JP2009194682A - 頭部伝達関数測定方法、頭部伝達関数畳み込み方法および頭部伝達関数畳み込み装置 - Google Patents

頭部伝達関数測定方法、頭部伝達関数畳み込み方法および頭部伝達関数畳み込み装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測定系の影響を除去した理想的な頭部伝達関数を得る。
【解決手段】第1の工程で、音響再生用ドライバーが設置されると想定されるリスナの両耳の近傍の位置に、マイクロホンを設置し、リスナの位置にダミーヘッドまたは人間が存在する状態で、想定される音源位置で発せられた音波をマイクロホンでピックアップして、頭部伝達関数を測定する。第2の工程では、ダミーヘッドまたは人間が存在しない素の状態で、前記想定される音源位置で発せられた音波をマイクロホンでピックアップして、素の状態の伝達特性を測定する。第1の工程で得られた頭部伝達関数を、第2の工程で測定された素の状態の伝達特性により正規化して、正規化頭部伝達関数を得、正規化頭部伝達関数メモリに記憶する。
【選択図】図1

Description

この発明は、リスナの耳の近傍に配置される、例えばヘッドホンの音響再生用ドライバーなどの電気音響変換手段により音響再生したときに、リスナの前方などに音源が仮想的に存在するように聴取できるようにするための頭部伝達関数を測定する方法に関する。また、測定して得た頭部伝達関数を、音声信号に畳み込む畳み込み方法および装置に関する。
例えば、リスナがヘッドホンを頭部に装着して、両耳で音響再生信号を聴取する場合において、ヘッドホンで再生する音声信号が、リスナの前方左右に設置されるスピーカに供給される通常の音声信号である場合には、再生される音像がリスナの頭の中にこもる、いわゆる頭内定位の現象が生じる。
この頭内定位の現象の問題を解決したものとして、例えば特許文献1(WO95/13690号公報)や特許文献2(特開平03−214897号公報)には、仮想音像定位と呼ばれる技術が開示されている。
この仮想音像定位は、ヘッドホンなどで再生したときに、あたかもリスナの前方の左右位置などに設置されているスピーカから音が再生されているように、仮想的に音像を定位させることができるようにしたもので、次のようにして実現される。
図10は、左右2チャンネルステレオ信号を、例えば2チャンネルステレオ用ヘッドホンで再生する場合における仮想音像定位の手法を説明するための図である。
図10に示すように、例えば2チャンネルステレオ用ヘッドホンなどの2個の音響再生用ドライバー(電気音響変換手段の例)が設置されると想定されるリスナの両耳の近傍の位置(測定点位置)に、マイクロホン(音響電気変換手段の例)MLおよびMRを設置すると共に、仮想音像定位させたい位置にスピーカSPLおよびSPRを配置する。
そして、ダミーヘッド1(または人間つまりリスナ自体でもよい)が存在する状態で、先ず、一方のチャンネル、例えば左チャンネルのスピーカSPLで、例えばインパルスを音響再生し、その再生により発せられたインパルスを前記マイクロホンMLおよびMRのそれぞれでピックアップして、左チャンネル用の頭部伝達関数を測定する。この例の場合、頭部伝達関数は、インパルスレスポンスとして測定する。
この場合、この左チャンネル用の頭部伝達関数としてのインパルスレスポンスには、図10に示すように、マイクロホンMLでピックアップした左チャンネル用のスピーカSPLからの音波のインパルスレスポンス(以下、左主成分のインパルスレスポンスという)HLdと、マイクロホンMRでピックアップした左チャンネル用のスピーカSPRからの音波のインパルスレスポンス(以下、左クロストーク成分のインパルスレスポンスという)HLcとを含む。
次に、右チャネルのスピーカSPRで同様にインパルスを音響再生し、その再生により発せられたインパルスを前記マイクロホンMLおよびMRのそれぞれでピックアップして、右チャンネル用の頭部伝達関数、つまり、右チャンネル用のインパルスレスポンスを測定する。
この場合、右チャンネル用の頭部伝達関数としてのインパルスレスポンスには、マイクロホンMRでピックアップした右チャンネル用のスピーカSPRからの音波のインパルスレスポンス(以下、右主成分のインパルスレスポンスという)HRdと、マイクロホンMLでピックアップした右チャンネル用のスピーカSPRからの音波のインパルスレスポンス(以下、左クロストーク成分のインパルスレスポンスという)HRcとを含む。
そして、測定して得た、左チャンネル用の頭部伝達関数および右チャネル用の頭部伝達関数のインパルスレスポンスを、ヘッドホンの左右チャンネル用の音響再生用ドライバーのそれぞれに供給する音声信号に、そのまま畳み込むようにする。すなわち、左チャンネルの音声信号に対して、測定して得た左チャンネル用の頭部伝達関数としての左主成分のインパルスレスポンスおよび左クロストーク成分のインパルスレスポンスを、そのまま畳み込み、また、右チャンネルの音声信号に対して、測定して得た右チャンネル用の頭部伝達関数としての右主成分のインパルスレスポンスおよび右クロストーク成分のインパルスレスポンスを、そのまま畳み込むようにする。
このようにすると、ヘッドホンの2個の音響再生用ドライバーなどで、リスナの耳の近傍で音響再生されているにもかかわらず、例えば左右2チャンネルステレオ音声の場合であれば、あたかもリスナの前方に設置された左右のスピーカで音響再生されているように音像定位(仮想音像定位)させることができる。
以上は、2チャンネルの場合であるが、2チャンネル以上の多チャンネルの場合には、同様にして、それぞれのチャンネルの仮想音像定位位置にスピーカを配置して、例えばインパルスを再生し、それぞれのチャンネル用の頭部伝達関数を測定し、測定して得た頭部伝達関数のインパルスレスポンスを、ヘッドホンの左右2チャンネルの音響再生用のドライバに供給する音声信号に畳み込むようにすればよい。
上記の特許文献は、次の通りである。
WO95/13690号公報 特開平03−214897号公報
上述したように、従来は、測定した頭部伝達関数を、そのまま再生対象の音声信号に畳み込んでいる。しかしながら、測定した頭部伝達関数には、測定に用いた音響電気変換手段としてのマイクロホン、測定時の音源用のスピーカ、測定を行った部屋などの特性が含まれた状態であるので、再生された音声の特性、音質は、測定に用いたマイクロホン、測定時の音源としてのスピーカ、測定を行った部屋や場所の特性に左右されてしまうという問題がある。
マイクロホンやスピーカの特性の影響を除去するためには、頭部伝達関数の測定に用いるマイクロホンおよびスピーカとして、周波数特性が平坦な、特性の良い高価なマイクロホンおよびスピーカを用いることが考えられる。しかしながら、高価なマイクロホンやスピーカであっても、理想的な平坦な周波数特性は得られず、これらマイクロホンやスピーカの特性の影響を完全に除去することができず、再生音声の音質の劣化を招いてしまうことがあった。
また、測定系のマイクロホンやスピーカの逆特性を用いて、頭部伝達関数を畳み込んだ後の音声信号に対して補正をすることで、マイクロホンやスピーカの特性の影響を除去するようにすることも考えられるが、その場合には、音声信号再生回路に、当該補正回路を設けなければならず、構成が複雑になると共に、測定系の影響を完全に除去する補正は困難であるという問題がある。
