JP3689041B2 - 立体音場再生装置 - Google Patents

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    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R5/00Stereophonic arrangements
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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  • Acoustics & Sound (AREA)
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  • Stereophonic System (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、立体音場を再生する立体音場再生装置に関し、詳細には、信号処理を行い、複数のスピーカを用いて立体音場を再生する立体音場再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の立体音場再生装置として、たとえば、三浦種敏(東京電機大学総合研究所教授)によって提案されたOSS(Ortho-Stereophonic System)が知られている。第18図は、従来のOSSの構成を示す説明図である。従来のOSSは、録音対象の立体音場50に配置されたHATS(Head and Torso Simulator)と呼ばれるダミーヘッド51と、HATS51の内部で左耳の鼓膜の位置に構成された小型マイク52Lと、HATS51の内部で右耳の鼓膜の位置に構成された小型マイク52Rと、小型マイク52L,52Rからの信号を入力してクロストークキャンセル処理を行うOSS−Network部60と、リスナー(使用者)72の左前方に配置されたスピーカ71Lと、使用者72の右前方に配置されたスピーカ71Rと、を備え、立体音場70を再生する。
【0003】
OSS−Network部60は、使用者72の自由音場正面入射頭部伝達関数の補正を行う回路61L,61Rと、スピーカ71Rへの信号に付加するクロストークキャンセリング信号を出力するクロストークキャンセル回路62Lと、スピーカ71Lへの信号に付加するクロストークキャンセリング信号を出力するクロストークキャンセル回路62Rと、スピーカ71Lへの信号にクロストークキャンセリング信号を付加するミキシング回路63Lと、スピーカ71Rへの信号にクロストークキャンセリング信号を付加するミキシング回路63Rと、スピーカ71Lと使用者72との間の特性を逆関数により補正する回路64Lと、スピーカ71Rと使用者72との間の特性を逆関数により補正する回路64Rと、を備えている。
【0004】
つぎに、従来のOSSの動作について説明する。まず、録音対象の立体音場50の中に配置されたHATS51により、バイノーラル録音が行われる。HATS51の内部において左耳の鼓膜の位置に構成された小型マイク52Lで測定された音、および、HATS51の内部において右耳の鼓膜の位置に構成された小型マイク52Rで測定された音は、信号L,Rにそれぞれ変換され、OSS−Network部60に入力される。
【0005】
OSS−NETWORK部60に入力された信号L,Rは、使用者72の自由音場正面入射頭部伝達関数の補正を行う回路61L,61Rによって補正される。これらの補正は、それぞれ、
EL=HEL/DEL
ER=HER/DER
で表される。ここで、ELは回路61Lの伝達関数、ERは回路61Rの伝達関数、HEL/DEL,HER/DERは自由音場正面入射頭部伝達関数の補正項である。
【0006】
つぎに、クロストークキャンセリング回路62Lが、回路61Lの出力信号を入力し、右スピーカ71Rへの信号に付加するクロストークキャンセリング信号を出力する。同様に、クロストークキャンセリング回路62Rが、回路61Rの出力信号を入力し、左スピーカ71Lへの信号に付加するクロストークキャンセリング信号を出力する。クロストークキャンセリング回路62Lの伝達関数CLおよびクロストークキャンセリング回路62Rの伝達関数CRは、それぞれ、
CL=−HLO/HLS
CR=−HRO/HRS
で表される。ここで、HLOは左スピーカ71Lと使用者72右耳との間の特性、HLSは左スピーカ71Lと使用者72左耳との間の特性、HROは右スピーカ71Rと使用者72左耳との間の特性、HRSは右スピーカ71Rと使用者72右耳の間の特性である。
【0007】
つぎに、ミキシング回路63Lが、回路61Lの出力信号とクロストークキャンセル回路62Rからのクロストークキャンセリング信号とをミキシングして回路64Lに出力する。同様に、ミキシング回路63Rが、回路61Rの出力信号とクロストークキャンセル回路62Lからのクロストークキャンセリング信号とをミキシングして回路64Rに出力する。回路64L,64Rは、入力した信号を、スピーカ71L,71Rと使用者との間の特性を補正する逆関数により処理し、スピーカ71L,71Rに出力する。回路64Lの伝達関数TLおよび回路64Rの伝達関数TRは、それぞれ、
TL=1/((1−CL・CR)HLS)
TR=1/((1−CL・CR)HRS)
で表される。
【0008】
OSS−Network部60で処理された信号は、再生用の左右のスピーカ71L,71Rから再生され、立体音場70を再生する。なおHLS,HLO,HRS,HRO,HEL,HER,DEL,DERはあらかじめ測定され、OSS−Network部60内の各回路の特性(フィルタ係数)が決定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来例においては、使用者の頭部とスピーカとの位置関係が固定されていないため、使用者の位置を固定する必要があり、使用者が頭部を動かすと、音質に違和感や逆相感を感じてしまうという問題があった。
【0010】
従って、本発明は、使用者の位置を固定することなく、また、音質に違和感や逆相感を感じることなく、立体音響を生成する立体音場再生装置を提供することを目的としている
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、立体音場を再生する立体音場再生装置において、使用時に使用者の各耳の周辺にそれぞれ配置され、信号を入力して音波を出力する複数の音波出力手段と、記複数の音波出力手段と前記使用者の頭部との間の特性を補正する処理を行う第1の信号処理手段と、を具備し、前記第1の信号処理手段は、前記使用者の各耳のそれぞれにおいて、前記複数の音波出力手段への信号に対して、前記使用者の一方の耳に対応する前記複数の音波出力手段と前記使用者の前記一方の耳との間の空間における所定の位置を示す音圧点で所定の音圧を再生するように前記複数の音波出力手段と前記音圧点との間の特性および前記複数の音波出力手段相互間の特性を同時に補正することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、前記所定の位置とは録音時におけるマイクの位置に対応する位置であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、前記所定の音圧とは録音時と同じ音圧であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