JP2009196179A - 画像形成装置、スキャナ制御装置及びそれらの制御方法 - Google Patents

画像形成装置、スキャナ制御装置及びそれらの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高価な構成を必要とすることなく、BD信号と基本クロックの位相差を検出するとともに、BD信号の周期ずれを精度良く検出することにより、より精度の高い偏向器の動作を実現する画像形成装置を提供する。
【解決手段】本画像形成装置は、BD信号と基本クロックとの位相差を検出するとともに、検出された位相差を用いてBD信号の周期を導出し、位相差及び周期ずれを解消するように偏向器の動作を制御する。具体的に、本画像形成装置は、例えば、当該位相差を検出するために、直列に接続された複数の遅延回路に対してBD信号を入力し、各遅延回路から出力されるBD信号のタイミングで基本クロックの値を記憶し、記憶されたデータを用いて当該位相差を検出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、光偏向器を制御する画像形成装置、スキャナ制御装置及びその制御方法に関するものである。
レーザービームプリンタなどの画像形成装置は、例えば、偏向器で光ビームを走査して感光体に静電潜像を形成する方式を採用している。この方式では、光ビームの主走査方向の位置と書き込み信号とを同期させる必要がある。この同期制御を行うために、一般的にはBD(Beam Detect)信号が使用される。BD信号は、偏向器によるスキャン領域からわずかに外れた位置に配置された光検出器から出力される。具体的に、偏向器により走査された光ビームは、感光体上を走査し、スキャン領域から外れ、光検出器を通過する。光検出器は、光ビームを検出すると、BD信号を出力する。光ビームは、このBD信号の検出から常に同じタイミングで感光体の所定の位置を通過する。したがって、画像形成装置は、BD信号にタイミングを合わせて画像の書き出しを行うことで書き出し位置を正確にあわせることが可能となる。実際にはBD信号を検知してから所定時間経過後に画素クロックを駆動することで走査毎に書き込みの位置合わせを行う。
しかし、画像形成装置の基本クロックとBD信号とは、一般に、パルス幅が異なるため、位相がずれている。そのため、意図した書き出し位置に誤差が生じ、形成した画像の精度が低下するという問題がある。図15は、BD信号と基本クロックとのタイミングを示すタイミングチャートである。しかし、図15に示すように、BD信号と基本クロックとは、一般的に位相がずれている。上述したような画像形成装置では、図15に示すBD信号と基本クロックとの位相差を考慮していないため、画像書き込み位置に位相差分のずれが生じてしまう。この位相ずれを極力小さくする方法として基本クロックの周波数を大きくすることが考えられる。しかし、この方法では、より高価な水晶振動子が必要となるため、コストが増大してしまう。
特許文献1には、位相ずれを補正する方法として遅延回路を使用する同期クロック信号の発生装置が提案されている。具体的に、当該発生装置は、水晶発振子を用いて安定した非同期クロック信号を発生する。また、当該発生装置は、発生させた非同期クロック信号を直列に接続された複数の遅延素子の初段に与え、各遅延出力をD型フリップフロップのデータ入力端子Dに入力する。さらに、当該発生装置は、基準信号をフリップフロップのクロック入力端子CKに共通に与えて、基準信号が例えばローレベルからハイレベルに変化した時点における遅延クロック信号のレベルをフリップフロップに記憶する。その後、当該発生装置は、基準信号とストアしてラッチされたフリップフロップ出力Qとの位相差が最小となる遅延クロック信号を同期信号として選択する。特許文献1に記載の方法によれば、基本クロック(非同期クロック信号)の周期よりも小さなBD信号と基本クロック(基準信号)との時間誤差も補正可能となり、より精度の良い画像書き出しを行うことが可能となる。
また、特許文献2には、2つの信号の位相差時間を導出する微小時間の測定方法が提案されている。当該測定方法では、直列に遅延素子を接続し、素子の入力端に第1信号を入力する。さらに、当該測定方法では、各素子の出力端の出力信号に応じて第2信号を各々ラッチする多数個のデータ記憶部を備えた遅延計測回路を用いて2つの信号の時間差が測定される。具体的に、当該測定方法は、第1及び第2信号としてパルスを入力し、両パルス信号の時間差を求める。次に、一方のパルスを微小時間だけずらして再度入力し、ずらしたことで時間差がどれだけ変わるかを導出し、素子の遅延量を逆算する。特許文献2に記載の測定方法によれば、2つの信号の位相差をより精度良く導出することができ、また、チップ間における遅延回路の遅延量のバラツキを考慮にいれた位相差を導出できる。
特開平08−330949号公報 特開平11−133167号公報
しかしながら、上述した従来技術には以下に記載する問題がある。従来技術においては、2つの信号の位相ずれについては、解消できているものの、1つの信号、例えば、BD信号の周期のずれは考慮されていない。通常、偏向器は走査毎に等速運動をしているわけではなく、環境の影響(風、機器振動など)により多少の動作誤差が生じている。そのため、BD信号の周期がずれるという問題があり、画像の精度を低下させてしまう。したがって、画像を精度良く形成するためにはこの動作誤差を小さくする必要がある。特に、MEMSスキャナのようにイナーシャ(慣性力)の小さな偏向器ではこの動作誤差が大きくなる。誤差が大きくなるとそれに伴い画像の再現性も悪くなってしまうため、誤差を補正する必要がある。なお、MEMSスキャナとは、ポリゴンミラーに比べて小型で消費電力が少ないなどの特徴がある共振型光偏向装置を示す。
特許文献1に記載の発生装置では、BD信号と基本クロックとの位相ずれの補正は行っているものの、BD信号の周期ずれ時間の導出は行っていない。したがって、位相ずれに対応してクロックを生成することで主走査方向の書き込みの同期を取ることはできるが、1走査毎の偏向器の動作誤差(BDからBDまでの時間誤差)を正確に導出できないため偏向器の制御には適用できない。また、ポリゴンミラーなどの比較的イナーシャの大きい構成に関しては、BD信号の位相ずれをある程度無視することができるが、MEMSスキャナなどイナーシャの小さい構成に関しては無視することができず、往復走査毎に動作制御をかける必要がある。つまり、BD信号からBD信号までの正確な時間を導出し、そのデータから偏向器(MEMSスキャナ)の動作にフィードバックをかける必要がある。
また、特許文献2に記載の測定方法においても、1つの信号の周期のずれについては考慮されていないため画像形成装置には適用することができない。また、パルスを微小時間ずらす場合に、当該ずらし量を正確に把握しておく必要があり、パルスを意図した分だけずらせることが前提条件となる。また、クロック(第1信号)と入力信号(第2信号)の位相差関係を保ったまま再度入力を行わなければならないため、BD信号のように走査毎に1度しか入力されないものには適用することができない。