一方、測定を行う部屋や場所の特性を除去するためには、床、天井、壁面などからの反射のない、無響室で測定をすることが考えられる。
しかし、無響室で測定した頭部伝達関数をそのまま音声信号に畳み込んで、仮想音像定位させようとした場合、仮想音像定位位置や方向性がぼけるという問題がある。そのため、従来、音声信号にそのまま畳み込む頭部伝達関数の測定は、無響室では行わず、ある程度の響きが存在する部屋や場所で頭部伝達関数を測定するようにしている。そして、例えば、スタジオ、ホール、ラージルームなど、頭部伝達関数を測定した部屋や場所のメニューを、ユーザに提示して、仮想音像定位を伴う音響再生を楽しみたいユーザに、好みの部屋や場所の頭部伝達関数を、前記メニューの中から選択してもらうなどの方策が採られたりしていた。
したがって、従来は、基本的には、測定する部屋や場所の影響を取り除いた汎用の頭部伝達関数を測定するということは行われていない。
また、上述したように、従来の頭部伝達関数の測定方法においては、通常は、仮想音像定位させたいとして想定された音源位置にスピーカを設置して、当該想定された音源位置からの直接波によるインパルスレスポンスのみではなく、必ず、反射波によるインパルスレスポンスを伴うものとして(直接波と反射波とのインパルスレスポンスを分離できずに両者を含むものとして)頭部伝達関数を測定するようにしていた。すなわち、従来は、測定点位置から見て、特定の方向のみからの音波(つまり、反射波を含まない直接に測定点に到達する音波)のそれぞれについての頭部伝達関数を得ることはしていない。
しかし、測定点位置から見て、特定の方向に想定される仮想音像位置を音源位置として、当該音源位置から、壁などに反射する音波を除去した直接波についての頭部伝達関数が得られれば、次のようなシミュレーションを行うことが容易である。
すなわち、例えば、想定音源位置から所定の壁に反射した後、測定点位置に入射する反射波を考えた場合、壁で反射した後の壁からの反射音波は、当該壁での反射位置方向からの音波の直接波として考えることができる。そして、壁の材質などによる反射率あるいは吸音率などの特性は、当該壁からの直接波の利得として想定することができる。
そこで、例えば想定音源位置からの測定点位置への直接波によるインパルスレスポンスを、減衰無しで、音声信号に畳み込むと共に、壁からの反射音波成分については、その壁の反射位置方向に想定された音源からの直接波によるインパルスレスポンスを、壁の特性に応じた反射率あるいは吸音率に応じた減衰率で畳み込み、その再生音を聴取するようにすれば、壁の特性に応じた反射率あるいは吸音率により、どのような仮想音像定位の状態になるかを検証することができる。
また、直接波の頭部伝達関数と、選択した反射波についての頭部伝達関数とを、減衰率を考慮しつつ、音声信号に畳み込んで音響再生することで、様々な部屋環境、場所環境における仮想音像定位をシミュレーションすることもできる。
これは、想定音源位置からの直接波と、反射波とを分離して、頭部伝達関数として測定することにより実現が可能となる。反射波の頭部伝達関数は、上述したように、壁などで反射した後の音波の方向を音源方向とすることで、測定することが可能である。そして、前述したように、特定の音源からの、反射波成分を除く直接波のみについての頭部伝達関数は、例えば無響室で測定することで、得ることができる。
しかしながら、無響室で頭部伝達関数を得たとしても、上述した測定系のスピーカとマイクロホンの特性は排除することはできず、そのため、上述のようなシミュレーションの結果は、スピーカやマイクロホンの特性の影響を受けてしまうという問題は回避できない。
この発明は、以上の点にかんがみ、想定された音源位置の方向のみについての理想的な頭部伝達関数を、測定系の影響を除去して得ることができるようにした頭部伝達関数測定方法および装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
電気音響変換手段が設置されると想定されるリスナの両耳の近傍の位置に、音響電気変換手段を設置し、前記リスナの位置にダミーヘッドまたは人間が存在する状態で、想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから頭部伝達関数を測定する第1の工程と、
前記ダミーヘッドまたは前記人間が存在しない素の状態で、前記想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから素の状態の伝達特性を測定する第2の工程と、
前記第1の工程で測定された前記頭部伝達関数を、前記第2の工程で測定された前記素の状態の伝達特性により正規化して、正規化頭部伝達関数を得る第3の工程と、
前記第3の工程で得られた正規化頭部伝達関数を、記憶部に記憶する第4の工程と、
を有する頭部伝達関数測定方法を提供する。
上記の構成のこの発明による頭部伝達関数測定方法においては、第1の工程では、想定される音源位置から前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから、測定系の特性を含む頭部伝達関数が測定されて得られる。また、第2の工程では、第1の工程と同じ条件で、ダミーヘッドや人間が存在しない状態の素の状態の伝達特性が、測定系の特性を含む状態で測定されて得られる。
そして、第3の工程では、第1の工程で得られた頭部伝達関数を、第2の工程で得られた素の状態の伝達特性により正規化して、正規化頭部伝達関数が得られる。第1の工程で得られた頭部伝達関数および第2の工程で得られた素の状態の伝達特性は、共に測定系の特性を含み、単に、ダミーヘッドまたは人間がリスナ位置に存在するか否かの違いがあるだけである。
したがって、第3の工程で得られる正規化頭部伝達関数としては、測定系の特性が除去された状態の理想的な頭部伝達関数が得られ、これが記憶部に記憶される。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の頭部伝達関数測定方法において、
前記第3の工程では、前記第1の工程および前記第2の工程で測定された前記頭部伝達関数および前記素の状態の伝達特性のデータから、前記想定される音源位置で発せられた前記音波が前記音響電気変換手段に直接に届く時間に相当するデータ分を除去して、前記正規化の処理を行う
ことを特徴とする。
この請求項2の構成においては、正規化頭部伝達関数は、音響電気変換手段例えばマイクロホンの位置と、測定用音波例えばインパルスの発生位置(仮想音像定位位置に相当)との間の距離による遅延時間分を除いて測定されるので、リスナ位置から見た仮想音像定位位置方向の、当該方向におけるリスナと仮想音像定位との距離に関係のない頭部伝達関数が、得られることになる。したがって、得られた正規化頭部伝達関数を、音声信号に畳み込むときには、仮想音像定位位置とリスナとの間の距離に応じた遅延時間を考慮するだけでよい。
また、請求項6の発明は、