、さらに、使用時に前記使用者の頭部に装着され、前記複数の音波出力手段を前記使用者の各耳の周辺に保持する保持手段を具備することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、複数の音波出力手段が、少なくとも4つあり、前記使用者の両耳近傍において、一つの耳に対して少なくとも二つの音波出力手段が対応するように配置されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、さらに、録音時に、人体の頭部または人体を模した模擬手段の頭部に対して、前記使用者の頭部に対する複数の音波出力手段の位置と同じ関係となる位置またはその近傍に配置され、音場を検出し、前記複数の音波出力手段への信号を生成する複数の検出手段を具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、さらに、前記複数の音波出力手段への信号に対して、音像を定位させる位置から前記複数の音波出力手段それぞれの近傍までの特性を用いた処理を行う第2の信号処理手段を具備することを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、前記複数の音波出力手段が、少なくとも8つあり、前記使用者の両耳近傍において、一つの耳に対して少なくとも4つの音波出力手段が対応し、一つの耳に対応する任意の4つの音波出力手段が三角錐の各頂点に位置するように配置されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、前記第1の信号処理手段が、前記複数の音波出力手段全てと前記使用者の頭部との間の特性および前記複数の音波出力手段全ての相互間の特性を同時に補正する信号処理を行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる立体音場再生装置にあっては、前記複数の音波出力手段それぞれが、前記使用者の両耳のいずれか一方に対応し、前記第1の信号処理手段が、一方の耳に対応する音波出力手段全てと前記使用者の頭部との間の特性および一方の耳に対応する音波出力手段全ての相互間の特性を補正する信号処理を行う第3の信号処理手段と、他方の耳に対応する音波出力手段全てと前記使用者の頭部との間の特性および他方の耳に対応する音波出力手段全ての相互間の特性を補正する第4の信号処理手段と、に分れ、それぞれ同時に信号処理を行うことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
【0022】
まず、本発明の一実施の形態にかかる立体音場再生装置の構成について説明する。第1図は、本実施の形態にかかる立体音場再生装置の構成を示す説明図である。この立体音場再生装置は、録音対象の立体音場1に配置されたHATS(Head and Torso Simulator)と呼ばれるダミーヘッド2と、HATS2の外部においてHATS2の左耳近傍のそれぞれ異なる位置に配置されたN個の小型マイク3L1〜3LN(Nは自然数)と、HATS2の外部においてHATS2の右耳近傍のそれぞれ異なる位置に配置されたN個の小型マイク3R1〜3RNと、複数の信号処理回路(フィルタ)を有する信号処理ユニット4と、使用者5の左耳近傍のそれぞれ異なる位置に配置されたN個の再生用小型スピーカ6L1〜6LNと、使用者5の右耳近傍のそれぞれ異なる位置に配置されたN個の再生用小型スピーカ6R1〜6RNと、を備えている。
【0023】
HATS2の反射・回析を含んだ録音対象の立体音場1において、小型マイク3L1〜3LN,3R1〜3RNは、それぞれが配置された位置の音圧を検出し、音圧データを生成する。生成された音圧データは、図示しないレコーダにマルチチャンネルで収録される。図示しないレコーダに収録されたマルチチャンネルの信号(音圧データ)は、それぞれ個別に信号処理ユニット4に入力される。
【0024】
信号処理ユニット4は、入力した2N個のマルチチャンネルの信号に対する処理を行う。信号処理ユニット4は、あらかじめ測定された、使用者5の頭部と複数の再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNとの間の特性、特に使用者5の耳近傍と複数の再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNとの間の特性、および、複数の再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RN相互間の特性を記憶し、この特性を補正する信号処理を行い、2N個のマルチチャンネルの信号を出力する。
【0025】
使用者5の両耳近傍に配置された再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNは、信号処理ユニット4から2N個のチャンネルの信号を入力し、音波を出力する。ここで、再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNは、使用時に、使用者5の頭部に対して、HATS2の頭部の位置と小型マイク3L1〜3LN,3R1〜3RNの位置との関係と同一の関係となる位置またはその近傍に配置される。換言すれば、小型マイク3L1〜3LN,3R1〜3RNと再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNとは、相対的に同様な位置に配置される。
【0026】
このように使用者5の両耳近傍と複数の再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNとの間の特性を補正し、かつ複数の再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RN相互間の特性を同時に補正する信号処理を行うため、小型マイク3L1〜3LN,3R1〜3RNにより収録した音圧が、それぞれの収録位置に対応する使用者5の頭部周辺の位置で適切に再生され、録音対象の立体音場1を使用者5の両耳近傍で適切に再生することができる。また、再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNが使用者5の頭部周辺に配置されるため、使用者5の位置を固定することなく、また、音質に違和感や逆相感を感じることなく、方向感・距離感の正しい立体音響を生成することができる。なお、HATS2に代えて実際の人体による測定を行ってもよい。
【0027】
第2図は、本実施の形態にかかる立体音場再生装置のスピーカ部の構成を示す斜視図である。このスピーカ部は、再生用小型スピーカ6L1〜6LNおよび6R1〜6RNと、再生用小型スピーカ6L1〜6LNおよび6R1〜6RNを使用者5の頭部に保持する保持部7を備えている。保持部7により、再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNを使用者5の頭部周辺の所定の位置に容易に配置でき、また、使用者5が頭を動かしても、再生用小型スピーカ6L1〜6LN,6R1〜6RNと使用者5の頭部との位置関係が保たれる。このスピーカ部は、ヘッドホンのような形状であって、使用時に使用者5の頭部に装着されるものであるが、使用者5の耳を塞がない構造となっている。このため、開放感のある自然な音場を再生することができる。
【0028】
