JP2009195866A - 酸素分離膜エレメントならびに該エレメントの接合方法および接合材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明によって提供される酸素分離膜エレメント10は、多孔質基材14上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜15を備え、その酸素分離膜には少なくとも一つのペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る接続部材12,16が接合されており、酸素分離膜と接続部材との接合部分は、該接合部分におけるガス流通を遮断するシール部20a,20bを構成しており、該シール部はペロブスカイト構造酸化物セラミックスとシリカとから形成されており、該シール部におけるシリカ含有率は8〜14質量%である。
【選択図】図2
Description
例えば、ペロブスカイト型酸化物等の混合伝導体から構成される酸素分離膜を多孔質基材上に備えた酸素分離材(酸素分離膜エレメント)は、深冷分離法やPSA(Pressure Swing Adsorption)法に代わる有効な酸素精製手段として好適に使用することができる。
或いはまた、かかる構成の酸素分離膜エレメントは、一方の面から他方の面に供給された酸素イオンによって当該他方の面に供給された炭化水素(メタンガス等)を酸化させて合成液体燃料(メタノール等)を製造するGTL(Gas To Liquid)技術、或いは燃料電池分野で好適に使用することができる。
この種の従来技術として、特許文献1〜4には、混合伝導体である幾つかのペロブスカイト型酸化物が記載されている。また、特許文献5〜9には、ペロブスカイト型酸化物から構成された酸素分離膜を備える酸素分離材(膜エレメント)の好例が開示されている。また、特許文献10〜11には、円筒状の酸素分離材(エレメント)と当該酸素分離材を備える装置(モジュール)が記載されている。
従来、使用温度が例えば800〜1000℃となるような高温域で使用する酸素分離装置(モジュール)においては、かかるシール部のシール性(気密性)を確保するべく、シール部(接合部分)を構成する接合材としてガラス材料や金属材料が検討されている。例えば、特許文献12〜14には、従来の接合材(シール材)の例が記載されている。その他、接合に関する従来技術として特許文献15〜19が挙げられる。
また、比較的熱膨張し易いペロブスカイト型酸化物(例えば熱膨張係数が10〜15×10−6K−1)に対し、熱膨張し難い従来のガラス材料(例えば熱膨張係数が1〜5×10−6K−1である一般的なホウケイ酸ガラス)を接合材として適用した場合、低温固化の際の熱膨張差によって当該接合材が破損する虞がある。さらに、熱膨張差の大きい従来の接合材を採用して得られた酸素分離材を上記高温域で繰り返し使用する場合、使用前の昇温時ならびに使用後の降温時においてシール部のシール性が徐々に低下する虞もあり、耐久性の観点から改善する余地がある。
即ち、ここで開示される酸素分離膜エレメントでは、酸素分離膜と当該酸素分離膜に接合されるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る接続部材との接合部分が当該接合対象物と同様のペロブスカイト構造酸化物セラミックスを主体としさらにシリカを8〜14質量%の含有率で含む。このことにより、酸素分離膜に熱的ダメージを与えない比較的低い焼成温度で緻密性の高い接合部分、即ちガス流通を遮断するシール部が形成されている。これにより、本発明の酸素分離膜エレメントによると、上記酸素分離膜と上記接続部材との接合部分(シール部)からのガスのリークを防止しつつ高性能な酸素分離処理を行うことができる。また、シリカの融点が高いために典型的には800〜1000℃の範囲内であるような高温域で繰り返し使用しても(換言すれば常温からの昇温と使用後の降温とを繰り返しても)、上記接合部分(シール部)からシリカが溶解して流出することがない。このため、典型的には800〜1000℃の範囲内であるような高温域で長期にわたって高い気密性を保持することができる。従って、本発明によると、耐熱性および耐久性に優れる酸素分離膜エレメントが提供される。
特に好ましい態様では、上記酸素分離膜および上記接続部材が同一の組成のペロブスカイト構造酸化物セラミックスにより形成されており、さらに上記シール部を構成するペロブスカイト構造酸化物セラミックスもまた同一組成のペロブスカイト構造酸化物セラミックスであることを特徴とする。
かかる構成の酸素分離膜エレメントでは、接合部分において特に高い接合強度と気密性(シール性)を実現することができる。また、接合対象の上記酸素分離膜および接続部材の熱膨張係数と、それらの間の接合部分に存在するシール部の熱膨張係数とが、特によく近似する。従って、本態様の酸素分離膜エレメントは、高温域での繰り返し使用に適し、長期にわたって気密性を保持し得る高い耐久性を実現する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において「単分散」とは、単分散度、即ちCV値(%)が30%以下、好ましくは10%以下(例えば0.1〜10%、特に好ましくは0.1〜5%)であるものをいう。
ここでCV値(%)は以下の式から求めることができる。
CV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