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、高価な構成を必要とすることなく、BD信号と基本クロックの位相差を検出するとともに、BD信号の周期ずれを精度良く検出することにより、より精度の高い偏向器の動作を実現する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、光を照射する照射手段と、像担持体を走査して静電潜像を形成するために、照射された光を像担持体に向けて偏向する偏向手段と、像担持体の近傍に配置され、偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段と、画像形成装置の基本クロックと検出信号との位相差を検出する位相差検出手段と、検出された位相差から検出信号の周期を導出する周期導出手段と、検出された位相差を解消するとともに、導出された検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように偏向手段の動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、例えば、スキャナ制御装置として実現できる。スキャナ制御装置は、光を照射する照射手段と、照射された光を偏向する偏向手段と、偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段と、スキャナ制御装置の基本クロックと検出信号との位相差を検出する位相差検出手段と、検出された位相差から検出信号の周期を導出する周期導出手段と、検出された位相差を解消するとともに、導出された検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように偏向手段の動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、例えば、光を照射する照射手段と、像担持体を走査して静電潜像を形成するために、照射された光を像担持体に向けて偏向する偏向手段と、像担持体の近傍に配置され、偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段とを備える画像形成装置の制御方法として実現できる。制御方法は、画像形成装置の基本クロックと検出信号との位相差を検出するステップと、検出された位相差から検出信号の周期を導出するステップと、検出された位相差を解消するとともに、導出された検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように偏向手段の動作を制御するステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明は、例えば、光を照射する照射手段と、照射された光を偏向する偏向手段と、偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段とを備えるスキャナ制御装置の制御方法として実現できる。制御方法は、スキャナ制御装置の基本クロックと検出信号との位相差を検出するステップと、検出された位相差から検出信号の周期を導出するステップと、検出された位相差を解消するとともに、導出された検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように偏向手段の動作を制御するステップとを実行することを特徴とする。
本発明は、例えば、高価な構成を必要とすることなく、BD信号と基本クロックの位相差を検出するとともに、BD信号の周期ずれを精度良く検出することにより、より精度の高い偏向器の動作を実現する画像形成装置を提供できる。
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
[第1の実施形態]
以下では、図1乃至図6を参照して、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るスキャナ部を示す図である。ここでは、レーザプリンタの構成として、本発明に関するスキャナ部について主に説明する。したがって、レーザプリンタは、以下で説明する構成に加えて、他の構成を含んでもよい。
スキャナ部は、レーザービームプリンタに備えられ、光ビームを走査して像担持体である感光体102上に静電潜像を形成する。そのため、スキャナ部は、光ビーム照射器101、偏向器103、光検出器104、位相差検出器105、BD周期計算器106及び制御装置107を備える。
光ビーム照射器101は、偏向器103に対して光ビームを照射する。偏向器103は、照射された光ビームを偏向させ、感光体102上を走査する。偏向器103には、例えば、ポリゴンミラーやMEMSスキャナなどが採用される。光検出器104は、光を検出するとパルス信号(検出信号)を発生させる。以下では、この検出信号をBD信号と称す。また、光検出器104は、感光体102の近傍に配置される。具体的に、光検出器104は、偏向器103が偏向する光ビームが走査される走査線上で感光体102の画像形成領域からわずかに外れた位置に配置される。位相差検出器105は、入力されたBD信号とディジタル回路の基準のクロックとなる基本クロックとの位相差を検出する。BD周期計算器106は、周期導出手段として機能し、入力された信号からBD信号が検出されてから次のBD信号が検出されるまでの時間(周期)を計算する。制御装置107は、計算されたBD周期に基づき、偏向器103の動作制御を行う。
次に、図2を参照して、位相差検出器105について詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る位相差検出器105の詳細な構成を示す図である。
位相差検出器105は、遅延回路群201、記憶装置202及び位相差算出装置203を備える。遅延回路群201は、遅延手段として機能し、入力された信号(BD信号)を予め定められた時間遅延させるための遅延回路2011、2012、2013・・・201nを備える。これらの遅延回路2011〜201nは、図2に示すように、直列に接続される。したがって、遅延回路群201は、遅延手段として機能し、1つの遅延回路で予め定められた時間だけ信号を遅延させて接続された次の遅延回路に入力させることで、当該信号を予め定められた遅延時間刻みで遅延させて出力する。