第3図は、本実施の形態にかかる小型マイクの配置の一例を示す説明図であり、第4図は、本実施の形態にかかる再生用小型スピーカの配置の一例を示す説明図である。たとえば、HATS2の左耳近傍の位置AL1,AL2にそれぞれ小型マイク3L1,3L2を設け、HATS2の右耳近傍の位置AR1,AR2にそれぞれ小型マイク3R1,3R2を設ける。ここで、小型マイクはHATS2の両耳近傍にそれぞれ一つずつ設けてもよいし、耳近傍に限らずHATS2の頭部周辺の任意の位置に設けてもよいが、両耳近傍にそれぞれ複数の小型マイクを配置することにより、よりリアリティーのある音場再生が期待できる。小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2は、それぞれ、位置AL1,AL2,AR1,AR2における音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2を測定(検出)する。使用者5の頭部周辺の相対的に同じ位置において、これらの音圧を正しく再生すれば、立体音場を正しく再生することができる。
【0029】
また、使用者5の左耳近傍の位置BL1,BL2の近傍に位置するようにそれぞれ再生用小型スピーカ6L1,6L2を設け、使用者5の右耳近傍の位置BR1,BR2の近傍に位置するようにそれぞれ再生用小型スピーカ6R1,6R2を設ける。ここで、位置BL1,BL2,BR1,BR2は、位置AL1,AL2,AR1,AR2と相対的に同一となる位置である。すなわち、HATS2の頭部に対する位置AL1,AL2,AR1,AR2の位置関係と、使用者5の頭部に対する位置BL1,BL2,BR1,BR2の位置関係が同一となる。
【0030】
これら複数の再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2によって、位置BL1において音圧PBL1が、位置BL2において音圧PBL2が、位置BR1において音圧PBR1が、位置BR2において音圧PBR2が、それぞれ発生する。音圧PBL1,PBL2,PBR1,PBR2が音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2と同一であれば、方向感・距離感の正しい立体音響を生成することができる。
【0031】
第5図は、本実施の形態にかかる立体音場生成装置の録音処理を説明するための説明図である。この録音処理においては、録音対象の音場を作る音源8から伝搬する信号(音波)をHATS2の両耳近傍の位置AL1,AL2,AR1,AR2において測定(検出)する。一般に、音響空間における、音源から頭部までの音波の伝搬経路の特性は、頭部伝達関数により表すことができる。音源8から位置AL1までの頭部伝達関数をHL1、音源8から位置AL2までの頭部伝達関数をHL2、音源8から位置AR1までの頭部伝達関数をHR1、音源8から位置AR2までの頭部伝達関数をHR2、とすると、音源8からの音波は、頭部伝達関数HL1によって処理されて小型マイク3L1で測定され、また、頭部伝達関数HL2によって処理されて小型マイク3L2で測定され、また、頭部伝達関数HR1によって処理されて小型マイク3R1で測定され、また、頭部伝達関数HR2によって処理されて小型マイク3R2で測定される。
【0032】
このように位置AL1,AL2,AR1,AR2において測定される音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2には頭部伝達関数HL1、HL2、HR1,HR2の処理が含まれており、測定した音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2を位置BL1,BL2,BR1,BR2で適切に再生することで、音源の方向、距離を表現することができる。すなわち、使用者5に対して、HATS2と音源8との位置関係と同一の関係となる位置に、音像を定位させることができる。
【0033】
第6図は、本実施の形態にかかる立体音場生成装置の再生処理を説明するための説明図である。この再生処理においては、再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2が、信号処理ユニット4で処理された信号を入力し、それぞれ音波を出力する。これらの音波が位置BL1,BL2,BR1,BR2に伝播して音圧PBL1,PBL2,PBR1,PBR2が発生する。
【0034】
再生用小型スピーカ6L1から出力される音波は、再生用小型スピーカ6L1から位置BL1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL1により処理されて位置BL1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6L1から位置BL2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL1L2により処理されて位置BL2に伝播し、また、再生用小型スピーカ6L1から位置BR1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL1R1により処理されて位置BR1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6L1から位置BR2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL1R2により処理されて位置BR2に伝播する。
【0035】
同様に、再生用小型スピーカ6L2から出力される音波は再生用小型スピーカ6L2から位置BL1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL2L1により処理されて位置BL1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6L2から位置BL2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL2により処理されて位置BL2に伝播し、また、再生用小型スピーカ6L2から位置BR1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL2R1により処理されて位置BR1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6L2から位置BR2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GL2R2により処理されて位置BR2に伝播する。
【0036】
また、再生用小型スピーカ6R1から出力される音波は、再生用小型スピーカ6R1から位置BL1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR1L1により処理されて位置BL1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6R1から位置BL2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR1L2により処理されて位置BL2に伝播し、また、再生用小型スピーカ6R1から位置BR1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR1により処理されて位置BR1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6R1から位置BR2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR1R2により処理されて位置BR2に伝播する。