電気音響変換手段が設置されると想定されるリスナの両耳の近傍の位置に、音響電気変換手段を設置し、前記リスナの位置にダミーヘッドまたは人間が存在する状態で、想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから頭部伝達関数を測定する第1の工程と、
前記ダミーヘッドまたは前記人間が存在しない素の状態で、前記想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから素の状態の伝達特性を測定する第2の工程と、
前記第1の工程で測定された前記頭部伝達関数を、前記第2の工程で測定された前記素の状態の伝達特性により正規化して、正規化頭部伝達関数を得る第3の工程と、
前記第3の工程で得られた正規化頭部伝達関数を、記憶部に記憶する第4の工程と、
前記第4の工程で記憶部に記憶された正規化頭部伝達関数を読み出して、前記電気音響変換手段に供給する音声信号に畳み込む畳み込み工程と、
を備える頭部伝達関数畳み込み方法を提供する。
この請求項6の発明によれば、請求項1の発明で測定され、記憶部に記憶された正規化頭部伝達関数を、再生しようとする音声信号に畳み込むことができる。
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の頭部伝達関数畳み込み方法において、
前記第3の工程では、前記第1の工程および前記第2の工程で測定された前記頭部伝達関数および前記素の状態の伝達特性のデータから、前記想定される音源位置で発せられた前記音波が前記音響電気変換手段に直接に届く時間に相当するデータ分を除去して、前記正規化の処理を行い、
前記畳み込み工程では、前記電気音響変換手段に供給する音声信号を、想定される仮想音源定位位置と前記電気音響変換手段の位置との距離に応じた時間分遅延し、当該遅延した音声信号に前記第4の工程で記憶部に記憶された正規化頭部伝達関数を畳み込むようにする
ことを特徴とする。
この請求項7の構成においては、正規化頭部伝達関数は、音響電気変換手段例えばマイクロホンの位置と、測定用音波例えばインパルスの発生位置(仮想音像定位位置に相当)との間の距離による遅延時間分を除いて測定されるので、リスナ位置から見た仮想音像定位位置方向の、当該方向におけるリスナと仮想音像定位との距離に関係のない頭部伝達関数が、得られることになる。したがって、得られた正規化頭部伝達関数は、仮想音像定位位置とリスナとの間の距離に応じた遅延時間だけ遅延された音声しんに畳み込むようにすれば、目的とる仮想音像定位位置に仮想音像定位させることができる。
この発明によれば、測定系の特s性が除去された状態の理想的な頭部伝達関数が、正規化頭部伝達関数として得られ、これを音声信号に畳み込むことができる。
[頭部伝達関数測定方法の実施形態]
最初に、この発明による頭部伝達関数測定方法の実施形態を、図を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施形態の頭部伝達関数測定方法に用いる正規化頭部伝達関数のデータを取得するための処理手順を実行するシステムの構成例のブロック図である。
頭部伝達関数測定手段10では、直接波のみの頭部伝達特性を測定するために、この例では、無響室において頭部伝達関数の測定を行う。
そして、頭部伝達関数測定手段10においては、無響室において、前述したように、リスナ位置にダミーヘッドまたはリスナとしての人間そのものを配置すると共に、当該ダミーヘッドまたは人間の両耳の近傍であって、頭部伝達関数を畳み込んだ音声信号を音響再生する電気音響変換手段が配置される位置(測定点位置)に、測定用音波を収音する音響電気変換手段としてのマイクロホンを設置する。
頭部伝達関数を畳み込んだ音声信号を音響再生する電気音響変換手段が、例えば左右2チャンネルのヘッドホンである場合には、左チャンネルのヘッドホンドライバーの位置に左チャンネル用のマイクロホンが、右チャンネルのヘッドホンドライバーの位置に右チャンネル用のマイクロホンが、それぞれ設置される。
また、リスナまたは測定点位置を基点にして、頭部伝達関数を測定したい方向の一つに、測定用音源の例としてのスピーカを設置し、この状態で、このスピーカにより頭部伝達関数の測定用音波、この例ではインパルスを再生して、2個のマイクロホンで、そのインパルスレスポンスをピックアップする。なお、測定用音源としてのスピーカが設置される、頭部伝達関数を測定したい方向の位置を、以下の説明においては、想定音源位置と称することにする。
なお、想定音源位置の方向は、仮想音像定位位置の方向に対応する場合のみではなく、仮想音像定位位置を定めたとき、壁などに反射して測定点位置に入射する反射波の方向を含むものとなる。
この頭部伝達関数測定手段10において、2個のマイクロホンから得られるインパルスレスポンスは、頭部伝達関数を表わすものとなっている。この実施形態では、この頭部伝達関数測定手段10での測定が、この発明の第1の工程に対応するものとなる。
素の状態の伝達特性測定手段20においては、頭部伝達関数測定手段10と同一環境において、素の状態の伝達特性の測定を行う。すなわち、素の状態の伝達特性を直接波のみについて測定するために、この例では、同様にして、無響室において当該素の状態の伝達特性の測定を行う。
そして、素の状態の伝達特性測定手段20においては、無響室において、頭部伝達関数測定手段10では設置されるダミーヘッドまたは人間を除去して、想定音源位置のスピーカとマイクロホンとの間に障害物がない素の状態にし、そして、想定音源位置のスピーカやマイクロホンの配置は、頭部伝達関数測定手段10における状態と全く同じ状態として、その状態で、想定音源位置のスピーカにより測定用音波、この例ではインパルスを再生して、2個のマイクロホンで、そのインパルスレスポンスをピックアップする。
この素の状態の伝達特性測定手段20で2個のマイクロホンから得られるインパルスレスポンスは、ダミーヘッドや人間などの障害物が存在しない素の状態における伝達特性を表わすものとなっている。この実施形態では、この素の状態の伝達特性測定手段20での測定が、この発明の第2の工程に対応するものとなる。
なお、頭部伝達関数測定手段10および素の状態の伝達特性測定手段20においては、直接波について、2個のマイクロホンのそれぞれから前述した左、右主成分の頭部伝達関数および素の状態の伝達特性と、左右のクロストーク成分の頭部伝達関数および素の状態の伝達特性とが得られる。そして、主成分と、左右のクロストーク成分のそれぞれについて、後述する正規化処理が同様になされるものである。以下の説明では、簡単のため、例えば主成分についてのみの正規化処理についての説明し、クロストーク成分についての正規化処理についての説明は省略する。なお、クロストーク成分についても、同様にして正規化処理が行われるのは言うまでもない。
頭部伝達関数測定手段10および素の状態の伝達特性測定手段20で取得したインパルスレスポンスは、この例では、サンプリング周波数が96kHzで、8192サンプルのデジタルデータとして、出力される。
ここで、頭部伝達関数測定手段10から得られる頭部伝達関数のデータは、X(m)、ただし、m=0,1,2・・・,M−1(M=8192)と表わし、また、素の状態の伝達特性測定手段20から得られる素の状態の伝達特性のデータは、Xref(m)、ただし、m=0,1,2・・・,M−1(M=8192)と表わすこととする。
