JP2009195581A - X線透視撮影装置およびこれを用いたx線透視撮影システム - Google Patents

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    • A61B6/54Control of apparatus or devices for radiation diagnosis
    • A61B6/548Remote control of the apparatus or devices

Abstract

【課題】 簡易な構成にて、天板周辺に人の立ち位置を確保しやすいX線透視撮影装置およびこの透視撮影台を使用したX線透視撮影システムを提供する。
【解決手段】 被検体Pを載置する天板40を有する支持枠30でX線発生器60を支持する支柱部50を支持し、この支柱部50を、前記支持枠30側の支柱部50の端部と、X線発生器60側の端部とが、前記支持枠30の長手方向にずれる形状とする。この形状の支柱部50をA10方向に回転させる支柱部回転機構500mと、前記X線発生器60をA11方向に回転させる第2のX線発生器回転機構600mとにより、前記支柱部50とX線発生器60とを回転させて該支柱部50及びX線発生器60を被検体Pの透視及び/又は撮影部位に位置決めする。また、このX線透視撮影装置1を使用してX線透視撮影システムを構築するときは、X線透視撮影装置1と、該透視撮影台1に電力を供給するX線高電圧装置と、これらを統合的に操作する遠隔操作卓とから構築する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検体の透視撮影を行なうX線透視撮影装置に係り、特にインターベンショナルラジオロジー(Inter-Ventional Radiology:IVR)に好適なX線透視撮影装置及びこれを用いたX線透視撮影システムに関する。
近年、X線透視画像を観察しながら治療を行うIVRの手技が広く行われるようになってきた。このIVR手技においては、医師、看護師、技師など複数の者が施術に関与すると共に、内視鏡、モニタ、超音波診断装置等の様々な機器を被検体の周囲に配置することが必要となる場合がある。そのため、被検体の周囲に施術に関係する人の立ち位置や各種機器の配置スペースを高い自由度で確保することが重要となっている。
このようなIVRには、被検体を載置して上下、左右に移動可能な天板を備えたX線透視撮影装置が利用されることが多く、例えば特許文献1に開示されているものがある。このX線透視撮影装置は、床面に対して固定される支持枠と、支持枠上に配置して被検体を載置する天板と、X線を被検体に照射するX線発生器と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを備え、前記X線発生器とX線検出器は、前記被検体を挟んで対向する位置に前記支持枠に支持される支柱部の両端に設けられる。そして、前記支柱は、前記支持枠の長手方向(被検体の体軸方向)と短手方向(被検体の体軸と直交する方向)に移動し、前記X線発生器及びX線検出器と前記天板2が起倒動できる機構を有して前記被検体を撮影目的、撮影部位に応じて臥位や立位などの各種の体位変換ができるように構成されている。
また、他のX線透視撮影装置の例として、特許文献2に開示されているC字状のアーム支持器でX線発生器とX線検出器とを支持するX線透視撮影装置、特許文献3に開示されているX線発生器を天井から吊下げた構成の二方向透視撮影機能を有するX線透視撮影装置がある。
特開平11-261892号公報 特開平11-276475号公報 特開2004-160263号公報
しかし、近年では、IVRの発達により、被検体の頭部側と足側、左右の体側側の種々の方向から被検体にアクセスすることが求められており、特許文献1に係る透視撮影台では、このような要請に応えることができなかった。具体的には、透視撮影台の支柱は、支持枠から鉛直方向に延びており、さらに、この支柱から支持枠の長手方向に直交する方向に延びるアームによりX線発生器とX線検出器とを支持している。そのため、被検体へのアクセスは、頭部側あるいは足側と、左右の体側側のうちの支柱のない側からとの二方向に限定される。
しかも、被検体の腹部を撮影する場合は、被検体の頭部側又は足側からでは被検体の腹部までの距離が長いため、実質的に被検体の一方の体側側からしかアクセスできないという問題があった。
この問題は、特許文献2に係る透視撮影台においても同様で、X線発生器とX線検出器とを支持するC字状アームによって、被検体へのアクセスは二方向に限定され、しかも、被検体の腹部を撮影する場合は被検体の一方の体側側からしかアクセスできない。
また、特許文献3に係る装置では、天板周辺における人の立ち位置の確保は行いやすいものの、X線発生器を天井からX−Y方向に移動可能に吊下げるため、相当程度大掛かりな天井走行用レールが必要になる。その結果、X線装置の設置空間の天井が低ければ、天吊り型のX線装置は導入することができない場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な構成にて、天板周辺に人の立ち位置を確保しやすいX線透視撮影装置およびこの透視撮影台を使用したX線透視撮影システムを提供することにある。
上記目的は、被検体を載置する天板を備えた支持枠でX線発生器を支持する支柱部を支持し、この支柱部を、前記支持枠側の支柱部の端部と、X線発生器側の端部とが、前記支持枠の長手方向にずれる形状とし、この形状の支柱部とX線発生器とを任意の位置に移動、回転させることによって達成するもので、具体的には以下のとおりである。
本発明のX線透視撮影装置は、床面に載置されるスタンド部と、このスタンド部に支持され、前記スタンド部の一側面側に突出する支持腕部と、この支持腕部に支持され、前記支持腕部の突出方向とほぼ直交する方向に延びる支持枠と、この支持枠に支持され、前記被検体を載置する天板と、前記被検体にX線を照射するX線発生器と、前記支持枠に支持され、前記X線発生器を支持する支柱部と、前記支持枠の内部で前記X線発生器と対向して配置され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記支持腕部を軸とした方向に前記支柱部を回転させる支柱部回転機構と、前記X線発生器を前記支持腕部の突出方向に回転させる第1のX線発生器回転機構と、前記X線発生器を前記支持枠の長手方向に回転させる第2のX線発生器回転機構と、前記被検体の透視及び/又は撮影映像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする。