【0037】
また、再生用小型スピーカ6R2から出力される音波は、再生用小型スピーカ6R2から位置BL1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR2L1により処理されて位置BL1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6R2から位置BL2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR2L2により処理されて位置BL2に伝播し、また、再生用小型スピーカ6R2から位置BR1までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR2R1により処理されて位置BR1に伝播し、また、再生用小型スピーカ6R2から位置BR2までの人またはHATS2の反射を含めた伝達関数GR2により処理されて位置BR2に伝播する。
【0038】
このように、再生時において各位置BL1,BL2,BR1,BR2の音圧PBL1,PBL2,PBR1,PBR2は、それぞれ4つの再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2から伝播する音波によって発生する。すなわち、4つの成分から構成されている。これら4つの成分の合成結果が、録音結果の音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2と等しい場合、各位置BL1,BL2,BR1,BR2において、頭部伝達関数HL1、HL2、HR1,HR2が正しく処理された結果と等しいことになり、音源の位置が正しく知覚される方向感・距離感の正しい立体音場が再生される。
【0039】
ここで、4つの再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2から各位置BL1,BL2,BR1,BR2に伝播する信号(音波)のうち、伝達関数GL1L2,GL1R1,GL1R2,GL2L1,GL2R1,GL2R2,GR1L1,GR1L2,GR1R2,GR2L1,GR2L2,GR2R1により処理されて伝播する信号は、クロストーク成分と呼ばれる信号であり、打ち消されるべき信号である。一方、伝達関数GL1,GL2,GR1,GR2により処理されて伝播する信号は、直接成分と呼ばれる信号であり、立体音場を再生する役割を果たす信号である。
【0040】
第7図は、第1図に示した本実施の形態にかかる信号処理ユニット4の構成の一例を示すブロック図である。信号処理ユニット4は、小型マイク3L1により測定された信号SL1を入力する入力端子9L1と、小型マイク3L2により測定された信号SL2を入力する入力端子9L2と、小型マイク3R1により測定された信号SR1を入力する入力端子9R1と、小型マイク3R2により測定された信号SR2を入力する入力端子9R2と、小型マイク3L1の特性,再生用小型スピーカ6L1の特性および伝達関数GL1を含む特性を逆関数により補正する回路(フィルタ)10L1と、小型マイク3L2の特性,再生用小型スピーカ6L2の特性および伝達関数GL2を含む特性を逆関数により補正する回路(フィルタ)10L2と、小型マイク3R1の特性,再生用小型スピーカ6R1の特性および伝達関数GR1を含む特性を逆関数により補正する回路(フィルタ)10R1と、小型マイク3R2の特性,再生用小型スピーカ6R2の特性および伝達関数GR2を含む特性を逆関数により補正する回路(フィルタ)10R2と、伝達関数GL1L2,GL1R1,GL1R2,GL2L1,GL2R1,GL2R2,GR1L1,GR1L2,GR1R2,GR2L1,GR2L2,GR2R1により処理されて伝播する信号を打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成するクロストークキャンセラ10L1L2,10L1R1,10L1R2,10L2L1,10L2R1,10L2R2,10R1L1,10R1L2,10R1R2,10R2L1,10R2L2,10R2R1と、回路10L1の出力信号とクロストークキャンセラ10L2L1,10R1L1,10R2L1からのクロストークキャンセリング信号とを加算する加算器11L1と、回路10L2の出力信号とクロストークキャンセラ10L1L2,10R1L2,10R2L2からのクロストークキャンセリング信号とを加算する加算器11L2と、回路10R1の出力信号とクロストークキャンセラ10L1R1,10L2R1,10R2R1からのクロストークキャンセリング信号とを加算する加算器11R1と、回路10R2の出力信号とクロストークキャンセラ10L1R2,10L2R2,10R1R2からのクロストークキャンセリング信号とを加算する加算器11R2と、を備えている。
【0041】
回路10L1,10L2,10R1,10R2およびクロストークキャンセラ10L1L2,10L1R1,10L1R2,10L2L1,10L2R1,10L2R2,10R1L1,10R1L2,10R1R2,10R2L1,10R2L2,10R2R1は、たとえば、汎用のマイクロプロセッサを用いて具現化してもよいし、高速化のためにDSP(Digital Signal Processor)を用いて具現化してもよい。
【0042】
回路10L1,10L2,10R1,10R2の伝達関数FL1,FL2,FR1,FR2およびクロストークキャンセラ10L1L2,10L1R1,10L1R2,10L2L1,10L2R1,10L2R2,10R1L1,10R1L2,10R1R2,10R2L1,10R2L2,10R2R1の伝達関数FL1L2,FL1R1,FL1R2,FL2L1,FL2R1,FL2R2,FR1L1,FR1L2,FR1R2,FR2L1,FR2L2,FR2R1は、伝達関数GL1,GL2,GR1,GR2,GL1L2,GL1R1,GL1R2,GL2L1,GL2R1,GL2R2,GR1L1,GR1L2,GR1R2,GR2L1,GR2L2,GR2R1ならびに小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2の特性および小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2の特性等に基づいて算出される。
【0043】
伝達関数GL1,GL2,GR1,GR2,GL1L2,GL1R1,GL1R2,GL2L1,GL2R1,GL2R2,GR1L1,GR1L2,GR1R2,GR2L1,GR2L2,GR2R1ならびに小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2の特性および小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2の特性の算出は、たとえば、第6図に示した環境において、人またはHATS2頭部を再生時と同様な位置に配置し、位置BL1,BL2,BR1,BR2に小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2を配置し、一つずつ順に小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2からホワイトノイズやインパルスを発生させ、音圧PBL1,PBL2,PBR1,PBR2を測定し、測定した音圧PBL1,PBL2,PBR1,PBR2の特性から算出する。