記憶装置202は、記憶手段として機能し、遅延されたBD信号の各変化点において、基本クロックのHigh又はLowを示す値を保持する。位相差算出装置203は、算出手段として機能し、記憶装置202に記憶されたデータから遅延回路2011〜201nの遅延量を導出し、さらにBD信号と基本クロックとの位相差(位相ずれ)を計算する。また、算出手段として機能する位相差算出装置203は、カウント手段、周期決定手段、遅延時間決定手段及び位相差決定手段として機能する。各手段の機能については、後述する。また、ここで、遅延量とは、入力された信号が各遅延回路によって遅延される予め定められた時間である遅延時間を示す。以下では、遅延された各BD信号を図2で示すようにD1、D2、D3・・・Dnで表すこととする。
ここで、上述の構成においてBD信号が検出されてから次のBD信号が検出されるまでの時間の導出方法について説明する。まず、光ビーム照射器101によって照射された光ビームが偏向器103により偏向され、感光体102上を主走査方向に走査する。その後、感光体102上を走査する光ビームは、画像形成領域から外れ、所定時間経過後、光検出器104に到達する。
光を検出すると、光検出器104は、BD信号を出力する。出力されたBD信号は、位相差検出器105とBD周期計算器106に入力される。位相差検出器105に入力されたBD信号は、遅延回路2011と記憶装置202とに入力される。遅延回路2011に入力されたBD信号は、微小時間d遅延された後に、次の遅延回路2012と記憶装置202とに入力される。同様に、順次、遅延回路へと入力され遅延信号は、次の遅延回路と記憶装置202とに入力される。
記憶装置202に入力されたBD信号及び遅延信号D1〜Dnは、ラッチ信号として使用され、基本クロックを順次ラッチし、複数のHigh(以下、Hと称す。)及びLow(以下、Lと称す。)のデータを保持する。図3は、第1の実施形態に係るデータ保持の様子を示す図である。図3では、BD信号及び遅延信号の立ち上がりで基本クロックをラッチしている。ここで、BD信号と基本クロックとの位相差をt、基本クロックの周期をct、遅延量をdとする。また、301は、基本クロックのタイミングを示す。302は、BD信号のタイミングを示す。303乃至307は、それぞれ遅延信号D1〜Dnを示す。
図3に示すように、基本クロックの値は、H又はLが連続して保持される。基本クロックの1周期内で遅延信号が立ち上がる個数は、Hが連続する個数と、それと隣り合うLが連続する個数を加算した数となる。ただし、BD信号がラッチした値から始まるH又はLの連続するブロック及びDnがラッチした値で終わる連続ブロックは含まない。
次に、図4を参照して記憶装置202が保持する値の一例を説明し、その例におけるBD信号の周期を計算する処理について図5を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る記憶装置202が保持するデータの一例を示す図である。
図4に示すように、記憶装置202に保持されたH又はLが連続する個数を、保持された順にn1、n2、n3、n4、・・・、ndとする。なお、図4に示す最初にラッチされた値(H)は、BD信号に合わせてラッチした値を示す。一方、最後にラッチされた値(L)は、遅延信号Dnに合わせてラッチされた値を示す。
図5は、第1の実施形態に係るBD信号の周期を計算する処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、BD信号が検出されてから次のBD信号が検出されるまでの時間をBDCと称す。また、以下で説明する処理は、位相差算出装置203及びBD周期計算器106によって実行される。
ステップS501において、位相差算出装置203は、カウント手段として機能し、記憶装置202が保持した値からH又はLが連続する個数n1〜ndをカウントする。続いて、ステップS502において、位相差算出装置203は、カウントされた個数n2〜nd−1を使用して基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。即ち、位相差算出装置203は、BD信号の立ち上がりに合わせてラッチした値を含む連続する個数n1と、最後にラッチされた値を含む連続する個数ndを除いた個数n2〜nd−1から基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。具体的に、位相差算出装置203は、Hのブロックと隣り合うLのブロックを合わせた値に遅延量dを乗算した値から基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。例えば、位相差算出装置203は、d(n2+n3−1)<ct<d(n2+n3+1)を満たす範囲を周期ctの取りうる範囲として特定する。
次に、ステップS503において、位相差算出装置203は、周期決定手段として機能し、S502で特定した周期ctの複数の取りうる範囲のうち、一番短い範囲を周期ctの取りうる範囲として決定する。ここで決定した周期ctは、xd<ct<ydで表わされる。続いて、ステップS504において、位相差算出装置203は、S503で決定した周期ctの範囲から逆算して遅延量dの取りうる範囲を特定する。ここで、特定された遅延量dの取りうる範囲は、ct/y<d<ct/xで表される。さらに、ステップS505において、位相差算出装置203は、遅延時間決定手段として機能し、S504で特定した遅延量dの取りうる範囲内で遅延量dを決定する。例えば、位相差算出装置203は、d=(1/2)*(ct/y+ct/x)の式によって遅延量dを算出する。ここでは、遅延量dの範囲の中央値を算出しているが、範囲内であればどの値をとってもよい。
次に、ステップS506において、位相差算出装置203は、位相差tの取りうる範囲を特定する。ここで、位相差tとは、BD信号が立ち上がったタイミングから基本クロックが最初に立ち上がったタイミングまでの差を示す。したがって、位相差tの取りうる範囲は、BD信号でラッチをかけた値から数えて、遅延信号によってラッチした値がLからHに切り替わるまでの個数から特定される。具体的に、位相差tの取りうる範囲は、d(n1+n2−1)<t<d(n1+n2+1)で与えられる。続いて、ステップS507において、位相差算出装置203は、位相差決定手段として機能し、S506で特定した位相差tの取りうる範囲内で位相差tを決定する。例えば、位相差算出装置203は、t=(1/2)*((n1+n2)*(ct/y+ct/x))の式によって位相差tを算出する。ここでは、位相差tの取りうる範囲の中央値を算出しているが、範囲内であればどの値をとってもよい。
次に、ステップS508において、位相差算出装置203は、決定した位相差tをBD周期計算器106へ入力する。BD周期計算器106は1つ前のBD信号と基本クロックとの位相差をあらかじめ保持しておき、位相差tとともに、遅延の無いBD信号が入力される。ここで、BD信号と基本クロックとの関係を図6に示す。図6は、BD信号と基本クロックのタイミングを示すタイミングチャートである。図6に示すtbは、最初のBD信号の立ち上がりから基本クロックが立ち上がるまでの位相差を示す。一方、tは、次のBD信号が立ち上がってから基本クロックが立ち上がるまでの位相差を示す。