本構成の接合方法によると、高い機械的強度と高い緻密性を備えるシール部を接合部分に形成することができる。また、上記焼成温度以下の温度域(例えば800〜900℃、より好ましくは800〜1000℃の温度域)でシール部からシリカが溶け出して流出する虞がない。
従って、本構成の接合方法によると、典型的には800〜1000℃の範囲内で繰り返し使用しても(換言すれば常温からの昇温と使用後の降温とを繰り返しても)、上記酸素分離膜と接続部材とが接合された部分(即ち本発明に係るシール部)からのガスのリークがなく長期にわたって高い気密性を保持し得る耐熱性および耐久性に優れる酸素分離膜エレメントを製造することができる。また、ガラス接合材を完全に溶融させることなく両部材を接合するため、従来の溶融接合材ではシールすることが困難であった特殊な構造、あるいは荷重がかけられない構造の接合部分にも適用してシール部を形成することができる。
特に好ましい態様では、上記酸素分離膜および上記接続部材が同一の組成のペロブスカイト構造酸化物セラミックスにより形成されており、さらに上記シール部を構成するペロブスカイト構造酸化物セラミックスもまた同一組成のペロブスカイト構造酸化物セラミックスであることを特徴とする。
このような材料を用いることにより、接合部分において特に高い接合強度と気密性(シール性)を実現することができる。
好適な一態様では、ここで開示される接合材はペースト状に調製される。例えば、シリカ粉末原料として上記範囲内の平均粒子径の単分散シリカ粒子(例えばコロイダルシリカを構成する単分散シリカナノ粒子)を使用することによって、ナノレベルのシリカ粒子が均一に分散したペースト状接合材を提供することができる。
また、酸素分離膜エレメントの形状(外径)は特に限定されない。例えば、ペロブスカイト構造の酸化物セラミックス(酸素イオン伝導体)から成る酸素分離膜として厚さ1mm未満の酸素分離膜(例えば厚さ100μm未満の薄膜)を備える板状(平面状、曲面状等を包含する。)、管状(両端が開口した開管状、一端が開口し他端が閉じている閉管状等を包含する。)、その他層状に形成されたものが挙げられる。酸素分離膜が形成されている多孔質基材や該基材と接合される接続部材の形状やサイズに応じて酸素分離膜エレメントの外径やサイズも適宜決定され得る。
酸素分離膜の支持体である多孔質基材は、従来のこの種の膜エレメントで採用されている種々の性状のセラミック多孔質体が使用できる。膜エレメントの使用温度域(通常500℃以上、典型的には800℃以上、例えば800〜900℃、好ましくは800〜1000℃)において安定な耐熱性を有する材質からなるものが好ましく用いられる。例えば、ペロブスカイト構造の酸素分離膜と同様の組成を有するセラミック多孔体、あるいはマグネシア、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等を主体とするセラミック多孔体を用いることができる。酸素分離膜と同様の(特には同一の組成の)ペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る多孔質体が特に好ましい。或いは、金属材料を主体とする金属質多孔体を用いてもよい。
特に限定しないが、使用する多孔質基材の水銀圧入法に基づく平均細孔径は0.1μm〜20μm程度が適当であり、水銀圧入法に基づく気孔率は5〜60%程度が適当である。
酸素分離膜と当該接続部材とを共にペロブスカイト型酸化物とすることによって、これら部材とさらには後述する組成の接合材の熱膨張係数を近似させることができる。この結果、製造時や使用時の昇温(加熱)及び/又は降温(冷却)に伴う熱膨張の差によって接合部分にクラックが生じるのを防止することができる。接合対象の酸素分離膜と接続部材とが同一組成の酸化物セラミックスから構成されていることが特に好ましい。
この種の酸化物セラミックスとして、典型的には、一般式:Ln1−xAexMO3で表される組成の複合酸化物が挙げられる。ここで式中のLnはランタノイドから選択される少なくとも一種(典型的にはLa)であり、AeはSr,CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Mは、Mg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Fe,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,ScおよびYからなる群から選択される少なくとも一種であり、0≦x≦1である。例えば、好適な混合伝導体として、式:(La1−xSrx)(Ti1−yFey)O3(但し0<x<1、0<y<1)で示される複合酸化物(以下「LSTF酸化物」ともいう。)が挙げられる。具体例として、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7O3等が挙げられる。
即ち、製造しようとするセラミックスを構成する原子を含む化合物の粉末(原料粉末)を成形し、酸化性雰囲気(例えば大気中)または不活性ガス雰囲気で焼成して所望する形状のセラミックス(多孔質基材、接続部材)を得ることができる。原料粉末としては、セラミックスを構成する金属原子を含む酸化物あるいは加熱により酸化物となり得る化合物(当該金属原子の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、オキシハロゲン化物等)の一種以上を含有するものを用いることができる。原料粉末は、セラミックスを構成する金属原子のうち二種以上の金属原子を含む化合物(複合金属酸化物、複合金属炭酸塩等)を含有してもよい。