【0044】
第8図は、本実施の形態にかかる信号処理ユニット4の作用を説明するための説明図である。信号処理ユニット4の作用を説明するために、たとえば、位置BL1,BL2,BR1,BR2に小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2を配置したとする。入力端子9L1に信号SL1が入力されると、回路10L1は、再生用小型スピーカ6L1から伝達関数GL1の伝播経路を経て小型マイク3L1に至るまでの特性を補正する信号を出力する、また、クロストークキャンセラ10L1L2,10L1R1,10L1R2は、再生用小型スピーカ6L1から出力されて小型マイク3L2,3R1,3R2で検出されるクロストーク成分を主に打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成する。
【0045】
同様に、入力端子9L2に信号SL2が入力されると、回路10L2は、再生用小型スピーカ6L2から伝達関数GL2の伝播経路を経て小型マイク3L2に至るまでの特性を補正する信号を出力する、また、クロストークキャンセラ10L2L1,10L2R1,10L2R2は、再生用小型スピーカ6L2から出力されて小型マイク3L1,3R1,3R2で検出されるクロストーク成分を主に打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成する。
【0046】
また、入力端子9R1に信号SR1が入力されると、回路10R1は、再生用小型スピーカ6R1から伝達関数GR1の伝播経路を経て小型マイク3R1に至るまでの特性を補正する信号を出力する、また、クロストークキャンセラ10R1L1,10R1L2,10R1R2は、再生用小型スピーカ6R1から出力されて小型マイク3L1,3L2,3R2で検出されるクロストーク成分を主に打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成する。
【0047】
また、入力端子9R2に信号SR2が入力されると、回路10R2は、再生用小型スピーカ6R2から伝達関数GR2の伝播経路を経て小型マイク3R2に至るまでの特性を補正する信号を出力する、また、クロストークキャンセラ10R2L1,10R2L2,10R2R1は、再生用小型スピーカ6R2から出力されて小型マイク3L1,3L2,3R1で検出されるクロストーク成分を主に打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成する。
【0048】
これらの補正のための信号は加算器11L1,11L2,11R1,11R2によってそれぞれ合成され、再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2からクロストーク成分および直接成分を補正する音波が再生される。この再生を各再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2から同時に行うことによって、入力端子9L1,9L2,9R1,9R2に入力された信号SL1,SL2,SR1,SR2と同じ信号が、小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2の出力端子12L1,12L2,12R1,12R2から出力される。すなわち、録音時の音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2と、再生時の音圧PBL1,PBL2,PBR1,PBR2とが一致することになる。
【0049】
以上の構成において、本実施の形態にかかる立体音場再生装置の動作についてフローチャートを参照して説明する。第9図は、本実施の形態にかかる立体音場再生装置の動作の流れを示すフローチャートである。この立体音場再生装置の動作においては、まず、HATS2の頭部の周辺に配置された小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2により音場が検出され(S1)、レコーダにより検出信号が記録(録音)される(S2)。記録された信号は、使用時、信号処理ユニット4により、再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2と使用者5の頭部との間の特性および再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2相互間の特性を同時に補正する処理がなされる(S3)。補正処理された信号は、再生用小型スピーカ6L1,6L2,6R1,6R2によって音波に変換され、立体音場を再生する(S4)。なお、説明のために、第9図では、ステップS1,S2は別々に記載したが、実際には、これらは同時に並行して実行される。同様に、ステップS3,S4も同時に並行して実行される。
【0050】
つぎに、本実施の形態にかかる頭部伝達関数フィルタについて説明する。本実施の形態にかかる立体音場再生装置に、さらに、頭部伝達関数フィルタを設けてもよい。第10図は、本実施の形態にかかる頭部伝達関数フィルタの構成の一例を示すブロック図である。頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2は、信号処理ユニット4の前段に配置され、共通の入力端子21を有し、それぞれの出力信号を信号処理ユニット4に出力する。すなわち、信号処理ユニット4には、小型マイク6L1,6L2,6R1,6R2により検出された信号に代えて、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2により処理された信号が入力される。
【0051】
頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2は、たとえば、汎用のマイクロプロセッサを用いて具現化してもよいし、高速化のためにDSP(Digital Signal Processor)を用いて具現化してもよい。また、信号処理ユニット4への信号は、ディジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。
【0052】
頭部伝達関数フィルタ22L1は、入力端子21から入力されるモノラル信号S1に対して、音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BL1までの特性を畳み込む。同様に、頭部伝達関数フィルタ22L2は、入力端子21から入力されるモノラル信号S1に対して、音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BL2までの特性を畳み込む。また、頭部伝達関数フィルタ22R1は、入力端子21から入力されるモノラル信号S1に対して、音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BR1までの特性を畳み込む。また、頭部伝達関数フィルタ22R2は、入力端子21から入力されるモノラル信号S1に対して、音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BR2までの特性を畳み込む。
【0053】