前記支持腕部に前記支柱部回転機構を備え、前記X線発生器の固定部に前記第1のX線発生器回転機構と前記第2のX線発生器回転機構とを備えた。
前記第2のX線発生器回転機構による前記X線発生器の回転角度は、前記支柱部回転機構による前記支柱部の回転角度と同じであって、前記第2のX線発生器回転機構による前記X線発生器の回転方向は、前記支柱部の回転方向と逆方向である。
前記支柱部回転機構に前記支柱部の回転角度を検出する支柱部回転角度検出器と、前記第2のX線発生器回転機構に前記X線発生器の回転角度を検出するX線発生器回転角度検出器とを備え、前記検出器で検出した前記支柱部の回転角度情報と前記X線発生器の回転角度情報とを用いて前記X線検出器より得られる画像の被検体の頭―足方向が前記表示装置に表示される出力画像の上下方向に一致するように前記X線検出器を前記支柱部に従動して制御するX線検出器回転制御装置を備えた。
さらに、前記X線発生器を前記支持枠の短手方向にスライドするX線発生器スライド機構を備えた。
前記支柱部は、以下のように構成される。
(1)前記支柱部は、前記支持枠側から前記X線発生器側に向かって斜め方向にせり出す。
(2)前記支柱部は、前記X線発生器側に向かって前記支持枠の長手方向と短手の両方に延びる。
(3)前記支柱部は、前記支持枠から離れる方向に向かって凸となるように湾曲する。
前記支柱部を前記支持枠の長手方向又は短手方向にスライドさせる基底部を備えた。
前記X線検出器を前記支持枠の長手方向又は短手方向にスライドさせるX線検出器スライド機構を備えた。
前記X線検出器を回転させるX線検出器回転機構を備えた。
前記X線検出器スライド機構及び/又は前記X線検出器回転機構に、前記支柱部のスライド状態を検知する検出器と、前記X線発生器に従動するように前記X線検出器をスライド及び/又は回転させるX線検出器移動制御装置とを備えた。
前記表示装置は、多関節のアームにより前記スタンド部に支持される。
撮影室に載置される上記のように構成されたX線透視撮影装置と、前記撮影室に設置され、前記X線発生器に電力を供給するX線高電圧装置と、前記撮影室とは別の操作室に設置され、前記X線透視撮影装置及び前記X線高電圧装置を統合的に操作する遠隔操作卓とを備えてX線透視撮影システムを構成する。
本発明によれば、X線発生器を支持する支柱部の支持枠側の端部と、X線発生器側の端部とが、前記支持枠の長手方向にずれる形状とし、この形状の支柱部とX線発生器とを任意の位置に移動、回転させる機構を備えたことにより以下の効果を得ることができる。
(1)術者は被検体のあらゆる方向からアクセスすることができるので、種々のIVR手技から健康診断にいたるまで、多種多様の用途に使用することができる。
(2)しかも、IVR手技においては、複数の術者が、被検体の両側側から被検体にアクセスできるので、IVR手技を効率良く行うことができる。
(3)また、多人数でIVR手技に取り組むことができるので、難度の高い手術の場合においても短時間で手術を終えることが可能である。その結果、被検体Pの負荷を低減することができる。
(4)さらに、X線透視撮影装置を従来と同様に使用することも可能である。
以下、本発明のX線透視撮影装置およびこの撮影台を使用したX線透視撮影システムを図に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明のX線透視撮影システムは、X線透視撮影装置1と、
被検体Pに照射するX線を発生する後述のX線発生器60に電力を供給するX線高電圧装置2と、これらの機器を統合的に操作する遠隔操作卓3とを備えて構成される。上記システムを構成する機器のうち、X線透視撮影装置1とX線高電圧装置2は、被検体Pの透視撮影を行なう撮影室100に設置され、遠隔操作卓3は、撮影室100に隣接する操作室200に設置される。
操作室200は、撮影室100で発生するX線を遮蔽できる構造を有しており、X線透視撮影装置1を操作する撮影技師W1,W2が被曝するのを防止している。
なお、撮影室100と操作室200との間には、窓200wが設けられ、操作室200から撮影室100の様子を監視することができるようになっているが、この窓200wも、撮影室100からのX線を遮蔽できるように、鉛入りガラスなどで構成されている。
この透視撮影システムで、被検体Pの透視撮影を行ないながら治療を同時に行なう、いわゆるIVRを行なうときは、X線透視撮影装置1の天板40に被検体Pを寝かせて、被検体Pの回りに術者OP1〜OP3が配置につく。
そして、IVRの術式に応じて、撮影技師W1,W2が遠隔操作卓3を操作して、被検体Pに照射するX線の強度などを調節する。
遠隔操作卓3に入力されたX線の強度と照射間隔情報に基づいて、X線高電圧装置2は、透視又は撮影に対応した管電圧(後述のX線管球の陽極と陰極間に印加する電圧)、管電流(後述のX線管球の陽極と陰極間に流れる電流)になる電力をX線発生器60に供給する。
X線透視撮影装置1は、前記管電圧、管電流に応じたX線を被検体Pに照射し、各X線に対応した被検体Pの透視及び/又は撮影画像を表示装置80に表示する。
《第1の実施形態》
<X線透視撮影装置の全体構成>
図2に示すように、本発明による第1の実施形態のX線透視撮影装置1は、床面に設置されるスタンド部10と、スタンド部10に支持され、スタンド部10の一側面側に突出する支持腕部20と、支持腕部20に支持され、支持腕部20の突出方向とほぼ直交する方向に延びる支持枠30と、支持枠30に支持され、被検体Pを載置する天板40とを備える。
また、このX線透視撮影装置1は、被検体PにX線を照射するX線発生器60と、支持枠30に支持され、前記X線発生器60を支持する支柱部50と、支持枠30の内部でX線発生器60と対向して配置され、被検体Pを透過したX線を検出するフラットパネルディテクタ(FPD)を用いたX線検出器70とを備える。