頭部伝達関数測定手段10からの頭部伝達関数のデータX(m)および素の状態の伝達特性測定手段20からの素の状態の伝達特性のデータXref(m)は、それぞれ遅延除去頭詰め部31および32で、想定音源位置のスピーカからの音波の、インパルスレスポンス取得用のマイクロホンへの到達時間に相当する遅延時間分だけ、前記スピーカでインパルスが再生開始された時点からの頭の部分のデータが除去され、また、遅延除去頭詰め部31および32では、次段(次工程)での時間軸データから周波数軸データへの直交変換の処理が可能なように、データ数が、2のべき乗のデータ数に削減される。
次に、遅延頭詰め部31および32でデータ数が削減された頭部伝達関数のデータX(m)および素の状態の伝達特性のデータXref(m)は、それぞれFFT(Fast Fourier Transform)部33および34に供給されて、時間軸データから周波数軸データに変換される。なお、この実施形態では、FFT部33および34においては、位相を考慮した複素高速フーリエ変換(複素FFT)処理を行うものである。
FFT部33での複素FFT処理により、頭部伝達関数のデータX(m)は、実部R(m)および虚部jI(m)からなるFFTデータ、すなわち、R(m)+jI(m)に変換される。
また、FFT部34での複素FFT処理により、素の状態の伝達特性のデータXref(m)は、実部Rref(m)および虚部jIref(m)からなるFFTデータ、すなわち、Rref(m)+jIref(m)に変換される。
FFT部33および34で得られるFFTデータは、X−Y座標データであるが、この実施形態では、このFFTデータは、さらに、極座標変換部35および36において、極座標のデータに変換される。すなわち、頭部伝達関数のFFTデータR(m)+jI(m)は、極座標変換部35により、大きさ成分である動径γ(m)と、角度成分である偏角θ(m)とに変換される。そして、この極座標データである動径γ(m)と、偏角θ(m)とが、正規化およびX−Y座標変換部37に送られる。
また、素の状態の伝達特性のFFTデータRref(m)+jIref(m)は、極座標変換部35により、動径γref(m)と、偏角θref(m)とに変換される。そして、この極座標データである動径γref(m)と、偏角θref(m)とが、正規化およびX−Y座標変換部37に送られる。
正規化およびX−Y座標変換部37では、先ず、ダミーヘッドまたは人間を含んで測定された頭部伝達関数を、ダミーヘッドなどの障害物がない素の状態の伝達特性を用いて正規化する。ここで、正規化処理の具体的な演算は、次の通りである。
すなわち、正規化処理後の動径をγn(m)、正規化処理後の偏角をθn(m)とすると、
γn(m)=γ(m)/γref(m)
θn(m)=θ(m)−θref(m)
・・・(式1)
となる。
そして、正規化およびX−Y座標変換部37では、正規化処理後の極座標系のデータ、すなわち、動径γn(m)および偏角θn(m)を、X−Y座標系の実部Rn(m)および虚部jIn(m)(m=0,1・・・M/4−1)からなる周波数軸データの正規化頭部伝達関数データに変換する。
このX−Y座標系の周波数軸データの正規化頭部伝達関数データは、逆FFT部38で、時間軸の正規化頭部伝達関数データであるインパルスレスポンスXn(m)に変換する。この逆FFT部38では、複素逆高速フーリエ変換(複素逆FFT)処理を行う。
すなわち、
Xn(m)=IFFT(Rn(m)+jIn(m))
ただし、m=0,1,2・・・,M/2−1
なる演算が逆FFT(IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部38で行われ、時間軸の正規化頭部伝達関数データであるインパルスレスポンスXn(m)から得られる。
この逆FFT部38からの正規化頭部伝達関数のデータXn(m)は、IR(インパルスレスポンス)簡略化部39において、処理可能(後述する畳み込み可能)なインパルス特性のタップ長に簡略化する。この実施形態では、600タップ(逆FFT部38からのデータの頭から600個のデータ)に簡略化する。
このIR簡略化部39で簡略化された正規化頭部伝達関数のデータXn(m)(m=0,1・・・599)は、後述する畳み込み処理のために、正規化頭部伝達関数メモリ40に書き込まれる。なお、この正規化頭部伝達関数メモリ40に書き込まれる正規化頭部伝達関数は、各想定音源位置(仮想音像定位位置)毎のそれぞれにおいて、主成分の正規化頭部伝達関数と、クロストーク成分の正規化頭部伝達関数とを含むことは前述した通りである。
図1において、頭部伝達関数測定手段10、素の状態の伝達特性測定手段20および正規化頭部伝達関数メモリ40を除く部分は、この発明の第3の工程に対応する処理工程を構成するものである。
以上の説明は、リスナ位置に対して特定の1方向において、測定点位置であるマイクロホン位置から所定距離だけ離れた1箇所の想定音源位置に、測定用音波の例としてのインパルスを再生するスピーカを設置した場合において、当該スピーカ位置に対する正規化頭部伝達関数を取得する処理の説明である。
この実施形態では、測定用音波の例としてのインパルスを再生するスピーカの設置位置である想定音源位置を、測定点位置に対して異なる方向に種々変更して、以上と同様にして、各想定音源位置に対する正規化頭部伝達関数を取得するようにする。
ここで、スピーカ設置位置である想定音源位置は、測定点位置であるマイクロホン位置あるいはリスナを中心にした360度または180度の角範囲を、想定音源位置を多種多様に変更したり、後述するように壁に反射した後、測定点位置に入射する音波の方向を考慮した場合に必要な分解能、例えば10度角間隔毎に変化させるようにする。
360度の角範囲を考慮する場合は、5,1チャンネル,6.1チャンネル,7.1チャンネルなどのマルチチャンネルサラウンド音声を再生する場合を想定した場合である。180度の角範囲を考慮する場合は、仮想音像定位位置がリスナの前方のみの場合、また、リスナの後方の壁からの反射波がない状態を想定した場合である。
また、この実施形態では、リスナに実際に再生音を供給するヘッドホンのドライバーなどの音響再生ドライバーの位置に応じて、頭部伝達関数および素の状態の伝達特性の測定方法におけるマイクロホンの設置位置を変えるようにする。
図2は、リスナに実際に再生音を供給する電気音響変換手段としての音響再生手段がインナーヘッドホンの場合における頭部伝達関数および素の状態の伝達特性の測定位置(想定音源位置)および測定点位置としてのマイクロホン設置位置を説明するための図である。
すなわち、図2(A)は、リスナに再生音を供給する音響再生手段がインナーヘッドホンである場合における頭部伝達関数測定手段10での測定状態を示すもので、リスナ位置にはダミーヘッドまたは人間OBを配置すると共に、想定音源位置においてインパルスを再生するスピーカは、丸印P1、P2、P3、・・・で示すように、この例では、リスナ位置またはインナーヘッドホンの2個のドライバー位置の中心位置を中心にして、10度角間隔毎の、頭部伝達関数を測定したい方向の所定位置に配置する。
また、このインナーヘッドホンの場合の例においては、2個のマイクロホンML,MRは、図2(A)に示すように、ダミーヘッドまたは人間の耳の耳殻内位置に設置するようにする。