すなわち、入力端子21にモノラル信号S1が入力されると、各頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2は、それぞれ、入力された信号S1に対して、所定の位置に音像を定位させる畳込処理を行い、処理した信号を出力する。各頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2の伝達関数DL1,DL2,DR1,DR2を、たとえば、第5図に示した頭部伝達関数HL1,HL2,HR1,HR2に近似させれば、使用者5に対して、HATS2の頭部の位置に対する音源8の位置と同一の関係となる位置に音像を定位させることができる。
【0054】
頭部伝達関数HL1,HL2,HR1,HR2は、第5図に示した環境において、音源8からホワイトノイズやインパルスを発生させて、小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2により音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2を測定することにより、測定結果から算出することができる。音源8の位置を変えつつ音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2を測定して複数の頭部伝達関数を算出し、算出した複数の頭部伝達関数に基づいて頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2の特性(フィルタ係数)を複数組算出し、図示しないメモリに記憶させるようにしてもよい。そして、メモリに記憶された複数組のフィルタ係数から所望のフィルタ係数を選択し、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2のフィルタ係数とすることにより、所望の位置に音像を定位させることができる。
【0055】
この場合、各頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2により生成される4つの信号は、音圧PAL1,PAL2,PAR1,PAR2と同じ特性を持ち、すなわち、小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2の出力信号と同じ特性を持ち、第8図に示した信号SL1,SL2,SR1,SR2と同様に扱われてクロストークキャンセルが行われ、適切な立体音場を生成することができる。
【0056】
ここで、さらに、頭部伝達関数フィルタの組を複数設けるようにしてもよい。第11図は、本実施の形態にかかる他の頭部伝達関数フィルタの構成を示すブロック図である。この例では、さらに、頭部伝達関数フィルタ32L1,32L2,32R1,32R2を設け、複数組の頭部伝達関数フィルタとしている。頭部伝達関数フィルタ32L1,32L2,32R1,32R2は、信号処理ユニット4の前段に配置され、共通の入力端子31を有している。各頭部伝達関数フィルタ32L1,32L2,32R1,32R2の出力信号は、各頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2の出力信号と合成され、信号処理ユニット4に入力される。
【0057】
頭部伝達関数フィルタ32L1は、入力端子31から入力されるモノラル信号S2に対して、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2とは別の音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BL1までの特性を畳み込む。同様に、頭部伝達関数フィルタ32L2は、入力端子31から入力されるモノラル信号S2に対して、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2とは別の音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BL2までの特性を畳み込む。また、頭部伝達関数フィルタ32R1は、入力端子31から入力されるモノラル信号S2に対して、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2とは別の音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BR1までの特性を畳み込む。また、頭部伝達関数フィルタ32R2は、入力端子31から入力されるモノラル信号S2に対して、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2とは別の音像定位する位置から、信号を再生する耳近傍の位置BR2までの特性を畳み込む。
【0058】
すなわち、入力端子31にモノラル信号S2が入力されると、各頭部伝達関数フィルタ32L1,32L2,32R1,32R2は、それぞれ、入力された信号S2に対して、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2が音像定位させる位置とは独立した位置に音像を定位させる畳込処理を行い、処理した信号を出力する。ここで、頭部伝達関数フィルタ22L1,22L2,22R1,22R2と同様に、メモリに記憶された複数組のフィルタ係数から所望のフィルタ係数を選択し、頭部伝達関数フィルタ32L1,32L2,32R1,32R2のフィルタ係数とすることにより、所望の位置に音像を定位させることができる。
【0059】
たとえば、各頭部伝達関数フィルタ32L1,32L2,32R1,32R2の伝達関数CL1,CL2,CR1,CR2を、第12図に示す音源30から各小型マイク3L1,3L2,3R1,3R2までの頭部伝達関数に近似することにより、使用者5に対して第12図に示す環境の立体音場を再生することができる。このように、2組の頭部伝達関数フィルタを設けることにより、モノラル音源を用いて所望の二つの位置に同時に音像を定位させることができる。頭部伝達関数フィルタの組をさらに設けて、多数の位置に音像を定位させるようにしてもよい。
【0060】
また、小型マイクおよび再生用小型スピーカを、HATS2の両耳近傍および使用者5の両耳近傍において、それぞれ一つの耳に対して三つ以上設けてもよい。第13図は、本実施の形態にかかるマイクの配置の他の例を示す説明図である。この例では、HATS2の両耳近傍の位置AL3,AR3に、さらに小型マイク3L3,3R3が設けられており、音圧PAL3,PAR3を検出する。この場合、再生用小型スピーカも二つ追加されることになり、信号処理ユニット4内のクロストークキャンセラ等の回路も追加されることになる。
【0061】
また、左右の再生用小型スピーカ間のクロストークは無視できるとして、信号処理ユニットを右用と左用の二つに分け、一方の耳に対応する再生用小型スピーカ全てと使用者5の頭部との間の特性および一方の耳に対応する再生用小型スピーカ全ての相互間の特性、ならびに、他方の耳に対応する再生用小型スピーカ全てと使用者5の頭部との間の特性および他方の耳に対応する再生用小型スピーカ全ての相互間の特性を、それぞれ同時に補正する信号処理を行うようにしてもよい。
【0062】