ステップS509において、BD周期計算器106は、あるBD信号(第1検出信号)の検出から次のBD信号(第2検出信号)の検出までの時間(BDC)を当該時間内に発生した基本クロックの個数と周期から導出する。具体的に、BD周期計算器106は、BDC=ct×nの式を用いてBDCを算出する。続いて、ステップS510において、BD周期計算器106は、前のBD信号(第1検出信号)と基本クロックとの位相差と、次のBD信号(第2検出信号)と基本クロックとの位相差との差分時間を使用してS509で算出したBDCを補正する。具体的に、BD周期計算器106は、上述したtbとtとの差分を用いてBDCを補正する。したがって、S509及びS510において、BD周期計算器106は、BDC=ct×n+tb−tの式を用いてBDCを算出する。ここで、tb−tが上述の差分時間を示す。その後、算出されたBDCが制御装置107に入力される。
制御装置107は、入力されたBDCの値と、予め定められた理想のBDCの値とを比較することでBD信号の周期ずれ(周期差)を算出する。ここで、制御装置107は、予め定められた理想のBDCの値ではなく、以前に入力されたBDCの値を用いてBD信号の周期ずれを算出してもよい。さらに、制御装置107は、決定された位相差を解消するとともに、算出したBD信号の周期ずれを解消するように偏向器103の動作を制御する。これにより、本画像形成装置は、主走査方向に精度の良い画像を形成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、BD信号と基本クロックとの位相差を検出するとともに、検出された位相差を用いてBD信号の周期を導出し、位相差及び周期ずれを解消するように偏向器の動作を制御する。具体的に、本実施形態では、当該位相差を検出するために、直列に接続された複数の遅延回路に対してBD信号を入力し、各遅延回路から出力されるBD信号のタイミングで基本クロックの値を記憶し、記憶されたデータを用いて当該位相差を検出する。このように、本画像形成装置は、当該位相差に加えて、BD信号の周期ずれも考慮した偏向器の動作制御を行うことで、イナーシャ(慣性力)の小さいMEMSスキャナを採用した画像形成装置であっても、精度良く画像を形成することができる。また、本画像形成装置は、検出した位相差を用いて、容易にBD信号の周期を計算することできる。したがって、本画像形成装置は、処理速度の低下を招くことなく、精度の良い画像形成を提供することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、本画像形成装置は、上述の記憶されたデータを用いて、遅延回路によって信号が遅延される遅延時間を算出する。この場合、本画像形成装置は、算出した遅延時間を用いて、位相差及び周期ずれを算出してもよい。したがって、本画像形成装置は、半導体のプロセス条件(ドープ量、熱など)により遅延回路のチップ間における遅延時間誤差がある場合においても、その遅延量を算出し、基本クロックとBD信号の位相差をより精度良く導出することができる。
[第2の実施形態]
次に、図7乃至図10を参照して、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態と基本クロック及びBD信号の位相差を検出する方法が異なる。したがって、他の構成については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
まず、図7及び図8を参照して、本実施形態に係る位相差検出器700について説明する。図7は、第2の実施形態に係る位相差検出器700の詳細な構成を示す図である。図8は、第2の実施形態に係るデータ保持の様子を示す図である。
位相差検出器700は、遅延回路群701、記憶装置702及び位相差算出装置703を備える。遅延回路群701は、遅延手段として機能し、入力された信号(BD信号)を微小時間遅延させるための遅延回路7011、7012、7013・・・701nを備える。これらの遅延回路7011〜701nは、図7に示すように、直列に接続される。
記憶装置702は、記憶手段として機能し、基本クロックの変化点における各遅延されたBD信号の値を保持する。即ち、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、基本クロックをラッチ信号として用いて、各遅延回路において遅延されたBD信号の値を保持する。図8に示す例では、基本クロックの立ち上がりタイミングが各遅延されたBD信号をラッチするタイミングとなる。図8に示すように、BD信号が立ち上がってから基本クロックに従ってラッチする時間をS0、S1、S2、S3とする。もちろん、このサンプル数は4つでなくてもよい。また、ラッチタイミングとしては、基本クロックの立ち下がりとしてもよい。
位相差算出装置703は、算出手段として機能し、記憶装置702に記憶されたデータから遅延回路7011〜701nの遅延量を導出し、さらにBD信号と基本クロックとの位相差(位相差)を計算する。また、算出手段として機能する位相差算出装置703は、カウント手段、周期決定手段、遅延時間決定手段及び位相差決定手段として機能する。各手段の機能については、後述する。以下では、遅延された各BD信号を図7で示すようにD1、D2、D3・・・Dnで表すこととする。
ここで、上述の構成においてBD信号が検出されてから次のBD信号が検出されるまでの時間の導出方法について説明する。まず、光ビーム照射器101によって照射された光ビームが偏向器103により偏向され、感光体102上を主走査方向に走査する。その後、感光体102上を走査する光ビームは、画像形成領域から外れ、所定時間経過後、光検出器104に到達する。
光を検出すると、光検出器104は、BD信号を出力する。出力されたBD信号は、位相差検出器700とBD周期計算器106に入力される。位相差検出器700に入力されたBD信号は、遅延回路7011と記憶装置702とに入力される。遅延回路7011に入力されたBD信号は、微小時間d遅延された後に、次の遅延回路7012と記憶装置702とに入力される。同様に、順次、遅延回路へと入力され遅延信号は、次の遅延回路と記憶装置702とに入力される。
図8に示すように、記憶装置702に入力されたBD信号及び遅延信号D1〜Dnは、基本クロックの立ち上がり(S0〜S3)において、それぞれラッチされる。これにより、複数のHigh及びLowのデータが複数のサンプルとして保持される。例えば、図8では、S0のタイミングにおいて、BD信号及び遅延信号D1の値であるHighが記憶装置702にラッチされ、遅延信号D2〜Dnの値であるLowが記憶装置702にラッチされる。ここでは、基本クロックの立ち上がりタイミングでラッチされている例を説明しているが、立ち下がりタイミングでラッチしてもよい。