図2(B)は、リスナに再生音を供給する音響再生手段がインナーヘッドホンである場合における素の状態の伝達特性測定手段20での測定状態を示すもので、図2(A)におけるダミーヘッドまたは人間OBを除去した測定環境の状態を示している。
上述の正規化処理は、図2(A)において、丸印P1、P2、P3、・・・で示す想定音源位置のそれぞれにおいてスピーカがインパルスを再生し、それをマイクロホンML,MRで取得することにより測定した、それぞれの想定音源位置での頭部伝達関数を、図2(B)において、図2(A)と同じ想定音源位置P1、P2、P3、・・・のそれぞれにおいて測定した、ダミーヘッドまたは人間OBを除去した素の状態の伝達特性で、それぞれ正規化することによりなされる。つまり、例えば、想定音源位置P1で測定した頭部伝達関数は、同じ想定音源位置P1で測定した素の状態の伝達特性で正規化するようにする。
次に、図3は、リスナに実際に再生音を供給する音響再生手段がオーバーヘッドホンの場合における頭部伝達関数および素の状態の伝達特性を測定するときの想定音源位置およびマイクロホン設置位置を説明するためのものである。
すなわち、図3は、リスナに再生音を供給する音響再生手段がオーバーヘッドホンである場合における頭部伝達関数測定手段10での測定状態を示すもので、リスナ位置にはダミーヘッドまたは人間OBを配置すると共に、インパルスを再生するスピーカは、丸印P1、P2、P3、・・・で示すように、リスナ位置またはオーバヘッドホンの2個のドライバー位置の中心位置を中心にして、10度角間隔毎の、頭部伝達関数を測定したい方向の想定音源位置に配置する。また、2個のマイクロホンML,MRは、図3に示すように、ダミーヘッドまたは人間の耳の耳殻に対向した耳の近傍位置に設置するようにする。
この音響再生手段がオーバーヘッドホンの場合における素の状態の伝達特性の測定手段20での測定状態は、図3におけるダミーヘッドまたは人間OBを除去した測定環境となる。この場合にも、頭部伝達関数および素の状態での伝達特性の測定および前記正規化処理は、図2の場合と同様にしてなされるのは言うまでもない。
次に、図4は、例えばリスナが座る椅子のヘッドレスト部分に、リスナに再生音を供給する音響再生手段としての電気音響変換手段、例えばスピーカを配置するようにする場合における頭部伝達関数および素の状態の伝達特性を測定するときの想定音源位置およびマイクロホン設置位置を説明するためのものである。
すなわち、図4は、リスナに再生音を供給する音響再生手段が、椅子のヘッドレスト部分に設置されたスピーカである場合における頭部伝達関数測定手段10での測定状態を示すもので、リスナ位置にはダミーヘッドまたは人間OBを配置すると共に、インパルスを再生するスピーカは、丸印P1、P2、P3、・・・で示すように、リスナ位置または椅子のヘッドレスト部分に設置された2個スピーカ位置の中心位置を中心にして、10度角間隔毎の頭部伝達関数を測定したい方向の想定音源位置に配置する。また、2個のマイクロホンML,MRは、図4に示すように、椅子のヘッドレストに取り付けられるスピーカの設置位置に相当する、ダミーヘッドまたは人間の頭部後方にであってリスナの耳の近傍位置に設置するようにする。
この音響再生手段が、椅子のヘッドレストに取り付けられる音響変換ドライバーの場合における素の状態の伝達特性の測定手段20での測定状態は、図4におけるダミーヘッドまたは人間OBを除去した測定環境となる。この場合にも、頭部伝達関数および素の状態での伝達特性の測定および前記正規化処理は、図2の場合と同様にしてなされるのは言うまでもない。
以上により、正規化頭部伝達関数メモリ40に書き込まれた正規化頭部伝達関数としては、無響室において、図2〜図4に示したような、リスナ頭部の中心位置や、再生時にリスナに音声を供給する電気音響変換手段の中心位置を中心として、10度角間隔ずつ離れた仮想音源位置からのインパルスレスポンスを測定したので、それぞれの仮想音源位置からの反射波を除く直接波のみについての頭部伝達関数を得ることができる。
そして、取得された正規化頭部伝達関数は、インパルスを発生したスピーカの特性や、インパルスをピックアップしたマイクロホンの特性が、正規化処理により、排除されたものとなる。
さらに、取得された正規化頭部伝達関数は、この例では、遅延除去頭詰め部31,32において、インパルスを発生するスピーカ位置(想定音源位置)と、インパルスをピックアップするマイクロホン位置(想定ドライバー位置)との距離に対応する遅延が除去されたものであるので、インパルスを発生するスピーカ位置(想定音源位置)と、インパルスをピックアップするマイクロホン位置(想定ドライバー位置)との距離に無関係となる。つまり、取得された正規化頭部伝達関数は、インパルスをピックアップするマイクロホン位置(想定ドライバー位置)から見た、インパルスを発生するスピーカ位置(想定音源位置)の方向のみに応じた頭部伝達関数となる。
したがって、正規化頭部伝達関数を、音声信号に畳み込むときに、音声信号に対して、想定音源位置と想定ドライバー位置との距離に応じた遅延を付与することにより、想定ドライバー位置に対する想定音源位置の方向の、前記遅延に応じた距離位置を、仮想音像定位位置として音響再生させることができる。
これは、想定音源位置を仮想音像定位位置とした場合における前記仮想音像定位位置からの直接波に関するものであるが、想定音源位置方向からの反射波については、仮想音像定位させたい位置から壁などで反射され、前記想定音源位置方向から想定ドライバー位置に入射するまでの音波の経路長に応じた遅延を音声信号に対して施して、正規化頭部伝達関数を畳み込むようにすればよい。
なお、頭部伝達関数測定方法の実施形態を説明するための図1のブロック図における信号処理は、全てDSP(Digital Signal Processor)で行うことができる。その場合において、頭部伝達関数測定手段10および素の状態の伝達特性測定手段20における頭部伝達関数のデータX(m)および素の状態の伝達特性のデータXref(m)の取得部と、遅延除去頭詰め部31,32、FFT部33,34、極座標変換部35,36、正規化およびX−Y座標変換部37、逆FFT部38およびIR簡略部39は、それぞれをDSPで構成しても良いし、全体の信号処理を、まとめて1個あるいは複数個のDSPで構成するようにしてもよい。
なお、上述の図1の例では、頭部伝達関数の後述する畳み込みの処理量を削減するため、正規化頭部伝達関数や素の状態での伝達特性のデータについては、遅延除去頭詰め部31,32で、想定音源位置とマイクロホン位置との間の距離に対応する遅延時間分の先頭データを除去して、頭詰めするようにしており、このデータの除去処理を、例えばDSPの内部メモリを用いて行うようにする。しかし、この遅延除去頭詰め処理は行わなくても良い場合は、DSPでは、元のデータを、そのまま、8192サンプルのデータで処理を行うようにする。
また、IR簡略部39は、頭部伝達関数を後述する畳み込みの処理する際における畳み込み処理量を削減するためのもので、これは、省略することもできる。