X線透視撮影装置1は、以下に列挙するように、図2の矢印の方向に各構成要素を動作させることができる。
A1方向…スタンド部10に対する支持枠30の長手動方向(支持腕部20の突出方向に直交する方向)
A2方向…スタンド部10に対する支持枠30の昇降動方向(床面鉛直方向)
A3方向…支持枠30の起倒動方向(支持腕部20の突出方向を軸とした回転方向)
A4方向…支持枠30に対する支柱部50の長手動方向(支持枠30の長手方向)
A5方向…支持枠30に対する支柱部50の左右動方向(支持腕部20の突出方向)
A6方向…支柱部50の先端部に対する第1のX線発生器60の回転動方向(A5方向を中心とした回転方向)
A7方向…支持枠30に対するFPD70の長手動方向(支持枠30の長手方向)
A8方向…支持枠30に対するFPD70の左右動方向(支持腕部20の突出方向)
A9方向…FPD70の回転動方向(床面鉛直方向を中心とした回転方向)
A10方向…支持腕部20に対する支柱部50の支柱本体52を回転させる支柱本体回転動方向(支持腕部20を軸とした回転方向)
A11方向…支柱部50の先端部に対する第2のX線発生器60の回転動方向(A4方向を中心とした回転方向)。
なお、詳細は後述するが、支柱本体52をA10方向に回転させる支柱部回転機構500mは支持腕部に設け、X線発生器60をA6方向に回転させる第1のX線発生器回転機構53m及びX線発生器60をA11方向に回転させる第2のX線発生器回転機構600mはX線発生器60の固定部(図示せず)に設ける。
図3は、上記支柱部回転機構500m及び第2のX線発生器回転機構600mも含めた本発明の第1の実施形態によるX線透視撮影装置1の模式図である。
上記のA1〜A11方向にX線透視撮影装置1の各構成要素を回転又は移動させることにより、天板40に載せられた被検体Pのポジションや、被検体Pに照射するX線の照射範囲を可変することができる。その結果、効率的かつ正確に被検体Pの透視撮影を行うことができる。
以下、図2〜図15を用いてX線透視撮影装置1の各構成要素を詳細に説明すると共に、各構成要素を動作させる機構についても合わせて説明する。
[スタンド部]
スタンド部10は、X線透視撮影装置1全体を支える筐体である。このスタンド部10の内部には、図6に示すように、支持腕部20をスタンド部10に対して昇降させるA2方向昇降機構12m及び支持腕部20をスタンド部10に対して回転させるA3方向回転機構13mなどが収納されている。また、これらの機構を支持する骨格10sに隣接する側板11には、各構成要素を制御する制御基板が多数実装されている。
A2方向昇降機構12mは、スタンド部10の骨格10sに設けられる昇降ラック101と、昇降ラック101に沿ってスタンド部10の上下方向に昇降する昇降ユニット12uとを備える。昇降ユニット12uは、モータ121とモータ121の駆動により回転する昇降ピニオン122を有しており、この昇降ピニオン122と、前記昇降ラック101との噛み合わせにより、昇降ユニット12uが昇降ラック101に沿って昇降する。また、昇降ユニット12uには、A3方向回転機構13mが支持されている。
A3方向回転機構13mは、モータ131と、次述する支持腕部20に連結される回転軸部13sとを有している。そして、モータ131の駆動力は、2段の減速機を介して回転軸部13sに伝達される。従って、モータ131の駆動により、回転軸部13sを回転させることにより支持枠30の起倒動、すなわち天板40に載置された被検体Pを起倒させることができる。
[支持腕部]
支持腕部20は、スタンド部側連結片21と支持枠側連結片22とを備え、スタンド部側連結片21が前述の回転軸部13sを介してスタンド部10に支持される。
つまり、支持腕部20が、回転軸部13sを介してスタンド部10のA3方向回転機構13mに軸支されることになり、図2の矢印A3方向に回転自在に構成される。
また、すでに述べたように、A3方向回転機構13mが昇降ユニット12uに支持されているので、支持腕部20は、図2の矢印A2方向に昇降自在に構成される。
一方、支持腕部20の支持枠側連結片22には、図7に示すように、支持枠30を支持腕部20に対して支持枠30の長手方向にスライドさせるA1方向スライド機構22mが設けられている。
A1方向スライド機構22mは、モータ221と、モータ221の駆動により回転する主動スプロケット222と、2つの従動スプロケット223a,223bと、これらスプロケット222,223a,223bに噛み合わせたチェーン224とを備える。チェーン224の両端部は、支持枠30の固定部(図示せず)に固定される。従って、主動スプロケット222の回転によりチェーン224を図7の左右方向に送り出すことができ、その結果、支持枠30を支持腕部(支持枠側連結片22)に対しての図2の矢印A1方向にスライドさせることができる。
[支持枠]
支持枠30は、前述のA1方向スライド機構22mにより、支持腕部20に対して支持腕部20の突出方向と直交する方向(図2のA1方向)にスライド可能に構成されている。この支持枠30の上部には、被検体Pを載せる天板40が設けられている。本例のX線透視撮影装置1では、天板40は固定されているが、支持枠30に対してスライド自在に構成しても良い。
また、支柱部50とは反対側の支持枠30の側面及び支持枠30の端面のうち、支柱部50の屈曲方向側の端面(図2における左側)には、操作パネル301,302が設けられている。この操作パネル301,302により、図2のA1〜A11方向に、対応する各構成要素を駆動させることができる。また、操作パネル301,302により、詳細機構の説明は省略するが、被検体Pの関心部位を圧迫するための圧迫装置90を動作させることもできる。
この支持枠30の内部には、図7に示すように、支柱部50を支持枠30に対して天板40の長手方向にスライドさせるA4方向スライド機構30mが設けられている。A4方向スライド機構30mは、支持枠30の長手方向の一端側に設けられるモータ331と、モータ331の駆動により回転する主動スプロケット332と、支持枠30の他端側に設けられる従動スプロケット333と、両スプロケット332,333を連結するチェーン334とを有する。チェーン334には、後で述べるように、支柱部50の基底部51が固定されており、スプロケット332,333によりチェーン334を回転させることで、基底部51、即ち、支柱部50を図面の左右方向(図2におけるA4方向)にスライドさせることができる(図9を合わせて参照)。