ここで、BD信号と基本クロックとの位相差をt、基本クロックの周期をct、遅延量をdとする。また、図8において、801は、基本クロックのタイミングを示す。802は、BD信号のタイミングを示す。803乃至806は、それぞれ遅延信号D1〜Dnを示す。
次に、図9を参照して、記憶装置702が保持する値の一例を説明し、その例におけるBD信号の周期を計算する処理について図10を参照して説明する。図9は、第2の実施形態に係る記憶装置702が保持するデータの一例を示す図である。
以下では、基本クロックの立ち上がり(S0〜S3)において、図9に示すようにBD信号及び遅延信号D1〜Dnの値が記憶装置702にラッチされることとする。また、基本クロックの立ち上がり(S0〜S2)ごとのHの個数をそれぞれ、n0、n1、n2個と示す。
図10は、第2の実施形態に係るBD信号の周期を計算する処理手順を示すフローチャートである。また、以下で説明する処理は、位相差算出装置703及びBD周期計算器106によって実行される。
ステップS1001において、位相差算出装置703は、カウント手段として機能し、基本クロックの立ち上がり(S0〜S2)時において、記憶装置702にラッチされた値のHの個数(n0〜n2)をカウントする。続いて、ステップS1002において、位相差算出装置703は、カウントされた個数n0〜n2を使用して基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。具体的に、位相差算出装置703は、ラッチした各タイミングにおいてBD信号及び各遅延信号D1〜Dnが立ち上がる個数の差分に遅延量dを乗算した値から基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。ここで、S0(第1基本クロック)とS1(第2基本クロック)の間に遅延信号が立ち上がる数はn0とn1の差分となる。また、S0とS2の間に遅延信号が立ち上がる数はn0とn2の差となる。したがって、周期ctの1周期の取りうる範囲を特定する場合、位相差算出装置703は、例えば、d(n1−n0−1)<ct<d(n1−n0+1)を満たす範囲を周期ctの取りうる範囲として特定する。
次に、ステップS1003において、位相差算出装置703は、周期決定手段として機能し、S1002で特定した周期ctの複数の取りうる範囲のうち、一番短い範囲を周期ctの範囲として決定する。ここで決定した周期ctは、xd<ct<ydで表わされる。続いて、ステップS1004において、位相差算出装置703は、S1003で決定した周期ctの取りうる範囲から逆算して遅延量dの取りうる範囲を特定する。ここで、決定された遅延量dは、ct/y<d<ct/xで表される。さらに、ステップS1005において、位相差算出装置703は、遅延時間決定手段として機能し、S1004で導出した遅延量dの取りうる範囲内で遅延量dを決定する。例えば、位相差算出装置703は、d=(1/2)*(ct/y+ct/x)の式によって遅延量dを算出する。ここでは、遅延量dの範囲の中央値を算出しているが、範囲内であればどの値をとってもよい。
次に、ステップS1006において、位相差算出装置703は、位相差tの取りうる範囲を特定する。ここで、位相差tとは、BD信号が立ち上がったタイミングから基本クロックが最初に立ち上がったタイミングまでの差を示す。したがって、位相差tの取りうる範囲は、S0のタイミングでHとなっていた遅延信号の個数(n0)から導出される。具体的に、位相差tの取りうる範囲は、d(n0−1)<t<d(n0+1)で与えられる。続いて、ステップS1007において、位相差算出装置703は、位相差決定手段として機能し、S1006で特定した位相差tの取りうる範囲内で位相差tを決定する。例えば、位相差算出装置703は、t=(1/2)*(n0*(ct/y+ct/x))の式によって位相差tを算出する。ここでは、位相差tの取りうる範囲の中央値を算出しているが、範囲内であればどの値をとってもよい。
ステップS1008において、位相差算出装置703は、導出した位相差tをBD周期計算器106へと入力する。以降のBD周期計算器106の処理であるS1009及びS1010は、第1の実施形態で説明したS509及びS510の処理と同様であるため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、BD信号と基本クロックとの位相差を検出するとともに、検出された位相差を用いてBD信号の周期を導出し、位相差及び周期ずれを解消するように偏向器の動作を制御する。具体的に、本実施形態では、当該位相差を検出するために、直列に接続された複数の遅延回路に対してBD信号を入力し、各基本クロックのタイミングに合わせて各遅延回路から出力されるBD信号の値を記憶し、当該位相差を検出する。このように、本画像形成装置は、当該位相差に加えて、BD信号の周期ずれも考慮した偏向器の動作制御を行うことで、イナーシャ(慣性力)の小さいMEMSスキャナを採用した画像形成装置であっても、精度良く画像を形成することができる。また、本画像形成装置は、検出した位相差を用いて、容易にBD信号の周期を計算することできる。したがって、本画像形成装置は、処理速度の低下を招くことなく、精度の良い画像形成を提供することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、本画像形成装置は、上述の記憶されたデータを用いて、遅延回路によって信号が遅延される遅延時間を算出する。この場合、本画像形成装置は、算出した遅延時間を用いて、位相差及び周期ずれを算出してもよい。したがって、本画像形成装置は、半導体のプロセス条件(ドープ量、熱など)により遅延回路のチップ間における遅延時間誤差がある場合においても、その遅延量を算出し、基本クロックとBD信号の位相差をより精度良く導出することができる。
[第3の実施形態]
次に、図11乃至図14を参照して、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1及び第2の実施形態と基本クロック及びBD信号の位相差を検出する方法が異なる。したがって、他の構成については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
まず、図11及び図12を参照して、本実施形態に係る位相差検出器1100について説明する。図11は、第3の実施形態に係る位相差検出器1100の詳細な構成を示す図である。図12は、第3の実施形態に係るデータ保持の様子を示す図である。