さらに、上述の実施形態において、FFT部33,34からのX−Y座標系の周波数軸データを、極座標系の周波数データに変換したのは、X−Y座標系の周波数データのままでは、正規化処理ができなかった場合があることを考慮したものであり、理想的な構成であれば、X−Y座標系の周波数データのままでも正規化処理は可能である。
なお、上述の例では、種々の仮想音像定位位置を想定して、多数の想定音源位置についての正規化頭部伝達関数を求めるようにしたが、予め、仮想音像定位位置が固定されている場合には、その固定された仮想音像定位位置に対する正規化頭部伝達関数を求めるようにすれば良い。例えば、5.1チャンネルサラウンドの仮想音像定位の音場を得ようとする場合には、当該5.1チャンネルの仮想音像定位位置に対応する6箇所(左右は同じ特性が用いることができるので実際は4個所)の想定音源位置で、頭部伝達関数および素の状態の伝達特性の測定を行って、正規化頭部伝達関数を求めるようにすればよい。
なお、複数の想定音源位置からの直接波のみについての頭部伝達関数および素の状態の伝達特性を測定するために、上述の実施形態では、無響室において測定を行うようにしたが、無響室ではなく、反射波が含まれる部屋や場所であっても、当該反射波が直接波に対して大きく遅延している場合には、直接波成分のみを時間ウインドーを掛けて、抽出するようにすることもできる。
また、想定音源位置でスピーカで発生する頭部伝達関数の測定用音波を、インパルスではなく、TSP(Time Stretched Pulse)信号とすることで、無響室ではなくても、反射波を除去して、直接波のみについての頭部伝達関数および素の状態の伝達特性を測定することができる。
[頭部伝達関数畳み込み方法の実施形態]
次に、この発明による頭部伝達関数畳み込み方法の実施形態を、以上のようにして記憶された正規化頭部伝達関数を再生する音声信号に畳み込むことにより、仮想音像定位を用いた再生を行うことができるようにした再生装置に適用した場合を例に説明する。
図5は、この例の再生装置のブロック図であり、この例は、リスナの左右前方に左右2チャンネルステレオを仮想音像定位させるようにする場合である。そして、再生音のドライバーは、例えば2チャンネルのオーバーヘッドホンの場合である。この図5の例においても、信号処理は、全て、1個または複数個のDSPを用いて行う構成とすることができる。
この例においては、2チャンネルステレオ音声信号のうち、左チャンネルのアナログ音声信号SLは、入力端51を通じてA/D変換器52に供給されてデジタル音声信号DLに変換される。このデジタル音声信号DLは、遅延部53を通じて主成分頭部伝達関数畳み込み回路54に供給される。遅延部53の遅延量は、左チャンネルの音声について仮想音像定位させたい位置と、オーバーヘッドホンの左チャンネル用のドライバーとの距離に応じた音声遅延時間分に相当するものとする。
主成分頭部伝達関数畳み込み回路54は、正規化頭部伝達関数メモリ41に記憶されている主成分の正規化頭部伝達関数のデータXn(m)のうち、リスナ位置を基準にして、左チャンネルの音声を仮想音像定位させたい方向の正規化頭部伝達関数のデータを、正規化頭部伝達関数メモリ40から読み出して、遅延部53からの音声信号に畳み込むようにする。この主成分頭部伝達関数畳み込み回路54は、この例では、600タップのIIR(Infinite Inpulse Response)フィルタあるいはFIR(Finite Inpulse Response)フィルタで構成される。
そして、この主成分頭部伝達関数畳み込み回路54の出力は、加算部55に供給される。
また、2チャンネルステレオ音声信号のうち、右チャンネルのアナログ音声信号SRは、A/D変換器62に供給されてデジタル音声信号DLに変換される。このデジタル音声信号DLは、遅延部63を通じて主成分頭部伝達関数畳み込み回路64に供給される。遅延部63の遅延量は、右チャンネルの音声について仮想音像定位させたい位置と、オーバーヘッドホンの右チャンネル用のドライバーとの距離に応じた音声遅延時間分に相当するものとする。
主成分頭部伝達関数畳み込み回路64は、正規化頭部伝達関数メモリ41に記憶されている主成分の正規化頭部伝達関数のデータXn(m)のうち、リスナ位置を基準にして、右チャンネルの音声を仮想音像定位させたい方向の正規化頭部伝達関数のデータを、正規化頭部伝達関数メモリ40から読み出して、遅延部63からの音声信号に畳み込むようにする。この主成分頭部伝達関数畳み込み回路64は、この例では、600タップのIIRフィルタあるいはFIRフィルタで構成される。
そして、この主成分頭部伝達関数畳み込み回路64の出力は、加算部65に供給される。
A/D変換器62からのデジタル音声信号DRは、また、遅延部56を通じてクロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路57に供給される。遅延部56の遅延量は、右チャンネルの音声について仮想音像定位させたい位置と、オーバーヘッドホンの左チャンネル用のドライバーとの距離に応じた音声遅延時間分に相当するものとする。
クロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路57は、正規化頭部伝達関数メモリ41に記憶されている、正規化頭部伝達関数のデータXn(m)のうち、この例において仮想音像定位させたい右チャンネル位置の仮想音源から左チャンネルへのクロストーク成分の正規化頭部伝達関数のデータを、正規化頭部伝達関数メモリ40から読み出して、遅延部56からの音声信号に畳み込むようにする。このクロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路57も、この例では、600タップのIIRフィルタあるいはFIRフィルタで構成される。
そして、このクロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路57の出力は、加算部55に供給される。
加算部55の加算出力のデジタル音声信号は、D/A変換器58によりアナログ音声信号に戻され、アンプ59を通じて、オーバーヘッドホンの左チャンネル用ドライバー70Lに供給されて、音響変換される。
そして、A/D変換器52からのデジタル音声信号DLは、また、遅延部66を通じてクロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路67に供給される。遅延部66の遅延量は、左チャンネルの音声について仮想音像定位させたい位置と、オーバーヘッドホンの右チャンネル用のドライバーとの距離に応じた音声遅延時間分に相当するものとする。
クロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路67は、正規化頭部伝達関数メモリ40に記憶されている、正規化頭部伝達関数のデータXn(m)のうち、この例において仮想音像定位させたい左チャンネル位置の仮想音源から右チャンネルへのクロストーク成分の正規化頭部伝達関数のデータを、正規化頭部伝達関数メモリ40から読み出して、遅延部66からの音声信号に畳み込むようにする。このクロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路67も、この例では、600タップのIIRフィルタあるいはFIRフィルタで構成される。