例えば、原料粉末を仮焼し、湿式ボールミル等を用いて当該仮焼原料を粉砕することにより、仮焼粉末(本焼成用原料粉末)を得ることができる。さらに原料粉末(又は仮焼粉末)に、水、有機バインダー等の成形助剤、および分散剤を添加・混合してスラリーを調製し、スプレードライヤー等の造粒機を用いて所望する粒径(例えば平均粒子径が10〜100μm)に造粒することができる。
なお、原料粉末や仮焼物を粉砕して得られた仮焼粉末(本焼成用原料粉末)の成形には、一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出成形等の従来公知の成形法を採用することができる。また、かかる成形のために従来公知のバインダー、分散剤等を使用することができる。
なお、上述したようなセラミックス成形技法自体は従来と同様で良く、本発明を特徴付けるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
尚、本発明の実施に適する上述したようなコロイダルシリカは市販されており、所望する粒子径およびSiO2濃度(質量%)のコロイダルシリカを用意する(例えば触媒化成工業株式会社から購入できる。)ことによって、本発明に係る接合材の調製に好ましく使用し得る単分散シリカナノ粒子(例えばCV値10%以下)を得ることができる。
なお、ペーストに用いられるバインダー、溶媒及び他の成分(例えば分散剤)は、特に限定されるものではなく、ペースト製造(例えば同様の目的に使用される一般的なホウケイ酸ガラス等を主成分とする接合材の製造)において従来公知のものから適宜選択して用いることができる。
例えば、バインダーの好適例としてセルロース又はその誘導体が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの塩が挙げられる。バインダーは、ペースト全体の5〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
次いで、十分な焼結が行われる適当な温度域、好ましくは、酸素分離膜エレメントの使用温度域(例えば800〜1000℃)よりも高い温度域であって酸素分離膜の焼成温度(例えば1400〜1600℃)よりも低い温度域、典型的には、1200℃以上1400℃未満程度の温度域で焼成する。このことによって、酸素分離膜(及び多孔質基材)と接続部材との接続部分に緻密なシール部が形成され、同時にガスリークが無い接合部分が形成される。
LSTF(La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7O3)粉末(平均粒子径:約50μm)に一般的なバインダー(ここではメチルセルロースを使用した。)及び水を添加して混練した。次いで、この混練物を用いて押出成形を行い、外径約20mm×内径約12mm×全長約1000mmの円筒形状の成形体を得た。そして、この成形体を大気中において1400〜1500℃(ここでは最高焼成温度:約1400℃)で焼成した。焼成後、焼成物の表面を研磨し、所望の外形寸法(外径20mm×内径12mm×全長1000mm)のLSTF製多孔質基材14(図1)を作製した。
次いで、上記得られた円筒形状LSTF成形体を上記スラリー中に浸漬し、ディップコーティングを行った。こうしてスラリーがコーティングされた成形体は、80℃で乾燥後、大気中において1000〜1600℃の温度域(ここでは最高焼成温度:約1400℃)まで昇温し、最高焼成温度で3時間保持して成形体を焼成した。これにより、円筒形状多孔質基材14の表面に、ペロブスカイト型酸化物である本実施例に係るLSTF酸化物から成る酸素分離膜15(図1)が形成された。
上記平均粒子径が約1μmのLa0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7O3粉末に、一般的なバインダー(ここではポリビニルアルコールを使用した。)及び水を添加して混練した。次いで、市販のスプレードライヤーを用いて造粒し、平均粒子径が約60μmの原料粉末を得た。次に、得られた原料粉末を100MPaの圧力条件でプレス成形し、外径約35mm×厚さ約20mmの円板形状の成形体を得た。さらにCIP成形により当該成形体に150MPaの加圧を行った。
こうして得られた成形体を、大気中において先ず200〜500℃の温度域(ここでは約500℃)まで昇温し、10時間保持した。これにより有機物を分解除去した。その後、大気中において1300〜1600℃の温度域(ここでは最高焼成温度:約1400℃)まで昇温し、そして、最高焼成温度で3時間保持して焼成し、上記酸素分離膜15と同じ組成のペロブスカイト型酸化物から成る焼成体を得た。
次に、この円板形状焼成体を機械研磨し、図1中に符号12で示す外径20mm×厚さ5mmの円板状接続部材(以下「キャップ部材12」という。)と、図1中に符号16で示す外径27mm×内径20mm×厚さ15mmの円板形状接続部材であって内側に多孔質基材14を嵌合する貫通穴17が形成された接続部材(以下「リング部材16」という。)とを作製した。
表1に示すシリカ含有率となるように、平均粒子径が約1μmのLa0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7O3粉末と平均粒子径が約12nmの単分散シリカ粒子を含むコロイダルシリカ(シリカ固体分30質量%、触媒化成工業株式会社製品)とを混合した。具体的には、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7O3粉末100質量部に対して上記コロイダルシリカ(単分散シリカコロイド液)を10質量部〜60質量部の比率で加えた。