第14図は、本実施の形態にかかる信号処理ユニット(左用)の構成を示すブロック図である。なお、第11図と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。この信号処理ユニット43は、回路10L1,10L2と、使用者5の左耳近傍に配置された再生用小型スピーカ6L3から出力され、左耳近傍に伝播する直接成分を補正する回路10L3と、再生用小型スピーカ6L1から出力され、使用者5の左耳近傍に伝播するクロストーク成分をキャンセルするためのクロストークキャンセリング信号を生成するクロストークキャンセラFL1L2,FL1L3と、再生用小型スピーカ6L2から出力され、使用者5の左耳近傍に伝播するクロストーク成分をキャンセルするためのクロストークキャンセリング信号を生成するクロストークキャンセラFL2L1,FL2L3と、再生用小型スピーカ6L3から出力され、使用者5の左耳近傍に伝播するクロストーク成分をキャンセルするためのクロストークキャンセリング信号を生成するクロストークキャンセラFL3L1,FL3L2と、回路10L1の出力信号とクロストークキャンセラ10L2L1,10L3L1からのクロストークキャンセリング信号とを加算し、再生用小型スピーカ6L1に出力する加算器44L1と、回路10L2の出力信号とクロストークキャンセラ10L1L2,10L3L2からのクロストークキャンセリング信号とを加算し、再生用小型スピーカ6L2に出力する加算器44L2と、回路10L3の出力信号とクロストークキャンセラ10L1L3,10L2L3からのクロストークキャンセリング信号とを加算し、再生用小型スピーカ6L3に出力する加算器44L3とを備えている。
【0063】
信号処理ユニット43の前段に配置された22L3,32L3は、伝達関数がそれぞれDL3,CL3の頭部伝達関数フィルタである。このように、処理を左右二つ独立に分けることにより、処理を簡略化し、回路を簡略化することができる。なお、右用の信号処理ユニットは、左用の処理ユニット43と同様の構成で、同様の動作を行うので、その説明を省略する。
【0064】
第15図は、本実施の形態にかかる信号処理ユニット43の作用を説明するための説明図である。信号処理ユニット43の作用を説明するために、たとえば、位置BL1,BL2,BL3に小型マイク3L1,3L2,3L3を配置したとする。なお、位置BL3は、相対的に位置AL3と同一となる位置である。頭部伝達関数フィルタ22L1,32L1からの信号が入力されると、回路10L1は、再生用小型スピーカ6L1から小型マイク3L1に至るまでの特性を補正する信号を出力する、また、クロストークキャンセラ10L1L2,10L1L3は、再生用小型スピーカ6L1から出力されて小型マイク3L2,3L3で検出されるクロストーク成分を主に打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成する。
【0065】
同様に、頭部伝達関数フィルタ22L2,32L2からの信号が入力されると、回路10L2は、再生用小型スピーカ6L2から小型マイク3L2に至るまでの特性を補正する信号を出力する、また、クロストークキャンセラ10L2L1,10L2L3は、再生用小型スピーカ6L2から出力されて小型マイク3L1,3L3で検出されるクロストーク成分を主に打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成する。
【0066】
また、頭部伝達関数フィルタ22L3,32L3からの信号が入力されると、回路10L3は、再生用小型スピーカ6L3から小型マイク3L3に至るまでの特性を補正する信号を出力する、また、クロストークキャンセラ10L3L1,10L3L2は、再生用小型スピーカ6L3から出力されて小型マイク3L1,3L3で検出されるクロストーク成分を主に打ち消すためのクロストークキャンセリング信号を生成する。
【0067】
これらの補正のための信号は加算器44L1,44L2,44L3によってそれぞれ合成され、再生用小型スピーカ6L1,6L2,6L3からクロストーク成分および直接成分を補正する音波が再生される。この再生を各再生用小型スピーカ6L1,6L2,6L3から同時に行うことによって、信号処理ユニット43に入力された信号と同じ信号が、小型マイク3L1,3L2,3L3の出力端子12L1,12L2,12L3から出力される。すなわち、録音時の音圧PAL1,PAL2,PAL3と、再生時の音圧PBL1,PBL2,PBL3とが一致することになる。そして、左右の信号処理ユニットにより、左右同時に信号処理を行うことにより、信号処理ユニットを簡略化しつつ、適切な立体音場再生を行うことができる。
【0068】
さらに、一つの耳に対して4つ以上の小型マイク,再生用小型スピーカを設けるようにしてもよい。第16図は、本実施の形態にかかる小型マイクの配置の他の例を示す説明図であり、第17図は、本実施の形態にかかる再生用小型スピーカの配置の他の例を示す説明図である。この例では、さらに、HATS2の両耳近傍の位置AL4,AR4に、それぞれ小型マイク3L4,3R4が設けられており、また、位置AL4,AR4に対応する位置BL4,BR4の近傍に再生用小型スピーカ6L4,6R4が設けられている。
【0069】
ここで、位置AL1〜AL4およびAR1〜AR4は、3角錐(4面体)の頂点となる位置となっている。すなわち、位置AL1〜AL4またはAR1〜AR4を直線で結んだ場合、立体を形成するような位置となっている。従って、位置BL1〜BL4,BR1〜BR4も3角錐(4面体)の頂点となる位置となる。このように、3次元的に録音,再生のための位置を構成することにより、よりリアルな立体的な音場の再生が期待できる。録音,再生のための位置は、さらに多数であってもよい。
【0070】
以上のように、本発明にかかる立体音場再生装置は、楽音再生や、バーチャルリアリティー等への応用に適している。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、音波出力手段(以後スピーカという)の音波出力先として耳とその近傍に配置されたスピーカとの間の3次元空間内に位置する音圧点を対象としているので、個人差が大きくて特性の違いが出てしまう外耳道の影響が無くなるとともに、頭部および耳朶の反射特性を活かすことによって、直接耳を音圧制御するよりも自然な音を再生することができるという効果を奏する。
【0072】
また、所定の位置とは録音時におけるマイクの位置に対応する位置とし、前記所定の音圧とは録音時と同じ音圧としたので、マイクにより収録した音圧が、それぞれの収録位置に対応する使用者の頭部周辺の位置で適切に再生され、録音対象の立体音場を使用者の両耳近傍で適切に再生することができる。
【0073】
また、保持手段が、使用時に使用者の頭部に装着され、複数の音波出力手段を使用者の各耳の周辺に保持するため、使用者の各耳の周辺に複数の音波出力手段を容易に配置することができる。
【0074】
また、複数の音波出力手段が、使用者の両耳近傍において、一つの耳に対して少なくとも二つ対応するように配置されるため、立体音場をより適切に再生することができる。
【0075】
また、複数の検出手段が、録音時に、人体の頭部または人体を模した模擬手段の頭部に対して、使用者の頭部に対する複数の音波出力手段の位置と同じ関係となる位置またはその近傍に配置され、音場を検出し、複数の音波出力手段への信号を生成する。これにより、頭部伝達関数を算出する必要がなくなり、また、頭部周辺の音場の実測値を用いて立体音場を再生することができるため、立体音場をより適切に再生することができる。
【0076】
また、第2の信号処理手段が、複数の音波出力手段への信号に対して、音像を定位させる位置から複数の音波出力手段それぞれの近傍までの特性を用いた処理を行うため、所望の音像を所望の位置に定位させることができる。