位相差検出器1100は、遅延回路群1101、記憶装置1102及び位相差算出装置1103を備える。遅延回路群1101には、第1及び第2の実施形態と異なり、基本クロックが入力信号として入力される。また、遅延回路群1101は、遅延手段として機能し、入力された基本クロックを微小時間遅延させるための遅延回路11011、11012、11013・・・1101nを備える。これらの遅延回路11011〜1101nは、図11に示すように直列に接続される。
記憶装置1102は、記憶手段として機能し、BD信号が出力されるタイミングで各遅延された基本クロックの値を保持する。即ち、本実施形態は、BD信号をラッチ信号として用い、各遅延回路において遅延された基本クロックの値を保持する。図12に示す例では、BD信号の立ち上がりタイミング(出力タイミング)が各遅延された基本クロックの値をラッチするタイミングとなる。
位相差算出装置1103は、算出手段として機能し、記憶装置1102に記憶されたデータから遅延回路11011〜1101nの遅延量を導出し、さらにBD信号と基本クロックとの位相差(位相差)を計算する。また、算出手段として機能する位相差算出装置1103は、カウント手段、周期決定手段、遅延時間決定手段及び位相差決定手段として機能する。各手段の機能については、後述する。以下では、遅延された各BD信号を図11で示すようにD1、D2、D3・・・Dnで表すこととする。
ここで、上述の構成においてBD信号が検出されてから次のBD信号が検出されるまでの時間の導出方法について説明する。まず、光ビーム照射器101によって照射された光ビームが偏向器103により偏向され、感光体102上を主走査方向に走査する。その後、感光体102上を走査する光ビームは、画像形成領域から外れ、所定時間経過後、光検出器104に到達する。
光を検出すると、光検出器104は、BD信号を出力する。出力されたBD信号は、位相差検出器1100とBD周期計算器106に入力される。また、位相差検出器1100には、基本クロックも入力される。位相差検出器1100に入力された基本クロックは、遅延回路11011と記憶装置1102とに入力される。遅延回路11011に入力された基本クロックは、微小時間d遅延された後に、次の遅延回路11012と記憶装置1102とに入力される。同様に、順次、遅延回路へと入力され遅延信号は、次の遅延回路と記憶装置1102とに入力される。
図12に示すように、記憶装置1102に入力された基本クロック及び遅延信号D1〜Dnは、BD信号の出力タイミングにおいて、それぞれラッチされる。これにより、複数のHigh及びLowのデータが複数のサンプルとして保持される。例えば、図12では、BD信号の出力タイミングにおいて、基本クロック、遅延信号D1の値であるLowが記憶装置1102にラッチされ、遅延信号D2〜D4の値であるHighが記憶装置1102にラッチされる。遅延信号D5以降の値も同様に記憶装置1102にラッチされる。
ここで、BD信号と基本クロックとの位相差をt、基本クロックの周期をct、遅延量をdとする。また、図12において、1201は、BD信号のタイミングを示す。1202は、基本クロックのタイミングを示す。1203乃至1208は、それぞれ遅延信号D1〜Dnを示す。
次に、図13を参照して、記憶装置1102が保持する値の一例を説明し、その例におけるBD信号の周期を計算する処理について図14を参照して説明する。図13は、第3の実施形態に係る記憶装置1102が保持するデータの一例を示す図である。
図13に示すように、記憶装置1102に保持されたH又はLが連続する個数を、保持された順にn1、n2、n3、n4、・・・、ndとする。なお、図13に示す最初にラッチされた値(H)は、基本クロックの値を示す。一方、最後にラッチされた値(H)は、遅延信号Dnの値を示す。
図14は、第3の実施形態に係るBD信号の周期を計算する処理手順を示すフローチャートである。また、以下で説明する処理は、位相差算出装置1103及びBD周期計算器106によって実行される。
ステップS1401において、位相差算出装置1103は、カウント手段として機能し、BD信号の出力タイミングにおいて、記憶装置1102にラッチされたH又はLが連続する個数n1〜ndをカウントする。続いて、ステップS1402において、位相差算出装置1103は、カウントされた個数n2〜nd−1を使用して基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。即ち、位相差算出装置1103は、基本クロックをラッチした値を含む連続する個数n1と、最後にラッチされたDnを含む連続する個数ndを除いた個数n2〜nd−1から基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。具体的に、位相差算出装置1103は、Hのブロックと隣り合うLのブロックを合わせた値に遅延量dを乗算した値から基本クロックの周期ctの取りうる範囲を特定する。例えば、位相差算出装置1103は、d(n2+n3−1)<ct<d(n2+n3+1)を満たす範囲を周期ctの取りうる範囲として特定する。
次に、ステップS1403において、位相差算出装置1103は、周期決定手段として機能し、S1402で特定した周期ctの複数の取りうる範囲のうち、一番短い範囲を周期ctの範囲として決定する。ここで決定した周期ctは、xd<ct<ydで表わされる。続いて、ステップS1404において、位相差算出装置1103は、S1403で決定した周期ctの範囲から逆算して遅延量dの取りうる範囲を決定する。ここで、決定された遅延量dは、ct/y<d<ct/xで表される。さらに、ステップS1405において、位相差算出装置1103は、遅延時間決定手段として機能し、S1404で導出した遅延量dの取りうる範囲内で遅延量dを決定する。例えば、位相差算出装置1103は、d=(1/2)*(ct/y+ct/x)の式によって遅延量dを算出する。ここでは、遅延量dの範囲の中央値を算出しているが、範囲内であればどの値をとってもよい。
次に、ステップS1406において、位相差算出装置1103は、位相差tの取りうる範囲を特定する。ここで、位相差tとは、BD信号が立ち上がったタイミングから基本クロックが最初に立ち上がったタイミングまでの差を示す。したがって、位相差tの取りうる範囲は、図13の一番左から数えて、HからLに切り替わるまでの個数に遅延量dを乗算した値を基本クロックの周期ctから引くことで導出される。具体的に、位相差tの取りうる範囲は、ct−d(n1+1)<t<ct−d(n1−1)で与えられる。続いて、ステップS1407において、位相差算出装置1103は、位相差決定手段として機能し、S1406で特定した位相差tの取りうる範囲内で位相差tを決定する。例えば、位相差算出装置1103は、t=ct−(1/2)*(n1*(ct/y+ct/x))の式によって位相差tを算出する。ここでは、位相差tの取りうる範囲の中央値を算出しているが、範囲内であればどの値をとってもよい。