さらに、支持枠30の内部には、FPD駆動機構70mが設けられているが、このFPD駆動機構70mについては、FPDの項で詳述する。
[支柱部]
支柱部50は、A4方向スライド機構30mにより支持枠30の長手方向にスライド自在に構成される基底部51と、前記支持腕部20に設けられた後述の支柱部回転機構500mによってA10方向(図2を参照)に回転可能な支柱本体52と、支柱本体52の先端でX線発生器60を支持する連結部53とを備える。
支柱本体52は、基底部51から鉛直方向に延びると共に、連結部53に向かうに従って支持枠30の長手方向と幅方向の両方に延びている(特に。図4、5を参照)。そのため、X線発生器60を挟んで支持枠30の両側に術者OP1,OP3の立ち位置を確保することができ、被検体Pの頭部側および両側側の三方から被検体Pにアクセスすることができる。勿論、後で述べるように、前記支柱部回転機構500m及び第2のX線発生器回転機構600mを用いて支柱本体52とX線発生器60とを被検Pの足側方向に回転させることにより、被検体Pの足側および両側側の三方からも被検体Pにアクセスすることができる。
支柱本体52は、支持枠30から離れる方向に凸となるように、即ち、スタンド部10側に突出するように湾曲している(特に、図2、4を参照)。そのため、支柱本体52が、支柱部50の傍に立つ術者OP3の動きを妨げることがない。
また、支柱本体52のうち、支持枠30に対向する側には圧迫装置90が設けられている。圧迫装置90は、被検体Pの関心部位を圧迫しながら撮影を行うための装置である。この圧迫装置90の機構は、特開平11-261892等に開示されている周知の機構であるので、その詳細については省略する。
支柱部50の基底部51は、図7に示すように、A4方向スライド機構30mのチェーン334に固定されるスライダ片51pと、スライダ片51pからスタンド部10側に延びる基底骨格51qとを備える。また、基底部51は、支持枠30に対して支柱部50を支持枠30の幅方向スライドさせるA5方向スライドユニット51uを有する。
A5方向スライドユニット51uは、モータ511と、モータの駆動により回転するピニオン512とを有し、このピニオン512が基底骨格51qに設けられるラック514に噛み合っている。つまり、ピニオン512の回転により、A5方向スライドユニット51uを、ラック514に沿ってスライドさせ、基底骨格51qに対してユニット51uを支持枠30の幅方向に移動させることができる。ここで、A5方向スライドユニット51uは、支柱本体52に連結されており、A5方向スライドユニット51uが、支持枠30の幅方向に移動することによって、支柱部50全体を同方向(図2のA5方向)に移動させることができる。
さらに、前記支持腕部20の内部には、図8に示すように、支柱部50をA10方向に回転させる支柱部回転機構500mを備えている。
この支柱部回転機構500mは、図10に示すように、支柱部50に固定される軸550及びギヤ551と、前記支柱部50の支柱本体52を回転自在に支持するハウジング(支持腕部20)に設けた前記軸550を軸支する軸受け552と、前記ハウジング(支持腕部20)に設けた前記支柱本体52を回転させる駆動力を発生するためのモータ553と、このモータ553に連結されたギヤ554及び減速機555と、この減速機555の回転駆動力を前記支柱本体52に伝達するための前記ハウジング(支持腕部20)に設けたプーリ556及び前記支柱部50に設けたプーリ557と、前記プーリ556とプーリ557とを連結するベルト558と、前記支柱本体52の回転角度情報を検出するエンコーダ559とを備え構成される。このように構成された支柱部回転機構500mにより、モータ553を回転させて支柱本体52を被検体Pの透視及び/又は撮影部位に位置決めする。
[X線発生器]
X線発生器60は、支柱部50の先端側に取り付けられ、被検体PにX線を照射する機器である。X線発生器60は、公知の構成を有するものを使用すれば良く、X線高電圧装置2から電力供給を受けてX線を発生させるX線管球を有する。
また、X線発生器60には、X線の照射範囲を制限する公知の可動絞りや、特定のエネルギーのX線を選択的に透過させるX線フィルタなどを設けてもかまわない。
前記X線発生器60の固定部(図示せず)には、X線発生器60をA6方向(図を2参照)に回転させるための第1のX線発生器回転機構53m(図9を参照)及びA11方向(図2参照)に回転させるための第2のX線発生器回転機構600m(図11を参照)が設けられている。
第1のX線発生器回転機構53mは、図9に示すように、モータ531と、モータ531の回転により回転する主動滑車532と、端部に従動滑車533が設けられた回転軸部53sと、両滑車532,533を連結するベルト534とを有する。
したがって、主動滑車532を回転させることにより回転軸部53sを回転させることができ、その結果、回転軸部53sのうち、従動滑車533と反対の端部に固定されるX線発生器60を支柱部50の先端部(連結部53の先端部)に対して図2のA6方向に回転させることができる。これによって、X線の照射方向を天板40の長手方向に振ることができる。
第2のX線発生器回転機構600mは、図11に示すように、X線発生器固定部601に設けた軸602と、X線発生器60をA11方向に回転自在に支持するハウジング(支柱部50)に設けた前記軸602を軸支する軸受け603と、X線発生器固定部601に固定された前記X線発生器60をA11方向に回転させるためのモータ604と、このモータ604の回転速度を減速する減速機605と、この減速機605に連結されたギヤ606と、このギヤ606に連結されたギヤ607及び減速機608と、この減速機608に連結された前記X線発生器60のA11方向の回転角度情報を検出するエンコーダ609と、前記減速機605で減速されたモータ604の回転駆動力を前記軸602に伝達するギヤ610とを備えて構成される。
このように構成された第2のX線発生器回転機構600mにより、モータ604をA11方向に回転させてX線発生器60を被検体Pの透視及び/又は撮影部位に位置決めする。