また、複数の音波出力手段が、使用者の両耳近傍において、一つの耳に対して少なくとも4つ対応し、一つの耳に対応する任意の4つの音波出力手段が三角錐の各頂点に位置するように配置されるため、より立体的な音場を再生することができる。
【0077】
また、第1の信号処理手段が、複数の音波出力手段全てと使用者の頭部との間の特性および複数の音波出力手段全ての相互間の特性を同時に補正する信号処理を行うため、立体音像をより適切に再生することができる。
【0078】
また、複数の音波出力手段それぞれが、使用者の両耳のいずれか一方に対応し、第3の信号処理手段が、一方の耳に対応する音波出力手段全てと使用者の頭部との間の特性および一方の耳に対応する音波出力手段全ての相互間の特性を補正する信号処理を行い、第4の信号処理手段が、他方の耳に対応する音波出力手段全てと使用者の頭部との間の特性および他方の耳に対応する音波出力手段全ての相互間の特性を補正する信号処理を行うことにより、信号処理の計算量を削減するため、信号処理のためのハードウェアを簡略化することができ、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の一実施の形態にかかる立体音場再生装置の構成を示す説明図である。
【図2】第2図は、本実施の形態にかかるスピーカ部の構成を示す斜視図である。
【図3】第3図は、本実施の形態にかかる小型マイクの配置の一例を示す説明図である。
【図4】第4図は、本実施の形態にかかる再生用小型スピーカの配置の一例を示す説明図である。
【図5】第5図は、本実施の形態にかかる録音処理を説明するための説明図である。
【図6】第6図は、本実施の形態にかかる再生処理を説明するための説明図である。
【図7】第7図は、第1図に示した本実施の形態にかかる信号処理ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【図8】第8図は、本実施の形態にかかる信号処理ユニットの作用を説明するための説明図である。
【図9】第9図は、本実施の形態にかかる立体音場再生装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】第10図は、本実施の形態にかかる頭部伝達関数フィルタの構成の一例を示すブロック図である。
【図11】第11図は、本実施の形態にかかる他の頭部伝達関数フィルタの構成を示すブロック図である。
【図12】第12図は、本実施の形態にかかる音源が二つの場合の録音処理を説明するための説明図である。
【図13】第13図は、本実施の形態にかかる小型マイクの配置の他の例を示す説明図である。
【図14】第14図は、本実施の形態にかかる他の信号処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【図15】第15図は、本実施の形態にかかる他の信号処理ユニットの作用を説明するための説明図である。
【図16】第16図は、本実施の形態にかかる小型マイクの配置の他の例を示す説明図である。
【図17】第17図は、本実施の形態にかかる再生用小型スピーカの配置の他の例を示す説明図である。
【図18】第18図は、従来のOSSの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 立体音場、2 ダミーヘッド、3L1,3L2,3R1,3R2 各小型マイク、4 信号処理ユニット、5 使用者、6L1,6L2,6R1,6R2 再生用小型スピーカ、6L1,6L2,6R1,6R2 小型マイク、7 保持部、8 音源。

Claims (10)

  1. 立体音場を再生する立体音場再生装置において、
    使用時に使用者の各耳の周辺にそれぞれ配置され、信号を入力して音波を出力する複数の音波出力手段と、
    記複数の音波出力手段と前記使用者の頭部との間の特性を補正する処理を行う第1の信号処理手段と、を具備し、
    前記第1の信号処理手段は、前記使用者の各耳のそれぞれにおいて、前記複数の音波出力手段への信号に対して、前記使用者の一方の耳に対応する前記複数の音波出力手段と前記使用者の前記一方の耳との間の空間における所定の位置を示す音圧点で所定の音圧を再生するように前記複数の音波出力手段と前記音圧点との間の特性および前記複数の音波出力手段相互間の特性を同時に補正することを特徴とする立体音場再生装置。
  2. 前記所定の位置とは録音時におけるマイクの位置に対応する位置であることを特徴とする請求項1に記載の立体音場再生装置。
  3. 前記所定の音圧とは録音時と同じ音圧であることを特徴とする請求項1または2に記載の立体音場再生装置。
  4. さらに、使用時に前記使用者の頭部に装着され、前記複数の音波出力手段を前記使用者の各耳の周辺に保持する保持手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の立体音場再生装置。
  5. 前記複数の音波出力手段は、少なくとも4つあり、前記使用者の両耳近傍において、一つの耳に対して少なくとも二つの音波出力手段が対応するように配置されることを特徴とする請求項1に項記載の立体音場再生装置。
  6. さらに、録音時に、人体の頭部または人体を模した模擬手段の頭部に対して、前記使用者の頭部に対する複数の音波出力手段の位置と同じ関係となる位置またはその近傍に配置され、音場を検出し、前記複数の音波出力手段への信号を生成する複数の検出手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の立体音場再生装置。
  7. さらに、前記複数の音波出力手段への信号に対して、音像を定位させる位置から前記複数の音波出力手段それぞれの近傍までの特性を用いた処理を行う第2の信号処理手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の立体音場再生装置。
  8. 前記複数の音波出力手段は、少なくとも8つあり、前記使用者の両耳近傍において、一つの耳に対して少なくとも4つの音波出力手段が対応し、一つの耳に対応する任意の4つの音波出力手段が三角錐の各頂点に位置するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の立体音場再生装置。
  9. 前記第1の信号処理手段は、前記複数の音波出力手段全てと前記使用者の頭部との間の特性および前記複数の音波出力手段全ての相互間の特性を同時に補正する信号処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の立体音場再生装置。
  10. 前記複数の音波出力手段それぞれは、前記使用者の両耳のいずれか一方に対応し、前記第1の信号処理手段は、一方の耳に対応する音波出力手段全てと前記使用者の頭部との間の特性および一方の耳に対応する音波出力手段全ての相互間の特性を補正する信号処理を行う第3の信号処理手段と、他方の耳に対応する音波出力手段全てと前記使用者の頭部との間の特性および他方の耳に対応する音波出力手段全ての相互間の特性を補正する信号処理を行う第4の信号処理手段と、に分れ、それぞれ同時に信号処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の立体音場再生装置。
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