そして、このクロストーク成分頭部伝達関数畳み込み回路67の出力は、加算部65に供給される。
加算部65の加算出力のデジタル音声信号は、D/A変換器68によりアナログ音声信号に戻され、アンプ69を通じて、オーバーヘッドホンの左チャンネル用ドライバー70Rに供給されて、音響変換される。
以上説明した図5の再生装置によれば、残響のない無響室で頭部伝達関数を測定し、当該測定した頭部伝達関数を、2チャンネルステレオ音声信号に対して畳み込み処理を行ったのに等しい音を音響再生することができる。
もしも、所定の残響、つまり、仮想音像定位位置(想定音源位置)から壁などに反射した音声信号成分を、付与したい場合には、当該反射音声信号成分の、想定ドライバー位置からの方向を求め、その方向における正規化頭部伝達関数を、対応する遅延を施して、左右2チャンネルの音声信号に畳み込むようにすればよい。
なお、図5の構成においては、多数の仮想音源位置についての正規化頭部伝達関数のデータを記憶する正規化頭部伝達関数メモリ40を、そのまま用いるようにしたが、左右チャンネルの仮想音像定位位置が定められたときには、主成分頭部伝達関数畳み込み回路54および64、また、クロストーク成分の頭部伝達関数畳み込み回路57および67のそれぞれで畳み込まれる正規化頭部伝達関数のデータは、それぞれ正規化頭部伝達関数メモリ40に記憶されているデータのうちの特定のデータとなる。
そこで、主成分頭部伝達関数畳み込み回路54および64、また、クロストーク成分の頭部伝達関数畳み込み回路57および67のそれぞれに対して、畳み込まれる正規化頭部伝達関数のデータの記憶部(レジスタ)を設け、それらの記憶部に、対応する畳み込むべき正規化頭部伝達関数を、予め正規化頭部伝達関数メモリ40から読み出して格納するように構成してもよい。
[この発明の効果の検証]
実際に測定に用いたスピーカおよびマイクロホンを含む測定系の特性を、図6に示す。すなわち、図6(A)は、ダミーヘッドや人間などの障害物を入れない状態で、スピーカにより、0から20kHzまでの周波数信号の音を、同じ一定レベルで再生し、マイクロホンでピックアップしたときの、当該マイクロホンからの出力信号の周波数特性である。
ここで使用したスピーカは、業務用のかなり特性の良いとされるスピーカーであるが、それでも、図6(A)に示すような特性を有し、平坦な周波数特性とならない。また、実際にも、この図6(A)の特性は一般的なスピーカの中ではかなりフラットな部類に属される優秀な特性とされている。
従来は、このスピーカおよびマイクロホンの系の特性が、頭部伝達関数に付加された状態であり、それが除去されないので、頭部伝達関数を畳み込んで得られる音の特性や音質が、そのスピーカおよびマイクロホンの系の特性に左右されてしまうことになる。
図6(B)は、同じ条件で、ダミーヘッドや人間などの障害物を入れた状態におけるマイクロホンからの出力信号の周波数特性である。1200Hz付近や10kHz付近で大きなディップが生じ、かなり変動する周波数特性となることが分かる。
図7(A)は、図6(A)の周波数特性と、図6(B)の周波数特性とを重ねて示した周波数特性図である。
これに対して図7(B)は、上述したような実施形態により、正規化した頭部伝達関数の特性を示すものである。この図7(B)から、正規化した頭部伝達関数の特性においては、低域においても、ゲインは下がらない特性となっていることが分かる。
上述したこの発明の実施形態においては、複素FFT処理を行い、位相成分を考慮した正規化頭部伝達関数を用いるようにしているので、位相を考慮せずに、振幅成分のみを用いて正規化した頭部伝達関数を用いた場合に比べて、正規化頭部伝達関数の忠実度が高いという特徴がある。
すなわち、位相を考慮せずに振幅のみを正規化する処理を行い、最終的に用いるインパルス特性を再度FFTして特性を取ったものを、図8に示す。この図8と、この実施形態の正規化頭部伝達関数の特性である図7(B)とを比較参照すると分かるように、頭部伝達関数X(m)と、素の状態の伝達特性Xref(m)との特性の差分が、この実施形態の複素FFTでは、図7(B)に示すように正しく得られるが、位相を考慮しない場合は、図8に示すように、本来のものからずれてしまう。
また、上述の図1の処理手順においては、IR簡略化部39により、正規化頭部伝達関数の簡略化を最後に行っているので、最初からデータ数を少なくして処理する場合に比べて、特性のずれが少ないという特徴がある。
すなわち、頭部伝達関数測定手段10および素の状態の伝達特性測定手段20で得られたデータについて、最初に、データ数を少なくする簡略化を行った場合(最終的に必要なインパルス数以降を0として正規化を行う場合)には、正規化頭部伝達関数の特性は、図9に示すようなものとなり、特に、低域の特性にずれが出てきてしまう。これに対して、上述した実施形態の構成で得た正規化頭部伝達関数の特性は、図7(B)のようになり、低域においても特性のずれが少ない。
[実施形態の効果]
従来は、頭部伝達特性を用いて信号処理を行う場合は、その測定系の特性が除去できないため、特性が良く、音の良い高価なスピーカおよびマイクロホンを用いて測定をしないと、最終的な畳み込み処理後の音質が劣化してしまった。これに対して、この実施形態における正規化頭部伝達関数は、測定系の特性を除去できるため、特性がフラットでない安価なスピーカやマイクロホンを使用した測定系を用いても、音質を劣化させない畳み込み処理が可能になる。
さらに、いくら高価な特性の良いスピーカやマイクロホンを用いても理想的な特性(すべてにおいてフラット)な特性は得られないが、この実施形態によれば、従来のどのような特性より理想的な頭部伝達特性を抽出することができる。
そして、反射波を除去した直接波のみについての頭部伝達関数を、たとえばリスナに対して種々の方向を仮想音源位置として求めているので、それぞれの方向からの音波についての頭部伝達関数を音声信号に容易に畳み込むことができ、それぞれの方向の音波についての頭部伝達関数を畳み込んだときの再生音場を容易に検証することが可能である。
例えば、仮想音像定位位置を、ある特定の位置に定めたい場合において、当該仮想音像定位位置からの直接波についての頭部伝達関数のみでなく、当該仮想音像定位位置からの反射波と想定できる方向の音波についての頭部伝達関数を畳み込んで、その再生音場を検証することができ、いずれの方向の反射波が仮想音像定位に有効か、などを検証することができる。
[その他の変形例]
上述の説明は、主としてヘッドホンを再生音声信号を音響再生する電気音響変換手段とした場合について説明したが、測定方法、処理内容を考慮するとフロントサラウンド等のスピーカを出力系としたアプリケーションへも応用が可能である。