[FPD]
FPD70は、複数の検出素子が二次元アレイ状に配置されて構成されており、X線発生器60から照射され、被検体Pを透過したX線の入射量に応じた画像データを検出する機器である。このFPD70は、図7に示すように、支持枠30の内部にあって、FPD駆動機構70mの上に配置されており、X線発生器60を支持する支柱部50とは、機構的に連結されていない。
そこで、このX線透視撮影装置1では、図示省略のX線発生―検出系制御装置により、X線発生器60に対向するようにFPD70を支持枠30に対しての支持枠30の長手方向(図2のA7方向)および支持枠30の幅方向(図2のA8方向)に移動制御する。より詳細には、X線の光軸がFPD70の中心を貫くようにFPD70を上記X線発生―検出系制御装置により制御する。なお、X線発生器60に従動するようにFPD70を移動させるための制御は、支持枠30に対する支柱部50の基底部51のスライド状態および基底部51に対する支柱本体52のスライド状態を検知するセンサに基づいて行う。
FPD70が配置されるFPD駆動機構70mは、FPD70を支持枠30に対しての支持枠30の長手方向にスライドさせるA7方向スライド機構71mと、FPD70を支持枠30に対して支持枠30の幅方向にスライドさせるA8方向スライド機構72mとを備える(図12、図13を参照)。
A7方向スライド機構71mは、支持枠30に固定され、支持枠30の長手方向に延びるラック714と、このラック714に沿って移動するA7方向スライドユニット71uとからなる。
A7方向スライドユニット71uには、モータ711と、モータ711の駆動により回転するピニオン712とを有する。このスライドユニット71uのピニオン712は、支持枠30のラック714に噛み合っているので、ピニオン712を回転させることにより、スライドユニット71uをラック714に沿って移動させることができる。
A7方向スライドユニット71uには、支持枠30の幅方向に延びるラック724が固定されている。また、A7方向スライドユニット71uの上部には、このラック724に噛み合うピニオン722と、ピニオン722を回転させる第1モータ721とを備えるA8方向スライドユニット72uが設けられている。これらにより、A8方向スライド機構72mを構成し、A8方向スライドユニット72uのピニオン722を回転させることにより、このスライドユニット72uをA7方向スライドユニット71uのラック724に沿って移動させることができる。
さらに、A8方向スライドユニット72uは、FPD70に連結される回転軸部73sと、回転軸部73sを回転させる第2モータ731とを備える。
したがって、回転軸部73sを図2の矢印A9方向に回転させることにより、FPD70を回転させることができる。この回転軸部73sは、FPD70を90°単位で回転させるようになっている。即ち、回転軸部73sと第2モータ731とを備える回転機構(X線検出器回転機構)は、FPD70の縦横を変えるための構成である。
[表示装置]
表示装置80は、図2に示すように、2枚の並列されたモニタ81,82からなり、多関節のアーム800によりスタンド部10に支持されている。
モニタ81,82は、被検体Pの透視、撮影映像を表示することができる。また、2枚のモニタ81,82のうち、一方をX線透視撮影装置1以外の機器から入力した映像を表示することに使用しても良い。例えば、内視鏡映像や超音波診断映像などを表示しても良い。
モニタ81,80を支持する多関節アーム800は、一端がスタンド部10に対して回転自在に軸支される第1アーム801と、第1アーム801の端部に対して回転自在に軸支される屈曲アーム802と、屈曲アーム802とモニタ81,82とを接続する接続部803からなる。モニタ81,82は、接続部803を中心に回転可能に接続されており、術者が見易い方向に動かすことができる。また、2枚のモニタ81,82は、それぞれ別の方向に向けることができるようになっている。
[被検体Pへの術者のアクセス]
上記支柱部50及びX線発生器60の項で説明したように、X線発生器60を支持する支柱部50を、該支柱部50の支持枠30側の端部と、X線発生器60側の端部とが、前記支持枠30の長手方向にずれている構造とし(図4を参照)、さらに前記支柱部50の支柱本体52をA10方向(図2を参照)に回転させる支柱部回転機構500m(図10を参照)と、該支柱本体52で支持されるX線発生器60をA11方向(図2を参照)に回転させるための第2のX線発生器回転機構600m(図11を参照)を設けた。これによって、術者は被検体Pの頭部、腹部、下肢部及びこれらの両側側のいずれからもアクセスすることが可能である。
上記のように構成されたX線透視撮影装置1は、術者が被検体Pのどの方向からもアクセスできるが、ここでは、被検体Pの腹部及びこの腹部の両側側と、被検体Pの下肢部及びこの下肢部の両側側からのアクセスする例の手順について説明する。
(1)被検体Pの腹部及びこの腹部の両側側からのアクセス
1) 支柱部50を、支持枠30の長手方向と幅方向にスライドさせて(図7のA4方向スライド機構30m及びA5方向スライドユニット51uを参照)被検体Pの腹部の透視/及び又は撮影に適する位置に位置決めする。
2) 上記の位置で、支柱部50を支柱部回転機構500m(図10を参照)によりA10方向に、X線発生器60を第2のX線発生器回転機構(図11を参照)によりA11方向に回転させて、被検体Pの腹部の透視及び/又は撮影部位に位置決めする。
3) 支柱部50及びX線発生器60が上記2)の位置で、第1のX線発生器回転機構53m(図9を参照)によりX線発生器60をA6方向(図2を参照)に回転させて該X線発生器60からのX線照射方向を決める。
4) このようにしてX線発生器60の位置及びX線照射方向を決めた後に、FPD70によるX線検出器を上記図示省略のX線発生―検出系制御装置により制御してX線発生器60に対向する位置に位置決めする。
このような手順で支柱部50、X線発生器60及びFPD70(X線検出器)を位置決めするこれによって、図14の模式図に示すように、術者OP1〜OP3は、被検体Pの腹部及びこの腹部の両側側の位置につくことができる。
