基板の両主面で前記第1のダミー溝と相対向しない位置に有することを特徴とする多層セラミック基板。 - 請求項1記載の多層セラミック基板において、前記第1のダミー溝と、前記第2のダミー溝の平行間隔が前記大型絶縁基板を平面視して1.0mm以上あることを特徴とする多層セラミック基板。
- 複数枚の大型矩形状のセラミックグリーンシートからなる積層体の中央部に複数の個片体のセラミックパッケージの集合体を設けると共に、前記積層体の外周部にダミー部を設け、前記積層体の焼成後に前記ダミー部の除去、及び前記集合体から前記個片体にするために、両主面の相対向する縦横方向に複数本の分割溝を設ける多層セラミック基板の製造方法において、
前記積層体の一方の主面に前記分割溝用のスナップラインと、前記積層体の一方の主面の前記ダミー部に前記集合体の外形となる前記スナップラインに平行して第1のダミー溝用の第1のダミーラインを、スナップライン形成用押圧刃及びダミーライン形成用押圧刃を有する前記積層体の前記縦横方向に形成するためのそれぞれの押圧型で押圧して前記スナップラインと、前記第1のダミーラインを前記積層体の前記縦横方向にそれぞれ形成する工程と、
前記積層体の他方の主面に、一方の主面に形成された前記分割溝用のスナップラインに相対向させて前記分割溝用のスナップラインと、前記積層体の他方の主面の前記ダミー部に前記集合体の外形となる前記スナップラインに平行し、前記第1のダミーラインと相対向しない位置に第2のダミー溝用の第2のダミーラインを、スナップライン形成用押圧刃及びダミーライン形成用押圧刃を有する前記積層体の前記縦横方向に形成するためのそれぞれの押圧型で押圧して前記スナップラインと、前記第2のダミーラインを前記積層体の前記縦横方向にそれぞれ形成する工程と、
前記積層体を焼成して前記分割溝及び前記第1、第2のダミー溝を形成する工程を有することを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。 - 請求項3記載の多層セラミック基板の製造方法において、前記第1のダミー溝と、前記第2のダミー溝の平行間隔が平面視して1.0mm以上設けられるように形成することを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
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JP2006066959A JP2007243088A (ja) | 2006-03-13 | 2006-03-13 | 多層セラミック基板及びその製造方法 |
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JP2006066959A JP2007243088A (ja) | 2006-03-13 | 2006-03-13 | 多層セラミック基板及びその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008010560A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Kyocera Corp | 配線基板、多数個取り配線基板、電子部品収納用パッケージおよび電子装置 |
JP2014236013A (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-15 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | 脆性材料基板の搬送ヘッド |
WO2015010350A1 (zh) * | 2013-07-24 | 2015-01-29 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 一种多层印刷线路板 |
-
2006
- 2006-03-13 JP JP2006066959A patent/JP2007243088A/ja active Pending
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