この発明による頭部伝達関数測定方法の実施形態を適用するシステム構成例を示すブロック図である。 この発明による頭部伝達関数測定方法の実施形態における頭部伝達関数および素の状態の伝達特性の測定位置を説明するための図である。 この発明による頭部伝達関数測定方法の実施形態における頭部伝達関数の測定位置を説明するための図である。 この発明による頭部伝達関数測定方法の実施形態における頭部伝達関数の測定位置を説明するための図である。 この発明による頭部伝達関数畳み込み方法の実施形態が適用された再生装置の構成例を示すブロック図である。 この発明の実施形態において、頭部伝達関数測定手段および素の状態の伝達特性測定手段で得られる測定結果データの特性例を示す図である。 この発明の実施形態により得られる正規化頭部伝達関数の特性の例を示す図である。 この発明の実施形態により得られる正規化頭部伝達関数の特性と比較する特性例を示す図である。 この発明の実施形態により得られる正規化頭部伝達関数の特性と比較する特性例を示す図である。 頭部伝達関数を説明するために用いる図である。
符号の説明
10…頭部伝達関数測定手段、20…素の状態の伝達特性測定手段、33,34…FFT部、35,36…極座標変換部、37…正規化およびX−Y座標変換部、38…逆FFT部、40…正規化頭部伝達関数メモリ、54,57,64,67…頭部伝達関数畳み込み回路

Claims (9)

  1. 電気音響変換手段が設置されると想定されるリスナの両耳の近傍の位置に、音響電気変換手段を設置し、前記リスナの位置にダミーヘッドまたは人間が存在する状態で、想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから頭部伝達関数を測定する第1の工程と、
    前記ダミーヘッドまたは前記人間が存在しない素の状態で、前記想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから素の状態の伝達特性を測定する第2の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記頭部伝達関数を、前記第2の工程で測定された前記素の状態の伝達特性により正規化して、正規化頭部伝達関数を得る第3の工程と、
    前記第3の工程で得られた正規化頭部伝達関数を、記憶部に記憶する第4の工程と、
    を有する頭部伝達関数測定方法。
  2. 請求項1に記載の頭部伝達関数測定方法において、
    前記第3の工程では、前記第1の工程および前記第2の工程で測定された前記頭部伝達関数および前記素の状態の伝達特性のデータから、前記想定される音源位置で発せられた前記音波が前記音響電気変換手段に直接に届く時間に相当するデータ分を除去して、前記正規化の処理を行う
    ことを特徴とする頭部伝達関数測定方法。
  3. 請求項1に記載の頭部伝達関数測定方法において、
    前記第3の工程は、
    前記第1および第2の工程において前記音響電気変換手段に直接に届いた音波の時間軸データのそれぞれを直交変換して、X−Y座標系の周波数軸データに変換する工程と、
    前記X−Y座標系の周波数軸データのそれぞれを、極座標系のデータに変換する工程と、
    前記極座標系のデータの状態で、前記正規化処理を行って、前記正規化頭部伝達関数のデータを得、この正規化頭部伝達関数の極座標系のデータを前記前記X−Y座標系のデータに戻す工程と、
    前記X−Y座標系に戻された前記正規化頭部伝達関数のデータを逆直交変換して、時間軸データに変換する工程と、
    を有することを特徴とする頭部伝達関数測定方法。
  4. 請求項3に記載の頭部伝達関数測定方法において、
    前記直交変換は、複素FFT(Fast Fourier Transform)処理であり、前記逆直交変換は、逆複素FFT処理である
    ことを特徴とする頭部伝達関数測定方法。
  5. 請求項3に記載の頭部伝達関数測定方法において、
    前記逆直交変換されて得られた時間軸データのデータ長を削減する簡略化工程を備えることを特徴とする頭部伝達関数測定方法。
  6. 電気音響変換手段が設置されると想定されるリスナの両耳の近傍の位置に、音響電気変換手段を設置し、前記リスナの位置にダミーヘッドまたは人間が存在する状態で、想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから頭部伝達関数を測定する第1の工程と、
    前記ダミーヘッドまたは前記人間が存在しない素の状態で、前記想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから素の状態の伝達特性を測定する第2の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記頭部伝達関数を、前記第2の工程で測定された前記素の状態の伝達特性により正規化して、正規化頭部伝達関数を得る第3の工程と、
    前記第3の工程で得られた正規化頭部伝達関数を、記憶部に記憶する第4の工程と、
    前記第4の工程で記憶部に記憶された正規化頭部伝達関数を読み出して、前記電気音響変換手段に供給する音声信号に畳み込む畳み込み工程と、
    を備える頭部伝達関数畳み込み方法。
  7. 請求項6に記載の頭部伝達関数畳み込み方法において、
    前記第3の工程では、前記第1の工程および前記第2の工程で測定された前記頭部伝達関数および前記素の状態の伝達特性のデータから、前記想定される音源位置で発せられた前記音波が前記音響電気変換手段に直接に届く時間に相当するデータ分を除去して、前記正規化の処理を行い、
    前記畳み込み工程では、前記電気音響変換手段に供給する音声信号を、想定される仮想音源定位位置と前記電気音響変換手段の位置との距離に応じた時間分遅延し、当該遅延した音声信号に前記第4の工程で記憶部に記憶された正規化頭部伝達関数を畳み込むようにする
    ことを特徴とする頭部伝達関数畳み込み方法。
  8. 電気音響変換手段が設置されると想定されるリスナの耳の近傍の位置に、音響電気変換手段を設置し、前記リスナの位置にダミーヘッドまたは人間が存在する状態で、想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから測定した頭部伝達関数を、前記ダミーヘッドまたは前記人間が存在しない素の状態で、前記想定される音源位置で発せられた音波を前記音響電気変換手段でピックアップし、前記音響電気変換手段に直接に届いた音波のみから測定した素の状態の伝達特性により正規化した正規化頭部伝達関数のデータを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記正規化頭部伝達関数のデータを、前記電気音響変換手段に供給する音声信号に畳み込む畳み込み手段と、
    を備える頭部伝達関数畳み込み装置。
  9. 請求項8に記載の頭部伝達関数畳み込み装置において、
    前記頭部伝達関数および前記素の状態の伝達特性のデータから、前記想定される音源位置で発せられた前記音波が前記音響電気変換手段に直接に届く時間に相当するデータ分を除去して、前記正規化の処理を行い、
    前記畳み込み手段では、前記電気音響変換手段に供給する音声信号を、想定される仮想音源定位位置と前記電気音響変換手段の位置との距離に応じた時間分遅延し、当該遅延した音声信号に、前記記憶部に記憶された正規化頭部伝達関数を畳み込むようにする
    ことを特徴とする頭部伝達関数畳み込み装置。
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