(2)被検体Pの下肢部及びこの下肢部の両側側からのアクセス
1) 支柱部50を、支持枠30の長手方向と幅方向にスライドさせて(図7のA4方向スライド機構30m及びA5方向スライドユニット51uを参照)被検体Pの下肢部の透視/及び又は撮影に適する位置に位置決めする。
2) 上記の位置で、支柱部50を支柱部回転機構500m(図10を参照)によりA10方向に、X線発生器60を第2のX線発生器回転機構(図11を参照)によりA11方向に回転させて、被検体Pの下肢部の透視及び/又は撮影部位に位置決めする。
3) 支柱部50及びX線発生器60が上記2)の位置で、第1のX線発生器回転機構53m(図9を参照)によりX線発生器60をA6方向(図2を参照)に回転させて該X線発生器60からのX線照射方向を決める。
4) このようにしてX線発生器60の位置及びX線照射方向を決めた後に、FPD70によるX線検出器を上記図示省略のX線発生―検出系制御装置により制御してX線発生器60に対向する位置に位置決めする。
このような手順で支柱部50、X線発生器60及びFPD70(X線検出器)を位置決めすることによって、図15の模式図(実線)に示すように、術者OP1〜OP3は、被検体Pの下肢部及びこの下肢部の両側側の位置につくことができる。
上記支柱部回転機構500mによる支柱本体52と第2のX線発生器回転機構によるX線発生器60の位置決めに関し、上記下肢部の例について詳述する。
先ず、術者OP1〜OP3の立ち位置を被検体Pの下肢部に確保するためには、支柱部回転機構500mにより支柱本体52を下肢部側に回転させ、この回転量に応じた角度だけ第2のX線発生器回転機構600mによりX線発生器60を支柱本体52の回転方向とは逆の方向に回転させる(図15の実線)。
そして、この位置決め後に、第1のX線発生器回転機構53mを動作させてX線の照射方向を決め、この照射方向に対応した位置にX線検出器70を位置決めする。なお、必要に応じて支柱部50を支持枠30の長手方向及び/又は短手方向(左右方向)にスライドさせて上記構成要素の位置決めを行う。
前記支柱部50とFPD70の位置決めは、支柱部の回転角度情報とX線発生器のA11方向回転角度情報とを用いて前記FPDより得られる画像の頭―足方向が表示装置に表示される出力画像の上下方向に一致させるX線発生―検出系制御装置(図示省略)を設けて制御するようにしても良い。
<X線透視撮影システムを使用した透視撮影>
上記のX線透視撮影装置1を用いたX線透視撮影システムを使用した透視撮影の状態を図16〜図18に基づいて説明する。なお、これらの図には、透視撮影システムのうち、X線透視撮影装置1のみを示す。また、同図の破線は、FPD70の移動範囲を示す。
先ず、このシステムで被検体Pの胸部付近を撮影する場合、図16(A)に示すように、X線透視撮影装置1の各構成要素を全く動かさなくても、被検体Pの胸部側と、X線発生器60を挟んで支持枠30の両側側の三方から被検体Pにアクセスすることができる。
もちろん、図16(B)に示すように、支持枠30を支持腕部20に対して紙面の左側に移動させた状態としても良い。この場合、支柱部50の傍に立つ術者OP3の背後にスタンド部10が存在しないため、術者OP3の背後に補助者が立ったり、術者OP3の使用する手術道具などを配置することができる。
また、IVRの術式によっては、X線の照射領域を被検体Pの胸部から下腹部に移動させることがある。そこで、図16(A)または(B)の状態から、X線の照射領域を被検体Pの下腹部に移動させた状態を図17(A)に示す。
図16(A)の状態から図17(A)の状態にするときは、支持枠30を支持腕部20に対して紙面左側に移動させると共に、支柱部50を支持枠30に対して紙面右側に移動させる。一方、図16(B)の状態から図17(A)の状態にするときは、支持枠30を支持腕部20に対して動かすことなく、支柱部50を支持枠30に対して紙面右方向に移動させる。この図17(A)の場合でも、やはりX線発生器60を挟んで被検体Pの両側側に術者OP1,OP3の立ち位置を確保することができるので、IVRに好適である。
一方、天板40を支持枠30に対してスライド可能に構成した場合、天板40を支持枠30に対して長手方向に動かすことでも、X線の照射領域を被検体Pの胸部から下腹部に向かって移動させることができる。例えば、図16(A)の状態から支持枠30に対して天板40を紙面左方向に動かせば、図17(B)の状態になる。
但し、支持枠30に対して天板40を移動させたときに、支持枠30から突出する天板40の部分に曲げ応力が作用するため、支持枠30に対して天板40を長手方向に移動させることができる範囲をあまり大きくすることはできない。
そのため、X線の照射領域は、被検体Pの胸部から鳩尾付近までしか移動させることができない。もちろん、図17(B)の状態から、さらに支柱部50を支持枠30に対して紙面右方向に移動させればX線の照射領域を下腹部付近にまで持ってくることができるが、その場合、術者OP1は、X線の照射領域に応じて紙面右側に移動できるが、術者OP3は、支持腕部20に邪魔されて、X線の照射領域を挟んで術者OP1と対向する位置に立つことができない。
一方、支持枠30に対して天板40を動かすことに比べて、支持枠30を支持腕部20に対して動かした図17(A)の場合は、既に述べたようにX線の照射領域を被検体Pの下腹部にまで移動させることができる。これは、支持枠30が、支持腕部20に確りと保持されており、支持枠30を支持腕部20に対して支持枠30の長手方向に大きく移動させることができるからである。つまり、図16(A)の状態から、X線の照射領域を被検体Pの下腹部に移動させるときは、支持枠30を支持腕部20に対して移動させる方が、支持枠30に対して天板40を移動させるよりも、照射領域の移動量、いわゆるストロークを長くすることができる。
上記図16、17は、術者が被検体Pの頭部側、胸部及び腹部側に立ち位置を確保する場合であるが、後述の泌尿器検査のように被検体Pの下肢側及び該下肢側の両側に立ち位置を確保する必要がある場合がある。この場合は、上記支柱部回転機構500mと第2のX線発生器回転機構600mとを動作させて、図18に示すように、前記被検体Pの下肢側及び該下肢側の両側に術者OP1〜OP3の立ち位置を確保することができる。すなわち、図16(A)の状態から図18の状態にする場合は、先ず上記支柱部回転機構500mにより支柱本体52を紙面右方向に回転させる。そして、上記第2のX線発生器回転機構600mにより前記支柱本体52の回転方向とは逆方向に前記支柱回転角度分だけ前記X線発生器60を回転させる。