ステップS1408において、位相差算出装置1103は、導出した位相差tをBD周期計算器106へと入力する。以降のBD周期計算器106の処理であるS1409及びS1410は、第1の実施形態で説明したS509及びS510の処理と同様であるため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、BD信号と基本クロックとの位相差を検出するとともに、検出された位相差を用いてBD信号の周期を導出し、位相差及び周期ずれを解消するように偏向器の動作を制御する。具体的に、本実施形態では、当該位相差を検出するために、直列に接続された複数の遅延回路に対して基本クロックを入力し、BD信号の出力タイミングにおいて各遅延回路から出力される基本クロックの値を記憶し、記憶されたデータを用いて当該位相差を検出する。このように、本画像形成装置は、当該位相差に加えて、BD信号の周期ずれも考慮した偏向器の動作制御を行うことで、イナーシャ(慣性力)の小さいMEMSスキャナを採用した画像形成装置であっても、精度良く画像を形成することができる。また、本画像形成装置は、検出した位相差を用いて、容易にBD信号の周期を計算することできる。したがって、本画像形成装置は、処理速度の低下を招くことなく、精度の良い画像形成を提供することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、本画像形成装置は、上述の記憶されたデータを用いて、遅延回路によって信号が遅延される遅延時間を算出する。この場合、本画像形成装置は、算出した遅延時間を用いて、位相差及び周期ずれを算出してもよい。したがって、本画像形成装置は、半導体のプロセス条件(ドープ量、熱など)により遅延回路のチップ間における遅延時間誤差がある場合においても、その遅延量を算出し、基本クロックとBD信号の位相差をより精度良く導出することができる。
第1の実施形態に係るスキャナ部を示す図である。 第1の実施形態に係る位相差検出器105の詳細な構成を示す図である。 第1の実施形態に係るデータ保持の様子を示す図である。 第1の実施形態に係る記憶装置202が保持するデータの一例を示す図である。 第1の実施形態に係るBD信号の周期を計算する処理手順を示すフローチャートである。 BD信号と基本クロックのタイミングを示すタイミングチャートである。 第2の実施形態に係る位相差検出器700の詳細な構成を示す図である。 第2の実施形態に係るデータ保持の様子を示す図である。 第2の実施形態に係る記憶装置702が保持するデータの一例を示す図である。 第2の実施形態に係るBD信号の周期を計算する処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る位相差検出器1100の詳細な構成を示す図である。 第3の実施形態に係るデータ保持の様子を示す図である。 第3の実施形態に係る記憶装置1102が保持するデータの一例を示す図である。 第3の実施形態に係るBD信号の周期を計算する処理手順を示すフローチャートである。 BD信号と基本クロックとのタイミングを示すタイミングチャートである。
符号の説明
101:光ビーム照射器
102:感光体
103:偏向器
104:光検出器
105、700、1100:位相差検出器
106:BD周期計算器
107:制御装置
D1〜Dn:遅延信号
ct:クロック周期
t:位相差
d:遅延回路の遅延量
BD:Beam Detect信号
S0〜S3:サンプリング時間
n:所定のBD信号から次のBD信号までに発生した基本クロック数
n1〜nd:HもしくはLの連続する個数

Claims (10)

  1. 画像形成装置であって、
    光を照射する照射手段と、
    像担持体を走査して静電潜像を形成するために、照射された光を前記像担持体に向けて偏向する偏向手段と、
    前記像担持体の近傍に配置され、前記偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段と、
    前記画像形成装置の基本クロックと前記検出信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    検出された前記位相差から前記検出信号の周期を導出する周期導出手段と、
    検出された前記位相差を解消するとともに、導出された前記検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように前記偏向手段の動作を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記位相差検出手段は、
    直列に接続された複数の遅延回路を備え、前記検出信号を入力とし、1つの遅延回路で予め定められた時間である遅延時間だけ該検出信号を遅延させて接続された次の遅延回路に入力させることで、該検出信号を該遅延時間刻みで遅延させて出力する遅延手段と、
    前記検出信号又は遅延された該検出信号が各遅延回路から出力されるタイミングごとに、前記基本クロックのHigh又はLowを示す値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたデータを用いて前記検出信号と前記基本クロックの位相差を算出する算出手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記算出手段は、
    前記記憶手段に記憶された値のうち、Highを示す値が連続する個数とLowを示す値が連続する個数とをカウントするカウント手段と、
    カウントされたHighを示す値が連続する個数と、該Highを示す値に続いて記憶されたLowを示す値が連続する個数とを加算した値に、前記遅延時間を乗算した値から、前記基本クロックの周期を決定する周期決定手段と、
    決定された前記基本クロックの周期から逆算して前記遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、
    カウントされた前記連続する個数及び決定された前記遅延時間を用いて、前記検出信号及び前記基本クロックにおける位相差を決定する位相差決定手段とを備え、
    前記周期導出手段は、
    所定のタイミングで出力された第1検出信号と基本クロックとの前記位相差と、該第1検出信号の次に出力された第2検出信号と前記基本クロックとの前記位相差との差分時間を、該第1検出信号が出力されてから該第2検出信号が出力されるまでの間に発生した該基本クロックの個数に決定された該基本クロックの周期を乗算した値に加算して、前記検出信号の周期を導出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記位相差検出手段は、