さらに、上記La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7O3粉末とシリカの合計量40質量部に対して、一般的なバインダー(ここではエチルセルロースを使用した。)3質量部と、溶剤(ここではターピネオールを使用した。)47質量部を添加・混合し、表1のサンプル1〜6に対応する計6種類のペースト状接合材を調製した。
上記6種類のペーストを接合材として用いて接合処理を行った。具体的には、図1及び図2に示すように、円筒形状多孔質基材14の一方の端面14bをリング部材16の嵌合穴17に差し込み、他方の端面14aにはキャップ部材12を配置した。而して、多孔質基材14表面の酸素分離膜15とキャップ部材12との接触部分(接続部分)20a、および酸素分離膜15とリング部材16との接触部分(接続部分)20bに、それぞれ、上記ペーストのいずれかを塗布した。
次いで、80℃で乾燥後、大気中で1300℃または1350℃で1時間焼成した。これにより、多孔質基材14および酸素分離膜15の両端に接続部材(キャップ部材12およびリング部材16)が接合された計6種類(サンプル1〜6)の酸素分離膜エレメント10が構築された。
次に、上記構築した計6種類(サンプル1〜6、焼成温度1300℃)の膜エレメントについて、接合部分(シール部)からのガスリークの有無を確認するリーク試験を行った。具体的には、リング部材16底面の嵌合穴17開口部から膜エレメント10の中空部13に空気を0.2MPa加圧した条件で供給し、その状態で膜エレメント10を水中に沈め、水中でバブル発生の有無を目視で調べた。結果を表1の該当欄に示す。
表1に示すように、サンプル3(シリカ含有率:約8質量%)〜サンプル5(シリカ含有率:約13質量%)については、ガス(空気)のリークは全く観察されなかった。他方、サンプル1(シリカ含有率:約3質量%)、サンプル2(シリカ含有率:約6質量%)およびサンプル6(シリカ含有率:約15質量%)では、シール部表面からのバブル発生、即ちガス(空気)のリークが認められた。
本発明によって提供される酸素分離膜エレメントは、例えば800〜1000℃というような高温域での使用に好ましく、GTL或いは燃料電池分野で好適に使用することができる。
12 キャップ部材(接続部材)
14 多孔質基材(支持体)
15 酸素分離膜
16 リング部材(接続部材)
20a,20b 接続部分(シール部)
Claims (6)
- 多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントであって、
前記酸素分離膜には、少なくとも一つのペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る接続部材が接合されており、
前記酸素分離膜と前記接続部材との接合部分は、該接合部分におけるガス流通を遮断するシール部を構成しており、
ここで前記シール部は、ペロブスカイト構造酸化物セラミックスとシリカとから形成されており、該シール部におけるシリカの含有率は8〜14質量%である、酸素分離膜エレメント。 - 前記酸素分離膜および前記接続部材は、同一の組成のペロブスカイト構造酸化物セラミックスにより形成されており、
前記シール部を構成するペロブスカイト構造酸化物セラミックスは、前記同一組成のペロブスカイト構造酸化物セラミックスである、請求項1に記載の酸素分離膜エレメント。 - 多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントの接合方法であって、
前記酸素分離膜と接合する対象のペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る接続部材を用意すること、
平均粒子径が10μm未満であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックス粉末と平均粒子径が300nm以下のシリカ粉末とを含む接合材であって前記酸化物セラミックス粉末とシリカ粉末の合計量のうち該シリカ粉末の含有率が8〜14質量%である接合材を用意すること、
前記接続部材と前記酸素分離膜とを接続した部分に前記用意した接合材を塗布すること、および、
前記塗布された接合材を焼成することによって、前記接続部材と前記酸素分離膜との接合部分を、ガス流通を遮断するシール部とすること、
を包含する、酸素分離膜エレメントの接合方法。 - 前記シリカ粉末が単分散シリカ粒子で構成されている、請求項3に記載の接合方法。
- 多孔質基材上に酸素イオン伝導体であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックスから成る酸素分離膜を備える酸素分離膜エレメントを接合するための接合材であって、
平均粒子径が10μm未満であるペロブスカイト構造の酸化物セラミックス粉末と平均粒子径が300nm以下のシリカ粉末とを含む接合材であって前記酸化物セラミックス粉末とシリカ粉末の合計量のうち該シリカ粉末の含有率が8〜14質量%である、接合材。 - 前記シリカ粉末が単分散シリカ粒子で構成されている、請求項5に記載の接合材。
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