このように、支柱本体52とX線発生器60とを回転させることによって、支持腕部22の紙面右側に空きスペースができるので、図18に示すように、術者OP1〜OP3の立ち位置を被検体Pの下肢部及び該下肢部の両側側に確保することができる。なお、前記支柱回転角度は支柱部回転機構500mのエンコーダにより計測し、前記X線発生器60のA11方向(図2を参照)の回転角度は第2の回転機構600mのエンコーダにより計測する。
前記支柱本体52及びX線発生器60は、手動で回転させても良いし、さらにこれらの回転角度を制御する回転制御装置を設けて自動的に回転させても良い。
前記X線発生器60の回転角度は、前記支柱部回転機構500mのエンコーダより得られる回転角度情報を用いて、前記FPD70(X線検出器)より得られる画像の頭―足方向が出力画像の上下方向に一致するように、具体的には前記回転角度と逆方向に同一角度だけ回転させる。
このように構成することにより、支持枠30及び/又は天板40を動かすことなく、前記支柱本体52とX線発生器60を被検体Pの検査又は治療部位に位置決めすることが可能となる。
<本発明のX線透視撮影システムを適用した種々の術式>
上記したように、術者がX線透視撮影装置1に載置された被検体Pのあらゆる方向からアクセスすることにより、上記X線透視撮影システムを種々の術式に適用することができる。
例えば、図5に示すように、X線発生器60とFPD70によるX線検出器と(以下、X線撮影系と記す)を位置決めした場合は、肺生検、経皮経肝胆管ドレナージ(Percutaneous Transhepatic Cholangio Drainage:PTCD)、脊髄腔造影(ミエログラフィー)に適用できる。
また、X線撮影系を図5の位置から腹部の位置に移動させれば、腹部アンギオ検査、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(Endoscopic Retrograde Cholangio−pancreatography:ERCP)検査ができ、さらに下腹部に移動させることにより、泌尿器検査ができる。
さらに、支柱部回転機構500m及び第2のX線発生器回転機構600mを用いてX線撮影系を図18に示す位置に位置決めした場合は、下肢血管造影検査に適用することができる。
さらにまた、図19に示すように、天板40と支持枠30を立位にすることにより、健康診断で行う胸部撮影に適用することができる。
以上、説明したように、本発明の第1の実施形態によるX線透視撮影システムは、種々のIVR手技から健康診断にいたるまで、多種多様の用途に使用することができる。しかも、IVR手技においては、複数の術者が、被検体Pの両側側から被検体Pにアクセスできるので、IVR手技を効率良く行うことができる。
また、多人数でIVR手技に取り組むことができるので、難度の高い手術の場合においても短時間で手術を終えることが可能である。その結果、被検体Pの負荷を低減することができる。
《第2の実施形態》
図20は、本発明の第2の実施形態によるX線透視撮影装置で、被検体Pへのアクセスエリアを必要とせず、従来のX線透視撮影装置と同様にX線発生器60の端部と支持枠30側の端部とがずれることなく位置決めした場合のX線透視撮影装置1'の模式図である。
X線透視撮影装置1'を図20に示すように配置するためには、前記支柱部回転機構500m及び第2のX線発生器回転機構600mに加えて、さらにX線発生器60を図20の→印方向に移動させるX線発生器60の移動機構(X線発生器スライド機構)が必要である。この移動機構は、図示は省略するが、例えば、モータによる回転運動を直線運動に変換する周知の機構で良い。
このように構成されたX線透視撮影装置1'で図20に示すようにX線発生器60とFPD70(X線検出器)を位置決めするためには、先ず支柱部回転機構500mにより支柱本体52を回転させて該支柱本体52を図示の位置に保持する。
このままでは、X線発生器60は、被検体Pの透視撮影部位から紙面左方向にずれた状態になるので、前記X線発生器スライド機構によりX線発生器60を紙面左方向(スタンド10側)に移動させて、被検体Pの透視撮影部位に位置決めする。勿論、この場合、必要に応じて上記第2のX線発生器回転機構600mを動作させることも可能である。
このように構成することにより、被検体Pを天板40上で移動させることなく、X線透視撮影装置を従来と同様に使用することが可能となる。
以上、本発明によるX線透視撮影装置及びこれを用いたX線透視撮影システムについて第1及び第2の実施形態を用いて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定するものではなく、本発明の技術思想である、被検体を載置する天板を備えた支持枠でX線発生器を支持する支柱部を支持し、この支柱部を、前記支持枠側の支柱部の端部と、X線発生器側の端部とが、前記支持枠の長手方向にずれる形状とし、この形状の支柱部とX線発生器とを任意の位置に移動、回転させる機構を備えることによってあらゆる方向から被検体にアプローチするというものであれば、どのような形態でも良い。
例えば、X線検出器としてFPDを用いたが、イメージインテシファイヤとTVカメラとを組み合わせたもの等の他のX線検出器を用いても良い。
また、上記構成要素の回転や移動機構も、上記実施形態に限定するものではなく、回転や移動が可能であれば、どのような機構を用いても構わない。