    直列に接続された複数の遅延回路を備え、前記検出信号を入力とし、1つの遅延回路で予め定められた時間である遅延時間だけ該検出信号を遅延させて接続された次の遅延回路に入力させることで、該検出信号を前記遅延時間刻みで遅延させて出力する遅延手段と、
    前記基本クロックの立ち上がりタイミング又は立ち下がりタイミングごとに、各遅延回路から出力されるHigh又はLowを示す値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたデータを用いて前記検出信号と前記基本クロックの位相差を算出する算出手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記算出手段は、
    前記記憶手段に記憶された値のうち、各基本クロックの立ち上がりタイミングごとにHighを示す値の個数をカウントするカウント手段と、
    所定のタイミングで発生された第1基本クロックの立ち上がりタイミングでの前記個数と該第1基本クロックの次に発生された第2基本クロックの立ち上がりタイミングでの前記個数との差分に、前記遅延時間を乗算した値から、前記基本クロックの周期を決定する周期決定手段と、
    決定された前記基本クロックの周期から逆算して前記遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、
    前記第1基本クロックの立ち上がりタイミングでの前記個数及び決定された前記遅延時間を用いて、前記検出信号及び前記基本クロックにおける位相差を決定する位相差決定手段とを備え、
    前記周期導出手段は、
    所定のタイミングで出力された第1検出信号と基本クロックとの前記位相差と、該第1検出信号の次に出力された第2検出信号と基本クロックとの前記位相差との差分時間を、該第1検出信号が出力されてから該第2検出信号が出力されるまでの間に発生した前記基本クロックの個数に決定された該基本クロックの周期を乗算した値に加算して、前記検出信号の周期を導出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記位相差検出手段は、
    直列に接続された複数の遅延回路を備え、前記基本クロックを入力とし、1つの遅延回路で予め定められた時間である遅延時間だけ該基本クロックを遅延させて接続された次の遅延回路に入力させることで、該基本クロックを前記遅延時間刻みで遅延させて出力する遅延手段と、
    前記検出信号が出力されるタイミングで、前記基本クロック及び遅延された該基本クロックのHigh又はLowを示す値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたデータを用いて前記検出信号と前記基本クロックの位相差を算出する算出手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記記憶手段に記憶された値のうち、Highを示す値が連続する個数とLowを示す値が連続する個数とをカウントするカウント手段と、
    カウントされたHighを示す値が連続する個数と、該Highを示す値に続いて記憶されたLowを示す値が連続する個数とを加算した値に、前記遅延時間を乗算した値から、前記基本クロックの周期を決定する周期決定手段と、
    決定された前記基本クロックの周期から逆算して前記遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、
    カウントされた前記Highを示す値が連続する個数、決定された前記遅延時間及び決定された前記基本クロックの周期を用いて、前記検出信号及び前記基本クロックにおける位相差を決定する位相差決定手段とを備え、
    前記周期導出手段は、
    所定のタイミングで出力された第1検出信号と基本クロックとの前記位相差と、該第1検出信号の次に出力された第2検出信号と基本クロックとの前記位相差との差分時間を、該第1検出信号が出力されてから該第2検出信号が出力されるまでの間に発生した前記基本クロックの個数に決定された該基本クロックの周期を乗算した値に加算して、前記検出信号の周期を導出することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. スキャナ制御装置であって、
    光を照射する照射手段と、
    照射された光を偏向する偏向手段と、
    前記偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段と、
    前記スキャナ制御装置の基本クロックと前記検出信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    検出された前記位相差から前記検出信号の周期を導出する周期導出手段と、
    検出された前記位相差を解消するとともに、導出された前記検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように前記偏向手段の動作を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするスキャナ制御装置。
  9. 光を照射する照射手段と、像担持体を走査して静電潜像を形成するために、照射された光を前記像担持体に向けて偏向する偏向手段と、前記像担持体の近傍に配置され、前記偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段とを備える画像形成装置の制御方法であって、
    前記画像形成装置の基本クロックと前記検出信号との位相差を検出するステップと、
    検出された前記位相差から前記検出信号の周期を導出するステップと、
    検出された前記位相差を解消するとともに、導出された前記検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように前記偏向手段の動作を制御するステップと
    を実行することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  10. 光を照射する照射手段と、照射された光を偏向する偏向手段と、前記偏向手段による1走査ごとに、偏向された光を検出して検出信号を出力する光検出手段とを備えるスキャナ制御装置の制御方法であって、
    前記スキャナ制御装置の基本クロックと前記検出信号との位相差を検出するステップと、
    検出された前記位相差から前記検出信号の周期を導出するステップと、
    検出された前記位相差を解消するとともに、導出された前記検出信号の周期と予め定められた理想の周期との差を解消するように前記偏向手段の動作を制御するステップと
    を実行することを特徴とするスキャナ制御装置の制御方法。
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