本発明によるX線透視撮影システムの概略構成図。 第1の実施形態におけるX線透視撮影装置の斜視図。 第1の実施形態におけるX線透視撮影装置の模式図。 X線透視撮影装置に被検体と術者が配置した状態を示す斜視図。 X線透視撮影装置に被検体と術者が配置した状態を示す上面図。 X線透視撮影装置の各部を覆うカバーを外して図2と反対方向から見た斜視図。 X線透視撮影装置の各部を覆うカバーを外して透視撮影台を下方から見た斜視図。 支時腕部、支柱部と支柱部回転機構との位置関係及び支柱部、X線発生器と第2のX線発生器回転機構との位置関係を示す図。 X線透視撮影装置の各部を覆うカバーを外して透視撮影台を上方から見た斜視図。 支柱部回転機構図。 第2のX線発生器回転機構図。 X線透視撮影装置の各部を覆うカバーを外して透視撮影台を下方から見た斜視図。 X線透視撮影装置の各部を覆うカバーを外して透視撮影台の斜め下方から見た図。 術者が被検体の腹部及びこの腹部の両側側からのアクセスした場合のX線透視撮影装置の模式図。 術者が被検体の下肢部及びこの下肢部の両側側からのアクセスした場合のX線透視撮影装置の模式図。 被検体の胸部付近を透視撮影している状態を示す図であって、(A)は支持枠を動かさない状態、(B)は支持枠を動かした状態を示す図。 被検体の下腹部付近を透視撮影している状態を示す図であって、(A)は支持枠を動かした状態、(B)は支持枠を動かさずに天板を動かした状態を示す図。 被検体の下肢部付近を透視撮影している状態を示す図。 本発明による第1の実施形態のX線透視撮影システムを健康診断に適用した状態を示す説明図。 本発明の第2の実施形態によるX線透視撮影装置の模式図で、被検体へのアクセスエリアを必要とせず、従来のX線透視撮影装置と同様にX線発生器の端部と支持枠側の端部とがずれることなく位置決めした場合を示す図。
符号の説明
1 X線透視撮影装置(第1の実施形態)、1' X線透視撮影装置(第2の実施形態)、2 X線高電圧装置、3 遠隔操作卓、10 スタンド部、12m A2方向昇降機構、13m A3方向回転機構、20 支持腕部、21 スタンド部側連結片、22 支持枠側連結片、22m A1方向スライド機構、30 支持枠、30m A4方向スライド機構、40 天板、50 支柱部、51 基底部、52 支柱本体、53 連結部、53m 第1のX線発生器回転機構、60 X線発生器、70 FPD(X線検出器)、70m FPD駆動機構、71m A7方向スライド機構、72m A8方向スライド機構、80 表示装置、81及び82 モニタ、90 圧迫装置、100 撮影室、200 操作室、500m 支柱部回転機構、600m 第2のX線発生器回転機構、800 多関節のアーム、OP1〜OP3 術者、P 被検体

Claims (11)

  1. 床面に載置されるスタンド部と、このスタンド部に支持され、前記スタンド部の一側面側に突出する支持腕部と、この支持腕部に支持され、前記支持腕部の突出方向とほぼ直交する方向に延びる支持枠と、この支持枠に支持され、前記被検体を載置する天板と、前記被検体にX線を照射するX線発生器と、前記支持枠に支持され、前記X線発生器を支持する支柱部と、前記支持枠の内部で前記X線発生器と対向して配置され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記支持腕部を軸とした方向に前記支柱部を回転させる支柱部回転機構と、前記X線発生器を前記支持腕部の突出方向に回転させる第1のX線発生器回転機構と、前記X線発生器を前記支持枠の長手方向に回転させる第2のX線発生器回転機構と、前記被検体の透視及び/又は撮影映像を表示する表示装置とを備えたことを特徴とするX線透視撮影装置。
  2. 前記X線発生器の固定部に前記第1のX線発生器回転機構と前記第2のX線発生器回転機構とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  3. 前記第2のX線発生器回転機構による前記X線発生器の回転角度は、前記支柱部回転機構による前記支柱部の回転角度と同じであって、前記第2のX線発生器回転機構による前記X線発生器の回転方向は、前記支柱部の回転方向と逆方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線透視撮影装置。
  4. 前記支柱部回転機構に前記支柱部の回転角度を検出する支柱部回転角度検出器と、前記第2のX線発生器回転機構に前記X線発生器の回転角度を検出するX線発生器回転角度検出器とを備え、前記検出器で検出した前記支柱部の回転角度情報と前記X線発生器の回転角度情報とを用いて前記X線検出器より得られる画像の被検体の頭―足方向が前記表示装置に表示される出力画像の上下方向に一致するように前記X線検出器を前記支柱部に従動して制御するX線検出器回転制御装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  5. さらに、前記X線発生器を前記支持枠の短手方向にスライドするX線発生器スライド機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  6. 前記支柱部は、前記X線発生器側に向かって前記支持枠の長手方向と幅方向の両方に延びていることを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  7. 前記支柱部が、前記支持枠から離れる方向に向かって凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  8. 前記支柱部を前記支持枠の長手方向又は短手方向にスライドさせる基底部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  9. 前記X線検出器を前記支持枠の長手方向又は短手方向にスライドさせるX線検出器スライド機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  10. 前記X線検出器を回転させるX線検出器回転機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線透視撮影装置。
  11. 撮影室に載置される請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置と、前記撮影室に設置され、前記X線発生器に電力を供給するX線高電圧装置と、前記撮影室とは別の操作室に設置され、前記X線透視撮影装置及び前記X線高電圧装置を統合的に操作する遠隔操作卓とを備えたことを特徴とするX線透視撮影システム。
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